JP4982074B2 - 変性天然ゴムラテックス及びその製造方法、変性天然ゴム及びその製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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Description
nM・xSiOy・zH2O ・・・ (I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機化合物が挙げられる。これら充填剤は、一種単独で用いてもよし、二種以上を混合して用いてもよい。
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
フィールドラテックスをラテックスセパレーター[斎藤遠心工業製]を用いて回転数7500rpmで遠心分離して、乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と0.15gの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]を2-イソシアナトエチルメタクリレート 2.5gに加えて乳化したものを990mLの水と共に添加し、これらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌した。次に、重合開始剤としてtert-ブチルハイドロパーオキサイド 1.2gとテトラエチレンペンタミン 1.2gとを加え、40℃で1時間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスAを得た。
次に、上記変性天然ゴムラテックスにギ酸を加えpHを4.7に調整して、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。得られた変性天然ゴムAの質量から、単量体として加えた2-イソシアナトエチルメタクリレートの転化率が100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムAを石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を試みたが、抽出物を分析したところホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムAにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.42質量%である。
イソシアネート基含有単量体として2-イソシアナトエチルメタクリレート 2.5gの代わりに、N-イソシアナトエチルメタクリルアミド 2.5gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムBを得た。また、同様に変性天然ゴムBを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムBにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.42質量%である。
イソシアネート基含有単量体として2-イソシアナトエチルメタクリレート 2.5gの代わりに、1-イソシアナト-4-ビニルベンゼン 2.4gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムCを得た。また、同様に変性天然ゴムCを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムCにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.40質量%である。
上記天然ゴムラテックスを変性反応工程を経ずに、直接、凝固及び乾燥させて天然ゴムDを調製した。
2-イソシアナトエチルメタクリレート 2.5gの代わりに、極性基含有単量体として4-ビニルピリジン 1.2gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムEを得た。また、同様に変性天然ゴムEを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムEにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.20質量%である。
2-イソシアナトエチルメタクリレート 2.5gの代わりに、極性基含有単量体として2-ビニルピリジン 1.2gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムFを得た。また、同様に変性天然ゴムFを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムFにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.20質量%である。
2-イソシアナトエチルメタクリレート 2.5gの代わりに、極性基含有単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムGを得た。また、同様に変性天然ゴムGを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムGにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.50質量%である。
2-イソシアナトエチルメタクリレート 2.5gの代わりに、極性基含有単量体としてアリルトリ-n-ブチルスズ 5.5gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムHを得た。また、同様に変性天然ゴムHを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムHにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.92質量%である。
2-イソシアナトエチルメタクリレート 2.5gの代わりに、極性基含有単量体としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 4.1gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムIを得た。また、同様に変性天然ゴムIを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムIにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.68質量%である。
2-イソシアナトエチルメタクリレート 2.5gの代わりに、極性基含有単量体としてビニルベンジルピロリジン 4.2gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムJを得た。また、同様に変性天然ゴムJを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムJにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.70質量%である。以上の結果を表1にまとめる。
JIS K6300-1994に準拠して、130℃にてゴム組成物のムーニー粘度ML1+4(130℃)を測定した。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、JIS K6301-1995に準拠して引張試験を行い、引張強さ(Tb)を測定した。引張強さが大きい程、耐破壊性が良好であることを示す。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、粘弾性測定装置[レオメトリックス社製]を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzで損失正接(tanδ)を測定した。tanδが小さい程、低ロス性に優れることを示す。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、表3においては比較例1の摩耗量の逆数を100とし、表4においては比較例7の摩耗量の逆数を100としてそれぞれ指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
*2 日本シリカ工業製, 「ニプシルAQ」.
*3 デグッサ製, 「Si69」, ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド.
*4 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン.
*5 N,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
*6 ジフェニルグアニジン.
*7 ジベンゾチアジルジスルフィド.
*8 N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド.
Claims (8)
- 天然ゴムラテックスにイソシアネート基含有単量体を添加し、該イソシアネート基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させてなる変性天然ゴムラテックス。
- 前記イソシアネート基含有単量体のグラフト量が、前記天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の変性天然ゴムラテックス。
- 前記イソシアネート基含有単量体が、イソシアナトメチル(メタ)アクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート、イソシアナトメチル(メタ)アクリルアミド、イソシアナトエチル(メタ)アクリルアミド、イソシアナトプロピル(メタ)アクリルアミド、イソシアナトブチル(メタ)アクリルアミド、1-イソシアナト-2-ビニルベンゼン、1-イソシアナト-3-ビニルベンゼン及び1-イソシアナト-4-ビニルベンゼンからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の変性天然ゴムラテックス。
- 天然ゴムラテックスにイソシアネート基含有単量体を添加し、該イソシアネート基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させることを特徴とする変性天然ゴムラテックスの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の変性天然ゴムラテックスを凝固及び乾燥してなる変性天然ゴム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の変性天然ゴムラテックスを凝固及び乾燥することを特徴とする変性天然ゴムの製造方法。
- 請求項5に記載の変性天然ゴムを用いたゴム組成物。
- 請求項7に記載のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とするタイヤ。
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