JP6196434B2 - 一酸化窒素の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一酸化窒素を精製するための方法に関する。
一酸化窒素は、例えば、半導体プロセスにおいてシリコン表面に酸窒化膜を形成するための材料ガスとして用いられる場合がある。一酸化窒素は、アンモニア酸化法、亜硝酸ソーダと塩化第一鉄とを反応させる方法、硝酸と亜硫酸ガスとを反応させる方法など様々な方法で生成され得るが、一般に、粗一酸化窒素ガスには、水分や、二酸化窒素および二酸化硫黄のような酸性ガスが不純物ないし副生成物として含まれる。特に硝酸を二酸化硫黄で還元して一酸化窒素を製造する方法においては、粗一酸化窒素中に二酸化硫黄が不純物として含まれてくる。半導体プロセスにおいて上述の酸窒化膜を形成するうえでは、材料ガスとしての一酸化窒素については、より高純度であることが望まれる。
一酸化窒素を高純度化ないし精製するための手法のうち比較的簡易な方法として、活性アルミナ、ゼオライト、シリカゲルなどの無機系吸着剤に所定条件で粗一酸化窒素ガス(混合ガス)を通流する手法が知られている。この手法によると、混合ガス中の主に水分が、無機系吸着剤に吸着されて除去される。無機系吸着剤を利用するこのような手法は、例えば、下記の特許文献1および特許文献2に記載されている。特許文献1では水、二酸化窒素、二酸化硫黄を含有する一酸化窒素を精製するのに、金属カチオンを含有しないシリカ、アルミナ、ゼオライト類およびこれらの混合物を、吸着剤として用いている。特許文献2では、ガス流から水分、窒素酸化物を吸着除去するのに、シリカで脱水し、8〜30%の金属カチオンを含むゼオライトYを用いている。
しかしながら、無機系吸着剤を用いた上述の従来の一酸化窒素精製方法では、混合ガス中の水分は効果的に吸着除去されるが、一酸化窒素の不純物副生反応(例えば、3NO→N2O+NO2)により混合ガス中の窒素酸化物量や窒素量を増大させてしまう場合があることが知られている。そのため、従来の技術においては、特殊な吸着剤を用いても、充分に高純度な一酸化窒素を得られていない。
また、比較的簡易な他の一酸化窒素精製方法として、アルカリ水溶液に混合ガスを接触させる手法が古くから知られている。この手法によると、混合ガス中の主に二酸化窒素や二酸化硫黄が、アルカリ水溶液に吸収除去される。
しかしながら、例えばアルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いた従来の一酸化窒素精製手法では、混合ガス中の二酸化窒素や二酸化硫黄は除去されるが、水分が精製ガス中に残り、水分除去が必要である。
また特許文献3においては、他の一酸化窒素精製方法として、液体窒素を用いて−164℃での深冷分離を行う手法が開示されている。しかしながら、この手法では、液体窒素による冷却操作が複雑で装置も高価なものとなり、更に液体一酸化窒素の爆発の可能性も有り、工業化するのに適しているとは言えない。
特開平8−319104号公報 特開昭51−141784号公報 韓国特許20100007188(A)号明細書
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、副生成物の生成を抑制し、高純度の一酸化窒素ガスを得るのに適した一酸化窒素精製方法を提供することを目的とする。
本発明によって提供される一酸化窒素精製方法は、少なくとも一酸化窒素および水分を含む混合ガスを吸着剤に通流させて水分を当該吸着剤に吸着させるための吸着工程を含む一酸化窒素精製方法であって、上記吸着剤として、無機系吸着剤に対して、無機酸塩を生成するための前処理が予め施された前処理済吸着剤を用いることを特徴としている。ここで言う無機酸塩とは、硝酸塩を代表として、この他に硫酸塩、リン酸塩、塩酸塩などがある。
粗一酸化窒素ガス(以下混合ガスと呼ぶ)を吸着剤に通流させて当該混合ガスから不純物を吸着除去するに際し、予め無機系吸着剤に対して所定の前処理を施しておくと一酸化窒素の不純物副生反応が抑制されることを、本発明者らは見出した。具体的には、例えば前処理として無機系吸着剤に対して比較的極性の強い鉱酸水溶液を接触させた場合には、鉱酸の一部が無機系吸着剤と化学吸着を起こして無機酸塩が生成され、これにより、無機系吸着剤の一酸化窒素の不純物副生反応に係る触媒活性点が封鎖された状態にあると考えられる。そして、本発明に係る一酸化窒素精製方法によると、その吸着工程にて、一酸化窒素の不純物副生反応による副生成物の生成量の低減を図ることができる。したがって、本方法は、より高純度の一酸化窒素を得るうえで好適である。
一つの実施形態によれば、上記前処理は、鉱酸水溶液と上記無機系吸着剤とを接触させる操作を含む。この場合、好ましくは、上記鉱酸水溶液は硝酸水溶液である。
他の実施形態によれば、上記前処理は、酸性ガスと上記無機系吸着剤とを接触させる操作を含む。
好ましい実施の形態においては、上記混合ガスは、不純物として二酸化窒素および二酸化硫黄の少なくとも一方を含み、上記混合ガスを上記吸着工程に付す前に、当該混合ガスをアルカリ水溶液に接触させて上記不純物(二酸化窒素や二酸化硫黄)を吸収除去するためのアルカリ洗浄工程を更に含む。
本方法によると、混合ガスに不純物としての二酸化窒素や二酸化硫黄が含まれている場合においても、アルカリ洗浄工程にて、二酸化窒素や二酸化硫黄をアルカリ水溶液により有意に吸収除去することができる。したがって、本方法は、より高純度の一酸化窒素を得るうえで好適である。
本発明に係る一酸化窒素精製方法を実行するのに使用することのできる精製ラインの概略構成図である。
次に、添付図面に基づき、本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る一酸化窒素(以下NOと呼ぶ)精製方法を実行するのに使用することのできる精製ラインX1の概略構成図である。精製ラインX1は、NOシリンダーY1から供給される粗NOガスを精製するように構成されており、二酸化窒素(以下NO2と呼ぶ)および二酸化硫黄(以下SO2と呼ぶ)除去用の吸収液接触装置1と、水分(以下H2Oと呼ぶ)除去用の吸着管2と、圧力調整弁3と、開閉弁4A〜4Eと、製品NO導出口5と、パージガス導入口6と、ガス排出口7と、真空ポンプ8と、これらを連結する配管とを備える。
NOシリンダーY1は、粗NOガスを原料ガス(混合ガス)として精製ラインX1に供給するためのものであり、高圧条件で粗NOガスが封入されているシリンダーである。封入されている粗NOガスは、主成分としてNOを含み、不純物としてNO2、SO2およびH2Oを含む。
吸収液接触装置1は、原料ガスを吸収液であるアルカリ水溶液に接触させるためのものであり、吸収液槽1A、ガス導入管1a、ガス導出口1b、吸収液供給口1c、および液体排出口1dを有している。吸収液槽1Aは容器状とされており、その内部にはNO2吸収能およびSO2吸収能を発揮し得るアルカリ水溶液が充填されている。ガス導入管1aは、吸収液槽1Aの内部において下方に延出しており、その下端部がアルカリ水溶液中にて開放されている。吸収液供給口1cは新しいアルカリ水溶液を吸収液槽1A内に供給するための通路であり、液体排出口1dは吸収液槽1A内のアルカリ水溶液を吸収液槽1A外に排出するための通路である。
本実施形態で用いられるアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等の水溶液を採用することができる。なかでも、取り扱い易さなどの観点から、水酸化ナトリウム水溶液が好適である。
なお、本実施形態ではアルカリ水溶液に、原料ガスを効率よく接触させる観点から、吸収液接触装置1は、原料ガスを微細気泡状にアルカリ水溶液中に放出するように構成されているのが好ましい。
吸着管2は、ガスが通過可能に構成されており、本実施形態では円筒形状を有する。吸着管2の内部には、H2O吸着能、NO2吸着能およびSO2吸収能を発揮し得る無機系吸着剤が充填されている。そのような無機系吸着剤としては、活性アルミナ、ゼオライト、およびシリカゲルを採用することができる。なかでも、脱水用に一般的に用いられる活性アルミナやA型のゼオライトが好適である。これら吸着剤には、後述するように、NOの精製に先立って予め所定の前処理が施されている。また、吸着管2には、その内部温度を調整するための温度調整機構(図示せず)が取り付けられている。
圧力調整弁3は、NOシリンダーY1から供給された原料ガスを減圧して所定圧力に調整するためのものである。開閉弁4A〜4Eは、各々、ガスの通過を許容する開状態と阻止する閉状態とが選択可能に構成されている。
本発明に係るNO精製方法では、精製ラインX1を使用してNOの精製を実行するのに先立ち、吸着管2に充填される無機系吸着剤に対して、無機酸塩を生成するための所定の前処理を行なう。
本発明に係る前処理は、鉱酸水溶液と無機系吸着剤との接触により行う。鉱酸水溶液と無機系吸着剤との接触は、例えば、当該無機系吸着剤に鉱酸水溶液を含浸させることにより行なうことができる。鉱酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが使用できるが、NO精製での副生成物である硝酸の使用が異物質混入防止の観点から好ましい。鉱酸水溶液としての硝酸水溶液と無機系吸着剤とを接触させると硝酸塩が生成し、前処理済吸着剤を得ることができる。ここで、使用する鉱酸水溶液の濃度は特に限定されないが、通常、0.01〜1規定の鉱酸水溶液が使用される。鉱酸水溶液の無機系吸着剤への含浸は、例えば、精製ラインX1の外において1〜20時間程度行なえばよい。含浸方法は鉱酸水溶液と吸着剤を攪拌せず室温で静置する場合は10時間以上必要だが、40〜50℃で攪拌する場合は2時間程度で済む。この後吸着剤をろ過し乾燥する。乾燥方法としては減圧乾燥または熱風乾燥は効率が良いが、静置乾燥、コニカルドライヤーを用いる乾燥方法でも良い。乾燥済みの含浸処理された吸着剤は、吸湿しないように保存容器を窒素置換して保存する。
なお、本発明に係る前処理は、上述の方法に限定されるものではなく、酸性ガスと無機系吸着剤との接触により行ってもよい。例えば、オートクレイブなどの加圧ができる容器に無機系吸着剤とNO2あるいはSO2等の酸性ガスを含むガスを仕込み、30〜60℃で数時間、0.1〜1.5MpaGで保つことによっても出来る。ここで、窒素、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、NO等の不活性ガスまたは製品に混入しても問題がないガスを希釈ガスとして用いることができる。そして、得られた前処理済吸着剤を吸着管2に充填すれば良い。
上述した前処理を施すことにより吸着管2内に前処理済吸着剤が充填された状態において、精製ラインX1を使用してNO精製を実行する。まず、開閉弁4A,4Cを開状態とし且つ開閉弁4B,4D,4Eを閉状態とする。そして、NOシリンダーY1から圧力調整弁3を経て吸収液接触装置1に原料ガス(粗NOガス)を供給し続け、吸収液接触装置1にてアルカリ洗浄工程を実行する。原料ガスは、上述のように主成分としてNOを含み且つ不純物としてNO2、SO2およびH2Oを含むが、NOシリンダーY1から供給される原料ガスのNO2濃度およびH2O濃度は、各々、例えば0.1〜1000ppmである。圧力調整弁3に設定される圧力は、例えば0.05〜20MPaであり、好ましくは0.1〜2MPaである。
アルカリ洗浄工程では、ガス導入管1aの下端部から原料ガスを放出させることにより当該原料ガスをアルカリ水溶液に接触させ、不純物であるNO2およびSO2を当該アルカリ水溶液に吸収させたうえで、非吸収ガスをガス導出口1bから吸収液接触装置1外に導出する。アルカリ洗浄工程ではまた、新しいアルカリ水溶液を一定流量で吸収液供給口1cを介して補充するとともに、吸収液槽1A内に受容されたアルカリ水溶液を一定流量で液体排出口1dから吸収液接触装置1外に排出する。吸収液槽1A内のアルカリ水溶液の温度は、例えば10〜50℃であり、好ましくは20〜40℃である。
吸収液接触装置1でのアルカリ洗浄工程を終えた原料ガス(非吸収ガス)は、次に、開閉弁4Aを経て吸着管2に至り、吸着工程に付される。吸着工程では、吸着管2内の前処理済吸着剤に非吸収ガスを通流させ、不純物H2OないしNO2を、当該前処理済吸着剤に吸着ないし保持させたうえで、非吸着ガスを吸着管2外に導出する。吸着管2の内部温度は、例えば−40〜50℃であり、好ましくは0〜40℃である。ここで、前処理済吸着剤には硝酸塩が生成されているため、無機系吸着剤の触媒活性点が、封鎖された状態にあると考えられる。したがって、吸着工程では、NOの不純物副生反応が抑制され、当該不純物副生反応によって副生するN2OやNO2の生成量は低減する。このような吸着工程は、例えばH2Oが充分に吸収され、破過が始まる時点(破過点)まで実行してもよいし、破過点より前に終了してもよい。NOシリンダーY1から精製ラインX1に原料ガスを供給し続けつつも、開閉弁4Cを閉状態とし且つ開閉弁4Dを開状態とすることにより、吸着工程を終了することができる。吸着工程終了時まで、吸着管2を経たガスを精製NOガスとして製品NO導出口5から取り出すことができる。
以上のようにして、不純物としてNO2、SO2およびH2Oを含む粗NOガス(原料ガス)を精製して高純度NOガスを得ることができる。
本発明に係るNOガス精製方法を精製ラインX1にて繰り返し実行するためには、上述のような精製プロセス終了後に吸着管2ないしそれら内部の吸着剤を再生または洗浄する。
吸着管2ないし内部の前処理済吸着剤の再生または洗浄に際しては、開閉弁4A,4C,4Eを閉状態とし且つ開閉弁4B,4Dを開状態とする。そして、パージガス導入口6から精製ラインX1に不活性ガスを導入し続ける。パージガス導入口6から導入される不活性ガスは、図外のヒータにて予め所定温度に昇温されており、開閉弁4B、吸着管2、および開閉弁4Dを経てガス排出口7からライン外に排出される。不活性ガスとしては、例えばN2やアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)を採用することができる。上記ヒータにより実現される不活性ガスの温度は、例えば100〜300℃であり、好ましくは150〜250℃である。このようにして、吸着管2ないしその内部の前処理済吸着剤に、所定量かつ所定圧力の不活性ガスを通流することにより、当該吸着管2ないし前処理済吸着剤を再生または洗浄することができる。
本発明に係るNO精製方法によると、吸収液接触装置1での上述のアルカリ洗浄工程にて、原料ガス中のNO2をアルカリ水溶液により吸収除去することができる。加えて、吸着管2での吸着工程にて、前処理済吸着剤を用いることによりNOの不純物副生反応が抑制され、副生成物であるN2OやNO2の生成量が低減する。このように、本方法では、原料ガスに不純物としてNO2やSO2、H2Oが含まれている場合において、アルカリ洗浄工程および吸着工程にてNO2、SO2およびH2Oを効果的に除去し、各工程における副生成物の生成量を低減することができ、高純度のNOが得られる。
NOシリンダーY1から供給される原料ガスにおいて、NO2およびSO2を実質的に含まない、或いはNO2含量およびSO2含量が少量である場合には、アルカリ洗浄工程を省略することによっても、本発明に係るNO精製方法を適切に実行することが可能である。この場合、当該NO精製方法を実行するための精製ラインとしては、吸収液接触装置1を備えない構成とすることができる。
以下に、実施例1〜4および比較例に基づいて本発明をさらに詳しく述べる。
[実施例1]
本実施例では、上記実施形態に係る吸着管2を使用して、本NO精製方法における吸着工程を実行した。本実施例では、無機系吸着剤として活性アルミナ(商品名:KHD−12,住友化学(株)製)を用いた。吸着剤の前処理として、18.6gの当該活性アルミナを0.3規定の硝酸水溶液と40℃で2時間混合攪拌し、その後60℃で6時間真空乾燥した。このようにして得られた前処理済吸着剤を、吸着管2(内径7.5mm,長さ500mmのステンレス製円筒吸着管)に充填した。その後、吸着管2を150℃まで昇温するとともに開閉弁4A〜4Dを閉状態とし且つ開閉弁4Eを開状態とし、真空ポンプ8を稼働させて、吸着管2内の圧力が270Pa(abs)となるように約2時間真空吸引した。次いで、原料ガスとしての粗NOガス(H2O含量=100ppm、NO2含量=500ppm、N2O含量=50ppm)を0.15MPaGの圧力のもと、25℃にて吸着管2に通流した。吸着管2への原料ガス通流量は60ml/minとした。このようにして、吸着工程を行なった。通流開始後1時間経過した時に、吸着管2から導出する非吸着ガスを露点計およびFT−IRで分析した結果、H2O含量=1ppm、NO2含量=30ppm、N2O含量=65ppmであり、通流前後でのN2O含量増分は15ppmであった。
[実施例2]
本実施例では、無機系吸着剤として、実施例1の活性アルミナに代えて、モレキュラシーブ4A(商品名:ゼオラムA−4,東ソー(株)製)を使用した。無機系吸着剤の変更以外は実施例1と同様にして、NO精製(前処理および吸着工程)を行なった。吸着管2への原料ガス通流開始後1時間経過した時に、吸着管2から導出する非吸着ガスを分析した結果、H2O含量=1ppm、NO2含量=25ppm、N2O含量=60ppmであり、通流前後でのN2O含量増分は10ppmであった。
[実施例3]
本実施例では、吸着剤の前処理として、内容量300mlの耐圧3Mpaのステンレス製オートクレイブに活性アルミナ(商品名:KHD−12、住友化学(株)製)を150ml仕込み、NO/NO2=1/1の混合ガスを1.5MpaGになるまで添加した。40℃で4時間保持したのち、ガスをパージし、再度NO/NO2=1/1のガスを1.5MpaGになるまで添加し30℃で5時間保持した。このようにして前処理した吸着剤を実施例1と同様の吸着管2に充填し、実施例1と同様の原料ガス供給態様にて精製を行なった。通流開始後1時間経過した時に、吸着管2から導出する非吸着ガスを分析した結果、H2O含量=1ppm、NO2含量=30ppm、N2O含量=63ppmであり、通流前後でのN2O含量増分は13ppmであった。
[実施例4]
本実施例では、上記実施形態に係る吸収液接触装置1および吸着管2を使用して、本NO精製方法におけるアルカリ洗浄工程および吸着工程を実施した。本実施例では、容積1000mlの吸収液接触装置1に、アルカリ水溶液として1重量%の水酸化ナトリウム水溶液500mlを充填した。吸着管2に、実施例1と同様に前処理を行った活性アルミナを充填し、昇温と真空引きを行った。次いで、原料ガスとしての粗NOガス(H2O含量=100ppm、NO2含量=500ppm、SO2含量=500ppm、N2O含量=50ppm)を0.15MPaGの圧力のもと、25℃にて吸収液接触装置1および吸着管2に通流した。吸収液接触装置1および吸着管2への原料ガス通流開始後1時間経過した時に、吸着管2から導出する非吸着ガスを分析した結果、H2O含量=1ppm、NO2含量=10ppm、SO2含量=1ppm未満、N2O含量=63ppmであり、通流前後でのN2O含量増分は13ppmであった。
[比較例]
本比較例では、実施例1と同様の吸着管2および無機系吸着剤を用い、前処理を行なわずにNO精製を行なった。吸着管2に活性アルミナ(商品名:KHD−12,住友化学(株)製)を18.6g充填し、吸着管2を150℃まで昇温するとともに開閉弁4A〜4Dを閉状態とし且つ開閉弁4Eを開状態とし、真空ポンプ8を稼働させて、吸着管2内の圧力が270Pa(abs)となるように約2時間真空吸引した。次いで、原料ガスとしての粗NOガス(H2O含量=100ppm、NO2含量=500ppm、N2O含量=50ppm)を1.5MPaGの圧力のもと、25℃にて吸着管2に通流した。吸着管2への原料ガス通流量は60ml/minとした。このようにして、吸着工程を行なった。即ち、本比較例では、前処理の不実施以外は実施例1と同様にして、NO精製を行なった。吸着管2への原料ガス通流開始後1時間経過した時に、吸着管2から導出する非吸着ガスを分析した結果、H2O含量=1ppm、NO2含量=30ppm、N2O含量=250ppmであり、通流前後でのN2O含量増分は200ppmであった。
実施例1〜4のN2O含量増分と比較例のN2O含量増分とを比較すると理解できるように、実施例における吸着工程では、比較例に比べてN2O含量増分が大幅に減少していた。このことは、無機系吸着剤に対して所定の前処理を施すことにより、NOの不純物副生反応が抑制され、N2Oの生成量が低減したことに起因すると考えられる。また、当該不純物副生反応の抑制によりNO2の発生量も低減する。このため、NO2含量増分についても、前処理を施さない場合に比べて減少効果を見込むことができる。このように、実施例では、前処理済吸着剤を用いた吸着工程を経ることにより、副生成物(N2OやNO2)の生成量が低減し、その結果、NOをより高純度化することができた。
X1 精製ライン
Y1 NOシリンダー
1 吸収接触装置
2 吸着管
3 圧力調整弁
4A〜4E 開閉弁
5 製品NO導出口
6 パージガス導入口
7 ガス排出口
8 真空ポンプ

Claims (3)

  1. 少なくとも一酸化窒素および水分を含む混合ガスを、無機系吸着剤に通流させて水分を当該吸着剤に吸着させるための吸着工程を含む一酸化窒素精製方法であって、
    上記無機系吸着剤として、前処理にて、鉱酸水溶液または酸性ガスとしての二酸化窒素あるいは二酸化硫黄を上記無機系吸着剤と接触させて無機酸塩を生成した前処理済吸着剤を用いることを特徴とする、一酸化窒素精製方法。
  2. 上記鉱酸水溶液は硝酸水溶液である、請求項1に記載の一酸化窒素精製方法。
  3. 上記混合ガスは、不純物として二酸化窒素および二酸化硫黄の少なくとも一方を含み、
    上記混合ガスを上記吸着工程行う前に、当該混合ガスをアルカリ水溶液に接触させて上記不純物を吸収除去するためのアルカリ洗浄工程を更に含む請求項1または2に記載の一酸化窒素精製方法。
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