以下、下拵えに関わる管理を支援できる飲食店向け管理端末及びこの端末を用いた調理時間分析装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、飲食店向け管理端末の一態様として厨房端末を例示する。
図1は、本実施形態の厨房端末及び調理時間分析装置を含む飲食店システム1の概略構成図である。飲食店システム1は、複数のオーダ端末11、中継機12、複数の厨房端末13、会計端末14、通信ユニット15、コンソール16、メニューサーバ17、注文管理サーバ18、分析サーバ19等を備える。飲食店システム1は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク20を含み、このネットワーク20を介して各厨房端末13、会計端末14、通信ユニット15及びコンソール16と、各サーバ17,18,19とを接続する。飲食店システム1は、ネットワーク20に中継機12を接続し、各サーバ17,18,19と各オーダ端末11とを、中継機12を介して無線通信により接続する。
オーダ端末11は、フロア担当者が携帯する携帯型の無線通信端末である。オーダ端末11は、キーボード,タッチパネル等の入力デバイスと液晶ディスプレイ等の表示デバイスとを備える。入力デバイスは、メニュー品目のオーダ入力に対応したものである。表示デバイスは、注文を受けたメニュー品目の表示に対応したものである。オーダ端末11は、無線回路を内蔵しており、この無線回路を介して中継機12との間で双方向の無線通信を行う。
オーダ端末11は、客席毎に取り付けられ、客自身が操作してオーダ入力等を行うセルフ式オーダ端末であってもよい。
中継機12は、客席フロア内のフロア担当者が携帯するオーダ端末11と無線通信が可能なように、例えば客席フロアの天井部などに取り付けられる。中継機12は1台に限定されるものではない。客席フロアの複数個所にそれぞれ中継機12を設けてもよい。
厨房端末13は、入力デバイスと、表示デバイスとを備える。厨房端末13は、プリンタを備えてもよい。入力デバイスは、メニュー品目の調理開始、調理終了などの指示入力に対応したものである。表示デバイスは、調理待ち状態にあるメニュー品目の一覧表示に対応したものである。タッチパネルを用いて、入力デバイスと表示デバイスとを兼用させてもよい。
厨房端末13は、厨房の調理場毎に設置される。そして厨房端末13は、設置された調理場で調理を行うメニュー品目に関するデータを表示または印刷出力する。調理担当者は、厨房端末13からの出力に従って調理作業を行う。因みに本実施形態は、調理場を揚げ場コーナ、焼き場コーナ、刺し場コーナ及びデザートコーナに区分した飲食店に導入される場合を例示する。
会計端末14は、飲食代金の支払い処理に対応したものである。会計端末14は、周知のPOS(Point Of Sales)端末を適用できる。会計端末は、POS端末に限定されるものではない。飲食代金の支払い処理に対応した電子機器であればよい。
通信ユニット15は、インターネット等の広域ネットワークを介して接続される店外のコンピュータシステムとの間でデータ通信を行う。店外のシステムとしては、例えば店舗の運営を管理する本部に構築される本部コンピュータシステムが該当する。
コンソール16は、各サーバ17〜19に指示を与える入力デバイスと、各サーバ17〜19から取得した情報を表示する表示デバイスとを有する。コンソール16は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット等である。コンソール16は、ネットワーク20に対して必ずしも有線で接続されていなくてもよい。無線LAN等を利用して、コンソール16が各サーバ17〜19と通信を行えるようにしてもよい。
メニューサーバ17は、飲食店が提供するメニュー品目に関するデータの管理に特化したコンピュータである。メニューサーバ17は、メニューデータベース171と前処理データベース172とを有する。メニューデータベース171及び前処理データベース172は、メニューサーバ17に内蔵されていてもよいし、メニューサーバ17に外付けされた記憶装置に保存されていてもよい。
メニューデータベース171は、メニュー品目毎に作成されるメニューデータレコードR1を格納する。メニューデータレコードR1のデータ構造の要部を図2に示す。図示するようにメニューデータレコードR1は、メニューID、名称(メニュー品目名)、価格、調理場ID、目標調理時間、前処理フラグF、前処理ID等のデータ項目からなる。
メニューIDは、メニュー品目毎に設定される固有のコードである。各メニュー品目は、異なるメニューIDによって識別される。名称および価格は、メニューIDによって識別されるメニュー品目(以下、該当メニュー品目と称する)の名称と1点当たりの値段である。調理場IDは、該当メニュー品目を調理する調理場固有のコードである。各調理場は、異なる調理場IDによって識別される。目標調理時間は、該当メニュー品目の調理に要する目標時間である。目標調理時間は、人為的に設定された理論値である。目標調理時間は、過去の実測調理時間等を基に算出される統計値であってもよい。前処理フラグFは、該当メニュー品目を調理する前に食材の加工工程、いわゆる下拵えが必要であるか否かを識別する値である。例えば、下拵えが必要な場合の前処理フラグFを“1”とし、下拵えが不要な場合の前処理フラグFを“0”とする。前処理IDは、該当メニュー品目に対する食材の事前の加工工程に関する情報(以下、前処理工程情報と称する)を示す前処理データレコードR2(図3を参照)を特定するコードである。下拵えが不要なメニュー品目のメニューデータレコードR1については、前処理IDとして“0”がセットされている。
前処理データベース172は、下拵えが必要なメニュー品目毎に作成される前処理データレコードR2を格納する。前処理データレコードR2のデータ構造の要部を図3に示す。図示するように前処理データレコードR2は、前処理ID、工程数n及びその工程数n分の前処理工程情報(前処理工程1〜前処理工程n)等のデータ項目からなる。
工程数nは、対応する前処理IDで特定される前処理工程情報の工程数である。工程数nの最小値は“1”である。最大値は、特に定めはないが、“3”〜“5”程度が現実的である。下拵えには、食材を切ったり混ぜたりする第1工程と、食材に下味をつける第2工程と、調理直前の状態まで加工する第3工程とがある。メニュー品目によっては、第2工程が省略されたり、第3工程がさらに細分化されたりする。例えば第1工程、第2工程及び第3工程の下拵えがそれぞれ必要なメニュー品目の前処理IDを含む前処理データレコードR2の工程数nは“3”となる。同様に、第1工程と第3工程との下拵えが必要なメニュー品目の前処理IDを含む前処理データレコードR2の工程数nは“2”となる。
前処理工程情報(前処理工程1〜前処理工程n)は、対応する工程での食材の加工内容を説明するテキストデータである。例えば、食材を切るという下拵えに対応した前処理工程情報としては、「切工程」のようなテキストデータが考えられる。同様に、下味を付けるという下拵えに対応した前処理工程情報としては、「下味工程」のようなテキストデータが考えられる。テキストデータの内容はこれに限定されるものではなく、要は、厨房端末13のオペレータ(通常は調理担当者)が食材の加工工程の内容を理解できればよい。
注文管理サーバ18は、客が注文したメニュー品目、点数等の注文データの管理に特化したコンピュータである。注文管理サーバ18は、注文データベース181を有する。注文データベース181は、注文管理サーバ18に内蔵されていてもよいし、注文管理サーバ18に外付けされた記憶装置に保存されていてもよい。
注文データベース181は、注文データレコードR3を格納する。注文データレコードR3は、一人で来店した個人客に対してはその個人客毎に、複数名のグループで来店した客に対してはそのグループ毎に作成される。注文データレコードR3のデータ構造の要部を図4に示す。図示するように注文データレコードR3は、伝票番号、客席ID、人数、注文メニューデータ、合計データ等のデータ項目からなる。
伝票番号は、来店した客(個人客またはグループ客)に対して発番される固有の番号である。客は、異なる伝票番号によって識別される。客席IDは、伝票番号で識別される客(以下、当該客と称する)が着いた客席固有のコードである。各客席は、異なる客席IDによって識別される。人数は、当該客の人数である。注文データは、当該客が注文したメニュー品目のメニューコード,点数、金額等である。合計データは、当該客が注文したメニュー品目の合計点数及び合計金額である。
客の注文データは、フロア担当者がオーダ端末11の入力デバイスを操作することによって入力される。すなわちフロア担当者は、客からメニュー品目の注文を受けると、先ず、その客が着いた客席の客席IDと人数とを入力する。次にフロア担当者は、注文データを入力する。注文データの入力を終えると、フロア担当者は、注文確定の入力を行う。注文確定が入力されると、オーダ端末11は、入力された注文データを客席ID,人数等のデータとともに無線送信する。無線送信された注文データは、中継機12で受信され、ネットワーク20を経由して、注文管理サーバ18に送信される。
注文データを受信した注文管理サーバ18は、新規の伝票番号を発番する。そして注文管理サーバ18は、図示しないプリンタを動作させて、注文伝票を発行する。また注文管理サーバ18は、注文データレコードR3を生成し、注文データベース181に登録する。さらに注文管理サーバ18は、注文を受けたメニュー品目毎に調理指示データを生成する。そして注文管理サーバ18は、ネットワーク20を介して調理指示データを厨房端末13に送信する。
分析サーバ19は、メニュー品目の調理時間に関わるデータの分析に特化したコンピュータである。分析サーバ19は、分析データベース191を有する。分析データベース191は、分析サーバ19に内蔵されていてもよいし、分析サーバ19に外付けされた記憶装置に保存されていてもよい。
分析データベース191は、日付別に作成される分析データレコードR4を格納する。分析データレコードR4のデータ構造の要部を図5に示す。図示するように分析データレコードR4は、日付、メニューID、名称、調理場ID、目標調理時間、工程数n、前処理工程情報(前処理工程1〜前処理工程n)別の回数及び累積調理時間等のデータ項目からなる。
日付は、分析データレコードR4が作成された日付である。メニューID、名称、調理場ID及び目標調理時間の各情報は、メニューデータレコードR1の情報である。工程数n及び前処理工程情報は、前処理データレコードR2の情報である。回数は、対応する前処理工程情報で特定される前処理の段階まで下拵えされていた食材を使って該当メニュー品目の調理を始めた回数であり、累積調理時間は、その回数分の調理時間実測値の累積である。
図6は、厨房端末13の要部構成を示すブロック図である。厨房端末13は、CPU(Central Processing Unit)131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133、補助記憶デバイス134、通信インターフェース135、時計部136、タッチパネル137及びI/Oコントローラ138等を備える。そして厨房端末13は、CPU131に、ROM132、RAM133、補助記憶デバイス134、通信インターフェース135、時計部136及びI/Oコントローラ138の各部を、アドレスバス,データバス等のバスライン139で接続する。
CPU131は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU131は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、厨房端末13としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM132は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM132は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM132は、CPU131が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
RAM133は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM133は、CPU131が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM133は、CPU131によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
補助記憶デバイス134は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス134は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)などである。補助記憶デバイス134は、CPU131が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU131での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス134は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
補助記憶デバイス134またはROM133が記憶するアプリケーションプログラムの1つに、後述する制御プログラムがある。厨房端末13の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムが補助記憶デバイス134またはROM133に記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
通信インターフェース135は、ネットワーク20を接続する。通信インターフェース135は、各サーバ17〜19からネットワーク20を介して厨房端末13宛に送信されるデータを受信する。通信インターフェース135は、各サーバ17〜19に対する送信データを、ネットワーク20を介して送信する。
時計部136は、現在の日付及び時刻を計時する。この時計部136で計時される時刻が、メニュー品目の調理開始時刻及び調理終了時刻となる。
タッチパネル137は、平面型のディスプレイ137aと、このディスプレイ137aの画面上に配置されるタッチセンサ137bとからなる。タッチパネル137は、後述する調理指示画面を表示可能なものである。なお、タッチパネル137の代わりに、入力デバイスであるキーボード又はマウスと、表示デバイスである液晶ディスプレイ等とを備えてもよい。
I/Oコントローラ138は、ディスプレイ137aに対する画面表示を制御する。またI/Oコントローラ138は、タッチセンサ137bからの信号を取り込み、画面上のタッチ位置座標を検出する。
このような構成の厨房端末13は、図示しない電源スイッチのオン操作により電源が投入されると、制御プログラムが起動する。この制御プログラムの起動により、CPU131は、初期化処理を行う。この初期化処理において、CPU131は、RAM132に調理指示バッファ30としての領域を形成する。
図7は、調理指示バッファ30のデータ構造を示す模式図である。図示するように調理指示バッファ30は、一連番号順に、オーダ時刻、客席ID、メニューID、名称、点数、ステータスST、工程No.i、調理開始時刻、調理終了時刻及び調理時間の各項目データをそれぞれ格納するための領域を有する。
各項目データのうち、オーダ時刻、客席ID、メニューID、名称及び点数は、注文管理サーバ18にて生成される調理指示データの項目である。ステータスSTは、対応するメニュー品目の調理に関わる状態を示すデータである。状態には、調理前の状態、調理中の状態及び調理後(配膳待ち)の状態がある。本実施形態では、調理前の状態を示すステータスSTを“0”、調理中の状態を示すステータスSTを“1”、調理後(配膳待ち)の状態を示すステータスSTを“2”と定義する。
工程No.iは、対応するメニュー品目の調理を開始する際に、食材がどの段階まで加工されていたかを示すデータである。例えば、切工程の第1段階まで下拵えされていた食材を使って調理を開始した場合には、工程No.iとして“1”がセットされる。同様に、下味工程の第2段階まで下拵えされていた食材を使って調理を開始した場合には、工程No.iとして“2”がセットされる。
調理開始時刻、調理終了時刻及び調理時間は、対応するメニュー品目の調理を開始した時刻(時分秒)、調理を終了した時刻(時分秒)及び調理開始時刻から調理終了時刻までの経過時間(秒)である。なお、経過時間の単位を秒としたが、分と秒とで表してもよい。
初期化処理が終了すると、CPU131は、タッチパネル137に初期画面を表示する。初期画面には、業務開始を宣言するアイコンが表示されている。このアイコンがタッチ操作されると、CPU131は、図8〜図10の流れ図に示す手順の情報処理を実行する。この処理は、制御プログラムに従った処理である。なお、図8〜図10に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
CPU131は、注文管理サーバ18からネットワーク20を介して送られてくる調理指示データを待機する(Act1)。調理指示データは、注文を受けたメニュー品目のメニューID、名称及び点数と、そのメニュー品目を注文した客のオーダ時刻及び客席IDと、そのメニュー品目のメニューデータレコードR1に記録されている調理場IDとを含む。CPU131は、通信インターフェース135を介して受信した調理指示データの中に、自らに設定されている調理場IDを含む調理指示データが有るか否かを確認する。該当する調理指示データが有る場合(Act1にてYES)、CPU131は、その調理指示データを取り込む。そしてCPU131は、取り込んだ順に調理指示データのオーダ時刻、客席ID、メニューID、名称及び点数を、調理指示バッファ30の空番号エリアに格納する(Act2)。このときCPU31は、この空番号エリアのステータスSTを、調理前の状態を示す“0”とする。その後、CPU131は、Act3〜Act17の処理を実行する。
Act3では、CPU131は、番号カウンタkを“0”にリセットする。番号カウンタkをリセットしたならば、CPU131は、Act4の処理に進む。Act4では、CPU131は、件数カウンタpを“0”にリセットする。件数カウンタpをリセットしたならば、CPU131は、Act5の処理に進む。番号カウンタk及び件数カウンタpは、RAM133に形成される。なお、Act3とAct4との処理順序は、この順序に限定されるものではない。先にAct4の処理を実行し、後からAct3の処理を実行してもよい。
Act5では、番号カウンタkを“1”だけカウントアップする。番号カウンタkをカウントアップしたならば、CPU131は、Act6の処理に進む。Act6では、CPU131は、番号カウンタkのカウント値で調理指示バッファ30を検索する。そしてCPU131は、レコード番号k(kは番号カウンタの値)のエリアに、調理指示データのオーダ時刻、客席ID、メニューID、名称及び点数がセットされているか否かを確認する。レコード番号kのエリアに調理指示データが格納されている場合(Act6にてYES)、CPU131は、Act7の処理に進む。
Act7では、CPU131は、レコード番号kのエリアに格納されているデータのステータスSTが “2”であるか否かを確認する。ステータスが“2”の場合(Act7にてYES)、当該レコード番号kによって特定されるデータレコードのメニュー品目は、既に調理を終えている。したがってCPU131は、Act5の処理に戻る。
Act7において、ステータスが“0”または“1”の場合(Act7にてNO)、当該レコード番号kによって特定されるデータのメニュー品目は、調理前若しくは調理中である。この場合、CPU131は、Act8及びAct9の処理に進む。
Act8では、CPU131は、調理指示バッファ30からレコード番号kのデータレコードを検出する。そしてCPU131は、このデータレコードのオーダ時刻、客席ID、名称、点数及びステータスSTを表示バッファ(不図示)に格納する。Act9では、CPU131は、件数カウンタpを“1”だけカウントアップする。なお、Act8とAct9との処理順序は、この順序に限定されるものではない。先にAct9の処理を実行し、後からAct8の処理を実行してもよい。Act8及びAct9の処理を終えたならば、CPU131は、Act5の処理に戻る。
すなわちCPU131は、番号カウンタkを“1”ずつ加算する。そして、レコード番号kのエリアにステータスSTが“2”以外のデータレコードが格納されている場合に、CPU131は、このデータレコードのオーダ時刻、客席ID、名称、点数及びステータスSTを表示バッファ(不図示)に格納する処理を繰り返す。
Act6において、レコード番号kのエリアに調理指示データが格納されていない場合(Act6にてNO)、CPU131は、Act10の処理に進む。Act10では、CPU131は、件数カウンタpが“0”であるか否かを確認する。件数カウンタpが“0”の場合(Act10にてYES)、後述する調理指示画面に表示すべきデータがない。この場合、CPU131は、Act1の処理に戻る。
Act10において、件数カウンタpが“0”よりも大きい場合(Act10にてNO)、CPU131は、Act11の処理に進む。Act11では、CPU131は、表示バッファのデータに基づいて調理指示画面を作成する。そしてCPU131は、Act12として表示部であるタッチパネル137のディスプレイ137aに調理指示画面を表示させる。
図11は、調理指示画面G1の一表示例である。調理指示画面G1には、オーダ時刻の早い順番に、客席IDで特定されるテーブル名と、メニューIDで特定されるメニュー品目の名称と、そのメニュー品目の注文点数とが1行ずつ表示される。また、ステータスSTによって特定されるメニュー品目毎の調理状況も、同じ行内に表示される。画面G1では、調理中を示すマークMが点灯(実線で示す)されている行のメニュー品目が調理中(ステータスST=1)であり、マークMが消灯(破線で示す)されている行のメニュー品目が調理待ち(ステータスST=0)である。また、調理指示画面G1には、調理中及び調理待ちのメニュー品目の合計件数が、残りメニュー数として表示される。
なお、調理指示画面G1のレイアウトは図11のものに限定されるものではない。要は、調理又または調理中のメニュー品目とその注文数とが調理担当者にとって把握できる画面であればよい。
調理指示画面G1を表示させたならば、CPU131は、Act13の処理に進む。Act13では、CPU131は、調理指示画面G1のタッチ操作により、メニュー品目名が表示されている行が選択されたか否かを確認する(開始宣言手段)。選択されていない場合(Act13にてNO)、CPU131は、Act14の処理に進む。Act14では、CPU131は、次の調理指示データを受信したか否かを確認する。受信していない場合(Act14にてNO)、CPU131は、Act13に処理に戻る。すなわちCPU131は、調理指示画面G1の行が選択されるか、次の調理指示データを受信するのを待機する。なお、Act13とAct14との処理順序は、この順序に限定されるものではない。先に調理指示データを受信しているか否かを確認し(Act14)、受信していない場合に、調理指示画面G1の行が選択されたか否かを確認してもよい(Act13)。
調理指示データを受信した場合(Act14にてYES)、CPU131は、Act2の処理に戻る。すなわちCPU131は、受信した調理指示データのオーダ時刻、客席ID、メニューID、名称及び点数を、調理指示バッファ30の空番号エリアに格納し、この空番号エリアのステータスSTを“0”とした後、Act3〜Act12の処理を再度実行して、調理指示画面G1を更新する。
調理指示画面G1のメニュー品目名が表示されている行が選択された場合(Act13にてYES)、CPU131は、Act15の処理に進む。Act15では、CPU131は、選択された行に表示されている調理状況に対応したステータスSTが“0”であるか否かを確認する。ステータスSTが“0”のとき(Act15にてYES)、選択された行のメニュー品目は調理待ちである。この場合、CPU131は、Act16の処理に進む。ステータスSTが“0”でない、すなわち“1”のときには(Act15にてNO)、選択された行のメニュー品目は調理中である。この場合、CPU131は、Act17の処理に進む。
Act16では、CPU31は、調理開始処理を実行する。
図9は、調理開始処理の手順を具体的に示す流れ図である。調理開始処理を開始すると、CPU131は、選択されたメニュー品目のメニューIDを問合せキーとして、メニューサーバ17に対してメニューデータを問合せる(Act21)。
この問合せを受信したメニューサーバ17は、メニューデータベース171を検索して、問合せキーであるメニューIDを含むメニューデータレコードR1を検出する。そしてメニューサーバ17は、メニューデータレコードR1の前処理フラグFをチェックする。前処理フラグFが“0”、すなわち下拵えが不要なメニュー品目のレコードの場合、メニューサーバ17は、メニューデータレコードR1を問合せ元の厨房端末13に送信する。
これに対し、前処理フラグFが“1”、すなわち下拵えが必要なメニュー品目のレコードの場合には、メニューサーバ17は、そのメニューデータレコードR1の前処理IDで前処理データベース172を検索し、この前処理IDを含む前処理データレコードR2を読み出す。そしてメニューサーバ17は、メニューデータレコードR1と前処理データレコードR2とを対にして、問合せ元の厨房端末13に送信する。
メニューデータを問い合わせたCPU131は、メニューサーバ17からの応答を待機する(Act22)。応答があった場合(Act22にてYES)、CPU131は、その応答されたメニューデータレコードR1の前処理フラグFを調べる(Act23)。前処理フラグFが“0”の場合(Act23にてNO)、CPU131は、時計部136で計時されている現在時刻を取得する。そしてCPU131は、この現在時刻を、選択されたメニュー品目の調理開始時刻として調理指示バッファ30に登録する(Act28)。またCPU131は、選択されたメニュー品目のステータスSTを、調理中を示す“1”に変更する(Act29)。以上で、CPU131は、調理開始処理を終了する。
なお、Act28〜Act29の処理手順はこの順序に限定されるものではない。先にステータスを “1”に変更してから(Act29)、調理開始時刻を調理指示バッファ30に登録してもよい(Act28)。
一方、前処理フラグFが“1”の場合には(Act23にてYES)、CPU131は、メニューデータレコードR1とともに受信した前処理データレコードR2から工程数n及び前処理工程情報を検出する(検出手段)。そしてCPU131は、この工程数nと前処理工程情報とを基に工程数nの選択画面を作成する。CPU131は、この選択画面を、タッチパネル137のディスプレイ137aに表示させる(加工度受付手段)。
図12は、工程数nの選択画面G2の一表示例である。この例は、工程数nが“3”の場合である。図示するように選択画面G2は、調理指示画面G1の上に重ねてポップアップ表示される。選択画面G2には、工程数nに1を加算した数のボタンB0,B1,B2,B3が表示される。また、ボタンB0を除くボタンB1,B2,B3に対しては、対応する前処理工程情報が表示される。さらに、選択されたメニュー品目の名称[○○○○○]も表示される。因みに、工程数nが“2”の場合には、選択画面G2にボタンB0,B1,B2が表示され、工程数nが“1”の場合には、選択画面G2にボタンB0,B1が表示される。
ボタンB0〜B3は、選択されたメニュー品目の調理に先立ち、食材の前処理(加工),いわゆる下拵えがどこまで行われているのかを宣言するボタンである。下拵えが全く行われていない場合、オペレータ(通常は調理担当者)は、ボタンB0にタッチする。工程No.が1である第1工程の下拵えまで行われていた場合、オペレータはボタンB1にタッチする。工程No.が2である第2工程の下拵えまで行われていた場合、オペレータはボタンB2にタッチする。工程No.が3である第3工程の下拵えまで行われていた場合、オペレータはボタンB3にタッチする。
工程数nの選択画面G2を表示させたCPU131は、工程No.iが選択されるのを待機する(Act25)。選択画面G2のいずれかのボタンB0〜B3がタッチされた場合、CPU131は、そのボタンB0〜B3に対応した工程No.iが選択されたと認識する(Act25にてYES)。そしてCPU131は、その工程No.iを調理指示バッファ30に登録する(Act26)。またCPU131は、工程数nの選択画面G2を消去する(Act27)。その後、CPU131は、時計部136で計時されている現在時刻を取得する。そしてCPU131は、この現在時刻を、選択されたメニュー品目の調理開始時刻として調理指示バッファ30に登録する(Act28)。またCPU131は、選択されたメニュー品目のステータスSTを、調理中を示す“1”に変更する(Act29)。以上で、CPU131は、調理開始処理を終了する。
なお、Act26〜Act29の処理手順はこの順序に限定されるものではない。例えば、ステータスSTを“1”に変更してから(Act29)、工程No.i及び調理開始時刻を調理指示バッファ30に登録し(Act26,28)、選択画面G2を消去してもよい(Act27)。あるいは、選択画面G2を消去し(Act27)、ステータスSTを“1”に変更してから(Act29)、工程No.i及び調理開始時刻を調理指示バッファ30に登録してもよい(Act26,28)。
図8に説明を戻す。Act17では、CPU31は、調理終了処理を実行する。
図10は、調理終了処理の手順を具体的に示す流れ図である。調理終了処理を開始すると、CPU131は、時計部136で計時されている現在時刻を取得する。そしてCPU131は、この現在時刻を、選択されたメニュー品目の調理終了時刻として調理指示バッファ30に登録する(Act31)。
次にCPU131は、この選択されたメニュー品目の調理開始時刻から調理終了時刻までの差分時間を算出する(Act32)。そしてCPU131は、この差分時間を、選択されたメニュー品目の調理時間として調理指示バッファ30に登録する(Act33:実測手段)。その後、CPU131は、選択されたメニュー品目のステータスSTを、調理完了を示す“2”に変更する(Act34)。以上で、CPU131は、調理終了処理を終了する。
なお、Act34の処理は、Act31の処理の前に行ってもよい。すなわちCPU131は、選択されたメニュー品目のステータスSTを、調理完了を示す“2”に変更した後(Act34)、調理終了時刻の登録(Act31)、調理時間の算出(Act32)、及び調理時間の登録(Act33)、を処理してもよい。
再び、図8に説明を戻す。Act16の調理開始処理あるいはAct17の調理終了処理を終了すると、CPU131は、Act3の処理に戻る。そしてCPU131は、Act3〜Act12の処理を再度実行して、調理指示画面G1を更新する。
以上で、制御プログラムに従った処理の説明を終了する。
上述したように、厨房端末13は、注文管理サーバ18から調理指示データを受信する毎に、その調理指示データのオーダ時刻、客席ID、メニューID、名称及び点数を調理指示バッファ30に蓄積する。そして厨房端末13は、調理指示バッファ30に蓄積されたデータに基づいて調理指示画面G1を作成し、タッチパネル137に表示する。
調理指示画面G1には、調理前のメニュー品目に係る情報と、調理中のメニュー品目に係る情報とが、注文を受け付けた順番に表示される。調理前なのか調理中なのかの識別は、調理状況マークMによって可能である。調理担当者は、調理指示画面G1を見て調理を開始するメニュー品目を決める。そして調理担当者は、調理を開始する際にそのメニュー品目の情報が表示されている行にタッチして、選択を行う。
ここで、下拵えが必要なメニュー品目が選択された場合、タッチパネル137に下拵えの工程数nに対応した選択画面G2が表示される。そこで調理担当者は、食材の下拵えがどの段階まで行われているかを確認し、該当するボタンにタッチする。例えば第1工程の下拵えまで行われていた場合、調理担当者はボタンB1にタッチする。そうすると、調理指示バッファ30の当該メニュー品目に対する工程No.iが“1”となる。また、調理指示バッファ30の当該メニュー品目に対する調理開始時刻として現在時刻が登録される。さらに、調理指示画面G1の当該メニュー品目に対する調理状況マークMが点灯するので、調理担当者は、当該メニュー品目の調理を開始する。
調理を終えると、調理担当者は、再び調理指示画面G1の当該メニュー品目の情報が表示されている行にタッチする。そうすると、調理指示バッファ30の当該メニュー品目に対する調理終了時刻として現在時刻が登録される。また、調理開始時刻から調理終了時刻までの経過時間が調理時間として、調理指示バッファ30に登録される。そして、調理指示画面G1から当該メニュー品目の情報が消去される。
このように、厨房端末13の格納手段である調理指示バッファ30には、その厨房端末13が設置されている調理場で調理したメニュー品目毎に、そのメニュー品目を調理する際の下拵えの段階を示す工程No.iと調理時間の実測値とが格納される。
各厨房端末13の調理指示バッファ30に蓄積されたデータは、1日の営業が終了した後の閉店後処理において、分析サーバ19によって収集される。すなわち分析サーバ19は、閉店後の所定の時刻になると、ネットワーク20を介して各厨房端末13に調理指示バッファ30の収集コマンドを送信する。このコマンドを受信した厨房端末13は、調理指示バッファ30に蓄積されたデータを、ネットワーク20を介して分析サーバ19に送信するので、分析サーバ19は、各厨房端末13から収集したデータを基に分析データベース191を更新する。
具体的には分析サーバ19は、各厨房端末13から収集したデータに含まれるメニューID毎に、日付、メニューID、名称、調理場ID、目標調理時間を含むメニューデータレコードR4を作成する。そして分析サーバ19は、同一メニューIDのデータの点数と調理時間とを、そのデータの工程No.に一致する前処理工程の回数エリア及び累積調理時間エリアに加算する。例えば、調理指示バッファ30から収集したメニューID=999のデータの工程No.が“1”で調理時間が300秒であった場合、分析サーバ19は、メニューID=999の分析データレコードR4の前処理工程1に対する回数に1を加算し、かつ、累積調理時間に300秒を加算する。同様に、同じメニューID=999のデータの工程No.が“2”で調理時間が250秒であった場合、分析サーバ19は、メニューID=999の分析データレコードR4の前処理工程2に対する回数に1を加算し、かつ、累積調理時間に250秒を加算する(収集手段)。
かくして分析サーバ19は、分析データベース191を用いて、食材の下拵えが必要なメニュー品目毎に、下拵えの段階(加工度合い)別に、その段階から調理を開始した回数と、その段階から調理を開始したときの調理に要した時間とを日単位で集計する。
分析データベース191にて集計された日単位の調理時間に関わるデータは、例えばコンソール16と協働することにより分析できる。この場合、分析サーバ19とコンソール16とは、調理時間分析装置として機能する。あるいは、分析データベース191にて集計された日単位の調理時間に関わるデータは、例えば厨房端末13と協働することにより分析できる。この場合、分析サーバ19と厨房端末13とは、調理時間分析装置として機能する。
以下では、厨房端末13と協働して分析データベース191のデータを分析する調理時間分析装置について説明する。
厨房端末13は、ROM132または補助記憶デバイス134に記憶されるアプリケーションプログラムの1つとして分析プログラムを有する。例えば初期画面には、分析モードを宣言するアイコンが表示されている。このアイコンがタッチ操作されると、分析プログラムが起動する。分析プログラムが起動すると、CPU131は、タッチパネル137に日付入力画面を表示する。日付入力画面は、分析を行う日付の入力が可能である。CPU131は、日付が入力されると、分析サーバ19に対して分析コマンドを送信する。分析コマンドには、入力された日付と、当該厨房端末13にとって固有の調理場IDとが含まれる。
分析コマンドを受信した分析サーバ19は、分析データベース191を検索して、コマンド中の日付と調理場IDとを含む分析データレコードR4を抽出する。そして分析サーバ19は、抽出した分析データレコードR4毎に、前処理工程情報別の回数と累積調理時間とをそれぞれ合算し、累積調理時間の合計を回数の合計で除算して、該当メニュー品目の平均調理時間を算出する。
分析サーバ19は、抽出した分析データレコードR4のメニューID毎に、名称、目標調理時間、前処理工程情報別回数の合計及び平均調理時間からなる平均調理時間分析データを生成する。そして分析サーバ19は、この平均調理時間分析データをコマンド送信元の厨房端末13に送信する。
平均調理時間分析データを受信した厨房端末13のCPU131は、このデータを基にメニュー品目別の平均調理時間レポート画面を作成し、タッチパネル137に表示させる。
図13は、平均調理時間レポート画面G3の一表示例である。図示するように画面G3には、分析を行う日付Dとともに、メニュー品目毎に、目標調理時間(目標)と平均調理時間(実測)とがそれぞれ対比可能なように棒グラフによって表示される。また、メニュー品目の名称とともにオーダ数も表示される。オーダ数は、前処理工程情報別回数の合計値である。
したがってオペレータ(例えば店舗管理者)は、画面G3の情報から、日付Dにおいて、調理時間が目標調理時間をオーバーしているメニュー品目とオーバーしていないメニュー品目とを簡単に識別することができる。またオペレータは、各メニュー品目のオーダ総数も把握することができる。
また、画面G3には、調理時間が目標調理時間をオーバーしているメニュー品目に対しては「×」マークN1が表示され、オーバーしていないメニュー品目に対しては「○」マークN2が表示される。したがってオペレータは、これらのマークN1,N2を確認するだけで、調理時間が目標調理時間をオーバーしているメニュー品目の有無を把握できる。
ところで、調理時間が目標時間に達しない原因の1つに下拵えの準備不足が考えられる。例えば下拵えとして3工程が必要なメニュー品目について、第1工程までしか下拵えをしていなかったために、第2工程から調理を開始した場合、調理に時間を要するのは明らかである。また、第3工程まで下拵えをしていたが、その数が少なかったために作り置きの食材が不足し、途中から、下拵えの第1段階から調理を開始した場合、多くの時間を調理に要してしまう。
そこでオペレータは、「×」マークN1が表示されているメニュー品目の品目名にタッチする。そうすると、CPU131は、先に日付入力画面から入力された日付とともにそのメニュー品目のメニューIDを含む下拵え分析コマンドを生成して、分析サーバ19に送信する。
下拵え分析コマンドを受信した分析サーバ19は、分析データベース191を検索して、コマンド中の日付とメニューIDとを含む分析データレコードR4を抽出する。そして分析サーバ19は、この分析データレコードR4の前処理工程別に累積調理時間を回数で除算して、前処理工程別の平均調理時間を算出する(演算手段)。分析サーバ19は、抽出した分析データレコードR4の名称、目標調理時間、前処理工程情報別の回数及び平均調理時間からなる下拵え分析データを生成する。そして分析サーバ19は、この下拵え分析データをコマンド送信元の厨房端末13に送信する(出力手段)。
下拵え分析データを受信した厨房端末13のCPU131は、このデータを基に当該メニュー品目の下拵え分析レポート画面を作成し、タッチパネル137に表示させる。
図14は、下拵え分析レポート画面G4の一表示例である。図示するように画面G4には、分析を行う日付Dとともに、当該メニュー品目の目標調理時間(目標)と前処理工程別の平均調理時間とがそれぞれ対比可能なように棒グラフによって表示される。また、メニュー品目の名称とともに前処理工程別のオーダ数(回数)も表示される。
したがってオペレータは、画面G4の情報から、当該メニュー品目について、下拵えをしなかった場合の平均調理時間、第1工程まで下拵えをした場合の平均調理時間、第2工程まで下拵えをした場合の平均調理時間、及び第3工程まで下拵えをした場合の平均調理時間をそれぞれ確認することができる。したがってオペレータは、目標調理時間を達成するためにはどの段階までどの程度下拵えをしておけばよいかというような分析を容易に行うことができる。
例えば画面G4の場合には、下拵えをしなかった場合と、第1工程まで下拵えをした場合には、目標調理時間を達成できないが、第2工程まで下拵えをしておけば目標調理時間を達成できることがわかる。また、1日の総オーダ数がわかるので、どの程度の数を下拵えすればよいかの判断にも役立つ。
以上説明したように、本実施形態によれば、飲食店での食材の事前の加工度合いとメニュー品目の調理時間との関係を分析するために必要なデータを取得できる厨房端末を提供することができる。また、この厨房端末で得られたデータを基に、飲食店での食材の事前の加工度合いとメニュー品目の調理時間との関係を分析できるめ調理時間分析装置を提供できる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、分析データレコードR4の項目に調理開始時刻を含ませることで、1日の時間帯別に加工度合い別の平均調理時間を算出するようにしてもよい。通常、飲食店は時間帯によって混雑度が異なる。そこで、加工度合い別の平均調理時間を時間帯別に表示することで、時間帯毎にどの段階まで下拵えをすればよいか、またどのくらいの量を処理しておけばよいかといったきめ細かな分析を行えるようになる。
前記実施形態では、選択画面G2に表示されるボタンの数を、対応するメニュー品目に対する下拵えの工程数nに1を加算した数としている。ボタンの数は、この数に限定されない。全てのメニュー品目に対して、最大工程数に1を加算した数のボタンが配置された選択画面を表示させてもよい。また、ボタンを表示させるのでなく、テンキーを用いてオペレータが該当する数値を入力してもよい。テンキーは、ハードキーでもよいし、タッチパネル137の画面に表示されるソフトキーでもよい。
図13及び図14では、目標調理時間と平均調理時間との対比を棒グラフによって示している。対比の表示形式は棒グラフに限定されない。例えば目標調理時間を閾値とし、平均調理時間を折れ線グラフで表して、対比させてもよい。
前処理データベース172は、メニューサーバ17でなく他のサーバ、例えば分析サーバ19あるいは注文管理サーバ18に設けてもよい。また、メニューデータレコードの項目前処理IDに代えて、当該前処理IDで特定される前処理データレコードR2の工程数nと前処理工程情報(前処理工程1〜前処理工程n)とを格納することで、前処理データベース172を省略することも可能である。
前記実施形態は、飲食店向け管理端末の一態様として厨房端末を例示したが、管理端末は厨房端末に限定されるものではない。例えば、タブレットなどの汎用端末で飲食店の誰でもが確認できる端末に、管理端末としての機能を搭載してもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。