JP2007308613A - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天然ゴム分子中に極性基を含有する変性天然ゴムに対して、次式:nM・xSiOy・zH2O[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン及びカルシウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機充填剤を配合してなるゴム組成物である。
【選択図】なし
Description
nM・xSiOy・zH2O ・・・ (I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン及びカルシウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機充填剤を配合してなることを特徴とする。
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
フィールドラテックスをラテックスセパレーター[斎藤遠心工業製]を用いて回転数7500rpmで遠心分離して、乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と90mgの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]をN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gに加えて乳化したものを990mLの水と共に添加し、これらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌した。次に、重合開始剤としてtert-ブチルハイドロパーオキサイド 1.2gとテトラエチレンペンタミン 1.2gとを加え、40℃で30分間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
上記変性天然ゴムラテックスにギ酸を加えpHを4.7に調整し、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。このようにして得られた変性天然ゴムAの質量から、単量体として加えたN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートの転化率が100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムAを石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を試みたが、抽出物を分析したところホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、得られた変性天然ゴムAの極性基含有量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.027mmol/gである。
単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gの代わりに、2-ヒドロキシエチルメタクリレート 2.1gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムBを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムBを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、変性天然ゴムBの極性基含有量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.027mmol/gである。
単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gの代わりに、4-ビニルピリジン 1.7gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムCを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムCを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、変性天然ゴムCの極性基含有量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.027mmol/gである。
単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gの代わりに、メタクリル酸 1.4gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムDを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムDを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、変性天然ゴムDの極性基含有量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.027mmol/gである。
単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gの代わりに、アクリロニトリル 1.7gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムEを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムEを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、変性天然ゴムEの極性基含有量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.053mmol/gである。
フィールドラテックスに水を添加して、乾燥ゴム濃度30%のラテックスを得た。このラテックス2000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と90mgの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]を2-メルカプトエチルアミン 1.2gに加えて乳化したものを添加し、撹拌しながら60℃で8時間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスFを得た。その後、製造例1と同様に凝固及び乾燥することにより変性天然ゴムFを得た。また、得られた変性天然ゴムFの極性基含有量を熱分解ガスクロマトグラフ−質量分析計を用いて分析したところ、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.021mmol/gであった。
極性基含有メルカプト化合物として2-メルカプトエチルアミン 1.2gの代わりに、2-メルカプトピリジン 1.8gを加える以外は、上記製造例6と同様にして変性天然ゴムGを得た。また、得られた変性天然ゴムGの極性基含有量を熱分解ガスクロマトグラフ−質量分析計を用いて分析したところ、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.022mmol/gであった。
上記濃縮ラテックス1000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と90mgの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]をN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gに加えて乳化したものを990mLの水と共に添加し、これらを窒素置換しながら30分間撹拌した。次に、メタセシス触媒としてビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロライド 3.0gを加え、40℃で7時間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスHを得た。その後、製造例1と同様に凝固及び乾燥することにより変性天然ゴムHを得た。このようにして得られた変性天然ゴムHの質量から、添加したN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートの転化率が84%であることが確認された。また、該変性天然ゴムHを石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することにより天然ゴム分子に導入されていないオレフィン同士の反応物の分離を試みたところ、天然ゴム分子に導入されていないオレフィン同士の反応物が仕込みオレフィン量の6%検出された。従って、上記変性天然ゴムHの極性基含有量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.021mmol/gである。
フィールドラテックスにギ酸を加えpHを4.7に調整し、該ラテックスを凝固させ、更に、得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した。次に、得られた凝固物の乾燥ゴム含有量を求め、乾燥ゴム量換算で600gの凝固物と、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gと、tert-ブチルハイドロパーオキサイド(t-BHPO)1.2gとを混練機内で室温にて30rpmで2分間練り込み、均一に分散させた。次に、得られた混合物にテトラエチレンペンタミン(TEPA)1.2gを均一に加えながら、神戸製鋼製二軸混練押出機[同方向回転スクリュー径=30mm, L/D=35, ベントホール3ヶ所]を用い、バレル温度120℃、回転数100rpmで機械的せん断力を加えながら押し出すことにより、乾燥した変性天然ゴムIを得た。また、得られた変性天然ゴムIの質量から、単量体として加えたN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートの転化率は、83%であった。更に、該変性天然ゴムIを石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を試みたところ、ホモポリマーが仕込みモノマー量の7%検出された。従って、上記変性天然ゴムIの極性基含有量は、天然ゴム原材料中の固形ゴム成分に対して0.021mmol/gである。
上記天然ゴムラテックスを変性反応工程を経ずに、直接、凝固及び乾燥させて天然ゴムJを調製した。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、JIS K6301-1995に準拠して引張試験を行い、引張強さ(Tb)を測定した。引張強さが大きい程、耐破壊性が良好であることを示す。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、各表における各比較例の摩耗量の逆数を100としてそれぞれ指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
*2 使用した無機充填剤の種類を表2〜表8中に示す.
*3 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン.
*4 N,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
*6 コンデアジャパン(株)製, 商品名「PURAL200」, 平均粒径=0.14μm
*7 Baikowski社製, 商品名「Baikalox CR125」, 平均粒径=0.3μm
*8 J.M.HUBER製, 商品名「ポリフィル40」, 平均粒径=1.2μm
*9 J.M.HUBER製, 商品名「ポリフィルDL」, 平均粒径=1.0μm
*10 協和化学工業(株)製, 商品名「キスマ5A」, 平均粒径=0.8μm
*11 石原産業(株)製, 商品名「タイペークA−100」, 平均粒径=0.15μm
Claims (6)
- 天然ゴム分子中に極性基を含有する変性天然ゴムに対して、下記式(I):
nM・xSiOy・zH2O ・・・ (I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン及びカルシウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機充填剤を配合してなるゴム組成物。 - 前記極性基含有変性天然ゴムの極性基がアミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基及びアルコキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記極性基含有変性天然ゴムの極性基含有量が、ゴム成分に対して0.001〜0.5mmol/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記式(I)で表される無機充填剤が、アルミナ(Al2O3)、アルミナ一水和物(Al2O3・H2O)、水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、及び結晶性アルミノケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記式(I)において、Mがアルミニウムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とするタイヤ。
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