JP2008195865A - 変性天然ゴムラテックス及び変性天然ゴム、並びにゴム組成物及びタイヤ。 - Google Patents
変性天然ゴムラテックス及び変性天然ゴム、並びにゴム組成物及びタイヤ。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低ロス性、耐摩耗性及び破壊特性に著しく優れたゴム組成物と、かかるゴム組成物のゴム成分として好適な変性天然ゴムと、該変性天然ゴムを生成させることが可能な変性天然ゴムラテックスを提供する。
【解決手段】天然ゴムラテックスに、ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を添加し、該ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子に付加させてなり、前記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の付加量が、前記天然ゴムのゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする変性天然ゴムラテックスと、該変性天然ゴムラテックスを凝固及び乾燥してなる変性天然ゴムと、該変性天然ゴムを用いたゴム組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】天然ゴムラテックスに、ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を添加し、該ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子に付加させてなり、前記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の付加量が、前記天然ゴムのゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする変性天然ゴムラテックスと、該変性天然ゴムラテックスを凝固及び乾燥してなる変性天然ゴムと、該変性天然ゴムを用いたゴム組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、変性天然ゴムラテックス及び変性天然ゴム、並びに該変性天然ゴムを用いたゴム組成物及びタイヤに関し、特に低ロス性、耐摩耗性及び耐破壊性に優れたゴム組成物に関するものである。
昨今、自動車の低燃費化に対する要求が強くなりつつあり、転がり抵抗の小さいタイヤが求められている。そのため、タイヤのトレッド等に使用するゴム組成物として、tanδが低く(以下、低ロス性とする)、低発熱性に優れたゴム組成物が求められている。また、トレッド用のゴム組成物においては、低ロス性に加え、耐摩耗性及び破壊特性に優れることが求められる。これに対して、ゴム組成物の低ロス性、耐摩耗性及び破壊特性を改良するには、ゴム組成物中のカーボンブラックやシリカ等の充填剤とゴム成分との親和性を向上させることが有効であり、これらの中でも、シリカとゴム成分との親和性に対する開発要求が非常に高い。
一般に、ゴム組成物中の充填剤とゴム成分との親和性を向上させ、充填剤による補強効果を向上させるため、ゴム組成物中のゴム分子内に極性基を有する官能基をラジカル反応により導入する手法が知られている(特許文献1)。しかしながら、ゴム成分として天然ゴムを用いたゴム組成物においては、天然ゴムの優れた物理特性(粘弾性、引張試験等における応力−歪曲線)を生かしつつ、天然ゴム自体を改良して充填剤との親和性を向上させ、充填剤による補強効果を大幅に向上させることが困難であった。
そこで、本発明の目的は、従来よりも、低ロス性、耐摩耗性及び破壊特性に著しく優れたゴム組成物と、該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるゴム組成物のゴム成分として好適な変性天然ゴムと、該変性天然ゴムを生成させることが可能な変性天然ゴムラテックスを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、天然ゴム分子にウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を付加させてなる変性天然ゴムをゴム組成物のゴム成分として使用することで、従来の極性基を有する官能基で変性した変性天然ゴムを含むゴム組成物よりも、ゴム組成物の低ロス性、耐摩耗性及び破壊特性が、大幅に向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の変性天然ゴムラテックスは、天然ゴムラテックスに、ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を添加し、該ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子に付加させてなり、
前記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の付加量が、前記天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする。
前記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の付加量が、前記天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする。
また、本発明の変性天然ゴムは、上記変性天然ゴムラテックスを凝固及び乾燥してなることを特徴とする。
更に、本発明のゴム組成物は、上記変性天然ゴムを用いたことを特徴とする。
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記変性天然ゴム100質量部に対し、シリカを30〜150質量部含有する。
また更に、本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とする。
本発明によれば、ゴム成分として天然ゴム分子にウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を付加させてなるウレタン基及び/又はウレア基含有変性天然ゴムを用いた、低ロス性、耐摩耗性及び破壊特性に著しく優れたゴム組成物、並びに該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することができる。また、かかるゴム組成物のゴム成分として好適なウレタン基及び/又はウレア基含有変性天然ゴムと、該変性天然ゴムを生成させることが可能な変性天然ゴムラテックスを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の変性天然ゴムラテックスは、天然ゴムラテックスにウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を添加し、該ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子に付加させてなり、該ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の付加量が、該天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする。また、本発明の変性天然ゴムは、上記変性天然ゴムラテックスを凝固及び乾燥してなることを特徴とし、本発明のゴム組成物は、上記変性天然ゴムを用いたことを特徴とし、本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とする。
上述の通り、ゴム組成物中のゴム成分とカーボンブラックやシリカ等の充填剤との親和性を向上させるためには、該ゴム組成物中のゴム成分内に極性基含有単量体を導入することが有効である。また、本発明者が、極性基含有単量体で変性した変性天然ゴムとシリカとの親和性について詳細に検討したところ、天然ゴム分子に導入した極性基とシリカ表面の水酸基との水素結合力が重要であることが分かった。そこで、本発明の変性天然ゴムは、有機官能基の中でも特に水素結合力の高いウレタン基やウレア基を含有する単量体を天然ゴム分子に付加させてなり、従来の極性基含有単量体で変性した変性天然ゴムと比べて、変性天然ゴム分子と水素結合可能な種々の充填剤、特にシリカに対する親和性が高い。そのため、ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体で変性した変性天然ゴムをゴム成分として用いた本発明のゴム組成物は、従来の極性基含有単量体で変性した変性天然ゴムをゴム成分として用いたゴム組成物に比べて、ゴム成分に対する該充填剤の分散性が高く、充填剤の補強効果が十分に発揮されて、破壊特性及び耐摩耗性に優れる上、低発熱性(低ロス性)も大幅に向上している。また、該ゴム組成物をタイヤ、特にタイヤのトレッドに用いることで、転がり抵抗を大幅に低減しつつ、耐破壊性及び耐摩耗性を著しく改善することができる。
本発明の変性天然ゴムラテックスに用いる天然ゴムラテックスとしては、特に限定されず、例えば、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵素で処理した脱タンパク質ラテックス、及びこれらを組み合せたもの等を用いることができる。
上記天然ゴムラテックスに添加されて、該天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子に付加するウレタン基及び/又はウレア基含有単量体は、分子内に少なくとも一つのウレタン基(−NHCOO−)を有する単量体、分子内に少なくとも一つのウレア基(−NHCONH−)を有する単量体、又はそれらの混合物からなり、且つ天然ゴム分子と付加できる限り特に制限されるものではない。
ここで、分子内に少なくとも一つのウレア基を有するウレア基含有単量体は、例えば、イソシアネート基含有単量体に、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン等のアミン類を反応させて得られ、一方、分子内に少なくとも一つのウレタン基を有するウレタン基含有単量体は、例えば、イソシアネート基含有単量体に、エタノール、プロパノール、オクタノール等のアルコール類を反応させて得られる。
上記ウレタン基含有単量体及びウレア基含有単量体の前駆体となり得るイソシアネート基含有単量体は、分子内に少なくとも一つのイソシアネート基(NCO)を有し、天然ゴム分子に付加するために、分子内にビニル基等の炭素−炭素二重結合含有基を有することが好ましく、イソシアネート基含有ビニル系単量体であることが特に好ましい。該イソシアネート基含有単量体としては、イソシアナトメチル(メタ)アクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、N-イソシアナトメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソシアナトエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソシアナトプロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソシアナトブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。また、上記イソシアネート基含有単量体は、分子内に芳香族基を有してもよく、芳香族基を有するイソシアネート基含有単量体の具体例としては、1-イソシアナト-2-ビニルベンゼン、1-イソシアナト-3-ビニルベンゼン及び1-イソシアナト-4-ビニルベンゼン等が挙げられる。これらイソシアネート基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
本発明においては、一般に、天然ゴムラテックスに水及び必要に応じて乳化剤を加えた溶液中に、予め合成して得た上記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を加え、更に重合開始剤を加えて、所定の温度で撹拌することで、上記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子の主鎖の二重結合に付加させる。なお、上記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の天然ゴムラテックスヘの添加においては、予め天然ゴムラテックス中に乳化剤を加えてもよいし、ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を乳化剤で乳化した後に天然ゴムラテックスに加えてもよい。また、天然ゴムラテックスやウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の乳化に使用できる乳化剤としては、特に限定されず、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
上記重合開始剤としては、特に制限はなく、種々の乳化重合用の重合開始剤を用いることができ、その添加方法についても特に制限はない。一般に用いられる重合開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、2,2-アゾビスイソブチロニトリル、2,2-アゾビス(2-ジアミノプロパン)ヒドロクロライド、2,2-アゾビス(2-ジアミノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。なお、重合温度を低下させるためには、レドックス系の重合開始剤を用いることが好ましい。かかるレドックス系重合開始剤において、過酸化物と組み合せる還元剤としては、例えば、テトラエチレンペンタミン、メルカプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元性金属イオン、アスコルビン酸等が挙げられる。レドックス系重合開始剤における過酸化物と還元剤との好ましい組み合せとしては、tert-ブチルハイドロパーオキサイドとテトラエチレンペンタミンとの組み合せ等が挙げられる。
上記変性天然ゴムラテックスから得られる変性天然ゴムにシリカ等の無機充填剤を配合して、ゴム組成物の加工性を低下させることなく低ロス性及び耐摩耗性を向上させるには、各天然ゴム分子に上記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体が少量且つ均一に導入されることが重要であるため、上記変性反応は、撹拌しながら行うことが好ましく、例えば、天然ゴムラテックス並びにウレタン基及び/又はウレア基含有単量体等の上記成分を反応容器に仕込み、0〜80℃で10分〜24時間反応させることで、天然ゴム分子に上記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体が付加した変性天然ゴムラテックスが得られる。このようにして得た変性天然ゴムラテックスは、そのままラテックス状態で使用してもよいし、さらに凝固及び乾燥することにより固形状態にして使用してもよい。なお、ゴム組成物に使用する場合は、固形ゴムとして用いることが好ましい。固形ゴムとして使用する場合は、上記変性天然ゴムラテックスを凝固し、洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥することで、固形状態の変性天然ゴムが得られる。ここで、変性天然ゴムラテックスを凝固するのに用いる凝固剤としては、特に限定されるものではないが、ギ酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩が挙げられる。
上記変性天然ゴムラテックス及び変性天然ゴムにおいて、上記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の付加量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを要し、0.01〜1.0質量%であることが好ましい。ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の付加量が0.01質量%未満では、ゴム組成物の低ロス性及び耐摩耗性を十分に改良できない。また、ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の付加量が5.0質量%を超えると、粘弾性、S−S特性(引張試験機における応力−歪曲線)等の天然ゴム本来の物理特性を大きく変えてしまい、天然ゴム本来の優れた物理特性が損なわれると共に、ゴム組成物の加工性が大幅に悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、上記変性天然ゴムを用いたことを特徴とし、更に無機充填剤を含有することが好ましく、シリカを含有することが特に好ましい。ここで、無機充填剤の含有量は、特に限定されるものではないが、上記変性天然ゴム100質量部に対して30〜150質量部の範囲が好ましい。無機充填剤の含有量が30質量部未満では、充分な補強性が得られない場合があり、150質量部を超えると、加工性が悪化する場合がある。
本発明のゴム組成物に用いる無機充填剤としては、シリカ及び下記式(I):
nM・xSiOy・zH2O ・・・ (I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機化合物が挙げられる。これら無機充填剤は、一種単独で用いてもよし、二種以上を混合して用いてもよい。
nM・xSiOy・zH2O ・・・ (I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機化合物が挙げられる。これら無機充填剤は、一種単独で用いてもよし、二種以上を混合して用いてもよい。
ここで、上記式(I)の無機化合物として、具体的には、γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al2O3);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al2O3・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO3)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を挙げることができる。
上記無機充填剤の中でも、シリカが特に好ましい。該シリカとしては、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも、湿式シリカが好ましい。
本発明のゴム組成物には、上記変性天然ゴム、無機充填剤の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、カーボンブラック等の充填剤、老化防止剤、軟化剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。本発明のゴム組成物は、変性天然ゴムに、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を用いたことを特徴とし、上記ゴム組成物をトレッドに用いることが好ましい。上記ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、低燃費性、破壊特性及び耐摩耗性に優れる。なお、本発明のタイヤは、上述のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ウレタン基含有単量体の製造例>
シクロヘキサン100ml中に2-イソシアナトエチルメタクリレート0.01molを溶解させた後、更にエタノール0.011molを添加した反応系を80℃で2時間維持した。その後、反応系中のシクロヘキサンを留去し、更に過剰のエタノールを留去することにより、変性剤Aを得た。
シクロヘキサン100ml中に2-イソシアナトエチルメタクリレート0.01molを溶解させた後、更にエタノール0.011molを添加した反応系を80℃で2時間維持した。その後、反応系中のシクロヘキサンを留去し、更に過剰のエタノールを留去することにより、変性剤Aを得た。
<ウレア基含有単量体の製造例>
シクロヘキサン100ml中に2-イソシアナトエチルメタクリレート0.01molを溶解させた後、更にブチルアミン0.011molを添加した反応系を80℃で2時間維持した。その後、反応系中のシクロヘキサンを留去し、更に過剰のブチルアミンを留去することにより、変性剤Bを得た。
シクロヘキサン100ml中に2-イソシアナトエチルメタクリレート0.01molを溶解させた後、更にブチルアミン0.011molを添加した反応系を80℃で2時間維持した。その後、反応系中のシクロヘキサンを留去し、更に過剰のブチルアミンを留去することにより、変性剤Bを得た。
<製造例1>
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
フィールドラテックスをラテックスセパレーター[斎藤遠心工業製]を用いて回転数7500rpmで遠心分離して、乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と0.15gの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]を変性剤A2.5gに加えて乳化したものを990mlの水と共に添加し、これらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌した。次に、重合開始剤としてtert-ブチルハイドロパーオキサイド(t-BHPO)1.2gとテトラエチレンペンタミン(TEPA)1.2gとを加え、40℃で1時間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスAを得た。
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
フィールドラテックスをラテックスセパレーター[斎藤遠心工業製]を用いて回転数7500rpmで遠心分離して、乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と0.15gの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]を変性剤A2.5gに加えて乳化したものを990mlの水と共に添加し、これらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌した。次に、重合開始剤としてtert-ブチルハイドロパーオキサイド(t-BHPO)1.2gとテトラエチレンペンタミン(TEPA)1.2gとを加え、40℃で1時間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスAを得た。
(凝固及び乾燥工程)
次に、上記変性天然ゴムラテックスAにギ酸を加えpHを4.7に調整して、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。得られた変性天然ゴムAの質量から、単量体として加えた変性剤Aの転化率が100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムAを石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を試みたが、抽出物を分析したところホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムAにおける単量体の付加量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.42質量%である。
次に、上記変性天然ゴムラテックスAにギ酸を加えpHを4.7に調整して、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。得られた変性天然ゴムAの質量から、単量体として加えた変性剤Aの転化率が100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムAを石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を試みたが、抽出物を分析したところホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムAにおける単量体の付加量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.42質量%である。
<製造例2>
ウレタン基を有する変性剤A2.5gの代わりに、ウレア基を有する変性剤B2.5gを加える以外は、上記変性天然ゴムの製造例1と同様にして変性天然ゴムBを得た。また、同様に変性天然ゴムBを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムBにおける単量体の付加量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.42質量%である。
ウレタン基を有する変性剤A2.5gの代わりに、ウレア基を有する変性剤B2.5gを加える以外は、上記変性天然ゴムの製造例1と同様にして変性天然ゴムBを得た。また、同様に変性天然ゴムBを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムBにおける単量体の付加量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.42質量%である。
<製造例3>
ウレタン基を有する変性剤A2.5gの代わりに、2-イソシアナトエチルメタクリレート2.5gを加える以外は、上記変性天然ゴムの製造例1と同様にして変性天然ゴムCを得た。また、同様に変性天然ゴムCを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムCにおける単量体の付加量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.42質量%である。
ウレタン基を有する変性剤A2.5gの代わりに、2-イソシアナトエチルメタクリレート2.5gを加える以外は、上記変性天然ゴムの製造例1と同様にして変性天然ゴムCを得た。また、同様に変性天然ゴムCを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、上記変性天然ゴムCにおける単量体の付加量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.42質量%である。
<製造例4>
上記天然ゴムラテックスを変性反応工程を経ずに、直接、凝固及び乾燥させて天然ゴムDを調製した。なお、製造例1〜4の結果を表1に纏める。
上記天然ゴムラテックスを変性反応工程を経ずに、直接、凝固及び乾燥させて天然ゴムDを調製した。なお、製造例1〜4の結果を表1に纏める。
次に、プラストミルで混練して表2に示す配合処方のゴム組成物を調製し、該ゴム組成物に対して、下記の方法でムーニー粘度、引張強さ(Tb)、tanδ及び耐摩耗性を測定・評価した。結果を表3に示す。
(1)ムーニー粘度
JIS K6300-1994に準拠して、130℃にてゴム組成物のムーニー粘度ML1+4(130℃)を測定した。
JIS K6300-1994に準拠して、130℃にてゴム組成物のムーニー粘度ML1+4(130℃)を測定した。
(2)引張強さ
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、JIS K6301-1995に準拠して引張試験を行い、引張強さ(Tb)を測定した。引張強さが大きい程、耐破壊性が良好であることを示す。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、JIS K6301-1995に準拠して引張試験を行い、引張強さ(Tb)を測定した。引張強さが大きい程、耐破壊性が良好であることを示す。
(3)tanδ
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、粘弾性測定装置[レオメトリックス社製]を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzで損失正接(tanδ)を測定した。tanδが小さい程、低ロス性に優れることを示す。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、粘弾性測定装置[レオメトリックス社製]を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzで損失正接(tanδ)を測定した。tanδが小さい程、低ロス性に優れることを示す。
(4)耐摩耗性
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、従来例の摩耗量の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、従来例の摩耗量の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
*1 使用した変性天然ゴム又は天然ゴムの種類を表3中に示す.
*2 日本シリカ工業製, 「ニプシルAQ」.
*3 デグッサ製, 「Si69」, ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド.
*4 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン.
*5 ジフェニルグアニジン.
*6 ジベンゾチアジルジスルフィド.
*7 N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド.
*2 日本シリカ工業製, 「ニプシルAQ」.
*3 デグッサ製, 「Si69」, ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド.
*4 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン.
*5 ジフェニルグアニジン.
*6 ジベンゾチアジルジスルフィド.
*7 N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド.
表3から、極性基含有単量体としてウレタン基含有単量体(実施例1)又はウレア基含有単量体(実施例2)を導入した変性天然ゴムを用いた実施例1〜2のゴム組成物は、未変性の天然ゴムDを用いた従来例のゴム組成物と比べて、破壊特性、低ロス性及び耐摩耗性が大幅に向上していることが分かる。また、実施例1〜2のゴム組成物は、極性基含有単量体として、ウレタン基含有単量体及びウレア基含有単量体の前駆体である2-イソシアナトエチルメタクリレートを導入した変性天然ゴムを用いた参考例のゴム組成物よりも、破壊特性、低ロス性及び耐摩耗性に優れることが分かる。
Claims (5)
- 天然ゴムラテックスに、ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を添加し、該ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子に付加させてなり、
前記ウレタン基及び/又はウレア基含有単量体の付加量が、前記天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする変性天然ゴムラテックス。 - 請求項1に記載の変性天然ゴムラテックスを凝固及び乾燥してなる変性天然ゴム。
- 請求項2に記載の変性天然ゴムを用いたゴム組成物。
- 前記変性天然ゴム100質量部に対し、シリカを30〜150質量部含有することを特徴とする請求項3に記載のゴム組成物。
- 請求項3又は4に記載のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とするタイヤ。
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JP2007033729A JP2008195865A (ja) | 2007-02-14 | 2007-02-14 | 変性天然ゴムラテックス及び変性天然ゴム、並びにゴム組成物及びタイヤ。 |
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