JP2009286822A - スタッドレスタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】氷雪路上の氷上性能と非積雪路上のドライ性能/ウェット性能及び耐摩耗性とを両立するようにしたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ブタジエンを有機活性金属触媒を用いて溶液重合した重合体の活性末端に特定のシロキサン化合物を反応させた変性ブタジエンゴム40〜65重量%と天然ゴム35〜60重量%とからなるジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを5〜50重量部、窒素吸着比表面積が70〜130m2/gのカーボンブラックを5〜50重量部、熱膨張性マイクロカプセルを1〜15重量部配合してなり、温度0℃におけるJIS規定のタイプAのゴム硬度が40〜60であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】ブタジエンを有機活性金属触媒を用いて溶液重合した重合体の活性末端に特定のシロキサン化合物を反応させた変性ブタジエンゴム40〜65重量%と天然ゴム35〜60重量%とからなるジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを5〜50重量部、窒素吸着比表面積が70〜130m2/gのカーボンブラックを5〜50重量部、熱膨張性マイクロカプセルを1〜15重量部配合してなり、温度0℃におけるJIS規定のタイプAのゴム硬度が40〜60であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、氷雪路上の氷上性能と非積雪路上のドライ性能/ウェット性能及び耐摩耗性とを両立するようにしたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関する。
近年、氷雪路走行用のスタッドレスタイヤには、氷雪路上の氷上性能に優れることに加えて、非積雪路走行時のドライ性能/ウェット性能や耐摩耗性を兼備することが求められている。一般に、氷上性能は、ゴムの硬度を低くしたり、高硬度粒子の配合による引掻き効果や熱膨張性マイクロカプセルなどの配合による吸水効果に基づく氷上摩擦力により決まる。これに対して、ドライ性能は、ゴムの弾性率や強度を高くして乾燥路面の操縦安定性や耐摩耗性を向上する。また、ウェット性能は、0℃のtanδを大きくすることにより向上させることができる。
上述するようにスタッドレスタイヤの氷上性能を向上するには、トレッド部を構成するゴム組成物のゴム硬度を低くして低温時の柔軟性を維持したり、高硬度粒子を配合して引掻き効果を付与したり、熱膨張性マイクロカプセルを配合して水膜除去性能を向上したりすることにより氷上摩擦力を高くするようにしており、多数の提案がある(例えば、特許文献1参照)。しかし、ゴム硬度を低くしたり、高硬度粒子や熱膨張性マイクロカプセルの配合量を多くすると、ゴム強度が低下するので、ドライ性能/ウェット性能としての操縦安定性が低下したり、耐摩耗性が悪化するという問題がある。また、氷上性能の低温時の柔軟性を与えるためシリカを高配合すると耐摩耗性が低下し、ドライ性能の耐摩耗性を向上するためカーボンブラックの配合量を増やすと、逆にゴムが硬くなるため氷上性能が悪化する。このように氷上性能とドライ性能/ウェット性能との特性は相反する関係にある。
したがって、氷雪路上の氷上性能と非積雪路上のドライ性能/ウェット性能及び耐摩耗性の3つの性能とを両立させることは非常に困難な課題であった。
特開平11−35736号公報
本発明の目的は、氷雪路上の氷上性能と非積雪路上のドライ性能/ウェット性能及び耐摩耗性とを両立するようにしたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンを有機活性金属触媒を用いて溶液重合した重合体の活性末端に下式(I)又は(II)で示されるシロキサン化合物を反応させた変性ブタジエンゴム40〜65重量%と天然ゴム35〜60重量%とからなるジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを5〜50重量部、窒素吸着比表面積が70〜130m2/gのカーボンブラックを5〜50重量部、熱膨張性マイクロカプセルを1〜15重量部配合したゴム組成物であり、温度0℃におけるJIS規定のタイプAのゴム硬度が40〜60であることを特徴とする。
このスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、スタッドレスタイヤのトレッド部を構成するのに好適である。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物によれば、ブタジエンを有機活性金属触媒を用いて溶液重合した重合体の活性末端に特定のシロキサン化合物を反応させた変性ブタジエンゴム40〜65重量%と天然ゴム35〜60重量%とからなるジエン系ゴム100重量部に対し、低温時の柔軟性を与えるためシリカを5〜50重量部配合していても、上記変性ブタジエンゴムによりシリカの分散性を向上させると共に、熱膨張性マイクロカプセルを1〜15重量部配合し、このゴム組成物の温度0℃におけるJIS規定のタイプAのゴム硬度を40〜60にしたので、ゴムの低温時の柔軟性を維持し氷雪路走行時の氷上摩擦力を高くする。同時に、窒素吸着比表面積が70〜130m2/gのカーボンブラックを5〜50重量部の配合により、弾性率を向上し、非積雪路面走行時の操縦安定性を向上し、ドライ性能/ウェット性能に優れると共に耐摩耗性を向上することができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分として、式(I)又は(II)で特定されるシロキサン化合物で変性した変性ブタジエンゴム40〜65重量%と天然ゴム35〜60重量%とからなるジエン系ゴムを使用する。天然ゴムの配合量は、35〜60重量%であり、好ましくは40〜55重量%である。天然ゴムが35重量%未満の場合、ゴム強度が低下し、ドライ性能/ウェット性能が悪化する。また、天然ゴムが60重量%を超えると、低温性能が悪化する。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に使用する変性ブタジエンゴムは、シリカとの親和性が非常に高いため、シリカの凝集性(ペイン効果)を解消すると共に、シリカの分散性を大幅に向上する。このため、ゴム組成物の低温の硬度を低くし氷上性能を向上しながら高温の弾性率を高くすると共に、低温側のtanδを大きくしウェット性能を向上し、かつ耐摩耗性を大幅に向上することができる。加えて高温側のtanδを小さくし転がり抵抗を低減することができる。この変性ブタジエンゴムの配合量は、40〜65重量%であり、好ましくは45〜60重量%である。変性ブタジエンゴムの配合量が40未満の場合、シリカの分散性を改善する効果が不十分になり、低温時の柔軟性が不足すると共に氷上摩擦力を高くすることができない。また、高温時の弾性率が不足し乾燥路面での操縦安定性が得られず、ゴム強度が不足し耐摩耗性が不十分になると共に、低温側のtanδが小さくなりウェット性能が低下する。加えて、高温側のtanδが大きくなり転がり抵抗が悪化する。また、変性ブタジエンゴムの配合量が65重量%を超えると、ゴム強度が低下し、ドライ性能/ウェット性能が悪化する。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に配合する変性ブタジエンゴムは、ブタジエンを有機活性金属触媒を用いて溶液重合した重合体の活性末端に下式(I)又は(II)で示されるシロキサン化合物を反応させたものである。
A4及びA5は、それぞれ独立に、Si,O,N,Sを含んでいても良い炭化水素基、水酸基又は水素である。A4及びA5としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェノキシ基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、水酸基、水素を例示することができる。
R1は、直鎖、脂環又は芳香族を含む炭素数1〜30、好ましくは1〜18の炭化水素基でありN,O,S,Pを含んでもよい。R1としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、フェニレン基、トリル基、トルイレン基、又はこれらのイミノ結合、エーテル結合、チオエーテル結合、ホスフィンを介して結合して形成される原子団(基)を例示することができる。
R2及びR3は、それぞれ独立に炭素数1〜20、好ましくは1〜15のアルキル基、炭素数6〜18、好ましくは1〜15のアリール基又は水素であるが、R2及びR3が同時に水素になることはない。炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基を例示することができる。炭素数6〜18アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、トルイル基、ナフチル基を例示することができる。
R4〜R6は、それぞれ独立に炭素数1〜20、好ましくは1〜15のアルキル基又は炭素数6〜18、好ましくは6〜12のアリール基である。炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数6〜18アリール基としては、上述したR2及びR3と同じものを例示することができる。
前記式(I)又は(II)で示されるシロキサン化合物は、分子中に少なくとも2個のケチミン基又はアルジミン基を有する化合物であり、第1級アミノ基を有するシラン化合物とカルボニル化合物とを反応させて調製するとよい。第1級アミノ基を有するシラン化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどを例示することができる。
カルボニル化合物としては、ケトン化合物、アルデヒド化合物が好ましい。ケトン化合物としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルシクロヘキシルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどを例示することができる。また、アルデヒド化合物としては、例えばメタナール、エタナール、プロパナール、2−メチルプロパナール、ブタナール、2−メチルブタナール、ペンタナール、2−メチルペンタナール、ベンズアルデヒド、トルイルアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、p−イソブチルベンズアルデヒドなどを例示することができる。
また、第1級アミノ基を有するシラン化合物とカルボニル化合物に加え、その他のシラン化合物を添加して反応させることもできる。その他のシラン化合物としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ベンチルトリエトキシシラン、ベンチルトリメトキシシランなどを例示することができる。
本発明で使用する変性ブタジエンゴムは、ブタジエンを有機活性金属触媒を用いて溶液重合した重合体の活性末端に上述したシロキサン化合物を反応させたものである。有機活性金属触媒としては、有機アルカリ金属化合物が好ましく、なかでも有機モノリチウム化合物、有機多価リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物が好ましい。
有機モノリチウム化合物としては、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどを例示することができる。有機多価リチウム化合物としては、例えばジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼンなどを例示することができる。有機ナトリウム化合物としては、ナトリウムナフタレンなどが挙げられ、有機カリウム化合物としてはカリウムナフタレンなどが挙げられる。
また、有機アルカリ金属化合物として、3,3−(N,N−ジエメチルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−(N,N−ジエチルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−(N,N−ジプロピルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−モルホリノ−1−プロピルリチウム、3−イミダゾール−1−プロピルリチウム及びこれらをブタジエン、イソプレン又はスチレン1〜10ユニットにより鎖延長した有機リチウム化合物なども使用することができる。
このような有機活性金属触媒を用いて、ブタジエンを溶液重合し、その活性末端に上述したシロキサン化合物を反応させる方法は、通常の溶液重合方法により行なうことができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に配合する混合物のうち、シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部にする。シリカの配合量が5重量部未満の場合、低温時のゴムの柔軟性を十分に維持することができない。また、シリカの配合量が50重量部を超えると、粘度が高くなり加工性が悪化する。
本発明において使用するシリカは、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、無水微粉ケイ酸、含水微粉ケイ酸等を例示することができる。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物に配合する混合物のうち、カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し5〜50重量部、好ましくは15〜45重量部にする。カーボンブラックの配合量が5重量部未満の場合、弾性率が不足し乾燥路面での操縦安定性が悪化しドライ性能が得られない。また、ゴム強度が不足し耐摩耗性が悪化する。また、カーボンブラックの配合量が50重量部を超えると、氷上性能が悪化する。
本発明において使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が70〜130m2/g、好ましくは80〜120m2/gのものを使用するとよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が70m2/g未満場合、耐摩耗性が悪化する。また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積が130m2/gを超える場合には、低温時の柔軟性が不足し氷上摩擦力が悪化する。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して求められるものとする。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物に配合する混合物のうち、熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部にする。熱膨張性マイクロカプセルの配合量が1重量部未満の場合、トレッドゴムに形成される樹脂被覆気泡の容積が不十分になり氷上摩擦力が不足する。また、熱膨張性マイクロカプセルの配合量が15重量部を超えると、ゴム強度が低下し、ドライ性能/ウェット性能やトレッドゴムの耐摩耗性が悪化する。
熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成された殻材中に、熱膨張性物質を内包した構成からなる。このため、熱膨張性マイクロカプセルを混合したスタッドレスタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド部を有する未加硫タイヤを成形し、その加硫時にゴム組成物中の熱膨張性マイクロカプセルが加熱されると、殻材に内包された熱膨張性物質が膨張して殻材の粒径を大きくし、トレッドゴム中に多数の樹脂被覆気泡を形成する。これにより、氷の表面に発生する水膜を効率的に吸収除去すると共に、ミクロなエッジ効果が得られるため、氷上摩擦力を向上させる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、温度0℃におけるJIS規定のタイプAのゴム硬度を40〜60、好ましくは45〜55にする。0℃のゴム硬度が40未満の場合、ゴム強度が低下し、ドライ性能/ウェット性能や耐摩耗性が悪化する。また、0℃のゴム硬度が60を超える場合、低温時の柔軟性が不足し、氷雪路面上の摩擦力を大きくすることができない。ここで、JIS規定のタイプAのゴム硬度とは、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度0℃で測定したゴム硬度とした。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、シランカップリング剤の配合量を、シリカの配合量の好ましくは5〜15重量%以下、より好ましくは6〜10重量%にする。シランカップリング剤が、シリカ配合量の5重量%より少ないと、シリカの分散性が悪化する虞があり、ゴムの低温時の柔軟性が不足する。また、シランカップリング剤が、シリカ配合量の15重量%を超えると、低温時のゴム硬度が大きくなると共に、氷雪路面上の制動摩擦力を大きくすることができない。
シランカップリング剤は、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであればよく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−グリシドオキシプロピル−トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン等を例示することができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物には、シリカ、カーボンブラック以外の充填剤を配合してもよい。無機充填剤としては、例えば、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、マイカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を例示することができる。
また、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物には、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、低温時の柔軟性を維持し氷雪路走行時の氷上性能を高くすると共に、非積雪路面走行時の操縦安定性を向上しドライ性能/ウェット性能に優れると共に耐摩耗性を向上することができる。このスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、トレッド部に適用することが好ましく、このゴム組成物から構成されたトレッド部を有するスタッドレスタイヤは、氷雪路上の氷上性能と非積雪路上のドライ性能/ウェット性能及び耐摩耗性とを両立することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合からなる10種類のゴム組成物(実施例1〜2、比較例1〜8)を、それぞれ硫黄、加硫促進剤及び熱膨張性マイクロカプセルを除く配合成分を秤量し、1.7Lのバンバリーミキサーで4分間混練し、155±5℃に達したときにマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.7Lのバンバリーミキサーに供し、硫黄、加硫促進剤及び熱膨張性マイクロカプセルを加え混合し、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物を調製した。ここで、変性ブタジエンゴムは下記の方法により調製した。
得られた10種類のゴム組成物(実施例1〜2、比較例1〜8)を、それぞれ所定形状の金型中で、150℃、30分間加硫して試験片を作製し、ゴム硬度、動的弾性率(60℃)、tanδ(0℃、60℃)、氷上摩擦係及び耐摩耗性を下記に示す方法により測定した。
変性ブタジエンゴム
3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.112mol及びメチルイソプロピルケトン0.123molを、窒素雰囲気下、室温にて2日間撹拌した。得られた反応溶液からメタノール及び未反応のメチルイソプロピルケトンを真空下除去することにより、平均縮合度2.4のケチミンシラン縮合物を合成した。
窒素置換した内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、ブタジエン9.215mol及び1,1,4,4−テトラメチルエチレンジアミン5.464molを仕込み、撹拌を開始した。反応器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム4.856molを添加した。重合添加率が100%に達した後、上記で合成したケチミンシラン縮合物のトルエン溶液を添加して1時間撹拌し、さらにメタノール0.5mLを添加して30分間撹拌し、得られたポリマー溶液に老化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1520)を少量添加し、減圧濃縮して溶媒を除去した。メタノール中でポリマーを凝固、洗浄した後に乾燥することにより固形状の変性ブタジエンゴムを得た。
3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.112mol及びメチルイソプロピルケトン0.123molを、窒素雰囲気下、室温にて2日間撹拌した。得られた反応溶液からメタノール及び未反応のメチルイソプロピルケトンを真空下除去することにより、平均縮合度2.4のケチミンシラン縮合物を合成した。
窒素置換した内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、ブタジエン9.215mol及び1,1,4,4−テトラメチルエチレンジアミン5.464molを仕込み、撹拌を開始した。反応器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム4.856molを添加した。重合添加率が100%に達した後、上記で合成したケチミンシラン縮合物のトルエン溶液を添加して1時間撹拌し、さらにメタノール0.5mLを添加して30分間撹拌し、得られたポリマー溶液に老化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1520)を少量添加し、減圧濃縮して溶媒を除去した。メタノール中でポリマーを凝固、洗浄した後に乾燥することにより固形状の変性ブタジエンゴムを得た。
ゴム硬度
得られた各試験片のゴム硬度を、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度0℃で測定した。得られた結果を表1に示す。
得られた各試験片のゴム硬度を、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度0℃で測定した。得られた結果を表1に示す。
動的弾性率(60℃)、tanδ(0℃、60℃)
岩本製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、温度60℃の動的弾性率及び温度0℃と60℃のtanδを、伸長変形歪率10±2%、振動数20Hzの条件で測定した。得られた結果は、動的弾性率(60℃)及びtanδ(0℃)は比較例1の値をそれぞれ100とする指数で表わし、tanδ(60℃)は比較例1の逆数を100とする指数で表わし表1に示した。動的弾性率(60℃)の指数が大きいほど弾性率が高く操縦安定性に優れ、tanδ(0℃)の指数が大きいほど低温側tanδが大きくウェット性能に優れ、tanδ(60℃)の指数が大きいほど高温側tanδ(ヒステリシスロス)が小さく低転がり抵抗性に優れることを意味する。
岩本製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、温度60℃の動的弾性率及び温度0℃と60℃のtanδを、伸長変形歪率10±2%、振動数20Hzの条件で測定した。得られた結果は、動的弾性率(60℃)及びtanδ(0℃)は比較例1の値をそれぞれ100とする指数で表わし、tanδ(60℃)は比較例1の逆数を100とする指数で表わし表1に示した。動的弾性率(60℃)の指数が大きいほど弾性率が高く操縦安定性に優れ、tanδ(0℃)の指数が大きいほど低温側tanδが大きくウェット性能に優れ、tanδ(60℃)の指数が大きいほど高温側tanδ(ヒステリシスロス)が小さく低転がり抵抗性に優れることを意味する。
氷上摩擦力
得られた各試験片を円板状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて、測定温度−1.5℃、荷重0.54MPa、ドラム回転速度25km/hで、円板状の台ゴムの回転速度を変化させることにより、氷上摩擦係数を測定した。得られた結果は、比較例1を100とする指数として表1に示す。この指数が大きいほど氷上摩擦力が大きく優れることを意味する。
得られた各試験片を円板状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて、測定温度−1.5℃、荷重0.54MPa、ドラム回転速度25km/hで、円板状の台ゴムの回転速度を変化させることにより、氷上摩擦係数を測定した。得られた結果は、比較例1を100とする指数として表1に示す。この指数が大きいほど氷上摩擦力が大きく優れることを意味する。
耐摩耗性
得られた試験片をJIS K6264に準拠して、岩本製作所社製ランボーン摩耗試験機を使用して、荷重49N、スリップ率25%、時間4分、室温の条件で、摩耗減量を測定した。得られた結果は、比較例1の逆数を100とする指数で表わし表1に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
得られた試験片をJIS K6264に準拠して、岩本製作所社製ランボーン摩耗試験機を使用して、荷重49N、スリップ率25%、時間4分、室温の条件で、摩耗減量を測定した。得られた結果は、比較例1の逆数を100とする指数で表わし表1に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
NR:天然ゴム、RSS#3
変性BR:上述の方法により調整した変性ブタジエンゴム
BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
カーボンブラック1:キャボットジャパン社製ショウブラックN339(窒素吸着比表面積=88m2/g)
カーボンブラック2:キャボットジャパン社製ショウブラックN110(窒素吸着比表面積=144m2/g)
シリカ:日本シリカ工業社製Nipsil AQ
シランカップリング剤:デクサ社製Si69
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日本油脂社製ビーズステアリン酸
老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
熱膨張性マイクロカプセル:松本油脂製薬社製マイクロスフェア−F100
NR:天然ゴム、RSS#3
変性BR:上述の方法により調整した変性ブタジエンゴム
BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
カーボンブラック1:キャボットジャパン社製ショウブラックN339(窒素吸着比表面積=88m2/g)
カーボンブラック2:キャボットジャパン社製ショウブラックN110(窒素吸着比表面積=144m2/g)
シリカ:日本シリカ工業社製Nipsil AQ
シランカップリング剤:デクサ社製Si69
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日本油脂社製ビーズステアリン酸
老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
熱膨張性マイクロカプセル:松本油脂製薬社製マイクロスフェア−F100
Claims (2)
- ブタジエンを有機活性金属触媒を用いて溶液重合した重合体の活性末端に下式(I)又は(II)で示されるシロキサン化合物を反応させた変性ブタジエンゴム40〜65重量%と天然ゴム35〜60重量%とからなるジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを5〜50重量部、窒素吸着比表面積が70〜130m2/gのカーボンブラックを5〜50重量部、熱膨張性マイクロカプセルを1〜15重量部配合したゴム組成物であり、温度0℃におけるJIS規定のタイプAのゴム硬度が40〜60であるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物により構成したトレッド部を有するスタッドレスタイヤ。
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