JP2005040788A - 光触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 可視光領域で高い触媒特性を発揮する光触媒を提供する。
【解決手段】 本発明の光触媒は、ドナーをドープした半導体または導電体である化合物(I)と、光触媒特性を有するn型伝導の化合物半導体である化合物(II)とを接合した化合物複合体を含み、前記化合物(II)の少なくとも一部が反応系に接しており、前記化合物(I)と前記化合物(II)との接合部領域において、化合物(II)中の電位が前記化合物(I)中の電位に対して負となる拡散電位を生じ、前記拡散電位により化合物複合体中において光励起された正孔と電子を分離することを特徴とする、可視光域でも触媒活性を有する光触媒、および高効率で正孔と電子とを分離することにより光化学電池の光電極として適用可能な光触媒である。
【選択図】 図1

Description

本発明は化合物複合体により構成される光触媒であって、特に、異種化合物の接合部領域に生じる拡散電位を利用し、可視光域でも触媒活性を有する光触媒に関する。
光触媒作用を有する電極(光電極)は、エネルギー問題を解決する光技術として以前より注目を浴びているが、光電極内で励起された正孔と電子による水の分解における量子効率は低く、実用化には至っていない。一方、光触媒が発揮する高い酸化力と還元力を積極的に利用して、近年、汚染大気・汚染水の清浄化等のグローバルな環境浄化から、消臭・防汚・抗菌などの生活環境浄化に至るまで、さまざまな分野で光触媒の実用化に向けた研究開発が進められている。その研究の多くは酸化チタンおよび光触媒作用を有する他の化合物単体に関するものであり、反応を促進する助触媒あるいは担体を併せて用いる場合には、従来の触媒の研究を基にPt、Rhなどの貴金属、NiO等の遷移金属酸化物が使用されてきた。
光触媒作用を有する最も代表的な酸化物としては、例えば、アナターゼ型酸化チタンが知られており、脱臭・抗菌・防汚材として既に実用化されている。ただし、酸化チタンが光触媒としての性能を発揮するのは、太陽光線のうち4%程度にすぎない紫外線に対してのみである。このため、屋外における酸化チタンの高機能化・可視光域での応答性を目指してさまざまな改良が試みられている。例えば、酸化チタン上に色素を吸着させ可視光を吸収して生じた吸着色素の励起状態から酸化チタンへ電子を注入する方法、Cr、V、Mn、Fe、Niなどの金属イオンを化学的に注入する方法、プラズマ照射によって酸素欠陥を導入する方法などさまざまな試みが国内外で行われてきている。しかしながら、いずれの方法も均一分散が難しい、正孔と電子の再結合により光触媒活性が低下する、調整コストが高いなどの問題があるため、未だ工業化には至っていない。酸化チタンの可視光域における応答性を生みだす別の手段として、非特許文献1には、酸素イオンサイトに窒素、硫黄、炭素などの陰イオンを化学的にドープする方法が提案されている。窒素をドープした酸化チタン粉末については、日本国内の数社が既に販売を開始している。しかし、窒素ドープによる光触媒活性の向上は数十%程度と低いのが現状である。
他の化合物の研究も盛んに行われており、触媒活性を有するとしてペロブスカイト型酸化物が最近注目されている。例えば、特許文献1においては、一般式A3+3+3で表されるLaFeO3および一般式A2+3+xで表されるSrMnOxなどが提案されているが、現実には高い触媒活性は得られていない。
一方、層状ペロブスカイト型酸化物の研究も盛んに行われている。例えば、特許文献2には、層状ペロブスカイト型のABCO4が提案され、特許文献3にはKLaCa2Nb310系複合酸化物が提案され、また、特許文献4にはKCa2Nb310が提案されている。但し、これらの原理および製法は複雑であり、また、得られた酸化物の化学的安定性にも問題があるため未だ工業化には至っていない。
また、これ等の光触媒活性を有する酸化物の粒子表面で起きる光触媒反応を促進させるため、上述したようにPt,Rhなどの貴金属、およびNiO,RuO2等の遷移金属酸化物を助触媒として添加することも一般的に行われている。しかし、これら助触媒は光触媒活性を持つわけではなく、光触媒作用を有する化合物自体が応答する光の波長領域に影響を与えない。また、NiOの場合には還元、その後酸化して用いるなど使用条件が複雑である問題を有している。
また、光励起された正孔と電子を分離する目的で、光触媒活性を有する2種類の半導体を接合した複合体もかなり研究されているが、接合部に生じる拡散電位を考慮せずに光触媒設計を行っているために有用な実験結果を得るには至っていない。特許文献5および特許文献6には拡散電位を考慮した複合体が提案されているが、拡散電位の起源となるフェルミ準位が考慮されていないため、複合体全体に渡って単調に連続に変化する電場を得るには至っていない。また、アクセプターをドープしているため、正孔と電子の再結合の場所となる空孔が導入され、高い光触媒活性を得るには至っていない。
特開平7‐24329号公報 特開平10‐244164号公報 特開平8−196912号公報 特開平11−139826号公報 特開2003−47859号公報 特開2003−117407号公報 Science 293号(2001年)269頁
したがって、本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、可視光域で高い光触媒活性を発揮することができるとともに、高効率で電荷を分離することができる、安価な光触媒を提供することを目的とする。
本発明は、内部で拡散電位を生じるように構成された化合物複合体である光触媒を用いることにより、反応系と光触媒との界面領域および光触媒内部で生じる拡散電位によって、光触媒内部で光励起された正孔と電子を速やかに分離することを特徴とする可視光域でも触媒活性を有する光触媒に関する。また本発明は、正孔と電子を速やかに分離する作用により、光化学電池の光電極として電流を発生させることを特徴とする可視光域でも触媒活性を有する光触媒に関する。
すなわち、本発明の可視光域でも触媒活性を有する光触媒は、ドナーをドープした半導体または導電体である化合物(I)と、光触媒特性を有するn型伝導の化合物半導体である化合物(II)とを接合した化合物複合体を含み、前記化合物(II)の少なくとも一部が反応系に接しており、前記化合物(I)と前記化合物(II)との接合部領域において、前記化合物(II)中の電位が前記化合物(I)中の電位に対して負となる拡散電位を生じ、前記拡散電位により化合物複合体中において光励起された正孔と電子を分離することを特徴としている。
本発明の光触媒は、化合物(I)と化合物(II)による接合部を有する化合物複合体により構成され、少なくとも1箇所で化合物(II)が反応系に接している。図1を参照して本発明の光触媒において生じる拡散電位について説明する。図1に示すように、本発明の光触媒は、化合物(I)と化合物(II)の接合部領域において化合物(II)側に行くほどポテンシャルが負になる拡散電位が生じるような、化合物(I)と化合物(II)で構成されている。拡散電位は、化合物(I)と化合物(II)のフェルミエネルギーの値を一致させるように生じるため、化合物(II)よりも化合物(I)のフェルミエネルギーが負の値を有すると、化合物(II)側にポテンシャルが負になる拡散電位が生じる。ここで、図1に示すように、化合物(I)と化合物(II)の互いの価電子帯頂上の電子エネルギー、および化合物(I)と化合物(II)の互いの伝導帯底部の電子エネルギーが等しい場合には、化合物(I)と化合物(II)との接合部領域でスムーズな勾配の拡散電位が得られる。なお、拡散電位が生じるとエネルギー帯が曲がるため、拡散電位の替わりにバンド・ベンディングという語句を用いることもある。
ここで仮に、化合物(I)と化合物(II)の互いの価電子帯頂上の電子エネルギー、および化合物(I)と化合物(II)の互いの伝導帯底部の電子エネルギーの少なくとも一方が異なるとすると、異なる側のエネルギー帯の拡散電位中に、即ちバンド・ベンディングに電位の飛び、あるいはスパイクが生じる。具体的には、電位の飛びは、異なるエネルギー帯の拡散電位が化合物(I)と化合物(II)との接合部で段差状をなすことをいう。電位のスパイクは、異なるエネルギー帯の拡散電位が化合物(I)と化合物(II)との接合部で突起状をなすことをいう。
図2はエネルギーバンドギャップの値が等しく、価電子帯頂上の互いの電子エネルギーおよび伝導帯底部の互いの電子エネルギーが異なる化合物(I)と化合物(II)を接合させた場合に生じる拡散電位を説明する図である。この場合には、価電子帯および伝導帯のそれぞれの拡散電位中に上記のようなスパイクが生じる。このような拡散電位が生じると、化合物(I)中で光励起により生じた正孔および化合物(II)中で生じた電子はスパイク部分に捕捉されて、正孔と電子の再結合につながる。
これに対して、図1に示すように、化合物(I)と化合物(II)の価電子帯頂上の互いの電子エネルギー、および伝導帯底部の互いの電子エネルギーの値のそれぞれが近接すると、上記スパイクは無視できるほどに小さくなり、拡散電位勾配による電子と正孔の分離はスムーズに起きる。
また、この場合、化合物(II)はn型伝導の半導体であるため、化合物(II)と反応系との界面領域には、反応系側に向かってアップヒルの電場、すなわち反応系側へ行くほどポテンシャルが負になるような拡散電位が生じる。
上記のような2つの領域の拡散電位が合わさることにより大きな電場を得ることができるので、化合物(II)側の反応系から光が照射されると、化合物(II)中、および化合物(I)と化合物(II)との接合部領域において光励起された正孔と電子は上記拡散電位の力により速やかに分離することができる。また、2つの領域の拡散電位は、化合物(II)側へ深く浸透しているので、化合物(II)中において光励起により生成した正孔は水溶液側へ、光励起により生成した電子は化合物(I)側へ、拡散電位によってそれぞれ速やかに移動することができる。したがって、正孔と電子の再結合を抑制することができるので、量子効率を向上させることができるとともに、可視光域でも高い触媒活性を有することができる。
なお、図1では、化合物(I)のフェルミ準位が伝導帯下端より僅かに下にある場合を示しているが、化合物(I)のフェルミ準位が伝導帯の中にあっても同様の拡散電位が得られる。
ここで、光触媒の量子効率を向上させるとともに、可視光域でも高い触媒活性を有するには種々の構成を用いることができる。たとえば、化合物(I)の可視光域における吸光度が化合物(II)の可視光域における吸光度よりも大きくすることができる。このような態様では、化合物(II)中で吸収されなかった長い波長の可視光は、化合物(I)へと達した際に一定以下の深さまで浸透して吸収することができる。これにより、化合物(I)中で光励起により生成した正孔は化合物(II)を通って反応系側へ、光励起により生成した電子は化合物(I)の深部へ、拡散電位によってそれぞれより速やかに移動することができる。
一方、化合物(I)の電気伝導度は、そこへのドナーのドープ等により大きくすることができる。このような態様では、化合物(I)中の電子の移動による電圧損失を低減することができるので、量子効率をさらに向上させることができる。
上記のように、光励起により生成した正孔と電子の再結合を抑制することにより、量子効率を大幅に向上させることができ、可視光においてもさらに高い触媒活性を発揮する光触媒として作動させることができる。
また、化合物(I)中の電位に対して、n型伝導の半導体である化合物(II)中の電位が負となる拡散電位を有するためには、化合物(I)がドナーをドープした半導体または導電体であって、化合物(I)のフェルミ準位が化合物(II)のフェルミ準位より高いことが必要である。したがって、本発明の化合物(I)のドナー濃度が化合物(II)のドナー濃度よりも大きいこと、すなわち化合物(I)がn+型半導体であることが好ましい。一方、化合物(I)の電気伝導度が化合物(II)よりも大きくなるように構成することも、上記の拡散電位を利用して正孔と電子を分離する方法として好適である。
さらに、化合物(I)においては、陽イオンサイトにドナーをドープすることによって、ドナー濃度を大きくすることができる。また、ドナーとして陽イオンをドープした場合、母相とドープされる陽イオンの大きさの差は小さいため、ドープにより生成する空孔等の正孔と電子の再結合の場所となる電子欠陥は、窒素などの陰イオンのみをドープした場合と比べて非常に少ない。したがって、陽イオンサイトにドナーをドープすることは、化合物(I)と化合物(II)との接合部領域、および化合物(II)と反応系との界面領域に生じた拡散電位を利用して、正孔と電子とを分離する際に有効に作用する。
加えて、正孔と電子とを高効率で分離する作用を有する化合物(I)と化合物(II)との接合部領域を含む光触媒において、化合物(I)と化合物(II)との接合部は点接触ではなく、ミクロな面で接するように作製することが好ましい。このような条件で、光触媒全体に単調な傾きの拡散電位が生じるように化合物(I)と化合物(II)を配置すると、光化学電池の光電極として有効に作動させることができる。
本発明の光触媒によれば、化合物(I)と化合物(II)との接合部領域および化合物(II)と反応系との界面領域の両方において、反応系側のポテンシャルが負となるような拡散電位を生じるように構成されている。これにより、大きな拡散電位を得ることができることから、光励起された正孔と電子とが光触媒中で速やかに分離することができるので、正孔と電子との再結合を抑制することができるとともに、可視光域でも触媒活性を有する光触媒を提供することができる。また、正孔と電子とを速やかに分離することができることから、本発明の光触媒を電流を発生させるために光化学電池の光電極として用いた場合にも優れた活性を有することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。本発明に用いる化合物(I)は、ドナーをドープした半導体または導電体であり、化合物(II)は、光触媒活性を有するn型伝導の化合物半導体である。化合物(I)および化合物(II)は、たとえば金属元素と非金属元素との化合物である。化合物(I)は、少なくとも陽イオンサイトにドナーをドープした半導体または導電体であるのが好ましい。化合物(I)の可視光域における吸光度は化合物(II)の可視光域における吸光度よりも大きいのが好ましい。化合物(I)中のドナー濃度は化合物(II)中のドナー濃度よりも大きい。化合物(I)は化合物(II)よりも大きな電気伝導度を有するのが好ましい。
具体的には、化合物(I)は、次の組成式(i)で表されるペロブスカイト型酸化物である。化合物(II)は、次の組成式(ii)で表される酸化物である。
(A2+ 1-x3+ x)(B4+ 1-y5+ y)(O1-zz3+δ (i)
但し、組成式(i)において、0≦x≦0.2、0≦y≦0.2、0≦z≦0.1、かつx+y≧0.001、および0≦δ≦0.2であり、A、B、C、D、Eはそれぞれ1種以上の元素である。
(A2+ 1-x3+ x)(B4+ 1-y5+ yn(O1-zz(2n+1)(1+δ/2) (ii)
但し、組成式(ii)において、1<n≦∞(nは整数とは限らない)、0≦x≦0.2、0≦y≦0.2、0≦z≦0.1、かつx+y≧0、および0≦δ<0.15であり、A、B、C、D、Eはそれぞれ1種以上の元素である。
上記の組成式(i)および組成式(ii)中のAで表される元素が1種類以上のアルカリ土類元素(たとえば、Sr、Baから選択された1種以上の元素)、Bで表される元素がTiまたはTiおよびZr、Cで表される元素が1種類以上のランタノイド元素(たとえば、La)、Dで表される元素がバナジウム、Nb、Taから選択された1種以上の元素、Eで表される元素が窒素、硫黄、炭素から選択された1種類以上の元素であるものを好適に用いることができる。化合物(I)は、上記の元素からなることによって可視光を吸収することができる。化合物(II)として、たとえば、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の結晶質および非晶質のいずれか、またはこれらの2種以上が混合された酸化チタン、あるいは、これらの酸化チタンにバナジウム、Nb、Ta、窒素、硫黄、炭素から選択された1種以上の元素が含有された化合物を用いることができる。
上記のAで表される元素がアルカリ土類元素であり、Bで表される元素としてTiまたはTiおよびZrをAで表される元素とともに用いた場合、化合物(I)のフェルミ準位は化合物(II)のフェルミ準位よりも十分に負に高く、正孔と電子の移動と分離が速やかに起こることにより、良好な光触媒活性を得ることができる。また上記の場合、化合物(II)自体の触媒活性および化学的安定性は高いので、優れた活性を有しつつも人体に無害な光触媒を安価に製造することが可能である。
Aで表される元素にアルカリ土類元素を用い、Cで表される元素にランタノイド元素を用いた場合、ランタノイド元素はドーパントとして良好に作用するため、光触媒内部における電荷の分離を促進し、光触媒活性を向上させることができる。また、ランタノイド元素が化合物(I)に不純物準位を導入することによって、可視光に対する光触媒活性が向上する。
Bで表される元素にTiまたはTiおよびZrを用いる場合、Dで表される元素としてバナジウム、Nb、Taから選択された1種以上の元素を用いると、これらの元素がドーパントとして良好に作用し、電荷の分離を促進し、光触媒活性を向上させることができる。また、バナジウム、NbおよびTaは化合物(I)に不純物準位を導入するため、可視光に対する光触媒活性も向上する。
一方、Eで表される元素として窒素、硫黄、炭素から選択される1種以上の元素を用いた場合、化合物(I)および化合物(II)の価電子帯頂上のエネルギーが上昇するとともに、不純物準位が導入されるため、可視光に対する光触媒活性が向上する。
Eで表される元素は、可視光の吸収を高めて可視光域での光触媒活性を向上させるために用いられる。Cで表される元素としてランタノイド元素を、Dで表される元素としてバナジウム、Nb、Taから選択された1種以上の元素をドープすると、ドープにより導入される不純物準位を介した可視光の光吸収が起こるため、可視光域で十分に高い光触媒活性を得ることは可能である。Eで表される陰イオンのみのドープでは、酸素イオンとのサイズ差が大きく、正孔と電子の再結合の場所となる欠陥が導入され易い。
組成式(i)および組成式(ii)において、Eで表される元素を含まない酸化物を用いても同様の原理で作動する光触媒の設計が可能である。Eで表される元素を含まない場合、化合物(I)が、次の組成式(iii)で表されるペロブスカイト型酸化物である。化合物(II)は、次の組成式(iv)で表される酸化物である。この場合、正孔と電子の高効率の分離を達成し、高い光触媒活性を得るという点においては、組成式(i)ではEで表される元素を含まないもの、すなわち組成式(iii)で表されるものを用いることがより好ましい。
(A2+ 1-x3+ x)(B4+ 1-y5+ y)O3+δ (iii)
但し、組成式(iii)において、0≦x≦0.2、0≦y≦0.2、かつx+y≧0.001、および0≦δ≦0.2であり、A、B、C、Dはそれぞれ1種以上の元素である。
(A2+ 1-x3+ x)(B4+ 1-y5+ yn(2n+1)(1+δ/2) (iv)
但し、組成式(iv)において、1<n≦∞(nは整数とは限らない)、0≦x≦0.2、0≦y≦0.2、かつx+y≧0、および0≦δ<0.15であり、A、B、C、Dはそれぞれ1種以上の元素である。
本発明における化合物(I)として、アルカリ土類元素およびチタンからなる酸化物に多価イオンを添加することによりドナーをドープしたペロブスカイト型酸化物を用い、化合物(II)としてチタンが濃化した相あるいは酸化チタン相を形成させた場合、化合物(II)の一部が水溶液等の反応系に接する条件にすると、化合物(II)の中に、反応系に向かって連続する単調なアップヒルの拡散電位が生じる。また、この拡散電位は化合物(I)内部にも及ぶ。さらに、ドナーをドープした化合物(I)は、ドープ剤の不純物準位を介して可視光を吸収するため、化合物(I)と化合物(II)との接合部領域において可視光で励起された正孔と電子は速やかに分離され、可視光でも高い光触媒活性を発揮することができる。化合物(I)および化合物(II)において、陽イオンサイトへのドープと共に、酸素イオンサイトに微量の窒素、硫黄、炭素をドープした酸化物でも同様の効果が発揮される。
化合物(I)と化合物(II)のより好ましい組み合わせとしては、たとえば化合物(I)として、アルカリ土類元素とチタンからなる、ATiO(Aはアルカリ土類元素)で表される酸化物に、La、Nb等をドープしたペロブスカイト型酸化物を用い、化合物(II)として、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の結晶質および非晶質のいずれかのチタン酸化物を用いる組み合わせが挙げられる。ここでATiO3(Aはアルカリ土類元素)で表される酸化物にLa、Nb等をドープした化合物(I)を用いると、化合物(I)のフェルミ準位は、ドープ量が多い場合には伝導帯の下端近くまで達し、または内部に位置するまでに上昇し、チタン酸化物のフェルミ準位よりも遥かに高くなるため、化合物(I)と化合物(II)との接合部領域では大きな拡散電位を生じさせることができる。
化合物(I)と化合物(II)の最も好ましい組み合わせとしては、たとえば、化合物(I)として主にチタン酸ストロンチウムまたはチタン酸バリウムからなるもの、化合物(II)として酸化チタン、を用いる組み合わせが挙げられる。この場合、化合物(I)と化合物(II)とのフェルミ準位の差を大きくするため、たとえばチタン酸ストロンチウムにランタンあるいはニオブをドープすると、化合物(I)と化合物(II)との接合部領域に大きな拡散電位を確保でき、さらに高活性の光触媒を作製することができる。
なお、化合物(I)と化合物(II)との接合部を点接触ではなく、試料全体に二次元的に広がるように、すなわち平面的に作製すると、正孔と電子とを高効率で分離する作用によって、光電極として電流を発生させることができる高活性の光触媒を作製することができる。
<ペロブスカイト型酸化物の製造>
化合物(I)として用いられる、ドナーをドープしたペロブスカイト型酸化物は、通常の固相法、すなわち原料となる各金属成分の酸化物または炭酸塩や硝酸塩等の塩類を目的組成で混合焼成することで合成されるが、これ以外の湿式法、水熱合成法あるいは気相法で合成してもよい。また、板あるいは棒状のチタン金属や合金を高温で酸化、またはアノード酸化、または過酸化水素を含む塩酸などの酸性水溶液中で酸化して、表面を結晶質および/または非晶質の酸化チタン若しくは水酸化チタンとした後、ドナー成分を含むアルカリ土類元素の酸化物または炭酸塩や硝酸塩等の塩類を塗布して焼成することで、チタン金属や合金の表面上に合成してもよい。さらには、ドナー成分を含む板あるいは棒状のチタン金属や合金を高温で酸化、またはアノード酸化、または過酸化水素を含む塩酸などの酸性水溶液中で酸化して、表面をドナー成分を含む結晶質および/または非晶質の酸化チタン若しくは水酸化チタンとした後、アルカリ土類元素の酸化物または炭酸塩や硝酸塩等の塩類を塗布して焼成して合成してもよい。表面を酸化チタン若しくは水酸化チタンとした後、アルカリ水溶液中に浸漬して水熱合成等により化合物(I)を作製することもできる。
通常の固相法の場合には、出発原料粉末を混合した後、空気等の酸素含有ガス中、800〜1200℃で1〜50時間仮焼する。仮焼後、乳鉢等で再粉砕し、遊星回転ボールミル等で混合する。
その後、150〜300MPaの圧力で円盤状に成形し、空気等の酸素含有ガス中、1000〜1650℃で5〜50時間焼成することにより目的のペロブスカイト型酸化物が得られる。酸素イオンサイトにも窒素、硫黄、炭素がドープされたペロブスカイト型酸化物を得るには、出発原料として、ドープする元素を含有する塩類および金属錯体等を用いて、同様の固相法により作製することができる。
化合物(I)に用いられる、ドナーをドープしたペロブスカイト型酸化物の形状は、光を有効に利用するために表面積の大きな粒子であることが望ましく、粒径が0.02〜10μm、さらに0.02〜1μmであることが好ましい。所望の粒径を有する粒子を得る方法としては、焼成したペロブスカイト型酸化物を、例えば、乳鉢を用いて手粉砕する方法、ボールミル、遊星回転ボールミル等を用いて粉砕する方法、およびペロブスカイト型酸化物を種々の温度で水熱合成する方法等が挙げられる。
組成式(i)および組成式(iii)に表される化合物(I)において、ドナーとしてドープされる陽イオンである、Cで表される元素のイオンおよびDで表される元素のイオンの含有量は、CはAに対して、DはBに対して、それぞれ20モル%以下となるように設定することが好ましい。Cで表される元素のイオンおよびDで表される元素のイオンの含有量がそれぞれ20モル%以下であれば、異相が析出して光触媒性能が低下してしまう危険性が少ない。なお、ペロブスカイト型酸化物を製造する際の酸素分圧条件などで、酸素濃度が小さくなることがある。酸素含有ガス中で製造する限り、酸素濃度の増減は、最終的に得られる光触媒の活性には大きな影響は与えないが、正孔と電子の再結合の場所となる酸素空孔を減らすためには、組成式(i)および組成式(ii)で表される酸素濃度を有することが好ましい。
ペロブスカイト型酸化物を、板または棒状のチタン金属またはチタン合金の表面に作製する方法としては、板または棒状のチタン金属またはチタン合金を、空気等の酸素含有ガス中、500〜1300℃で30秒〜10時間焼鈍することにより、または0〜90℃に保ったHを含む0.01〜5M HCl溶液に1〜120分浸漬することにより、チタン金属またはチタン合金の表面に、たとえば0.01〜100μm、好ましくは0.02〜1μmの厚みで結晶質および/または非晶質の酸化チタン若しくは水酸化チタン皮膜を形成させた後、ドナー成分を含むアルカリ土類元素の酸化物またはアルカリ土類元素の炭酸塩、硝酸塩等の塩類を塗布して、不活性ガス中、400〜1500℃で30分〜10時間焼成する方法等を用いることができる。
また、ドナー成分を含む板または棒状のチタン金属またはチタン合金を、空気等の酸素含有ガス中、500〜1300℃で30秒〜10時間焼鈍することにより、または0〜90℃に保ったHを含む0.01〜5M HCl溶液に1〜120分浸漬することにより、チタン金属またはチタン合金の表面に、たとえば0.01〜100μm、好ましくは0.02〜1μmの厚みでドナー成分を含む結晶質および/または非晶質の酸化チタン若しくは水酸化チタン皮膜を形成させた後、アルカリ土類元素の酸化物またはアルカリ土類元素の炭酸塩、硝酸塩等の塩類を塗布して、不活性ガス中、400〜1500℃で30分〜10時間焼成して、チタン金属またはチタン合金の表面上に、ドナーをドープしたペロブスカイト型酸化物を合成する方法等を用いても良い。焼成の後、チタン金属またはチタン合金の表面には、ペロブスカイト型酸化物の他に、未反応のアルカリ土類元素の酸化物またはアルカリ土類元素の炭酸塩、硝酸塩等の塩類が残留している場合があるが、これらの未反応物は、酸性水溶液によるリーチングの際に除去することができる。
次に、上記の方法により形成したドープ後のペロブスカイト型酸化物を、0〜90℃に保った0.01〜5Mの硝酸などの酸性水溶液中に浸漬して、30秒〜3時間かけてリーチングする。リーチングにより、ドープ後のペロブスカイト型酸化物の表面領域に存在するアルカリ土類元素およびランタノイド元素が溶出するため、ペロブスカイト型酸化物の表面に、たとえば1μm以下、好ましくは0.003〜0.1μmの厚みで、チタンが濃化した酸化物相あるいはチタン酸化物相を形成することができる。リーチングの前に、含炭酸ガス雰囲気中で400〜1000℃、1時間程度の焼鈍、あるいは炭酸アンモニウムなどの炭酸を含む水溶液中で100〜250℃、1時間程度の水熱合成を行い、酸化物の表面領域に存在するアルカリ土類元素およびランタノイド元素を炭酸塩にしておくと、以後のリーチングは速やかに進行する。
ペロブスカイト型酸化物が粉末の場合には、この後に濾過と蒸留水による洗浄を数回繰り返し、さらに乾燥して、目的の光触媒とすることができる。上記で表面のアルカリ土類元素およびランタノイド元素を溶出させたペロブスカイト型酸化物を、さらに乳鉢やボールミル等で軽く粉砕し、その後にリーチングを行うという操作を数回繰り返すと、ドープ後のペロブスカイト型酸化物とチタンが濃化した酸化物相とが細かく入り混じった粉末が得られ、さらに高性能の光触媒を得ることができる。ドープ後のペロブスカイト型酸化物が板または棒状の場合には、リーチングを行い、蒸留水による洗浄を行った後、末端をヤスリで磨き、金属の露出した部分に白金等を結びつけるか、試料全体を1〜10mm間隔でヤスリを用いて磨き、金属部分を露出させて、最終的な光触媒とする。
ペロブスカイト型酸化物相の表面に確実に酸化チタン相を形成する方法としては、リーチング法の他に、硫酸チタニルあるいは塩化チタン等の水溶液のアンモニア水添加による加水分解法が利用可能であり、簡便に比較的厚い酸化チタン相を形成できる点ではリーチング法よりも好ましい。ペロブスカイト型酸化物が粉末の場合には、先ず短時間の軽いリーチングにより表面に付着したアルカリ土類炭酸塩を除去した後、たとえば硫酸チタニル水溶液中に分散させ、アンモニア水を添加して酸化チタン相をペロブスカイト型酸化物粉末の表面に形成させて光触媒粉末とする。
ペロブスカイト型酸化物相の表面に酸化チタン相またはチタンが濃化した酸化物相を形成する方法としては、リーチング法および加水分解法の他に、ゾルゲル法、スパッタリング法等を用いてもよく、形成方法に限定はない。
本発明の光触媒は、光触媒効果を発揮できる全ての反応系に対して有効であり、目的に応じた液相、気相等の種々の反応系に対して用いることができる。液相の反応系としては、たとえば、酢酸、ギ酸、希硫酸等の酸性成分を溶解した酸性水溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ性成分を溶解したアルカリ性水溶液、酸素、水素等のガス成分を溶解した水等の中性水溶液の他、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類を溶解したアルコール水溶液、メチルオレンジ、メチレンブルー等の色素類を溶解した含色素水溶液、有機染料水溶液、有機廃水液等が挙げられる。また、気相の反応系としては、たとえば、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、等のガスが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1) 光触媒の製造
(実施例1)
<リーチング処理したSr(Ti0.95Nb0.05)O3+δ粉末の製造>
〔混合・焼結〕
原料としてSrCO3粉末の5.7002gと、TiO2粉末の2.9535gと、Nb25粉末の0.2570gとを用い、これらをジルコニア乳鉢で30分間混合し、ジルコニア製ポットとボールを用いた遊星ボールミルで、40分間エタノールを加えた湿式混合を行った。その後、大気中1100℃で10時間仮焼し、粉砕後、265MPaで直径17.2mmの円盤状に圧粉し、大気中1300℃で10時間焼結して、得られた焼結体をジルコニア乳鉢を用いて粉砕し、Sr(Ti0.95Nb0.05)O3+δ粉末を得た。
〔リーチング処理〕
上記で得られた粉末を、80〜95℃に保ったHNO3(1M)中で30分間リーチング処理し、ろ過した後、純水で2回洗浄し、室温で乾燥後、140℃で1時間乾燥して、リーチング処理した粉末状のSr(Ti0.95Nb0.05)O3+δ光触媒試料を得た。
(実施例2)
<リーチング処理した(Sr0.95La0.05)TiO3+δ粉末の製造>
原料としてSrCO3粉末の5.5593gと、TiO2粉末の3.1916gと、La23粉末の0.3226gとを用いた他は、実施例1と同様の方法にて混合、焼結、およびリーチング処理を行ない、リーチング処理した粉末状の(Sr0.95La0.05)TiO3+δ光触媒試料を得た。
(実施例3)
<リーチング処理したBa(Ti0.95Nb0.05)O3+δ粉末の製造>
〔混合・焼結〕
原料としてBaCO3粉末の6.3152gと、TiO2粉末の2.4485gと、Nb25粉末の0.2131gとを用い、これらをジルコニア乳鉢で30分間混合し、ジルコニア製ポットとボールを用いた遊星ボールミルで40分間エタノールを加えた湿式混合を行った。その後、大気中1100℃で10時間仮焼し、粉砕後に265MPaで直径17.2mmの円盤状に圧粉し、大気中1300℃で10時間焼結した。得られた焼結体をジルコニア乳鉢を用いて粉砕して、Ba(Ti0.95Nb0.05)O3+δ粉末を得た。
〔リーチング処理〕
上記で得られた粉末を、80〜95℃に保ったHNO3(1M)中で30分間リーチング処理し、ろ過した後、純水で2回洗浄し、室温で乾燥後、140℃で1時間乾燥して、リーチング処理した粉末状のBa(Ti0.95Nb0.05)O3+δ光触媒試料を得た。
(実施例4)
<リーチング処理した(Ba0.95La0.05)TiO3+δ粉末>
原料としてBaCO3粉末の6.3152gと、TiO2粉末の2.4485gと、La23粉末の0.2131gとを用い、大気中での焼結温度を1200℃とした他は、実施例3と同様の方法で、混合、焼結、およびリーチング処理を行ない、リーチング処理した粉末状の(Ba0.95La0.05)TiO3+δ光触媒試料を得た。
(実施例5)
<リーチング処理した(Sr0.95La0.05)TiO3+δ相で覆われたTi板>
〔酸化〕
表面をエメリー紙(400〜1000番)で機械研磨した片状Ti板を80℃に保った9M H−0.1M HCl溶液に60分浸漬した後、純水で十分洗浄し、室温で乾燥後、140℃で1時間乾燥することにより、表面にアモルファス状の水酸化チタン皮膜を形成させた。
〔(Sr0.95La0.05)TiO3+δ相〕
その表面に、Sr(NO)粉末の8.50gとLaCl・7HOの1.66gを15mlの純水に溶解した液を塗布して、Ar中、600℃で1時間、焼鈍することにより、Ti板表面を覆う(Sr0.95La0.05)TiO3+δ膜を得た。
〔リーチング処理〕
上記で得られた板試料を80〜95℃に保ったHNO3(1M)中で30分間リーチング処理し、表面を純水で2回洗浄して、室温で乾燥後、140℃で1時間乾燥して、リーチング処理した(Sr0.95La0.05)TiO3+δ相で覆われたTi板を得た。その後、末端をやすりで磨き、その部分にPt線(直径0.3mm×長さ50mm)の末端を取りつけた後、残りの部分のPt線を板に巻きつけて、光触媒試料を得た。
(実施例6)
<TiO粉末を表面に析出させたTiO―Sr(Ti0.95Nb0.05)O3+δ複合粉末の製造>
実施例1の混合焼結で得られた粉末状のSr(Ti0.95Nb0.05)O3+δをジルコニア製ポットとボールを用いた遊星ボールミルで、40分間かけて更に細かく粉砕した。得られた粉末1gを80℃に保ったHNO3(1M)中に20分間分散し、放冷後、10mlのHNO3(1M)に0.2gのTiOSOを溶解した液を加えて3分間攪拌し、アンモニア水(1M)を約70ml滴下してpH8に調整した。その生成物をろ過した後、純水で2回洗浄し、室温で乾燥後、600℃で1時間焼成することで、粉末状のアナターゼ型TiOで覆われたペロブスカイト型Sr(Ti0.95Nb0.05)O3+δである、粉末状のTiO―Sr(Ti0.95Nb0.05)O3+δ複合体を得た。
(比較例1)
<アナターゼ型TiO2粉末>
硫酸チタニル溶液を用い、アンモニアをアルカリ処理溶液として水酸化物の沈殿を生成させ、かつ、この沈殿物を、大気中、600℃で1時間の条件で焼成処理して、粉末状のアナターゼ型の酸化チタンからなる光触媒試料を得た。
(比較例2)
<SrTiO3粉末>
原料としてSrCO3粉末の5.8622gと、TiO2粉末の3.1973gとを用い、実施例1と同様の方法で混合、焼結を行ない、粉末状のSrTiO3光触媒試料を得た。
(比較例3)
<Sr(Ti0.95Nb0.05)O3+δ粉末>
リーチング処理を行なわない他は実施例1と同様の原料および方法にて、粉末状のSr(Ti0.95Nb0.05)O3+δ光触媒試料を得た。
(比較例4)
<リーチング処理したSrTiO3粉末>
比較例2で得られたSrTiO3粉末試料を、80〜95℃に保ったHNO3(1M)中で30分間リーチング処理し、ろ過した後、純水で2回洗浄し、室温で乾燥後、140℃で1時間乾燥して、リーチング処理した粉末状のSrTiO3光触媒試料を得た。なお、上記の実施例および比較例に用いた原料は以下の通りである。SrCO3粉末は、株式会社レアメタリック製で、純度99.99%、ig−lossは0.083%である。TiO2粉末は、株式会社レアメタリック製で、純度99.99%、ig−lossは0.893%である。Nb25粉末は、株式会社高純度科学研究所製で、純度99.9%、ig−lossは0.248%である。La23粉末は、和光純薬株式会社製で、純度99.9%、ig−lossは0%である。BaCO3粉末は、株式会社レアメタリック製で、純度99.99%、ig−lossは0.059%である。片状Ti板は、三津和化学薬品株式会社製で、純度99.9%、サイズは8mm×8mm×2mmである。
(2) 光触媒作用の評価
製造された実施例1〜6および比較例1〜4の光触媒試料の触媒活性評価は、メチレンブルー(MB)水溶液の光ブリーチング法を用いて行った。メチレンブルー水溶液と、実施例1〜6および比較例1〜4の光触媒試料とを同一容器に入れ、光を照射し、光触媒効果によるメチレンブルーの分解の程度を分光光度計で調べた。
<メチレンブルー水溶液の調製>
メチレンブルー(関東化学株式会社製、試薬特級)の7.48mgを精秤し、全量をメスフラスコを用いて1リットルの超純水(比抵抗18.2MΩcm以上)に溶解し、2.0×10-5mol・dm-3の水溶液を作製した。
<光照射>
図3は光照射実験装置の概略図である。光源は、下方照射型500WのXeランプ、フィルターは、L42カットフィルターを使用し、ビーム径約20mmで、波長λ>420nmの光(可視光)を照射した。なお、分光光度計は、日立製作所製、U4000分光光度計を用いた。
実施例5以外の粉末状の光触媒試料については、それぞれの0.20gを、メチレンブルー水溶液の200cm3中にマグネチックススターラーを用いて分散し、試料溶液とした。
また、実施例5の板状の光触媒試料については、3枚の光触媒試料を、メチレンブルー水溶液100cm3中に水平に浸漬し、試料溶液とした。各試料溶液から、測定用試料溶液を石英セルにそれぞれ採取し、分光光度計を用いて透過スペクトルをそれぞれ測定した。
次に、測定した測定用試料溶液を、試料溶液中に戻し、粉末状の光触媒試料に対しては攪拌および光照射を、板状の光触媒試料に対しては光照射のみを続けて行い、所定時間経過毎に、測定用試料溶液を採取して透過スペクトルの測定を繰り返した。青色を呈するメチレンブルー水溶液の特徴的な664nmにおける吸光度の値を光の照射時間に対してプロットし、その減衰から各光触媒試料の光触媒作用を評価した。結果を図4に示す。図4は、実施例1〜6および比較例1〜4に係る光触媒試料における光照射時間と光触媒作用との関係を示すグラフ図である。
(3) 可視光領域での光吸収測定
分光光度計(日立製作所製、U4000分光光度計)を用い、拡散反射法によって、実施例5以外の実施例および比較例に係る粉末状の光触媒試料について光吸収スペクトルを測定し、光触媒試料の可視光領域での光吸収の状態を調べた。結果を図5に示す。図5は、実施例1〜4、実施例6および比較例1〜4に係る光触媒試料における光波長と光吸収との関係を示すグラフ図である。表1は、実施例1〜6、比較例1〜4の組成と触媒活性評価結果および試料の可視光吸収性を示すものである。
Figure 2005040788
図4から判るように、各実施例の光触媒試料は、全光の照射時間に対するメチレンブルー吸光度の低下率が大きいことから、メチレンブルーの分解程度が大きいことを確認することができた。そのなかでも実施例6の光触媒試料は、全光の照射時間に対するメチレンブルー吸光度の低下率が最も大きいことから、表1に示すようにメチレンブルーの分解程度が最も大きいことを確認することができた。これに対して、比較例2,3は、各実施例と比較して、全光の照射時間に対するメチレンブルー吸光度の低下率が小さいことから、表1に示すようにメチレンブルーの分解程度が小さいことを確認することができた。このように比較例2および比較例3は良好な光触媒活性を示していないことから、各実施例の光触媒試料は、その表面が酸化チタンまたは酸化チタンの濃化した相で覆われていることにより、優れた光触媒活性を示すことが判った。
また、図4から判るように、各実施例の光触媒試料は、可視光の照射時間に対するメチレンブルー吸光度の低下率が大きいことから、メチレンブルーの分解程度が大きいことを確認することができた。特に、実施例1および実施例2の光触媒試料は、実施例3および実施例4よりも可視光の照射時間に対するメチレンブルー吸光度の低下率が大きいことから、表1に示すように実施例3および実施例4よりもメチレンブルーの分解程度が大きいことを確認することができた。実施例6の光触媒試料は、可視光の照射時間に対するメチレンブルー吸光度の低下率が最も大きいことから、表1に示すようにメチレンブルーの分解程度が最も大きいことを確認することができた。これに対して、各比較例は、各実施例と比較して、可視光の照射時間に対するメチレンブルー吸光度の低下率が非常に小さいことから、表1に示すようにメチレンブルーの分解程度が非常に小さいことを確認することができた。
上記のような結果より、各実施例の光触媒試料は、可視光域における光触媒活性に優れていることを確認することができた。特に、実施例1および実施例2の光触媒試料は、光触媒活性にかなり優れ、実施例6の光触媒試料は、光触媒活性に最も優れていることが判った。また、実施例5の光触媒試料は、板状に形成されたものであるにも関わらず、光触媒活性に優れていることを確認することができた。
なお、メチレンブルーの分解は、試料からメチレンブルーへの電荷の供与によるものであり、メチレンブルーの分解程度が大きいことは、試料からメチレンブルーへの電荷の供与の程度が大きいことを示している。
また、図5のグラフ図から判るように、波長λ>420nmの可視光に対する光触媒試料の拡散反射率は、各実施例において、比較例3を除く全ての比較例より低い値を示している。これにより、各実施例の光触媒試料は、可視光域での光吸収に優れていることを確認することができた。また、比較例3のドープをした化合物(I)(Sr(Ti0.95Nb0.05)O3+δ)単独からなる光触媒試料が可視光を吸収していることから、各実施例の光触媒試料は、ドープをしたペロブスカイト相(すなわち化合物I)において可視光を吸収していることを確認することができた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の光触媒において生じる拡散電位を説明する図である。 スパイクの有る、好ましくない拡散電位を説明する図である。 光照射実験装置の概略図である。 実施例1〜6および比較例1〜4に係る光触媒試料における光照射時間と光触媒作用との関係を示すグラフ図である。 実施例1〜4、実施例6および比較例1〜4に係る光触媒試料における光波長と光吸収との関係を示すグラフ図である。

Claims (18)

  1. ドナーをドープした半導体または導電体である化合物(I)と、光触媒特性を有するn型伝導の化合物半導体である化合物(II)とを接合した化合物複合体を含み、前記化合物(II)の少なくとも一部が反応系に接しており、前記化合物(I)と前記化合物(II)との接合部領域において、前記化合物(II)中の電位が前記化合物(I)中の電位に対して負となる拡散電位を生じ、前記拡散電位により化合物複合体中において光励起された正孔と電子を分離することを特徴とする、可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  2. 前記化合物(I)および前記化合物(II)が金属元素と非金属元素との化合物であることを特徴とする請求項1に記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  3. 前記化合物(I)が、少なくとも陽イオンサイトにドナーをドープした半導体または導電体であることを特徴とする請求項1または2に記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  4. 前記化合物(I)の可視光域における吸光度は前記化合物(II)の可視光域における吸光度よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  5. 前記化合物(I)中のドナー濃度が前記化合物(II)中のドナー濃度よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  6. 前記化合物(I)は、前記化合物(II)よりも大きな電気伝導度を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  7. 前記化合物(I)が、次の組成式(i)で表されるペロブスカイト型酸化物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
    (A2+ 1-x3+ x)(B4+ 1-y5+ y)(O1-zz3+δ (i)
    (但し、0≦x≦0.2、0≦y≦0.2、0≦z≦0.1、かつx+y≧0.001、および0≦δ≦0.2であり、A、B、C、D、Eはそれぞれ1種以上の元素である)
  8. 前記化合物(II)が、次の組成式(ii)で表される酸化物であることを特徴とする請求項7に記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
    (A2+ 1-x3+ x)(B4+ 1-y5+ yn(O1-zz(2n+1)(1+δ/2) (ii)
    (但し、1<n≦∞(nは整数とは限らない)、0≦x≦0.2、0≦y≦0.2、0≦z≦0.1、かつx+y≧0、および0≦δ<0.15であり、A、B、C、D、Eはそれぞれ1種以上の元素である)
  9. 前記組成式(i)および前記組成式(ii)において、Aは1種以上のアルカリ土類元素、BはTiまたはTiおよびZr、Cはランタノイド元素から選択された1種以上の元素、Dはバナジウム、Nb、Taから選択された1種以上の元素、Eは窒素、硫黄、炭素から選択された1種以上の元素であることを特徴とする請求項8に記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  10. 前記組成式(i)および前記組成式(ii)において、AはSr、Baから選択された1種以上の元素、BはTiまたはTiおよびZr、CはLa、Dはバナジウム、Nb、Taから選択された1種以上の元素、Eは窒素、硫黄、炭素から選択された1種以上の元素であることを特徴とする請求項8に記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  11. 前記化合物(I)が、次の組成式(iii)で表されるペロブスカイト型酸化物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
    (A2+ 1-x3+ x)(B4+ 1-y5+ y)O3+δ (iii)
    (但し、0≦x≦0.2、0≦y≦0.2、かつx+y≧0.001、および0≦δ≦0.2であり、A、B、C、Dはそれぞれ1種以上の元素である)
  12. 前記化合物(II)が、次の組成式(iv)で表される酸化物であることを特徴とする請求項11に記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
    (A2+ 1-x3+ x)(B4+ 1-y5+ yn(2n+1)(1+δ/2) (iv)
    (但し、1<n≦∞(nは整数とは限らない)、0≦x≦0.2、0≦y≦0.2、かつx+y≧0、および0≦δ<0.15であり、A、B、C、Dはそれぞれ1種以上の元素である)
  13. 前記組成式(iii)および前記組成式(iv)において、Aは1種以上のアルカリ土類元素、BはTiまたはTiおよびZr、Cはランタノイド元素から選択された1種以上の元素、Dはバナジウム、Nb、Taから選択された1種以上の元素であることを特徴とする請求項12に記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  14. 前記組成式(iii)および前記組成式(iv)において、AはSr、Baから選択された1種以上の元素、BはTiまたはTiおよびZr、CはLa、Dはバナジウム、Nb、Taから選択された1種以上の元素であることを特徴とする請求項12に記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  15. 前記化合物(II)が、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の結晶質および非晶質のいずれか、またはこれらの2種以上が混合された酸化チタン、あるいは、これらの酸化チタンにバナジウム、Nb、Ta、窒素、硫黄、炭素から選択された1種以上の元素が含有された化合物であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  16. 前記化合物(I)と前記化合物(II)との接合部が、前記化合物(I)の表面を酸性水溶液でリーチングして前記化合物(II)を析出させることにより得られていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  17. 前記化合物(I)が、チタン表面の結晶質および/または非晶質の酸化チタン若しくは水酸化チタンまたはチタン合金表面の結晶質および/または非晶質の酸化チタン若しくは水酸化チタンと、アルカリ土類塩を含む溶液またはアルカリ土類元素を含む溶液との反応により形成されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
  18. 光化学電池の光電極として電流を発生させることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の可視光域でも触媒活性を有する光触媒。
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KR101299412B1 (ko) * 2013-02-04 2013-08-23 이용준 자외선 및 가시광선 반응형 광촉매가 코팅된 벽돌 및 그 제조방법
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CN114308034A (zh) * 2021-12-07 2022-04-12 南京航空航天大学 一种(ⅲ)、(ⅴ)价双过渡金属离子共掺杂的钛酸锶半导体催化剂及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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