JP6196544B2 - 窒化硼素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化硼素の製造方法に関するものである。詳しくは、酸化硼素及び炭素源を含む特定の多孔質バルク体を還元窒化することにより、窒化硼素を高い収率で製造することが可能な製造方法を提供するものである。
六方晶窒化硼素は、一般に黒鉛と同様の六方晶系の層状構造を有する白色粉末であり、熱伝導性、電気絶縁性、潤滑性、耐食生、離型性、高温安定性、化学的安定性等の多くの優れた特性を有することから、熱伝導性絶縁放熱シート、高柔軟性熱伝導性シリコンゴム、放熱性グリース、放熱性シーラント、半導体封止樹脂、等の充填剤、溶融金属や溶融ガラス成形型の離型剤、固体潤滑剤、化粧品原料等の多くの用途に使用されている。
該窒化硼素の製造方法としては、(1)硼素を窒素、アンモニア等を用いて直接窒化させる方法、(2)ハロゲン化硼素をアンモニアやアンモニウム塩と反応させる方法、(3)硼酸、酸化硼素等の硼素酸化物をメラミン等の含窒素化合物で還元・窒化させる方法、(4)酸化硼素と炭素源を高温で窒素と反応させ還元・窒化させる方法がある。
しかしながら、(1)、(2)のように硼素やアンモニアを用いた場合には原料コストが高くなる上、窒化炉を高気密性にする必要がある。
(3)の方法(特許文献1、2)は工業的な製造方法としても使用されているが、メラミンを窒素源として用いる場合、反応炉部材(ヒーター、断熱材、炉壁材等)を侵蝕する水蒸気を副生することから、反応温度を1500℃未満の低温としなければならず、結晶性が充分ではない窒化硼素しか製造できない上、原料コストも高い。
一方、(4)の方法は、低コストの原料を使用でき、反応温度も高温に出来ることから、結晶性の高い窒化硼素の製造に最も好適な方法である。
(4)の方法で使用する酸化硼素は、その形態のものを原料としても良いが、酸化硼素は高硬度である上、大気中の水蒸気との反応性が高く、取り扱いが困難であるため、硼酸を炭素源と混合した後、加熱して硼酸を脱水することにより酸化硼素とすることが望ましい。
また、硼酸と炭素源との混合物を脱水処理する際、該混合物が固化してバルク体となる傾向があり、かかる性質を有効に利用することで、成形用の設備や工程を必要とせず、適度な保形性、気孔を有し、窒素ガスの通気性が良好な窒化硼素製造用原料バルク体を得られることが特許文献3に記述されている。
即ち、特許文献3によれば、平均粒子径が100μm以上の硼酸と、平均粒子径が該硼酸の1/5以下である炭素源、酸化カルシウムを混合し、300〜450℃の温度で脱水処理を施せば、上述の窒化硼素製造用原料バルク体が得られる。ここで、酸化カルシウムは、窒化反応を促進し、生成する窒化硼素の結晶性を高くする触媒(窒化反応触媒)として働くとされている。
しかしながら、上述の方法で得られる窒化硼素製造用原料バルク体は、バルク体重量と見かけのバルク体体積から計算されるバルク体積密度が0.5g/cm程度となるものの、該バルク体体積の15〜30%の大きな空洞部分を含んでおり、バルク体中心部は、孔の存在が極めて少なく、該中心部の体積密度は0.9g/cm以上となり易い。そのため、バルク体の中心部へのガス拡散性が低く、反応性に劣るものとなる。
そのため、上述の原料バルク体を窒化処理して窒化硼素を得るためには、1900℃以上の高温で長時間の処理が必要となり、窒化硼素収率も高くできなかった。
特開昭60−151202号公報 特開平11−302004号公報 特開平10−203806号公報
従って、本発明の目的は、中心部までガス拡散性が良好な窒化硼素製造用原料バルク体を使用した、窒化硼素の収率が高い窒化硼素の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った。
その結果、窒化硼素製造用原料バルク体を得る際、硼酸、炭素源と共に炭酸塩を混合し、硼酸の脱水反応により生成したメタ硼酸が粘性の高い液状化状態にあるうちに炭酸塩を分解せしめ、生成する二酸化炭素ガスを利用してバルク体を発泡させることにより、全領域にわたって体積密度が0.7g/cm以下の、中心部まで高い多孔性を有するバルク体(多孔質バルク体)を得ることに成功した。そして、かかる多孔質バルク体は、比較的低温の窒化処理条件において、充分に窒化することが可能であり、しかも、高い収率で窒化硼素が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、メタ硼酸、炭素源及び炭酸塩との混合物を、上記メタ硼酸が溶融した状態で炭酸塩の分解による発泡を生じせしめた後、上記状態を維持しながら、メタ硼酸を酸化硼素に転化させることにより、酸化硼素100質量部に対して、炭素源をC換算で35〜60質量部となる割合で含有し、2〜500cmの体積を有し、且つ、全領域にわたって体積密度が0.7g/cm以下である多孔質バルク体を得た後、該多孔質バルク体を還元窒化することを特徴とする窒化硼素の製造方法である。
ここで、「全領域にわたって体積密度が0.7g/cm以下」とは、多孔質バルク体を、中心から外縁に向かって1cm単位でサンプリングしたとき、全ての体積密度が0.7g/cm以下であることを意味する。
本発明の窒化硼素製造方法は、使用する窒化硼素製造用原料バルク体が中心部まで高多孔性である特徴を有し、該特徴により、比較的低温においても窒化処理を充分に行うことができ、高い収率で窒化硼素を製造することが可能となる。
本発明の窒化硼素製造方法により製造される窒化硼素は、特に限定されず公知の用途に使用可能である。好適に使用される用途を例示するならば、立法晶窒化硼素や窒化硼素成型品等の窒化硼素加工品製品の原料、エンジニアリングプラスチックへの核剤、電気絶縁性向上や熱伝導性付与等の目的での樹脂成型品への添加材、フェーズチェンジマテリアル、固体状または液体状のサーマルインターフェイスマテリアル、溶融金属や溶融ガラス成形型の離型材、化粧品、複合セラミックス原料等が挙げられる。特に、本発明の窒化硼素製造方法により製造される窒化硼素は、中心部まで均一に窒化硼素が生成することから、炭化硼素等の不純物も生成しにくく、窒化硼素純度が高いため、放熱シートや放熱ゲルに代表される固体状または液体状のサーマルインターフェイスマテリアルとして好適に使用することができる。
(多孔質バルク体)
本発明の窒化硼素製造方法は、窒化硼素製造用原料として用いるバルク体が、全域にわたって0.7g/cm以下、好ましくは、0.6g/cm以下、更に好ましくは0.5g/cm以下である、多孔質バルク体であることを特徴としている。
即ち、上記多孔質バルク体の体積密度が全域にわたって0.7g/cm以下とすることにより、バルク体内部への窒素ガスの拡散性は充分に高く、窒化硼素生成反応が進行し易くなる。
本発明において、多孔質バルク体は、後述する製造方法により得ることができるが、通常、硼酸と炭素を含む混合粉末を加熱して生成するメタ硼酸の融解により、塊状となったものであり、その中の硼素成分は、上記メタ硼酸、更に脱水が進んだ、酸化硼素の状態のいずれの状態、或いは、混在した状態でもよいが、還元窒化反応に供する時点で、酸化硼素が70質量%以上、好ましくは、80質量%以上の状態とすることが、還元窒化反応を効率的に行うために好ましい。
また、上記多孔質バルク体の形状は、混合粉末の加熱に使用する容器等の形状に依存するが特に限定されるものではなく、例えば四角柱状、円柱状、球状、多角形状、不定形状、針状及び板状等の形状が挙げられるが、ハンドリング性の観点から、四角柱状、円柱状、球状等の形状であることが好ましい。
本発明において、前記多孔質バルク体の体積は、2〜500cmが好ましく、3〜400cmがより好ましく、5〜300cmがより好ましい。該多孔質バルク体の体積が2cm未満の場合は、バルク体を多孔質化する効果が発揮され難く、また、ハンドリング性、原料充填性が低下して生産性が低くなる。逆に、500cmより大きい場合、多孔質であっても、中心部まで原料ガスが拡散し難くなり窒化硼素の収率が低下する傾向がある。
尚、上記大きさの多孔質バルク体を得る方法は、大容量のバルク体を破砕して得てもよいし、後述の製造方法において、上記大きさの多孔質バルク体製造用の容器を準備して目的の大きさのものを直接製造してもよい。
(多孔質バルク体の製造方法)
本発明で使用する多孔質バルク体の製造方法は、特に制限されないが、好適な方法を例示すれば、硼酸又はメタ硼酸、若しくはこれらの混合物、炭素源、発泡剤としての炭酸塩を含む混合粉末を加熱し、硼酸からメタ硼酸の生成、メタ硼酸の溶融によりバルク体を形成すると共に、メタ硼酸が溶融している状態で、炭酸塩の分解により二酸化炭素ガスを生成せしめて発泡させる方法が挙げられる。
上記方法において、多孔質バルク体を得るための加熱温度のプロファイルは予め実験により確認した上で決定すればよいが、一般には、前記混合粉末を、180℃〜250℃の温度に維持する工程(工程I)を含む方法が挙げられる。上記温度が180℃よりも低い場合には、二酸化炭素の生成量が少なく、また、メタ硼酸の融解も十分でなく、多孔質バルク体が得られ難い。一方、上記温度が250℃よりも高い場合には二酸化炭素の生成速度が速くなりすぎる、もしくはメタ硼酸が酸化硼素まで急激に変化して固化してしまい、バルク体内に十分な多孔質構造を形成することが困難となる。
尚、前記温度範囲に維持する時間は、適宜決定すればよいが、一般には、5〜300分が好ましい。
上記多孔質バルク体の製造において、使用する硼酸の平均粒子径は特に限定されないが、操作性及び脱水反応制御の観点から、1〜1000μmが好ましく、10〜900μmがより好ましく、20〜800μmが更に好ましい。即ち、硼酸の平均粒子径が1μmより大きくなると取扱いが容易となり、1000μmより小さくなるとが硼酸の脱水反応の制御が容易となる。
また、炭素源としては、公知の炭素材料が特に制限無く使用される。例えば、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー等の非晶質炭素の他、ダイヤモンド、グラファイト、ナノカーボン等の結晶性炭素、モノマーやポリマーを熱分解して得られる熱分解炭素等が特に制限無く使用されるが、そのうち、反応性の高い非晶質炭素が好ましく、更に、工業的に品質制御されている点で、カーボンブラックが特に好適に使用される。
また、上記炭素源の平均粒子径は、0.01〜5μmが好ましく、0.02〜4μmがより好ましく、0.05〜3μmが特に好ましい。即ち、該炭素源の平均粒子径を5μm以下とすることにより、炭素源の反応性が高くなり、また、0.01μm以上とすることにより、取り扱いが容易となる。
更に、上記多孔質バルク体の製造において、炭酸塩としては、メタ硼酸が融解し、液状化している温度域で熱分解、もしくは液状化したメタ硼酸と接触することで分解反応を起こして二酸化炭素を生成せしめることが可能なものであれば、特に制限無く使用される。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられるが、上記の通り窒化反応触媒として作用する炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが好適に使用できる。また、250℃以下で上記特徴を有する炭酸塩に変化する物質、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等も使用可能である。
また、上記炭酸塩の平均粒子径は、二酸化炭素生成反応の制御容易性から、平均粒子径0.01〜500μmが好ましく、0.05〜400μmがより好ましく、0.1〜300μmが特に好ましい。
前記多孔質バルク体の製造方法においては、前記工程Iに先立って、混合粉を100〜180℃未満の温度に維持する工程(工程II)を含んでも良い。即ち、工程IIを含むことにより、硼酸からメタ硼酸への転化を確実に行うと共に、余分な水分を予め減少させ、上記工程Iの操作を行う際の水蒸気による窒化硼素製造用原料バルク体内の大きな空洞形成を抑制し、該バルク体の体積密度の偏りを防ぐことができ、結果として窒化硼素の生産性を高く維持できる。
本発明において、多孔質バルク体の硼素成分と炭素源との割合は特に限定されないが、酸化硼素換算で硼素成分100質量部に対して、炭素源をC換算で35〜60質量部となる割合で含有することが好ましく、37〜58質量部がより好ましく、40〜55質量部が更に好ましい。炭素源をC換算で35質量部以上含有することで酸化硼素を充分量還元させて窒化硼素とすることができ、60質量部以下とすることで炭素源が未反応となって残存することを抑制できる。
本発明において、上記多孔質バルク体は、原料となる窒素ガスの拡散性が高いため、硼素成分と炭素源のみでも充分に窒化反応は進行するが、窒化反応の進行をより促進するために、窒化反応触媒を含有しても良い。該窒化反応触媒としては、公知のものが特に制限無く使用される。例えば、酸化カルシウム、リン酸カルシウム等のカルシウム化合物の他、マグネシウム化合物、イットリウム化合物等が使用可能である。
尚、前記炭酸塩として、上記カルシウムやマグネシウムなどの金属元素を含む場合、発泡剤としての機能と共に、上記窒化反応触媒の作用をも発揮することができ、好ましい。
上記多孔質バルク体の製造において、硼酸、炭素源、炭酸塩等の混合方法は特に制限されず、振動ミル、ビーズミル、ボールミル、ヘンシェルミキサー、ドラムミキサー、振動攪拌機、V字混合機等の一般的な混合機が使用可能である。
(窒化硼素の製造方法)
本発明において、前述の方法で得られた多孔質バルク体は、全領域にわたって体積密度が0.7g/cm以下となる多孔質構造を有しており、かかる多孔質バルク体を還元窒化する。還元窒化は、多孔質バルク体を、窒素ガスを含む雰囲気下で加熱することで実施可能である。この場合、窒化温度、処理時間は、一般に窒化硼素が得られる条件とすることができ、例えば、1500〜2000℃の温度範囲で1秒〜10時間程度保持すれば良い。該窒化温度が1500℃以上であれば結晶性の高い窒化硼素が得られ、2000℃以下であれば熱量を高効率で窒化反応に利用できる。
また、窒化処理時に使用するガスとしては、上記窒化処理条件で硼素に窒素を与えることが可能なガスであれば良く、窒素ガスの代わりにアンモニアガスを使用することも可能であり、窒素ガス、アンモニアガスに、水素、アルゴン、ヘリウム等の非酸化性ガスを混合したガスも使用可能である。
上記反応は、反応雰囲気制御の可能な公知の装置を使用して行うことができる。例えば、高周波誘導加熱やヒーター加熱により加熱処理を行う雰囲気制御型高温炉が挙げられ、バッチ炉の他、プッシャー式トンネル炉、縦型反応炉等の連続炉も使用可能である。
本発明において、上述の窒化処理を施した直後は窒化硼素を主成分とするバルク体として得られ、該バルク体を解砕し、必要に応じて酸を用いて洗浄することで、高純度かつ高結晶性の窒化硼素を高収率で得ることが可能である。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
平均粒子径800μmの硼酸100g、平均粒子径0.1μmのカーボンブラック24g、及び窒化反応触媒として平均粒子径5μmの炭酸カルシウム16gをボールミルにて混合した後、底面90mm×40mm、高さ40mmのステンレス容器に投入し、大気雰囲気において、220℃、8時間の条件で維持(工程I)し、窒化硼素製造用原料バルク体を得た。得られたバルク体について、酸化硼素100質量部に対する炭素源のC換算量は43質量部、体積は170cm、バルク体全体の体積密度は0.55g/cmであり、体積の10%程度の空洞部分を有していたが、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.6g/cmであり、多孔性を有していた。
該バルク体を、黒鉛製タンマン炉を用い、窒素ガス雰囲気下で1800℃、2時間窒化処理し、次いで解砕、酸洗浄を行い、窒化硼素を得た。
得られた窒化硼素についての理論収率は94%であった。
実施例2
平均粒子径50μmの硼酸を用いた以外、実施例1と同様にした。
得られたバルク体の体積は155cm、バルク体全体の体積密度は0.60g/cmであり、体積の5%程度の空洞部分を有していたが、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.62g/cmであり、多孔性を有していた。
得られた窒化硼素についての理論収率は92%であった。
実施例3
工程Iの温度条件を200℃とした以外、実施例1と同様にした。
得られたバルク体の体積は145cm、バルク体全体の体積密度は0.65g/cmであり、体積の5%程度の空洞部分を有していたが、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.68g/cmであり、多孔性を有していた。
得られた窒化硼素についての理論収率は91%であった。
実施例4
工程Iの温度条件を240℃とした以外、実施例1と同様にした。
得られたバルク体の体積は180cm、バルク体全体の体積密度は0.52g/cmであり、体積の10%程度の空洞部分を有していたが、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.58g/cmであり、多孔性を有していた。
得られた窒化硼素についての理論収率は93%であった。
実施例5
工程Iに先立って、170℃で4時間保持する工程(工程II)を加えた以外、実施例1と同様にした。
該工程IIの直後の粉体についてXRD測定を実施したところ、硼酸はメタ硼酸に変化していることを確認した。
得られたバルク体の体積は155cm、バルク体全体の体積密度は0.60g/cmであり、空洞部分は見られず、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.62g/cmであり、多孔性を有していた。
得られた窒化硼素についての理論収率は95%であった。
実施例6
窒化反応触媒として炭酸マグネシウムを用い、工程Iに先立って、120℃で6時間保持する工程IIを加えた以外、実施例1と同様にした。
該工程IIの直後の粉体についてXRD測定を実施したところ、硼酸の一部はメタ硼酸に変化していることを確認した。
得られたバルク体の体積は160cm、バルク体全体の体積密度は0.58g/cmであり、空洞部分は見られず、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.60g/cmであり、多孔性を有していた。
得られた窒化硼素についての理論収率は94%であった。
比較例1
平均粒子径800μmの硼酸320g、平均粒子径0.1μmのカーボンブラック77g、及び炭酸塩として平均粒子径5μmの炭酸カルシウム52gをボールミルにて混合した後、底面180mm×80mm、高さ40mmのステンレス容器を用いてバルク体を形成した以外、実施例1と同様にした。
得られたバルク体の体積は530cm、バルク体全体の体積密度は0.58g/cmであり、体積の10%程度の空洞部分を有しており、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.63g/cmであった。
窒化処理後、中心部に未反応部分が見られ、窒化硼素についての理論収率は80%であった。
比較例2
カーボンブラックの混合量を19gとした以外、実施例1と同様にした。
得られたバルク体について、酸化硼素100質量部に対する炭素源のC換算量は34質量部、体積は150cm、バルク体全体の体積密度は0.60g/cmであり、体積の10%程度の空洞部分を有していたが、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.65g/cmであり、多孔性を有していた。
得られた窒化硼素についての理論収率は89%であった。
比較例3
カーボンブラックの混合量を35gとした以外、実施例1と同様にした。
得られたバルク体について、酸化硼素100質量部に対する炭素源のC換算量は62質量部、体積は190cm、バルク体全体の体積密度は0.55g/cmであり、体積の10%程度の空洞部分を有していたが、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.58g/cmであり、多孔性を有していた。
得られた窒化硼素についての理論収率は82%であった。
比較例4
工程Iの温度条件を270℃とした以外、実施例1と同様にした。
得られたバルク体の体積は110cm、バルク体全体の体積密度は0.85g/cmであり、体積の15%程度の空洞部分を有しており、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.95g/cmであり、多孔性は低かった。
得られた窒化硼素についての理論収率は87%であった。
比較例5
工程Iの温度条件を170℃とした以外、実施例1と同様にした。
しかしながら、バルク体は形成されず、粉末状態のままであった。
比較例6
窒化反応触媒として酸化カルシウムを用いた以外、実施例1と同様にした。
得られたバルク体の体積は95cm、バルク体全体の体積密度は1.0g/cmであり、空洞部分もなく、全領域にわたっての体積密度の最大値は1.2g/cmであり、多孔性は低かった。
得られた窒化硼素についての理論収率は82%であった。
比較例7
窒化反応触媒として酸化カルシウムを用い、工程Iの条件を330℃、20時間とした以外、実施例1と同様にした。
得られたバルク体の体積は170cm、バルク体全体の体積密度は0.55g/cmであり、体積の30%程度の空洞部分を有しており、全領域にわたっての体積密度の最大値は0.90g/cmであり、多孔性は低かった。
得られた窒化硼素についての理論収率は85%であった。
表1に、実施例1〜6、比較例1〜7の結果についてまとめた。
Figure 0006196544
以上説明したように、本発明によれば、中心部までガス拡散性が高い窒化硼素製造用原料バルク体を形成し、該原料バルク体を窒化することにより、高い収率で窒化硼素を製造することが可能となる。

Claims (2)

  1. メタ硼酸、炭素源及び炭酸塩との混合物を、上記メタ硼酸が溶融した状態で炭酸塩の分解による発泡を生じせしめた後、上記状態を維持しながら、メタ硼酸を酸化硼素に転化させることにより、酸化硼素100質量部に対して、炭素源をC換算で35〜60質量部となる割合で含有し、2〜500cmの体積を有し、且つ、全領域にわたって体積密度が0.7g/cm以下である多孔質バルク体を得た後、該多孔質バルク体を還元窒化することを特徴とする窒化硼素の製造方法。
  2. 多孔質バルク体が、窒化反応触媒を含有する請求項1又は2記載の窒化硼素の製造方法。
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