JP5019750B2 - 変性天然ゴム及びその製造方法、並びにそれを用いたゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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nM・xSiOy・zH2O ・・・ (I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機化合物が挙げられる。これら充填剤は、一種単独で用いてもよし、二種以上を混合して用いてもよい。
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
フィールドラテックスをラテックスセパレーター[斎藤遠心工業製]を用いて回転数7500rpmで遠心分離して、乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と90mgの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]をN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gに加えて乳化したものを990mLの水と共に添加し、これらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌した。次に、重合開始剤としてtert-ブチルハイドロパーオキサイド 1.2g及びテトラエチレンペンタミン 1.2g、並びに連鎖移動剤としてtert-ドデシルメルカプタン 0.7gを加え、40℃で30分間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
次に、上記変性天然ゴムラテックスにギ酸を加えpHを4.7に調整し、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。このようにして得られた変性天然ゴムAの質量から、単量体として加えたN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートの転化率が100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムAを石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を試みたところ、ホモポリマーが仕込みモノマー量の9%検出され、添加した極性基含有単量体の91%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。
極性基含有単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gの代わりに2-ヒドロキシエチルメタクリレート 2.1gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムBを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムBを分析したところ、添加した極性基含有単量体の88%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。
極性基含有単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gの代わりに4-ビニルピリジン 1.7gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムCを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムCを分析したところ、添加した極性基含有単量体の89%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。
連鎖移動剤としてtert-ドデシルメルカプタン 0.7gを加える代わりにn-オクチルメルカプタン 0.5gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムDを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムDを分析したところ、添加した極性基含有単量体の90%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。
連鎖移動剤としてtert-ドデシルメルカプタン 0.7gを加える代わりにn-オクチルメルカプタン 0.5gを加える以外は、上記製造例2と同様にして変性天然ゴムEを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムEを分析したところ、添加した極性基含有単量体の86%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。
連鎖移動剤としてtert-ドデシルメルカプタン 0.7gを加える代わりにn-オクチルメルカプタン 0.5gを加える以外は、上記製造例3と同様にして変性天然ゴムFを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムFを分析したところ、添加した極性基含有単量体の90%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。
製造例1〜3において、tert-ドデシルメルカプタンを加えずに、それ以外は同様にして変性天然ゴムG,H,Iを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムG,H,Iを分析したところ、いずれも添加した極性基含有単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。以上の結果を表1にまとめる。
JIS K6300-1994に準拠して、130℃にてゴム組成物のムーニー粘度ML1+4(130℃)を測定した。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、JIS K6301-1995に準拠して引張試験を行い、引張強さ(Tb)を測定した。引張強さが大きい程、耐破壊性が良好であることを示す。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、粘弾性測定装置[レオメトリックス社製]を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzで損失正接(tanδ)を測定した。tanδが小さい程、低ロス性に優れることを示す。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、表3においては比較例1の摩耗量の逆数を100とし、表4においては比較例2の摩耗量の逆数を100とし、表5においては比較例3の摩耗量の逆数を100としてそれぞれ指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
*2 日本シリカ工業製, 「ニプシルAQ」.
*3 デグッサ製, 「Si69」, ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド.
*4 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン.
*5 N,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
*6 ジフェニルグアニジン.
*7 ジベンゾチアジルジスルフィド.
*8 N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド.
Claims (5)
- 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体及び連鎖移動剤を加え、該連鎖移動剤の存在下で極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させ、更に凝固及び乾燥してなり、
前記極性基含有単量体の極性基が、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、カルボニル基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基及びアルコキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一つであり、
前記極性基含有単量体のグラフト量が、前記天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%である、
ことを特徴とする変性天然ゴム。 - 前記連鎖移動剤が、メルカプト化合物、ジスルフィド化合物及びハロゲン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の変性天然ゴム。
- 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体及び連鎖移動剤を加え、該連鎖移動剤の存在下で極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させ、更に凝固及び乾燥し、
前記極性基含有単量体の極性基を、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、カルボニル基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基及びアルコキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一つとし、
前記極性基含有単量体のグラフト量が、前記天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%とする、
ことを特徴とする変性天然ゴムの製造方法。 - 請求項1または2に記載の変性天然ゴムを用いたゴム組成物。
- 請求項4に記載のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とするタイヤ。
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