JP6197609B2 - 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池について図1を参照して簡単に説明する。
<正極活物質>
続いて、本実施形態に係る正極活物質について説明する。
正極活物質の製造方法は特に限定されないが、固相合成、水熱合成、カーボサーマルリダクション法などにより合成できることが知られている。中でも水熱合成法で作製したリチウムバナジウムホスフェートは粒子径が小さく、レート特性に優れる傾向があり、水熱合成法で作製したリチウムバナジウムホスフェートは正極活物質として好ましい。水熱合成法により合成したリチウムバナジウムホスフェートは粒子径、結晶形状、結晶性などの要素がレート特性向上に適しているためであると考えられる。以下に、本実施形態に係る水熱合成法を用いた正極活物質の製造方法について説明する。
水熱合成法は、原料調製工程、水熱合成工程、乾燥工程及び焼成工程を備える。ただし、乾燥工程を行わずに焼成工程を実施しても良い。焼成工程後に必要に応じて粉砕工程を実施しても良い。さらに必要に応じて焼成工程により得た生成物あるいは粉砕工程により得た生成物を溶媒中で攪拌し、ろ過・乾燥することにより、溶媒溶出成分を除去する溶出成分除去工程を実施しても良い。
<正極>
続いて、本実施形態に係る正極10について説明する。
負極集電体22としては、銅箔等を使用できる。また、負極活物質層24としては、負極活物質、導電助剤、及び、バインダーを含むものを使用できる。導電助剤としては特に限定されず、炭素材料、金属粉などが使用できる。負極に用いられるバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が使用できる。
電解液としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、有機溶媒にリチウム塩を含む電解液を使用することができる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[評価用セルの作製]
V2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:2:2となるように秤量し、蒸留水中に投入し、これらをマグネチックスターラーにて1時間攪拌した。激しく攪拌しながらヒドラジン1水和物(NH2NH2・H2O)を少量ずつ滴下し、さらに1時間攪拌した後、オートクレーブ用ガラス容器に混合液を移し替えた。容器を密閉し、攪拌しながら160℃で8時間加熱し、得られたペーストを100℃のオーブンにて12時間乾燥した。得られた乾燥粉末を乳鉢を用いて10分間解砕した後、箱型炉にて大気中600℃、4時間焼成した。
実施例1の評価用セルを、25℃で、電流値18mA/gで4.3Vまで定電流で充電した後、電流値18mA/gで2.8Vまで定電流放電した。このとき、実施例1の放電容量は134mAh/gであった(初期放電容量)。この充放電サイクルを100サイクル繰返すサイクル試験を行った。実施例1の評価用セルの初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は91.8%であった。以下では、初期放電容量を100%としたときの、100サイクル後の放電容量の割合をサイクル特性という。サイクル特性が高いことは、電池が充放電サイクル耐久性に優れていることを示す。
得られた正極活物質を、1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
得られた正極活物質を、1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を3回行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:1.8:2となるように秤量し、さらに得られた正極活物質を1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:2.2:2となるように秤量し、さらに得られた正極活物質を1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を3回行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:1.7:2となるように秤量し、さらに得られた正極活物質を1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて15分間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:2.3:2となるように秤量し、さらに得られた正極活物質を1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:1.8:2となるように秤量し、さらに得られた正極活物質を1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて15分間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:2.2:2となるように秤量し、さらに得られた正極活物質を1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を2回行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:1.8:2となるように秤量し、さらに得られた正極活物質を1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を3回行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:2.2:2となるように秤量し、さらに得られた正極活物質を1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて15分間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
pH=3.5のアセチレンブラックを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
得られた正極活物質を、1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を3回行った乾燥粉末を正極活物質として用い、pH=8.5のアセチレンブラックを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
オートクレーブ用ガラス容器に混合液を移し替え、容器を密閉し、攪拌しながら160℃で1時間加熱したこと以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
得られた正極活物質について、遊星型ボールミルによる粉砕処理を30分間行い、1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を3回行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
得られた正極活物質について、遊星型ボールミルによる粉砕処理を30分間行い、1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を3回行い、pH=8.5のアセチレンブラックを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:1.64:2となるように秤量し、さらに得られた正極活物質を1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:2.36:2となるように秤量し、さらに得られた正極活物質を1gあたり10mlの蒸留水中マグネチックスターラーにて1時間攪拌した後、ろ過し、ろ紙上に残った粉末を乾燥させるという溶出成分除去工程を行った乾燥粉末を正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:1.64:2となるように秤量した以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
原料調整工程においてV2O5とLiOH・H2OとH3PO4をモル比およそ1:2.36:2となるように秤量した以外は、実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表1に示す。
水熱合成工程により得られたペーストを100℃のオーブンにて12時間乾燥した乾燥粉末について、乳鉢を用いて20分間解砕した以外は、実施例1と同様の方法で活物質を作製した。前述の方法によりD90/D10を求め、さらに実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表2に示す。
水熱合成工程により得られたペーストを100℃のオーブンにて12時間乾燥した乾燥粉末について、乳鉢を用いて30分間解砕した以外は、実施例1と同様の方法で活物質を作製した。前述の方法によりD90/D10を求め、さらに実施例1と同様の方法で、活物質組成の測定、pHの測定、評価用セルの作製および電池特性評価を行った。結果を表2に示す。
Claims (3)
- 組成式Li1−xVOPO4〔ただしxは、−0.15≦x≦0.15である。〕で表される化合物であって、前記化合物5gを水100mlに懸濁させた試料を用いて測定した前記化合物のpHが3.0以上、6.8以下であることを特徴とする正極活物質。
- 正極集電体と、請求項1記載の正極活物質を含み前記正極集電体上に設けられた正極活物質層であって、前記正極活物質層5gを水100mlに懸濁させた試料を用いて測定した前記正極活物質層のpHが3.5以上、7.8以下であることを特徴とする正極。
- 請求項2記載の正極を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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