JP3108764B2 - チタニア粉体 - Google Patents

チタニア粉体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なチタニア系
微粉体に関するものであり、さらに詳しくは、導電性を
有するチタニア系焼結体をつくるための原料粉体に関す
るものである。即ち、本発明は、導電性チタニア系焼結
体、例えば、TiO2 系、BaTiO3 系、SrTiO
3 系、PbTiO3 系等の導電性焼結体を製造するため
の原料粉体に関するものである。さらに、例えば、この
粉体のアナターゼ型のものは、粉体そのものをその光触
媒反応性を利用して各種の用途、例えば、脱臭、殺菌、
排水処理、有機反応、防泥等に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、NbO5/2 ,TaO5/2 をTiO
2 結晶粒子と反応させて、TiO2 結晶粒子に半導電性
を発現させることを試みた例は存在する(例えば、1)
高田雅介等,「窯業協会誌」,84〔5〕237−24
1(1976):TiO2 焼結体の電気伝導におよぼす
Al2 3 およびNb2 3 の添加効果、2)本間基
文,「半導体セラミックスとその応用,学献社,p63
−67(1990):高温用PTCサーミスタ、PbT
iO3 −TiO2 系セラミクス、3)山岡信立,「電子
セラミックスへの招待」,p51−78(1986):
BLコンデンサ、4)山岡信立,「半導体セラミクスと
その応用」,学献社,p222−227(1990):
(Sr,Ca)TiO3 系BLコンデンサ、5)古川喜
代志等,「半導体セラミクスとその応用」,学献社,p
228−232(1990):半導体セラミックコンデ
ンサの微細構造)。しかし、これらの大半のものは、ア
ルゴン雰囲気あるいは還元性雰囲気でNbO5/2 ,Ta
5/2 を反応させたものであり、これらがTiO2 結晶
格子に完全に固溶していないものが多い。また、これま
で、本発明のようにNbO5/2 ,TaO5/2 に加えてさ
らに少量のZrO2 を含有しているものは存在していな
い。
【0003】従来の技術でつくられた導電性チタニア粉
体は、希望した量のNbO5/2 ,TaO5/2 をTiO2
結晶格子に完全に固溶させて半導電性を発現させたもの
ではない。従来の技術の多くはNb,Taを酸化物粉体
の状態でTiO2 粉体と混合し、アルゴン雰囲気又は還
元雰囲気で加熱してTiO2 結晶格子に固溶させるもの
が大半であるが、このような方法では希望する量のNb
5/2 ,TaO5/2 を完全にしかも均一に分散してTi
2 結晶格子に固溶させることは不可能である。さら
に、このような固相法では、例えば、1モル%以下の極
少量のNbO5/2,TaO5/2 を均一に分散してTiO
2 結晶格子に固溶させることも不可能である。また、希
望する一定量のNb,TaをTiO2 結晶格子に固溶さ
せて一定の導電性を発現させることができたとしも、こ
れだけでは高温使用時における焼結体の導電性の経時変
化と言う大きな問題が生じるため、安定した使用には用
いられない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、希望する一
定量のNb,TaをTiO2 結晶格子に完全に固溶させ
たチタニア系粉体を開発し、提供することを目標として
鋭意研究を積み重ねた結果、化学的方法により希望する
量のNb,Taを完全かつ均一に分散してTiO2 結晶
格子中に固溶させることができること、さらに、少量の
ZrO2 を分散させることにより、焼結体の高温使用時
の導電性の経時変化を防止できること、を見出し、本発
明を完成するに至った。本発明は、希望するNb
5/2 、TaO5/2 あるいはこの両者の一定量をTiO
2 結晶格子に完全に固溶させ、焼結により一定の導電性
を発現するチタニア粉体を開発し、提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)一定量のNb、TaをTiO2 結晶格子に固溶させることによりTiO2 結晶格子中のNb、Taの拡散析出を抑制して、さらに
ZrO2をTiO2結晶格子に完全に均一に分散、固溶さ
せた、使用時における焼結体の導電性の経時変化を防止
することを可能にした導電性チタニア系焼結体の原料粉
体であって、組成式(Ti1-x,Mx )O2 (ただし、Mは、Nb及び/又はTa、Xは、0.05
≧X≧0.0005)の組成を有し、さらにTiO2
対してZrO2を0.1−2.0wt.%含有し、黄色
に着色している粉体であり、一次粒子径が0.1μm以
下の粒子径からなるチタニア粉体。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明は、上記の課題を解決するために鋭
意検討を行った結果、上記組成式の組成を有するTiO
2 微粉体を開発したものである。本発明のチタニア微粉
体は、一定量のNbO5/2 ,TaO5/2 の他に、ZrO
2 を使用するTiO2 に対して0.1−2.0wt.%
を化学的方法により完全にTiO2 結晶格子に原子単位
の均一さで分散、固溶させたことを特徴とするものであ
り、これにより上記の課題を克服することを可能にする
ものである。本発明のチタニア微粉体は、例えば、希望
する一定量のNb又はTa、又はその両者の一定量とZ
rO2 を溶解含有する水溶液をつくり、これを塩酸又は
硫酸酸性のチタン水溶液に入れて撹拌の後、アンモニア
水溶液により沈殿させ、この沈殿を分離、乾燥、大気中
での仮焼、粉砕により粉体を得て、作製される。この場
合、TiO2 に対して一定量のNbO5/2 及び/又はT
aO5/2 の他に、一定量のZrO2 を溶解含有する塩酸
又は硫酸酸性のチタン水溶液をつくるが、それらの溶解
の順序、水溶液の作製手順は適宜のもので良く、特に限
定されるものではない。
【0007】このような化学的方法により、希望する一
定量のNb又はTa、又は一定量のNbとTaの両者
と、ZrO2 を使用するTiO2 に対して0.1−2.
0wt.%をTiO2 結晶格子に完全に均一に分散して
入れることができる。これにより、希望する量のNb又
はTa、又はNbとTaの両者の一定量とZrO2 を含
有するチタニア粉体を製造することができる。また、化
学的方法では0.1モル%以下の任意の少量でも均一に
入れることが可能であるため、固相法では困難な1モル
%以下の極少量のNb,Taを均一に分散してTiO2
結晶格子中に固溶させることができる。
【0008】希望する一定量のNb,TaをTiO2
晶格子に固溶させて一定の導電性を発現させることがで
きたとしも、これだけでは使用時における焼結体の導電
性の経時変化と言う大きな問題を避けることができな
い。これは恐らくTiO2 結晶格子に固溶させたNb,
Taが使用中、特に温度を上げて使用したときに結晶格
子から拡散析出するため導電性の変化が生じたことによ
るものと思われる。この問題を解決するために、種々検
討した結果、この現象をTiO2 に対して0.1−2.
0wt.%のZrO2 をTiO2 結晶格子に完全に均一
に分散して入れることにより防止することができること
がわかった。これは、恐らくZrがTiO2 結晶格子中
では殆ど拡散せず、そのためNb,Taの拡散が抑えら
れたことによるものと思われる。
【0009】本発明の粉体は、水溶液からの水酸化物の
沈殿から出発しているため、一次粒子径は、0.1μm
以下の微粒子から成り、粉体の色はNbやTaがTiO
2 結晶格子に固溶しているため黄色を示している。Zr
の固溶による焼結体の電気伝導度への影響はなかった。
これは、固溶させたZrの量が少ないためと思われる。
この粉体を用いて通常の方法により成型してから従来の
ようにアルゴン雰囲気又は還元性雰囲気中ではなく、大
気中1200〜1400℃で焼成して半導電性を有する
真っ黒の焼結体をつくることができる。
【0010】焼結体の作製プロセスの好適な一例を以下
に示す。即ち、例えば、400℃で仮焼した粉体をボー
ルミルで湿式粉砕の後、約100℃で乾燥の後、乳鉢で
軽くほぐしてから篩目が300μm位の篩で篩って焼結
体作製用の原料粉体とする。この粉体を長方形金型に入
れてから200Kg/cm2 で予備成型したものをゴム
袋に入れて脱気し、密封してからラバープレス機で最終
成型をする。ラバープレス機では3トン/cm2 で成型
する。得られた成型体の密度は理論密度の55%であっ
た。この成型体をアルミナの板に乗せて1300℃で2
時間、焼成する。アルミナの板には予め同じチタニア粉
体を敷いてから成型体をのせる。また、1300℃まで
の昇温時間は130分とし、2時間保持後の冷却速度は
冷却速度は自然冷却とする。これらの作製プロセスにお
ける具体的な方法、条件及び手段は各々同様の他のもの
に適宜変更することができる。本発明により、一定の導
電性を発現させることが可能であり、しかも、高温使用
時における導電性の経時変化の問題のない半導電性チタ
ニア焼結体を提供することができる。
【0011】また、本発明の導電性チタニア粉体そのも
のの特性、有用性等を以下に示す。TiO2 粉体そのも
のは電気絶縁体である。白くて毒性がほとんどなく、展
性と付着性に優れている等の理由のため各種産業の中で
は各種原料として広く利用されている。例えば、白い粉
体そのものを利用するものとして自動車、家庭用電気製
品等の白色塗料やインク材料としての利用、化粧用粉体
等がある。また、近年はチタニア粉体そのものの光触媒
特性を利用した応用が広がり、微粒子粉体を布、壁面、
器具の表面に付着させて抗菌作用を付与させて利用して
いる。人工宝石としてのルチル単結晶、人工ダイア類似
品としてのチタン酸ストロンチュウム原料等としての利
用もある。セラミックス産業の中では、チタニア粉体
は、機能性セラミックス用の原料としての利用が多い。
例えば、半導電性チタン酸バリュウムやチタン酸ストロ
ンチュウム、チタン酸ジルコニュウム鉛等の各種誘電体
用の原料としての利用である。
【0012】本発明の導電性チタニア粉体の利用を上述
の機能性セラミックスとの関係から考えると、現在の半
導電性チタン酸バリュウムの場合(炊飯器、ヘヤードラ
イヤー等のヒーターとして利用されている)、チタン酸
バリュウムを合成、粉体としてから半導電性を付与する
ために、さらにランタン、セリュウム等を反応させてか
ら再度、粉体としている。本発明の半導電性チタニア粉
体を利用すると、例えば、バリュウムと一度の反応で半
導電性チタン酸バリュウムの合成と粉体にまで仕上げる
ことができる可能性がある。チタン酸ストロンチュウム
の場合、高誘電体半導電性チタン酸ストロンチュウムと
して利用されているが、この場合は、チタン酸ストロン
チュウムを合成した後、さらに還元処理で半導電性にし
ているが、水素等の還元ガスで還元処理を行うため還元
の制御が困難で導電性を制御し難い欠点がある。本発明
の半導電性チタニア粉体を利用すると、導電性の制御は
チタニア粉体で行い、ストロンチュウムとの一度の反応
で半導電性チタン酸ストロンチュウム粉体を製造するこ
とが可能となる。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。 実施例1 1)チタニア粉体の作製 TiO2 に対して1.0モル%のNbO5/2 と0.5w
t.%のZrO2 を溶解含有する塩酸又は硫酸酸性のチ
タン水溶液をつくり、撹拌の後、アンモニア水溶液を加
えて沈殿をつくり、この沈殿を分離、乾燥、大気中40
0℃で2時間仮焼、ボールミル中で湿式粉砕の後、10
0℃で乾燥し、軽くほぐして粉体を得た。得られた粉体
は、鮮やかな黄色を示した。
【0014】2)焼結体の作製 この粉体を通常のラバープレス法で成型の後、大気中で
1300℃、2時間焼成して真っ黒な半導電性を有する
チタニア焼結体を得た。
【0015】3)導電性 この焼結体の室温での抵抗値は、100Ω・cmであっ
た。この焼結体を室温から1000℃迄5時間で加熱し
た後、室温に冷却して再び抵抗値を測定したところ、抵
抗値に変化はなかった。しかし、同じ組成でZrO2
含有しない焼結体の室温での抵抗値は、1000℃に加
熱する前は110Ω・cmであったが、1000℃に加
熱してから室温に冷却して測定したところ約100MΩ
・cmを示した。
【0016】実施例2 TiO2 に対して0.5モル%のNbO5/2 と0.5w
t.%のZrO2 を溶解含有する塩酸又は硫酸酸性のチ
タン水溶液をつくり、撹拌の後、実施例1と同様な手順
により処理して粉体を得た。この粉体を用いて実施例1
と同様な操作で焼結体をつくって、室温での抵抗値を測
定した結果、抵抗値は30Ω・cmであった。この焼結
体を室温から1000℃迄5時間で加熱した後、室温に
冷却して再び抵抗値を測定したところ、抵抗値に変化は
なかった。しかし、同じ組成でZrO2 を含有しない焼
結体の室温での抵抗値は1000℃に加熱する前は32
Ω・cmであったが、1000℃に加熱してから室温に
冷却して測定したところ約150MΩ・cmを示した。
【0017】実施例3 TiO2 に対して0.125モル%のNbO5/2 と0.
5wt.%のZrO2を溶解含有する塩酸又は硫酸酸性
のチタン水溶液をつくり、撹拌の後、実施例1と同様な
手順により処理して粉体を得た。この粉体を用いて実施
例1と同様な操作で焼結体をつくって、室温での抵抗値
を測定した結果、抵抗値は10Ω・cmであった。この
試料をさらに1000℃に加熱してから室温に冷却して
から抵抗値を測定したが加熱前の値と変化はなかった。
しかし、同じ組成でZrO2 を含有しない焼結体の室温
での抵抗値は1000℃に加熱する前は13Ω・cmで
あったが、1000℃に加熱してから室温に冷却して測
定したところ約130MΩ・cmを示した。
【0018】実施例4 TiO2 に対して1モル%のNbO5/2 と1.0wt.
%のZrO2 を溶解含有する塩酸又は硫酸酸性のチタン
水溶液をつくり、撹拌の後、アンモニア水溶液を加えて
沈殿をつくり、この沈殿を分離、乾燥、大気中400℃
で2時間仮焼、ボールミル中で湿式粉砕の後、100℃
で乾燥し、軽くほぐして粉体を得た。得られた粉体は鮮
やかな黄色を示した。この粉体を通常のラバープレス法
で成型の後、大気中で1300℃、2時間焼成して真っ
黒な半導電性を有するチタニア焼結体を得た。この焼結
体の室温での抵抗値は、110Ω・cmであった。この
焼結体を室温から1000℃迄5時間で加熱した後、室
温に冷却して再び抵抗値を測定したところ抵抗値に変化
はなかった。
【0019】実施例5 TiO2 に対して0.5モル%のNbO5/2 と1.0w
t.%のZrO2 を溶解含有する塩酸又は硫酸酸性のチ
タン水溶液をつくり、撹拌の後、実施例4と同様な手順
により処理して粉体を得た。この粉体を用いて実施例1
と同様な操作で焼結体をつくって、室温での抵抗値を測
定した結果、抵抗値は35Ω・cmであった。この試料
をさらに1000℃に加熱してから室温に冷却してから
抵抗値を測定したが加熱前の値と変化はなかった。
【0020】実施例6 TiO2 に対して0.5モル%のTaO5/2 と1.0w
t.%のZrO2 を溶解含有する塩酸又は硫酸酸性のチ
タン水溶液をつくり、撹拌の後、実施例4と同様な手順
により処理して粉体を得た。この粉体を用いて実施例1
と同様な操作で焼結体をつくって、室温での抵抗値を測
定した結果、抵抗値は60Ω・cmであった。この試料
を、さらに1000℃で加熱してから室温に冷却して抵
抗値を測定したが加熱前の値と変化はなかった。しか
し、同じ組成でZrO2 を含有しない焼結体の室温での
抵抗値は1000℃に加熱する前は62Ω・cmであっ
たが、1000℃に加熱してから室温に冷却して測定し
たところ約200MΩ・cmを示した。
【0021】実施例7 TiO2 に対して0.125モル%のTaO5/2 と1.
0wt.%のZrO2を溶解含有する塩酸又は硫酸酸性
のチタン水溶液をつくり、撹拌の後、実施例4と同様な
手順により処理して粉体を得た。この粉体を用いて実施
例1と同様な操作で焼結体をつくって、室温での抵抗値
を測定した結果、抵抗値は20Ω・cmであった。この
試料を、さらに1000℃で加熱してから室温に冷却し
て抵抗値を測定したが加熱前の値と変化はなかった。し
かし、同じ組成でZrO2 を含有しない焼結体の室温で
の抵抗値は1000℃に加熱する前は23Ω・cmであ
ったが、1000℃に加熱してから室温に冷却して測定
したところ約120MΩ・cmを示した。
【0022】実施例8 TiO2 に対して0.05モル%のTaO5/2 と1.0
wt.%のZrO2 を溶解含有する塩酸又は硫酸酸性の
チタン水溶液をつくり、撹拌の後、実施例4と同様な手
順により処理した。実施例4と同様な操作で焼結体をつ
くって、室温での抵抗値を測定した結果、抵抗値は15
Ω・cmであった。この試料を、さらに1000℃で加
熱してから室温に冷却して抵抗値を測定したが加熱前の
値と変化はなかった。しかし、同じ組成でZrO2 を含
有しない焼結体の室温での抵抗値は1000℃に加熱す
る前は18Ω・cmであったが、1000℃に加熱して
から室温に冷却して測定したところ約110MΩ・cm
を示した。
【0023】実施例9 TiO2 に対して0.25モル%のTaO5/2 と0.2
5モル%のNbO5/2と1.0wt.%のZrO2 を溶
解含有する塩酸又は硫酸酸性のチタン水溶液をつくり、
撹拌の後、実施例4と同様な手順により処理した。実施
例4と同様な操作で焼結体をつくって、室温での抵抗値
を測定した結果、抵抗値は43Ω・cmであった。この
試料を、さらに1000℃で加熱してから室温に冷却し
て抵抗値を測定したが加熱前の値と変化はなかった。し
かし、同じ組成でZrO2 を含有しない焼結体の室温で
の抵抗値は1000℃に加熱する前は47Ω・cmであ
ったが、1000℃に加熱してから室温に冷却して測定
したところ約105MΩ・cmを示した。
【0024】
【発明の効果】本発明により、1)希望する量のNb,
Taを完全にしかも均一に分散してTiO2 結晶格子に
固溶させたチタニア系微粉末を提供することができる、
2)1モル%以下の極少量のNb,Taを均一に分散し
てTiO2 結晶格子に固溶させることができる、3)焼
結体の高温使用時における導電性の経時変化の問題を解
決することができる、4)一定の導電性を発現するチタ
ニア粉体を提供することができる、5)使用時における
導電性の経時変化のない導電性チタニア焼結体を提供す
ることができる、6)導電性チタニア系焼結体の原料粉
体として有用なチタニア系微粉体を提供することができ
る、等の格別の作用効果が奏される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 文 柱昊 愛知県名古屋市名東区藤森西町508 ロ イヤルハイツ301号 (56)参考文献 特開 平9−198918(JP,A) 特開 平7−82017(JP,A) 特開 平5−17221(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 23/00 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定量のNb、TaをTiO2 結晶格子に固溶させ、さらに ZrO2 をTiO2 結晶格子に完全に均一に分散、固溶させることによりT
    iO2 結晶格子中のNb、Taの拡散析出を抑制して、使用時
    における焼結体の導電性の経時変化を防止することを可
    能にした導電性チタニア系焼結体の原料粉体であって、
    組成式(Ti1-x,Mx )O2(ただし、Mは、Nb及び
    /又はTa、 Xは、0.05≧X≧0.0005)の組成を有し、さ
    らにTiO2に対してZrO2を0.1−2.0wt.%
    含有し、黄色に着色している粉体であり、一次粒子径が
    0.1μm以下の粒子径からなるチタニア粉体。
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