以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る飲食店向けオーダーおよび支払サービスの概念図を示す。101は飲食店向けオーダーおよび支払サービスを実現するサーバ、102は飲食店に配置されるPOS(Point of sale)システム、103は飲食店に来店する顧客が保有する顧客端末(スマートフォンなど)、105は各種の銀行決済システムを示す。サーバ101と決済システム105は専用線104を介した相互通信が可能である。サーバ101とPOSシステム102と顧客端末103は、インターネット100を介した相互通信が可能である。111は飲食店に配置されたテーブルを示し、該テーブル111にはQRコード(登録商標)112が貼付されている。QRコード(登録商標)112は、少なくとも、本サービスを実現するシステム内で当該飲食店を一意に特定できる識別子である飲食店IDと、当該飲食店内でテーブルを一意に特定できる識別子であるテーブルIDを含む。
顧客端末103には、予め本サービスを利用するための1つのアプリがインストールされている。また、顧客は、顧客端末103の該アプリで、予め本サービスに対する登録操作を実行している。この登録操作により、当該顧客には本サービス内で当該顧客を一意に特定できる顧客IDが付与され、またその顧客に関する氏名などの各種情報がサーバ101の顧客データベースに登録される。
顧客は、当該飲食店に来店し、顧客端末103にて上記アプリを起動し、着席したテーブル111のQRコード(登録商標)112を読み取る(QRコード(登録商標)による情報連携121)。顧客端末103は、読み取ったQRコード(登録商標)112の情報(飲食店IDとテーブルID)に顧客IDなどの情報を付加した来店情報を、サーバ101に送信する。サーバ101は、該来店情報を受信して、当該顧客に対する来店管理を開始し、当該飲食店の飲食物のメニューデータを当該顧客端末103に送信する。顧客端末103のアプリは、受信したメニューデータを表示する。
顧客は、顧客端末103に表示されたメニューデータを参照して、商品を注文する。その注文(オーダー)情報は、顧客端末103からサーバ101にインターネット100を介して送信される。サーバ101は、そのオーダー情報を当該飲食店のPOS端末にインターネット100を介して送信する。飲食店は、POS端末から出力されるオーダー情報に応じた商品(飲食物)を用意して当該顧客に提供する。
顧客が飲食終了後、顧客端末103にて会計処理を指示すると、顧客端末103に、そのテーブルにおいて注文した商品の価格の総計と支払方法の選択肢が表示される。顧客が、顧客端末103により支払方法を指定すると、精算額入力画面が表示される。本実施形態では、支払方法として、現金、クレジットカード、または銀行口座からの引落のいずれかを指定できるものとする。顧客が、顧客端末103の精算額入力画面により精算金額を入力して精算を指示すると、精算依頼がサーバ101にインターネット100を介して送信される。サーバ101は、顧客により指定された支払方法によって精算を行う。特に、クレジットカードまたは銀行口座からの引落が指示されたとき、サーバ101は、専用線104を介して各決済システム105に精算を指示する。各決済システム105は、その指示に応じてクレジットカードによる決済や代金回収による決済を実行し、その結果をサーバ101に返す。サーバ101は、決済が完了したことを示すQRコード(登録商標)を顧客端末103に送信する。顧客端末103に当該QRコード(登録商標)が表示されるので、顧客は、表示されたQRコード(登録商標)を飲食店POSシステム102に提示し、退店する。飲食店POSシステム102は、そのQRコード(登録商標)を読み取って、当該顧客の精算が完了したことを確認する。
図2は、図1で説明した飲食店向けオーダーおよび支払サービスを実現するシステムのハードウエア構成を示す。なお、各図において、同じ付番は同じものあるいは対応するものを表すものとする。
本システムは、インターネット100に接続された、顧客端末103、飲食店POS端末102、および、飲食店向けオーダーおよび支払サービスサーバ101を備える。サーバ101には、専用線を介して決済システム105が接続されている。サーバ101は、顧客DB(データベース)221、飲食店DB222、精算管理DB223、注文管理DB224、および精算分割管理DB225を備える。これらのDBの詳細については図5で詳しく説明する。決済システム105は、決済処理に必要な情報を保持するDB231を備える。
図3は、飲食店向けオーダーおよび支払サービスの処理の流れを示す概要図である。301は顧客が実行する操作などを、302はサーバ101が実行する処理を、303は飲食店における処理を、304は決済システム105における処理を、それぞれ示す。(1)〜(12)は、顧客が来店してから退店するまでの動作や処理などを順に示したものである。
(1)で顧客来店すると、311に示すように、その顧客は自己の保有する顧客端末103で、飲食店のテーブルに付されているQRコード(登録商標)112を読み取る。(2)で顧客端末103からサーバ101に来店情報を送信する。サーバ101は、来店管理/メニュー配信処理321により、(3)のように当該飲食店のメニュー情報を顧客端末103に配信して表示させる。312は顧客端末103に表示されたメニュー例を示す。
顧客はメニューを参照し、(4)に示すように、端末103上で商品(飲食物)を注文する。そのオーダー情報は、サーバ101のオーダー管理処理322で受信される。オーダー管理処理322は、(5)に示すように、そのオーダー情報に基づいて、注文された飲食物の種類と数量などの情報を飲食店のPOS端末102に送信する。POS端末102は、331に示すように、(6)厨房への通知を行う。322は注文された商品の調理などを行う飲食店内の動作を示す。用意された商品は、(7)のように当該顧客に提供される。以上の(4)から(7)の処理・動作は、顧客の注文ごとに繰り返される。
飲食が終了し、顧客が端末103により会計処理を開始し、(8)に示すように会計方法を指定すると、313に示すように、端末103に精算金額入力画面が表示される。なお、当該テーブルで注文された商品の合計金額などはサーバ101が管理しており、その合計金額がサーバ101から端末103に送られて表示される。顧客が端末103により精算金額を入力して精算を指示すると、(9)に示すように精算依頼がサーバ101の会計管理処理323に送信される。会計管理処理323は、指定された精算方法がクレジットカードの場合は、(10)−1に示すように、クレジットカード決済システム341に精算を指示し、指定された精算方法が代金回収の場合は、(10)−2に示すように、代金回収決済システム342に精算を指示する。精算処理が終了したら、会計管理処理323は、(11)に示すように会計完了を示すQRコード(登録商標)を携帯端末103に送信して表示させる。314はそのQRコード(登録商標)を表示した端末103の表示例を示す。顧客は、端末103の画面314を飲食店に提示して退店する。
図4は、図3の(9)〜(11)の動作・処理のうち銀行口座からの引落による代金回収に係る流れを詳細に記載したものであり、代金回収時の情報と資金の流れを示す概要図である。図3と同じものは同じ付番を付した。411は顧客の銀行口座が存在するA銀行システムを示し、431は飲食店の銀行口座が存在するB銀行システムを示す。(1)〜(8)は、代金回収の動作や処理などを順に示したものである。
顧客端末103の画面313から(1)に示すように精算が指示されると(図3の(9)に対応)、顧客端末103からサーバ101の会計管理処理323に精算依頼が送られる。会計管理処理323は、(2)に示すように代金の回収依頼を代金回収決済システム342に要求する。代金回収決済システム342は、(3)に示すように、当該飲食店の銀行口座が設けられているB銀行システム431に対して代金回収依頼を要求する。B銀行システム431は、その代金回収依頼に応じて、(4)に示すように、当該顧客の銀行口座が設けられているA銀行システム411に対して引落依頼を要求する。A銀行システム411は、その引落依頼に応じて当該顧客の銀行口座から当該飲食店の銀行口座へ、(5)に示すように、指定された金額を引き落とす処理を実行し、その引落結果をB銀行システム431に通知する。B銀行システム431は、(6)に示すように回収結果を代金回収決済システム342に通知する。代金回収決済システム342は、(7)に示すように、サーバ101の会計管理処理323に回収結果を通知する。会計管理処理323は、(8)に示すように会計結果を当該顧客端末103に通知する。
図5(a)は、顧客DB221の構成例を示す。顧客DB221は、顧客を一意に識別するIDである顧客ID、パスワード、顧客の氏名、電話番号、電子メールアドレス(E-mail)、銀行口座情報、および、クレジットカード情報などの項目を記憶するDBである。顧客DB221の主キーは「顧客ID」である。本サービスの利用を希望する顧客が、後述する顧客登録処理(図8)で顧客登録の申込を行うことにより、顧客DB221に当該顧客に対応する顧客レコードが登録される。顧客DB221への登録については、図8で詳しく説明する。
図5(b)は、飲食店DB222の構成例を示す。飲食店DB222は、飲食店を一意に識別するIDである飲食店ID、飲食店の店名、住所など、メニューデータ、および、銀行口座情報などの項目を記憶するDBである。飲食店DB222の主キーは「飲食店ID」である。本サービスの利用を希望する飲食店が予め登録の申込を行うことにより、飲食店DB222に当該飲食店に対応する飲食店レコードが登録される。
図5(c)は、精算管理DB223の構成例を示す。精算管理DB223は、当該精算管理DB223の各精算管理レコードを一意に特定できるIDである精算番号、精算日時、飲食店ID、テーブルID、注文開始日時、精算金額、および、精算ステータスなどの項目を記憶するDBである。精算管理DB223の主キーは「精算番号」である。顧客が来店して、図3の(1)および(2)で説明したように、テーブルのQRコード(登録商標)112を読み取りサーバ101に来店情報を送信したとき、サーバ101は、新たにその飲食店のテーブルに対して一意に精算番号を付与し、精算管理DB223に1レコードを追加する。精算管理DB223への登録については、図9で詳しく説明する。
図5(d)は、注文管理DB224の構成例を示す。注文管理DB224は、その注文が為されたテーブルの精算番号、その精算番号で行われた注文を一意に識別するIDである注文番号、注文日時、飲食店ID、テーブルID、顧客ID、並びに、注文商品および品数などを記憶するDBである。注文管理DB224の主キーは「精算番号」と「注文番号」であり、「精算番号」は外部キーである。顧客が、図3の(4)で説明したように顧客端末103から注文を行うと、オーダー情報が顧客端末103からサーバ101に送信され、サーバ101は、そのオーダー情報に応じた1レコードを注文管理DB224に追加する。注文管理DB224への登録については、図10で詳しく説明する。
図5(e)は、精算分割管理DB225の構成例を示す。精算分割管理DB225は、精算する対象の精算番号、その精算番号での精算を分割する精算分割番号、顧客ID、決済手段、精算金額、および、精算分割ステータスなどを記憶するDBである。精算分割管理DB225の主キーは「精算番号」と「精算分割番号」であり、「精算番号」は外部キーである。顧客は図3の(8)(9)や図4の(1)で説明したように顧客端末103から精算の開始を指示するが、グループで来店して複数人で分割して精算する場合もあるので、精算分割管理DB225を設けている。精算分割管理DB225への登録については、図10で詳しく説明する。
図6および図7は、本サービスで顧客端末103に表示される画面例を示す。これらの画面例については、図8以降で説明する処理の流れの中で詳しく説明する。
図8は、顧客登録処理の流れを示す。なお、事前の準備として、本サービスの利用を希望する顧客は、自己が保有する顧客端末103に、本サービスを利用するためのアプリをインストールしておく必要がある。顧客は、その1つのアプリをインストールするだけで、本実施形態で説明する全てのサービスを受けることができる。以下で説明する顧客端末103の処理は、顧客端末103において当該アプリを実行することによる処理である。
図8において、顧客が顧客端末103で前記アプリを起動し、顧客登録の申込操作(図6(a)の画面601の登録ボタン602のタッチ操作)を行うと、ステップ801で、顧客端末103は、インターネット100経由で登録リクエストをオーダー支払サービスサーバ101に送信する。サーバ101は、ステップ811で、そのリクエストに応じて登録画面のデータを送信し、顧客端末103に表示する。ステップ802で、顧客が顧客端末103の登録画面上で氏名やパスワードなどの顧客情報を入力し、ステップ803で、入力された顧客情報を送信する。サーバ101は、ステップ812で顧客情報を受信し、ステップ813で一意に顧客IDを割り当てて、顧客DB221に登録する。これにより、図5(a)の顧客DB221に当該顧客に関する1レコードが登録される。サーバ101は、ステップ814で登録完了を通知し、顧客端末103は、ステップ804でその登録完了通知を表示し、顧客登録の処理を終了する。登録完了通知には、割り当てられた顧客IDが含まれており、顧客に顧客IDを知らせている。
上記のように登録が済んでいる顧客は、飲食店に来店したとき、顧客端末103の前記アプリを利用して注文から精算までを実行できる。まず、顧客が顧客端末103にて前記アプリを起動すると、顧客端末103に図6(a)のアプリ起動画面601が表示される。602は登録ボタン、603はログインボタンである。ログインボタン602をタッチすると、顧客端末103は、図6(b)のログイン画面を表示する。ログイン画面611において、612は顧客ID入力欄、613はパスワード入力欄、614はOKボタン、615はキャンセルボタンである。顧客が、顧客ID入力欄612に自己の顧客IDを入力しパスワード入力欄613にパスワードを入力してOKボタンをタッチすると、顧客端末103とサーバ101との間でパスワードのチェックなどのログイン認証処理が実行される。顧客が正当に登録されている顧客であることが認証されると、顧客は顧客端末103により以降で説明する来店処理などを実行できる。
図9は、上述したようにログインした後の来店処理の流れを示す。来店した顧客が顧客端末103にて上述したようにログインし来店処理の開始を指示(例えば、不図示の来店ボタンのタッチなどの所定の操作による指示)すると、顧客端末103は、ステップ901でQRコード(登録商標)読み取り画面を表示する。図6(c)は、QRコード(登録商標)読み取り画面621を示す。622は顧客端末103が備えているカメラで写したQRコード(登録商標)の表示領域、623は読み取りを指示するOKボタン、624はキャンセルボタンである。
顧客が顧客端末103で飲食店のテーブルに付されたQRコード(登録商標)112を領域622に写してOKボタン623をタッチすると、顧客端末103は、ステップ902で、そのQRコード(登録商標)を読み取り、デコードなどの処理を施して、必要なデータを取得する。QRコード(登録商標)112には、当該飲食店の飲食店IDおよび当該テーブルを特定するテーブルIDが含まれている。顧客端末103は、ステップ903で、取得した飲食店IDおよびテーブルIDに顧客IDを付けた来店情報をサーバ101に送信する。
サーバ101は、ステップ911で来店情報を受信し、ステップ912で一意な精算番号を割当て、図5(c)の精算管理DB223に登録する。このとき、精算日時と注文開始日時と精算金額と精算ステータスは空欄とし、飲食店IDとテーブルIDの欄には受信した来店情報のデータを設定する。サーバ101は、ステップ913で、図5(b)の飲食店DB222から当該飲食店のメニューデータを読み出し、ステップ912で割り当てた精算番号と当該メニューデータを顧客端末103に送信する。顧客端末103は、ステップ904で、それらのデータを受信し、飲食および会計が終わるまで当該精算番号を保持するとともに、メニューデータを表示する。
なお、複数人で来店し同じテーブルで飲食する場合、各人が自己の携帯端末103でステップ901以降の来店処理を行うことが考えられるが、その場合、サーバ101は、ステップ911で受信した来店情報に含まれる飲食店IDとテーブルIDが既に図5(c)の精算管理DB223に登録済みで現在使用されているか否かをチェックし、使用中であればその顧客端末103にはステップ913で当該登録済みの精算番号を通知するものとする。これにより複数人の注文を同じ精算番号で管理するものとする。
さらに、同じテーブルで飲食するが別会計にしたい場合もあるので、そのようなケースが考えられる店においては、図9の処理中で、サーバ101が来店情報をチェックし、既に図5(c)の精算管理DB223に登録済みで現在使用されている場合には、当該顧客端末103に、同じテーブルの別の顧客と同一会計にするか別会計にするかを問い合わせるようにしてもよい。同一会計にするのであれば、当該使用中の精算番号を当該顧客端末103に通知して同じ精算番号で管理し、別会計にするのであれば、新たに精算番号を割り当てて、その新たな精算番号で管理するようにしてもよい。
図6(d)は、メニューデータの表示例であり、顧客はこの注文画面631で飲食物の注文を行うことができる。632は飲食物のメニューの項目の並べ替えを指示するプルダウンメニューである。633はメニュー一覧の表示であり、飲食物の種類毎に数量を入力する領域が設けられている。634は注文を確定する注文ボタン、635は入力した数量をクリアするクリアボタンである。
図10は、注文処理の流れを示す。顧客が、顧客端末103にて、ステップ1001で、図6(d)のように表示されたメニューから注文する商品(飲食物)の種類と数量を入力し注文ボタン634をタッチすると、ステップ1002で、顧客端末103はその注文を指示するオーダー情報を生成してサーバ101に送信する。オーダー情報は、注文された商品の種類と数量のほか、上記精算番号、飲食店ID、テーブルID、および顧客IDなどを含む。
サーバ101は、ステップ1011でオーダー情報を受信し、ステップ1012で当該オーダー情報に注文番号を付けて図5(d)の注文管理DB224に1レコードを登録する。注文番号は、同じ精算番号の中で注文を一意に特定できるように付けるものとする。また、注文日時の欄には、注文を受けたその時点の日時を設定する。なお、当該精算番号での最初の注文のとき、サーバ101は、精算管理DB223の当該精算番号のレコードの注文開始日時にその時点の日時を設定するものとする。
次に、サーバ101は、ステップ1013で、注文された商品の種類と数量およびテーブルIDなどの情報を、上記オーダー情報に含まれている飲食店IDの飲食店のPOS端末102にインターネット100経由で送信する。POS端末102は、ステップ1021でそれらの情報を受信し、ステップ1022で厨房に通知する。厨房への通知の方法は任意である。通知を受けた厨房で、注文された商品を調理し、顧客へ提供する。なお、テーブルIDが通知されているので、店内のどのテーブルに商品を提供するかは判明している。上記の注文処理は、顧客の希望に応じて任意の回数繰り返される。
飲食が終了したとき、顧客は、顧客端末103にて会計処理の開始を指示(例えば、不図示の会計開始ボタンをタッチするなどの所定の操作)する。図11は、会計処理の流れを示す。顧客端末103は、ステップ1101で、サーバ101に対して精算開始指示を通知する。サーバ101は、ステップ1111で当該精算開始指示を受信する。この精算開始指示は、精算番号、飲食店ID、テーブルID、および顧客IDを含む。サーバ101は、ステップ1112で、受信した精算開始指示の精算番号で図5(d)の注文管理DB223を検索し、当該精算番号に一致する精算番号を持つ注文レコードを全て取得する。サーバ101は、ステップ1113で、取得した注文レコードを顧客ID毎に分けて顧客毎の注文金額の小計を算出するとともに、それらの小計の総額(当該精算番号で行われた注文の総額となる)を算出する。次に、サーバ101は、ステップ1114で、小計を求めた各顧客IDの顧客端末103に、求めた総額の金額情報を通知する。
顧客端末103は、ステップ1102で、通知された金額情報を受信し、支払方法と選択するボタンとともに表示し、支払方法の選択操作を受け付ける。図7(a)は、ステップ1102で顧客端末103に表示される会計画面701を示す。702は通知された総額の表示、703は内訳ボタン、704は現金で精算することを選択するための現金選択ボタン、705はクレジットカードで精算することを選択するためのクレジットカード選択ボタン、706は顧客の銀行口座から引落で精算することを選択するための引落選択ボタンである。
顧客が内訳ボタン703をタッチすると、顧客端末103から内訳画面のリクエストがサーバ101に送られ、サーバ101は当該精算番号で行われた注文の内訳の詳細を顧客端末103に返し、顧客端末103で内訳表示する。その処理手順については省略する。
顧客が、現金選択ボタン704、クレジットカード選択ボタン705、または引落選択ボタン706の何れか1つのボタンをタッチすると、顧客端末103は、ステップ1103で選択された各支払方法での処理に分岐する。現金の場合は、サーバ101に通知して処理を終了し、顧客は飲食店にて現金で精算する。クレジットカードの場合は、顧客端末103に図7(b)のクレジットカード精算画面711が表示され、この画面から従前より知られているクレジットカード払いの処理手順により精算を行う。ここでは、現金およびクレジットカードによる精算については説明を省略する。
顧客が引落選択ボタン706をタッチして引落による精算を選択した場合、顧客端末103の処理は、ステップ1103からステップ1104に進み、顧客端末103に図7(c)の引落による精算金額入力画面721が表示される。画面721において、723は前記総額の表示、724は引落による精算額を入力する領域、725は精算ボタンを示す。ステップ1105で、顧客が領域724に引落で精算する金額を入力し精算ボタン725をタッチすると、ステップ1106で、顧客端末103からサーバ101に精算依頼が送信される。この精算依頼は、領域724に入力された精算金額のほか、精算番号および顧客IDなどの情報を含む。
なお、複数人で来店し、各人が自己の携帯端末103で注文した場合でも、同じテーブルのQRコード(登録商標)112を読み込んで同一の精算番号で同一会計にするように管理しているので、上記ステップ1114では、そのような同一精算番号で管理している各携帯端末には同じ金額情報が通知されるものである。
サーバ101は、ステップ1115で、顧客端末103から送信された精算依頼を受信し、送られてきた精算依頼から各顧客毎の支払方法と回収金額とを決定し、各顧客毎に代金回収決済システム342に回収依頼を送信する。回収依頼は、当該顧客の銀行口座情報、当該飲食店の銀行口座情報、および回収金額などの情報を含む。
なお、上述したように同一精算番号で管理している各携帯端末103から、それぞれの精算依頼が送信される場合があるが、サーバ101は、同一精算番号の複数の精算依頼を受けたとき、ステップ1115で、図5(e)の精算分割管理DB225に、それら同一精算番号の複数の精算依頼のそれぞれに一意に精算分割番号を付けて精算状態を管理するものとする。したがって、同一精算番号の複数の精算依頼があった場合は、当該同じ精算番号で別々の精算分割番号の各顧客毎に、回収依頼が発行される。
代金回収決済システム342は、ステップ1121で回収依頼を受信し、ステップ1122で銀行システムへ回収依頼を送信し、ステップ1123でその結果を受信する。ステップ1122,1123の処理は、例えば従前より知られている銀行口座からの即時口座振替を提供する決済サービスなどを利用すれば良い。ステップ1124で、回収結果がサーバ101に送信される。
サーバ101は、ステップ1116で回収結果を受信し、ステップ1117で回収結果に応じて会計結果データを生成し、顧客端末103に送信する。会計結果データは、当該顧客に関する引落が正常に完了したか否かを示すステータス情報、および引落が正常に行われていた場合はその旨を示すQRコード(登録商標)(精算番号を含んでいる)を含む。なお、引落が正常に行われた場合、サーバ101は、図5(c)の精算管理DB223の当該精算番号のレコードの精算日時、精算金額、および精算ステータスの欄に、その時点の日時と精算金額と精算が完了した旨を示すデータを書き込み、図5(e)の精算分割管理DB225にも精算金額や精算分割ステータスを書き込むものとする。
なお、同一精算番号の複数の精算依頼のそれぞれについての精算が行われた場合、サーバ101は、それら複数の精算処理で総額が支払われたか否かのチェックを行うものとする。総額で精算が完了した場合に、正常に引落が為されたものと見なすものである。引落が正常に行われた旨を示すQRコード(登録商標)は、総額で精算が正常に完了したことを示している。また、例えば、10000円の総額の支払いに対して、Aさんが先に自己の顧客端末103から4000円を精算し、Bさんが後で自己の携帯端末103から6000円を精算する指示を行った場合、Aさんが精算したタイミングで精算確認用のQRコード(登録商標)はAさんの顧客端末103にはまだ表示せず、Bさんが精算して総額を支払ったタイミングで、Bさんの顧客端末103に、店舗に提示する精算完了用のQRコード(登録商標)を表示するようにしている。
各顧客端末103は、ステップ1107で会計結果データを受信し、引落が正常に行われていた場合はステップ1108でQRコード(登録商標)を表示する。図7(d)は、会計結果のQRコード(登録商標)を表示する生産完了画面731の例を示す。733は総額の表示、734は精算が済んだことを示す表示、735はQRコード(登録商標)の表示である。
図12は、会計結果確認処理の流れを示す。上述のステップ1108で顧客端末103にQRコード(登録商標)が表示されるが、顧客はステップ1201でそのQRコード(登録商標)を飲食店に提示する。飲食店のPOS端末102は、ステップ1211でそのQRコード(登録商標)を読み取り、ステップ1212で読み取ったQRコード(登録商標)をデコードして取得したデータをサーバ101に送信する。サーバ101は、ステップ1221でそのデータ(精算番号を含んでいる)を受信し、ステップ1222で図5(c)の精算管理DB223の当該精算番号のレコードの精算ステータスが精算完了を示しているかチェックする。ステップ1223で、その精算ステータスをPOS端末102に送信する。POS端末102は、ステップ1213で、受信した精算ステータスを表示し、これにより店側は精算が完了したか否かを知ることができる。
なお、上記実施形態では、QRコード(登録商標)を用いたが、代わりにFeliCa(登録商標)やNFCなどの非接触ICを用いてもよい。