以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面中に「前方」「後方」「左方」「右方」「上方」「下方」の注記がある場合は、明細書中の説明における「前方(前)」「後方(後)」「左方(左)」「右方(右)」「上方(上)」「下方(下)」とは、その注記された方向を指す。
<テープ印刷装置の概略構成>
まず、図1〜図4を参照しつつ、本実施形態に係わるテープ印刷装置の概略構成について説明する。
<筐体>
図1〜図4において、本実施形態のテープ印刷装置1(印刷装置に相当)は、装置外郭を構成する筐体2を有している。筐体2は、筐体本体2aと、後方側開閉部8と、前方側開閉カバー9と、を備えている。
筐体本体2a内には、後方側に設けられた第1収納部3と、前方側に設けられた第2収納部5及び第3収納部4と、が備えられている。
後方側開閉部8は、筐体本体2aの後方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この後方側開閉部8は、回動することで、第1収納部3の上方を開閉可能である。この後方側開閉部8は、第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bにより構成されている。
第1開閉カバー8aは、筐体本体2aの後方側の上部に設けられた所定の回動軸心K1まわりに回動することで、第1収納部3のうち前方側の上方を開閉可能である。詳細には、第1開閉カバー8aは、第1収納部3のうち前方側の上方を覆う閉じ位置(図1、図2の状態)から、第1収納部3のうち前方側の上方を露出させる開き位置(図3、図4の状態)までの間で回動可能である。
第1開閉カバー8aの内部には、ヘッド保持体10が設けられている(図3も参照)。そして、第1開閉カバー8aは、上記の回動軸心K1まわりに回動することで、ヘッド保持体10に備えられた印字ヘッド11を、筐体本体2aに設けられた搬送ローラ12に対して相対的に離反・近接可能である。詳細には、第1開閉カバー8aは、印字ヘッド11が搬送ローラ12に対して近接した閉じ位置(図1、図2の状態)から、印字ヘッド11が搬送ローラ12から離反した開き位置(図3、図4の状態)までの間で回動可能である。
第2開閉カバー8bは、上記第1開閉カバー8aよりも後方側に設けられており、筐体本体2aの後方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K2まわりに回動することで、第1収納部3のうち後方側の上方を、上記第1開閉カバー8aの開閉とは別個に開閉可能である。詳細には、第2開閉カバー8bは、第1収納部3のうち後方側の上方を覆う閉じ位置(図1及び図2の状態)から、第1収納部3のうち後方側の上方を露出させる開き位置(図3及び図4の状態)までの間で回動可能である。
そして、これら第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bは、それぞれが閉じ状態であるときに、当該第1開閉カバー8aの外周部18と当該第2開閉カバー8bの縁部19とが互いに略接触して、第1収納部3の上方の略全部を覆うように構成されている。
前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K3まわりに回動することで、第3収納部4の上方を開閉可能である。詳細には、前方側開閉カバー9は、第3収納部4の上方を覆う閉じ位置(図1、図2の状態)から、第3収納部4の上方を露出させる開き位置(図3、図4の状態)までの間で回動可能である。
<被印字テープロール及びその周辺>
このとき、図2〜図4に示すように、筐体本体2aにおける、閉じ状態での前方側開閉カバー9の下方にある第1所定位置13には、テープカートリッジTK(図2参照)が着脱可能に装着される。このテープカートリッジTKは、軸心O1まわりに巻回形成された被印字テープロールR1を備えている。
すなわち、テープカートリッジTKは、図5に示すように、被印字テープロールR1と、連結アーム16とを備えている。連結アーム16は、後方側に設けられた左・右一対の第1ブラケット部20,20と、前方側に設けられた左・右一対の第2ブラケット部21,21とを備えている。
第1ブラケット部20,20は、上記被印字テープロールR1を、左右一対の略円形のロールフランジ部f1,f2を介して軸心O1に沿った左・右両側から挟みこむようにし、テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着された状態では被印字テープロールR1を当該軸心O1まわりに回転可能に保持する(保持の詳細構造は後述)。これら第1ブラケット部20,20は、上端部において左右方向に略沿って延設された第1接続部22により被印字テープロールR1の外径との干渉を回避しつつ接続されている。
被印字テープロールR1は、テープカートリッジTKが筐体本体2aの内部に装着された際には回転自在となる。被印字テープロールR1は、繰り出しにより消費される被印字テープ150(後述する被印字層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151を備える。図2中拡大図参照)を、あらかじめ左右方向の軸心O1まわりに巻回している。
第1収納部3には、上記テープカートリッジTKの装着によって、被印字テープロールR1が上方から受け入れられ、被印字テープ150の巻回の軸心O1が左右方向となる状態で収納される。そして、被印字テープロールR1は、第1収納部3に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部3内で所定の回転方向(図2中のA方向)に回転することで、被印字テープ150を繰り出す。
本実施形態では、粘着性を備えた被印字テープ150が用いられる場合を例示している。すなわち、被印字テープ150は、被印字層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151が、厚さ方向一方側(図2中の上方側)から他方側(図2中の下方側)へ向かって、この順序で積層されている。被印字層154は、上記印字ヘッド11によるインクの熱転写によって所望の印字部155(図2中の部分拡大図参照)が形成される層である。粘着剤層152は、基材層153を適宜の被着体(図示省略)に貼り付けるための層である。剥離材層151は、粘着剤層152を覆う層である。
<搬送ローラ及び印字ヘッド>
図2〜図4に戻り、筐体本体2aにおける第1収納部3及び第2収納部5の中間上方側には、上記搬送ローラ12が設けられている。搬送ローラ12は、筐体本体2aの内部に設けられた搬送用モータM1によりギア機構(図示省略)を介して駆動されることで、第1収納部3に収納された被印字テープロールR1から繰り出される被印字テープ150を、テープ幅方向が左右方向となるテープ姿勢で搬送する。
また、第1開閉カバー8aに設けられた上記ヘッド保持部10には、上記印字ヘッド11が備えられている。印字ヘッド11は、上述したように、第1開閉カバー8aが回動軸心K1まわりに回動することで、搬送ローラ12に対して相対的に離間・近接可能である。すなわち、第1開閉カバー8aが閉じ状態となると、印字ヘッド11が搬送ローラ12に近接し、第1開閉カバー8aが開き状態となると、印字ヘッド11が搬送ローラ12から離間する。この印字ヘッド11は、搬送ローラ12により搬送される被印字テープ150を当該搬送ローラ12と協働して挟持するように、ヘッド保持部10のうち閉じ状態での第1開閉カバー8aにおいて搬送ローラ12の上方に対向する位置に配置されている。したがって、第1開閉カバー8aが閉じ状態である場合には、印字ヘッド11と搬送ローラ12とは、互いに上下方向に対向して配置される。そして、印字ヘッド11は、搬送ローラ12との間に挟まれた状態の被印字テープ150の被印字層154に対し、後述するインクリボンカートリッジRKのインクリボンIBを用いて所望の印字を形成して、印字済みテープ150′とする。
<インクリボンカートリッジ>
図2及び図3に示すように、筐体本体2aにおける閉じ状態での第1開閉カバー8aの下方でかつテープカートリッジTKの上方となる第2所定位置14には、インクリボンカートリッジRKが着脱可能に装着される。インクリボンカートリッジRKの詳細構造を図6に示す。
図6に示すように、インクリボンカートリッジRKは、カートリッジ筐体80と、未使用のインクリボンIBを繰り出し可能に巻回したリボン繰り出しロールR4と、リボン巻き取りロールR5とを備えている。カートリッジ筐体80は、後方側の繰り出しロール収納部81と、前方側の巻き取りロール収納部82と、それら両収納部81,82を連結する連結部83と、を有している。連結部83は、リボン繰り出しロールR4から繰り出された上記インクリボンIBをカートリッジ筐体80外に露出させるようにしつつ、上記巻き取りロール収納部82と上記繰り出しロール収納部81とを連結する。
繰り出しロール収納部81は、略半円筒の上部81aと、下部81bと、が組み合わされることにより構成されている。リボン繰り出しロールR4は、繰り出しロール収納部81内において回転自在に支持されており、インクリボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図2中のD方向)に回転することで、印字ヘッド11による印字形成を行うためのインクリボンIBを繰り出す。
巻き取りロール収納部82は、略半円筒の上部82aと、下部82bと、が組み合わされることにより構成されている。リボン巻き取りロールR5は、巻き取りロール収納部82内において回転自在に支持されており、インクリボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図2中のE方向)に回転することで、印字形成後の使用済みのインクリボンIBを巻き取る。
すなわち、図2において、リボン繰り出しロールR4から繰り出されるインクリボンIBは、印字ヘッド11と搬送ローラ12との間に挟まれた状態の被印字テープ150のさらに印字ヘッド11側に配置されて印字ヘッド11の下方に接触する。そして、印字ヘッド11からの加熱によりインクリボンIBのインクが、被印字テープ150の被印字層154に熱転写されて印字形成が実行された後、使用済みのインクリボンIBが、リボン巻き取りロールR5に巻き取られる。
<剥離材ロール及びその周辺>
図5に示すように、テープカートリッジTKの連結アーム16は、例えば略水平なスリット形状を含む引き剥がし部17を備えている。この引き剥がし部17は、被印字テープロールR1から繰り出されて前方側へと搬送される印字済みテープ150′から、剥離材層151を引き剥がす部位である。上記のようにして印字が形成された印字済みテープ150′は、図2に示すように、上記引き剥がし部17によって上記剥離材層151が引き剥がされることで、剥離材層151と、それ以外の被印字層154、基材層153及び粘着剤層152からなる印字済みテープ150″とに分離される。
テープカートリッジTKは、図2及び図5に示すように、上記引き剥がされた剥離材層151が軸心O3まわりに巻回されることで形成される、上記剥離材ロールR3を有している。すなわち、上述したテープカートリッジTKの装着によって、剥離材ロールR3が上方から上記第2収納部5に受け入れられ、剥離材層巻回用の軸心O3が左右方向となる状態で収納される。そして、剥離材ロールR3は、第2収納部5に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において、筐体本体2aの内装基板2bに設けられた剥離紙巻取用モータM3によりギア機構(図示省略)を介して駆動され、第2収納部5内で所定の回転方向(図2中のC方向)に回転することで、剥離材層151を巻き取る。
このとき、図5に示すように、テープカートリッジTKの上記第2ブラケット部21,21は、上記剥離材ロールR3を、左右一対の略円形のロールフランジ部f3,f4を介して軸心O3に沿った左・右両側から挟みこむようにし、テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着された状態では剥離材ロールR3を当該軸心O3まわりに回転可能に保持する(保持構造の詳細については後述)。これら第2ブラケット部21,21は、上端部において左右方向に略沿って延設された第2接続部23により接続されている。そして、後方側の第1ブラケット部20,20及び第1接続部22と、前方側の第2ブラケット部21,21及び第2接続部23とは、左・右一対のロール連結ビーム部24,24により連結されている。
なお、図5中では、軸心O3まわりに剥離材層151が巻回され剥離材ロールR3が形成される前の状態(未使用のテープカートリッジTKである場合)を示している。すなわち、当該剥離材層151の幅方向両側を挟み込むように設けられている略円形の上記ロールフランジ部f3,f4を図示するとともに、便宜的に剥離材ロールR3が形成される箇所に符号「R3」を付している。
<印字済みテープロール及びその周辺>
一方、図2及び図4に示すように、上記第3収納部4には、上記印字済みテープ150″を順次巻回するための、巻き取り機構40が上方から受け入れられる。巻き取り機構40は、印字済みテープ150″の巻回の軸心O2が左右方向となる状態で、軸心O2まわりに回転可能に支持されるように収納される。そして、巻き取り機構40が、第3収納部4に収納された状態において、筐体本体2aの内部に設けられた粘着巻き取り用モータM2により不図示のギア機構を介して駆動され、第3収納部4内で所定の回転方向(図2中のB方向)に回転することで、印字済みテープ150″を巻き取って積層する。これにより、巻き取り機構40の外周側に印字済みテープ150″が順次巻回されて、印字済みテープロールR2が形成される。
<カッター機構30>
また、図2に示すように、テープ搬送方向に沿って印字ヘッド11の下流側でかつ印字済みテープロールR2の上流側に、カッター機構30が設けられている。
カッター機構30は、詳細な図示を省略するが、可動刃と、可動刃を支持しテープ幅方向(言い替えれば左右方向)に走行可能な走行体とを有している。そして、カッターモータ224(図示せず。後述の図12参照)の駆動により走行体が走行し可動刃がテープ幅方向に移動することで、上記印字済みテープ150″を幅方向に切断する。
<テープ印刷装置の動作の概略>
次に、上記構成のテープ印刷装置1の動作の概略について説明する。
すなわち、上記第1所定位置13にテープカートリッジTKが装着されると、筐体本体2aの後方側に位置する第1収納部3に被印字テープロールR1が収納され、筐体本体2aの前方側に位置する第2収納部5に剥離材ロールR3を形成する軸心O3側が収納される。また、筐体本体2aの前方側に位置する第3収納部4には、印字済みテープロールR2を形成するための巻き取り機構40が収納される。
このとき、搬送ローラ12が駆動されると、第1収納部3に収納された被印字テープロールR1の回転により繰り出される被印字テープ150が、前方側へ搬送される。そして、搬送される被印字テープ150の被印字層154に対し、印字ヘッド11により所望の印字が形成されて、印字済みテープ150′となる。印字形成された印字済みテープ150′は、さらに前方側へ搬送されて引き剥がし部17まで搬送されると、当該引き剥がし部17において剥離材層151が引き剥がされて印字済み粘着テープ150″となる。引き剥がされた剥離材層151は、下方側へ搬送されて第2収納部5へ導入され、当該第2収納部5内において巻回されて剥離材ロールR3が形成される。
一方、剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″は、さらに前方側へ搬送されて第3収納部4へ導入され、当該第3収納部4内の巻き取り機構40の外周側に巻回されて印字済みテープロールR2が形成される。その際、搬送方向下流側(すなわち前方側)に設けられたカッター機構30が印字済み粘着テープ150″を切断する。これにより、ユーザの所望のタイミングで、印字済みテープロールR2に巻回されていく印字済み粘着テープ150″を切断し、切断後は印字済みテープロールR2を第3収納部4から取り出すことができる。
なおこのとき、図示による説明を省略するが、被印字テープロールR1に、非粘着テープ(上記粘着剤層152及び剥離材層151のないもの)が巻回されていても良い。この場合においても、第1収納部3には、テープカートリッジTKの装着によって、非粘着テープが巻回された被印字テープロールR1が上方から受け入れられ、非粘着テープの巻回の軸心O1が左右方向となる状態で収納される。そして、被印字テープロールR1は、第1収納部3に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部3内で所定の回転方向(図2中のA方向)に回転することで、非粘着テープを繰り出す。
またこのとき、上記非粘着テープ(又は上記被印字テープ150でもよい)の搬送経路を、印字済みテープロールR2へ向かう側と排出口(図示省略)へ向かう側との相互間で切り替える、シュート15(図2参照)が配されていても良い。すなわち、切替レバー(図示省略)によるシュート15の切替操作でテープ経路を切り替えることで、印字形成後の非粘着テープ(又は印字済みテープ150″)を後述のように第3収納部4内において巻回することなく、筐体2の例えば第2開閉カバー8b側に設けた排出口(図示省略)から、そのまま筐体2外部へ排出するようにしても良い。
<被印字テープロールの支持構造詳細>
上記図5と、図7及び図8に示すように、被印字テープロールR1は、巻芯103を備えている。すなわち、巻芯103の外周に上記被印字テープ150が繰り出し可能に巻回される(=ロール状巻回体RRを構成する)ことで、上記被印字テープロールR1が構成される。
巻芯103は、左右一対の左固定軸部106L及び右固定軸部106Rが互いに直結されてなる、固定軸部材106によって回転可能に支持されている。すなわち、巻芯103は、外筒103Aと内筒103Bとの二重管構造となっている。そして、左固定軸部106Lの右端側に位置する短筒部115aが、内筒103Bの左側から摺動自在に挿入される。このとき、短筒部115aの外径よりも大きな内径を備えた貫通孔20L(図8に概略的に示す)が左側の上記第1ブラケット部20に設けられている。そして、短筒部115aは、当該貫通孔20Lを貫通しつつ、第1ブラケット部20を介し反対側(つまり右側)に位置する上記巻芯103の内筒103Bへと挿入される。
同様に、右固定軸部106Rの左端側に位置する長筒部115bが、内筒103Bの右側から摺動自在に挿入される。このとき、長筒部115bの外径よりも大きな内径を備えた貫通孔20R(図8に概略的に示す)が右側の上記第1ブラケット部20に設けられている。そして、長筒部115bは、当該貫通孔20Rを貫通しつつ、第1ブラケット部20を介し反対側(つまり左側)に位置する上記巻芯103の内筒103Bへと挿入される。
その後、左固定軸部106Lに周方向複数箇所に設けられた係止孔111aそれぞれに、右固定軸部106Rの各係止片111bが係合することで、左・右固定軸部106L,106R同士が連結され一体化される。これにより、巻芯103は、左右一対の第1ブラケット部20,20の間において、左・右固定軸部106L,106Rからなる固定軸部材106を固定中心軸としつつ、そのまわりに摺動回転可能となる。
このとき、外筒103Aの表面には、軸方向に沿って複数個の係止孔103aが形成されている。一方、ロールフランジ部f1,f2の中心側には、円形開口部fbが設けられている。円形開口部gbの内周縁には、係止突起faが形成されている。そして、ロールフランジ部f1,f2の各係止突起faを、外筒103Aのいずれかの係止孔103aに嵌合させることで、ロールフランジ部f1,f2を、被印字テープロールR1を構成する被印字テープ150の幅に対応した位置に固定することができる。
以上のように、上記固定軸部材106を構成する左・右固定軸部106L,106Rは、上記のように貫通孔20L,20Rに対し短筒部115a及び長筒部115bが(遊び寸法を介して)挿入されている。しかしながら、それら左・右固定軸部106L,106Rは、それぞれに備えられた位置決めフランジ部105L,105Rによって、第1ブラケット部20,20に対しては回転不能に係合している。すなわち、各第1ブラケット部20は、図5及び図7に示すように、上・下2つの円弧部104b,104b及び前・後2つの直線部104a,104aを含み全体的には略長円形(小判型)の形状を備えた第1ガイド部104を、下端部近傍に有している。一方、上記位置決めフランジ部105L,105Rは、上下方向(言い替えれば自重作用方向)に沿うように前・後2つ形成された直線状の外縁部105a,105aを含む、全体的に(第1ガイド部104よりやや小さい)略小判型の形状を備えている。そして、上述のようにして貫通孔20Lに対し短筒部115aが挿入される際には、位置決めフランジ部105Lは左の第1ブラケット部20の上記第1ガイド部104に対し、上記外縁部105a,105aを上記直線部104a,104aに略沿わせるようにしつつ収納される。同様に、貫通孔20Rに対し長筒部115bが挿入される際には、位置決めフランジ部105R(各請求項記載のフランジ部に相当)は右の第1ブラケット部20の上記第1ガイド部104に対し、上記外縁部105a,105aを上記直線部104a,104aに略沿わせるようにしつつ収納される。これらの結果、左・右位置決めフランジ部105L,105が第1ガイド部104,104に収納された状態において、左・右固定軸部106L,106Rは左・右第1ブラケット部20,20に対して回転不能に係合する。
以上の構成により、ロールフランジ部f1,f2及び巻芯103が一体となって、左右一対の第1ブラケット部20,20の間において、当該第1ブラケット部20に係止された固定軸部材106に対し回転することができる。これによって、被印字テープロールR1が、第1ブラケット部20,20に対し、上記軸心O1を中心に回転自在に支持されることとなり、回転することで被印字テープ150を繰り出すことができる。
<左固定軸部の軸端に内蔵されたメモリ>
本実施形態では、上記固定軸部材106を構成する左固定軸部106Lに、第1記憶媒体としてのテープカートリッジメモリ107が設けられる。以下、その詳細を順を追って説明する。
図9(a)〜(d)及び上記図8、図7等に示すように、上記左固定軸部106Lは、位置決めフランジ部105Lを挟んで上記短筒部115aと反対側(すなわち左側)に軸端筐体部121を備えている。軸端筐体部121は、軸方向から見て横向きの略D字状となる外形状を備えている。この軸端筐体部121の内部に、上記テープカートリッジメモリ107が内蔵されている。
また、軸端筐体部121のうち上記D字状の下方の直線部分に設けられた開口面に、表面に露出するように端子部107aが設けられている(図9(d)及び図7参照)。
端子部107aは、上記テープカートリッジメモリ107に導通している。そして、後述のようにしてテープカートリッジTKが筐体本体2a内に装着されたときに、筐体本体2aの左側壁面の内周側部位(詳細は後述)に設けた外部端子207(図4に概念的に位置のみを示す。後述の図12も参照)に上方から接触し、導通される。これにより、この端子部107aに接続して設けられた上記テープカートリッジメモリ107に対し、筐体2側から情報読み取りや情報書き込みを行うことができる。なお、本実施形態では、後述のように、テープカートリッジメモリ107には、当該テープカートリッジTKの被印字テープロールR1におけるテープ残量の読み取り及び書き込みが行われる。
<剥離材ロールの軸心近傍詳細構造>
図5及び図7に戻り、一方、剥離材ロールR3についても、詳細な図示は省略するが、上記被印字テープロールR1と同様の支持構造である。すなわち、剥離材ロールR3は巻芯108を備えており、巻芯108の外周に上記のようにして引き剥がされた剥離材層151が巻き取られて巻回される(=ロール状巻回体を構成する)ことで、上記剥離材ロールR3が構成される。
巻芯108は、固定軸部材110によって回転可能に支持されている。巻芯108は、上記巻芯103と同様、外筒と内筒との二重管構造となっている。このとき、上記外筒の外径よりも大きな内径を備えた貫通孔(図示せず)が左・右の上記第2ブラケット部21,21にそれぞれ設けられている。そして、固定軸部材110の軸本体部(上記短筒部115a及び長筒部115bに相当する部分。図示せず)が、当該貫通孔を貫通しつつ、上記巻芯108の内筒へと摺動自在に挿入される。これにより、巻芯108は、左右一対の第2ブラケット部21,21の間において、上記固定軸部材110を固定中心軸としつつ、そのまわりに摺動回転可能となる。
このとき、上記巻芯108の外筒の表面には、上記巻芯103の係止孔103aと同様、軸方向に沿って複数個の係止孔が形成されている。一方、ロールフランジ部f3,f4の中心側には、上記ロールフランジ部f1,f2の係止突起faと同様の係止突起(図示せず)が形成されている。そして、ロールフランジ部f3,f4の上記各係止突起を、上記巻芯108の外筒のいずれかの上記係止孔に嵌合させることで、ロールフランジ部f3,f4を、剥離材ロールR3を構成する剥離材151の幅(言い替えれば被印字テープ150の幅)に対応した位置に固定することができる。
以上の構成により、ロールフランジ部f3,f4及び巻芯108が一体となって、左右一対の第2ブラケット部21,21の間において、固定軸部材110に対し回転することができる。これによって、剥離材ロールR3が、第2ブラケット部21,21に対し、上記軸心O3を中心に回転自在に支持される。このとき、固定軸部材110は、ギア機構(図示省略)を介して剥離紙巻取用モータM3に作動連結されており、当該剥離紙巻取用モータM3からの駆動力で回転することで、上記被印字テープ150から引き剥がされた上記剥離材層151を巻き取ることができる。
<エンコーダによる被印字テープロールのテープ残量検出>
次に、本実施形態の特徴の1つである、被印字テープロールR1における被印字テープ150の残量検出について、図10等を用いて説明する。図10に示すように、上記巻芯103を構成する上記内筒103Bの外周面に、被印字テープ150の残量(言い替えれば消費量)を検出するための凸部100bが、周方向に沿って等間隔に形成されている。各凸部100bの間には凹部100aが設けられている。なお、これら凸部100b及び凹部100aが、光学検出用の第1被検出識別子に相当している。
なお、前述したように、巻芯103が左右一対の第1ブラケット部20,20の間において固定軸部材106のまわりに摺動可能に支持されるとき、上記外筒103Aの右端部は右側の第1ブラケット部20の上記貫通孔20Rを貫通しないが、内筒103Bの右端部(上記凸部100b及び凹部100aを含む)は当該貫通孔20Rを貫通し、右側の第1ブラケット部20よりもさらに右側の外方へと露出する。この結果、右側の第1ブラケット部20が上記凸部100b及び凹部100aの径方向外周側を覆うと共に、右固定軸部106Rの上記位置決めフランジ部105Rが、上記凸部100b及び凹部100aの軸方向一方側(この例では右側)を覆うことになる。
このとき、前述の図3に示したように、上記に対応して、第1収納部3の右側内部側壁に、公知の手法により光学的検出を行うテープエンコーダ100(テープ残量検出手段に相当)が設けられている。例えば、このテープエンコーダ100は、投光器と受光器とを備えている。上記のようにしてテープカートリッジTKが装着されると、上記テープエンコーダ100の位置が、上記軸心O1方向に沿って前述の右側の位置決めフランジ部105Rと対向する位置となる。このとき、この位置決めフランジ部105Rのテープエンコーダ100と反対側(左側)に、上記巻芯103の凸部100b及び凹部100aが位置している。そして、位置決めフランジ部105Rには、エンコーダ検出用の検出孔105cが形成されている(図8参照)。これにより、上記投光器からの光を、検出孔105cを通過させつつ上記軸心O1方向に沿って凸部100b又は凹部100aへと当てることができる。
巻芯103の内筒103Bの回転状態に応じ、上記投光器からの光の光線(例えば上記軸心O1と平行)上に上記凸部100bが位置した場合には、当該光は凸部100bにおいて反射し、逆向きに再び検出孔105cを通過して出射し、受光器において受光される。この結果、受光器から上記受光に対応した所定の検出信号が出力される。一方、上記投光器からの光の光線上に上記凹部100aが位置した場合には、上記のような受光器での受光は起こらない(あるいは極めて受光量が小さい)。この結果、受光器から上記受光に対応した検出信号は出力されない。以上により、巻芯103の回転(言い替えれば被印字テープロールR1の回転)によって上記凹部100a及び凸部100bが交互に上記光線上に到来する結果、受光器からの検出信号のON・OFFが上記回転速度に対応した周期によって繰り返される。これにより、当該周期の長短に基づき、上記被印字テープロールR1の回転速度を検出することができる。
そして、テープカートリッジTKの使用時において、被印字テープロールR1から被印字テープ150が繰り出されて消費されるにつれて、被印字テープロールR1の径が小さくなり、この結果、同一のテープ繰り出し速度であってもロール回転速度、言い換えれば巻芯103の内筒103Bの回転速度が速くなる。これにより、(公知の手法であるため詳細な説明を省略するが)上記のようにしてテープエンコーダ100の検出結果に基づき巻芯103すなわち被印字テープロールR1の回転速度を算出することで、上記のような被印字テープロールR1の小径化の度合い、すなわちテープ残量を算出することができる。
なお、以上の結果、凹部100a及び凸部100bは、上記テープカートリッジメモリ107が設けられる固定軸部材106の左固定軸部106Lとは反対側となる、巻芯103の右側に設けられることとなる。
<エンコーダによるリボン繰り出しロールのリボン残量検出等>
次に、本実施形態の別の特徴である、リボン繰り出しロールR4におけるインクリボンIBの残量検出について、図11及び上記図6を用いて順を追って説明する。
図11及び上記図6に示すように、インクリボンカートリッジRKは、前述したように、カートリッジ筐体80と、未使用のインクリボンIBを繰り出し可能に巻回したリボン繰り出しロールR4と、リボン巻き取りロールR5とを備えている。カートリッジ筐体80は、後方側の繰り出しロール収納部81と、前方側の巻き取りロール収納部82と、それら両収納部81,82を連結する連結部83と、固定接点収納部89と、を有している。連結部83は、リボン繰り出しロールR4から繰り出された上記インクリボンIBをカートリッジ筐体80外に露出させるようにしつつ、上記巻き取りロール収納部82と上記繰り出しロール収納部81とを連結する。
<繰り出しロール収納部>
繰り出しロール収納部81は、既に述べたように、略半円筒の上部81aと、下部81bと、が組み合わされることにより構成されている。上部81aは、軸心k1及び軸心k2(後述)に直交する直交方向(上下方向)に沿った一方側(上側)に位置している。下部81bは、上記直交方向に沿った他方側(下側)に位置している。下部81bの上部開口側四隅に穿設されている略矩形状の各フック孔85に、上部81aの下部開口側四隅に突設された舌片状の各フック片84がそれぞれ係合する。これにより、上部81aが下部81bに組み付けられて上部81aの軸心k12がリボン繰り出しロールの軸心(後述の巻芯92の軸心k1に相当)に一致し、上記略円筒状の繰り出しロール収納部81が構築される。
そして、繰り出しロール収納部81は、軸心k11を備え、回転自在となるように上記上部81a及び下部81bに支持される被駆動軸91と、軸心k1を備え、被駆動軸91の外周側に装着される巻芯92と、被駆動軸93に一体に構成された被検出ディスク93(詳細は後述)と、を内包する。
巻芯92は、外周に未使用のインクリボンIBが繰り出し可能に巻回されることで、上記リボン繰り出しロールR4を構成する。これにより、リボン繰り出しロールR4は、繰り出しロール収納部81内に上記軸心k1を中心に回転自在に配置される。
<被検出ディスクによる残量検出構造>
被駆動軸91の軸心k11に沿った一方側(この例では右側)には、インクリボンIBの残量(言い換えれば消費量)を検出するための、上記被検出ディスク93が一体的に設けられている。
被検出ディスク93は、光を通過させる貫通孔93aと、光を通過させない壁部93bと、が周方向に沿って交互に設けられている。なお、これら貫通孔93aと壁部93bとが、光学検出用の被検出マーク(第2被検出識別子に相当)を構成している。
このとき、前述の図3に示すように、上記に対応して、第1開閉カバー8aの内部側壁に、公知の手法により光学的検出を行うリボンエンコーダ217(リボン残量検出手段に相当)が設けられている。例えば、このリボンエンコーダ217は、投光器と受光器とを備えている。上記のようにしてインクリボンカートリッジRKが装着された後に第1開閉カバー8aが閉じ状態となると、上記リボンエンコーダ217の位置が、上記軸心k11方向に沿って上部81a越しに被検出ディスク93と対向する位置となる。前述のように上部81aは透過性部材により構成されていることから、上記投光器からの光を上部81aを透過させつつ上記軸心k11方向(言い替えれば上記軸心k12方向)に沿って繰り出しロール収納部81内に入射し、内部の被検出ディスク93へと当てることができる。
被検出ディスク93の回転状態に応じ、上記繰り出しロール収納部81内に入射した光の光線(例えば上記軸心k12と平行)上に被検出ディスク93の上記壁部93bが位置した場合には、当該光は壁部93bにおいて反射し、逆向きに再び上部81aを透過して繰り出しロール収納部81外へ出射し、受光器において受光される。この結果、受光器から上記受光に対応した所定の検出信号が出力される。一方、上記繰り出しロール収納部81内に入射した光の光線上に被検出ディスク93の上記貫通孔93aが位置した場合には、当該光は貫通孔93aを通過する結果、上記のような受光器での受光は起こらない(あるいは極めて受光量が小さい)。この結果、受光器から上記受光に対応した検出信号は出力されない。以上により、被検出ディスク93の回転によって上記貫通孔93a及び壁部93bが交互に上記光線上に到来する結果、受光器からの検出信号のON・OFFが上記回転速度に対応した周期によって繰り返される。これにより、当該周期の長短に基づき、上記被検出ディスク93の回転速度を検出することができる。
そして、インクリボンカートリッジRKの使用時において、リボン繰り出しロールR4からインクリボンIBが繰り出されて消費されるにつれて、リボン繰り出しロールR4の径が小さくなり、この結果、同一のリボン繰り出し速度であってもロール回転速度、言い換えれば被検出ディスク93の回転速度が速くなる。これにより、(公知の手法であるため詳細な説明を省略するが)上記のようにしてリボンエンコーダ217の検出結果に基づき被検出ディスク93の回転速度を算出することで、上記のようなリボン繰り出しロールR4の小径化の度合い、すなわちリボン残量を算出することができる。
<巻き取りロール収納部>
巻き取りロール収納部82は、略半円筒の上部82aと、下部82bと、が組み合わされることにより構成されている。上部82aは、軸心k1及び軸心k2に直交する直交方向(上下方向)に沿った一方側(上側)に位置している。下部82bは、上記直交方向に沿った他方側(下側)に位置している。下部82bの上部開口側の左端部前方側に穿設されている略矩形状の各フック孔87に、上部82aの下部開口側の左端部前方側から下方に向けて突設された舌片状のフック片86が係合する。これにより、上部82aが下部82bに組み付けられて上部82aの軸心k22がリボン巻き取りロールの軸心(後述の巻芯95の軸心k2に相当)に一致し、上記略円筒状の巻き取りロール収納部82が構築される。
そして、巻き取りロール収納部82は、軸心k21を備え、回転自在となるように上記上部82a及び下部82bに支持されるとともに、駆動力が与えられて回転する駆動軸94と、軸心k2を備え、駆動軸91の外周側に装着される巻芯95と、駆動軸94に一体に構成された駆動ギア94b(詳細は後述)と、を内包する。
巻芯95の軸心k2に沿った両端側には、大径のフランジ部95b,95bが形成されている。この巻芯95は、上記フランジ部95b,95b間の巻胴部95cの外周に使用済み(印字形成後)のインクリボンIBが巻き取って巻回されることで、上記リボン巻き取りロールR5を構成する。これにより、リボン巻き取りロールR5は、巻き取りロール収納部82内に上記軸心k2を中心に回転自在に配置される。
駆動軸94の軸心k21に沿った左端側(あるいは接点収納部89と入れ替わりに右端側に配置してもよい)には、中間フランジ94cを介して、上記駆動ギア94bが形成されている。この駆動ギア94bは、上記搬送ローラ12を駆動させる搬送用モータM1の駆動力がギア機構(図示省略)を介して入力される。
<固定接点収納部の固定接点面>
固定接点収納部89は、図6等に示すように、上記巻き取りロール収納部82からさらに右方へ突出するように設けられている。固定接点収納部89は、外郭を構成するケース89aと、ケース89aの上面の後方寄りに設けた開口89bと、開口89bを介し上方に露出するようにケース89a内に設けられた固定接点面72と、固定接点面72に接続するようにケース89内に設けられたリボンカートリッジメモリ73(第2記憶媒体)と、を有している。
<筐体側の金属端子>
そして、上記に対応し、図3に示すように、筐体2の第1開閉カバー8a(第2開閉カバー8bでも良い)の内側に、弾性変形可能な金属弾性部材により構成された少なくとも1つの金属端子71が設けられる。この金属端子71は、第1開閉カバー8aが開き状態にあるときは、上記第2所定位置14に装着されたインクリボンカートリッジRKのカートリッジ筐体80の上記固定接点面72から、離間した状態にある(図3参照)。その一方、金属端子71は、第1開閉カバー8aが閉じ状態にあるときは上記固定接点面72と接触して導通する。これにより、上記固定接点面72に接続して設けられた上記リボンカートリッジメモリ73(後述の図12も参照)に対し、筐体2側から情報読み取りや情報書き込みを行うことができる。なお、本実施形態では、後述のように、リボンカートリッジメモリ73には、当該リボンカートリッジRKのリボン繰り出しロールR4におけるリボン残量の読み取り及び書き込みが行われる。
<制御系>
次に、図12を用いて、テープ印刷装置1の制御系について説明する。図12において、テープ印刷装置1には、所定の演算を行う演算部を構成するCPU212が備えられている。CPU212は、RAM213及びROM214に接続されている。CPU212は、RAM213の一時記憶機能を利用しつつROM214に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによってテープ印刷装置1全体の制御を行う。
また、CPU212は、上記搬送ローラ12を駆動する上記搬送用モータM1の駆動制御を行うモータ駆動回路218と、上記印字済みテープロールR2を駆動する上記粘着巻取用モータM2の駆動制御を行うモータ駆動回路219と、上記剥離材ロールR3を駆動する上記剥離紙巻取用モータM3の駆動制御を行うモータ駆動回路220と、上記印字ヘッド11の発熱素子の通電制御を行う印字ヘッド制御回路221と、上記カッター機構30の上記カッターモータ224の駆動制御を行うモータ駆動回路223と、適宜の表示を行う表示部215と、ユーザが適宜に操作入力可能な操作部216と、に接続されている。
また、本実施形態では、CPU212には、上記テープエンコーダ100が接続されている。これにより、前述したように、テープエンコーダ100の受光器からの検出信号がCPU212に入力され、当該検出信号のON・OFFの周期(巻芯103の回転速度に対応)に基づき、上記巻芯103の回転速度がCPU212によって検出される。同様に、CPU212には、上記リボンエンコーダ217が接続されている。これにより、前述したように、リボンエンコーダ217の受光器からの検出信号がCPU212に入力され、当該検出信号のON・OFFの周期(巻芯103の回転速度に対応)に基づき、上記被検出ディスク93の回転速度がCPU212によって検出される。
さらに、本実施形態では、CPU212には、上記外部端子207が接続されている。これにより、前述のようにして、外部端子207が端子部107aと接触して導通したとき、上記テープカートリッジメモリ107に対して情報読み取りや情報書き込みを行うことができる(後述のように本実施形態ではテープ残量の読み取り及び書き込みを行う)。同様に、CPU212には、上記金属端子71が接続されている。これにより、前述のようにして、金属端子71が固定接点面72と接触して導通したとき、上記リボンカートリッジメモリ73に対して情報読み取りや情報書き込みを行うことができる(後述のように本実施形態ではリボン残量の読み取り及び書き込みを行う)。
ROM214には、所定の制御処理を実行するための制御プログラムが記憶されている。RAM213には、例えば不図示のPCから受信した画像データ形式の印刷データを、上記被印字層154の所定の印字領域に印字するためのドットパターンデータに展開して記憶する、イメージバッファ213aが備えられている。CPU212は、ROM214に記憶された適宜の制御プログラムによって、搬送ローラ12により凹凸テープ153を繰り出しつつ、イメージバッファ213aに記憶された印刷データに従って、印字ヘッド制御回路221を介し印字ヘッド11により当該印刷データに対応した印刷を行う。
<テープ残量の保持、読み取り、更新>
上述したように、本実施形態においては、テープカートリッジTKにテープカートリッジメモリ107(第1記憶媒体)が設けられ、被印字テープロールR1のテープ残量が当該テープカートリッジメモリ107に書き込まれ記憶されており、テープカートリッジTKと一体的に保持されている。この結果、テープカートリッジTKがテープ印刷装置1に対し着脱を繰り返しつつ用いられる場合であっても、常に被印字テープロールR1のテープ残量をテープカートリッジTK自体が保持していることから、これをテープ印刷装置1が読み取って取得することで、正確なテープ残量を確実に得ることができる。
新たに印字形成動作を開始する際には、上記読み取ったテープ残量から、印字形成動作によりさらに消費された被印字テープ150の量を差し引くことで、テープ残量の更新が行われる。すなわち、テープカートリッジTKが装着されると、上述したように上記テープカートリッジメモリ107に記憶されたテープ残量が取得される。そして、上述のように印字形成が実行されると、その際の被印字テープ150の搬送量が検出される。また、印字形成動作の開始後の適宜のタイミングになると、上記取得されたテープ残量から上記検出された搬送量が差し引かれ、最新のテープ残量理論値が算出される。
<テープ残量の誤差発生要因>
ここで、上記のようにしてテープカートリッジTKがテープ印刷装置1に対し着脱される場合、テープ印刷装置1から取り外された状態で、テープ弛みを除去する目的等により、ユーザが手操作で被印字テープロールR1からテープを繰り出したり、逆に戻したり等を行う場合があり得る。このような場合には、上記テープカートリッジメモリ107に記憶されたテープ残量は、当該手操作によるテープ繰り出し又は戻し量を反映しておらず、真のテープ残量との間にズレが生じうる。この結果、例えばテープ印刷装置1へのテープカートリッジTKの着脱回数が多くなるほど、テープカートリッジメモリ107に記憶されたテープ残量の上記真のテープ残量に対する誤差が大きくなり、さらには上記記憶されたテープ残量に基づき算出される上記テープ残量理論値に含まれる誤差も大きくなるおそれがある。
<インクリボン>
また、本実施形態においては、インクリボンIBについても、上記と同様である。すなわち、インクリボンカートリッジRKにインクリボンカートリッジメモリ73(第2記憶媒体)が設けられ、リボン繰り出しロールR4のリボン残量が当該インクリボンカートリッジメモリ73に書き込まれ記憶されている。上記同様、インクリボンカートリッジRKが装着されると、インクリボンカートリッジメモリ73に記憶されたリボン残量が取得されるとともに、印字形成実行時のインクリボンIBの繰り出し量が検出される。そして、印字形成動作の開始後の適宜のタイミングになると、上記取得されたリボン残量から上記検出された繰り出しが差し引かれ、最新のリボン残量理論値が算出される。そして、インクリボンカートリッジRKについても、上記同様、テープ印刷装置1から取り外された状態で、ユーザが手操作でリボンを繰り出したり戻したり等を行う場合があり、インクリボンカートリッジメモリ73に記憶されたリボン残量に基づき算出される上記リボン残量理論値に含まれる誤差が大きくなるおそれがある。
<実施形態の特徴>
そこで、本実施形態においては、上述の残量理論値と残量実測値との差に応じて、いずれを確定テープ残量(又は確定リボン残量)とするか、が決定される。すなわち、上記の残量理論値と残量実測値との差が所定のしきい値以下であれば、(そのまま残量理論値を用いても大きな支障はないとみなされ)上記残量理論値が確定テープ残量(又は確定リボン残量)とされる。これに対して、上記残量理論値と残量実測値との差が所定のしきい値より大きくなると、(そのまま残量理論値を用いるには難があるとみなされ)上記残量理論値に替えて、上記残量実測値が確定テープ残量(又は確定リボン残量)とされる。
<制御フロー>
上記の手法を実現するために、上記CPU212によって実行される処理内容を、図13のフローにより説明する。図13において、例えばユーザによりテープ印刷装置1の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
まず、ステップS200において、CPU212は、テープカートリッジTK及びインクリボンカートリッジRKが筐体本体2aの第1所定位置13及び第2所定位置14それぞれに装着されたか否かを判定する。例えば、適宜の接触式・非接触式のセンサによって上記所定位置13,14への各カートリッジTK,RKの据え付けを直接検出してもよいし、あるいは、適宜の開閉検出センサ等により上記第1開閉カバー8a、第2開閉カバー8b等の閉じ状態を検出してもよい。そしてそれらの検出結果に基づき、上記判定が行われる。所定位置13,14への装着がなされていない場合、判定は満たされず(S200:NO)、この判定が満たされるまでループ待機する。装着がなされた場合、判定が満たされ(S200:YES)、ステップS201に移る。
ステップS201では、CPU212は、前述のようにして、端子部107a及び外部端子207を介し、上記テープカートリッジメモリ107に記憶されている被印字テープロールR1における被印字テープ150のテープ残量を取得する。なお、このステップS201が、各請求項記載のテープ残量取得手段として機能する。
その後、ステップS202において、CPU212は、前述のようにして、固定接点面72及び金属端子71を介し、上記リボンカートリッジメモリ73に記憶されているリボン繰り出しロールR4におけるインクリボンIBのリボン残量を取得する。なお、このステップS202が、各請求項記載のリボン残量取得手段として機能する。
そして、ステップS203において、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を開始して、上記被印字テープ150、印字済みテープ150′、及び印字済みテープ150″の搬送(以下適宜、単に「テープ搬送」と称する)、及び上記印字済みテープ150″の巻き取りを開始する。
その後、ステップS204で、CPU212は、操作部216での(又は別途CPU212に情報送受信可能に接続された外部端末での)ユーザの入力操作に対応して予め生成された印字データに基づき、公知の手法により、対応する印字開始位置まで上記テープ搬送が到達したか否かを判定する。印字開始位置に到達していない場合、判定は満たされず(S204:NO)、この判定が満たされるまでループ待機する。印字開始位置に到達した場合、判定は満たされ(S204:YES)、ステップS205に移る。
ステップS205では、CPU212は、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子に通電を行って上記被印字テープ150への印字形成を開始する。
その後、ステップS206において、CPU212は、このタイミング(各請求項記載の第1タイミングに相当)における、上記ステップS203で開始された搬送ローラ12による上記テープ搬送の搬送量を算出する。この搬送量の算出は、適宜の公知の手法(例えば、パルスモータである上記搬送用モータM1へのモータ駆動回路218からの制御信号に含まれるパルス数をカウントする、等)により行えば足りるので、詳細な説明は省略する。なお、このステップS206が、各請求項記載のテープ搬送検出手段として機能する。
そして、ステップS207に移り、CPU212は、上記ステップS201において取得されたテープ残量に、上記ステップS206において算出された搬送量を加味して(例えば差し引いて)、上記タイミングにおける最新のテープ残量理論値Tthを算出する。なお、このステップS207が、各請求項記載の第1残量理論値算出手段として機能する。
その後、ステップS208において、CPU212は、上記巻芯103の上記第1被検出識別子(凸部100b及び凹部100a)に対するテープエンコーダ100による検出結果を取得する。そして、ステップS209において、ステップS208で取得された検出結果に基づき、被印字テープロールR1におけるテープ残量実測値Trを算出する。なお、このステップS209が、各請求項記載の第1残量実測値算出手段として機能する。この例では、図14に示すテーブルを利用してこの算出を行う。図示のように、このテーブルでは、上記凸部100b及び凹部100aに対応した上記テープエンコーダ100の受光器からの検出信号のON・OFFの周期[s]に、(被印字テープロールR1の外径を加味した)被印字テープ150のテープ残量[m]が予め相関として対応づけられている。上記ステップS209では、CPU212は、この相関を参照し、ステップS208での検出結果に対応した上記周期に対応した上記テープ残量を取得し、これを上記テープ残量実測値Trとする。その後、ステップS210に移る。
ステップS210では、CPU212は、上記ステップS207で算出したテープ理論残量値Tthと、上記ステップS209で算出したテープ残量実測値Trとの、偏差(詳細にはその絶対値)△Tを算出する。なお、このステップS210が、各請求項記載のテープ偏差算出手段として機能する。
その後、ステップS211において、CPU212は、上記ステップS210で算出された偏差△Tが所定の第1しきい値(予め適宜に定められている)以下であるか否かを判定する。第1しきい値より大きい場合、判定は満たされず(S211:NO)、ステップS213に移行する。一方、第1しきい値以下であった場合、判定は満たされ(S211:YES)、ステップS212に移る。
ステップS212では、CPU212は、上記ステップS207により算出された上記テープ残量理論値Tthを確定テープ残量とする。その後、後述のステップS214に移る。
ステップS213では、CPU212は、上記ステップS207により算出された上記テープ残量理論値Tthを、上記ステップS209により算出された上記テープ残量実測値Trで置き換えて、確定テープ残量とする。その後、後述のステップS214に移る。なお、上記ステップS211、ステップS212、ステップS213が、各請求項記載のテープ残量確定手段として機能する。
ステップS214では、CPU212は、このタイミング(各請求項記載の第2タイミングに相当)における、上記ステップS203での搬送ローラ12によるテープ搬送と同期して開始された、リボン繰り出しロールR4からのインクリボンIBの繰り出し量を算出する。この搬送量の算出は、適宜の公知の手法(例えば、パルスモータである上記搬送用モータM1へのモータ駆動回路218からの制御信号に含まれるパルス数をカウントする、等)により行えば足りるので、詳細な説明は省略する。なお、このステップS214が、各請求項記載のリボン繰り出し検出手段として機能する。
そして、ステップS215において、CPU212は、上記ステップS202において取得されたリボン残量に、上記ステップS214において算出された上記インクリボンIBの繰り出し量を加味して(例えば差し引いて)、上記タイミングにおける最新のリボン残量理論値Rthを算出する。なお、このステップS215が、各請求項記載の第2残量理論値算出手段として機能する。
その後、ステップS216において、CPU212は、上記被検出ディスク93の上記第2被検出識別子(貫通孔93aと壁部93b)に対するリボンエンコーダ217による検出結果を取得する。そして、ステップS217において、ステップS216で取得された検出結果に基づき、リボン繰り出しロールR4におけるリボン残量実測値Rrを算出する。なお、このステップS217が、各請求項記載の第2残量実測値算出手段として機能する。この例では、図15に示すテーブルを利用してこの算出を行う。図示のように、このテーブルでは、上記貫通孔93aと壁部93bに対応した上記リボンエンコーダ217の受光器からの検出信号のON・OFFの周期[s]に、(リボン繰り出しロールR4の外径を加味した)インクリボンIBのテープ残量[m]が予め相関として対応づけられている。上記ステップS217では、CPU212は、この相関を参照し、ステップS216での検出結果に対応した上記周期に対応した上記リボン残量を取得し、これを上記リボン残量実測値Rrとする。その後、ステップS218に移る。
ステップS218では、CPU212は、上記ステップS215で算出されたリボン残量理論値Rthと、上記ステップS217で算出されたリボン残量実測値Rrとの、偏差(詳細にはその絶対値)△Rを算出する。なお、このステップS218が、各請求項記載のリボン偏差算出手段として機能する。
その後、ステップS219において、CPU212は、上記ステップS218で算出された偏差△Rが所定の第2しきい値(予め適宜に定められている)以下であるか否かを判定する。第2しきい値より大きい場合、判定は満たされず(S219:NO)、ステップS221に移行する。一方、第2しきい値以下であった場合、判定は満たされ(S219:YES)、ステップS220に移る。
ステップS220では、CPU212は、上記ステップS215により算出された上記リボン残量理論値Rthを確定リボン残量とする。その後、後述のステップS222に移る。
ステップS221では、CPU212は、上記ステップS215により算出された上記リボン残量理論値Rthを、上記ステップS217により算出された上記リボン残量実測値Rrで置き換えて、確定テープ残量とする。その後、後述のステップS222に移る。なお、上記ステップS219、ステップS220、ステップS221が、各請求項記載のリボン残量確定手段として機能する。
ステップS222では、CPU212は、表示部215(又は上記外部端末でもよい)に対し、表示制御信号を出力し、上記ステップS212、ステップS213で確定したテープ残量、及び、ステップS220、ステップS221にて確定したリボン残量を、表示部215(又は上記外部端末)に表示する。その後、ステップS235に移る。
なお、このとき、上記したステップS222等において確定されたテープ残量やリボン残量をそのまま表示するのではなく、CPU212は、確定テープ残量(又は確定リボン残量)に対し所定の余裕値を減じる補正を行い(=テープ残量補正手段としての機能)、上記ステップS235において、その補正後の確定テープ残量(又は確定リボン残量)を表示させるようにしてもよい(=テープ残量表示手段としての機能)。このように、確定された確定テープ残量(又は確定リボン残量)をそのまま表示するのではなく、補正後の確定テープ残量(又は補正後の確定リボン残量)を表示することにより、表示されるテープ残量(又はリボン残量)は、真のテープ残量(又はリボン残量)よりも常に少なめになるので、印字形成動作時においてユーザの予期せぬ被印字テープ150のテープ切れ(又はインクリボンIBのリボン切れ)が起こるのを確実に防止することができる。
ステップS235では、CPU212は、上記印字データに基づき、公知の手法により、印字終了位置までステップS203で開始された上述のテープ搬送が到達したか否かを判定する。印字終了位置に到達していない場合、判定は満たされず(S235:NO)、ステップS205に戻り同様の手順を繰り返す。これにより、上述の印字形成が続行される。一方、印字終了位置に到達した場合、判定は満たされ(S235:YES)、ステップS240に移る。
ステップS240では、CPU212は、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子への通電を停止して、上記被印字テープ150に対する印字部155の形成を停止する。これにより、それ以降の印字済み粘着テープ150′には、印字部155が存在しない空白状態となる。その後、ステップS255に移る。
ステップS255では、CPU212は、上記カッター機構30による切断位置まで、上記テープ搬送が達したか否かを判定する。切断位置に到達していない場合、判定は満たされず(S255:NO)、ループ待機する。切断位置に到達した場合、判定は満たされ(S255:YES)、ステップS260に移る。
ステップS260では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を停止する。これにより、上記被印字テープ150、印字済みテープ150′、及び印字済みテープ150″の搬送が停止する。
その後、ステップS265で、CPU212は、カッター駆動回路223に制御信号を出力し、上記カッターモータ224を駆動してカッター機構30の作動により印字済みテープ150″の切断を行う。
そして、ステップS270に移り、CPU212は、モータ駆動回路219に制御信号を出力し、粘着巻取用モータM2の駆動を開始して、印字済みテープ150″を巻き取り機構40の軸心O2まわりに巻き取る。
その後、ステップS272で、CPU212は、上記ステップS212又はステップS213で確定したテープ残量を、外部端子207及び端子部107aを介し、上記テープカートリッジメモリ107に書き込み、保持されたテープ残量を上書き更新する。
そして、ステップS274で、CPU212は、上記ステップS220又はステップS221で確定したリボン残量を、金属端子71及び固定接点面72を介し、上記インクリボンカートリッジメモリ73に書き込み、保持されたリボン残量を上書き更新する。
その後、ステップS275では、CPU212は、上記ステップS265でのカッター機構30の切断動作から所定時間だけ経過したか否かを判定する。所定時間だけ経過していない場合、判定は満たされず(S275:NO)、ループ待機する。この所定時間は、印字済みテープ150″を取り機構40の軸心O2へと巻き取れるだけの時間でよい。所定時間が経過したらこの判定は満たされ(S275:YES)、ステップS280へ移る。
ステップS280では、CPU212は、モータ駆動回路219に制御信号を出力し、粘着巻取用モータM2の駆動を停止する。これにより上記切断により生じた印字済みテープ150″を確実に印字済みテープロールR2で巻き取ることができる。この結果、軸心O2の外周側に巻回された印字済みテープロールR2側の印字済みテープ150″と、被印字テープ150に連結された状態の後続の印字済み粘着テープ150″とが、分断されて離間した状態となる。
その後、ステップS285で、CPU212は、上記の処理がすべて正常に行われ終了した旨を上記表示部215(又は上記外部端末でもよい)に表示するなどにより報知する。そして、このフローを終了する。
<本実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態に係るテープ印刷装置1においては、上述のようにして算出された、テープ残量理論値Tthとテープ残量実測値Trとの偏差△Tが上記第1しきい値以内である場合には、テープ残量理論値Tthをそのまま確定テープ残量とする。一方、上記偏差△Tが上記第1しきい値を超えた場合には、上記算出されたテープ残量理論値Tthをテープ残量実測値Trで置き換えて、確定テープ残量とする。この結果、テープ印刷装置1に着脱して用いられるテープカートリッジTKにおける被印字テープ150のテープ残量を、常に高精度に算出することができる。
また、本実施形態においては特に、上述のようにして算出された、リボン残量理論値Rthとリボン残量実測値Rrとの偏差△Rが予め定められた第2しきい値以内である場合には、リボン残量理論値Rthをそのまま確定リボン残量とする。一方、上記偏差△Rが上記第2しきい値を超えた場合には、上記算出されたリボン残量理論値Rthをリボン残量実測値Rrで置き換えて、確定リボン残量とする。この結果、テープ印刷装置1に着脱して用いられるテープカートリッジTKにおける被印字テープ150のテープ残量に加え、インクリボンカートリッジRKにおけるインクリボンIBのリボン残量も、常に高精度に算出することができる。
なお、以上において、図12に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、上記図13におけるフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。