JP2010280745A - スタッドレスタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】氷上摩擦力と耐摩耗性を共に向上させるだけでなく、更にゴムの老化に伴う氷上摩擦力の経年低下も抑制可能にしたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ガラス転移温度が−60℃以下であるジエン系ゴムを50重量%以上含むゴム成分100重量部に対し、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を0.1〜10重量部、窒素吸着比表面積(N2SA)が80〜140m2/gのカーボンブラックを5〜50重量部、シリカを5〜50重量部、熱膨張性マイクロカプセルを1〜15重量部配合したことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関し、更に詳しくは、氷上摩擦力と耐摩耗性を共に向上させると共に、更にゴムの老化に伴う氷上摩擦力の経年低下をも抑制可能にしたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関する。
氷雪路用空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)の氷上摩擦力を向上する手段には種々のものがある。そのうちトレッドゴム中に多数の気泡を形成する手段は、トレッドの多数の気泡が氷面上の水膜を吸収除去することにより氷上摩擦力を増大させるものであって有力な手段の一つになっている。特許文献1は、このような気泡の形成手段として、タイヤ用ゴム組成物に、熱膨張性マイクロカプセルを配合し、加硫工程での加熱によって膨張させて樹脂被覆気泡を形成することを提案している。特許文献1は、更に氷上摩擦力を一層増大させるための手段として、タイヤ用ゴム組成物に、カーボンブラックに加えてシリカを配合することにより、トレッドゴムの硬度を低温でも柔軟に維持し、氷面に対する凝着性を高めることで氷上摩擦力を向上するとしている。
しかし、ゴムに対するシリカの補強効果は、カーボンブラックに比べ小さいため、カーボンブラックを単独で同量配合したものと比べて、耐摩耗性が十分に得られないという問題があった。このためカーボンブラックを小粒径化したり、配合量を多くしたりすることが行われている。しかし、カーボンブラックの小粒径化や増量は、低温時のゴム硬度を大きくするので、氷面に対する凝着性が低下し、シリカ配合で得られる氷上摩擦性能が悪化するという問題がある。そのため、熱膨張性マイクロカプセルやシリカの配合に基いて得られる氷上性能を低下させることなく耐摩耗性を従来レベルより高くするには多くの課題があった。
一方、上述したタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に使用したスタッドレスタイヤは、タイヤの使用開始時に低温時のゴム硬度が最適になるように設計されている。そのため使用寿命の前期では、非常に優れた氷上性能であっても、経年による老化に伴い後期にはトレッドゴムが硬化することにより、2シーズン目以降に氷上摩擦力が低下するという問題があった。
特開2003−105138号公報
本発明の目的は、氷上摩擦力と耐摩耗性を共に向上させるだけでなく、更にゴムの老化に伴う氷上摩擦力の経年低下も抑制可能にしたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度が−60℃以下であるジエン系ゴムを50重量%以上含むゴム成分100重量部に対し、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を0.1〜10重量部、窒素吸着比表面積(N2SA)が80〜140m2/gのカーボンブラックを5〜50重量部、シリカを5〜50重量部、熱膨張性マイクロカプセルを1〜15重量部配合したことを特徴とする。
前記フェノール化合物は、下記式(1)で表されるものであるとよく、好ましくは2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールである。
Figure 2010280745
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数6〜12のアルキル基、R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、タイヤのトレッド部に用いるのが好適であり、そのようにしたスタッドレスタイヤは、氷上摩擦力及び耐摩耗性を向上すると共に、老化に伴う硬化を防止して氷上摩擦力の経年低下を抑制可能にする。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度が−60℃以下であるジエン系ゴムを50重量%以上含むゴム成分100重量部に対し、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を0.1〜10重量部、窒素吸着比表面積(N2SA)が80〜140m2/gのカーボンブラックを5〜50重量部、シリカを5〜50重量部、熱膨張性マイクロカプセルを1〜15重量部配合したことにより、低温時の柔軟性を確保して氷上性能を向上する。またカーボンブラックの小粒径化及び配合量を制限したので、高いレベルの氷上性能を維持しながら耐摩耗性を高くする。更にアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を0.1〜10重量部を共に配合したことにより、シリカの分散性を良好にしてゴム組成物の耐摩耗性をより高くすると共に、ゴム組成物の老化に伴う硬化を防止するので、氷上摩擦力の経年低下を抑制することができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分にはジエン系ゴムが使用される。ジエン系ゴムとしては、ガラス転移温度(Tg)が−60℃以下、好ましくは−65〜−110℃のものにする必要がある。ガラス転移温度が−60℃以下のジエン系ゴムを配合することにより低温時でもゴム組成物を柔軟に維持することができる。これにより氷面に対する凝着性を高め、氷上摩擦力を高くすることができる。なお、本発明において、ジエン系ゴムのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とした。
本発明において、ジエン系ゴムは、ガラス転移温度が−60℃以下であれば特に限定されるものではないが、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種であるとよい。なかでも、天然ゴム及び/又はブタジエンゴムがより好ましい。また、ジエン系ゴムは油展品でもよいが、そのときガラス転移温度は、油展成分(オイル)を含まない状態でのジエン系ゴムのガラス転移温度とする。
ガラス転移温度が−60℃以下のジエン系ゴムの配合量は、ゴム成分中、50重量%以上、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%である。ガラス転移温度が−60℃以下のジエン系ゴムの配合量が50重量%未満であると、氷上摩擦力等の氷上性能を確保するのが困難になる。
本発明において、ガラス転移温度が−60℃以下のジエン系ゴム以外のゴム成分としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ガラス転移温度が−60℃より高いスチレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。なかでも、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ガラス転移温度が−60℃より高いスチレン−ブタジエンゴムが好ましい。これらゴム成分は、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明において、少なくとも1つのアルキルチオメチル基(−CH2−S−R、ただしRはアルキル基を表す。)を有するフェノール化合物を配合することにより、酸化防止作用及びゲル化抑制作用によりゴム組成物の耐熱老化性を向上すると共に、シリカの分散性を良好にする。このためスタッドレスタイヤのゴム特性が経時的に低下するのを抑制し、低温時の柔軟なゴム特性を長期間保持し、2シーズン目以降に氷上性能が経年低下するのを抑制することができる。またシリカの分散性を向上することにより、ゴム組成物の耐摩耗性を更に向上することができる。また、アルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を配合することにより、ゴム組成物の粘度を低減する作用が得られるため、押出し加工性を向上することができる。
本発明で使用するフェノール化合物は、アルキルチオメチル基(−CH2−S−R)を少なくとも1つ有するものであればよいが、好ましくは2つ有するとよい。また、アルキルチオメチル基を構成するアルキル基は、炭素数が6〜12であるとよい。このアルキルチオメチル基中の硫黄原子(S)が、シリカとの親和性を高くすることにより、シリカの分散性を向上すると共に、ゴム粘度を低減する効果を奏するものと推測される。したがって、アルキルチオメチル基を有しないフェノール化合物やアルキルチオメチル基を有しないフェノール系酸化防止剤を配合しても、シリカの分散性を改善し耐摩耗性を向上する効果やゴム粘度を低減する効果は得られない。
本発明において、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物は、下記式(1)で表されることが好ましい。
Figure 2010280745
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数6〜12のアルキル基、R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
1、R2はそれぞれ独立であり、互いに同じでも異なってもよい。R1、R2は炭素数が6〜12、好ましくは7〜11のアルキル基であり、直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基のいずれでもよい。このようなアルキル基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が挙げられ、なかでもヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基が好ましい。
3は水素原子又は炭素数が1〜6、好ましくは1〜3のアルキル基であり、直鎖状、分枝状のいずれでもよい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。なかでもR3としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
前記式(1)において、ヒドロキシル基(−OH)の位置は2つのアルキルチオメチル基(−CH2−S−R1(R2))の間でも、アルキル基(−R3)の隣でもよい。
本発明で使用するフェノール化合物としては、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールが特に好ましい。このフェノール化合物は市販されており、例えばチバスペシャルティケミカルズ社製イルガノックス1520、川口化学工業社製HP400等を例示することができる。
本発明において、アルキルチオメチル基を有するフェノール化合物の配合量は、ゴム成分100重量部に対し0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。フェノール化合物の配合量が0.1重量部未満であると、ゴム組成物の耐熱老化性を向上し、経時的な劣化を抑制することや耐摩耗性を向上することができない。また粘度を低減し押出し加工性を向上することができない。またフェノール化合物の配合量が10重量部を超えると、耐摩耗性が悪化する。また、氷上摩擦力、ゴム粘度については、向上効果が頭打ちになる。
本発明において、カーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物の耐摩耗性を向上する。カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対し5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部である。カーボンブラックの配合量が5重量部未満の場合には、ゴム組成物の耐摩耗性が不足すると共に、ゴム強度を十分に高くすることができない。また、カーボンブラックの配合量が50重量部を超えると、ゴム組成物が低温時に硬くなるため氷上性能が低下する。またゴムに対する混合性及び押出し加工性が悪化する。
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が80〜140m2/g、好ましくは85〜130m2/gである。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が80m2/g未満の場合には、カーボンブラックの粒径が過大になるため、ゴム組成物の耐摩耗性及びゴム強度を十分に高くすることができない。窒素吸着比表面積が140m2/gを超えると、カーボンブラックの粒径が過小になるので、ゴム組成物が低温時に硬くなるため氷上摩擦力が低下する。またゴム粘度が高くなり押出し加工性が悪化する。カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K6217−2に準拠して求めた。
本発明において、シリカを配合することにより、ゴム組成物の低温状態の柔軟性を維持し氷面に対する凝着性を高め氷上摩擦力を増大することができる。また、ウェットグリップ性能を高くする。シリカの配合量は、ゴム成分100重量部に対し5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部である。シリカの配合量が5重量部未満では、低温時のゴムの柔軟性を維持し氷面に対する凝着性を高くする効果が十分に得られない。また、シリカ配合量が50重量部を超えると、シリカの分散不良により耐摩耗性が悪化すると共に、ゴム粘度が増大しゴム組成物の加工性が低下する。シリカの種類は、特に限定されるものではなく、通常ゴム組成物に配合されるものを使用することができ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカ、表面処理シリカを例示することができる。
本発明において、硫黄含有シランカップリング剤を配合することが好ましく、ゴム成分に対するシリカの分散性を向上する。これにより低温時のゴム組成物を一層柔軟にすると共に、耐摩耗性を向上することができる。硫黄含有シランカップリング剤の配合量はシリカ配合量の2〜15重量%、好ましくは6〜10重量%にするとよい。硫黄含有シランカップリング剤がシリカ配合量の2重量%未満の場合、シリカの分散を良好にすることができない。硫黄含有シランカップリング剤が15重量%を超える場合、ゴム組成物のスコーチタイムが短くなりすぎて早期加硫を起こしやすくなる。
硫黄含有シランカップリング剤としては、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであればよく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
本発明において熱膨張性マイクロカプセルをスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に配合することにより、この熱膨張性マイクロカプセルが未加硫タイヤの加硫成形時に膨張し、トレッドゴム中に多数の樹脂被覆気泡を形成する。この樹脂被覆気泡により、トレッドが氷面に踏み込むとき表面の水膜を効率的に吸収除去すると共に、ミクロなエッジ効果が得られるため氷上摩擦力を増大させる作用を行う。
熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成された殻材中に、熱膨張性物質を内包した構成からなる。このため、未加硫タイヤの加硫時にゴム組成物中の熱膨張性マイクロカプセルが加熱されると、殻材に内包された熱膨張性物質が膨張して殻材の粒径を大きくし、トレッドゴム中に多数の樹脂被覆気泡を形成する。このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えばスェーデン国エクスパンセル社製の商品名「EXPANCEL 091DU−80」又は「EXPANCEL 092DU−120」等、或いは松本油脂製薬社製の商品名「マイクロスフェアー F−85D」又は「マイクロスフェアー F−100D」等を使用することができる。
本発明において、熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、ゴム成分100重量部に対し、1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部である。熱膨張性マイクロカプセルの配合量が、1重量部未満であると、トレッドゴム中の樹脂被覆気泡の容積が不足し氷上摩擦力を十分に得ることができない。また熱膨張性マイクロカプセルの配合量が15重量部を超えると、トレッドゴムの耐摩耗性が悪化する。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物には、前述した以外の充填剤、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、加工助剤などのスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してスタッドレスタイヤ用ゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。カーボンブラック及びシリカ以外の充填剤としては、例えばクレー、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、マイカ等が例示される。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、氷上摩擦力と耐摩耗性を共に向上させるだけでなく、更にゴムの老化に伴う氷上摩擦力の経年低下をも抑制可能にすることができる。またゴム粘度を低減することにより押出し加工性を良好にすることができる。このゴム組成物は、スタッドレスタイヤのトレッド部に適用することが好ましく、そのスタッドレスタイヤは、氷上摩擦力及び耐摩耗性が優れると共に、2シーズン目以降に氷上摩擦力が低下するのを抑制することができる。また原材料となるゴム組成物の粘度が低く押出し加工性が優れるため、得られた成形体(タイヤ部材)の形状安定性が高く、スタッドレスタイヤとしての品質安定性が優れる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合からなる12種類のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜7)を、それぞれ硫黄、加硫促進剤及び熱膨張性マイクロカプセルを除く配合成分を秤量し、1.7L密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、温度150℃で混練したマスターバッチを機外に放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.7L密閉式バンバリーミキサーに供し、硫黄、加硫促進剤及び熱膨張性マイクロカプセルを加え混合し、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物を調製した。
得られた12種類のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜7)を用いて下記の方法によりムーニー粘度を評価した。また、12種類のゴム組成物をそれぞれ所定形状の金型中で、150℃、30分間加硫してゴム試験片を作製し、下記に示す方法により、耐摩耗性、氷上摩擦力、老化後氷上摩擦力及び老化後のゴム硬化を測定した。
ムーニー粘度
得られたゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)をJIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計にてL型ロータ(38.1mm径、5.5mm厚)を使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃、2rpmの条件で測定した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数で表わし表1,2に示した。この指数が小さいほどゴム粘度が低く押出し加工性が優れることを意味する。
耐摩耗性
得られたゴム試験片を、JIS K6264に準拠して、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を使用して、荷重49N、スリップ率25%、時間4分、室温の条件で摩耗量を測定した。得られた結果は、比較例1の摩耗量の逆数を100とする指数として表1,2に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを意味する。
氷上摩擦力
得られたゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて氷上摩擦係数を測定した。測定条件は、温度を−1.5℃、荷重を0.54MPa、ドラム回転速度を25km/hにした。得られた結果は、比較例1を100とする指数として表1,2の「氷上摩擦力」の欄に示した。この指数が大きいほど氷上摩擦力が優れることを意味する。
老化後氷上摩擦力
得られたゴム試験片を、80℃、120時間の条件で空気加熱老化処理を行なった。この熱老化処理後のゴム試験片の氷上摩擦係数を上記の方法により測定した。得られた結果は、比較例1の初期(熱老化処理前)の氷上摩擦係数を100とする指数として表1,2の「老化後氷上摩擦力」の欄に示した。この指数が大きいほど老化後の氷上摩擦力が優れ、初期の氷上摩擦力と老化後氷上摩擦力との差が小さいほど、氷上摩擦力の経年変化が抑制されることを意味する。
老化後のゴム硬化
上記ゴム試験片としてリュプケサンプルを作成し、このリュプケサンプルを2群に分けその一方を80℃で120時間の条件で空気加熱老化処理を行なった。この熱老化処理の有無のリュプケサンプルを用いて、JIS K6253に準拠し、デュロメータのタイプAにより20℃のゴム硬度を測定した。それぞれについて(老化処理後のゴム硬度/初期のゴム硬度×100)により熱老化処理に伴うゴム硬度の増加率(%)を算出した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数として表1,2の「老化後のゴム硬化」の欄に示した。この指数が小さいほど熱老化処理に伴うゴム硬化(ゴム硬度の増加)が抑制されたことを意味する。
Figure 2010280745
Figure 2010280745
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
NR:天然ゴム、ガラス転移温度−65℃、RSS#3
BR:ブタジエンゴム、ガラス転移温度−105℃、日本ゼオン社製NIPOL BR1220
SBR:乳化重合スチレンブタジエンゴム、ガラス転移温度−52℃、日本ゼオン社製NIPOL 1712、SBR100重量部に対しアロマオイル37.5重量部添加の油展品
カーボンブラック1:窒素吸着比表面積119m2/g、東海カーボン社製シースト6
カーボンブラック2:窒素吸着比表面積75m2/g、キャボットジャパン社製ショウブラックN330
カーボンブラック3:窒素吸着比表面積142m2/g、三菱化学社製ダイアブラックA
シリカ:東ソー・シリカ社製Nipsil AQ
カップリング剤:シランカップリング剤、エボニックデグッサ社製Si69
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
フェノール化合物1:2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、川口化学工業社製HP400
フェノール化合物2:ジブチルヒドロキシトルエン、本州化学工業社製BHT
アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
マイクロカプセル:熱膨張性マイクロカプセル、松本油脂製薬社製マイクロスフェアーF100D

Claims (5)

  1. ガラス転移温度が−60℃以下であるジエン系ゴムを50重量%以上含むゴム成分100重量部に対し、少なくとも1つのアルキルチオメチル基を有するフェノール化合物を0.1〜10重量部、窒素吸着比表面積(N2SA)が80〜140m2/gのカーボンブラックを5〜50重量部、シリカを5〜50重量部、熱膨張性マイクロカプセルを1〜15重量部配合したスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記フェノール化合物が下記式(1)で表される請求項1に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2010280745
    (式中、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数6〜12のアルキル基、R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
  3. 前記フェノール化合物が2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールである請求項2に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  4. タイヤトレッド部に用いる請求項1,2又は3に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を使用したスタッドレスタイヤ。
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