JP6232790B2 - タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、競技タイヤに好適なタイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
タイヤには耐摩耗性などの機械的物性が要求される。これに対して、タイヤ用のゴム組成物には一般に補強剤としてカーボンブラックが配合される。
例えば、特許文献1の請求項1には、ジエン系ゴムとカーボンブラックとを含有するタイヤトレッド用ゴム組成物が開示されている。特許文献1には、請求項1の構成をとることでタイヤの耐摩耗性が向上することが記載されている。
特開2012−207185号公報
一方、近年、安全性等の向上のために、グリップ性能、持続性および耐摩耗性について高いレベルで両立されることが求められている。特に、競技タイヤでは、上述した特性が高温(例えば、100℃)時に極めて高いレベルで両立されることが求められている。
このようななか、本発明者が特許文献1をもとに、ジエン系ゴムとカーボンブラックとを含有するゴム組成物について検討したところ、グリップ性能、持続性および耐摩耗性のうち、少なくともいずれかの特性が昨今求められているレベルを満たさないものとなることが明らかになった。すなわち、上述した特性が昨今求められるレベルで両立されていないことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、タイヤにしたときにグリップ性能、持続性および耐摩耗性が高いレベルで両立されるタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネートを配合することで、タイヤにしたときにグリップ性能、持続性および耐摩耗性が高いレベルで両立されるタイヤ用ゴム組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) ジエン系ゴムと、カーボンブラックと、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネートとを含有し、
上記カーボンブラックの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜180質量部であり、上記イソシアネートの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜10質量部である、タイヤ用ゴム組成物。
(2) 上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、90〜400m2/gであり、
上記カーボンブラックの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、40〜180質量部である、上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(3) 上記イソシアネートが、ブロックイソシアネートであり、
上記ブロックイソシアネートの90%脱ブロック温度が、110〜170℃である、上記(1)または(2)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4) 上記ジエン系ゴムが、上記イソシアネートが有するイソシアネート基と反応可能な官能基で変性された芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを50質量%以上含む、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(5) 競技タイヤに用いられる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤ。
(7) 競技タイヤである、上記(6)に記載の空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、タイヤにしたときにグリップ性能、持続性および耐摩耗性が高いレベルで両立されるタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物および本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤについて説明する。
[タイヤ用ゴム組成物]
本発明のタイヤ用ゴム組成物(以下、本発明の組成物とも言う)は、ジエン系ゴムと、カーボンブラックと、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネートとを含有する。
ここで、上記カーボンブラックの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜180質量部であり、上記イソシアネートの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜10質量部である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、タイヤにしたときにグリップ性能、持続性および耐摩耗性が高いレベルで両立されるものと考えられる。
その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
一般に、カーボンブラックやオイルを増量してグリップ性能を上げようとすると機械的物性が低下し、逆に、硫黄を増量して機械的物性を上げようとするとグリップ性能が低下する傾向がある。すなわち、グリップ性能と機械的物性は二律背反の関係にあると言える。
ここで、上述のとおり、本発明の組成物は、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート(以下、特定イソシアネートとも言う)を含有するため、本発明の組成物を加硫した場合、特定イソシアネートのイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基がジエン系ゴムを適度に架橋して、柔軟性および靭性に優れた三次元網目構造が形成される。結果、本発明の組成物から得られるタイヤはグリップ性能、持続性および耐摩耗性について高いレベルで両立されるものと考えられる。このことは、後述する実施例および比較例が示すように、特定イソシアネートを含有しない場合(比較例1〜5)よりも特定イソシアネートを含有する場合(実施例1〜5)の方が、タイヤにしたときにグリップ性能、持続性および耐摩耗性が高いレベルで両立されていることからも推測される。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。
<ジエン系ゴム>
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記ジエン系ゴムは、1種のジエン系ゴムを単独で用いても、2種以上のジエン系ゴムを併用してもよい。
上記ジエン系ゴムは、変性ゴムであることが好ましい。なかでも、後述する特定イソシアネートが有するイソシアネート基(特定イソシアネートがブロックイソシアネートの場合は、ブロックイソシアネート基から生成するイソシアネート基)と反応可能な官能基(好ましくは、ヒドロキシ基)で変性された変性ゴムであることが好ましく、なかでも、末端がヒドロキシ基で変性された変性ゴムであることがより好ましい。
上記ジエン系ゴムとしては、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム(特に末端がヒドロキシ基で変性されたもの)を用いることが好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、スチレンブタジエンゴム(SBR)であることが好ましい。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の芳香族ビニル含有量(例えば、スチレン含有量)は、20〜45質量%であることが好ましく、23〜42質量%であることがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン中のビニル結合量は、10〜50%であることが好ましく、25〜48%であることがより好ましい。ここで、ビニル結合量とは、共役ジエンの結合様式であるシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合および1,2−ビニル結合のうち、1,2−ビニル結合の割合をいう。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は、その製造方法について特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を製造する際に使用される単量体としての、芳香族ビニル、共役ジエンは特に限定されない。
ここで、上記共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
一方、上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を用いる場合の含有量は、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、上記ジエン系ゴムの50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
上記ジエン系ゴムは、後述する特定イソシアネートが有するイソシアネート基(特定イソシアネートがブロックイソシアネートの場合は、ブロックイソシアネート基から生成するイソシアネート基)と反応可能な官能基で変性された芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを50質量%以上含むのが好ましい。
上記ジエン系ゴムの重量平均分子量は、得られるタイヤの靭性と本発明の組成物の取り扱いの観点から、100,000〜1,500,000であることが好ましく、600,000〜1,300,000であることがより好ましい。ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
<カーボンブラック>
本発明の組成物に含有されるカーボンブラックは、特に限定されず、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、FEF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、90〜400m2/gであることが好ましく、120〜300m2/gであることがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
上記カーボンブラックの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜180質量部である。なかでも、得られるタイヤの剛性と低転がり抵抗性とのバランスの観点から、40〜180質量部であることが好ましく、50〜150質量部であることがより好ましい。
上記カーボンブラックの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して5質量部未満であると、グリップ性能および耐摩耗性が不十分となる。また、上記カーボンブラックの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して180質量部を超えると、耐摩耗性および持続性が悪化する。
<特定イソシアネート>
本発明の組成物は(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート(特定イソシアネート)を含有する。特定イソシアネートは、(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基((−N=C=O)とを有する化合物である。
ここで、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基(CH2=CH−CO−)またはメタクリロイル基(CH2=CCH3−CO−)を表す。
なお、上記イソシアネート基はブロック剤で保護されたブロックイソシアネート基であってもよい。
特定イソシアネートはポリマー(重合体)であっても構わない。特定イソシアネートが直鎖状のポリマーである場合、一方の末端に(メタ)アクリロイル基を有するのが好ましい。
特定イソシアネートの具体例としては、2−イソシアネートエチルアクリレート、2−イソシアネートエチルメタクリレート、3−イソシアネートプロピルアクリレート、3−イソシアネートプロピルメタクリレート、2−イソシアネート1−メチルエチルアクリレート、2−イソシアネート1−メチルエチルメタクリレート、3−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−イソシアネート2−メチルブチルアクリレート、3−イソシアネート2−メチルブチルメタクリレート、4−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、4−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、2−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3,5−ビス(メタクリロイルオキシエチル)フェニルイソシアネート、2,4−ビス(アクリロイルオキシ)フェニルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、1,1−ビス(メタクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、アクリロイルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネートなどが挙げられる。
特定イソシアネートの好適な態様としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
上記式(1)中、R11は、水素原子またはメチル基を表す。なかでも、メチル基であることが好ましい。
上記式(1)中、L11は、単結合または2価の有機基を表す。2価の有機基としては特に制限されないが、例えば、2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基。好ましくは炭素数1〜8)、2価の芳香族炭化水素基(例えば、アリーレン基。好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。なかでも、アルキレン基、−O−またはこれらを組み合わせた基であることが好ましい。
(特定ブロックイソシアネート)
特定イソシアネートは、得られるタイヤのグリップ性能および耐摩耗性がより優れる理由から、ブロックイソシアネートであることが好ましい。すなわち、特定イソシアネートは、(メタ)アクリロイル基を有するブロックイソシアネート(以下、特定ブロックイソシアネートとも言う)であることが好ましい。
特定ブロックイソシアネートは、(メタ)アクリロイル基と、イソシアネート基がブロック剤で保護されたブロックイソシアネート基とを有する化合物である。特定イソシアネートが特定ブロックイソシアネートである場合、加硫時に、ブロックイソシアネート基からブロック剤が解離して、イソシアネート基が生成される。
上記ブロック剤としては特に制限されないが、活性水素基含有化合物であることが好ましく、例えば、アルコール類、フェノール類、オキシム類、トリアゾール類、カプロラクタム類、チオール類、アミン類、イミン類、カルバゾール類、アミド類、イミド類、ウレア類、アセト酢酸アルキルエステル類、マロン酸アルキルエステル類、ピラゾール類、イミダゾール類などが挙げられ、なかでも、ピラゾール類であることが好ましい。
上記ブロック剤の具体的な化合物例としては、チオール類として、メタンチオール、エタンチオール、ベンゼンチオール、フェノール類として、フェノール、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、クレゾール、1−ナフトール、2−ナフトール、オキシム類として、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アミン類としてジブチルアミン、ジフェニルアミン、アニリン、イミン類として、エチレンイミン、プロピレンイミン、カルバゾール類として、無置換カルバゾール、1,3,6,8−テトラニトロカルバゾール、3,6−ジブロモカルバゾール、アミド類として、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム、イミド類として、コハク酸イミド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、マレイン酸イミド、ウレア類として尿素、エチレン尿素、チオ尿素、アセト酢酸アルキルエステル類として、アセト酢酸エチルエステル、マロン酸アルキルエステル類として、マロン酸ジエチルエステル、ピラゾール類として、無置換ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−アセチルアミノピラゾール、ピラゾール−3,5−ジカルボン酸ジエチルエステル、イミダゾール類として、無置換イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、トリアゾール類として、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
特定ブロックイソシアネートの好適な態様としては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
上記式(2)中、R21の定義および好適な態様は上述したR11と同じである。
上記式(2)中、L21の定義、具体例および好適な態様は上述したL11と同じである。
上記式(2)中、Bは、活性水素基を有するブロック剤から活性水素基を除いた基(活性水素基を有するブロック剤がイソシアネート基と反応した残基)を表す。ブロック剤の具体例および好適な態様は上述のとおりである。
特定ブロックイソシアネートの90%脱ブロック温度は特に制限されないが、110〜170℃であることが好ましく、115〜140℃であることがより好ましい。
ここで、90%脱ブロック温度とは、特定ブロックイソシアネートが有するブロックイソシアネート基のうち90%が、ブロック剤が解離してイソシアネート基になる温度である。90%脱ブロック温度は、加熱した特定ブロックイソシアネートのイソシアネート基の含有量をNMR法やMS法により分析することで求められる。
特定ブロックイソシアネートの製造方法は特に制限されないが、好適な態様としては、例えば、上述した特定イソシアネート((メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物)のイソシアネート基とブロック剤とを反応させる方法が挙げられる。ブロック剤の具体例および好適な態様は上述のとおりである。
本発明の組成物において、特定イソシアネートの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜10質量部である。なかでも、得られるタイヤの持続性がより優れる理由から、2.0質量部以上であることが好ましい。
特定イソシアネートの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して1質量部未満であると、得られるタイヤのグリップ性能、持続性および耐摩耗性が不十分となる。また、特定イソシアネートの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して10質量部を超えると、グリップ性が悪化する。
<任意成分>
本発明の組成物には、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、カーボンブラック以外の充填剤(例えば、シリカ)、シランカップリング剤(例えば、エボニックデグサ社製Si69、エボニックデグサ社製Si363)、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、オイル、液状ポリマー、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
本発明の組成物は、得られるタイヤのグリップ性能がより優れる理由から、テルペン樹脂を含有するのが好ましい。上記テルペン樹脂は芳香族変性テルペン樹脂(特に、軟化点が60〜180℃のもの)であることが好ましい。
本発明の組成物において、上記テルペン樹脂の含有量は特に制限されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることがより好ましい。
<タイヤ用ゴム組成物の製造方法>
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは140〜160℃)で混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
本発明の空気入りタイヤは、高温(例えば、100℃)時にもグリップ性能、持続性および耐摩耗性が高いレベルで両立されるため、競技タイヤに好適である。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜5、比較例1〜5>
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。
第1表中、SBRの量について、上段の値はSBR(油展品)の量(単位:質量部)であり、下段の値は、SBRに含まれるSBRの正味の量(単位:質量部)である。
<評価用加硫ゴムシートの作製>
調製したタイヤ用ゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴムシートを作製した。
<tanδ(100℃)>
上述のとおり作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6394:2007に準拠し、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度100℃の条件で、tanδ(100℃)を測定した。
結果を第1表に示す。結果は比較例1のtanδ(100℃)を100とする指数で表した。指数が大きいほどtanδ(100℃)が大きく、タイヤにしたときにグリップ性能に優れる。
<300%モジュラス(100℃)>
上述のとおり作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度100℃、引張り速度500mm/分の条件で300%モジュラス(300%変形時の応力)を測定した。
結果を第1表に示す。結果は比較例1の300%モジュラスを100とする指数で表した。指数が大きいほど300%モジュラスが大きく、タイヤにしたときに持続性に優れる。
<破断強度(100℃)>
上述のとおり作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度100℃、引張り速度500mm/分の条件で破断強度(破断時の応力)を測定した。
結果を第1表に示す。結果は比較例1の破断強度を100とする指数で表した。指数が大きいほど破断強度が大きく、タイヤにしたときに耐摩耗性に優れる。
上記第1表に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・SBR:E581(末端にヒドロキシル基を有するスチレンブタジエンゴム、油展品(SBR100質量部に対して油展オイル37.5質量部を含む。SBR中のSBRの正味は72.7質量%。)、スチレン含有量:37質量%、ビニル結合量:42%、重量平均分子量:1,260,000、旭化成社製)
・カーボンブラック1:ダイアブラックA(N2SA=142m2/g、三菱化学社製)
・カーボンブラック2:シーストKHA(N2SA=77m2/g、東海カーボン社製)
・樹脂:YSレジンTO−125(芳香族変性テルペン樹脂、軟化点:125℃、ヤスハラケミカル社製)
・オイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸YR(日油社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤:ノクセラーCZ−G(大内新興化学工業社製)
・イソシアネート1:カレンズMOI(2−イソシアネートエチルメタクリレート、昭和電工社製)
・イソシアネート2:カレンズMOI−BP(90%脱ブロック温度:120℃)(上記式(2)で表される化合物。ここで、R21:−CH3、L21:−O−CH2−CH2−、B:下記式(B1)で表される構造。)(昭和電工社製)
上記式(B1)中、*は結合位置を表す。
第1表から分かるように、特定イソシアネートを含有しない比較例1〜5よりも、特定イソシアネートを含有する実施例1〜5の方が、タイヤにしたときにグリップ性能、持続性および耐摩耗性が高いレベルで両立されていた。なかでも、特定イソシアネートがブロックイソシアネートである実施例3および4は、グリップ性能および耐摩耗性がより優れていた。
実施例1と2との対比および実施例3と4との対比から、特定イソシアネートの含有量が、ジエン系ゴム100質量部に対して2.0質量部以上である実施例2および4の方が、より優れた持続性を示した。
また、実施例1と5との対比から、芳香族変性テルペン樹脂を含有する実施例5の方が、より優れたグリップ性能を示した。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (7)

  1. ジエン系ゴムと、カーボンブラックと、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネートとを含有し、
    前記カーボンブラックの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜180質量部であり、前記イソシアネートの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜10質量部である、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、90〜400m2/gであり、
    前記カーボンブラックの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、40〜180質量部である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記イソシアネートが、ブロックイソシアネートであり、
    前記ブロックイソシアネートの90%脱ブロック温度が、110〜170℃である、請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ジエン系ゴムが、前記イソシアネートが有するイソシアネート基と反応可能な官能基であるヒドロキシ基で変性された芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを50質量%以上含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 競技タイヤに用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤ。
  7. 競技タイヤである、請求項6に記載の空気入りタイヤ。
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