以下、本発明の注文処理システム及びプログラムについて、図面を用いて説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係る注文処理システム1は、図1(a)に示すように、複数のハンディーターミナル(ハンディーターミナル10a、10b、など)と、無線ルータ20と、ステーションサーバ30と、キッチンサーバ40と、キッチンディスプレイ50と、キッチンプリンタ60と、POS(Point of Sales)端末70を備える。
複数のハンディーターミナル10a、10b等は後述するように、同様のまたは類似の構成を備え、互いに区別しない場合には単にハンディーターミナル10とも呼ぶ。
注文処理システム1は例えばレストラン、カフェなどの飲食店において使用される。また、本実施形態において品物とは、顧客の注文に応じて調理スタッフが準備し、フロアスタッフが注文した顧客に配膳する飲食物一般を指す。
無線ルータ20と、ステーションサーバ30と、キッチンサーバ40と、POS端末70とは、LAN(Local Area Network)80などの通信回線を介して接続される。また、キッチンサーバ40はキッチンディスプレイ50とキッチンプリンタ60とに接続され、キッチンディスプレイ50及びキッチンプリンタ60を制御する。
複数のハンディーターミナル(10a、10bなど)はそれぞれ無線ルータ20の無線ネットワークに接続され、この無線ネットワーク及びLAN80を通じてステーションサーバ30、キッチンサーバ40、POS端末70と互いに接続される。
ハンディーターミナル10はホールスタッフが使用する端末である。ハンディーターミナル10は、後述する機能構成により、店員による通常の注文入力を一又は複数受付ける。ハンディーターミナル10は、通常の注文入力に加えて、再指示の入力を一又は複数受付ける。再指示は、例えば、過去に一度注文を受付けた品物の中で、誤配膳や調理忘れなどが原因で時間が経過しても(複数のテーブルのうち)配膳先のテーブルに配膳されなかったため顧客から未着を指摘された品物があった場合に、当該品物についてホールスタッフが入力する。この再指示の入力に応答して、再指示に係る品物を再調理することを厨房のスタッフに指示する標示がキッチンディスプレイ50に出力される。
なお、本実施形態及びその変形例において、調理とは、所謂本格的な料理に限定されない。例えば、飲み物の準備や、既に調理済みの食材を皿に盛りつけるといった、厨房担当者が行う配膳の準備全体を調理と呼ぶものとする。
ステーションサーバ30は、店内に配置され、主にハンディーターミナル10及びキッチンサーバ40とコマンドを送受信する。ステーションサーバ30は後述する機能構成により、ハンディーターミナル10が受付けた通常注文及び再指示の入力情報に関するコマンドを集計する。そして、集計した結果をコマンドとしてキッチンサーバ40に送信する。このとき、通常注文と再指示とに応じて異なるコマンドを送信するので、キッチンサーバ40はハンディーターミナル10がいずれの入力を受付けたか判別が可能となる。
また、ステーションサーバ30はキッチンサーバ40からコマンドを受信して、受信した結果に基づいて会計データ3430と再指示データ3440とを集計する。会計データ3430と再指示データ3440については後述する。ステーションサーバ30は、集計した結果はPOS端末70や店外に設置された外部サーバ(上部サーバ)などに送信する。このため、顧客に対する請求や決算に用いる会計データとは別に、再指示のデータを統計的に解析して利用することができる。
キッチンサーバ40は、店内に配置され、主にステーションサーバ30とコマンドを送受信する。また、キッチンディスプレイ50と接続され、表示コマンドを送信することによりキッチンディスプレイ50の画面表示を制御する。具体的には、通常の注文コマンドをステーションサーバ30から受け取った場合には、受け取った順に調理するように指示する標示(数字や文字、アイコンや画像を含む)を表示させるコマンドをキッチンディスプレイ50に出力する。一方、再指示のコマンドをステーションサーバ30から受けとった場合には、再指示であることを明示する標示をキッチンディスプレイ50に表示させる。さらに、最優先(又は再指示に関わらない品物より高い優先度)で再指示に係る品物を調理することを指示する標示を表示させるコマンドを、キッチンディスプレイ50に出力する。
キッチンサーバ40は、さらに現在までに注文を受けたが、未だ調理終了操作や取消指示を受付けていない品物の合計を、品物ごとに求める。そして、求めた値をキッチンディスプレイ50に表示させる。キッチンサーバ40は複数種類の品物を異なる識別子を割り振ることにより区別して集計する。また、ここでは入力部として機能する1又は複数のハンディーターミナル10が複数の注文を受付けたことにより、合計を求める必要が生じたことを前提とする。これにより、厨房の調理スタッフは現在どの品物をどれだけ調理すればよいか把握することができるため、調理作業の効率が高くなる。なお、後述するように、品物の合計はステーションサーバ30から受信したコマンドが示す通常の注文コマンドと再指示コマンド、及び、キッチンディスプレイから受信した調理終了の操作の内容に応じて算出する。
キッチンサーバ40は、また、キッチンディスプレイ50が受付けた入力(タッチ操作など)に関するコマンドを受付ける。そして、受付けた入力に応じたコマンドをステーションサーバ30に送信する。具体的には、キッチンディスプレイ50がある品物の調理終了の入力を受付けると、この品物の調理が終了したことを示すコマンドをステーションサーバ30に送信する。ステーションサーバ30はこのコマンドに応じて、上述した集計処理を実行する。
キッチンサーバ40は、キッチンディスプレイ50に加えてキッチンプリンタ60に接続され、キッチンプリンタ60の出力(印刷処理)を制御する。具体的には、キッチンディスプレイ50が品物の調理終了の入力を受付けた場合に、キッチンサーバ40はその品物の配膳を指示する配膳伝票を出力させるコマンドをキッチンプリンタ60に対して送信する。さらに、キッチンディスプレイ50が品物の調理終了の入力を受付けた場合に、会計用の会計伝票を出力させるコマンドをキッチンプリンタ60に対して送信する。
キッチンディスプレイ50は、図1(b)に示すように、表示部510と、タッチパッド520と、通信部530と、制御部540とを含む。表示部510は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)といった表示装置である。表示部510には、表示装置上の位置を指定する操作な受付可能な入力装置であるタッチパッド520が重ねられている。通信部530は、キッチンサーバ40からコマンドを受信して画像を表示する入力機能と、タッチパッド520が受付けた入力操作の内容をキッチンサーバ40に送信する出力機能と、を担う。制御部540は例えば通信部530が受信したコマンドに応じた画像を表示部510に表示させるための画像処理機能を担うデジタルシグナルプロセッサである。キッチンディスプレイ50はこのような物理構成によりキッチンサーバ40のコマンドに応じた画像を表示する。また、キッチンディスプレイ50は表示した画像上の位置を指定する操作を受付け、この操作の内容をキッチンサーバ40に伝達する。
キッチンプリンタ60は、レーザー式やインクジェット式といった既知の印刷装置と、キッチンサーバ40やステーションサーバ30、POS端末70からのコマンドを受信する通信装置とを含む。キッチンプリンタ60は、このような物理構成により、キッチンサーバ40、ステーションサーバ30及びPOS端末70のコマンドに応じた内容の文書や画像を所定の印刷用紙に印刷する。
POS端末70は、販売情報を登録、処理し、一取引ずつ会計処理を行う。販売情報には、顧客ごとの品物(商品)の売り上げ明細の情報が含まれる。
次に、各装置の機能構成を説明する。ハンディーターミナル10は、図2(a)に示すように、制御部110と、入出力部120と、通信部130と、記憶部140と、時計150とを含む。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)や デジタルシグナルプロセッサといった演算装置である。入出力部120は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)といった表示装置と、タッチパッドのような表示装置上の位置を指定する操作な受付可能な入力装置と、を含む。なお、入出力部120はタッチパッドに変えて、あるいはタッチパッドに加えて、キーボードやボタンと言った押下可能な物理キーを備えた入力装置を備えた構成でも同様に機能する。
通信部130は、無線ルータ20と通信する無線通信装置を含む。通信部130により、ハンディーターミナル10はLAN80を通じてステーションサーバ30、キッチンサーバ40、POS端末70と互いに通信を行う。記憶部140は、ハードディスクドライブ、フラッシュ―ROM(Read Only Memory)といった不揮発性の記憶装置を含み、図9に示す操作受付処理の実行に必要なデータを記憶する。記憶部140は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)といった揮発性の主記憶装置を更に含み、操作受付処理を実行する際の作業領域を提供する。時計150は、例えば水晶振動子を備えた計時装置である。
記憶部140は、図9に示す操作受付処理の実行に必要なデータとして、操作受付処理のプログラムのほかに、品物マスタ1410、オーダーデータ1420、及び、ターミナルID(IDentifier)1430を記憶する。品物マスタ1410は注文処理システム1が設置された店舗で提供される品物の名称とその品物の識別子(品物ID)が対応付けて記憶するファイルである。オーダーデータ1420は、図2(b)に示すように、顧客から注文された品物とその個数とを対応付けて記憶したデータファイルである。
図2(b)の例では、オーダーデータ1420は、そのハンディーターミナル10で顧客が一度に注文した品物毎に、番号(注文No.)を振り分けて一つのレコードとして記憶されたデータの集まりである。一つのレコードは、品物のデータに加えて、注文を受付けたスタッフを特定する情報(担当者)と、注文した顧客が着いているテーブルを示す情報(テーブルNo)と、注文を受付けた時刻(時刻)と、をさらに含む。テーブルNoは、配膳先を特定する情報としても用いられる。このように、記憶部140は複数の注文を集計したオーダーデータ1420を記憶する。
ターミナルID1430は、ハンディーターミナル10の個体識別のための識別子である。
ハンディーターミナル10は、このような機能構成により、図9に示す操作受付処理を実行する。
ステーションサーバ30は、図3(a)に示すように、制御部310と、入力部320と、通信部330と、記憶部340とを含む。
制御部310は、CPU(central processing unit)等の演算装置である。入力部320は、例えばキーボードやマウスといった入力装置を含む。通信部330は、LAN80を通じて無線ルータ20、ステーションサーバ30、キッチンサーバ40、及び、POS端末70と互いに通信を行う。記憶部340は、ハードディスクドライブ、フラッシュ―ROMといった不揮発性の記憶装置を含み、図10に示す注文管理処理の実行に必要なデータを記憶する。記憶部340は、DRAMといった揮発性の主記憶装置を更に含み、注文管理処理を実行する際の作業領域を提供する。
制御部310は、機能単位として判別部3110を含む。本実施形態では、判別部3110は、後述する確認処理(図11)を実行することにより仮想的に実現される機能単位である。
記憶部340は、図10に示す注文管理処理の実行に必要なデータとして、注文管理処理のプログラムのほかに、注文データ3410、品物マスタ3420、会計データ3430、及び、再指示データ3440を記憶する。
注文データ3410は、例えば図3(b)に示すように、ハンディーターミナル10から受信した複数の注文の内容を集計したデータである。図3(b)の例では、また、一度に注文された一つまたは複数の品物を特定する情報を一つのレコードとして、再指示データにおけるレコードの識別子として再指示番号が用いられている。各レコードのデータ項目として、注文を受付けたハンディーターミナル10のID(HTLのID)と、そのハンディーターミナル10におけるその注文の番号(注文番号)と、注文を受付けた時刻(時間)と、顧客のテーブル番号(テーブル番号)と、注文された品物を示す情報(品物ID及び品物名)と、品物の個数(個数)と、を含む。また、再指示に係る品物がいずれの伝票で最初に注文されたかを示す情報として、伝票番号が再指示番号と対応づけて記憶されている。さらに、その注文が通常の注文か、再指示の注文かを識別する情報(種類)が品物を示す情報と対応付けられて記憶されている。
通常の注文とは、顧客がその品物を欲することを最初にフロアスタッフに伝達し、フロアスタッフが調理を初めて厨房に指示する場合に行われる注文を意味する。一方、再指示の注文とは、一度通常の注文が完了した後、再度厨房スタッフに調理を要請する必要が生じた場合に行う注文である。たとえば、調理は終了したが誤配膳が発生した場合や、何らかの原因で厨房スタッフが調理を怠った場合など、本来の配膳先たる顧客に品物が届かなかった場合に、再指示の注文を行う。
品物マスタ3420は、注文処理システム1が設置された店舗において提供される商品である品物のそれぞれに対応して、固有の識別子(品物ID)と、品物の名称(品名)と、単価と、を含む品物情報を格納したデータである。なお、本実施形態では一つの品物は缶ビール一本やゆで卵一つといった一単位の飲食物と、セットメニューや定食メニューといった複数単位の飲食物をまとめたものと、の双方を含む概念である。
会計データ3430は、例えば図4に示すように、顧客が支払うべき勘定(金品)の詳細を記憶したデータである。図4の例では、注文データ3410と同様に一度に注文された一つまたは複数の品物を特定する情報を一つのレコードとして記憶されている。会計データ3430では、各品物の単価と、合計金額(単価と品数の積を合算し、必要に応じて税率やサービス料を加えたもの)と、が品物を特定する情報と対応付けて記憶されている。
再指示データ3440は、例えば図5に示すように、ハンディーターミナル10が受付けた再指示の内容を集計したデータである。図5の例では、一度に再指示を受けた一つまたは複数の品物を特定する情報を一つのレコードとして、識別子として再指示番号が振られている。各レコードのデータ項目として、注文を受付けたハンディーターミナル10のID(HTLのID)と、そのハンディーターミナル10における再指示の注文番号(注文番号)と、注文を受付けた時刻(時間)と、顧客のテーブル番号(テーブル番号)と、注文の伝票番号(伝票番号)と、注文された品物を示す情報(品物ID及び品物名)と、再指示に係る品物の個数(個数)と、を含む。なお、図5の伝票番号は、再指示に係る品物の注文を最初に受けた時の伝票番号を示す。
一般的に、通常の注文には顧客の支払が伴う。一方、再指示の注文には通常顧客の支払は発生しない。そのため、通常の注文は会計の内容に反映させる必要があるが、再指示の注文の内容を会計に反映させることは許されない。注文処理システム1では、注文データ3410において通常の注文と再指示の注文を判別可能な情報(図3(b)の「種類」)と対応付けて記憶している。そのため、再指示の内容を通常の会計と混合することなくハンディーターミナル10から再指示の入力を受付けることで、キッチンディスプレイ50に再調理を指示する画面を表示することができる。そのため、誤配膳などが発生した場合に、人づてに伝えるよりも確実に対応ができるため、顧客満足度を高めることができる。
また、通常注文の内容を会計データ3430に、再指示の内容を再指示データ3440に、それぞれ別々に集計することで、両者を混合するとなく利用することができる。
キッチンサーバ40は、図6に示すように、制御部410と、入力部420と、通信部430と、記憶部440と、KD入出力部450と、プリンタ入出力部460と、を含む。
制御部410は、CPU等の演算装置である。入力部420は、例えばキーボードやマウスといった入力装置を含む。通信部430は、LAN80を通じて無線ルータ20、ステーションサーバ30、及び、POS端末70と互いに通信を行う。記憶部440は、ハードディスクドライブ、フラッシュ‐ROMといった不揮発性の記憶装置を含み、図12に示すKD表示処理の実行に必要なデータを記憶する。記憶部440は、DRAM等の揮発性の主記憶装置を更に含み、KD表示処理を実行する際の作業領域を提供する。
制御部410は、機能単位として合計取得部4110を含む。本実施形態では、合計取得部4110は、後述する図12のアクトA404、A409等を実行することにより仮想的に実現される機能単位である。
記憶部440は、図12に示すKD表示処理の実行に必要なデータとして、KD表示処理のプログラムのほかに、表示用データ4410と、合計データ4420と、を記憶する。
合計データ4420は、例えば図7に示すように、各品物について、ハンディーターミナル10が注文を受付けたが、未だ調理が終了していない品物の合計を、品物ごとに集計したデータである。図7の例では、顧客が注文した品物を特定する情報(品物ID及び品名)と、その品物について調理が終了していないもの総計(合計)と、が対応付けて記憶されている。
表示用データ4410は、キッチンディスプレイ50に表示させる画像データである。具体的には、図8に示すように、品物の名前(メニュー名)と、注文の内容(一度の注文の内容)と、が把握できる画像を表示させるためのデータである。表示用データ4410は、品物の調理を厨房担当スタッフに指示する標示をキッチンディスプレイ50に表示させるためのデータを含む。図8の例では、調理を指示する標示は、調理を要する品物の数を示すローマ数字である。この標示は数字(例えば「4」)に限らず、ユーザー設定に応じて、文字や単語(例えば「Four」)、アイコン画像(例えばその料理を抽象化した画像を4つ並べたもの)等に任意に変更可能である。標示の文字及び画像データと、何れの標示を用いるかを示す設定データは、記憶部440の所定領域に予め記憶される。本実施形態で用いられる、合計の標示や再指示の標示といった他の標示についても同様である。表示用データ4410を、KD入出力部450を介してキッチンディスプレイ50に出力することで、図8の画面がキッチンディスプレイ50に表示される。
図8の例では、一つの伝票No.の内容が横一列で示されている。各列のうち、経過時間の行に数値が表示されている注文が通常の注文である。一方、「再」と表示されている注文が再注文である。テーブルNo.5の注文が再注文であり、テーブルNo.2、4、1、3の注文が通常の注文を示している。一列の注文が一つの伝票の内容に対応している。
図8の表示例は、複数の表示モードのうち「メニュー別表示モード」での表示例である。このモードでは品物IDを示す「ID」の右隣に品物の名称を示す「メニュー名」、そのさらに右隣に合計取得部4110が取得したその品物の「合計」が表示される。横1行が1種類の品物に対応する。合計の数値(合計を示す標示)は、更に右の領域に表示されるテーブルナンバー毎の詳細の標示(注文毎に調理を指示する標示)と区別するために、括弧が付されている。詳細標示が表示される部分は、縦の一列が一度に顧客が注文した品物の集まりを示す。一列のうち注文した品物が1個以上ある行に、その品物の調理を指示する標示として注文された個数が示されている。一列は注文データ3410のレコード1行分に該当する。作業を効率化するため、詳細部分には注文からの経過時間と、配膳先となるテーブルの番号が表示されている。
このように、再指示の注文と通常の注文とを異なる態様で表示することにより、厨房のスタッフが再指示の注文を優先して調理することができる。また、必要に応じて量を増やす、特別な趣向を凝らす、などのサービスを施して再指示が必要となった顧客に対する謝意を表すことができる。このため、顧客満足度を向上することができる。
表示用データ4410による画面出力では、メニュー名の右隣に、注文を受付けたが未だ調理が終了していない品物の合計を示す標示(図8の例では数字)が表示されている。これにより顧客担当者は、合計を示す標示により調理が必要な品物の数がどれほどか品物単位で把握することができる。このため、全体の作業の概要を把握することができるため、作業効率を高めることができる。
注文処理システム1を構成する各装置(ハンディーターミナル(HTL)10、ステーションサーバ(STN)30、キッチンサーバ(KCP)40、キッチンディスプレイ(KD)50、POS端末70等)は、LAN80及び無線LANルータ20が提供する無線通信を介して複数種類のコマンドを送受信して一連の処理を実行する。例えば、ハンディーターミナル10が通常の注文の入力を受付けた場合には、図13に示すような順でコマンドを送受信する。また、ハンディーターミナル10が注文取消の入力を受付けた場合には、図14に示すような順でコマンドを送受信する。また、ハンディーターミナル10が再指示の入力を受付けた場合には、図15に示すような順でコマンドを送受信する。各コマンド及び処理内容については後述する。
次に、注文処理システム1の各装置が実行する処理について説明する。ハンディーターミナル10は、入出力部120のタッチパネルにタッチされる、タッチパネルのカバーを開ける、といった入力開始の動作を感知すると、図9に示す操作受付処理を開始する。
図9の操作受付処理では、制御部110が、受付入力の画面を入出力部120の画面に表示する(アクトA101)。アクトA101では、例えば、図16(a)に示すように、顧客からその品物の注文を初めて受ける「通常の注文入力」か、一旦受けつけた注文を取り消す「取消入力」か、一度注文した品物の再調理を指示する「再指示入力」か、の何れの入力を開始するか選択する画面を表示する。なお、通常の注文入力とは、顧客がテーブルに着いたのち初めて行う「新規注文」にとどまらず、その後追加で新たな品物を注文する「追加注文」を含む。いずれの場合でも、その品物については初めて注文を受けて、顧客に対する請求も発生するからである。
次に、制御部110は、入出力部120が表示した画面に対する操作を受付けたか否かを判別する(アクトA102)。受付けていない場合には(アクトA102:NO)、アクトA102を繰り返して操作を待ち受ける。タッチ操作等を感知した場合には、受付けたと判別し(アクトA102:YES)、アクトA103を実行する。
制御部110は、アクトA103として、受付けた操作が通常注文の入力開始を指定する操作であったか否か判別する(アクトA103)。図16(a)の例で、タッチパネルの「通常」の部位へのタッチ操作を感知した場合など、通常注文を指定する操作と判別すると(アクトA103:YES)、制御部110はアクトA104を実行する(アクトA104)。
アクトA104では、記憶部140から品物マスタ1410を読み出し、提供可能な品物と、顧客が必要とする数と、をホールスタッフが選択可能な態様で入出力部120に表示させる。表示された画面上で、ホールスタッフが顧客から指定された品物と、品物の数(品数)とを入力するまで待ち受ける。ホールスタッフが、顧客がそのとき必要とするすべての品物(1又は複数種類)と、各品物の個数と、を入力する。そして、入力終了の指定を受付けると制御部110はアクトA104を終了する。
次に制御部110はアクトA104で入力された内容をコマンドとして送信する(アクトA105)。送信するコマンドには、アクトA104で入力された、顧客がした通常注文に係る品物の名称(品名)と、品物を特定する識別子(品物ID)と、品物の個数(個数)を特定する情報が含まれる。さらに、注文した顧客に係る情報として、顧客が着いたテーブル番号(テーブル番号)と、注文番号(注文番号)と、注文を受けた時間(時間)と、注文を受けたハンディーターミナル10の番号(HTLのID)と、を特定する情報が含まれる。また、アクトA105で送信するコマンドには、受付けた操作が通常注文であることを特定する情報が含まれる。
テーブル番号は、例えばアクトA104でホールスタッフが入力する。時間は、例えは例えばアクトA104の終了時に時計150から取得する。ハンディーターミナルの番号は記憶部140が記憶するターミナルID1430を読み込めば良い。注文番号は、その日このハンディーターミナルが受付けた注文に対して固有に割り振られた数値であればよい。例えば、最初に受けた注文をNo.101、次に受けた注文をNo.102、とし、以下順に1ずつ加算していけばよい。ステーションIDはステーションターミナルを一意に決定する情報なので、ステーションIDと注文番号とを組み合わせると、注文(伝票)を特定する情報として機能する。
このときハンディーターミナル10(HTL10)からステーションサーバ30(STN30)に送信されるコマンドを、通常注文操作受付コマンド(図13:C1)とも言う。コマンドを送信すると、操作受付処理は終了する。
アクトA103に戻って、通常注文でないと判別すると(アクトA103:NO)、次に制御部110は、アクトA106として、受付けた操作が注文の取消指示の入力開始を指定する操作であったか否か判別する(アクトA106)。図16(a)の例で、タッチパネルの「削除」の部位へのタッチ操作を感知した場合など、取消指示を指定する操作と判別すると(アクトA106:YES)、制御部110はアクトA107を実行する(アクトA107)。
アクトA107では、ホールスタッフが注文済みの品物をキャンセルするための処理(取消メニュー選択処理)を実行する。例えば、制御部110はアクトA107で以下の(1)〜(6)に示す処理を実行する。
(1)現在の顧客が注文した内容を特定したテーブル番号(テーブルNo.)又は伝票番号(伝票No.)を入力する画面を表示する。
(2)制御部110は通信部130を用いて、ステーションサーバ30に現在のテーブル番号又は伝票番号の顧客が注文済みの品物とその個数を問い合わせるコマンド(注文済品問合コマンド、図14:コマンドC11)を送信する。
(3)ステーションサーバ30はこのコマンドに応答して、テーブル番号又は伝票番号をキーとして注文データ3410を検索し、顧客が注文済みの品物の品物IDを含むレコードを抽出する。検索の結果得られたレコードに含まれる各品物の数をコマンド(注文済み品回答コマンド、図14:コマンドC12)として送信する。
(4)制御部110は受信した品物の名称と数を入出力部120にホールスタッフが選択可能な態様で入出力部120に表示させる。
(5)表示された画面上で、ホールスタッフが顧客から指定された品物と、品物の数(品数)とを入力するまで待ち受ける。
(6)ホールスタッフが、取り消すべき全ての品物(1又は複数種類)と、各品物の個数と、を入力し、入力終了を指定すると、制御部110はアクトA107を終了する。
次に制御部110はアクトA107で入力された内容を示すコマンド(取消操作受付コマンド、図14:コマンドC13)をステーションサーバ30に送信する(アクトA108)。取消操作受付コマンドの内容は、取消指示である旨を特定する情報と、取消に係る品名と、品物IDと、品物の個数と、入力されたテーブル番号又は伝票番号と、取消注文の注文番号と、時間と、HTLのIDと、を含む。コマンドを送信すると、操作受付処理は終了する。
アクトA106に戻って、取消指示でないと判別すると(アクトA106:NO)、次に制御部110は、アクトA109として、受付けた操作が再指示の入力開始を指定する操作であったか否か判別する(アクトA109)。図16(a)の例で、タッチパネルの「再指示」の部位へのタッチ操作を感知した場合など、取消指示を指定する操作と判別すると(アクトA109:YES)、制御部110はアクトA110を実行する(アクトA110)。
アクトA110では、図16(b)のように再指示の配膳先となる顧客を特定するための情報として、テーブル番号(テーブルNo.)又は伝票番号(伝票No.)を入力する画面を表示する。次に、図16(c)のように、アクトA104と同様に提供可能な品物と顧客が必要とする数と、をホールスタッフが選択可能な態様で入出力部120に表示させる。そして、表示された画面上で、ホールスタッフが顧客から指定された品物と、品物の数(品数)とを入力するまで待ち受ける。ホールスタッフが、顧客がそのとき必要とするすべての品物(1又は複数種類)と、各品物の個数と、を入力し、入力終了を指定すると、制御部110はアクトA110を終了する。
次に制御部110はアクトA110で入力された内容を示すコマンド(再指示操作受付コマンド、図15:コマンドC21)をステーションサーバ30に送信する(アクトA111)。再指示操作受付コマンドは、再指示である旨を特定する情報と、再指示に係る品名と、品物IDと、品物の個数と、テーブル番号と、注文番号と、時間と、HTLのIDと、を含む。
次に、制御部110はステーションサーバ30からエラー通知コマンドを受信したか否か判別する(アクトA112)。エラー通知コマンド(図15:コマンドC22−1)は、ステーションサーバ30が再指示操作受付コマンドに応答して実行する確認処理において、再指示の内容が不正であると判別した場合に送信される。確認処理については後述する。
例えば、再指示に顧客が注文していない品物が含まれていた場合や、顧客が注文した以上の数の品物が含まれていた場合などにはエラー通知コマンドが送信される。この場合はエラー通知コマンドを受信し(アクトA112:YES)、制御部110はエラー画面を表示する(アクトA113)。エラー画面は、例えば図16(e)のように、ホールスタッフが再指示の内容が不正であったことを理解できるよう、エラーであること明示する画面であればよい。この場合、エラー画面を表示した後、操作受付処理は終了する。
一方、再指示の内容が不正でないと判別された場合には、エラーコマンドは受信せず(アクトA112:NO)、そのまま操作受付処理を終了する。この場合、図16(d)のようにコマンドが正常に送信されたことを示す画面が表示される。
アクトA109に戻って、再指示でないと判別すると(アクトA109:NO)、次に制御部110は、その他の処理を実行する(アクトA114)。その他の処理は、通常の注文、取消、再指示以外の操作を受付けた場合に実行される。処理内容としては、受付けた操作に応じた画面を表示するなど、ステーションサーバ30やPOS端末70、本部の上位サーバといった注文処理システム1の内外の各装置に受付けた入力に応じた情報を伝達する処理であればよい。その他の処理を終了すると、制御部110は操作受付処理を終了する。
次に、ステーションサーバ30が実行する処理について説明する。ステーションサーバ30は、電源投入後、所定の初期動作終了後に他の処理と並行して図10に示す注文管理処理を実行する。本実施形態では、注文管理処理は1/60秒といった所定の間隔で繰り返し実行される。
ステーションサーバ30の制御部310は、まず他の装置からコマンドを受信したか否か判別する(アクトA201)。受信していないと判別した場合には(アクトA201:NO)、そのまま注文管理処理を終了する。一方、受信したと判別した場合には(アクトA201:YES)、コマンドのヘッダ部を解析し、受信したコマンドの送信元がハンディーターミナル10であるか否か判別する(アクトA202)。
送信元がハンディーターミナル10である場合には(アクトA202:YES)、制御部310はコマンドのヘッダ部を解析し、受信したコマンドが再指示の入力を伝達するコマンドであるか否か判別する(アクトA203)。
コマンドが再指示操作受付コマンド(図15:コマンドC21)でない場合には、(アクトA203:NO)、次に制御部310は受信したコマンドが通常注文操作又は取消操作の受付を伝達するコマンドの何れかであるか否か判別する(アクトA204)。コマンドが通常注文操作受付コマンド(図13:コマンドC1)又は取消操作受付コマンド(図14:コマンドC13)の何れかである場合には、アクトA204でYESと判別し(アクトA204:YES)、制御部310は受信したコマンドに基づいて注文データ3410を更新する(アクトA205)。
アクトA205において、通常注文のコマンドであった場合には、図3(b)に示すように、レコードの識別子として数値(伝票番号)を割り振り、記憶部340の注文データ3410にコマンドを受信した順に記憶する。ここで、受信したコマンドの種類が通常注文であることに応じて、種類の項目に通常注文であることを特定する情報(図3(b)の例では「通常」)を品名や品物の数と対応付けて記憶する。
逆に、取消を指定するコマンドであった場合には、そのコマンドが指定するテーブル番号又は伝票番号に登録されている、そのコマンドが指定する品物をそのコマンドが指定する数だけ減少させる。
注文データの更新が終わると、制御部310は受信した通常注文操作受付コマンド又は取消操作受付コマンドの内容を、通信部330を用いてキッチンサーバ40に送信する(アクトA206)。本実施形態では、通常注文操作受付コマンドを受信していた場合には通常注文通知コマンド(図13:コマンドC2)を、取消操作受付コマンドを受信していた場合には取消操作通知コマンド(図14:コマンドC14)を、それぞれ送信する。通常注文通知コマンド及び取消操作通知コマンドは、図3(b)の注文データのうち、受信した操作受付コマンド(通常注文操作受付コマンド又は取消操作受付コマンド)により更新されたレコードの内容を少なくとも含む。あるいは、差分を送信する代わりに、操作受付コマンドを受信するごとに注文データ全体を含むコマンドを送信しても良い。
アクトA206を終えると、制御部310は注文管理処理を終了する。
アクトA203に戻って、受信したコマンドが再指示操作受付コマンドであった場合(アクトA203:YES)、制御部310の判別部3110が次に確認処理を実行する(アクトA207)。
図11の確認処理では、判別部3110はまず図10のA201で受信した再指示操作受付コマンドの内容を取得する(アクトA301)。例えば、記憶部340の所定領域に一時記憶された再指示操作受付コマンドから、品物IDと品物の数と、テーブル番号又は伝票番号を読み込めばよい。
次に、判別部3110は注文データ3410からアクトA301で取得した内容に対応するレコード(一つの伝票分の注文データに該当)を取得する(アクトA302)。具体的には、図16(b)で入力されたテーブル番号又は伝票番号をキーとして注文データ3410を検索し、共通するテーブル番号又は伝票番号のレコードを抽出する。なお、注文データ3410において会計済みの伝票のレコードは削除されているものとする。このためには、後述するその他の処理(アクトA215)などで、POS端末70から会計終了した伝票のデータを受信して、制御部310が注文データ3410から会計終了した伝票に含まれる品物のデータを削除すればよい。あるいは、入力部320から会計を担当したスタッフによる伝票番号の入力を受付けて、該当する伝票の品物のデータを削除する設計も可能である。
次に、判別部3110はアクトA302で取得したレコードに、再指示に係る品物が含まれているか否か判別する(アクトA303)。含まれている場合(アクトA303:YES)、次に再指示に係る品物の数が、A302で取得したレコードに含まれる同じ品物の数以下か否か判別する(アクトA304)。
品物が存在していないと判別した場合(アクトA303:NO)は、判別部3110は再指示の内容は不正と判別し(アクトA305)、確認処理を終了する。再指示に係る品物の数が、A302で取得した注文データで得られた同じ品物の数より大きい場合も(A304:NO)、同様に不正と判別し、確認処理を終了する。一方、品物が存在し(アクトA303:YES)、かつ再指示に係る品物の数がA302で取得した注文データで得られた同じ品物の数以下の場合には(アクトA304:YES)、再指示の内容は不正でないと判別する(アクトA306)。そして、確認処理を終了する。
図10に戻って、確認処理が終わると、制御部310は確認処理の結果が不正であったか否かを判別する(アクトA208)。例えば、記憶部340の所定領域に確保された確認処理の結果を表すフラグの値が不正を示す値であった場合は不正と判別し(A208:YES)、通信部330を用いて再指示操作受付コマンドの送信元のハンディーターミナル10にエラー通知コマンドを送信する(アクトA209)。エラー通知コマンドを送信した後は、注文管理処理は終了する。
アクトA209で送信するエラー通知コマンド(図15:コマンドC22−1)は、例えば再指示操作受付コマンドが不正であることを示す情報が含まれている。オプションで、再指示操作受付コマンドで指定された品物が、そのテーブルでは未だ注文されていな品物であるか、注文された数を超えているか、いずれであるかを明示する内容を含むことで、ハンディーターミナル10に具体的なエラーの内容を表示するようにしてもよい。
A208に戻って、不正でないと判別すると(アクトA208:NO)、再指示操作受付コマンドに基づいて注文データ3410を更新し(アクトA205)、再指示通知コマンドをキッチンサーバ40に送信する(アクトA206)。そして、注文管理処理は終了する。このように、本実施形態では確認処理の結果に応じて再注文の入力を受付けて注文データ3410に反映し、キッチンサーバ40やキッチンディスプレイ50へデータを送信するか否かを判別する。その上で、正当であると判別した品物についてのみ入力の結果を受付けているので、不正を防止することができる。
このとき、受信したコマンドの種類が再指示であることに応じて、種類の項目に再指示の注文であることを特定する情報(図3(b)の例では「再指示」)を品名や品物の数と対応付けて記憶している。また、再指示通知コマンド(図15:コマンドC22−2)は、図3(b)の注文データのうち再指示操作受付コマンドにより更新されたレコードの内容を少なくとも含む。あるいは、差分を送信する代わりに、再指示操作受付コマンドを受信するごとに注文データ全体を含むコマンドを送信しても良い。
アクトA202にもどって、受付けたコマンドがハンディーターミナル10からのものではないと判別すると(アクトA202:NO)、制御部310はこのコマンドの送信元がキッチンサーバ40であるか否か判別する(アクトA211)。受付けたコマンドが、キッチンサーバ40が送信する終了操作通知コマンド(図13:コマンドC4、図15:コマンドC24)である場合には、アクトA211でYESと判別する(アクトA211:YES)。この場合には、品物を配膳する準備ができ、テーブルに伝票を出すタイミングになったので、制御部310は受付けた終了操作通知コマンドが指定する内容に基づき会計データを集計する(アクトA212)。
具体的には、注文データから終了操作通知コマンドが指定するレコードを抽出し、レコードの種別が「通常」である場合には、その内容を図4の会計データ3430に集計する。その際、記憶部340が記憶する品物マスタ3420から、終了操作通知コマンドに含まれる品物IDに対応する品物の価格を読み出して、商品ごとの小計と支払額の合計を算出して記憶する。このとき、抽出したレコードの種別が「再指示」である場合には、その品物は会計の対象にはならないため、アクトA212はスキップする。
次に、受付けた終了操作通知コマンドが指定する内容に基づき再指示データを集計する(アクトA213)。具体的には、注文データから終了操作通知コマンドが指定するレコードを抽出し、レコードの種別が「再指示」である場合には、その内容を図4の再指示データ3440に集計する。このとき、抽出したレコードの種別が「通常」である場合には、アクトA213はスキップする。
アクトA212とアクトA213とで、会計データ3430と再指示データ3440とを集計したのち、制御部310は通信部330を通じてPOS端末70や外部の上位サーバなどに会計データと再指示データを含むコマンド(図13:コマンドC8、図14:コマンドC17、図15:コマンドC28など)を送信する(アクトA214)。そして、注文管理処理を終了する。
このように、会計データ3430と再指示データ3440を区別可能に保存することで、会計が発生しない再指示の内容が会計のデータに混入することで会計データに誤差が生じることを防ぐことができる。また、再指示のデータをPOS端末70や上位サーバで蓄積することができる。蓄積したデータを解析し、再指示が多く発生する時間や店舗、担当者、メニューといった情報を把握することで、サービス向上に活用できる。
なお、ここでは会計データ3430と再指示データ3440を別のファイルとして保存したが、再指示の注文内容と、通常の注文内容とに異なるラベルを付けて同一のファイルに保存するなど、両者を混合しない任意のデータ保存方法で代用できる。
アクトA204でNOと判別された場合(アクトA204:NO)及び、アクトA211でNOと判別された場合には、制御部310は受信したコマンドに応じたその他の処理を実行する(アクトA215)。そして、注文管理処理を終了する。アクトA215で実行される処理には、例えばPOS端末70から会計が終了した伝票を示すコマンドを受信したことに応答して、注文データ3410から当該伝票のレコードを削除する処理が含まれる。
次に、キッチンサーバ40が実行する処理について説明する。キッチンサーバ40は、電源投入後、所定の初期動作終了後に他の処理と並行して図12に示すKD表示処理を実行する。本実施形態では、KD表示処理は1/60秒といった所定の間隔で繰り返し実行される。
キッチンサーバ40の制御部410は、まず他の装置からコマンドを受信したか否か判別する(アクトA401)。受信していないと判別した場合には(アクトA401:NO)、そのままKD表示処理を終了する。一方、受信したと判別した場合には(アクトA401:YES)、コマンドのヘッダ部を解析し、受信したコマンドの送信元がステーションサーバ30であるか否か判別する(アクトA402)。
送信元がステーションサーバ30である場合には(アクトA402:YES)、制御部410はコマンドのヘッダ部を解析し、受信したコマンドが通常注文又は再指示を通知するコマンドの何れかであるか否か判別する(アクトA403)。コマンドが通常注文通知コマンド(図13:C2)又は再指示通知コマンド(図15:C22−2)の何れかである場合には、アクトA403でYESと判別し、制御部410は受信したコマンドに基づいて合計データを加算する(アクトA404)。
本実施形態では、制御部410の合計取得部4110が、図7に例示した合計データ4420の各レコードのうち、通常注文通知コマンド又は再指示通知コマンドに含まれるすべての注文に係る品物について、このコマンドが指定する数量分だけ合計数を増加させる。
アクトA404が終わると、制御部410は受信したコマンドが通常注文を通知するコマンドであるか否か判別する(アクトA405)。通常注文を通知するコマンドである場合には(アクトA405:YES)、制御部410はKD入出力部450を介して通常注文を反映した画面を表示するコマンドをキッチンディスプレイ50に送信する(アクトA406)。
ここで送信される表示コマンド(図13:コマンドC3)は、現在表示している画像に新たに受信した通常注文に係る品物の調理を指示する標示を加えるためのものである。コマンドの具体的な内容は、工場出荷時の設定及びその後のユーザー設定により決まる。例えば図8の画面を表示中である場合には、合計の標示を合計取得部4110が新たに取得した合計に対応するローマ数字(合計の標示)に更新したうえで、右端の列にテーブルNo.と経過時間、注文された品物に対応する標示(詳細の標示:括弧がつかないローマ数字)を加えた画像を作成する。そして、作成した画像をKD入出力部450に配信し、キッチンディスプレイ50に表示させればよい。
アクトA406を終了すると、制御部410はKD表示処理を終了する。
アクトA405に戻って、通常注文でなく再指示のコマンドを受信したと判別すると(アクトA405:NO)、制御部410は再指示の表示コマンドを送信する(アクトA407)。
アクトA407で送信される表示コマンド(図15:コマンドC23)は、現在表示している画像に新たに受信した再指示(品物の再調理の指示)の標示を加えるためのものである。コマンドの具体的な内容は、工場出荷時の設定及びその後のユーザー設定により決まる。
図8を例にとって具体的に説明する。図8の画面の縦各列のうち、通常注文に係る列(経過時間がローマ数字で表示されている列)とは異なる態様で表示されている列(テーブルNo.5の列)が再指示の標示である。まず、現在の合計を表している標示を、合計取得部4110が新たに取得した合計に対応するローマ数字に更新したうえで、詳細表示の先頭の列に再指示に係る品物の表示を含む列を挿入した画像を作成する。このとき、制御部410は経過時間の欄に再指示であることを示す記号として通常注文に係る標示とは異なる態様の標示「再」を配置する。さらに、再指示に係る品物(ここでは料理4)の標示(ここではローマ数字「1」)を通常注文とは異なる態様としての太文字のフォントとする。そして、作成した画像をKD入出力部450に配信し、キッチンディスプレイ50に表示させればよい。
このとき、制御部410は、再表示に係る品物の調理を指示する標示が他の品物よりも優先的に調理するよう指示する態様でキッチンディスプレイ50に表示される画像を作成する。図8では、左に表示されている品物ほど優先的に調理されるべき品物である。そこで、制御部410は再調理に係る注文の品物の調理を指示する標示(ここでは調理指示の詳細標示のローマ数字を含む縦の列全体)を、注文を受けた時刻に関わらず他の品物よりも左側に挿入した画像を作成する。
上述のような処理により、再指示のコマンドに応じてキッチンディスプレイ50の画面に通常の注文とは異なる態様(経過時間の表示と数字の太さ・濃さ)で、品物の再度の調理を指示する標示を出力(表示)することができる。そのため、厨房の調理スタッフは再指示に係る品物を通常の注文に係る品物と区別して認識することができるため、優先調理などの必要な対策を講じることができる。そのため、顧客満足度が高くなる。
なお必須の機能ではないが、図8の例では、再指示に係る品物と同時に注文されたがすでに調理が終了し、再指示には含まれていない品物(料理2、ドリンク2)が調理済みであることを示す態様(標準よりも薄い色と斜めの取り消し線)で示されている。このためには、例えば記憶部440に過去に表示した内容の履歴を記憶しておき、再指示通知のコマンドを受信したときに対応する伝票番号の注文の表示を復活させる方法を用いることができる。これにより、厨房スタッフは再指示に係る品物がどの注文に含まれるものであったか容易に思い出すことができる。
アクトA407を終了すると、制御部410はKD表示処理を終了する。
アクトA403に戻って、通常注文でも再指示でもないと判別すると(アクトA403:NO)、制御部410は次に受信したコマンドが取消操作に係るコマンドであるか否か判別する(アクトA408)。
受信したコマンドが取消通知コマンド(図14:コマンドC14)である場合には、アクトA408で取消操作に係るコマンドであると判別する(アクトA408:YES)。この場合、制御部410は受信したコマンドに基づいて合計データを減算する(アクトA409)。減算後の数値は、取消に係る品物の、取消後の合計にあたる。
本実施形態では、制御部410の合計取得部4110が、図7に例示した合計データ4420の各レコードのうち、取消通知コマンドに含まれるすべての取消指示に係る品物について、このコマンドが指定する数量分だけ合計数を減少させる。
次に、制御部410は減算後の表示コマンドを送信する(アクトA410)。取消通知コマンドに応答した減算後の表示コマンド(図14:コマンドC15)は、現在表示している画像に、以下の(1)と(2)の変更を加えた画像を表示させるためのものである。
(1)注文別に数量で表示された調理指示のうち、取消に係る品物の標示を通常の態様から取消されたことを示す態様(図8の例では2重取り消し線を重ねた態様)に変更する。
(2)取消に係る品物の合計の標示を、合計取得部4110がアクトA409で減算した後の数値に対応する標示に更新する。
制御部410は、現在表示している画像に上記(1)、(2)の変更を加えた画像を作成し、作成した画像をKD入出力部450に配信し、キッチンディスプレイ50に表示させる。
次に、制御部410は減算後の表示コマンドを送信した後所定時間待機する(アクトA411)。例えば、この待機時間は、取消に係る品物の標示が、通常の調理指示から取消の態様に変更されたのち、キッチンディスプレイ50の表示画面上から削除されるまでの時間である。待機時間は例えば15秒、30秒、1分といった所定の時間である。待機時間の設定は、工場出荷時に記憶部440の所定領域に予め記憶させる。あるいは、ユーザーが入力部420を用いて任意に設定する。
所定時間待機した後、制御部410は削除後の表示コマンドをキッチンディスプレイ50に送信する(アクトA412)。そして、KD標示処理は終了する。取消に係る削除後の表示コマンド(図15:コマンドC16)は、現在表示している画像から、削除された品物の調理を指示する標示を削除した画像を表示させるためのコマンドである。制御部410は現在表示している画像から、削除された品物の調理を指示していた標示を削除した画像を作成する。そして、作成した画像をKD入出力部450に配信し、キッチンディスプレイ50に表示させればよい。
例えば、図8の例では2重取り消し線を取り消された「料理5」の行の「テーブルNo.4」の列の数字「1」の文字が、テーブル1番の顧客が注文した品物である、料理5を調理することを指示する標示である。2重取り消し線は、取消を受けたことを意味する。アクトA412では、2重取り消し線とこの「1」の数値を削除した画像を作成して、キッチンディスプレイ50に表示させる。
アクトA410で減算後の合計を表示した後に品物の調理を指示していた画像を削除するので、調理担当者は削除された品物についての情報を目視する時間がある。その一方、今調理が必要な品物の合計については減算されたタイミングですぐに表示されるため、調理担当者が全体の処理の概要を遅滞なく確認することができる。そのため、調理の効率が高い。
なお、一旦削除された品物の標示が、再指示や履歴の表示によりもう一度表示される場合があるが、その場合も品物の調理を指示していた画像の削除に該当する。
アクトA402に戻って、受信したコマンドの送信元がステーションサーバ30でないと判別すると(アクトA402:NO)、次に制御部410はコマンドの送信元がキッチンディスプレイ50であるか否か判別する(アクトA413)。送信元がキッチンディスプレイ50であると判別すると(アクトA413:YES)、次に受信したコマンドが調理終了操作の受付コマンドであるか否かを判別する(アクトA414)。
受信したコマンドが終了操作受付コマンド(図13:コマンドC4、図15:コマンドC24)である場合に、制御部410は調理終了操作の受付コマンドであると判別する(アクトA414:YES)。この場合、制御部410はアクトA409で調理が終了した品物について、調理が終了した数だけ減算する(アクトA409)。減算後の数値は、調理終了に係る品物の、調理終了後の合計にあたる。
なお、本実施形態では、終了操作受付コマンドは注文単位又はテーブル単位で表示される調理指示へのタッチ操作を受付けた旨を通知するコマンドである。同時に注文された同じ品物は同時に調理する前提で、調理指示として数値が表示されている部位をタッチすると、その品物がその数値分だけ調理が完了した旨のコマンドが送信される。あるいは、調理を終了した品物の数量として、キッチンディスプレイ50の画面上で厨房担当者が任意の数値を入力する構成を採用することも可能である。また、入力方式の変形例として、調理指示が表示されている品物をボタン操作やマウスで選択するといった既知の任意の方法が挙げられる。
終了操作受付コマンドを受信した場合、次のアクトA410において制御部410は、減算後の表示コマンドとして、調理終了に係る品物の調理を指示していた標示の態様を調理終了の態様に変化させる表示コマンド(図13:コマンドC5、図15:コマンドC25)を送信する。図8の例では、調理済みであることを示す指標は通常注文に係る品物より薄い色の数値で表示され、斜めの取り消し線が引かれている。
アクトA410の終了後は、制御部410は終了操作受付指示を受信した場合も取消通知を受信した場合と同様に所定時間待機する(アクトA411)。そして、終了操作に係る品物の調理指示をしていた表示を削除する表示コマンド(図13:コマンドC7、図15:コマンドC27)を送信する(アクトA412)。そして、KD表示処理を終了する。
なお、アクトA411で所定時間待機するにあたって、実行中のKD表示処理を続行してもよいが、一旦KD表示処理を終了する構成も採用可能である。この場合には、制御部410はアクトA411で待機時間を示すカウンターをセットする。そして、次回以降に実行されるKD表示処理でカウンターを更新し、カウンターが所定時間経過を示す値となったタイミングで削除の表示コマンドを送信する。
アクトA408でNOと判別されるか(アクトA408:NO)、アクトA413でNOと判別されるか(アクトA413:NO)、アクトA414でNOと判別された場合(アクトA408:NO)、制御部410は受信したコマンドに応じたその他の処理を実行する(アクトA415)。
例えば、キッチンディスプレイ50が調理終了以外の操作を受付けた場合には、制御部410は受付けた操作に応じた処理を実行する。また、ステーションサーバ30から通常注文、再指示、取消を通知するコマンドのいずれでもないコマンドが送信された場合に、そのコマンドに応じた処理を実行する。さらに、外部の上位サーバやPOS装置70等からコマンドを受信した場合にも、そのコマンドに応じた処理を実行する。
また、アクトA415には、会計伝票や配膳伝票の印刷が含まれる。例えば、同じ伝票番号に係る品物についてすべて終了操作を受付けた場合に、品物の名称と数とテーブル番号とをプリンタ入出力部460を介してキッチンプリンタ60に出力させる。このとき、再指示に係る品物については通常注文に係る品物とは異なる態様で印刷する。例えば、「再指示」の表示や、「配膳遅れ発生のため注意」といった注意書きを合わせて印刷する、品物を表す文字の色を変える、といった方法が挙げられる。
また、会計伝票は同じテーブル番号の顧客が注文した全ての品物について調理終了操作を受付けたときに印刷される。具体的な処理例としては、調理終了操作に応答して、その内容をコマンド(終了操作通知コマンド、図13:コマンドC6、図15:コマンドC26)としてステーションサーバ30に伝達する。さらに、ステーションサーバ30の制御部310が、終了操作の内容を注文データ3410が記憶する当該テーブル番号の品物(及び品物の数)と比較する。そして、ステーションサーバ30がすべての品物が調理済みであると判定した場合に、当該テーブル番号に係る会計データをキッチンサーバ40にコマンドとして送信する。キッチンサーバ40は、受信した会計データの内容をキッチンプリンタ60に出力して会計伝票を印刷すればよい。
上述の処理により、再指示の内容を調理スタッフのみならず配膳にかかわるスタッフにも確実に伝えることで、顧客満足度を高めることができる。さらに、複雑な操作をする必要なく、POS端末70等を用いて再指示の内容が混入しない会計処理が可能となる。そのため、再指示に係る品物を適宜調理して配膳先に届けることができる上に、適正な会計処理も可能であるため、高い顧客満足度と作業効率を両立させることができる。
その他、アクトA415に係るその他の処理については、工場出荷時及び注文処理システム1の設置者が自由に設定する。
アクトA415のその他の処理が終了すると、制御部410はKD表示処理を終了する。
本実施形態の注文処理システム1では、ハンディーターミナル10の入出力部120が、過去に注文を受付けた中で、未だ配膳先に届いていない品物の調理を再指示する入力を受付ける。そして、キッチンサーバ40の制御部410が、受付けた入力に応じて、品物の調理を再指示する標示(図8における、経過時間の欄が「再」の文字である縦列に配置されるローマ数字など)を一度目の調理指示(図8における、経過時間の欄がローマ数字である縦列に配置されるローマ数字など)とは異なる態様(経過時間の欄の標示が「再」とローマ数字で異なる部分など)でキッチンディスプレイ50に表示させる。
そのため、キッチンディスプレイ50の画面を見ることで、調理担当のスタッフは再再指示に係る品物を、そうでない品物(通常の注文に係る品物等)と区別できる。このため、再指示の際に生じた顧客の不快感に対処できる。よって、顧客満足度が高い。
特に、再指示の入力は、誤配膳や調理し忘れが発生して、注文した顧客からホールスタッフに未配膳である旨のクレームが入った場合に行われることが想定される。本実施形態の注文処理システム1では、このような場合でも、通常の注文と区別して再指示の注文を厨房のスタッフに正確に伝達することができる。そのため、更なるクレームの発生などを防ぐことができる。
また、ハンディーターミナル10の入出力部120が受付けた入力に基づいて、注文済みの品物を登録した注文データ3410を記憶する記憶部340と、記憶部340が記憶した注文データ3410に基づいて、品物の再指示が正当か否かを判別する判別部3110と、を更に備え、図11の確認処理で判別部3110が正当である(不正で無い)と判別した品物についてのみ、再指示の入力を受付ける。
このため、一度も注文されていない品物や注文された数を超える品物について、会計を伴わない再指示を受付ける恐れがなく、不正行為を防止することができる。
また、記憶部340が、注文を行った顧客の会計データ3430を記憶すると共に、会計データ3430とは異なる再指示データ3440としてハンディーターミナル10が受付けた再指示の内容を記録する。そして、通信部330が再指示データ3440と会計データ3430とを出力する。
このため、再指示の内容と会計の内容とを混合せず利用することができる。
また、再指示に係る品物については再指示されていない品物より優先して調理することを指示する標示をキッチンディスプレイ50に表示させる。
このため、再指示の必要が生じたため、不快を感じている顧客の配膳待ち時間を短縮することができる。
(変形例)
以上、注文処理システム1について説明したが、本願の注文処理システムは上述の実施形態に限らず様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態1ではステーションサーバ30とキッチンサーバ40とは別体の装置として説明した。しかし、ステーションサーバ30とキッチンサーバ40の機能を同一の装置に組み込むことも可能である。さらに、ステーションサーバ30やキッチンサーバ40が担う機能を複数のサーバ装置で分担しても良い。
また、上述したオーダーデータ1420、注文データ3410、会計データ3430、再指示データ3440、合計データ4420などのデータ構造は実施形態1で例示した構造に限らない。例えば、実施形態1では注文された品物を示す情報として、品名と品物IDを併用していたが、品物IDだけを保存しても良い。この場合は、品名を出力するにあたって、品物IDをキーとして品物マスタ3420を検索し、対応する品名を抽出して利用すればよい。
また、各種コマンドの送受信のタイミングは、図13〜図15に限らない。例えば、キッチンサーバが終了通知コマンドと削除後の表示コマンドを送信するタイミングは互いに前後しても良い。さらに、上記実施形態では新たな注文の入力があった場合にのみステーションサーバ30がキッチンサーバ40へ注文データ3410の差分を示すコマンドを送信した。また、調理終了の入力があった場合にのみ、終了操作を通知するコマンドをキッチンサーバ40がステーションサーバ30へ送信した。これに変えて、注文や入力の有無にかかわらず、30秒や1分といった所定の周期毎に、ステーションサーバ30とキッチンデータ40とで相互にコマンドを送受信してもよい。このようなタイミングでコマンドを送受信すれば、複数のサーバ装置間で注文データ3410、会計データ3430、再指示データ3440、表示用データ4410、合計データ4420といった集計データを周期的に同期することができる。
また、キッチンディスプレイ50に表示される画面として、図8のように各行に同じ品物をまとめて表示する例を挙げて説明した。他の表示例として、図17のように、同じテーブルで同時に注文された品物をまとめて表示する態様が挙げられる。図17の画像では、詳細表示として一つの伝票に含まれる品物とその品物の数が対応付けて表示されている。また、ここでは画面左上から右下に向かって調理の優先度が高い。そのため、実際に入力された時刻に関わらず、通常の注文とは異なる再指示の標示(「復活」の印)を伴う調理指示は、他の再指示に関わらない品物の調理指示よりも優先度が高い左上に表示される。
また、再指示の品物を示す態様は、上述した例に限らず調理担当者が再指示とは異なる通常注文に係る品物と識別可能であればよい。例えば文字による表示に限らず、色の違いやアイコンの違いなどによって、再指示である旨を表示しても良い。
また、上述の実施形態では、再指示の入力において全てのメニューが入力可能であった。しかし、取消の入力時と同様に、入力開始時に注文済品問合せコマンドを送信して予め再指示に係るテーブル番号(又は伝票番号)の注文済みの品物のみを入力可能としても良い。この場合、例えば次のような順に処理を実行する。(1)ハンディーターミナルが注文品問合コマンドを送信する。(2)ステーションサーバがこのコマンドに応じて注文データを検索し注文済みの品物のデータを抽出する。(3)ステーション が抽出したデータのコマンドをハンディーターミナルに送信する。(4)ハンディーターミナルがこのコマンドに基づいて注文済みの品物のみを注文した数を上限として選択可能な入力画面を表示する。
この場合、上記(1)〜(4)の機能を担う部分が、実施形態1の判別部3110に相当する。このような構成でも、正当である(不正で無い)と判別した品物についてのみ、再指示の入力を受付けることができる。この変形例によれば、予め再指示が可能な品物のみが選択可能な態様でハンディーターミナルに表示されるので、ホールスタッフの入力作業の能率が向上する。
また、上記実施形態では、すべてのホールスタッフが再指示を入力可能であったが、特定のホールスタッフだけが再注文できる構成を採用しても良い。例えば、図16の(a)の入力画面で担当者を入力させ、図11の確認処理において担当者が有資格者か否かを判別すればよい。このような構成によれば、経験の少ないスタッフが誤って再指示入力を行い、店舗の業務を混乱させることを防ぐことができる。
また、上記実施形態及びその変形例では、再指示の標示と品物毎の合計標示を同時に実現した。しかし、再指示の標示のみが必要な場合は、合計標示の機能を削除した構成も可能である。
ハンディーターミナル10、ステーションサーバ30、キッチンサーバ40が担う注文処理システム1の中核的な機能の一部又は全部は、専用のハードウェアに限らず、汎用のCPUと、揮発性のメモリと、不揮発性記憶装置と、通信装置と、を備えた家庭用のタブレット端末、パーソナルコンピュータ又は業務用コンピュータでも代替することができる。例えば、操作受付処理(図8)、注文管理処理(図9)、確認処理(図10)又はKD表示処理(図11)のプログラムを、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、といったコンピュータ読み取り可能な不揮発性媒体に記憶して配布する。配布された媒体からこれらのプログラムをインストールすることで、汎用のコンピュータを上述のハンディーターミナル10、ステーションサーバ30又はキッチンサーバ40として機能させることができる。
また、不揮発性媒体に記憶して配布する代わりに、上述のプログラムをFTP(File Transfer Protocol)サーバ等の配信手段を用いて、インターネット経由で配布することもできる。さらに、プログラム本体をダウンロード配布する代わりに、SAAS(Software as a Service)、ASP(Active Server Pages)といった形態でサーバコンピュータ上に展開したソフトウェアにアクセスした端末を、注文処理システム1を構成する装置として機能させても良い。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。