JPH0712922B2 - 無機水酸化物沈殿の形成方法 - Google Patents

無機水酸化物沈殿の形成方法

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JPH0712922B2
JPH0712922B2 JP61021845A JP2184586A JPH0712922B2 JP H0712922 B2 JPH0712922 B2 JP H0712922B2 JP 61021845 A JP61021845 A JP 61021845A JP 2184586 A JP2184586 A JP 2184586A JP H0712922 B2 JPH0712922 B2 JP H0712922B2
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和紀 高畑
憲治 佐伯
信一 白崎
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三井石油化学工業株式会社
科学技術庁無機材質研究所長
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、微細な粒径を有する無機水酸化物沈殿の形成
方法に関し、さらに詳しくは、機能性セラミックスなど
を製造する際に好ましく用いられる微細な粒径を有する
Pb・La・(Zr・Ti)O3系の無機水酸化物沈殿の形成方法
に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 無機系微粉体を室温程度の低温で成形し、次いで高温で
焼成して微粒子間に結合を起こさせて形状を固定した焼
結体を、一般にセラミックスと呼んでいる。このセラミ
ックスは、近年に至って、原料である無機系微粉体の純
度を高めるとともに粉体の粒径を細かくし、しかも焼成
法を制御することによって、高純度物質のもつ優れた特
性を引出すことが可能となり、電子材料を始めとする各
種の分野での利用が試みられている。
たとえば、ペロブスカイト構造を有するPb・La・(Zr・
Ti)O3系複合酸化物は、透光性の機能性セラミックスで
あって、オプトエレクトロニクスにおける光シャッタ、
光バルブ、画像蓄積装置、表示装置などとしての用途が
期待されている。
このような機能性セラミックスは、従来、乾式法または
湿式法によって製造されてきた。このうち乾式法では、
機能性セラミックスを構成する個々の成分化合物または
それに対応する化合物を混合し、これを焼結することに
よって機能性セラミックスを製造してきた。ところがこ
の乾式法では各成分を均一組成に混合することは困難で
あり、また各成分間での固相反応を完全に行なわしめる
ためには焼結温度を高くしなければならないという問題
点があった。一方、湿式法では、上記のような問題点は
ないが、機能性セラミックスを構成する化合物に対応す
る化合物を微細で均一な粒径に予じめ沈殿法により調製
しなければならず、このような微細で均一な粒径への調
製は現状においても充分には達成することはできなかっ
た。もし、機能性セラミックスを構成する化合物に対応
する化合物を微細で均一な粒径に調製しなければ、得ら
れる機能性セラミックスはその特性にばらつきが生じた
り、充分な機能を果たし得ないという大きな問題点が生
じてしまう。
本発明者らは微細で均一な粒径を有する無機水酸化物沈
殿を形成すべく鋭意研究したところ、無機水酸化物の沈
殿形成時に、反応系に超音波を照射すればよいことを見
出して本発明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴なう問題点を解決
することを目的としており、機能性セラミックスなどを
製造する際に有用である、微細で均一な粒径を有するPb
・La・(Zr・Ti)O3系の無機水酸化物の沈殿を形成する
ための方法を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るPb・La・(Zr・Ti)O3系の無機水酸化物沈
殿の形成方法は、該無機水酸化物の沈殿形成反応時に反
応系に15〜50KHzの振動数を有する超音波照射を行なう
ことを特徴としている。
本発明では、Pb・La・(Zr・Ti)O3系の無機水酸化物の
沈殿形成反応時に反応系に超音波照射を行っているた
め、得られるPb・La・(Zr・Ti)O3系の無機水酸化物沈
殿の粒子径が超音波照射を行なわない場合と比較して著
しく微細になるとともに均一となる。
発明の具体的説明 本発明では、Pb・La・(Zr・Ti)O3系の無機水酸化物の
沈殿形成反応時に反応系に15〜50KHzの振動数を有する
超音波照射を行なうことを特徴としているが、以下に本
発明をより具体的に説明する。
無機水酸化物の沈殿形成反応としては、従来公知の方法
が広く用いられうる。たとえば、硝酸塩など金属塩類の
水溶液にアルカリなどの沈殿剤を加えて無機水酸化物の
沈殿を得ることができる。また、沈殿剤に用いるアルカ
リ成分含有溶液に、金属塩類の水溶液を加える方法など
を用いることもできる。この場合、金属塩類の水溶液と
しては(a)構成、金属塩を全部含有するもの、(b)
複数金属塩に分割して水溶液としたもの、(c)あるい
は各々単一金属塩水溶液としたもの、のいずれの態様を
用いても良いが、PLZT系ペロプスカイトの場合は(b)
の態様を用いるのが好ましい。
沈殿形成反応の具体的内容としてPb・La(Zr・Ti)O3
について述べると(a)の全金属塩を有する水溶液とし
ては、鉛、ランタン、ジルコニウムの硝酸塩およびチタ
ンのアルコキシドを水に加えた後、濃硝酸を所定量加え
て均一な水溶液とすることにより鉛、ランタン、ジルコ
ニウム、チタンイオンを含む水溶液を調製する方法を、
また水溶液を多分割する(b)の場合としては、鉛、ラ
ンタン、ジルコニウムの硝酸塩を溶解した水溶液と、四
塩化チタンを溶解した水溶液から成るものを例示するこ
とができる。
上記のような無機水酸化物沈殿を形成する際に用いられ
る金属塩類としては、硝酸塩のほかに、オキシ硝酸塩、
硫酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩、オキシ塩化物、
塩化物などが広く用いられる。
沈殿剤としてはアルカリが主として用いられるが、具体
的には、アンモニア、炭酸アンモニウム、苛性アルカ
リ、炭酸ナトリウムなどが用いられ、場合によってはオ
キシン、アミンなどの有機塩基が用いられてもよい。
溶媒としては主として水が用いられるが、メタノール、
エタノールなどの低級アルコールを用いてもよく、また
水と低級アルコールとの混合溶媒を用いてもよい。
無機水酸化物沈殿を形成する際には、反応系である水溶
液を攪拌しながら行なうことが好ましい。
本発明では、無機水酸化物の沈殿形成反応時に、反応系
である水溶液に超音波照射を行なう。超音波の振動数
は、15〜50KHzである。無機水酸化物の沈殿形成反応時
に超音波照射を行なうことによって、得られる無機水酸
化物沈殿は著しく微細となり、しかも均一となる。具体
的には、超音波照射をせずにPb・La・(Zr・Ti)O3系の
無機水酸化物の沈殿形成を行なうと、得られるPb・La・
(Zr・Ti)O3系の無機水酸化物の粒径は10μm程度であ
るが、超音波照射をしながら上記無機水酸化物の沈殿形
成を行なうと、得られる無機水酸化物の粒径は飛躍的に
微細となり0.5μm程度となる。
なお、従来分散系に超音波を照射することによって固体
粒子が液体中に細かく分散される現象、あるいは種々の
溶液反応に超音波を照射することによって化学反応が促
進される現象は認められていたが、Pb・La・(Zr・Ti)
O3系の無機水酸化物の沈殿生成反応時に超音波照射を行
なうことによって、極めて微細でかつ均一な粒径を有す
る粒子が得られることは知られていなかった。
本発明に係る上記無機水酸化物の沈殿生成反応は、通常
0〜100℃好ましくは10〜50℃の温度範囲で行なわれ、
反応時間は0.01〜10時間好ましくは0.1〜1時間であ
る。また、上記沈殿生成反応は、一段で行なってもよ
く、場合によっては多段で行なってもよい。
本発明により得られた微細で均一な粒径を有する無機水
酸化物の沈殿は、その後通常の方法でよく水洗され、次
いで50〜200℃程度の温度で1〜30時間乾燥された後、5
00〜900℃の温度で1〜10時間仮焼され、次いで850〜13
00℃までの温度で焼結されて、たとえば機能性セラミッ
クスなどの所望の製品に仕上げられる。
沈殿物の洗浄に際しては、メタノール、エタノールなど
のアルコール類を用いてもよく、この場合には、以後の
乾燥、仮焼工程で沈殿物粒子の凝結が抑制されるという
効果がある。
仮焼温度は上述のように500〜900℃であるが、仮焼温度
が500℃未満では焼結時に脱ガス反応などが起こること
があり、また得られる機能性セラミックスの嵩密度が低
くなるため好ましくない。一方仮焼温度が900℃を越え
ると粒子が粗大化して焼結性が低下するため好ましくな
い。
このようにして得られた粒子を成形後焼結するが、焼結
温度は上述のように850〜1300℃である。焼結温度が850
℃未満では焼結が不充分であり、一方1300℃を越えると
成分の一部が飛散して多孔質化するため好ましくない。
本発明に係る無機水酸化物沈殿の形成方法によれば、沈
殿した無機水酸化物の粒径を微細にすることができるの
で、かかる微細粒径からなる粉体を焼結して得られる焼
結体の透明光性などの物性は従来法によって得られるも
のに比べて優れている。本発明に係る無機水酸化物沈殿
の形成方法は、PLZTと呼ばれるペロブスカイト構造を有
するPb・La・(Zr・Ti)O3系の透光性セラミックスの原
料粉末の製造に際して特に有用である。
発明の効果 本発明では、Pb・La・(Zr・Ti)O3系の無機水酸化物の
沈殿形成反応時に反応系に15〜50KHzの振動数を有する
超音波照射を行っているため、得られる無機水酸化物沈
殿の粒子径が超音波照射を行なわない場合と比較して著
しく微細になるとともに均一となる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
実施例1 硝酸鉛14.9g、硝酸ランタン1.46g、オキシ硝酸ジルコニ
ウム7.35gを溶解した水溶液400mlを調製し、この液を攪
拌下に20KHzの超音波が照射されている6Nアンモニア水
1.5l中に滴下して沈殿物を作った。超音波の照射を継続
しながら沈殿物含有水溶液に四塩化チタン3.25gを含有
する水溶液を滴下し、鉛、ランタン、ジルコニウム、チ
タンの水酸化物の均質沈殿物を得た。この沈殿物の平均
粒径はマイクロトラック粒度分析計で測定した結果、0.
5μmであった。
得られた沈殿物粒子を水洗後120℃で1時間乾燥後、750
℃で1時間仮焼して、Pb0.91、La0.09(Zr0.65・T
i0.350.978O3の組成の粉末を得た。該粉末を2t/cm2
圧力下で直径13mm、厚さ2mmに成形し、酸素ガスと鉛蒸
気の混合雰囲気下、常圧1250℃で40時間焼結した。得ら
れた焼結体は密度7.74g/cm3(対理論密度比:99%)を示
した。
比較例1 実施例1において、超音波を照射しない以外は同一条件
で沈殿反応を行った。得られた鉛、ランタン、ジルコニ
ウム、チタンの均質沈殿物の平均粒径は10μmであっ
た。次に実施例1と同一条件で、粉末を調製した後焼結
して焼結体を得た。この焼結体は密度7.50g/cm3(対理
論密度比:95%)を示した。
参考例1 硝酸鉛16.6g、オキシ硝酸ジルコニウム5.78gを溶解した
水溶液400mlを調製し、この液を攪拌下に20KHZの超音波
が照射されている6Nアンモニア水1.5l中に滴下して沈澱
物を作った。超音波の照射を継続しながら、沈澱物含有
水溶液に四塩化チタン4.75gを含有する水溶液を滴下
し、鉛、ジルコニウム、チタンの水酸化物の均質沈澱物
を得た。この沈澱物の平均粒径は0.7μmあった。
参考比較例1 参考例1において、超音波を照射しない以外は同一条件
で沈澱反応を行なった。得られた鉛、ジルコニウム、チ
タンの均質沈澱物の平均粒径は、11μmであった。
参考例2 バリウムジプロポキシド12.8g、チタンテトラプロポキ
シド14.2gを溶解したベンゼン溶液1に、攪拌下、20K
HZの超音波を照射しながら、蒸溜水を徐々に添加して、
バリウム、チタンの水酸化物の均質沈澱物を得た。この
沈澱物の平均粒径は0.8μmであった。
参考比較例2 参考例2において超音波を照射しない以外は同一条件で
沈澱反応を行なった。得られたバリウム、チタンの均質
沈澱物の平均粒径は9μmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−30605(JP,A) 特開 昭62−162623(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Pb・La・(Zr・Ti)O3系の無機水酸化物の
    沈殿形成反応時に反応系に15〜50KHzの振動数を有する
    超音波照射を行なうことを特徴とする無機水酸化物沈殿
    の形成方法。
JP61021845A 1986-02-03 1986-02-03 無機水酸化物沈殿の形成方法 Expired - Lifetime JPH0712922B2 (ja)

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