JP5043632B2 - 六方晶窒化ホウ素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は六方晶窒化ホウ素の製造方法に関する。
六方晶窒化ホウ素は黒鉛類似の層状構造を有し、熱伝導性、絶縁性、化学的安定性、固体潤滑性、耐熱衝撃性などの特性に優れ、これらの特性を活かして固体潤滑・離型剤、樹脂やゴムの充填材、耐熱性・絶縁性焼結体などに応用されている。
六方晶窒化ホウ素の製造方法の一例としては以下がある。
(1)ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ砂などのホウ素と酸素を含む化合物をリン酸カルシウムなどの充填材に担持させたのち、アンモニア雰囲気下で焼成する方法。
(2)上記ホウ素化合物とジシアンジアミド、メラミン、尿素などの窒素を含む化合物との混合物を焼成する方法。
(3)上記ホウ素化合物と炭素などの還元性物質との混合物を窒素ガス雰囲気下で焼成する方法。
(4)ホウ酸又は酸化ホウ素、メラミン及び水を含む混合物から、濾過、遠心分離、乾燥などの方法により水を除去したのち、これを非酸化性ガス雰囲気下で焼成する方法。
しかしながら、(1)では焼成時にホウ素と酸素を含む化合物が融解するのでアンモニア雰囲気との接触面積は大きくならず、また(2)では窒素を含む化合物が焼成時に気化或いは分解し易いため、いずれの方法においても生成率を著しく高めることが困難である。(3)では酸洗浄などの簡便な後処理では除去困難な還元性物質が不純物として残留し易くなる。(4)の方法は、水の作用によりホウ酸又は酸化ホウ素とメラミンとがホウ酸メラミンを生成して均一な原料混合物となるため、均質な六方晶窒化ホウ素粉末を製造できる方法として知られている(特許文献1〜4)が、この方法では他の方法と異なり、原料混合物から水を除去するための濾過、遠心分離、乾燥などの余分な工程が必要となるので生産性が低くなるという問題がある。
米国特許 3,241,918 特開昭60−151202号公報 特開昭61−191505号公報 特開昭61−286207号公報 特開平11−302004号公報
本発明は、ホウ酸メラミンの生成率の高いホウ酸とメラミンの混合物から、六方晶窒化ホウ素を高収率、かつ高い生産性で製造することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)ホウ酸とメラミンのB/N原子比が1/2.0〜1/3.0の割合の粉体を温度60〜80℃かつ相対湿度60%〜90%の水蒸気を含む雰囲気下で10〜180分反応させ、ホウ酸メラミンの生成率が90%以上かつ嵩密度が0.3〜0.6g/cm のホウ酸とメラミンの混合物を連続的に得た後、嵩密度0.3〜0.6g/cm 、幅10〜40mm、奥行き10〜40mm、高さ5〜20mmの成形体に成形し、非酸化性ガス雰囲気下で600〜1400℃で焼成後、さらに1800〜2000℃で連続焼成する六方晶窒化ホウ素の製造方法。
(2)黒鉛化指数(GI)が2.0以下である前記(1)に記載の六方晶窒化ホウ素の製造方法。
本発明の六方晶窒化ホウ素の製造方法は、ホウ酸メラミンの生成率の高いホウ酸とメラミンの混合物から六方晶窒化ホウ素を製造することにより、高収率、かつ濾過、遠心分離、乾燥などの工程を経ずに高い生産性で、六方晶窒化ホウ素を製造することができる。また、連続焼成により効率良く、六方晶窒化ホウ素を製造することができる。
以下、さらに詳しく本発明について説明する。
本発明は六方晶ホウ素の製造方法に関するものであり、その特徴はホウ酸とメラミンからなる混合原料を適度の温湿度を有する雰囲気下で保持し、混合物中のメラミンがホウ酸と反応して、ホウ酸メラミンを生成した割合(以下、「生成率」という)を高め、それを焼成することによって、従来の水を作用させてホウ酸メラミンを生成させる場合に必要であった濾過、遠心分離、乾燥などの余分な工程を経ず、六方晶窒化ホウ素を高収率で製造することである。
また、ホウ酸メラミンの生成を適度な温湿度雰囲気の振動流動層又はパドルスクリュー型混合機にて混合しながら行うことにより、先願(上記特許文献5)よりも生成効率が飛躍的に向上され、尚かつその混合物を連続焼成することにより、六方晶窒化ホウ素を連続的に製造し、生産性を高くするものである。
本発明で使用するまつのホウ酸は光沢を持つ白色の結晶粉末で、比重1.49(20℃)、水とアルコールには可溶な性質を有する。また、メラミンも一般的な白色の単斜晶系の結晶粉末で、密度1.57(14℃)、水には僅かに溶ける(20℃の溶解度0.324g)性質を有する。
温度と相対湿度の測定方法は、rotoronic製のハンディタイプ多機能温湿度計HydroPalm 2の測定センサHydroClip SC05を加湿機の槽内に入れて測定した。
生成率χ(%)の評価については、示差熱分析(TG/TDA)を用いて、メラミンの昇華温度域である260〜360℃における重量減少率ΔWを測定し、以下に示す式にてχを算出した。TG/DTAにてホウ酸とメラミンを各々単独で測定したときの重量減少率は各々2.4%、100.0%となった。従って、ホウ酸メラミンを生成する前の混合物中のホウ酸とメラミン各々の含有率をa、100−a(%)とすると、χ=0%の混合物の260〜360℃における重量減少率ΔW(%)は以下の式

ΔW={2.4(100−a)+100.0a}/100

となる。
一方、χ=100%の混合物は、メラミンが全てホウ酸メラミンへと反応しているため、ホウ酸とホウ酸メラミンからなる混合物となっている。ここでホウ酸メラミンの260〜360℃における重量減少率は2.8%であることから、χ=100(%)の混合物の260〜360℃もおける重量減少率ΔW100(%)は以下の式

ΔW100={2.4(100−250a/126)−2.8×250a/126}/100

となる。
なお、上記式の数値の126はメラミンの分子量、250はホウ酸メラミンの分子量である。上記ΔW及びΔW100を用いたχ(%)を表現すると、

χ=(ΔW−ΔW)×100/(ΔW−ΔW100

となり、生成率χ(%)を算出することができる。
ホウ酸メラミンを生成させた後の混合粉の嵩密度の測定は、ホソカワミクロン製のパウダーテスターPT−E型を用い、JIS R 1628に基づいて測定した。
また、成形体の嵩密度はJIS R 1639−2に基づく方法にて測定した。
焼成温度は1600℃以下の温度域ではR熱電対、1600℃を超える温度域では二色温度計にて測定を行った。
炉内ブロッキングの評価は、炉の下部から焼成した原料を抜き出したとき、上部の原料の降下が見られなかった場合、炉内ブロッキングが発生していると判断した。
六方晶窒化ホウ素粉末の結晶性評価については、粉末X線回折法による黒鉛化指数(GI=Graphitization Index)を用いた。GIは、X線回折図の(100)、(101)及び(102)線の積分強度比すなわち面積比を用いて以下の式

GI=[面積{(100)+(101)}]/[面積(102)]

から求めることができる。(J. Thomas, et. al, J. Am. Chem. Soc. 84, 4619(1962))、この値が小さいほど結晶性が高い。
上記のようにGIは六方晶窒化ホウ素粉末の結晶性の指標であり、結晶性が高いほどこの値が小さくなり完全に結晶化(黒鉛化)したものではGI=1.60になるとされている。しかし、高結晶でかつ粒子が充分に成長した六方晶窒化ホウ素粉末の場合、粉末が配向し易いため、GIは更に小さくなる。
本発明で使用されるホウ酸は、メラミンと反応してホウ酸メラミン(C・2HBO)を生成するものであり、その例はオルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO)、テトラホウ酸(H)、無水ホウ酸(B)など、一般式(B)・(HO)[但し、x=0〜3]で示される化合物の一種又は二種類以上であるが、中でもオルトホウ酸は入手が容易であり、メラミンとの混合性が良好であるので本発明には好適である。
ホウ酸とメラミンの混合は振動流動層、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサーなど一般的な混合機を用いて行うことができる。配合割合はホウ酸のホウ素原子(B)とメラミンの窒素原子(N)のB/N原子比が1/2.0〜1/3.0となる割合である。B/N原子比が1/2.0を超えるとホウ酸メラミンの結晶化が進み柱状晶となり、その混合物の嵩密度は低くなる。この様にホウ酸メラミンの結晶化が進んで嵩密度が低くなった混合物は、例えばロール式ブリケットマシーン等で成形すると崩れ易いため、連続炉で焼成すると粉状になり、閉塞の原因となる。また、B/N原子比が1/3.0未満ではホウ酸とメラミンの反応速度が低下し、反応率が低くなる。ホウ酸とメラミンの反応率が低い混合物を連続炉で焼成すると炉内でブロッキングを起こし、連続焼成ができない。
本発明は、ホウ酸とメラミンの混合物を温度60〜80℃、相対湿度60〜90%の水蒸気を含む雰囲気下で保持してホウ酸メラミンを生成させ、それを焼成するものである。ホウ酸メラミンの生成は上記温湿度に雰囲気を調整した振動流動層又はパドルスクリュー型混合機であり、好ましくは振動流動層にて生成することができる。また、ホウ酸メラミンの生成は、60℃未満では反応速度が遅くなるため、180分以内に生成率90%以上を達成することが困難である。それに対し、80℃を超える温度ではホウ酸とメラミンの混合粉の界面における蒸発速度が大きくなり、ホウ酸メラミンの生成に必要な雰囲気中の水分を保持することができないため、生成率90%以上を達成することが困難となる。
相対湿度が60%未満では反応速度が遅くなるため、180分以内で生成率90%以上を達成することは困難である。相対湿度が90%を超えると反応速度は速いだけではなく、結晶成長も早くなる。そのため、生成したホウ酸メラミンの結晶化が進んで、ホウ酸メラミンが生成した混合物の嵩密度が低くなり、成形した際に容易に崩れ易くなる。
温度と相対湿度の雰囲気下における保持時間は、10〜180分である。10分未満ではホウ酸とメラミンの反応が不充分であるため、ホウ酸メラミンの生成率は90%に満たない。一方、180分を超えると、ホウ酸メラミンの生成率は90%を超えるが、生成したホウ酸メラミンの結晶化が進んで、ホウ酸メラミンが生成した混合物の嵩密度は低くなり、成形した際に容易に崩れ易くなる。
この様にして得られたホウ酸メラミンの生成率90%以上かつ嵩密度が0.3〜0.6g/cmのホウ酸とメラミンの混合物を、非酸化性ガス雰囲気下で600〜1400℃で焼成後、さらに1800〜2000℃で焼成して、六方晶窒化ホウ素を製造する。
六方晶窒化ホウ素の製造時の焼成を、連続式でもバッチ式でも壁にブロッキングすることなく焼成するためには、ホウ酸メラミンの生成率90%以上かつ嵩密度が0.3〜0.6g/cmのホウ酸とメラミンの混合物を幅10〜40mm、奥行き10〜40mm、高さ5〜20mmの成形体に成形してから、連続焼成することが好ましい。成形体の形状は直径10〜40mm、高さ5〜20mmであることが、さらに好ましい。
ホウ酸メラミンの生成率が90%未満の混合物を連続焼成すると、嵩密度およびサイズに関わらず成形体からBが浸み出し、連続焼成炉の出口付近又はバッチ焼成炉の全体で凝固して炉内でブロックを生成して、閉塞をもたらす。これは、混合物中に余剰に含まれるホウ酸が300℃以上で脱水して無水ホウ酸Bとなり、さらにこれが600℃以上になると融解して成形体の中に収まることができずに、成形体の外に浸み出すためである。
ホウ酸メラミンが生成したホウ酸とメラミンの混合物の連続焼成においては、ホウ酸メラミンの生成率が90%以上であること以外に、成形体の形状も連続焼成炉における焼成で重要となる。成形体はロール式ブリケットマシーンにて製造する。そして、成形体はその形状が、幅が10mm未満、奥行きが10mm未満、又は高さが5mm未満になると、成形体の比表面積が増加する。成形体の比表面積が増加すると、成形体の表面に僅かながら浸み出したBの影響により、炉内で隣り合う成形体或いは焼成炉の内壁とブロッキングを起こすことになるため、連続焼成には不適切となる。一方、成形体はその形状が、幅が40mmよりも大きい、奥行きが40mmよりも大きい、又は高さが20mmよりも大きくなると、焼成時に特に成形体の中央部まで熱が伝わりにくく、結晶化が進まなくなるため、GIが2.0よりも大きくなり、好ましくない。
成形体の嵩密度が0.3g/cm未満であると焼成時に成形体が崩壊し、粉状になる。粉状による比表面積の増加で、炉内で隣り合う成形体或いは焼成炉の内壁とブロッキングを起こすことになる。このブロッキング現象は、連続焼成では炉の閉塞の原因となるので、特に好ましくないものである。一方、成形体の嵩密度が0.6g/cmよりも大きくなると、焼成時に特に成形体の中央部まで熱が伝わりにくく、結晶化進まなくなるため、GIが2.0よりも大きくなり、好ましくない。
上記成形体焼成はバッチ式炉又は連続式炉にて焼成する。バッチ式炉は円筒状のBN成形体のルツボに上記原料の成形体を充填し、黒鉛を発熱体とする高周波炉にて、初めに600〜1400℃で焼成し、さらに1800〜2000℃で焼成する。一方、連続式炉は中空円筒状のBN成形体を内張とし、黒鉛を発熱体とする高周波炉にて、上部ゾーンでは600〜1400℃で焼成し、下部ゾーンでは1800〜2000℃で焼成する。
ホウ酸メラミンの分解は600℃で始まる。従って、初めにホウ酸メラミンを温度600〜1400℃の炉で反応させて、非晶質窒化ホウ素を製造する。その後、温度1800〜2000℃の炉にて非晶質窒化ホウ素をBに溶解させ、六方晶窒化ホウ素として再析出させる。
上記の理由により、一次焼成の焼成温度が600℃未満の場合には、非晶質窒化ホウ素が生成されないため、二次焼成で結晶化が進みにくく、GIが2.0よりも大きくなる。一方、焼成温度が1400℃を超えると急激な反応により、炉内で成形体が崩壊して粉状になり、比表面積の増加により炉内で隣り合う成形体或いは焼成炉の内壁とブロッキングをもたらすことになるため、連続焼成には不適切である。
焼成温度が1800℃未満の場合には、結晶化に必要なBへの溶解が不充分であるため、GIが2.0よりも大きくなり、好ましくない。一方、焼成温度が2000℃を超えるとBの浸み出しが起こり、炉内で隣り合う成形体或いは焼成炉の内壁とブロッキングをもたらすことになるため、連続焼成には不適切である。
以下、実施例、比較例を挙げてさらに具体的に本発明を説明する。
実施例1
日本電工製オルトホウ酸(以下、オルトホウ酸は同製品を使用)650gとDSM製(以下、メラミンは同製品を使用)メラミン500g(B/N原子比=1/2.3)をヘンシェルミキサーで混合後、温度75℃、相対湿度90%のパドルスクリュー型混合機中を60分間かけて通過させることでホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
実施例2
オルトホウ酸550gとメラミン450g(B/N原子比=1/2.5)をリボンブレンダーで混合後、温度65℃、相対湿度80%の振動流動層中を120分間かけて通過させることでホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
実施例3
オルトホウ酸750gとメラミン500g(B/N原子比=1/2.0)を振動流動層で混合後、温度80℃、相対湿度90%の振動流動層中を60分間かけて通過させることでホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
実施例4
上記オルトホウ酸を150℃に加熱し、十分に分子内脱水させることにより得られたメタホウ酸(以下、メタホウ酸は同製品を使用)450gとメラミン550g(B/N原子比=1/2.5)を振動流動層で混合後、温度80℃、相対湿度75%のパドルスクリュー型混合機中を45分間かけて通過させることでホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
実施例5
メタホウ酸500gとメラミン500g(B/N原子比=1/2.1)をヘンシェルミキサーで混合後、温度80℃、相対湿度90%のパドルスクリュー型混合機中を15分間かけて通過させることでホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
実施例6
昭和化学ケミカル製無水ホウ酸(規格:fine chem。以下、メタホウ酸は同製品を使用)350gとメラミン600g(B/N原子比=1/2.8)を振動流動層で混合後、温度70℃、相対湿度65%のパドルスクリュー型混合機中を150分間かけて通過させることでホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
実施例7
オルトホウ酸500gとメラミン500g(B/N原子比=1/3.0)をヘンシェルミキサーで混合後、温度60℃、相対湿度60%のパドルスクリュー型混合機中を10分間かけて通過させることでホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
実施例8
パドルスクリュー型混合機中を180分間かけて通過したこと以外は実施例7と同様である。
比較例1
オルトホウ酸450gとメラミン500g(B/N原子比=1/3.3)にしたこと以外は実施例1と同様にホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
比較例2
オルトホウ酸500gとメラミン500g(B/N原子比=1/1.7)にしたこと以外は実施例6と同様にホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
比較例3
パドルスクリュー型混合機内の温度を55℃にしたこと以外は実施例1と同様にホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
比較例4
パドルスクリュー型混合機内の温度を90℃にしたこと以外は実施例4と同様にホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
比較例5
振動流動層内の湿度を50%にしたこと以外は実施例3と同様にホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
比較例6
振動流動層内の湿度を95%にしたこと以外は実施例5と同様にホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
比較例7
振動流動層内を5分間かけて通過させたこと以外は実施例2と同様にホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
比較例8
振動流動層内を210分間かけて通過させたこと以外は実施例3と同様にホウ酸メラミンを生成させた。これらの条件で得られた粉末のホウ酸メラミン生成率および嵩密度を表1に示す。
実施例9
実施例1の条件のホウ酸メラミンが生成した混合物をロール型ブリケットマシーンで直径10mm、厚さ10mm、嵩密度0.4g/cmの成形体に成形した。この成形体を連続焼成炉で焼成した。一次焼成は連続焼成炉の上部ゾーンで700℃で行い、二次焼成は連続焼成炉の下部ゾーンで1800℃で行った。焼成条件とその評価結果を表2に示す。
実施例10
実施例1の条件のホウ酸メラミンが生成した混合物をロール型ブリケットマシーンで直径40mm、厚さ6mm、嵩密度0.3g/cmの成形体に成形した。この成形体を連続焼成炉で焼成した。一次焼成は連続焼成炉の上部ゾーンで700℃で行い、二次焼成は連続焼成炉の下部ゾーンで2000℃で行った。焼成条件とその評価結果を表2に示す。
実施例11
実施例3の条件のホウ酸メラミンが生成した混合物をロール型ブリケットマシーンで直径20mm、厚さ17mm、嵩密度0.3g/cmの成形体に成形した。この成形体を連続焼成炉で焼成した。一次焼成は連続焼成炉の上部ゾーンで900℃で行い、二次焼成は連続焼成炉の下部ゾーンで1800℃で行った。焼成条件とその評価結果を表2に示す。
実施例12
実施例3の条件のホウ酸メラミンが生成した混合物をロール型ブリケットマシーンで直径20mm、厚さ8mm、嵩密度0.5g/cmの成形体に成形した。この成形体を連続焼成炉で焼成した。一次焼成は連続焼成炉の上部ゾーンで900℃で行い、二次焼成は連続焼成炉の下部ゾーンで2000℃で行った。焼成条件とその評価結果を表2に示す。
実施例13
実施例5の条件のホウ酸メラミンが生成した混合物をロール型ブリケットマシーンで直径30mm、厚さ15mm、嵩密度0.3g/cmの成形体に成形した。この成形体を連続焼成炉で焼成した。一次焼成は連続焼成炉の上部ゾーンで1400℃で行い、二次焼成は連続焼成炉の下部ゾーンで2000℃で行った。焼成条件とその評価結果を表2に示す。
実施例14
実施例7の条件のホウ酸メラミンが生成した混合物をロール型ブリケットマシーンで直径20mm、厚さ5mm、嵩密度0.6g/cmの成形体に成形した。この成形体を連続焼成炉で焼成した。一次焼成は連続焼成炉の上部ゾーンで600℃で行い、二次焼成は連続焼成炉の下部ゾーンで1800℃で行った。焼成条件とその評価結果を表2に示す。
実施例15
実施例8の条件のホウ酸メラミンが生成した混合物をロール型ブリケットマシーンで直径10mm、厚さ20mm、嵩密度0.6g/cmの成形体に成形したこと以外は実施例14と同様である。焼成条件とその評価結果を表2に示す。
実施例16
成形体の直径を5mmにしたこと以外は実施例9と同様にして連続炉で焼成した。これらの条件で焼成した結果を表2に示す。
実施例17
成形体の直径を50mmにしたこと以外は実施例9と同様にして連続炉で焼成した。これらの条件で焼成した結果を表2に示す。
実施例18
成形体の厚さを22mmにしたこと以外は実施例10と同様にして連続炉で焼成した。これらの条件で焼成した結果を表2に示す。
実施例19
成形体の厚さを3mmにしたこと以外は実施例10と同様にして連続炉で焼成した。これらの条件で焼成した結果を表2に示す。
実施例20
成形体の嵩密度を0.2g/cmにしたこと以外は実施例11と同様にして連続炉で焼成した。これらの条件で焼成した結果を表2に示す。
実施例21
成形体の嵩密度を0.7g/cmにしたこと以外は実施例11と同様にして連続炉で焼成した。これらの条件で焼成した結果を表2に示す。
実施例22
上ゾーンの反応温度を500℃にしたこと以外は実施例12と同様にして連続炉で焼成した。これらの条件で焼成した結果を表2に示す。
実施例23
上ゾーンの反応温度を1500℃にしたこと以外は実施例12と同様にして連続炉で焼成した。これらの条件で焼成した結果を表2に示す。
実施例24
下ゾーンの結晶化温度を1600℃にしたこと以外は実施例13と同様にして連続炉で焼成した。これらの条件で焼成した結果を表2に示す。
実施例25
下ゾーンの結晶化温度を2200℃にしたこと以外は実施例13と同様にして連続炉で焼成した。これらの条件で焼成した結果を表2に示す。
実施例26
焼成をバッチ式炉で行い、一次焼成を700℃で行い、その後更に温度を上げて二次焼成を1800℃で行ったこと以外は実施例9と同様である。その評価結果を表3に示す。
実施例27
焼成をバッチ式炉で行い、一次焼成を900℃で行い、その後更に温度を上げて二次焼成を1800℃で行ったこと以外は実施例11と同様である。その評価結果を表3に示す。
実施例28
焼成をバッチ式炉で行い、一次焼成を600℃で行い、その後更に温度を上げて二次焼成を1800℃で行ったこと以外は実施例14と同様である。その評価結果を表3に示す。
実施例と比較例において、各種の物性等は下記の方法を用いて測定又は評価を行った。
温度と相対湿度は、rotoronic製のハンディタイプ多機能温湿度計HydroPalm 2を用い、測定センサHydroClip SC05を加湿機の槽内に入れて測定した。
焼成温度は1600℃以下の温度域ではR熱電対、1600℃を超える温度域では二色温度計で測定を行った。
炉内ブロッキングの評価は、炉の下部から焼成した原料を抜き出したとき、上部の原料の降下が見られなかった場合、炉内ブロッキングが発生していると判断した。
六方晶窒化ホウ素粉末の黒鉛化指数(GI)は、段落(0015)に記載の方法で評価した。
ホウ酸メラミンの生成率は、段落(0011)に記載の方法で評価した。
粉体と成型体の嵩密度は、段落(0012)に記載の方法で測定を行った。
Figure 0005043632
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本発明の六方晶窒化ホウ素の製造方法を用いると、高収率、かつ濾過、遠心分離、乾燥などの工程を経ずに高い生産性で、六方晶窒化ホウ素を製造することができた。また、連続焼成により効率良く、六方晶窒化ホウ素を製造することができた。

Claims (2)

  1. ホウ酸とメラミンのB/N原子比が1/2.0〜1/3.0の割合の粉体を温度60〜80℃かつ相対湿度60%〜90%の水蒸気を含む雰囲気下で10〜180分反応させ、ホウ酸メラミンの生成率が90%以上かつ嵩密度が0.3〜0.6g/cm のホウ酸とメラミンの混合物を連続的に得た後、嵩密度0.3〜0.6g/cm 、幅10〜40mm、奥行き10〜40mm、高さ5〜20mmの成形体に成形し、非酸化性ガス雰囲気下で600〜1400℃で焼成後、さらに1800〜2000℃で連続焼成する六方晶窒化ホウ素の製造方法。
  2. 黒鉛化指数(GI)が2.0以下である請求項に記載の六方晶窒化ホウ素の製造方法。
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