JP6197424B2 - タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
タイヤの転がり抵抗の低減とウェットグリップ性能との両立を図るために、タイヤ用ゴム組成物にシリカを配合する技術が知られている。
一方、シリカはジエン系ゴムとの親和性が低く、また、シリカ同士の凝集性が高いため、ジエン系ゴムに単にシリカを配合してもシリカが分散せず、タイヤの転がり抵抗を低減する効果やウェットグリップ性能を向上する効果が十分に得られないという問題があった。
このような問題を解決する手段として、本出願人は、特許文献1において、「ジエン系ゴム100重量部に、シリカを5〜100重量部配合すると共に、特定のメルカプトシラン(1)を上記シリカ配合量の0.5〜4.0重量%と、特定のメルカプトシラン(2)を上記シリカ配合量の0.5〜10重量%とを配合し、温度145〜185℃で混合するようにしたタイヤ用ゴム組成物の製造方法」を提案している([請求項1])。
特許文献1には、上記方法により製造したタイヤ用ゴム組成物を用いることで、タイヤのヒステリシスロスを小さくし、転がり抵抗を十分に低減できる旨が記載されている。
特開2010−270247号公報
一方、近年、燃費性能を向上のために、転がり抵抗のさらなる低減が求められている。また、安全性等の向上のために、タイヤのウェットグリップ性能のさらなる向上が望まれている。
このようななか、本発明者が特許文献1をもとに、ジエン系ゴムとシリカとシランカップリング剤とを含有するタイヤ用ゴム組成物について検討したところ、シリカの分散性は十分とは言えず、得られるタイヤの低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能は昨今求められているレベルを満たさないことが明らかになった。また、ムーニースコーチ(スコーチタイム)が短く、加工性についても十分とは言えないことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、加工性およびシリカの分散性に優れ、タイヤにしたときに低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能に優れるタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、(メタ)アクリロイル基を有するブロックイソシアネートを配合することで、加工性およびシリカの分散性に優れ、また、タイヤにしたときに低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能に優れるタイヤ用ゴム組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) ジエン系ゴムと、シリカと、シランカップリング剤と、(メタ)アクリロイル基を有するブロックイソシアネートとを含有し、
上記シリカの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜150質量部であり、上記シランカップリング剤の含有量が、上記シリカの含有量に対して、1〜15質量%であり、上記ブロックイソシアネートの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜10質量部である、タイヤ用ゴム組成物。
(2) 上記シランカップリング剤が、メルカプト系シランカップリング剤である、上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(3) 上記メルカプト系シランカップリング剤が、後述する式(1)で表される化合物である、上記(2)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4) 上記ブロックイソシアネートの90%脱ブロック温度が、110〜170℃である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、加工性およびシリカの分散性に優れ、タイヤにしたときに低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能に優れるタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物および本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤについて説明する。
[タイヤ用ゴム組成物]
本発明のタイヤ用ゴム組成物(以下、本発明の組成物とも言う)は、ジエン系ゴムと、シリカと、シランカップリング剤と、(メタ)アクリロイル基を有するブロックイソシアネートとを含有する。
ここで、上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜150質量部であり、上記シランカップリング剤の含有量は、上記シリカの含有量に対して、1〜15質量%であり、上記ブロックイソシアネートの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜10質量部である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、加工性およびシリカの分散性に優れ、タイヤにしたときに低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能に優れるものと考えられる。
その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
上述のとおり、本発明の組成物は、ジエン系ゴムと、シリカと、シランカップリング剤と、(メタ)アクリロイル基を有するブロックイソシアネート(以下、特定ブロックイソシアネートとも言う)とを含有する。
ここで、ゴム組成物中にジエン系ゴムとシランカップリング剤(特にメルカプト系シランカップリング剤)とが共存すると、両者の反応などにより加工性が悪化する場合がある。本発明の組成物は、上述のとおり、特定ブロックイソシアネートを含有するため、特定ブロックイソシアネートのブロックイソシアネート基がシランカップリング剤と相互作用して安定化させる。その結果、本発明の組成物は加工性に優れるものと考えられる。さらに、本発明の組成物に含有される特定ブロックイソシアネートは(メタ)アクリロイル基を有するため、(メタ)アクリロイル基がシリカに作用してシリカの分散性を向上させるものと考えられる。これらのことは、後述する実施例および比較例が示すように、特定ブロックイソシアネートを含有しない比較例(比較例1、比較例3)よりも、特定ブロックイソシアネートを含有する実施例の方が加工性およびシリカの分散性に優れることからも推測される。
また、本発明の組成物を加硫した場合、特定ブロックイソシアネートのブロックイソシアネート基からブロック剤が解離して、イソシアネート基が生成し、生成したイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基がジエン系ゴムを架橋する。すなわち、上記特定ブロックイソシアネートは、加硫時に、ジエン系ゴムの架橋剤として機能する。架橋されたジエン系ゴムは三次元網目構造を形成するため、本発明の組成物から得られるタイヤはヒステリシスロスが小さく、低転がり抵抗性に優れるものと考えられる。このことは、後述する実施例および比較例が示すように、特定ブロックイソシアネートを含有しない比較例(比較例1、比較例3)よりも、特定ブロックイソシアネートを含有する実施例の方が低転がり抵抗性に優れることからも推測される。
また、本発明の組成物に含有される特定ブロックイソシアネートはイソシアネート基がブロック剤により保護されている点にも特徴がある。すなわち、イソシアネート基がブロック剤により保護されていない場合、加硫前に、イソシアネート基がシリカやシランカップリング剤と反応し、加工性やシリカの分散性を悪化させる。また、イソシアネート基が加硫前にシリカやシランカップリング剤と反応してしまうため、加硫時の架橋剤としての機能が低下し、また、逆に可塑性を上げる成分として働いてしまう。結果として、得られるタイヤのヒステリシスロスは増大し、低転がり抵抗性が悪化することになる。これらのことは、後述する比較例が示すように、特定ブロックイソシアネートの代わりにイソシアネート基が保護されていなイソシアネートを使用した場合(比較例2および4)には、加工性、シリカの分散性および低転がり抵抗性が悪化することからも推測される。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。
<ジエン系ゴム>
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記ジエン系ゴムは、1種のジエン系ゴムを単独で用いても、2種以上のジエン系ゴムを併用してもよい。
上記ジエン系ゴムは、変性ゴムであることが好ましい。なかでも、ヒドロキシ基で変性された変性ゴムであることがあることが好ましく、末端がヒドロキシ基で変性された変性ゴムであることがより好ましい。
ジエン系ゴムが変性ゴムである場合、加硫時に、後述する特定ブロックイソシアネートから生成したイソシアネート基がジエン系ゴムとより結合し易くなる。結果として、加硫時にジエン系ゴムの架橋がより効率的に進むため、ヒステリシスロスのより小さいタイヤが得られる。
上記ジエン系ゴムとしては、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム(特に末端がヒドロキシ基で変性されたもの)を用いることが好ましく、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともにブタジエンゴム(BR)を併用することがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、スチレンブタジエンゴム(SBR)であることが好ましい。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の芳香族ビニル含有量(例えば、スチレン含有量)は、20〜45質量%であることが好ましく、23〜42質量%であることがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン中のビニル結合量は、10〜50%であることが好ましく、25〜48%であることがより好ましい。ここで、ビニル結合量とは、共役ジエンの結合様式であるシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合および1,2−ビニル結合のうち、1,2−ビニル結合の割合をいう。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は、その製造方法について特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を製造する際に使用される単量体としての、芳香族ビニル、共役ジエンは特に限定されない。
ここで、上記共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
一方、上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を用いる場合の含有量は、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、上記ジエン系ゴムの50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともに上記ブタジエンゴム(BR)を併用する場合、上記ブタジエンゴム(BR)の含有量は、得られるタイヤのウェット性能および耐摩耗性の観点から、上記ジエン系ゴムの50質量%未満であることが好ましく、45質量%未満であることがより好ましく、40質量%未満であることがさらに好ましい。
上記ジエン系ゴムの重量平均分子量は、得られるタイヤの靭性と本発明の組成物の取り扱いの観点から、100,000〜1,500,000であることが好ましく、600,000〜1,300,000であることがより好ましい。ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
<シリカ>
本発明の組成物に含有されるシリカは特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
上記シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
上記シリカは、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が100〜300m2/gであることが好ましく、140〜260m2/gであることがより好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカがシランカップリング剤との吸着に利用できる表面積の代用特性であり、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物において、上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜150質量部である。なかでも、50〜100質量部であることが好ましい。
上記シリカの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して5質量部未満であると、ウェットグリップ性能が不十分となる。また、上記シリカの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して150質量部を超えると、低転がり抵抗性および加工性が悪化する。
<シランカップリング剤>
本発明の組成物に含有されるシランカップリング剤は、加水分解性基および有機官能基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、1〜16であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記有機官能基は特に制限されないが、有機化合物と化学結合を形成し得る基であることが好ましく、例えば、エポキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、メルカプト基などが挙げられ、なかでも、メルカプト基が好ましい。
シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤の具体例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤はメルカプト系シランカップリング剤であることが好ましい。
上記メルカプト系シランカップリング剤は、加水分解性基およびメルカプト基(−SH)を有するシラン化合物であれば特に制限されない。加水分解性基の具体例および好適な態様は上述のとおりである。
上記メルカプト系シランカップリング剤は、ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤であることが好ましい。
ここで、ポリエーテル鎖とは、エーテル結合を2以上有する側鎖であり、例えば、構造単位−Ra−O−Rb−を合計して2個以上有する側鎖が挙げられる。ここで、上記構造単位中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルキニレン基、または、置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。なかでも、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
上記ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤の好適な態様としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
上記式(1)中、R11は、炭素数1〜8のアルコキシ基を表し、なかでも、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。炭素数1〜3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。なお、lが2である場合の複数あるR11はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(1)中、R12は、炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基を表す。ポリエーテル基とは、エーテル結合を2以上有する基であり、その具体例としては、例えば、構造単位−Ra−O−Rb−を合計して2個以上有する基が挙げられる。RaおよびRbの定義および好適な態様は、上述したRaおよびRbと同じである。なお、mが2である場合の複数あるR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基の好適な態様としては、例えば、下記式(2)で表される基が挙げられる。
上記式(2)中、R21は、直鎖状のアルキル基、直鎖状のアルケニル基、または、直鎖状のアルキニル基を表し、なかでも直鎖状のアルキル基が好ましい。上記直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基がより好ましい。炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基の具体例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基などが挙げられ、なかでもトリデシル基が好ましい。
上記式(2)中、R22は、直鎖状のアルキレン基、直鎖状のアルケニレン基、または、直鎖状のアルキニレン基を表し、なかでも直鎖状のアルキレン基が好ましい。上記直鎖状のアルキレン基としては、炭素数1〜2の直鎖状のアルキレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
上記式(2)中、pは、1〜10の整数を表し、3〜7であることが好ましい。
上記式(2)中、*は、結合位置を示す。
上記式(1)中、R13は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。
上記式(1)中、R14は炭素数1〜30のアルキレン基を表し、なかでも炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基の具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。
上記式(1)中、lは1〜2の整数を表し、1であることが好ましい。上記式(1)中、mは1〜2の整数を表し、2であることが好ましい。nは0〜1の整数を表し、0であることが好ましい。l、mおよびnはl+m+n=3の関係式を満たす。
本発明の組成物において、上記シランカップリング剤の含有量は、上記シリカの含有量に対して、1〜15質量%である。なかでも、5〜10質量%であることが好ましい。
上記シランカップリング剤の含有量が上記シリカの含有量に対して1質量%未満であると、ウェットグリップ性能が不十分となる。また、上記シランカップリング剤の含有量が上記シリカの含有量に対して15質量%超であると、加工性が悪化する。
<特定ブロックイソシアネート>
本発明の組成物は(メタ)アクリロイル基を有するブロックイソシアネート(特定ブロックイソシアネート)を含有する。特定ブロックイソシアネートは、(メタ)アクリロイル基とブロックイソシアネート基とを有する化合物である。
ここで、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基(CH2=CH−CO−)またはメタクリロイル基(CH2=CCH3−CO−)を表す。
また、ブロックイソシアネート基は、ブロック剤で保護されたイソシアネート基を表す。上述のとおり、本発明の組成物を加硫した場合、ブロックイソシアネート基からブロック剤が解離して、イソシアネート基(−N=C=O)が生成される。
上記ブロック剤としては特に制限されないが、活性水素基含有化合物であることが好ましく、例えば、アルコール類、フェノール類、オキシム類、トリアゾール類、カプロラクタム類、チオール類、アミン類、イミン類、カルバゾール類、アミド類、イミド類、ウレア類、アセト酢酸アルキルエステル類、マロン酸アルキルエステル類、ピラゾール類、イミダゾール類などが挙げられ、なかでも、オキシム類であることが好ましい。
上記ブロック剤の具体例としては、チオール類として、メタンチオール、エタンチオール、ベンゼンチオール、フェノール類として、フェノール、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、クレゾール、1−ナフトール、2−ナフトール、オキシム類として、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アミン類としてジブチルアミン、ジフェニルアミン、アニリン、イミン類として、エチレンイミン、プロピレンイミン、カルバゾール類として、無置換カルバゾール、1,3,6,8−テトラニトロカルバゾール、3,6−ジブロモカルバゾール、アミド類として、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム、イミド類として、コハク酸イミド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、マレイン酸イミド、ウレア類として尿素、エチレン尿素、チオ尿素、アセト酢酸アルキルエステル類として、アセト酢酸エチルエステル、マロン酸アルキルエステル類として、マロン酸ジエチルエステル、ピラゾール類として、無置換ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−アセチルアミノピラゾール、ピラゾール−3,5−ジカルボン酸ジエチルエステル、イミダゾール類として、無置換イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、トリアゾール類として、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
特定ブロックイソシアネートはポリマー(重合体)であっても構わない。特定ブロックイソシアネートが直鎖状のポリマーである場合、一方の末端に(メタ)アクリロイル基を有するのが好ましい。
特定ブロックイソシアネートの好適な態様としては、例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
上記式(3)中、R31は、水素原子またはメチル基を表す。なかでも、メチル基であることが好ましい。
上記式(3)中、L31は、単結合または2価の有機基を表す。2価の有機基としては特に制限されないが、例えば、2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基。好ましくは炭素数1〜8)、2価の芳香族炭化水素基(例えば、アリーレン基。好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。なかでも、アルキレン基、−O−またはこれらを組み合わせた基であることが好ましい。
上記式(3)中、Bは、活性水素基を有するブロック剤から活性水素基を除いた基(活性水素基を有するブロック剤がイソシアネート基と反応した残基)を表す。ブロック剤の具体例および好適な態様は上述のとおりである。
特定ブロックイソシアネートの90%脱ブロック温度は特に制限されないが、110〜170℃であることが好ましく、130〜160℃であることがより好ましい。
ここで、90%脱ブロック温度とは、特定ブロックイソシアネートが有するブロックイソシアネート基のうち90%が、ブロック剤が解離してイソシアネート基になる温度である。90%脱ブロック温度は、加熱した特定ブロックイソシアネートのイソシアネート基の含有量をNMR法やMS法により分析することで求められる。
特定ブロックイソシアネートの製造方法は特に制限されないが、好適な態様としては、例えば、「(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物」とブロック剤とを反応させる方法が挙げられる。ブロック剤の具体例および好適な態様は上述のとおりである。
上記「(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物」としては特に制限されないが、例えば、2−イソシアネートエチルアクリレート、2−イソシアネートエチルメタクリレート、3−イソシアネートプロピルアクリレート、3−イソシアネートプロピルメタクリレート、2−イソシアネート1−メチルエチルアクリレート、2−イソシアネート1−メチルエチルメタクリレート、3−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−イソシアネート2−メチルブチルアクリレート、3−イソシアネート2−メチルブチルメタクリレート、4−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、4−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、2−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3,5−ビス(メタクリロイルオキシエチル)フェニルイソシアネート、2,4−ビス(アクリロイルオキシ)フェニルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、1,1−ビス(メタクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、アクリロイルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネートなどが挙げられる。
上記「(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物」の好適な態様としては、例えば、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
上記式(4)中、R41の定義および好適な態様は上述したR31と同じである。
上記式(4)中、L41の定義、具体例および好適な態様は上述したL31と同じである。
本発明の組成物において、特定ブロックイソシアネートの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜10質量部である。なかでも、加工性、シリカの分散性、低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能がより優れる理由から、2.0質量部以上であることが好ましい。
特定ブロックイソシアネートの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して1質量部未満であると、加工性、シリカの分散性、低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能が不十分となる。また、特定ブロックイソシアネートの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して10質量部を超えると、低転がり抵抗性が悪化する。
<任意成分>
本発明の組成物には、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、シリカ以外の充填剤(例えば、カーボンブラック)、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、オイル、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
<タイヤ用ゴム組成物の製造方法>
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは130〜160℃)で混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜4、比較例1〜6>
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。
第1表中、SBRの量について、上段の値はSBR(油展品)の量(単位:質量部)であり、下段の値は、SBRに含まれるSBRの正味の量(単位:質量部)である。
<ムーニースコーチ>
調製したタイヤ用ゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準拠し、L形ロータを用いて、試験温度125℃の条件でスコーチタイムを測定した。
結果を第1表に示す。比較例2および実施例1〜2については、比較例1のスコーチタイムを100とする指数で表した。また、比較例4〜6および実施例3〜4については、比較例3のスコーチタイムを100とする指数で表した。指数が大きいほどスコーチタイムが長く、加工性に優れる。
<ペイン効果>
調製したタイヤ用ゴム組成物(未加硫)を170℃で10分間加硫して、タイヤ用ゴム組成物(加硫)を調製した。調製したタイヤ用ゴム組成物(加硫)について、歪せん断応力測定機(RPA2000、α−テクノロジー社製)により、歪0.28%の歪せん断弾性率G′と歪30.0%の歪せん断弾性率G′とを測定し、その差G′0.28(MPa)−G′30.0(MPa)をペイン効果として算出した。
結果を第1表に示す。比較例2および実施例1〜2については、比較例1のペイン効果を100とする指数で表した。また、比較例4〜6および実施例3〜4については、比較例3のペイン効果を100とする指数で表した。指数が小さいほどペイン効果が小さく、シリカの分散性に優れる。
<評価用加硫ゴムシートの作製>
調製したタイヤ用ゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴムシートを作製した。
<tanδ(60℃)>
上述のとおり作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6394:2007に準拠し、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。
結果を第1表に示す。比較例2および実施例1〜2については、比較例1のtanδ(60℃)を100とする指数で表した。また、比較例4〜6および実施例3〜4については、比較例3のtanδ(60℃)を100とする指数で表した。指数が小さいほどtanδ(60℃)が小さく、タイヤにしたときに低転がり抵抗性に優れる。
<tanδ(0℃)>
上述のとおり作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6394:2007に準拠し、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件でtanδ(0℃)を測定した。
結果を第1表に示す。比較例2および実施例1〜2については、比較例1のtanδ(0℃)を100とする指数で表した。また、比較例4〜6および実施例3〜4については、比較例3のtanδ(0℃)を100とする指数で表した。指数が大きいほどtanδ(0℃)が大きく、タイヤにしたときにウェットグリップ性能に優れる。
上記第1表に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・SBR:E581(末端にヒドロキシル基を有するスチレンブタジエンゴム、油展品(SBR100質量部に対して油展オイル37.5質量部を含む。SBR中のSBRの正味は72.7質量%。)、スチレン含有量:37質量%、ビニル結合量:42%、重量平均分子量:1,260,000、旭化成社製)
・BR:BR1220(ブタジエンゴム、日本ゼオン社製)
・シリカ:Zeosil 1165MP(CTAB比表面積=152m2/g、ローディア社製)
・カーボンブラック:シーストKHA(N2SA=77m2/g、東海カーボン社製)
・シランカップリング剤1:Si69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグサ社製)
・シランカップリング剤2:Si363(上記式(1)で表される化合物。ここで、R11:−OC25、R12:−O(C24O)5−C1327、R14:−(CH23−、l=1、m=2、n=0。)(エボニックデグッサ社製)
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸YR(日油社製)
・老化防止剤:6PPD(フレキシス社製)
・オイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤1:ノクセラーCZ−G(大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:サンセラーD−G(三新化学工業社製)
・イソシアネート:カレンズMOI(2−イソシアネートエチルメタクリレート、昭和電工社製)
・ブロックイソシアネート:カレンズMOI−BM(90%脱ブロック温度:150℃)(上記式(3)で表される化合物。ここで、R31:−CH3、L31:−O−CH2−CH2−、B:−O−N=C(CH3)−CH2−CH3。)(昭和電工社製)
第1表から分かるように、特定ブロックイソシアネートを含有しない比較例1および3よりも、特定ブロックイソシアネートを含有する実施例1〜4の方が、優れた加工性、シリカの分散性、低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能を示した。なかでも、特定ブロックイソシアネートの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して2.0質量部以上である実施例2および4の方がより優れた加工性、シリカの分散性、低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能を示した。
なお、実施例1および2と実施例3および4との対比をしたところ、シランカップリング剤としてメルカプト系シランカップリング剤を使用する実施例3および4の方が、シリカの分散性、低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能がより優れていた。
特定ブロックイソシアネートの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して1質量部未満である場合(比較例5)には、特定ブロックイソシアネートを配合することによる効果はほとんど見られなかった。
また、特定ブロックイソシアネートの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して10質量部を超える場合(比較例6)には、低転がり抵抗性が悪化した。
また、特定ブロックイソシアネートの代わりにイソシアネート基が保護されていなイソシアネートを使用した場合(比較例2および4)には、加工性、シリカの分散性および低転がり抵抗性が悪化した。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (5)

  1. ジエン系ゴムと、シリカと、シランカップリング剤と、(メタ)アクリロイル基を有するブロックイソシアネートとを含有し、
    前記シリカの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜150質量部であり、前記シランカップリング剤の含有量が、前記シリカの含有量に対して、1〜15質量%であり、前記ブロックイソシアネートの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜10質量部である、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記シランカップリング剤が、メルカプト系シランカップリング剤である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記メルカプト系シランカップリング剤が、下記式(1)で表される化合物である、請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (式(1)中、R11は、炭素数1〜8のアルコキシ基を表す。R12は、炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基を表す。R13は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。R14は炭素数1〜30のアルキレン基を表す。lは1〜2の整数を表し、mは1〜2の整数を表し、nは0〜1の整数を表し、l、mおよびnはl+m+n=3の関係式を満たす。lが2である場合の複数あるR11はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、mが2である場合の複数あるR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  4. 前記ブロックイソシアネートの90%脱ブロック温度が、110〜170℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤ。
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