JP2010280827A - 競技タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたグリップ性能を有し、かつそのグリップ性能が長く持続すると共に、耐摩耗性及び耐ブローアウト性を向上するようにした競技タイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ガラス転移温度が−24℃以上であるスチレンブタジエンゴムを10重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が140m2/g以上のカーボンブラックを40〜150重量部、軟化剤を40〜150重量部、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を0.1〜10重量部配合したことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、競技タイヤ用ゴム組成物に関し、更に詳しくは、優れたグリップ性能を有し、かつそのグリップ性能が長く持続すると共に、耐摩耗性及び耐ブローアウト性を向上するようにした競技タイヤ用ゴム組成物に関する。
競技用タイヤには、高速走行時のドライグリップ性能が極めて高いことが要求されている。しかもその高いグリップ性能がレースの最後まで長く持続することに加え、連続走行時の耐摩耗性と耐ブローアウト性とが優れることが要求される。一般にドライグリップ性能を高くするため、カーボンブラックを小粒径化すると共に、その配合量を多量にすることにより、発熱性を大きくすることが行われている。しかし、ゴム組成物に小粒径のカーボンブラックを多量に配合すると、高速のサーキット走行を長時間行なうことにより、熱ダレにより、グリップ性能が徐々に低下しラップタイムが遅くなると共に、耐摩耗性が低下し、終にはブローアウトしてしまうという問題があった。
このような熱ダレは、長時間の高速走行に伴う発熱により、トレッドゴムが高温に曝されることにより酸化劣化したり、高速走行時に大きなトレッドせん断がかかることによりトレッドゴムの分子鎖切断が生じたりするためと考えられる。特に小粒径のカーボンブラックを多量に配合したトレッドゴムは、高温に曝されることにより架橋密度が高くなり硬化すると共に、大きなせん断力を受けて分子鎖切断を起こしやすくなるため、ゴムの劣化がより顕著になり熱ダレが起きる。
このグリップ性能と耐熱ダレ性とを両立するため、ガラス転移温度が高いスチレンブタジエンゴムを配合したトレッド用ゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このゴム組成物は、レースにおける連続走行後半のグリップ性能及び耐ブローアウト性について未だ改善の余地があると共に、耐摩耗性が不足するという問題があった。
特開2007−246625号公報
本発明の目的は、優れたグリップ性能を有し、かつそのグリップ性能が長く持続すると共に、耐摩耗性及び耐ブローアウト性を向上するようにした競技タイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の競技タイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度が−24℃以上であるスチレンブタジエンゴムを10重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が140m2/g以上のカーボンブラックを40〜150重量部、軟化剤を40〜150重量部、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を0.1〜10重量部配合したことを特徴とする。
また、軟化点が80〜150℃である粘着性付与樹脂を、前記ジエン系ゴム100重量部に対し、5〜70重量部配合することが好ましく、この粘着性付与樹脂としては、テルペンフェノール樹脂及び/又は芳香族変性テルペン樹脂がよい。
前記フェノール化合物は、下記式(1)で表されるものであるとよく、好ましくは2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールである。
Figure 2010280827
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数6〜12のアルキル基、R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
本発明の競技タイヤ用ゴム組成物は、タイヤトレッド部に用いるのが好適であり、そのようにした競技用タイヤは、グリップ性能が優れ、かつそのグリップ性能が長く持続すると共に、耐摩耗性及び耐ブローアウト性を向上可能にする。
本発明の競技タイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度が−24℃以上であるスチレンブタジエンゴムを10重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が140m2/g以上のカーボンブラックを40〜150重量部、軟化剤を40〜150重量部、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を0.1〜10重量部配合したことにより、ドライグリップ性能を向上する。また、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物0.1〜10重量部を共に配合したことにより、ゴム組成物の酸化防止性能を高くしたので、高速走行時でもグリップ性能を長く持続可能にすると共に、高温状態でのゴム剛性を確保し耐摩耗性及び耐ブローアウト性を向上することができる。
本発明の競技タイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分にはジエン系ゴムが使用される。ジエン系ゴムとしては、ガラス転移温度が−24℃以上であるスチレンブタジエンゴム(SBR)を必ず含むようにする。ガラス転移温度が−24℃以上のSBRを配合することにより発熱を大きくしてグリップ性能を高くすると共に、熱ダレを抑制し高いレベルのグリップ性能が長く持続するようにする。SBRの種類としては、上述したガラス転移温度を有するものであれば、溶液重合SBR、乳化重合SBRのいずれでもよい。
SBRのガラス転移温度(Tg)は、−24℃以上、好ましくは−22℃〜−10℃、より好ましくは−20℃〜−13℃である。なお、SBRのガラス転移温度が−24℃より低いと、発熱が小さくなり高いグリップ性能が得られない。本発明において、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、遷移領域の中点における温度とした。また、SBRは油展SBRでもよいが、そのガラス転移温度は、油展成分(オイル)を含まないSBRのガラス転移温度とする。
ジエン系ゴムにおけるガラス転移温度が−24℃以上のSBRの配合量は10重量%以上、好ましくは15〜100重量%、より好ましくは20〜100重量%である。ガラス転移温度が−24℃以上のスチレンブタジエンゴムの配合量が10重量%未満であると、グリップ性能を高くすると共に、熱ダレを抑制するのが困難になる。
本発明において、ガラス転移温度が−24℃以上のSBR以外のジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ガラス転移温度が−24℃より低いSBR等が挙げられる。なかでも、ブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ガラス転移温度が−24℃より低いSBRが好ましい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明において、少なくとも1つのアルキルチオメチル基(−CH2−S−R、ただしRはアルキル基を示す。)を有するフェノール化合物を配合することにより、酸化防止作用及びゲル化抑制作用によりゴム組成物の酸化防止性能を高くする作用を行なう。このようにゴム組成物の酸化防止性能を高くするため、高温に曝されてもゴムが酸化劣化するのを防止すると共に、架橋密度が高くなり硬直化するのを抑制する。またトレッドゴムとして大きなせん断力を受けたときも分子鎖切断を抑制することができる。これにより高速のサーキット走行を行った場合でも、高いレベルのグリップ性能を長時間持続すると共に、耐ブローアウト性を向上することができる。またトレッドゴムの劣化を防止することにより高温時の剛性を確保するため耐摩耗性の低下をも抑制することができる。更にアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を配合することにより、ゴム組成物の粘度を低減する作用が得られるため、押出し加工性を向上することができる。
本発明で使用するフェノール化合物は、アルキルチオメチル基(−CH2−S−R)を少なくとも1つ有するものであればよいが、好ましくは2つ有するとよい。また、アルキルチオメチル基を構成するアルキル基は、炭素数が6〜12であるとよい。このアルキルチオメチル基中の硫黄原子(S)が、シリカとの親和性を高くすることにより、シリカの分散性を向上すると共に、ゴム粘度を低減する効果を奏するものと推測される。したがって、アルキルチオメチル基を有しないフェノール化合物やアルキルチオメチル基を有しないフェノール系酸化防止剤を配合しても、シリカの分散性を改善し耐摩耗性を向上する効果やゴム粘度を低減する効果は得られない。
本発明において、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物は、下記式(1)で表されることが好ましい。
Figure 2010280827
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数6〜12のアルキル基、R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
1、R2はそれぞれ独立であり、互いに同じでも異なってもよい。R1、R2は炭素数が6〜12、好ましくは7〜11のアルキル基であり、直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基のいずれでもよい。このようなアルキル基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が挙げられ、なかでもヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基が好ましい。
3は水素原子又は炭素数が1〜6、好ましくは1〜3のアルキル基であり、直鎖状、分枝状のいずれでもよい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。なかでもR3としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
前記式(1)において、ヒドロキシル基(−OH)の位置は2つのアルキルチオメチル基(−CH2−S−R1(R2))の間でも、アルキル基(−R3)の隣でもよい。
本発明で使用するフェノール化合物としては、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールが特に好ましい。このフェノール化合物は市販されており、例えばチバスペシャルティケミカルズ社製イルガノックス1520、川口化学工業社製HP400等を例示することができる。
本発明において、アルキルチオメチル基を有するフェノール化合物の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し0.1〜10重量部、好ましくは1〜10重量部である。フェノール化合物の配合量が0.1重量部未満であると、酸化防止性能を高くして耐熱ダレ性を高くすることができない。またゴム粘度を低減することができない。またフェノール化合物の配合量が10重量部を超えると、酸化防止性能を高くする効果は頭打ちになると共に、却って耐摩耗性が低下する。
本発明において、カーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物のドライグリップ性能及び耐摩耗性を向上する。カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し40〜150重量部、好ましくは50〜120重量部である。カーボンブラックの配合量が40重量部未満の場合には、ゴム組成物のドライグリップ性能及び耐摩耗性が不足する。また、カーボンブラックの配合量が150重量部を超えると、発熱によるゴムの剛性低下が起きやすくなり、ドライグリップ性能の持続性が低くなる。またゴムに対する混合性が悪化し、転がり抵抗及び押出し加工性が悪化する。
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が140m2/g以上、好ましくは150〜400m2/gである。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が140m2/g未満の場合には、ゴム組成物のドライグリップ性能及び耐摩耗性を十分に高くすることができない。カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K6217−2に準拠して求めた。
本発明において、軟化剤を配合することにより、ガラス転移温度が−24℃以上のスチレンブタジエンゴムに基づくグリップ性能をより高いレベルにする。軟化剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、40〜150重量部、好ましくは70〜150重量部にする。軟化剤の配合量が40重量部未満であると、グリップ性能を十分に確保することができない。また、軟化剤の配合量が150重量部を超えると、耐摩耗性及び低転がり抵抗性が悪化する。なお、軟化剤は、競技タイヤ用ゴム組成物中に含まれるすべての軟化剤であり、軟化剤の配合量とは、ジエン系ゴムに油展された軟化剤成分(プロセス油又は伸展油)とゴム組成物に配合された軟化剤との合計量をいうものとする。
軟化剤としては、石油系軟化剤や植物油系軟化剤が挙げられ、石油系軟化剤としては例えばパラフィン系オイル、アロマ系オイル、ナフテン系オイルなどが例示される。なかでも、アロマオイルが好ましい。
本発明の競技タイヤ用ゴム組成物は、粘着性付与樹脂を配合することが好ましく、グリップ性能を一層向上することができる。粘着性付与樹脂としては、軟化点が好ましくは80〜150℃、より好ましくは85〜140℃のものがよい。粘着性付与樹脂の軟化点が80℃未満であると、連続走行後半のグリップ性能を向上する効果が不足する。また耐摩耗性及び耐ブローアウト性が低下する。粘着性付与樹脂の軟化点が150℃を超えると、発熱するまでに時間がかかる。粘着性付与樹脂の軟化点は、JIS K5902に準拠して測定した値とした。
粘着性付与樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは5〜70重量部、より好ましくは10〜50重量部にするとよい。粘着性付与樹脂の配合量が5重量部未満であると、グリップ性能の持続性及び耐ブローアウト性能を向上する効果が十分に得られない。また、粘着性付与樹脂の配合量が70重量部を超えると、走行初期のグリップ性能及びゴム組成物の耐摩耗性が悪化する。なお、粘着性付与樹脂は軟化剤としての作用も行うため、粘着性付与樹脂の配合量に応じて、アロマオイル等の他の軟化剤の配合量を加減するとよい。
本発明において、粘着性付与樹脂とは、ゴム組成物への粘着付与性を有する樹脂であり、一般には分子量が数百から数千の熱可塑性樹脂で、天然ゴム及びスチレンブタジエンゴムに配合することによって粘着性を付与する作用を行なう。粘着性付与樹脂としては、例えば、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂などの天然樹脂、石油系樹脂、石炭系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などの合成樹脂が例示される。なかでもテルペン系樹脂、ロジン系樹脂が好ましい。これら粘着性付与樹脂は、単独で使用しても、複数種を組合せて使用してもよい。
テルペン系樹脂としては、例えばα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、リモネン樹脂、水添リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペンスチレン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン及びフマル化ロジン等の変性ロジン、これらのロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステル及びトリエチレングリコールエステルなどのエステル誘導体、並びにロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、競技タイヤ用ゴム組成物の耐摩耗性、耐ブローアウト性とグリップ特性の観点から、テルペンフェノール樹脂、テルペンスチレン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、重合ロジン等が好ましい。特に好ましくはテルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂がよい。これらのテルペン系樹脂は、単独で使用しても、複数種を組合せて使用してもよい。
本発明において、シリカを配合することが好ましく、発熱性と耐熱ダレ性とを両立することができる。シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは10〜150重量部、より好ましくは20〜100重量部にするとよい。シリカの配合量が10重量部未満では、耐熱ダレ性を向上させる効果が十分に得られない。また、シリカ配合量が150重量部を超えると、混合時間が長くなるなど加工性が悪化し好ましくない。
シリカを配合する場合には、シリカとカーボンブラックの合計量を、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは80〜250重量部、より好ましくは100〜200重量部にするとよい。シリカとカーボンブラックの合計量が120重量部未満の場合には、発熱性が低く、ドライグリップ性能が低くなる。また耐摩耗性を十分に高くすることができない。また、カーボンブラックとシリカの合計量が250重量部を超えると、発熱によるゴムの剛性低下が起こり易くなり、ドライグリップ性能の持続性が低くなる。
シリカを配合するときは、硫黄含有シランカップリング剤を配合することが好ましく、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を向上する。シリカの分散性向上によりゴム組成物の耐摩耗性及び耐熱ダレ性を向上することができる。硫黄含有シランカップリング剤の配合量はシリカ配合量の2〜15重量%、好ましくは6〜10重量%にするとよい。硫黄含有シランカップリング剤がシリカ配合量の2重量%未満の場合、シリカの分散が悪化し低転がり抵抗性と耐摩耗性とを両立することができない。硫黄含有シランカップリング剤が15重量%を超える場合、ゴム組成物のスコーチタイムが短くなりすぎて早期加硫を起こしやすくなる。
硫黄含有シランカップリング剤としては、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであればよく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
本発明の競技タイヤ用ゴム組成物には、前述した以外の充填剤、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、加工助剤などの競技タイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して競技タイヤ用ゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。カーボンブラック及びシリカ以外の充填剤としては、例えばクレー、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、マイカ等が例示される。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明の競技タイヤ用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明の競技タイヤ用ゴム組成物は、グリップ性能が優れ、かつそのグリップ性能が長く持続すると共に、耐摩耗性及び耐ブローアウト性を向上することができる。この競技タイヤ用ゴム組成物は、トレッド部に使用するのが好適である。また競技用タイヤとしてだけでなく、グリップ性能を高くした乗用車用タイヤにも好適に使用することができる。本発明の競技タイヤは、グリップ性能が優れ、かつそのグリップ性能が長く持続することができる。また、耐摩耗性及び耐ブローアウト性が優れるため、タイヤ耐久性を一層高いレベルにすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1,2に示す配合からなる14種類の競技タイヤ用ゴム組成物(実施例1〜8、比較例1〜6)を、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分を秤量し、1.7L密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、温度150℃で混練したマスターバッチを機外に放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.7L密閉式バンバリーミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え混合し、競技タイヤ用ゴム組成物を調製した。
得られた14種類の競技タイヤ用ゴム組成物(実施例1〜8、比較例1〜6)をそれぞれ所定形状の金型中で、150℃、30分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法により、架橋密度変化、耐摩耗性及び耐ブローアウト性を測定した。また、得られた14種類のゴム組成物を使用してトレッド部を構成したタイヤサイズ195/55R15の競技用タイヤを製作し、下記に示す方法により、ドライグリップ性能を評価した。
架橋密度変化
架橋密度は、100%変形応力との間で正の相関性が高い。このため熱老化に伴う100%変形応力の変化を測定することにより、架橋密度変化を求めた。得られた試験片から、JIS K6251に準拠してJIS3号ダンベル試験片を切り出した。各試験片を2群に分けその一方を80℃で120時間の条件で空気加熱老化処理を行なった。この熱老化処理の有無の試験片を用いて、JIS K6251に準拠し100%変形応力を測定し、それぞれについて(老化処理後の100%変形応力/初期の100%変形応力×100)により熱老化処理に伴う100%変形応力の増加率(%)を算出した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数にし表1,2の「架橋密度変化」の欄に示した。この指数が小さいほど熱老化処理に伴う架橋密度の変化が抑制されたことを意味する。
耐摩耗性
得られた試験片を、JIS K6264に準拠して、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を使用して、荷重49N、スリップ率25%、時間4分、室温の条件で摩耗量を測定した。得られた結果は、比較例1の摩耗量の逆数を100とする指数として表1,2に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを意味する。
耐ブローアウト性
グッドリッチ式フレクソメーターを用い、ASTM D632−58の方法に準拠し、試料がブローアウト(ゴム分が分解して、スポンジ状になること)するまでの時間を測定した。このブローアウト時間が長い方が耐ブロー性が良好である。試験条件は荷重20kg、ストローク4.4mm、回転数1800rpm、雰囲気温度100℃の条件で評価を行った。得られた結果は、比較例の値を100とする指数として、表1,2の「耐ブローアウト性」の欄に示した。この指数が大きいほど耐ブローアウト性が優れることを意味する。
ドライグリップ性能
得られた空気入りタイヤを、それぞれサイズ15×6Jのリムに組み、空気圧200kPaとし、2000ccの国産車両に装着し、テストドライバーがドライ条件のサーキットコース(1周2km)を10周連続走行させたときの周回毎のラップタイムを計測し、ラップタイムの平均を算出した。得られた結果は、比較例1の平均ラップタイムの逆数を100とする指数として、表1,2の「ドライグリップ性能」の欄に示した。この数値が大きいほど、ドライグリップ性能が優れていることを意味する。
Figure 2010280827
Figure 2010280827
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
SBR1:乳化重合スチレンブタジエンゴム、ガラス転移温度−20℃、日本ゼオン社製NIPOL 9529、SBR100重量部に対しアロマオイル50重量部添加の油展品
SBR2:乳化重合スチレンブタジエンゴム、ガラス転移温度−35℃、日本ゼオン社製NIPOL 9526、SBR100重量部に対しアロマオイル50重量部添加の油展品
カーボンブラック1:窒素吸着比表面積119m2/g、東海カーボン社製シースト6
カーボンブラック2:窒素吸着比表面積142m2/g、三菱化学社製ダイアブラックA
カーボンブラック3:窒素吸着比表面積390m2/g、コロンビヤンケミカルズカンパニー社製CD2019
シリカ:エボニックデグッサ社製Ultrasil 7000GR
カップリング剤:シランカップリング剤、エボニックデグッサ社製Si69
アロマオイル:ジャパンエナジー社製プロセスX140
粘着性付与樹脂1:芳香族変性テルペン樹脂、軟化点85℃、ヤスハラケミカル社製YSレジンTO85
粘着性付与樹脂2:テルペンフェノール樹脂、軟化点130℃、ヤスハラケミカル社製YSポリスターT130
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
フェノール化合物1:2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、川口化学工業社製HP400
フェノール化合物2:ジブチルヒドロキシトルエン、本州化学工業社製BHT
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
加硫促進剤2:大内新興化学工業社製ノクセラーTOT−N

Claims (7)

  1. ガラス転移温度が−24℃以上であるスチレンブタジエンゴムを10重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が140m2/g以上のカーボンブラックを40〜150重量部、軟化剤を40〜150重量部、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を0.1〜10重量部配合した競技タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ジエン系ゴム100重量部に対し、軟化点が80〜150℃である粘着性付与樹脂を5〜70重量部配合した請求項1に記載の競技タイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記粘着性付与樹脂が、テルペンフェノール樹脂及び/又は芳香族変性テルペン樹脂である請求項2に記載の競技タイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記フェノール化合物が下記式(1)で表される請求項1,2又は3に記載の競技タイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2010280827
    (式中、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数6〜12のアルキル基、R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
  5. 前記フェノール化合物が2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールである請求項4に記載の競技タイヤ用ゴム組成物。
  6. タイヤトレッド部に用いる請求項1〜5のいずれかに記載の競技タイヤ用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の競技タイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015017216A (ja) * 2013-07-12 2015-01-29 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
WO2017064939A1 (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 住友ゴム工業株式会社 タイヤ

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