JP6195779B2 - 射出成形方法、射出成形体及びそのための樹脂組成物 - Google Patents
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Description
セルロースエステルは、セルロースジアセテート(DAC)、セルローストリアセテート(TAC)などのセルロースアセテート;セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどのセルロースC3-5アシレート;セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)などのセルロースアセテートC3-5アシレートなどであってもよい。これらのセルロースエステルは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(b)フルオレン系化合物は、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有していればよく、フルオレン系化合物を重合成分とする樹脂(例えば、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂)であってもよく、低分子フルオレン系化合物、例えば、下記式(1)で表される化合物であってもよい。
前記式(1)で表されるフルオレン系化合物において、環A、アルキレン基R1、置換基R2及びR3、繰り返し単位k、置換基の数に対応する係数m、n及びpの詳細については、前記特許文献4及び特許文献5を参照できる。
X1:ヒドロキシル基、エポキシ含有基、アミノ基、又はN−一置換アミノ基;好ましくはヒドロキシル基
R1:直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキレン基;好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2-3アルキレン基(エチレン基又はプロピレン基)
R2:直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、アリール基、直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基;好ましくはC1-6アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子又はシアノ基;さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキル基又はフェニル基;特に直鎖状又は分岐鎖状C1-3アルキル基
R3:直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基、メルカプト基、直鎖状又は分岐鎖状アルキルチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基又はN−一置換アミノ基;好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基又はN−モノC1-6アルキルアミノ基;さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキル基、ヒドロキシル基;特に直鎖状又は分岐鎖状C1-3アルキル基
k:0〜10の整数;好ましくは0〜3の整数;さらに好ましくは0〜2の整数(例えば、0又は1)
m:1又は2;好ましくは1
n及びp:0〜3の整数;好ましくは0〜2の整数;さらに好ましくは0又は1。
本発明では、樹脂組成物が少量の安定化剤を含んでいても、所定の条件で射出成形することにより、高品質の成形品を製造できる。安定化剤としては、フェノール系化合物、リン系化合物、アミン系化合物、イオウ系化合物などが例示できる。好ましい安定化剤は、酸化防止剤及び/又は熱安定化剤(耐熱安定剤)である。なお、酸化防止剤は、その種類によって熱安定化剤(耐熱安定剤)として機能する場合がある。
本発明の樹脂組成物は、成形品の用途などに応じて、慣用の添加剤、例えば、光安定剤(紫外線吸収剤、耐光安定剤)、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、他の可塑剤、耐衝撃改良剤、充填剤、補強剤、分散剤、抗菌剤、滑剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
本発明では、フルオレン系化合物を併用することにより、アシル化度が高くてもセルロースエステルを高い溶融流動性で溶融混練でき、フルオレン系化合物の含有量が多くなるにつれて、溶融流動性が向上し、押出機内での滞留時間が長くても、セルロースエステルの劣化(分解など)を抑制できる。そのため、結晶性の高いセルロースエステル(特に、セルローストリアセテート)及び熱分解温度と融点又は軟化点とが近いセルロースエステル(特に、セルローストリアセテート)では、予めフルオレン系化合物を含む樹脂組成物を溶融混練して(コンパウンド化して)、成形温度(又は溶融粘度)を低下させた樹脂組成物(又はペレット、コンパウンド、ペレット状の樹脂組成物)を調製し、このペレットを上記セルロースエステルの分解温度より低い温度(成形温度)で射出成形するのが好ましい。前記樹脂組成物は、通常、均一なペレットを安定に成形可能なダイ部の樹脂温度(ペレット化温度)で溶融混練してペレット化又はコンパウンド化される。なお、溶融混練によるコンパウンドの調製には、慣用の混練機、例えば、押出機(一軸又は二軸押出機など)が使用できる。
本発明の射出成形品は、セルロースエステル及びフルオレン系化合物を含んでいるので、光学的特性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性などの特性において優れている。特に、セルロースエステルを樹脂成分とする射出成形品であっても、着色が少なく透明性が高い。例えば、厚み4mmの射出成形品において、スペクトロフォトメータ(日立社製,HITACHI「U-3010」)で測定したとき、イエローインデックスは、例えば、5〜150(例えば、7〜135)、好ましくは5〜130(例えば、8〜120)、さらに好ましくは5〜100(例えば、10〜80)程度である。
トリアセチルセルロース((株)ダイセル製「LT55」)と9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製、以下、単に「BPEF」と称する)とを、前者/後者=95/5重量比の割合で用い、トリアセチルセルロースと「BPEF」との総量100重量部に対して、酸化防止剤3000ppmを混合し、同方向二軸押出機(溶融混練温度290℃)にて滞留時間の異なる条件にてペレットサンプルを調製した(滞留時間:222秒(比較例1)、107秒(比較例2)、81秒(比較例3)、58秒(比較例4)、43秒(比較例5))。
トリアセチルセルロース((株)ダイセル製「LT55」)と「BPEF」とを、前者/後者=90/10重量比の割合で用い、トリアセチルセルロースと「BPEF」との総量100重量部に対して、比較例1と同様の酸化防止剤3000ppmを混合し、同方向二軸押出機(溶融混練温度290℃)にて滞留時間の異なる条件にてペレットサンプルを調製した(滞留時間:330秒(参考例1)、165秒(実施例2)、73秒(実施例3))。なお、上記樹脂組成物のペレットサンプルの調製において、ダイ部の樹脂温度(ペレット化温度)は279℃であった。
トリアセチルセルロース((株)ダイセル製「LT55」)と「BPEF」とを、前者/後者=80/20重量比の割合で用い、トリアセチルセルロースと「BPEF」との総量100重量部に対して、参考例1と同様の酸化防止剤3000ppmを混合し、同方向二軸押出機(溶融混練温度290℃)にて滞留時間の異なる条件にてペレットサンプルを調製した(滞留時間:560秒(参考例4)、133秒(実施例5))。なお、上記樹脂組成物のペレットサンプルの調製において、ダイ部の樹脂温度(ペレット化温度)は253℃であった。
トリアセチルセルロース((株)ダイセル製「LT55」)85重量部と、「BPEF」15重量部と、参考例1と同じ酸化防止剤3000ppmとを混合し、同方向二軸押出機(溶融混練温度290℃,押出機内の平均滞留時間:約30秒)にて溶融混練してコンパウンド化し、BPEF含有量が15重量%のペレットを得た。
押出機内の平均滞留時間を約5分とする以外、実施例6と同様にして、BPEF含有量が15重量%のペレットを得た。
特許文献5の実施例7に従ってペレットを調製した。すなわち、参考例1で用いたトリアセチルセルロース190重量部、「BPEF」10重量部、安定化剤[チバ・ジャパン(株)製、商品名「IRGANOX B215」]2重量部を含む組成物を同方向二軸押出機(溶融混練温度285℃、押出機内の平均滞留時間:約5分)にて溶融混練してコンパウンド化し、ペレットを調製した。得られたペレットを、実施例6と同様の射出成型機を用い、290℃で射出成形して実施例6と同様の試験片を調製しようとしたが、非常に脆いため、金型から取り出す工程で試験片が割れてしまった。
Claims (6)
- (a)セルロースエステルと、(b)9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン系化合物とを含む樹脂組成物を射出成形法する方法であって、(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との重量割合が、前者/後者=90/10〜70/30であり、かつ(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との総量100重量部に対して、(c)安定化剤0.001〜0.5重量部を含む樹脂組成物を、ペレット化温度240〜290℃及び平均滞留時間10〜240秒の条件で溶融混練してペレット化した後、射出成形する方法。
- (a)セルロースエステルが(a1)平均置換度2.5〜3のセルローストリアセテートであり、(b)フルオレン系化合物が(b1)9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類及び/又は(b2)9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)フルオレン類であり、(c)安定化剤が、(c1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との組合せ、及び(c2)ヒンダードフェノールリン系酸化防止剤から選択された少なくとも一種である請求項1記載の方法。
- (a)セルローストリアセテートと(b)フルオレン系化合物との重量割合が、前者/後者=87.5/12.5〜75/25であり、かつ(a)セルローストリアセテートと(b)フルオレン系化合物との総量100重量部に対して、(c)安定化剤0.01〜0.3重量部を含む樹脂組成物を、不活性ガスを流通させることなく、ペレット化温度250〜285℃及び平均滞留時間10〜150秒の条件でペレット化する請求項1又は2記載の方法。
- 樹脂組成物を溶融混練温度Tで溶融混練してペレットを調製し、このペレットを、溶融混練温度Tよりも低い温度で射出成形する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- (a)セルロースエステルと、(b)9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン系化合物とを、前者/後者=90/10〜70/30の重量割合で含み、(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との総量100重量部に対して、(c)安定化剤0.001〜0.5重量部を含み、かつイエローインデックスが、厚み4mmにおいて、5〜150である射出成形品。
- 幅10mm×長さ80mm×厚み4mmの試験片において、引張弾性率が2〜5.5MPa、引っ張り強度が70〜120MPa、曲げ強度が80〜140MPa、アイゾット衝撃強度が60〜100kJ/m2である請求項5記載の射出成形品。
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