JP5343604B2 - 酸化チタン系光触媒薄膜の製造方法 - Google Patents

酸化チタン系光触媒薄膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化チタン系光触媒膜の製造方法に関する。更に詳しくは、紫外光のみならず、可視光領域でも光触媒活性を有する酸化チタン系光触媒薄膜の製造方法に関する。
二酸化チタン等種々の金属酸化物が光触媒活性を示すことは広く知られており、その抗菌性、防汚・除汚性、脱臭性等の性能を利用して建材等広い用途に用いられている。しかし、二酸化チタン等の光触媒反応に利用できる光は紫外光領域に限られており、エネルギーの有効利用及び屋内の利用を実現するには、可視光領域でも利用可能な光触媒が求められている。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、下記のものが挙げられる。
特開平9−175821号公報 特開2001−262007号公報 特開2007−176753号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、触媒活性が高く、透明性、基材への密着性及び均一性を有する上に、特に可視光応答性にも優れる酸化チタン系光触媒薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行い、ニオブ又はタンタルを所定の割合で含有する酸化チタン粉末で、その製造工程で水溶性還元剤の共存下で、いわゆる水熱反応を行ったものが、赤外線遮断特性を有することを見出している(特開2010−90011号公報)。本発明者は、更に鋭意検討を重ねた結果、この赤外線遮断特性を有する酸化チタン粉末、即ちニオブ又はタンタルを0.2〜25質量%の割合で含有し、乾燥粉末の拡散反射スペクトルにおいて、可視光領域で最大の反射率を示す波長における反射率が50%以上であり、1000〜2500nmにおける反射率が可視域の最大反射率の半分以下である酸化チタン系粉末を平均粒径100nm以下の微粒子に粉砕し、この酸化チタン系微粒子を溶媒に分散させた分散液を基板に塗布した後、乾燥して成膜することで、紫外光のみならず、可視光領域でも光触媒活性を有する酸化チタン系光触媒薄膜が得られることを見出し、本発明をなすに至った。なお、この効果には、赤外線遮断能の起源である可動性の電荷担体(自由電子、正孔)の存在が寄与していると考えられる。
即ち、本発明は、下記の光触媒薄膜の製造方法を提供する。
[請求項1]
4価のチタン化合物の溶液又は分散液と、5価のニオブ又はタンタル化合物の溶液又は分散液と、3価のチタンの水溶性化合物とを混合し、100〜250℃の温度に加熱して得られ、ニオブ又はタンタルを0.2〜25質量%の割合で含有し、粉末の拡散反射スペクトルにおいて、可視光領域で最大の反射率を示す波長における反射率が50%以上であり、1000〜2500nmにおける反射率が可視域の最大反射率の半分以下である酸化チタン系粉末を、平均粒径100nm以下の微粒子に粉砕し、この酸化チタン系微粒子を溶媒に分散させた分散液を基板に塗布した後、乾燥して成膜することを特徴とする光触媒薄膜の製造方法。
[請求項2]
酸化チタン系微粒子を水又は水と有機溶媒の混合溶媒に分散させた請求項1記載の製造方法。
[請求項3]
分散液中の酸化チタン系微粒子の濃度が、固形分として0.1〜10質量%である請求項2記載の製造方法。
[請求項4]
成膜した膜の硬化時の厚さが50〜500nmである請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法。
[請求項5]
基板が、有機材料、繊維製品、金属、ガラス製品又はセラミックス製品である請求項1乃至4のいずれか1項記載の製造方法。
本発明によると、透明性、基材への密着性及び均一性に優れ、しかも紫外光のみならず可視光領域でも高い光触媒活性を有する薄膜を簡便な工程で製造することができる。
本発明の酸化チタン系粉末の拡散反射スペクトルである。 本発明の酸化チタン系微粒子分散液の粒度分布測定結果を示す図である。
本発明の光触媒薄膜の製造方法は、ニオブ又はタンタルを0.2〜25質量%の割合で含有し、粉末の拡散反射スペクトルにおいて、可視光領域で最大の反射率を示す波長における反射率が50%以上であり、1000〜2500nmにおける反射率が可視域の最大反射率の半分以下である酸化チタン系粉末を、平均粒径100nm以下の微粒子に粉砕し、この酸化チタン系微粒子を溶媒に分散させた分散液を基板に塗布した後、乾燥して成膜することを特徴とする。
〔酸化チタン系微粒子〕
本発明で用いる酸化チタン系微粒子としては、ニオブ又はタンタルを0.2〜25質量%の割合で含有し、乾燥粉末の拡散反射スペクトルにおいて、可視光領域で最大の反射率を示す波長における反射率が50%以上であり、1000〜2500nmにおける反射率が可視域の最大反射率の半分以下である酸化チタン系粉末を、平均粒径100nm以下に粉砕・解砕したものを用いる。この平均粒径は、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法などで測定されるもので、液中に分散された状態での値である。後に実施例でその粒度分布の例を示す。微粒子の平均粒径は、より好ましくは70nm以下、更に好ましくは50nm以下、特に好ましくは40nm以下である。100nmを超えると十分な活性が得られにくい。この平均粒径に本質的に下限値は無いが、5nmより細かくするのは現実的に難しい上、活性もそれほど向上は期待できないので、5nm以上が好ましい。
本発明で用いる酸化チタン系粉末中には、ニオブ又はタンタルが0.2〜25質量%含有される。主成分である酸化チタンは99.8〜75質量%、特に99.5〜85質量%の含有量であることが好ましい。より好ましくはニオブの場合0.5〜12質量%、特に1〜10質量%であり、タンタルの場合1〜15質量%、特に1.5〜10質量%である。この範囲よりニオブ又はタンタルが少ないと可視光下での光触媒活性が十分でなく、この範囲を超えてニオブ又はタンタルを含有した場合、均一に固溶することができず、光触媒活性の向上に寄与しない。
チタン、ニオブ、タンタル、酸素以外の元素については、1質量%以下であることが好ましい。より好ましくは実質的に含まないことである。
本発明の酸化チタン系粉末の可視光(360nm〜830nm)を透過し、赤外線を遮断する特性とは、粉末の拡散反射スペクトルにおいて、可視光領域の反射率の最大値が50%以上であることと、1000〜2500nmの赤外領域の全体に亘って反射率が可視光の最大反射率の半分以下であることである。可視光領域の反射率の最大は60%以上であることがより好ましく、赤外領域の反射率は30%以下であることがより好ましい。後に実施例でそのスペクトルの例を示す。可視光領域の反射率の最大値が50%未満であると光触媒活性もむしろ低下する上に、塗布膜に着色が生じてしまうおそれがあり、赤外領域での反射率が可視光の最大反射率の半分を超えると可視光下での光触媒活性が不足するおそれがある。
本発明で用いる酸化チタン系粉末の分散液中における平均粒径は100nm以下である。より好ましくは70nm以下である。なお、その下限は通常5nm以上、特に10nm以上である。この平均粒径も、上述した方法と同様に測定することができる。
また、本発明の酸化チタン系粉末を得るための原料酸化チタンの結晶相としては、既知のルチル、アナターゼ、ブルッカイトのいずれか、及びそれらのうち2種以上の混合物をいずれも用いることができる。
本発明の酸化チタン系粉末の製造方法は、特に制限されないが、例えば、4価のチタン化合物の溶液又は分散液と、5価のニオブ又はタンタル化合物の溶液又は分散液とを、3価のチタンの水溶性化合物等の水溶性還元剤の存在下に混合し、100〜250℃に加熱することにより得ることができる。
具体的には、本発明の酸化チタン系粉末の製造方法は、
(1)4価のチタン化合物の原料として、TiCl4、Ti(SO42等の水溶性化合物の水溶液、又は、非晶質酸化チタン(IV)又は水酸化チタン(IV)を無機もしくは有機の酸(塩酸、シュウ酸、酢酸等)又はアルカリ(NaOH、N(CH34OH等)で溶解又は透明なコロイド状にした液、
(2)5価のニオブ又はタンタル化合物の原料として、NbCl5、TaCl5、NbF5、TaF5等の水溶性化合物の水溶液、非晶質酸化ニオブ(V)、酸化タンタル(V)、
水酸化ニオブ(V)又は水酸化タンタル(V)を無機もしくは有機の酸(塩酸、シュウ酸、酢酸等)又はアルカリ(NaOH、N(CH34OH等)で溶解又は透明なコロイド状にした液、
(3)3価のチタンの水溶性化合物TiCl3等の水溶性の還元剤(SnCl2、ホルムアルデヒド、ショ糖、ヒドラジン等)
を原料とし、更に必要に応じて酸又はアルカリ、少量のエタノール等の水溶性有機溶媒、及び水を混合して反応原液を得る。
各成分の配合量は、TiとNb又はTaの合計が0.01〜2mol/cm3であることが好ましい。これより低濃度では生産性が悪く、大きな圧力容器が必要になるので好ましくない。これより高濃度では次の加熱反応中に副生物によって系の圧力が上がりすぎて危険になるおそれがあり、好ましくない。より好ましくは0.05〜1mol/cm3である。チタンと、ニオブ又はタンタルとの比率は、目標とする製品中の比率に応じて配合すればよい。
上記の反応原液それぞれを密閉容器又は圧力容器中で100〜250℃の温度に加熱する。加熱温度が100℃未満では、得られる酸化チタン系粉末の赤外線遮断特性が十分でない場合があり、250℃を超えて温度を高くすることは容器の選択、設計を困難にする場合がある。より好ましくは120〜200℃である。容器としては密閉容器又は圧力容器を用い、水溶液を100℃を超えて加熱した際に発生する水蒸気による圧力に耐えて、蒸気を閉じ込め、液の揮発を防ぐことができる構造のものであれば、任意のものを用いることができるが、この場合、0.5MPa以上の圧力に耐えるものであることが好ましい。
加熱の時間は10分〜40時間が好ましい。これより短くては反応が十分進まず、赤外線遮断特性も得られない場合がある。長すぎると、粒子が粗大化してしまうおそれがある。より好ましくは1〜20時間である。
加熱反応を終えた反応液は冷却後、通常は反応液中にある溶解成分を除くために、遠心沈降やブフナー漏斗などでろ別して、ケーキ状にし、必要に応じて洗浄をするか、セロファン膜中に入れて、純水を外液として透析する等の操作をする。乾燥粉末を得たい場合は、ケーキ状のものを得た後、乾燥(大気オーブン、真空乾燥機など)をし、乾燥したものを乳鉢等で解砕するかほぐす。
本発明の酸化チタン系微粒子は、上述の通り、チタンとニオブ又はタンタルの水溶性化合物を出発原料とし、還元剤の共存下でいわゆる水熱反応を行うことによって合成される酸化チタン系粉末を、更にビーズミル、二流体衝突法などにより解砕し、水系溶媒に分散することにより得られる。
本発明の酸化チタン系微粒子を得る別の方法として、水熱条件でない100℃以下での加水分解や中和によってチタンとニオブ又はタンタルとを0.2〜25質量%含むように均一に混合した沈殿を得て、それを脱水・乾燥後に還元雰囲気で400℃以上(400〜1000℃)に加熱処理する方法が挙げられる。この場合、沈殿生成時に還元剤を共存させる必要は無い。但し、この方法によって得られる酸化チタン系粒子は、微細さの点で十分ではないので、上記のビーズミル等にかける前に、乳鉢、ボールミル、ロールミル、ジェットミルなどで十分粉砕する必要がある。
〔塗布用溶液の作成〕
このようにして得られた酸化チタン系微粒子を分散させた液を基板等に塗布して光触媒薄膜を形成する。塗布用溶液中の酸化チタン系微粒子の濃度については、固形分として0.1〜10質量%が好ましい。10質量%を超えると、粒子の凝集が起こりやすく、均一に塗布することも難しくなる。0.1質量%未満だと、十分な光触媒活性を得るためには多数回の塗布が必要になり好適でない。より好ましくは0.3〜5質量%である。
この塗布用溶液は、上記酸化チタン系微粒子のほかに、分散剤、結合剤等を含有することが好ましい。
分散剤は、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミドなどのアクリル系水溶性ポリマー、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン、糖アルコールなどの多価アルコール類等が挙げられる。より具体的には、ビックケミー製、商品名disperbyk2010;松本油脂製薬(株)製、商品名RA−20A等が例示される。酸化チタン系微粒子に対し、当該分散剤の純分として1〜40質量%を加えることが好ましい。
結合剤としてはシリケート系(アルコキシシラン及びその加水分解物など)、チタネート系(アモルファスペルオキソチタンゾル、アルコキシチタンラクテートなど)などを用いることが出来る。より具体的には、コルコート(株)製、商品名エチルシリケート40;鯤コーポレーション製、商品名PTAゾル(アモルファス酸化チタン)等が例示される。有機成分を極力含まないものが好ましい。アモルファスペルオキソチタンゾルなどがこの中に含まれる。結合剤としては、酸化チタン系微粒子に対し、10〜75質量%を添加することが好ましい。
溶媒としては、安全性、作業性の面から水が標準的に用いられるが、水と任意の割合で交じり合う、無害で揮発性の溶媒、具体的にはエタノール、プロパノール等の有機溶媒を全容積の50%を超えない範囲で水に混合して用いることもできる。
塗布用溶液の液性については限定されないが、基材の腐食のおそれが少ないことと、塗布時の安全性の面から、pH3.0〜11.0の範囲でコントロールすることが望ましい。
〔塗布による光触媒薄膜の作成〕
上記の塗布用溶液を用いて、既に技術的に確立した方法により光触媒薄膜を形成することが出来る。例を挙げれば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、はけ塗り法、含浸法、ロール法、ワイヤーバー法、バーコーター法、ダイコーティング法等が挙げられる。塗布後は、室温(25℃)〜200℃で10分〜10時間乾燥することが好ましい。
光触媒薄膜の厚さは、硬化時50〜500nmが好ましい。500nmを超えても、被分解物との接触が起こりにくく有効性の低い部分が増えるだけである。50nm未満では、光触媒としての活性点の数が十分でないおそれがある。
〔光触媒薄膜を形成する基材〕
光触媒薄膜を形成する基材としては、幅広い材料が使用できる。有機材料からなるフィルム、その他の成型品、積層体、繊維製品等が挙げられる。その他、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄などの金属からなる基材、及びガラス製品、タイル等のセラミックス製品も使用できる。具体例としては、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアセタール、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂等の有機材料からなるフィルム、その他の成型品、積層体、繊維製品等の基材、ソーダガラス板、セラミックスタイルが挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3、比較例1]
・酸化チタン微粒子の製造
塩化チタン(IV)溶液(和光純薬工業(株)製、Ti含有量16質量%)197.4gと、塩化チタン(III)溶液(和光純薬工業(株)製、TiCl3含有量19質量%)32.0gを、純水800cm3と混合し、溶解した。塩化ニオブ(V)(三津和化学薬品(株)製、純度99.9%)5.40gを、氷水浴で冷却しながら、純水20cm3と濃塩酸2cm3とを加えて溶解した。これを先に作製したチタンの溶液と混合した。この液を、内面がテフロン(登録商標)被覆された撹拌付き圧力容器(耐圧硝子工業(株)製、内容積1100cm3)に入れ、液温度を160℃に制御しながら12時間撹拌して、反応させた後、自然冷却した。
冷却後、沈殿の生じている反応物を回収し、遠心沈降によって上澄みを除去した。ここに、純水約1000cm3を加え、再び分散した。pHメータで値を見ながら、pH値が4を超えるまでアンモニア水を滴下した。このスラリーをブフナーろうとでろ別し、ケーキ上に純水を注いで洗浄した。このうちの一部(質量でケーキの約5%相当)を100℃に設定した大気乾燥機中で8時間乾燥し、得られたものを乳鉢で解砕して粉末を得た。収量は2.85g、ICP発光分光分析法によって分析したところ、Tiの含量は57.2質量%、Nbの含量は3.3質量%であった。吸着水分などからなる強熱減量は0.5質量%未満であった。
この粉末の拡散反射スペクトルを、積分球をとりつけた島津磁気分光光度計UV−3100S((株)島津製作所製)を用いて測定した結果を図1に示す。可視光領域でもっとも反射率の高いところは450nm付近で反射率77%程度、1000nmから2500nmの赤外線領域での反射率は20%以下であった。
上記のケーキの残り大部分に、純水500cm3を加え、超音波と撹拌を用いて分散したところ、数日おいても沈降の見られない一次分散液を得た。この分散液中の固形分濃度は9.8質量%であった。
・酸化チタン微粒子の二次解砕と分散
上述の酸化チタン一次分散液を、ビーズミル(寿工業(株)製ウルトラアペックスミルUAM−015)を用いて、二次解砕と分散を行った。直径0.03mmのジルコニア製ビーズを用い、液を循環させながら2時間運転をした。表1に示す分散剤とpH調整剤をそれぞれ加え、表1に示す3種の二次分散液を作成した(TOP−1〜TOP−3)。二次分散液中の粒子の粒径は日機装(株)製MT−UPAを用いて動的光散乱法によって測定した。その例としてのTOP−3の測定結果を図2に示す。
Figure 0005343604
# ビックケミー製、商品名 アクリル系共重合体40質量%水溶液
* 松本油脂製薬(株)製、商品名 ポリアクリル酸アンモニウム20質量%水溶液
※ リン酸を加えてpH調整した
分散剤、pH調整剤のほか、分散工程で水が加わり、二次分散液中の固形分濃度は6.8質量%に調整された。
・光触媒薄膜の作成
先述のTOP−1〜3の二次分散液と、比較例としての市販のST−01(石原産業(株)製、酸化チタン(Ti含有量59質量%、Nb又はTaを実質的に含有しない))を、結合剤として市販のサガンコートPTAゾル(鯤コーポレーション製、アモルファスペルオキソチタン中性水溶液)と純水を混合し、光触媒の固形分濃度1質量%、結合剤の固形分濃度を0.5質量%とした塗布用溶液を調製した。この溶液を用いて、厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムにバーコーターを用いて塗布し、乾燥した。薄膜の厚みを薄膜測定装置FILMETRICS F−20(松下テクノトレーディング社製商品名)を用いて測定したところ、いずれも約100nmであった。
・光触媒活性の評価
メチレンブルーの0.1mmol/L水溶液を光触媒膜に塗布し、乾燥して薄膜に充分量のメチレンブルーを吸着させ、光触媒評価チェッカーPCC−2(ULVAC社製商品名)により、青色色素の吸光度の減少を測定した。照射光条件は、紫外線1mW/cm2、可視光(波長400〜600nm)1mW/cm2であった。結果を表2に示す。
・光透過率・ヘイズ
日本電色工業(株)製デジタルヘイズメーターNDH−20Dにより測定した。
光触媒薄膜の特性を表2に示す。
Figure 0005343604
# 光触媒活性は、測定開始10分後のメチレンブルー吸光度の変化量(×103)を表す。
実施例1〜3は同等の膜厚、光触媒含有量、粒径を有する比較例に近い光透過性、ヘイズを示しながら、可視光照射下で4倍以上の高い光触媒活性を有する。また実施例1と2は紫外光照射下でも比較例の1.5倍以上の活性を有する。

Claims (5)

  1. 4価のチタン化合物の溶液又は分散液と、5価のニオブ又はタンタル化合物の溶液又は分散液と、3価のチタンの水溶性化合物とを混合し、100〜250℃の温度に加熱して得られ、ニオブ又はタンタルを0.2〜25質量%の割合で含有し、粉末の拡散反射スペクトルにおいて、可視光領域で最大の反射率を示す波長における反射率が50%以上であり、1000〜2500nmにおける反射率が可視域の最大反射率の半分以下である酸化チタン系粉末を、平均粒径100nm以下の微粒子に粉砕し、この酸化チタン系微粒子を溶媒に分散させた分散液を基板に塗布した後、乾燥して成膜することを特徴とする光触媒薄膜の製造方法。
  2. 酸化チタン系微粒子を水又は水と有機溶媒の混合溶媒に分散させた請求項1記載の製造方法。
  3. 分散液中の酸化チタン系微粒子の濃度が、固形分として0.1〜10質量%である請求項2記載の製造方法。
  4. 成膜した膜の硬化時の厚さが50〜500nmである請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 基板が、有機材料、繊維製品、金属、ガラス製品又はセラミックス製品である請求項1乃至4のいずれか1項記載の製造方法。
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