JPH1129308A - 六方晶窒化ほう素粉末及びその用途 - Google Patents

六方晶窒化ほう素粉末及びその用途

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JPH1129308A
JPH1129308A JP18355497A JP18355497A JPH1129308A JP H1129308 A JPH1129308 A JP H1129308A JP 18355497 A JP18355497 A JP 18355497A JP 18355497 A JP18355497 A JP 18355497A JP H1129308 A JPH1129308 A JP H1129308A
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boron nitride
hexagonal boron
nitride powder
melamine
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Shinji Nakagawa
信治 中川
Taku Kawasaki
卓 川崎
Joji Ichihara
譲治 市原
Yukio Kuroda
幸雄 黒田
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂等に対する高充填性と均一分散性に優れた
充填材を製造することのできる、低嵩密度の六方晶窒化
ほう素粉末を提供すること。 【解決手段】ゆるみ嵩密度が0.09g/cm3 以下で
あることを特徴とする六方晶窒化ほう素粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に充填材の微粒
子成分として好適な低嵩密度の六方晶窒化ほう素粉末及
びその用途の充填材に関する。
【0002】
【従来の技術】六方晶窒化ほう素粉末は、黒鉛類似の層
状構造を有し、熱伝導性、絶縁性、化学的安定性、固体
潤滑性、耐熱衝撃性などの特性に優れたものであること
から、固体潤滑・離型剤、樹脂、ゴム、グリース等の充
填材、耐熱性・絶縁性焼結体製造用原料などに応用され
ている。
【0003】充填材に要求される特性は、高充填かつ均
一分散であり、従来より、充填性を高めるために、粗粒
子成分と微粒子成分を調整することが行われている。粗
粒子成分には、通常、結晶性の良い粉末が用いられるの
で、樹脂、ゴム、グリース等(以下、単に「樹脂等」と
いう。)に対する分散性が良好であるが、微粒子成分に
は、非晶質の六方晶窒化ほう素粒子が混在しているので
樹脂等への分散性が悪い。また、このような粉末は、粒
子同士が凝集しており、非晶質の粒子が混在していない
粉末に比べ嵩密度は高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
に鑑み、充填材の微粒子成分として特に好適な六方晶窒
化ほう素粉末を提供することである。この目的を達成す
るため、本発明者らは、種々検討した結果、ゆるみ嵩密
度の低い六方晶窒化ほう素粉末は分散性が良く、非晶質
の粒子がほとんど混在せず、しかも微粒子成分よりな
り、それは原料と焼成条件を最適化することにより製造
できることを見いだし、本発明を完成させたものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ゆ
るみ嵩密度が0.09g/cm3 以下であることを特徴
とする六方晶窒化ほう素粉末である。また、本発明は、
B/N原子比が1/1〜1/6であるほう酸とメラミン
を含む混合物に、Ca化合物を、結晶化時に生成する六
方晶窒化ほう素に対して内割で5〜20重量%のほう酸
カルシウム(CaO)x ・B2 3 の液相(但し、X≦
1)が生成するように添加した後、温度T(℃)、相対
湿度Ψ(%)及び保持時間t(hr)が以下の関係式 T≧−20・log10(t/4)+{(Ψ−100)2
/20}+60 を満たす条件で保持してほう酸メラミンを形成させ、更
にそれを非酸化性ガス雰囲気下、1400〜1650℃
で焼成・結晶化して得られたものであることを特徴とす
る六方晶窒化ほう素粉末である。更に、本発明は、上記
六方晶窒化ほう素粉末を含有してなることを特徴とする
充填材である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明について
説明する。
【0007】本発明の六方晶窒化ほう素粉末は、低嵩密
度であることが特徴である。結晶性の高い粗粒子成分か
らなる六方晶窒化ほう素粉末や、非晶質の粒子が混在し
ている微粒子成分からなる六方晶窒化ほう素粉末におい
ては、ゆるみ嵩密度が0.09g/cm3 よりも高い。
これに対し本発明の六方晶窒化ほう素粉末は、従来の結
晶性の高い粗粒子成分と同程度の結晶構造を持つ六方晶
窒化ほう素粉末でありながら微粒子であり、従来の微粒
子成分と異なり非晶質粒子が殆ど混在していないことが
特徴である。このため、ゆるみ嵩密度が0.09g/c
3 以下になっている。
【0008】嵩密度には、ゆるみ嵩密度と固め嵩密度
(別名タップ密度)があるが、通常、単に嵩密度と言っ
た場合、ゆるみ嵩密度を指す。ゆるみ嵩密度は、被測定
粉体を、一定容積の容器中に空洞をつくることなく、ま
た容器に振動等の外力を加えずに均一に投入してその時
の重量を測定し、重量を容器容積で除した値を求めるこ
とによって測定することができる。粗粒子成分の多い粉
体のように流動性の良い粉体の場合は、粉体を直接容器
に投入することができるが、本発明の六方晶窒化ほう素
粉末や、従来の非晶質の粒子が混在している微粒子成分
からなる六方晶窒化ほう素粉末など、微粒子成分の多い
粉体の場合は、粉体の投入に振動篩いを用いるのが一般
的である。
【0009】本発明の六方晶窒化ほう素粉末は、B/N
原子比が1/1〜1/6であるほう酸とメラミンを含む
混合物に、Ca化合物を、結晶化時に生成する六方晶窒
化ほう素に対して内割で5〜20重量%のほう酸カルシ
ウム(CaO)x ・B2 3の液相(但し、X≦1)が
生成するように添加した後、温度T(℃)、相対湿度Ψ
(%)及び保持時間t(hr)が以下の関係式 T≧−20・log10(t/4)+{(Ψ−100)2
/20}+60 を満たす条件で保持してほう酸メラミンを形成させ、更
にそれを非酸化性ガス雰囲気下、温度1400〜165
0℃で焼成・結晶化させることによって製造することが
できる。
【0010】本発明で使用されるほう酸は、オルトほう
酸(H3 BO3 )、メタほう酸(HBO2 )、テトラほ
う酸(H2 4 7 )、無水ほう酸(B2 3 )など、
一般式(B2 3 )・(H2 O)X 〔但し、X=0〜
3〕で示される化合物の一種又は二種以上であるが、な
かでもオルトほう酸は入手が容易でメラミンとの混合性
が良好であるため本発明には好適である。
【0011】ほう酸とメラミンの混合は、ボールミル、
リボンブレンダー、ヘンシェルミキサーなどの一般的な
混合機を用いて行うことができる。配合割合は、ほう酸
のほう素原子(B)とメラミンの窒素原子(N)のB/
N原子比が1/1〜1/6となる割合、好ましくは1/
2〜1/4となる割合である。該B/N原子比が1/1
を越えると焼成後に未反応ほう酸の残留が顕著となり、
また1/6未満では焼成時に未反応メラミンの昇華が顕
著となって、いずれの場合も本発明の六方晶窒化ほう素
粉末を製造することはできない。
【0012】本発明のB/N原子比を満たすほう酸とメ
ラミン(C3 6 6 )の具体的な配合割合は、ほう酸
がオルトほう酸(H3 BO3 )である場合、H3 BO3
/C 3 6 6 がモル比では6/1〜1/1、重量比で
は2.94/1〜0.49/1となる。
【0013】本発明においては、六方晶窒化ほう素の結
晶化触媒であるほう酸カルシウム(CaO)X ・B2
3 の液相(但し、X≦1)が結晶化時に生成する六方晶
窒化ほう素に対して内割で15〜50重量%となるよう
にあらかじめほう酸とメラミンの混合物にCa化合物を
添加した後、温度T(℃)、相対湿度Ψ(%)及び保持
時間t(hr)が以下の関係式を満たす雰囲気で上記混
合物を保持してほう酸メラミンを形成させる。
【0014】T≧−20・log10(t/4)+{(Ψ
−100)2 /20}+60
【0015】このような雰囲気は、恒温恒湿機、スチー
ム加熱炉などを用いて容易に形成させることができる。
温度、相対湿度、時間の具体例としては、例えば80
℃、80%、10時間などである。雰囲気を形成する水
蒸気以外のガスについては特に制限はなく、大気ガス、
窒素ガス、不活性ガスなどである。
【0016】本発明で添加されるCa化合物は、固体の
ほう酸カルシウムでもよいが、ほう酸と反応してほう酸
カルシウムを生成し得る化合物、特に安価で入手が容易
な炭酸カルシウム(CaCO3 )が好ましい。CaCO
3 を用いる場合、ほう酸を六方晶窒化ほう素用原料だけ
でなく、ほう酸カルシウム液相用原料としても機能させ
る必要があるが、ほう酸カルシウム液相用原料のほう酸
は、六方晶窒化ほう素用原料のほう酸よりも大幅に少量
で済むので、CaCO3 を用いた場合でもほう酸とメラ
ミン(C3 6 6 )の配合割合は、ほう酸がオルトほ
う酸(H3 BO 3 )である場合、H3 BO3 /C3 6
6 をモル比では6/1〜1/1、重量比では2.94
/1〜0.49/1としてよい。
【0017】また、ほう酸カルシウム(CaO)X ・B
2 3 の液相〔但し、X≦1〕が結晶化時に六方晶窒化
ほう素に対して内割で5〜20重量%となるCaCO3
の具体的な配合割合は、焼成方法の違いによってメラミ
ンの揮発量や、メラミン1モルに反応するほう酸のモル
数が変動するため、焼成方法に応じて適宜変化させる必
要があるが、仮にメラミンが全く揮発せず、かつメラミ
ン1モルに対して常にほう酸2モルが反応して六方晶窒
化ほう素が生成するとした場合、ほう酸、メラミン、及
びCaCO3 の具体的な配合割合は、モル比で22.3
〜99.7/10.1〜48.2/0.1〜1.0、重
量比で13.8〜61.6/12.7〜60.7/0.
1〜1.0になる。
【0018】本発明では、ほう酸、メラミン及びCa化
合物の混合物を、温度(T)、相対湿度(Ψ)及び保持
時間(t)が上式を満たす条件で保持してほう酸メラミ
ンを形成させる。温度、相対湿度及び保持時間のいずれ
かが上式の範囲外であるとほう酸メラミンは形成されな
い。
【0019】Ca化合物は、上記保持の前に添加してお
くことによって、均一にほう酸メラミン中に混合され
る。ほう酸とメラミンとCa化合物を単に機械的に混合
した場合や、ほう酸メラミンを形成させた後にCa化合
物を混合した場合、更にはほう酸とメラミンとCa化合
物に水を添加してほう酸メラミン形成とCa化合物混合
を同時に行った場合は、Ca化合物の混合状態が不均一
となり、結晶化後の六方晶窒化ほう素粉末は、粗粒子、
あるいは非晶質の粒子が混在している微粒子を多く含む
不均一なものとなり、いずれの場合も本発明の六方晶窒
化ほう素粉末を製造することはできない。
【0020】通常、六方晶窒化ほう素原料を焼成する場
合、比較的低温(1000℃以下)で非晶質窒化ほう素
が生成し、その後より高温で非晶質窒化ほう素が結晶化
して六方晶窒化ほう素が生成する。この際に結晶化触媒
を共存させることによって結晶化が促進されるが、使用
する触媒の種類や量により生成する六方晶窒化ほう素粒
子の大きさや量が変化する。
【0021】本発明で使用される結晶化触媒は、ほう酸
カルシウム(CaO)X ・B2 3〔但し、X≦1〕で
あり、本発明の結晶化温度1400〜1650℃におい
ては液相である。この中に非晶質窒化ほう素が溶解し、
溶解量が過飽和に達した時点で六方晶窒化ほう素が析出
する。この際、触媒量すなわち液相の量が多いと、隣合
う六方晶窒化ほう素粒子同士の距離が大きくなるので、
粗粒子が生成しやすい。反対に液相の量が少ないと非晶
質窒化ほう素の溶解量も少なくなるため非晶質の粒子が
混在しやすい。一方、触媒の組成すなわちCaOとB2
3 のモル比は粒子の形状に関与する。本発明の結晶化
温度1400〜1650℃においては、Xが1以下すな
わちB2 3 リッチな組成においては生成する六方晶窒
化ほう素粒子は鱗片形状になるが、Xが1よりも大き
く、3以下の組成においては、凝集粒子が生成しやす
い。またXが3をこえると、すなわちCaOリッチな組
成の結晶化触媒を用いた場合、六方晶窒化ほう素は輪郭
が不明瞭な不定形状を呈するようになる。
【0022】本発明では結晶化触媒としてほう酸リッチ
なほう酸カルシウム(CaO)X ・B2 3 の液相〔但
し、X≦1〕を存在させることにより粒子を鱗片形状と
し、しかも結晶化触媒量を内割で5〜20重量%と、多
過ぎずかつ少な過ぎない適量に調節して結晶化させるこ
とによって、粗粒子、あるいは非晶質の粒子が混在しな
い、低嵩密度で均一な六方晶窒化ほう素粉末を製造する
ことができる。
【0023】(CaO)X ・B2 3 のXが1をこえる
と、凝集粒子、あるいは不定形状の粒子を多く含む六方
晶窒化ほう素粉末が生成する。また、結晶化触媒量が2
0重量%をこえると粗粒子を多く含む六方晶窒化ほう素
粉末が生成し、5%未満では非晶質の粒子を多く含む六
方晶窒化ほう素粉末が生成する。これらはいずれもゆる
み嵩密度が0.09g/cm3 よりも大きくなるため本
発明には適さない。
【0024】焼成・結晶化は、非酸化性ガス雰囲気下、
温度1400〜1650℃で行われる。1400℃未満
では触媒であるほう酸カルシウム液相の粘度が高く、触
媒としての機能が不十分となり六方晶窒化ほう素の結晶
化がほとんど進行せず、非晶質の粒子を多く含むように
なる。また1650℃をこえると粗粒子を多く含むよう
になるためいずれもゆるみ嵩密度が0.09g/cm3
よりも大きくなり本発明には適さない。
【0025】非酸化性ガス雰囲気を形成するガスとして
は、窒素ガス、アンモニアガス、水素ガス、メタン、プ
ロパンなどの炭化水素ガス、ヘリウム、アルゴンなどの
希ガスが使用される。これらのうち、入手しやすく安価
であることから、窒素ガスが最適である。
【0026】焼成炉としては、マッフル炉、管状炉、雰
囲気炉などのバッチ式炉や、ロータリーキルン、スクリ
ューコンベヤ炉、トンネル炉、ベルト炉、プッシャー
炉、竪型連続炉などの連続式炉が用いられる。これらは
目的に応じて使い分けられ、例えば多くの品種の六方晶
窒化ほう素を少量ずつ製造するときはバッチ式炉が、一
定の品種を多量製造するときは連続式炉が採用される。
【0027】以上のようにして製造された六方晶窒化ほ
う素粉末は、必要に応じて粉砕、分級、酸処理による残
留触媒の除去(精製)、洗浄、乾燥などの後処理工程を
経た後、実用に供される。
【0028】本発明の六方晶窒化ほう素粉末は、粗粒、
凝集粒、あるいは非晶質の粒子を含まない均一な微粒子
からなる低嵩密度の粉末である。また本発明の充填材
は、本発明の六方晶窒化ほう素粉末を微粒子成分とし、
従来の粗粒子成分と共に含有されてなるものである。本
発明の六方晶窒化ほう素粉末は、均一な微粒子であるた
め分散性が良く、これを単独で充填材として用いること
もできるが、従来の非晶質の粒子が混在している微粒子
成分からなる六方晶窒化ほう素粉末や、従来の結晶性の
高い粗粒子成分からなる六方晶窒化ほう素粉末と比較し
て樹脂への充填性に劣る。しかしながら本発明の六方晶
窒化ほう素粉末を、従来の結晶性の高い粗粒子成分から
なる粉末と併用すると、驚くべきことに、従来の結晶性
の高い粗粒子成分単独ないしはそれと微粒子成分とから
なる充填材にくらべて高い充填性を示す。
【0029】本発明で使用される結晶性の高い粗粒子成
分からなる六方晶窒化ほう素粉末としては、例えば電気
化学工業社製「GP」などであり、本発明の充填材の粗
粒子成分と微粒子成分の具体的な配合割合は、重量比で
95/5〜30/70である。
【0030】
【実施例】以下、実施例、比較例、参考例をあげて更に
具体的に本発明を説明する。
【0031】実施例1 オルトほう酸50kg、メラミン50kg、及びCa化
合物としての炭酸カルシウム1kgをヘンシェルミキサ
ーで混合した後、恒温恒湿機中にて温度80℃、相対湿
度80%で10時間保持してほう酸メラミンを形成させ
た。更に、その後バッチ式雰囲気炉にて、窒素雰囲気
下、1550℃で焼成・結晶化した。
【0032】得られた焼成物を粉砕し、X線回折にてそ
の組成を調べたところ、六方晶窒化ほう素の他に結晶化
触媒の凝固物のブロードなB2 3 のピークと、微小な
CaO・2B2 3 のピークが認められた。これを硝酸
で洗浄し結晶化触媒を除去したところ、7.4重量%の
重量減少が認められた。
【0033】この結晶化触媒除去後の六方晶窒化ほう素
粉末について、パウダテスタ(ホソカワミクロン製)を
用いてゆるみ嵩密度を測定した。粉末の投入には篩い目
710μmの振動篩いを用いた。このときの粉末のゆる
み嵩密度は0.08g/cm 3 であった。
【0034】また、上記で得られた六方晶窒化ほう素粉
末の平均粒子径(マイクロトラック法:Leeds &
Northup社製「SPA 7997」)を測定し
たところ、2.5μmであった。
【0035】更に、上記で得られた六方晶窒化ほう素粉
末12gをアクリル樹脂(共栄社化学社製「エポキシエ
ステル3000M」)388g中に羽根型撹拌機(新東
科学社製「HEIDON300G」)にて混練した。こ
の混練物をスライドガラスに挟んで広げ、光学顕微鏡に
て、単位面積あたりの10μm以上の凝集粒子数を調べ
たところ、13個/cm2 であった。
【0036】実施例2〜4 ほう酸、メラミン、及びCa化合物を表1に示す種々の
条件で混合・加湿・加温してほう酸メラミンを形成させ
た後、焼成・結晶化を行い、結晶化触媒を除去して六方
晶窒化ほう素粉末を製造し、実施例1と同様にして性能
を評価した。それらの結果を表1、表2に示す。
【0037】比較例1 炭酸カルシウム10kgを加えたこと以外は、実施例1
と同様にして六方晶窒化ほう素粉末を製造した。その結
果、ゆるみ嵩密度は0.15g/cm3 、アクリル樹脂
中の単位面積当たりの凝集粒子数は82個/cm2 であ
った。
【0038】比較例2 焼成温度を1350℃にしたこと以外は実施例1と同様
にして六方晶窒化ほう素粉末を製造した。その結果、ゆ
るみ嵩密度は0.13g/cm3 、アクリル樹脂中の単
位面積あたりの凝集粒子数は97個/cm2 であった。
【0039】比較例3 焼成温度を1800℃にしたこと以外は実施例1と同様
にして六方晶窒化ほう素粉末を製造した。その結果、ゆ
るみ嵩密度は0.23g/cm3 であり、平均粒子径は
8.7μmであった。
【0040】参考例1〜2 市販の微粉グレードである電気化学工業社製「SP−
1」及び「SP−2」の六方晶窒化ほう素粉末のゆるみ
嵩密度は、それぞれ0.25g/cm3 、0.30g/
cm3 、である。また、アクリル樹脂中の単位面積あた
りの凝集粒子数は、それぞれ214個/cm2 、126
個/cm2 である。
【0041】実施例5 実施例1で製造された触媒除去後の六方晶窒化ほう素粉
末(平均粒子径2.5μm、BET比表面積21.5m
2 /g)と、市販の粗粉グレードである電気化学工業社
製「GP」の六方晶窒化ほう素粉末(平均粒子径7.5
μm、BET比表面積8.3m2 /g)とを、前者3
0:後者70の重量比で混合して充填材とした。
【0042】それを実施例1に示したアクリル樹脂16
0cm3 中に31重量%(真比重で20体積%)羽根型
撹拌機にて混練した。この混練物の50℃における粘度
をB型粘度計(東芝システム社製「VS−A1」)にて
測定したところ、表3に示すとおり、54Pa・sであ
った。
【0043】比較例4〜6 市販の微粉グレードである電気化学工業社製「SP−
2」の六方晶窒化ほう素粉末(平均粒子径2.4μm、
BET比表面積31.7m2 /g)と、市販の粗粉グレ
ードである電気化学工業社製「GP」の窒化ほう素粉末
とを表3に示す割合で混合し充填材としたこと以外は、
実施例5と同様にして粘度を測定した。それらの結果を
表3に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂等に対する高充填
性と均一分散性に優れた充填材を製造することのでき
る、低嵩密度の六方晶窒化ほう素粉末が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 幸雄 福岡県大牟田市新開町1 電気化学工業株 式会社大牟田工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゆるみ嵩密度が0.09g/cm3 以下
    であることを特徴とする六方晶窒化ほう素粉末。
  2. 【請求項2】 B/N原子比が1/1〜1/6であるほ
    う酸とメラミンを含む混合物に、Ca化合物を、結晶化
    時に生成する六方晶窒化ほう素に対して内割で5〜20
    重量%のほう酸カルシウム(CaO)x ・B2 3 の液
    相(但し、X≦1)が生成するように添加した後、温度
    T(℃)、相対湿度Ψ(%)及び保持時間t(hr)が
    以下の関係式 T≧−20・log10(t/4)+{(Ψ−100)2
    /20}+60 を満たす条件で保持してほう酸メラミンを形成させ、更
    にそれを非酸化性ガス雰囲気下、1400〜1650℃
    で焼成・結晶化して得られたものであることを特徴とす
    る六方晶窒化ほう素粉末。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の六方晶窒化ほう
    素粉末を含有してなることを特徴とする充填材。
JP18355497A 1997-07-09 1997-07-09 六方晶窒化ほう素粉末及びその用途 Withdrawn JPH1129308A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006188411A (ja) * 2004-12-28 2006-07-20 General Electric Co <Ge> 窒化ホウ素の製造方法
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