JP2011132358A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低燃費性、水分バリア性、耐久性をバランスよく向上できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤの提供。
【解決手段】シリカ、瀝青炭、下記式(1)のシランカップリング剤とを含むタイヤ用ゴム組成物。
Figure 2011132358

(Rは−O−(R−O)−R(Rは、分岐/非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基。Rは、分岐/非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐/非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基。mは1〜30)で表される基。R及びRは、Rと同一の基、分岐/非分岐の炭素数1〜12のアルキル基又は−O−R(Rは水素原子、分岐/非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐/非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基)で表される基。Rは、分岐/非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基)
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、車の性能が高まると共に、タイヤの耐久性向上の要求が高まっている。また、東南アジア、ブラジル等の湿気が多い地域での車の利用が増加しつつあるが、湿気が多い地域では、タイヤ内部への水分の透過が多くなり、タイヤ中のコードの劣化が促進され、タイヤの耐久性が低下する。そのため、タイヤの耐久性を高めるためには、タイヤ内部への水分バリア性を高めることが重要である。
インナーライナー用ゴムに、扁平率の高いマイカやクレイ等を配合し、水分・ガスのバリア性を向上させる試みが行われている。しかし、マイカやクレイはゴムの補強性が低く、タイヤの耐久性が低下したり、隣接するゴムとの接着性を阻害したりする問題がある。また、マイカやクレイを配合した場合、燃費性能が悪化するという問題もある。
特許文献1には、メルカプト基を有するシランカップリング剤を配合することにより、加工性、作業性、低燃費性を向上できることが開示されている。しかし、低燃費性、水分バリア性、耐久性のバランスについては改善の余地がある。
特開2009−126907号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、水分バリア性、耐久性をバランスよく向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、インスレーション)に用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、瀝青炭と共に、シリカ及び特定のシランカップリング剤を配合することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、シリカと、瀝青炭と、下記式(1)で表されるシランカップリング剤とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 2011132358
(式(1)中、Rは−O−(R−O)−R(m個のRは、同一又は異なって、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す。Rは、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。mは1〜30の整数を表す。)で表される基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、Rと同一の基、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基又は−O−R(Rは水素原子、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。)で表される基を表す。Rは、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基を表す。)
上記瀝青炭の平均粒子径が100μm以下であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、イソプレン系ゴムを含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、インスレーション用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、シリカと、瀝青炭と、特定のシランカップリング剤とを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、インスレーション)に使用することにより、低燃費性、水分バリア性、耐久性に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカと、瀝青炭と、特定のシランカップリング剤とを含む。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムなどが挙げられる。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、安価であるという理由から、NR,IR,改質天然ゴム等のイソプレン系ゴム、SBRが好ましい。
NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、IRとしては、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらイソプレン系ゴムは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは35質量%以上、最も好ましくは50質量%以上である。20質量%未満であると、耐久性が低下するおそれがある。該イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。95質量%を超えると、リバージョンが大きくなり、ゴム物性が低下するおそれがある。
SBRとしては、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)が挙げられる。
SBRのスチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、破壊特性が低下するおそれがある。また、上記スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。60質量%を超えると、発熱性が大きくなり、低燃費性が悪化するおそれがある。
なお、スチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上である。10質量%未満であると、リバージョンが大きくなり、破壊特性が低下するおそれがある。SBRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、発熱性が大きくなり、低燃費性が悪化するおそれがある。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴム、及びSBRの合計含有量は、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。85質量%未満であると、コストが増大するおそれがある。
本発明では、シリカが使用される。シリカを配合することにより、良好な低発熱性(低燃費性)及び耐久性が得られる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましく、150m/g以上が特に好ましい。40m/g未満では、破壊特性が低下するおそれがある。また、シリカのNSAは、220m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。220m/gを超えると、低発熱性、ゴムの加工性が低下する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上である。1質量部未満であると、シリカ配合による充分な効果が得られない傾向がある。上記シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、特に好ましくは60質量部以下である。150質量部を超えると、シリカのゴムへの分散が困難になり、ゴムの加工性が悪化する傾向がある。
本発明では、下記式(1)で表されるシランカップリング剤が使用される。
下記式(1)で表されるシランカップリング剤を配合することにより、低燃費性と耐久性のバランスが向上する。
Figure 2011132358
上記式(1)のRは−O−(R−O)−R(m個のRは、同一又は異なって、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す。Rは、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。mは1〜30の整数を表す。)で表される基を表す。
上記Rは、同一又は異なって、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜3)の2価の炭化水素基を表す。
該炭化水素基としては、例えば、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基、炭素数6〜30のアリーレン基等が挙げられる。なかでも、反応性と貯蔵安定性が良好であるという理由から、上記アルキレン基が好ましい。
の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基等が挙げられる。
の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)のアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、1−オクテニレン基等が挙げられる。
の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)のアルキニレン基としては、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基等が挙げられる。
の炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
上記mは1〜30(好ましくは1〜10、より好ましくは3〜7、更に好ましくは5〜6)の整数を表す。mが0であると反応性が高すぎることがあり、mが31以上であると反応性が低い。
は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。なかでも、反応性と貯蔵安定性が良好であるという理由から、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。
の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数10〜15)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数10〜15)のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、オクタデセニル基等が挙げられる。
の炭素数6〜30(好ましくは炭素数1〜20)のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。
の炭素数7〜30(好ましくは炭素数1〜20)のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
上記式(1)のRの具体例としては、例えば、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1225、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1429、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327等が挙げられる。なかでも、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327が好ましい。
及びRは、同一若しくは異なって、Rと同一の基(すなわち、−O−(R−O)−Rで表される基)、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基又は−O−R(Rは水素原子、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。)で表される基を表す。なかでも、反応性と貯蔵安定性が良好であるという理由から、Rと同一の基、−O−R(Rが分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基の場合)で表される基が好ましい。
及びRの分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられる。
の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキル基としては、例えば、上記Rの分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基と同様の基を挙げることができる。
の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10)のアルケニル基としては、例えば、上記Rの分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基と同様の基を挙げることができる。
の炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアリール基としては、例えば、上記Rの炭素数6〜30のアリール基と同様の基を挙げることができる。
の炭素数7〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアラルキル基としては、例えば、上記Rの炭素数7〜30のアラルキル基と同様の基を挙げることができる。
上記式(1)のR及びRの具体例としては、例えば、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1225、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1429、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、C−O−、CH−O−、C−O−等が挙げられる。なかでも、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327、C−O−が好ましい。
の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜5)のアルキレン基としては、例えば、上記Rの分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基と同様の基を挙げることができる。
上記式(1)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、エボニックデグッサ社製のSi363等を使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)で表されるシランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは7質量部以上である。1質量部未満であると、破壊強度が大きく低下する傾向がある。また、該含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは16質量部以下である。20質量部を超えると、シランカップリング剤を配合することによる破壊強度(破壊特性)の向上や転がり抵抗低減などの効果が充分に得られない傾向がある。
本発明では、瀝青炭が使用される。瀝青炭とは、石炭一般を含むものであり、例えば、粘結炭、非粘結炭等があげられる。
瀝青炭は、カーボン分を含んでおり、ゴムとの親和性が高く、ゴムの補強性が高い。また、オイル分も含んでいるため、ゴム組成物中での分散性が高く、破壊核となる凝集塊を生じにくい。そのため、瀝青炭を配合することにより、耐久性を向上できる。また、瀝青炭を配合することにより、水分バリア性も向上できる。さらに、瀝青炭は比較的安価であることから、コストも低減できる。
一方、瀝青炭を配合することにより、低燃費性が悪化する懸念があるが、シリカ及び特定のシランカップリング剤と併用することにより、低燃費性、水分バリア性、耐久性を高いレベルでバランスよく向上できる。
瀝青炭の平均粒子径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは10μm以下である。100μmを超えると、破壊特性が低下するおそれがある。
該平均粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは3μm以上である。1μm未満であると、コストが高くなる傾向がある。
本発明において、瀝青炭の平均粒子径は、電子顕微鏡を用いて測定した。なお、平均粒子径は長径を意味し、該長径とは、投影面に対する瀝青炭の方向を種々変化させながら瀝青炭を投影面に投影したときの最長の長さであり、例えば、矩形状なら最長の辺の長さ、円盤状であれば直径となる。
瀝青炭の比重は、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上である。
1.1未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、瀝青炭の比重は、好ましくは1.6以下、より好ましくは1.5以下である。1.6を超えると、充分な低燃費性の向上効果が得られないおそれがある。
瀝青炭の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。5質量部未満であると、水分バリア性、耐久性を充分に向上できないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。70質量部を超えると、耐久性が低下するおそれがある。
本発明では、カーボンブラックを配合してもよい。これにより、ゴムの強度を向上することができる。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。なお、カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は10m/g以上が好ましく、20m/g以上がより好ましく、25m/g以上が更に好ましい。10m/g未満では、耐久性が低下するおそれがある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は150m/g以下が好ましく、100m/g以下がより好ましく、75m/g以下が更に好ましく、50m/g以下が特に好ましく、40m/g以下が最も好ましい。150m/gを超えると、加工性が悪化するおそれがある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
本発明のゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。60質量部を超えると、発熱が大きくなり、低燃費性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、粘着樹脂を含んでもよい。粘着樹脂としては、例えば、(株)日本触媒製のSP1068等が挙げられる。粘着樹脂を配合することにより、タイヤ成形時の他部材との接着性が向上する。
本発明のゴム組成物が粘着樹脂を含有する場合、粘着樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。0.5質量部未満では、粘着樹脂を配合した効果を充分に得られないおそれがある。また、該粘着樹脂の含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。5質量部を超えると、コストが高くなるおそれがある。
本発明のゴム組成物は、酸化亜鉛を含んでもよい。酸化亜鉛を配合することにより、老化後の破壊特性が向上する。本発明のゴム組成物が酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。1質量部未満では、老化後の破壊特性が悪化する。また、該酸化亜鉛の含有量は、好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。7質量部を超えると、コストが高くなる傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレー等の補強用充填剤、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、空気入りタイヤの各部材(特に、インスレーション)に好適に使用できる。
インスレーションは、インナーライナーとカーカスとの間に設けられる部材である。具体的には、特開2008−150523号公報の図1〜2、特開2007−269876号公報の図1、特開2007−284537号公報の図1〜2に示されるインスレーション部である。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、インスレーション)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して空気入りタイヤを製造できる。
また、本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、バス用タイヤ、トラック用タイヤ等として好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
SBR:住友化学工業(株)製のSBR1502(スチレン含量:23.5質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN660(NSA:28m/g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
炭酸カルシウム:近江化学(株)製のサクセス200S
瀝青炭:コール・フィラーズ・インク(Coal FillersInc.)社製のオースチンブラック325(平均粒子径5μm、比重1.35)
シランカップリング剤(1):エボニックデグッサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
シランカップリング剤(2):エボニックデグッサ社製のSi363(下記式で表されるシランカップリング剤(上記式(1)のR=−O−(C−O)−C1327、R=C−O−、R=−O−(C−O)−C1327、R=−C−))
Figure 2011132358
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「桐」
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
粘着樹脂:(株)日本触媒製のSP1068
プロセスオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスPS32
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜3及び比較例1〜7
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で4分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をインスレーション形状に成形して、他のタイヤ部材とはりあわせ、150℃で35分間25kgfの条件下で加硫することにより、試験用タイヤ(タイヤサイズ:180/55ZR17)を作製した。
得られた試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(耐久性)
得られた各試験用タイヤについて、内圧200kPaの状態で100gの水をタイヤ内部に充填し、80℃のオーブンに1週間入れた後、内圧200kPa、荷重340kgf、時速80km/hで走行させた。タイヤが損傷するまでの時間を測定し、比較例1の結果を100として指数表示した。なお、指数が大きいほど、タイヤが損傷するまでの時間が長く、耐久性に優れることを示す。
(水分率)
耐久性の試験後の各試験用タイヤについて、インスレーション部の水分率をカールフィシャー法にて測定した。比較例1の結果を100として指数表示した。なお、指数が大きいほど、インスレーション部の水分バリア性が良好であることを示す。
(低燃費性)
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1を100とした時の指数で表示した。指数が大きいほど、低燃費性に優れる。
Figure 2011132358
シリカと、瀝青炭と、特定のシランカップリング剤とを含む実施例は、低燃費性、水分バリア性、耐久性を向上でき、低燃費性、水分バリア性、耐久性のバランスに優れていた。一方、上記3成分を併用しない比較例は、実施例と比較して、低燃費性、水分バリア性、耐久性が劣っていた。

Claims (5)

  1. シリカと、
    瀝青炭と、
    下記式(1)で表されるシランカップリング剤とを含むタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2011132358
    (式(1)中、Rは−O−(R−O)−R(m個のRは、同一又は異なって、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す。Rは、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。mは1〜30の整数を表す。)で表される基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、Rと同一の基、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基又は−O−R(Rは水素原子、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。)で表される基を表す。Rは、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基を表す。)
  2. 前記瀝青炭の平均粒子径が100μm以下である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. イソプレン系ゴムを含む請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. インスレーション用ゴム組成物として用いられる請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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JP2013075977A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ
JP2015017217A (ja) * 2013-07-12 2015-01-29 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ

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