JP3844455B2 - 六方晶窒化ほう素粉末およびその製造方法、用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂用充填材や、化粧品用原料などとして好適に用いられる、白色度および耐加水分解性が高い六方晶窒化ほう素(hBN)粉末、その製造方法および用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
hBN粉末は、潤滑性、耐熱性、高熱伝導性、電気絶縁性など数多くの優れた性質を有するため、固体潤滑剤、溶融ガラスなどの離型剤、セラミックス高温焼成用敷粉あるいは絶縁放熱シート用充填材などとして広汎に応用されている。また、上記特性に加え、白色度や、耐加水分解性が比較的高いことから、近年は外観を重視する樹脂用充填材や化粧品用原料にまで用途が拡大しつつある。
【0003】
hBN粉末の白色度が不充分であると、樹脂用充填材や化粧品用原料に用いた際に、樹脂成形物や化粧品の色調不均一(色ムラ)が生じやすい問題がある。
【0004】
従来、hBN粉末の白色度を向上させる方法として、特開平11−171511号公報がある。この方法は、酸化硼素及び炭素質粉末を含む原料粉体又はバルク体に窒素ガスを反応させて六方晶窒化硼素粉末を製造する方法において、吸着水分及び加熱下で脱水反応により生じる水分の総量が5.0質量%以下、且つ嵩密度が0.8g/cm3以下の原料粉体又はバルク体を使用するものであり、これによって、白色度92.05〜93.05のhBN粉末を製造できたことが実施例に示されている。しかし、近年、要求が高まりつつある高白色度の用途にはまだ改善の余地がある。
【0005】
一方、hBN粉末の耐加水分解性が不充分であると、加水分解によりほう素や窒素を含む溶出成分が発生する。このため、長期間保管後のhBN粉末を用いた場合に、樹脂用充填材では溶出成分が電気絶縁性を低下させ、また化粧品用原料では溶出窒素がアンモニアに変化して臭気を発生する恐れがあるので、保管には乾燥雰囲気下で密閉しておくなどの細心の注意が必要であった。
【0006】
そこで、hBN粉末の耐加水分解性を向上させる方法(特開平10−36105号公報)が提案されるに至った。この方法は、hBN粒子の表面にホウ酸カルシウム及び/又はホウ酸バリウムからなる耐水性被膜を施すものであるが、長期間の使用等において被膜が剥離・損耗する可能性があるため、耐加水分解性劣化の懸念を払拭することができない。特開平4−164805号公報には、hBN粉末が当初より含有するほう素や窒素の溶出成分(不純物)を低減させることが記載されているが、耐加水分解性を向上させる方法ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は外観を重視する樹脂用充填材や化粧品用原料として好適に使用することができる、hBN粉末およびその製造方法、用途を提供することである。本発明の目的は、結晶性が高くかつ比表面積が小さいhBN粉末を原料として用い、これを特定の条件で酸洗浄した後焼成することによって達成することができる。この手段は、上記特開平11−171511号公報の方法では、hBN粉末ではなく、酸化ほう素及び炭素質粉末を含む粉体またはバルク体を原料とし、それを窒素雰囲気下で熱処理する点において相違している。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、白色度が95.0以上、タップ密度が0.20g/cm3以上、120℃の加圧熱水中に1日間浸漬後の溶出ほう素および溶出窒素の合計量が800μg/g以下であることを特徴とする六方晶窒化ほう素(hBN)粉末である。また、本発明は、このhBN粉末からなる樹脂用充填材又は化粧品用原料である。さらに、本発明は、黒鉛化指数(GI)が2.0以下で、比表面積が15m2/g以下の六方晶窒化ほう素粉末を、六方晶窒化ほう素1モルに対し0.02〜0.5化学当量の酸水溶液で洗浄・乾燥した後、炭素と接触させないようにして、窒素雰囲気下、1800〜1950℃で1〜5時間熱処理することを特徴とするhBN粉末の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳しく本発明について説明する。
【0010】
本発明のhBN粉末のタップ密度は0.20g/cm3以上、好ましくは0.30g/cm3以上である。タップ密度が0.20g/cm3未満では、樹脂や化粧品への充填性が著しく損なわれる。
【0011】
また、hBN粉末の白色度は、95.0以上、好ましくは97.0以上である。白色度が95.0未満では、外観を重視する樹脂用充填材や、化粧品用原料として用いた場合に、樹脂成形物や化粧品に色調の不均一(色ムラ)が発生しやすくなる。hBN粉末の白色度(W)は、測色色差計を用いて測定した色の明度(L)、色相・彩度(a・b)より、式、W=100―{(100−L)2+a2+b2}1/2、によって算出される。
【0012】
科学技術庁無機材質研究所研究報告書第27号「窒化ほう素に関する研究」(1981)11〜14ページには、hBNの窒素空孔に何らかの形で炭素が関与し、そこに捕らえられた不対電子と、窒素空孔周囲のほう素原子との相互作用によって3BCと呼ばれる電子スピン共鳴中心が形成されること、及び白色のhBNには3BCが認められないことが記載されているが、以下に説明する本発明のhBN粉末の白色度向上法については記載されていない。
【0013】
本発明のhBN粉末の白色度向上法は、高結晶質で低比表面積のhBN粉末を、酸水溶液で洗浄・乾燥した後、炭素と接触させないで、窒素雰囲気下、1800〜1950℃で1〜5時間熱処理するものである。これによって、hBN中の窒素空孔が雰囲気の窒素で充填され、しかも2000℃に近い高温の作用によってhBN中の炭素が外部に排出されるため、白色度が95.0以上まで向上させることができる。
【0014】
本発明で用いられるhBN粉末原料は、粉末X線回折法による黒鉛化指数(GI)が2.0以下、特に1.5以下で、比表面積が15m2/g以下、特に10m2/g以下であることが好ましい。このようなhBN粉末は、酸洗浄によって効率的に不純物が除去される。
【0015】
GIは、hBN粉末のX線回折図の(100)、(101)及び(102)回折線の積分強度比(すなわち面積比)から、式、GI=[面積{(100)+(101)}/[面積(102)]、によって算出できる(J.Thomas.et.al,J.Am.Chem.Soc.,84,4619[1962])。GIは、hBN粉末の結晶性の指標であり、結晶性が高いほどこの値が小さくなり、粒子の鱗片形状が発達し、完全に結晶化(黒鉛化)したhBN粉末ではGIが1.6になるとされているが、高結晶性でかつ粒子が充分に成長したhBN粉末の場合、粉末が配向しやすいためGIはさらに小さくなる。
【0016】
hBN粉末の純化方法として、高結晶質のhBN粉末を水洗浄後、非酸化性雰囲気下2000℃付近の高温で熱処理する方法(上記特開平4−164805号公報)があるが、本発明では水洗ではなく酸洗浄である点で相違している。
【0017】
hBN粉末を水洗すると、ほう酸(H3BO3)などの水可溶性不純物は容易に除去されるが、hBN表面に強固に結合している酸化ほう素(B2O3)等の難溶性不純物は水への溶解速度が小さいため、充分に除去されない。また、水に不溶の金属ほう酸塩の不純物は除去されない。このように、水に難溶または不溶の不純物が存在すると、後の熱処理工程において、雰囲気窒素の窒素空孔への充填及び炭素のhBN外部への排出が阻害されやすくなるためか、hBN粉末の白色度は95.0以上にはならない。これに対し、酸洗浄を行うと、水に難溶または不溶の不純物が速やかに溶解・除去されるため、hBN粉末の白色度が95.0以上となる。
【0018】
本発明に適合する酸としては、硝酸、塩酸、酢酸などがあげられるが、取り扱いの容易さから、硝酸が好適である。酸水溶液の酸の量は、hBN粉末1モルに対して0.02〜0.5化学当量であることが好ましい。0.02化学当量未満では充分な洗浄効果が得られず、また0.5化学当量を超える量を用いても効果は向上しない。hBN粉末と酸水溶液は、撹拌をして混合することが好ましい。撹拌条件は、例えば30〜300kgのhBN粉末を常温(20〜30℃)の酸水溶液で処理する場合、1〜5時間程度とすることが好ましい。撹拌が終わった後、濾液が中性になるまで濾過を行って酸に溶解した不純物や余分な酸を洗い落とし、100〜150℃程度の温度で乾燥する。
【0019】
その後、炭素と接触させないようにして熱処理が行われる。通常、1800〜1950℃まで温度を上昇させるには、炭素製の発熱体が用いられるが、この時発熱体の炭素が酸化されて生じる一酸化炭素ガスが雰囲気に混入するため、hBN粉末と接触し、hBN中に初めから存在していた炭素が外部に排出されにくくなり、白色度が95.0未満となってしまう。hBN粉末を炭素と接触させない具体的な方法としては、hBN粉末を密閉容器、特にhBN製密閉容器に充填することが好ましい。これによって、hBN粉末を炭素と接触させることなく熱処理を行うことができ、しかも同質材料であるので不純物が混入することもなくなる。
【0020】
本発明の熱処理は窒素雰囲気下で行われる。窒素以外の雰囲気ではhBN粉末の窒素空孔を充填することができないため、hBN粉末の白色度が95.0未満となってしまう。本発明の熱処理温度は1800〜1950℃、好ましくは1850〜1950℃である。1800℃未満では、空孔への窒素の充填や、炭素のhBN外部への排出が殆ど生じない。また1950℃を超えると、式、BN →B + 1/2N2、によってBNの分解反応が一部で発生し有色のほう素(B)が生成する。このため、何れもhBN粉末の白色度が95.0未満となってしまう。
【0021】
熱処理時間は1〜5時間、好ましくは2〜3時間である。1時間未満では空孔への窒素の充填や、炭素のhBN外部への排出が充分に生じないため、hBN粉末の白色度が95.0未満となる。また、5時間を超えると、hBN粒子の成長が顕著になるため粒子同士の融着が生じてhBN粉末が嵩高くなり、タップ密度が0.20g/cm3よりも小さくなる。
【0022】
このように、hBN粉末の熱処理前に酸洗浄を行うと、驚くべきことに、hBN粉末の耐加水分解性も著しく向上することを本発明者らは見いだした。これは全く予想外のことであった。そこで、本発明のhBN粉末の要件は、120℃の加圧熱水中に1日間浸漬後の溶出ほう素および溶出窒素の合計量が800μg/g以下、好ましくは600μg/g以下とした。
【0023】
本発明において、hBN粉末の耐加水分解性を測定する方法として、文献[小田耕平・吉尾哲夫、J.Ceram.Soc.Jp.,101,855(1993)]に記載されているように、120〜300℃の加圧熱水中に1〜11日間浸漬した後、アンモニアに換算した窒素や、ほう素の溶出濃度を測定する方法を準用する。浸漬温度が120℃未満であると、hBN粉末の加水分解速度が著しく低下し、溶出成分が当初からhBN粉末に不純物として混入していたものであるのか、あるいは浸漬後にhBN粉末の加水分解によって生じたものであるのか、判別が困難になるため、本発明には適さない。
【0024】
本発明のhBN粉末の用途をあげれば樹脂用充填材である。その樹脂を例示すれば以下のとおりであるが、これらの中、外観が重視されるフッ素系樹脂(PTFE等)、ポリアセタール樹脂(POM)の充填材として本発明のhBN粉末が良く適合する。hBN粉末の樹脂への好適な充填量は1〜50質量%である。
(1)フッ素系樹脂:PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)
(2)ポリアセタール樹脂:POM(ポリオキシメチレン)
(3)ナイロン樹脂
(4)フェノール樹脂:PF
(5)ジアリルフタレート樹脂:PF
(6)ポリイミド樹脂:PI
(7)エポキシ樹脂:EP
(8)塩化ビニル樹脂:PVC
(9)ポリフェニレンサルファイド樹脂:PPS
(10)ポリエステル樹脂
(11)ポリエーテルエーテルケトン樹脂:PEEK
(12)各種液晶ポリマー:LCP
(13)各種ポリマーアロイ
【0025】
本発明のhBN粉末の他の用途をあげれば化粧品用原料である。それを例示すれば以下のとおりであるが、中でも各種ファンデーションに本発明のhBN粉末が良く適合する。hBN粉末の化粧品への好適な添加量は1〜70質量%である。
(1)各種ファンデーション
(2)アイシャドー・アイライナー
(3)ネイルエナメル
(4)リップスティック
【0026】
【実施例】
以下、実施例及び比較例をあげて更に本発明を説明する。
【0027】
実施例1
ほう酸(H3BO3)、メラミン(C3N6H6)及び炭酸ナトリウム(Na2CO3)を質量比で50:50:1の割合で混合した粉末を、窒素雰囲気下2000℃で2時間焼成した後粉砕することによって、粉末X線回折法による黒鉛化指数(GI)が1.0、比表面積が9m2/gのhBN粉末原料100kgを製造した。これをhBN粉末1モルに対して0.1化学当量に相当する硝酸を含む水溶液中で1時間撹拌・洗浄した後、濾液が中性になるまで濾過を行い、120℃で乾燥した。これをhBN製の蓋付きルツボに4kg充填して、窒素雰囲気下、1900℃で2時間熱処理した。得られたhBN粉末の白色度、耐加水分解性およびタップ密度を以下に従って測定した。条件を表1、結果を表2に示す。
【0028】
(1)白色度:
測色色差計(日本電色社製商品名「Z−300A」)を用い、直径30mm、高さ13mmの石英ガラス製サンプルセルにhBN粉末を充填して測定した。
(2)耐加水分解性
試料8gを蒸留水80gと共にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製容器に充填し、プレッシャークッカー(TABAI社製商品名「TPC−211」)内で、120℃、0.2MPaで1日間保持した後、PTFE容器の内容物を濾別し、濾液中の溶出ほう素量及び溶出窒素量を測定した。溶出ほう素量はICP法にて測定した。溶出窒素量はイオンクロマトグラフ法にて測定したアンモニウムイオン(NH4 +)量を、窒素量に換算した。溶出ほう素量及び溶出窒素量は、hBN粉末に対する質量分率値とした。
(3)タップ密度
ホソカワミクロン社製商品名「パウダーテスター PT−E型」を用い、hBN粉末を100cm3の専用容器に充填し、タッピングタイム180秒、タッピング回数180回、タップリフト18mmの条件でタッピングを行った後の嵩密度を測定し、タップ密度とした。
(4)黒鉛化指数(GI)
粉末X線回折装置(リガク社製商品名「GF−2013」を用い、表3に示す条件で測定した。
(5)比表面積
QUNTACHROME社製商品名「QUNTASORB−Jr OS Jr−1」を用い、BET一点法で測定した。
【0029】
実施例2
ほう酸(H3BO3)、メラミン(C3N6H6)及び炭酸カルシウム(CaCO3)を質量比で60:50:5の割合で混合した粉末を、実施例1と同じ条件で焼成及び粉砕することによって、粉末X線回折法による黒鉛化指数(GI)が1.1、比表面積が3m2/gのhBN粉末原料300kgを製造した。これをhBN粉末1モルに対して0.15化学当量に相当する硝酸を含む水溶液中で3時間撹拌・洗浄した後、濾液が中性になるまで濾過を行い、150℃で乾燥した。その後、実施例1と同様な条件で熱処理した。
【0030】
実施例3〜6 比較例1〜7
hBN粉末原料の製造条件、酸洗浄の酸の種類、熱処理条件を表1としたこと以外は、実施例1に準じてhBN粉末を熱処理した。
【0031】
比較例8
hBN粉末原料の製造条件とその熱処理条件を表1としたこと以外は、実施例2と同様にしてhBN粉末を熱処理した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
実施例7 比較例9
本例は、長期間保管されたhBN粉末の樹脂用充填材としての性能比較試験を行ったものである。すなわち、常温下、大気中で1年間保管したhBN粉末と、PTFE粉末(ダイキン工業社製商品名「ポリフロンM−12」)を、質量比で10:90の割合で混合後、30MPaの圧力で金型成形し、直径50mm、厚さ8mmの成形体を作製した。これを空気中で370℃で5時間焼成した後、厚さ1mmの試片を切り出して、JIS K6911に準拠した方法で体積抵抗率を測定した。その結果、実施例1で製造されたhBN粉末を用いた場合は4×1015Ω・cmであり、比較例1で製造されたhBN粉末の場合は2×109Ω・cmであった。
【0036】
実施例8 比較例10
本例は、樹脂用充填材の色調の比較試験を行ったものである。すなわち、hBN粉末とポリアセタール(POM)ペレットを、質量比で4:96の割合でヘンシェルミキサーを用いて混合した後、更に二軸押出機を用いて215℃で混合し、ペレタイザーによりペレット化した。このペレットを1.4MPa、220℃で熱間成形して40mm×40mm×4mmの成形体を作製し、その表面を研磨して外観を観察した。その結果、実施例2で製造されたhBN粉末を用いた場合には均一な白色の色調であったのに対し、比較例8で製造されたhBN粉末では、ややくすんだ白色の部位の偏在が認められ、不均一な色調であった。
【0037】
実施例9 比較例11
本例は、長期間保管されたhBN粉末について、化粧品用原料としての比較試験を行ったものである。すなわち、以下の(イ)〜(リ)からなる化粧品用原料を85℃で加熱混合した後、常温下、大気中で2年間保管されたhBN粉末を3質量部混合した。この混合物に、(ヌ)と(ル)の原料を85℃で加熱混合された別の混合物を徐々に添加した後、15分間撹拌した。その後、撹拌を続けながら、45℃まで冷却・保温し香料0.2質量部を添加してから室温まで冷却して乳化ファンデーションを製造し臭気を調べた。その結果、実施例4で製造されたhBN粉末を用いた場合には臭気はなかったが、比較例5で製造されたhBN粉末では微かにアンモニア臭が認められた。
【0038】
(イ)ステアリン酸 0.4質量部
(ロ)イソステアリン酸 0.3質量部
(ハ)セチル2−エチルヘキサノエート 4質量部
(ニ)流動パラフィン 11質量部
(ホ)POE(10)ステアリルエーテル 2質量部
(ヘ)タルク 15質量部
(ト)顔料 4質量部
(チ)セチルアルコール 0.3質量部
(リ)防腐剤 0.1質量部
(ヌ)プロピレングリコール 5質量部
(ル)蒸留水 54.7質量部
【0039】
【発明の効果】
本発明によれは、樹脂用充填材や化粧品用原料として用いた場合に、得られる樹脂成形体や化粧品が均一な外観を呈し、また長期間保管後にこれらの用途に使用しても性能低下が極めて小さい、白色度および耐加水分解性が高いhBN粉末が提供される。本発明の製造方法によれば、このようなhBN粉末を工業的規模で容易に製造することができる。
Claims (4)
- 白色度が95.0以上、タップ密度が0.20g/cm3以上、120℃の加圧熱水中に1日間浸漬後の溶出ほう素および溶出窒素の合計量が800μg/g以下であることを特徴とする六方晶窒化ほう素粉末。
- 請求項1記載の六方晶窒化ほう素粉末からなることを特徴とする樹脂用充填材。
- 請求項1記載の六方晶窒化ほう素粉末からなることを特徴とする化粧品用原料。
- 黒鉛化指数(GI)が2.0以下で、比表面積が15m2/g以下の六方晶窒化ほう素粉末を、六方晶窒化ほう素1モルに対し0.02〜0.5化学当量の酸水溶液で洗浄・乾燥した後、炭素と接触させないようにして、窒素雰囲気下、1800〜1950℃で1〜5時間熱処理することを特徴とする請求項1記載の六方晶窒化ほう素粉末の製造方法。
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