JP5086604B2 - ランフラットタイヤ用ゴム組成物及びそれを用いたランフラットタイヤ - Google Patents

ランフラットタイヤ用ゴム組成物及びそれを用いたランフラットタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、ランフラットタイヤ用ゴム組成物及びそれを用いたランフラットタイヤに関し、さらに詳しくは、加工性を維持し、耐破壊特性及び低発熱性に優れたゴム組成物、及び該ゴム組成物をビードフィラーゴム及び/又はサイド補強ゴムに用いてなる特にランフラット耐久性が改良されたランフラットタイヤに関するものである。
従来、サイド補強タイプのランフラットタイヤにおいて、特に、タイヤのパンクなどによりタイヤの内部圧力が低下した状態で走行する、いわゆるランフラット時の走行距離を伸ばすためにはサイドウオール部の剛性を向上させパンク時における撓みを抑制する必要がある。その方法としてゴム組成物単体、あるいはゴム組成物と繊維などとの複合体によるサイド補強層が配施されている(例えば、特許文献1又は2参照)。
また、ランフラット走行時は、温度が200℃以上になり、加硫などによって形成された架橋部や、ゴム成分を構成するポリマー自体が切断される傾向がある。このため、ゴム組成物の弾性率が低下することにより、タイヤの撓み量が増加して発熱が進み、サイド補強層の破壊限界が低下し、その結果、タイヤは比較的早期に故障に至るという問題があった。そのため優れた耐熱性を発揮させてランフラット耐久性を向上させるゴム組成物に関する技術が開示されている(例えば、特許文献3又は4参照)。
このような故障に至る過程をできるだけ遅くする手段として、サイド補強層及びビードフィラーを増量する方法が考えられるが、その結果、通常走行時において、乗心地の悪化や騒音レベルの悪化、重量の増加などから好ましくない事態を招来しているのが実状である。
また、サイド補強ゴム及びビードフィラーゴムの配合を変えることによりゴム組成物の弾性率をできるだけ大きくし、或いはその損失正接(tanδ)をできるだけ小さく設定して、ゴム組成物自体の発熱を抑制する方法が知られている(例えば、特許文献5又は6参照)。
ゴム組成物組成物の弾性率を大きくする方法として、高硫黄配合による、高弾性率化があるが、天然ゴム系の高弾性率配合は加工性が不良であり、また高架橋密度となるため天然ゴム系特有の伸張結晶性が阻害され、充分な耐破壊特性を発揮することができない。
加工性の改良のための従来の手法であるアロマオイル等の軟化剤の添加は加工性については改良することができるが、破壊特性やヒステリシスロス特性(低発熱性)が悪化する。従って、高弾性率化を達成するために天然ゴム系を用いた高硫黄配合系では加工性と耐破壊特性の両立は困難である。
そこで高レベルの加工性を維持しつつ、破壊特性及び耐亀裂成長、低ロス性に優れた組成物を提供することのニーズが高まってきている。
特開平11−129712号公報 特開2005−264150号公報 特開2003−165869号公報 特開2002−37927号公報 特開2002−103911号公報 特開2002−103912号公報
本発明は、このような状況下で、加工性を維持し、耐破壊特性及び低発熱性に優れたゴム組成物、及び該ゴム組成物をビードフィラーゴム及び/又はサイド補強ゴムに用いてなる特にランフラット耐久性が改良されたランフラットタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを特定の割合で含むゴム成分に対して、トランス結合含有量が特定の範囲にあるトランスポリブタジエンを特定量配合することによりその目的を達成し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) (A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム5〜100質量%を含むゴム成分100質量部に対して、(B)トランス結合含有量が82〜98モル%であるトランスポリブタジエン1〜60質量部含むことを特徴するランフラットタイヤ用ゴム組成物、
(2) さらに、(C)充填材としてカーボンブラック及び/又はシリカをゴム成分100質量部に対して30〜150質量部含む上記(1)のランフラットタイヤ用ゴム組成物、
(3) ゴム成分中の(A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴムの含有量が、10質量%以上である上記(1)又は(2)のランフラットタイヤ用ゴム組成物、
(4) ゴム成分として(D)共役ジエン重合体及び/又は共役ジエン−芳香族ビニル共重合体を95〜0質量%含む上記(1)のランフラットタイヤ用ゴム組成物、
(5) (D)成分の共役ジエン重合体がポリブタジエン、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体がスチレン−ブタジエン共重合体である上記(4)に記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物、
(6) (D)成分の共役ジエン重合体及び/又は共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の分子内又は末端が、スズ原子及びケイ素原子を含む官能基の少なくとも1種により変性又はカップリングされている上記(4)又は(5)のランフラットタイヤ用ゴム組成物、
(7) (D)成分の共役ジエン重合体及び/又は共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の分子内又は末端が、窒素原子を含む官能基の少なくとも1種により変性又はカップリングされている上記(4)又は(5)のランフラットタイヤ用ゴム組成物、
(8) (B)成分のトランスポリブタジエンの重量平均分子量が10,000〜200,000である上記(1)〜(7)いずれかのランフラットタイヤ用ゴム組成物、
(9) (B)成分のトランスポリブタジエンの重量平均分子量が15,000〜150,000である上記(8)のランフラットタイヤ用ゴム組成物、
(10) 前記ゴム成分100質量部に対して,(C)カーボンブラック及び/又はシリカを35〜100質量部含む上記(1)〜(9)いずれかのランフラットタイヤ用ゴム組成物、及び
(11) 上記(1)〜(10)いずれかのランフラットタイヤ用ゴム組成物をビードフィラーゴム及び/又はサイド補強ゴムに用いたことを特徴とするランフラットタイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、加工性を維持し、耐破壊特性及び低発熱性に優れたゴム組成物、及び該ゴム組成物をビードフィラーゴム及び/又はサイド補強ゴムに用いてなる特にランフラット耐久性が改良されたランフラットタイヤを提供することができる。
本発明のランフラットタイヤ用ゴム組成物は、(A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム5〜100質量%を含むゴム成分100質量部に対して、(B)トランス結合含有量が82〜98モル%であるトランスポリブタジエン1〜60質量部を含むことが必要である。
本発明におけるゴム成分は、(A)天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを5〜100質量%を含むことが必要であり、天然ゴムと(D)共役ジエン系重合体の混合物であることがより好ましい。天然ゴム又はイソプレンゴム(IR)については特に制限されず、一般に入手できるすべての天然ゴム又はイソプレンゴムを用いることができる。天然ゴム及びイソプレンゴムは各々単独で用いても、両者を併用して用いてもよい。
(A)成分の天然ゴム及び/又はイソプレンゴムと(D)成分の共役ジエン系重合体の混合割合は、(A)成分が5〜100質量%で、(D)成分が95〜0質量%であることが好ましい。このゴム成分100質量部に対して、(B)トランス結合含有量が82〜98モル%であるトランスポリブタジエン1〜60質量部を配合することを要する。それによって本発明のランフラット用ゴム組成物のムーニー粘度を低下させ加工性を改善すると共に、トランスポリブタジエンが(A)成分に相溶し、(A)成分、特に天然ゴムの伸張結晶性を促進し加硫したランフラットタイヤ用ゴム組成物の破壊強度、耐亀裂成長を改善することができる。
この効果を得るために、ゴム成分中の(A)成分の天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴムの量は10質量%以上であることが好ましい。以上のような観点からゴム成分中の(A)成分の量は10〜90質量%、(D)成分の量は90〜10質量%の範囲であることが好ましい。
(D)成分は共役ジエン重合体及び/又は共役ジエン−芳香族ビニル共重合体であることが好ましく、特に、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
ここで、共役ジエン単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられ、中でも1,3−ブタジエンが好ましい。また、共役ジエン単量体との共重合に用いられる芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,2,6−トリルスチレンなどが挙げられ、中でもスチレンが好ましい。
上記(D)成分は種々の方法で製造することができ、重合方式としては、バッチ重合方式または連続重合方式のいずれでもよい。好ましい製造方法を挙げれば次のようなものである。
すなわち、共役ジエン及び/又は共役ジエン−芳香族ビニルを含む単量体を不活性溶媒、好ましくは炭化水素溶媒中で、有機金属などの開始剤、好ましくは有機リチウム化合物開始剤の存在下で重合して得られる。上記炭化水素溶媒としては特に制限はないが、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどが上げられ、好ましい溶媒は、シクロヘキサン及びn−ヘキサンである。これらの炭化水素溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上混合してもよい。
前記開始剤として用いられる有機リチウムとしては、少なくとも1個のリチウム原子が結合されかつ炭素数2から20の炭化水素リチウム化合物が好ましく、例えば、n−ブチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、tert−オクチルリチウム、フェニルリチウムなどであり、好ましいものはn−ブチルリチウムである。これらの有機リチウム開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
さらに、本発明において用いられる(D)成分の共役ジエン重合体及び/又は共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の分子内又は末端にスズ原子、窒素原子、及び珪素原子を含む変性重合体を用いることができる。このような変性重合体は、温度上昇による弾性率の低下を抑制すると共に、スズ原子又は窒素原子を導入した場合はカーボンブラック配合ゴム組成物において、珪素原子を導入した場合はシリカなどの補強性無機充填剤を配合したゴム組成物において発熱を抑制することもできるので好ましい。
また、(D)成分の分子内又は末端にスズ原子、窒素原子及び珪素原子の少なくとも1つを含む重合体の含有量が50%以上であることが好ましく、前記(D)成分の
80質量%以上が、分子中にスズ原子、窒素原子及び珪素原子の少なくとも1つを含んでいる変性重合体であることが好ましい。
また、前記(D)成分は、特に分岐構造を有するものが好ましい。分岐構造は三官能以上の開始剤、三官能以上の変性剤、重合活性基を二つ以上有する単量体などを用いることにより導入することができ、三官能以上の変性剤を用いることが好ましい。
上記の変性重合体は公知の方法により製造される。通常、有機リチウム開始剤によって重合を開始させた後、リチウム活性末端を有する重合体の溶液に各種変性剤を添加することによって得られる(特公平6−89183号公報、特開平11−29659号公報など)。変性剤の投入は、重合終了後であることが好ましい。
例えば、スズ原子は、四塩化スズ、トリブチルスズ、ジオクチルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、塩化トリフェニルスズなどのスズ化合物によって導入できる。また、2官能以上のスズ変性剤を用いた場合、リチウム活性末端を有する重合体は、変性剤によってカップリングされ、スズ原子は分子内に取り込まれ、塩化トリフェニルスズのような単官能の変性剤を用いた場合、リチウム原子は重合体の末端に取り込まれることになる。
窒素原子は、2,4−トリレンジイソシアナート、ジイソシアナートジフェニルメタンなどのイソシアネート系化合物;4,4’ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミノベンゾフェノン化合物、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジンなどの尿素誘導体、その他、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどの窒素含有化合物によって導入することができる。
珪素原子は、アルコキシシランやアミノアルコキシシランなどの末端変性剤によって導入することができる。
具体的には、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキリシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシランなどが挙げられる。
また、アミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン;3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリエトキシシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シランなどのジ置換アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシラン、1−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−〔10−(トリエトキシシリル)デシル〕−4−オキサゾリンなどの環状アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が挙げられる。
さらに、イミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンなどが挙げられる。
また、例えばジエチルアミンのような2級アミノ化合物或いはヘキサメチレンイミンのようなイミン化合物と有機リチウム化合物とから得られるリチウムアミド開始剤を用いて重合させることにより、或いは、該重合により得られたリチウム活性末端を有する重合体の溶液に、さらに前記の変性剤を添加することによっても前記の変性重合体を得ることができる。
この分子鎖中に官能基を導入した変性重合体も、温度上昇による弾性率の低下を抑制すると共に、シリカなどの補強性無機充填剤を配合したゴム組成物における低発熱性を効果的に改良することもできるので好ましく、特に多官能変性剤を用いることにより得られる分岐構造を有するものが好ましい。また、アルコキシシリル基と共にアミノ基、イミノ基、エポキシ基またはスズ原子を導入した変性重合体は、補強性充填剤として、前記無機充填剤と共にカーボンブラックを用いた場合に特に有効に適用できる。
本発明のゴム組成物においては、(B)成分として、トランスポリンボタジエンが用いられる。本発明においては、このトランスポリブタジエンは、トランス結合含有量が82〜98%の範囲にあることが必要である。さらに好ましくは87〜98%である。このトランス結合含量は高いほど、(A)成分の天然ゴム及び/又はイソプレンゴムの伸張結晶性の促進効果が高く好ましい。この含量が82%未満では天然ゴム及び/又はイソプレンゴムの伸張結晶性を阻害するので好ましくない。この含量が98%を越えるものは合成上、困難である。
伸張性の促進効果、加工性の改善効果及びトランスポリブタジエンの製造の容易さなどを考慮すると、好ましいトランス結合含有量は87〜98%の範囲である。
前記ゴム成分100質量部に対する(B)成分の配合量は、1〜60質量部であることが必要である。(B)成分の配合量を上記範囲にすることによって、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムの伸張結晶性を促進すると共にゴム組成物のコンパウンドムーニー粘度を低下させ、加工性の改善を図ることができる。効果の点から好ましくは5〜50質量部である。
なお、上記トランス結合含有量は、赤外分光分析によるモレロ法に従って測定した値である。また、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC法)により、単分散ポリスチレンを標準として測定したポリスチレン換算の値である。
本発明で用いるトランスポリブタジエンの製造方法としては、上記性状のトランスポリブタジエンが得られる方法であればよく、特に制限されず、従来公知の方法の中から適宜選択して用いることができる。このトランスポリブタジエンの製造方法としては、例えば適当な溶媒中において、1,3−ブタジエンを、(1)ニッケルボロアシレート,トリブチルアルミニウム,トリフェニルホスファイト及びトリフロオロ酢酸の四元系触媒に接触させて重合させる方法、(2)バリウム,ストロンチウム又はカルシウム化合物と有機リチウム化合物及び/又は有機マグネシム化合物と場合により用いられる有機アルミニウム化合物との組合せからなる触媒に接触させて重合させる方法、(3)有機リチウム化合物又は有機マグネシウム化合物とランタニド元素含有有機化合物との組合せからなる触媒に接触させて重合させる方法などを挙げることができる。
これらの方法の中でトランス結合含有量の高いポリブタジエンが得られる点から、(3)の有機リチウム化合物又は有機マグネシウム化合物とランタニド元素含有有機化合物との組合せからなる触媒を用いる方法が好ましい。この(3)の方法における有機リチウム又は有機マグネシウム化合物の例としては、n−ブチルリチウム,sec−ブチルリチウム,tert−ブチルリチウム,p−トリルリチウム,4−フェニルブチルリチウム,4−ブチルシクロヘキシルリチウム,4−シクロヘキシルブチルリチウム,リチウムジアルキルアミン類,リチウムジアルキルホスフィン類,リチウムアルキルアリールホスフィン類,リチウムジアリールホスフィン類,1,3,3−トリリチオ−1−オクチン,1,1,3−トリリチオ−1,2−ブタジエン、エチルブチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウムなどが挙げられるが、これらの中で、n−ブチルリチウム,sec−ブチルリチウム及びtert−ブチルリチウムが好適である。さらに、有機アルミニウム化合物と混合して用いることもできる。
一方、ランタニド元素含有有機化合物の例としては、ランタントリス(ノニルフェノキシド)、ランタントリス(p−ドデシルベンゼンスルホネート)、ランタントリス〔ビス(2−エチルヘキシル)ホスフェート〕,トリス(ジプロピルアミノ)ランタン,トリス(プロピルチオ)ランタン,トリス(プロポキシ)ランタン,プロピオン酸ランタン,ジエチル酢酸ランタン,オクチル酸ランタン,ステアリン酸ランタン,安息香酸ランタン,安息香酸セリウム,プロピオン酸プラセオジム,シクロヘキサンカルボン酸プラセオジム,オクチル酸プラセオジム,ジエチル酢酸ネオジム,オクチル酸ネオジム,シクロヘキサンカルボン酸ネオジム、ステアリン酸ネオジム、オレイン酸ネオジムなどが挙げられる。これらの中で、特にランタントリス(ノニルフェノキシド)が好適である。このランタニド元素含有有機化合物と前記有機リチウム化合物との使用割合は、モル比で、通常1:0.1〜1:100,好ましくは1:1〜1:50、より好ましくは1:2〜1:10の範囲で選定される。重合方法としては、反応に不活性な有機溶剤,例えば脂肪族,脂環族,芳香族炭化水素化合物などの炭化水素溶剤中において、1,3−ポリブタジエンを、前記触媒の存在下に、通常0〜120℃,好ましくは20〜100℃の範囲の温度において重合させるのがよい。重合圧力については特に制限はなく、発生圧力下で反応を行ってもよく、必要ならば不活性ガスを導入し、適当な加圧下で反応を行ってもよい。
また、(B)成分であるトランスポリブタジエンの重量平均分子量は、10,000〜200,000、好ましくは、15,000〜150,000、より好ましくは、15,000〜100,000である。(B)成分の重量平均分子量を上記範囲にすることによって、ゴム組成物の加工性改善され、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムとの相溶性が得られ、伸張結晶性促進効果を発現し、十分な耐破壊特性が得られ、亀裂成長性が改善される。
本発明のランフラットタイヤ用ゴム組成物においては、(C)成分として、カーボンブラック及び/又はシリカを(A)ゴム成分100質量部に対して、30〜150質量部含むことが好ましく、より好ましくは35〜100質量部の範囲である。
カーボンブラックとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。カーボンブラックとしては、例えばGPF,FEF,SRF,HAF,ISAF,SAF等が挙げられる。好ましくは、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜150m2/g、かつジブチルフタレート(DBP)吸油量が80〜140L/100gのカーボンブラックである。カーボンブラックを用いることにより、諸物性の改良効果は大きくなる。
シリカにおいても特に制限はなく、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも破壊特性優れる湿式シリカが好ましい。シリカの好ましい配合量としては、ゴム成分100質量部に対して、30〜150質量部、より好ましくは30〜100質量部である。また、カーボンブラックと併用して用いることができる。シリカを用いる場合は、珪素原子を含む化合物で変性された(A)共役ジエン系重合体と組み合わせることによって低発熱性に優れたゴム組成物を得ることができる。
充填剤としてシリカを用いる場合は、所望によりシランカップリング剤を配合することができる。このシランカップリング剤としては、特に制限はなく、従来ゴム組成物に使用されている公知のもの、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド,γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。所望により用いられるシランカップリング剤の配合量は、シリカに対して、通常1〜20質量%の範囲で選定される。シランカップリング剤の量を上記範囲にすることによってカップリング剤としての効果が充分に発揮され、ゴム成分のゲル化を引き起こすことがない。カップリング剤としての効果及びゲル化防止などの点から、このシランカップリング剤の好ましい配合量は、5〜15質量%の範囲である。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤,加硫促進剤,プロセス油,老化防止剤,スコーチ防止剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させることができる。上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、さらに好ましくは1.0〜5.0質量部である。硫黄の使用量を上記範囲にすることによって加硫ゴムのゴム弾性はもとより優れた破壊強度、耐摩耗性、低発熱性を得ることができる。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール),DM(ジベンゾチアジルジスルフィド),CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアジニン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜3.0質量部である。
本発明のランフラットタイヤ用ゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、その用途については特に制限はないが、特にサイド補強ゴム及び/又はビードフィラーゴム用として好適に使用される。
本発明のランフラットタイヤは、本発明のランフラットタイヤ用ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明のランフラットタイヤ用ゴム組成物が未加硫の段階でサイ補強及び/又はビードフィラー用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、ランフラットタイヤが得られる。
次に、本発明のランフラットタイヤについて添付図面に従って説明する。図1は、本発明のランフラットタイヤの一例を示す左半分の部分断面図であって、該ランフラットタイヤ1は、左右一対のリング状のビードコア2と、該ビードコア2のタイヤ半径外側に配置されたビードフィラー3と、並列された複数のコードが被覆ゴム中に埋設されてなるプライ少なくとも1枚からなるカーカス層4と、該カーカス層4のタイヤ半径方向外側に配置されたベルト層8と、該ベルト層8のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部9と、該トレッド部9の左右に配置された一対のサイドウオール部7と、このサイドウオール7に配施された断面が略三日月型をしたサイド補強層6、及びタイヤ内面に配置されたインナーライナー5を具備している。
本発明のランフラットタイヤにおいては、上記ビードフィラー3とサイド補強層6の少なくとも一方が、前述のトランスポリブタジエンを含むゴム組成物を用いて形成されている。前記ゴム組成物はトランスポリブタジエンを含むことによって、加工性改良剤としてオイルを用いたものと同等レベルの加工性が得られ、低発熱性、耐亀裂成長性が優れているため、このゴム組成物をビードコアやサイドウオール部のゴム補強層に用いた本発明のランフラットタイヤは、特にランフラット走行において、耐久性が大幅に向上し、その走行距離を著しく伸はすことができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各種の測定法は下記の方法に基づいておこなった。
<トランスポリブタジエンの物性>
(1)ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ[GPC;東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー製GMH−XL(2本直列)]により行い、示差屈折率(R1)を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行った。
(2)トランスポリブタジエンの1,4−トランス結合含有量の測定
赤外分光分析によるモレロ法に従って測定した。
<未加硫ゴムの物性>
(1)ムーニー粘度の測定
JIS K6300−1に準拠し、130℃にてムーニー粘度〔ML1+4 / 130℃〕を測定した。
<加硫ゴムの物性>
(1)耐亀裂成長性
繰り返し疲労試験装置を用い、ゴムサンプル形状ダンベル型のゴムサンプルの中央に長さ1mmの傷を入れた後、100%定歪、初期歪なし、300rpmの条件で繰り返し疲労試験を行い、傷が成長して破断するまでの時間を評価した。結果は実施例1〜3及び比較例1〜3については比較例1を100とし、実施例4〜6及び比較例4〜6については比較例4を100として指数で示した。指数値が大きいほど、耐亀裂成長性が良好である。
<タイヤ性能評価>
(1)ランフラット耐久性
各試作タイヤを常圧でリム組みし、内圧200kPaを封入してから38℃の室温中に24時間放置後、バルブのコアを抜き内圧を大気圧として、実施例1〜3及び比較例1〜3について荷重4.32kN(440kgf)、実施例4〜6及び比較例4〜6について荷重4.06kN(414kgf)とし、速度89km/h、室温38℃の条件でドラム走行テストを行った。この際の故障発生までの走行距離をランフラット耐久性とし、実施例1〜3及び比較例1〜3については比較例1を100とし、実施例4〜6及び比較例4〜6については比較例4を100として指数で示した。指数が大きいほど、ランフラット耐久性は良好である。
<(B)成分:トランスポリブタジエンの製造>
[製造例−1](重合体a)
乾燥し、窒素置換された800ミリリットルの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g,1,3−ブタジエン50gを注入し、これにランタントリス(ノニルフェノキシド)0.3ミリモルを加えた。これに続いてn−ブチルリチウム(BuLi)0.9ミリモルを加えたのち、50℃で2時間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿は見られず均一に透明であった。重合転化率は、約95%であった。
重合溶液の一部をサンプリングし、イソプロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、白色粉末の重合体を得た。この重合体のトランス結合含有量は92%、重量平均分子量(Mw)は6.4×104であった。この後、重合系にさらに2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液0.5ミリリットルを加えて反応の停止を行ない、さらに常法に従い乾燥することにより重合体aを得た。
[製造例−2](重合体b)
製造例−1において重合触媒のランタントリス(ノニルフェノキシド)の量を0.27ミリモル、n−ブチルリチウム(BuLi)の量を1.13ミリモルに変えた以外は製造例−1と同様の方法にて重合を行い重合体bを得た。この重合体のトランス結合含有量は74%、重量平均分子量(Mw)は5.8×104であった。
<(D)成分:共役ジエン系重合体の製造>
[製造例−3](重合体c)
乾燥し、窒素置換された温度調整ジャッケットつき8リットルの耐圧反応装置に、シクロヘキサン3kg、ブタジエン単量体500g、0.2mmolのジテトラヒドロフリルプロパン(DTHFP)を注入し、4mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、4 0℃の開始温度で1時間重合を行った。重合は、昇温条件下で行い最終温度が75℃を超えないようにジャッケット温度を調整した。重合系は重合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一に透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。この重合系に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5ミリリットルを加えて反応を停止させ、常法に従い重合体を乾燥して重合体cを得た。この重合体の重量平均分子量(Mw)は23.0×104であった。
[製造例−4](スズ変性重合体d)
乾燥し、窒素置換された温度調整ジャッケットつき8リットルの耐圧反応装置に、シクロヘキサン3kg、ブタジエン単量体500g、0.2mmolのジテトラヒドロフリルプロパン(DTHFP)を注入し、4mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、4 0℃の開始温度で1時間重合を行った。重合は、昇温条件下で行い最終温度が75℃を超えないようにジャッケット温度を調整した。重合系は重合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一に透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。この重合系に、変性剤としてSnCl4(1Mシクロヘキサン溶液)を0.8ミリリットル加えた後、30分間変性反応を行った。この後重合系に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5ミリリットルを加えて反応を停止させ、常法に従い重合体を乾燥してスズ変性重合体dを得た。この重合体の重量平均分子量(Mw)は65.0×104であった。
[製造例−5](クルードMDI変性重合体e)
乾燥し、窒素置換された温度調整ジャッケットつき8リットルの耐圧反応装置に、シクロヘキサン3kg、ブタジエン単量体500g、1.6mmolのジテトラヒドロフリルプロパン(DTHFP)を注入し、4mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、これに4mmolのヘキサメチレンイミン(HMI)をすばやく加え、4 0℃の開始温度で1時間重合を行った。重合は、昇温条件下で行い最終温度が75℃を超えないようにジャッケット温度を調整した。重合系は重合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一に透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。この重合系に、変性剤として窒素原子を含むクルードMDI[日本ポリウレタン社製、商標「MR400」](1Mシクロヘキサン溶液)を1.0ミリリットル加えた後、30分間変性反応を行った。この後重合系にBHTのイソプロパノール5%溶液0.5ミリリットルを加えて反応を停止させ、常法に従い重合体を乾燥して重合体eを得た。この重合体の重量平均分子量(Mw)は38.0×104であった。
実施例1〜3及び比較例1〜3
第1表に示す種類と量からなる(A)成分の天然ゴム、(B)成分のトランスポリブタジエン、(C)成分のカーボンブラック、(D)成分の共役ジエンゴム、軟化剤、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、加硫促進剤及び硫黄を配合してゴム組成物を調製した。上記ゴム組成物を、サイド補強層(サイド補強ゴム)に用いて、サイズ205/55R16の乗用車用ラジアルタイヤを常法に従って製造した。
ゴム組成物のムーニー粘度、加硫ゴム物性として耐亀裂成長性を測定し、タイヤ(リムサイズ;6.5JJ−16)についてランフラット耐久性を評価した。結果を第1表に示す。
Figure 0005086604
注」
*1)重合体a(トランスポリブタジエン):製造例−1で合成したものを用いた。トランス結合含有量92%、重量平均分子量(Mw)6.4×104
*2)重合体b(トランスポリブタジエン):製造例−2で合成したものを用いた。トランス結合含有量74%、重量平均分子量(Mw)5.8×104
*3)重合体c(ポリブタジエンゴム):製造例−3で合成したものを用いた。重量平均分子量(Mw)23.0×104
*4)重合体d(スズ変性ポリブタジエンゴム):製造例−4で合成したものを用いた。重量平均分子量(Mw)65.0×104
*5)重合体d(クルードMDI変性ポリブタジエンゴム):製造例−5で合成したものを用いた。
*6)カーボンブラック:「FEF」〔商標;旭#60,旭カーボン(株)製〕
*7)軟化剤:「ダイアナプロセスオイル NPー24」〔商標、出光興産(株)製〕
*8)亜鉛華:3号〔商標、三井金属鉱業(株)製〕
*9)ステアリン酸:「LUNAC RSビーズ」〔商標、花王(株)製〕
*10)老化防止剤:「ノクラック6C」〔商標、大内新興化学工業(株)製、N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン〕
*11)加硫促進剤:「ノクセラ−NS」〔商標、大内新興化学工業(株)製、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド〕
*12)硫黄:「MUCRON−OT」〔商標、四国化成(株)製〕
実施例4〜6及び比較例4〜6
第2表に示す種類と量からなる(A)成分の天然ゴム、(B)成分のトランスポリブタジエン、(C)成分のカーボンブラック、(D)成分の共役ジエンゴム、軟化剤、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、加硫促進剤及び硫黄を配合してゴム組成物を調製した。上記ゴム組成物を、サイド補強層(サイド補強ゴム)及びビードフィラーゴム双方に用いて、サイズ215/45ZR17の乗用車用ラジアルタイヤを常法に従って製造した。
ゴム組成物のムーニー粘度、加硫ゴム物性として耐亀裂成長性を測定し、タイヤ(リムサイズ;7JJ−16)についてランフラット耐久性を評価した。結果を第2表に示す。
Figure 0005086604
第1表から次のようなことがわかる。比較例2の軟化剤15質量部の10質量部をトランスポリブタジエンで置換した実施例1は、比較例2対比、加工性の指標であるムーニー粘度の値はほぼ同等であり、優れた加工性を維持すると共に、トランスポリブタジエンの特性を生かし、耐亀裂成長性及びランフラット耐久性が改善されていることがわかる。
スズ変性及びクルードMDI変性のポリブタジエンを用いた実施例2及び3は、ランフラット耐久性がさらに改善されている。
また、第2表の結果からも同様なことが言える。
本発明のランフラットタイヤ用ゴム組成物は、加工性を維持し、耐破壊特性及び低発熱性に優れたゴム組成物であって、該ゴム組成物をランフラットタイヤのサイド補強ゴム及び/又はビードフィラーゴムに適用することによってランフラット耐久性に優れるランフラットタイヤを提供することができる。
本発明のランフラットタイヤの一例を示す左半分の部分断面図である。
符号の説明
1.ランフラットタイヤ
2.ビードコア
3.ビードフィラー
4.カーカス層
5.インナーライナー
6.サイド補強層
7.サイドウオール部
8.ベルト層
9.トレッド部

Claims (11)

  1. (A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム5〜100質量%を含むゴム成分100質量部に対して、(B)トランス結合含有量が82〜98モル%であるトランスポリブタジエン1〜60質量部含むことを特徴するランフラットタイヤ用ゴム組成物。
  2. さらに、(C)充填材としてカーボンブラック及び/又はシリカをゴム成分100質量部に対して30〜150質量部含む請求項1記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
  3. ゴム成分中の(A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴムの含有量が、10質量%以上である請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
  4. ゴム成分として(D)共役ジエン重合体及び/又は共役ジエン−芳香族ビニル共重合体を95〜0質量%含む請求項1に記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
  5. (D)成分の共役ジエン重合体がポリブタジエン、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体がスチレン−ブタジエン共重合体である請求項4に記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
  6. (D)成分の共役ジエン重合体及び/又は共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の分子内又は末端が、スズ原子及びケイ素原子を含む官能基の少なくとも1種により変性又はカップリングされている請求項4又は5に記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
  7. (D)成分の共役ジエン重合体及び/又は共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の分子内又は末端が、窒素原子を含む官能基の少なくとも1種により変性又はカップリングされている請求項4又は5に記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
  8. (B)成分のトランスポリブタジエンの重量平均分子量が10,000〜200,000である請求項1〜のいずれかに記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
  9. (B)成分のトランスポリブタジエンの重量平均分子量が15,000〜150,000である請求項8に記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
  10. 前記ゴム成分100質量部に対して,(C)カーボンブラック及び/又はシリカを35〜100質量部含む請求項1〜9のいずれかに記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物をビードフィラーゴム及び/又はサイド補強ゴムに用いたことを特徴とするランフラットタイヤ。
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