JP6195779B2 - 射出成形方法、射出成形体及びそのための樹脂組成物 - Google Patents

射出成形方法、射出成形体及びそのための樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6195779B2
JP6195779B2 JP2013223917A JP2013223917A JP6195779B2 JP 6195779 B2 JP6195779 B2 JP 6195779B2 JP 2013223917 A JP2013223917 A JP 2013223917A JP 2013223917 A JP2013223917 A JP 2013223917A JP 6195779 B2 JP6195779 B2 JP 6195779B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
weight
resin composition
injection
fluorene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013223917A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015086254A (ja
Inventor
一史 ▲高▼野
一史 ▲高▼野
祐輝 大内
祐輝 大内
加藤 真理子
真理子 加藤
山田 昌宏
昌宏 山田
大策 荘所
大策 荘所
完爾 若林
完爾 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Chemicals Co Ltd filed Critical Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Priority to JP2013223917A priority Critical patent/JP6195779B2/ja
Publication of JP2015086254A publication Critical patent/JP2015086254A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6195779B2 publication Critical patent/JP6195779B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Description

本発明は、樹脂成分としてセルロースエステルを含む樹脂組成物、この樹脂組成物を射出成形する方法、並びに射出成形体に関する。
セルロースエステルは、光学的特性及び耐熱性に優れているものの、熱分解温度と、融点又は軟化点とが近く、溶融流動性が低いため、熱成形性に劣り、射出成形には適さない。そのため、セルロースエステルは、通常、流延法(キャスト法)によりフィルム成形され、光学フィルムなどに利用されている。しかし、光学フィルムの調製工程で生じる不良品や不要物の再利用が望まれているものの、熱成形性に劣るためか、セルロースエステルのリサイクルが十分に行われていない。
特開2007−51304号公報(特許文献1)には、射出成形などの溶融成形に適した組成物として、アセチル基置換度が0.9〜2.9のセルロースアセテート100重量部に対して、可塑剤としての2種類のグリセリンアシレート5〜100重量部及び有機充填剤5〜200重量部を含む樹脂組成物が記載されている。しかし、この組成物は、低分子量の可塑剤を含むため、成形品から可塑剤がブリードアウトする可能性がある。さらに、セルロースエステルを含む樹脂組成物を射出成形すると、黄変又は褐変し、機械的強度が著しく低下した成形品しか得られない。特に、セルロースアセテートのアセチル化度が高くなると、射出成形品の特性が著しく損なわれる。
セルロースエステルの成形性を改善するため、特開2009−40868号公報(特許文献2)には、セルロースエステルを二塩基酸で修飾する方法が提案されている。特開2012−255142号公報(特許文献3)には、セルロースアセテートのヒドロキシル基に所定の高分子化合物残基(グリシジル基を有するアクリル系高分子)が結合してエーテル基を形成したセルロースアセテートエーテル化合物と、ホスファイト、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、及びイオウ化合物から選択された安定化剤とを含有する樹脂組成物が開示されている。しかし、これらの方法では、セルロースエステルを修飾する必要があるとともに、セルロースエステルに比べて、修飾されたセルロースエステル誘導体の特性も低下する。
特開2012−211252号公報(特許文献4)には、セルローストリアセテートと9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類とを含む組成物を溶融混合し、フィルム成形し、延伸性に優れたフィルムを得ることが記載されている。この文献には、セルローストリアセテート/9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン=95/5〜80/20(重量比)の組成物100重量部に対してリン系酸化防止剤3重量部を添加して溶融混練し、ペレット状組成物をホットプレスしてフィルムを調製し、得られたフィルムを延伸したことが記載されている。さらに、特開2011−144344号公報(特許文献5)には、セルロース誘導体(セルロースアセテートなど)をフルオレン系化合物(9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなど)で可塑化して溶融混練することにより、コンパウンド性、成形性及び/又は加工性を改善しつつ、成形体を製造することが記載されている。この文献には、フェノール系化合物、アミン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物、エポキシ系化合物から選択された安定化剤を含有させることも記載されている(請求項10)。また、実施例では、セルロースアセテート190重量部、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン10重量部、安定化剤2重量部又は6重量部を含む組成物を溶融混練し、ペレット状組成物をホットプレスしてシートを調製した例が記載され、窒素ガス流通下で混練すると着色が少なく透明性が高いことが記載されている。
しかし、これらの樹脂組成物は、多量の安定化剤を必要とする。そのため、成形品から安定化剤がブリードアウトする可能性があるとともに、成形品の特性(機械的特性など)が低下しやすい。特に、前記樹脂組成物を射出成形すると、成形品が大きく着色するとともに成形品に気泡が生成したり、安定化剤が気化又は分解し、成形品の外観品質や特性を損なうとともに、作業環境を損なう。
特開2007−51304号公報(特許請求の範囲) 特開2009−40868号公報(特許請求の範囲) 特開2012−255142号公報(特許請求の範囲) 特開2012−211252号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2011−144344号公報(特許請求の範囲、実施例7〜9)
従って、本発明の目的は、樹脂成分としてセルロースエステルを含む樹脂組成物を射出成形しても、良質の成形品を製造できる射出成形方法、この方法で成形された射出成形品及び射出成形に適した樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、セルロースエステルのアシル化度(例えば、アセチル化度)が高くても、着色が少なく均一な射出成形品を製造できる射出成形方法、この方法で得られた射出成形品及び射出成形に適した樹脂組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、発泡や脆化を防止でき、射出成形温度が変動しても、機械的強度の高い射出成形品を安定に射出成形できる射出成形方法、そのための樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、安定化剤の含有量が少なく、セルロースエステルのアシル化度が高いという、熱溶融成形により着色し易い系であっても、所定の条件で調製したペレット又はコンパウンドを用いると、安定に射出成形できるとともに、所定の条件で射出成形すると、着色を抑制できるとともに、均質で機械的強度の高い射出成形品を安定して製造できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の方法では、(a)セルロースエステル(セルローストリアセテートなど)と、(b)9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン系化合物とを含む樹脂組成物を特定の条件でペレット化又はコンパウンド化し、射出成形する。この樹脂組成物の溶融混練により、均一なペレット又はコンパウンドが得られるペレット化温度(均一なペレット又はコンパウンドを成形可能なダイ部の樹脂温度)を低下できるという観点から、(b)フルオレン系化合物の配合量は多いほど好ましいものの、一方で(b)フルオレン系化合物の配合量が多いほど、得られる成形体の物性が低下する。また、安定化剤により樹脂成分の劣化を抑制できる。そのため、前記樹脂組成物において、(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との重量割合は、前者/後者=90/10〜70/30(例えば、87.5/12.5〜75/25)程度であり、(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との総量100重量部に対して、(c)安定化剤0.001〜0.5重量部(例えば、0.01〜0.3重量部)を含んでいてもよい。(a)セルロースエステルは(a1)平均置換度2.5〜3のセルローストリアセテートであってもよく、(b)フルオレン系化合物は、(b1)9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類及び/又は(b2)9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)フルオレン類であってもよい。また、(c)安定化剤は、(c1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との組合せ、及び(c2)ヒンダードフェノールリン系酸化防止剤から選択された少なくとも一種であってもよい。
このような樹脂組成物を、ペレット化温度240〜290℃及び平均滞留時間10〜600秒の条件で溶融混練し、ペレット化した後、射出成形できる。この方法において、樹脂組成物は、分解を抑制するという観点から、ペレット化温度250〜285℃及び平均滞留時間10〜240秒の条件で溶融混練してペレット化するのが好ましい。このようなペレット化工程を経て射出成形すると、不活性ガスを流通させることなく、良質のペレットを得ることができ、このペレットを用いて射出成形すると、良質の射出成形品を調製できる。
また、前記樹脂組成物において、(a)セルロースエステル(セルローストリアセテートなど)と、(b)フルオレン系化合物との相溶性が高いため、ペレット化前の(a)セルロースエステル(セルローストリアセテートなど)と比較して、前記ペレットの融点が低下する。そのため、本発明では、前記脂組成物を溶融混練温度Tで溶融混練してペレット状組成物を調製(コンパウンド化)することにより、前記ペレット化の溶融混練温度Tよりも低い温度で前記ペレットを射出成形可能である。すなわち、前記組成のペレットでは、(a)セルロースエステルの分解温度域(290℃程度)よりも低い温度での成形が可能となる。
本発明は、前記射出成形法で成形された射出成形品も包含する。この射出成形品は着色が少なく、例えば、厚み4mmの射出成形品において、イエローインデックスが5〜150程度であってもよい。射出成形品は、機械的強度も高く、例えば、幅10mm×長さ80mm×厚み4mmの試験片において、引張弾性率は2〜5.5MPa、引っ張り強度は70〜120MPa、曲げ強度は80〜140MPa、アイゾット衝撃強度は60〜100kJ/m2程度であってもよい。
本発明は、さらに、予めペレット化して射出成形するのに適した樹脂組成物、すなわち、(a)セルロースエステルと、(b)9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン系化合物とを含み、(a)セルロースエステル(セルローストリアセテートなど)と(b)フルオレン系化合物との重量割合が、前者/後者=90/10〜70/30であり、かつ(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との総量100重量部に対して、(c)安定化剤0.01〜0.5重量部を含む樹脂組成物も包含する。
本明細書において、「ペレット化された樹脂組成物」を「ペレット」又は「コンパウンド」と称する場合があり、両者を同義に用いる。また、「滞留時間」とは、押出機内に充填される樹脂量[g]を、1分間当たりの樹脂の吐出量[g/分]で除することにより算出され、平均滞留時間を意味する。「溶融混練温度T」とは樹脂組成物をペレット化する際のシリンダー温度の最大値を指し、「ペレット化温度」とは、樹脂組成物から均一なペレットを生成可能な温度、例えば、押出機に接続されたダイから、溶融混練物が均一に流動して連続的に押し出し可能なダイ部の樹脂温度を意味する。
本発明では、樹脂成分としてセルロースエステルを含む樹脂組成物を射出成形しても、所定の条件でペレット化された樹脂組成物を用い、射出成形するため、良質の成形品を製造できる。また、セルロースエステルのアシル化度(例えば、アセチル化度)が高くても、着色が少なく均一な射出成形品を製造できる。さらには、射出成形での発泡や脆化を防止でき、機械的強度の高い射出成形品を製造できる。
図1は「BPEF」含有量とペレット化温度との関係を示すグラフである。 図2は押出機内の滞留時間とペレット成形品の透過率との関係を示すグラフである。
本発明の樹脂組成物は射出成形に適しており、樹脂成分としてのセルロースエステルと所定のフルオレン系化合物と安定化剤とを含んでいる。
[セルロースエステル]
セルロースエステルは、セルロースジアセテート(DAC)、セルローストリアセテート(TAC)などのセルロースアセテート;セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどのセルロースC3-5アシレート;セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)などのセルロースアセテートC3-5アシレートなどであってもよい。これらのセルロースエステルは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましいセルロースエステルは、セルロースアセテート、特にセルローストリアセテートである。セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート)の平均置換度は、2〜3(平均アシル化度48〜63%)、特に2.5〜3(平均アシル化度58〜63%)であってもよい。本発明では、平均置換度(又はアセチル化度)の高いセルロースアセテート(例えば、平均アセチル化度58〜63%、特に60%以上のセルローストリアセテート)であっても、射出成形できるとともに、着色が少なく、均一で機械的強度の高い射出成形品を製造できる。なお、セルロースアセテートは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
樹脂成分は、セルロースエステルで構成すればよく、セルロースアセテート(特にセルローストリアセテート)と、他のセルロースエステル[例えば、セルロースC3-5アシレート、セルロースアセテートC3-5アシレートなど]とを組み合わせて構成してもよい。セルロースアセテート(特にセルローストリアセテート)の割合は、樹脂成分全体に対して、例えば、50〜100重量%、好ましくは75〜100重量%、さらに好ましくは80〜100重量%であってもよい。
本発明では、フルオレン系化合物と併用することにより、セルロースエステルの溶融流動性を大きく改善でき、溶融混練により、コンパウンド化できるとともに、成形品を精度よく射出成形できる。
[フルオレン系化合物]
(b)フルオレン系化合物は、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有していればよく、フルオレン系化合物を重合成分とする樹脂(例えば、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂)であってもよく、低分子フルオレン系化合物、例えば、下記式(1)で表される化合物であってもよい。
(式中、Aは芳香族炭化水素環を示し;X1は、ヒドロキシル基、エポキシ含有基、メルカプト基、アミノ基又はN−置換アミノ基を示し;R1はアルキレン基を示し;R2は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又はN−置換アミノ基を示し;R3は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基又はN−置換アミノ基を示し;kは0又は1以上の整数を示し;mは1〜3の整数を示し;n及びpは、同一又は異なって、0〜4の整数を示す。)
前記式(1)で表されるフルオレン系化合物において、環A、アルキレン基R1、置換基R2及びR3、繰り返し単位k、置換基の数に対応する係数m、n及びpの詳細については、前記特許文献4及び特許文献5を参照できる。
例えば、環Aで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環(例えば、インデン環、ナフタレン環などの縮合二環式炭化水素環、アントラセン環、フェナントレン環などの縮合三環式炭化水素環など)が挙げられる。フルオレンの9位に対する環Aの結合手の位置は、特に限定されず、例えば、ナフタレン環では、1−位(1−ナフチル基)、2−位(2−ナフチル基)などであってもよい。
1は、例えば、ヒドロキシル基、エポキシ含有基(エポキシ基、グリシジルオキシ基など)、メルカプト基、アミノ基又はN−置換アミノ基[例えば、メチルアミノ基などのN−モノC1-4アルキルアミノ基、N,N−ジC1-4アルキルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基などのN−モノヒドロキシC1-4アルキルアミノ基、N,N−ジヒドロキシC1-4アルキルアミノ基など]などが例示できる。
基R1で表されるアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、1,2−ブタンジイル基、テトラメチレン基などのC2-6アルキレン基が挙げられる。好ましいアルキレン基は、C2-4アルキレン基(例えば、C2-3アルキレン基)、特に、エチレン基である。2つの環Aに結合するオキシアルキレン基の種類は、異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。なお、kが2以上の整数である場合、2つの環Aに結合する各オキシアルキレンユニットにおいて、アルキレン基の種類は、異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。また、2つの環Aにおいて、基R1の種類は異なっていてもよいが、同一である場合が多い。各係数kは、0〜15(例えば、0〜10)程度の範囲から選択でき、0〜6、好ましくは0〜4(例えば、0〜3)、さらに好ましくは0〜2、特に、0又は1である。
環Aにおける基−(OR1k−X1の置換位置は特に制限されず、例えば、環Aがベンゼン環及びmが1であるとき、フルオレン骨格の9位との結合位置(1位)に対して、2位、3位又は4位のいずれであってもよく、mが2であるとき、上記置換位置は、2位及び4位、3位及び5位、3位及び4位であってもよい。また、環Aがナフタレン環の場合には、環Aとは直接結合したベンゼン環、又はこのベンゼン環に隣接するベンゼン環に置換してもよい。
2及びR3で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1-6アルキル基(好ましくはC1-4アルキル基、さらに好ましくはC1-3アルキル基、特にメチル基又はエチル基など)、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5-8シクロアルキル基(好ましくはC5-6シクロアルキル基など)、アリール基としては、例えば、フェニル基、アルキルフェニル基(トリル基、2−メチルフェニル基、キシリル基などのモノ又はジメチルフェニル基など)、ナフチル基などのC6-10アリール基などが例示でき、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基などが例示できる。
2及びR3で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1-6アルコキシ基(好ましくはC1-4アルコキシ基、さらに好ましくはC1-3アルコキシ基など)などが例示でき、シクロアルコキシ基としては、シクロへキシルオキシ基などのC5-8シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基としては、フェノキシ基などのC6-10アリールオキシ基、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基などのC6-10アリール−C1-4アルキルオキシ基などが例示できる。R2及びR3で表されるアルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基としては、前記アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基に対応する基が例示できる。
2及びR3で表されるアシル基としては、アセチル基などのC2-7アシル基(C2-5アシル基など)などが例示でき、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基などのC1-4アルコキシ−カルボニル基などが例示できる。R2及びR3で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが例示できる。
2及びR3で表されるN−置換アミノ基としては、前記X1と同様に、N−一置換アミノ基[例えば、メチルアミノ、エチルアミノ基などのN−モノC1-6アルキルアミノ基(N−モノC1-4アルキルアミノ基など)、ヒドロキシエチルアミノ基などのN−モノヒドロキシC1-6アルキルアミノ基(N−モノヒドロキシC1-4アルキルアミノ基など)など]、N,N−二置換アミノ基[N,N−ジメチルアミノ基などのジC1-6アルキルアミノ基(ジC1-4アルキルアミノ基など)、N,N−ジアシルアミノ基など]が例示できる。
なお、2つの環Aにおいて、基R2の種類はそれぞれ同一又は異なっていてもよく、環Aが複数の基R2を有する場合、R2の種類は同一又は異なっていてもよい。基R3の種類は、2つのベンゼン環において、それぞれ同一又は異なっていてもよく、ベンゼン環が複数の基R3を有する場合、R3の種類は、同一又は異なっていてもよい。さらに、係数n及びpは、それぞれ、好ましくは0〜3、さらに好ましくは0〜2の整数であってもよい。また、2つの環Aにおいて、係数nはそれぞれ異なっていてもよいが、同一である場合が多い。係数pも、フルオレン骨格の2つのベンゼン環において、それぞれ同一又は異なっていてもよい。
好ましいフルオレン系化合物は、前記式(1)において、例えば、以下の環A、アルキレン基R1、置換基R2及びR3、繰り返し単位k、係数m、n及びpを有する化合物である。
環A:ベンゼン環又はナフタレン環(1−ナフタレン環、2−ナフタレン環など)
1:ヒドロキシル基、エポキシ含有基、アミノ基、又はN−一置換アミノ基;好ましくはヒドロキシル基
1:直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキレン基;好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2-3アルキレン基(エチレン基又はプロピレン基)
2:直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、アリール基、直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基;好ましくはC1-6アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子又はシアノ基;さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキル基又はフェニル基;特に直鎖状又は分岐鎖状C1-3アルキル基
3:直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基、メルカプト基、直鎖状又は分岐鎖状アルキルチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基又はN−一置換アミノ基;好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基又はN−モノC1-6アルキルアミノ基;さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキル基、ヒドロキシル基;特に直鎖状又は分岐鎖状C1-3アルキル基
k:0〜10の整数;好ましくは0〜3の整数;さらに好ましくは0〜2の整数(例えば、0又は1)
m:1又は2;好ましくは1
n及びp:0〜3の整数;好ましくは0〜2の整数;さらに好ましくは0又は1。
代表的なフルオレン系化合物は、(b1)9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類および(b2)9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類から選択された少なくとも1種であってもよい。
(b1)9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類としては、前記式(1)において環Aがベンゼン環、kが0、X1がヒドロキシ基、mが1〜3である化合物、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン(9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなど)、9,9−ビス(モノ又はジC1-4アルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレン(9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなど)、9,9−ビス(C6-10アリール−ヒドロキシフェニル)フルオレン(9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなど)、9,9−ビス(ジ乃至トリヒドロキシフェニル)フルオレン(9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)フルオレンなど)など;式(1)においてAがナフタレン環、kが0、X1がヒドロキシ基、mが1〜3である化合物、例えば、上記化合物において、環Aがナフタレン環である化合物、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン(9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレンなど)などが例示できる。
(b2)9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類としては、前記式(1)においてAがベンゼン環、kが1以上(例えば、1〜4)、X1がヒドロキシ基、mが1〜3である化合物、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシC2-4アルコキシフェニル)フルオレン(9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(「BPEF」など)、9,9−ビス(モノ又はジC1-4アルキル−ヒドロキシC2-4アルコキシフェニル)フルオレン(9,9−ビス[3−メチル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなど)、9,9−ビス(C6-10アリール−ヒドロキシC2-4アルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス[ジ乃至トリ(ヒドロキシC2-4アルコキシ)フェニル]フルオレン]など;前記式(1)においてAがナフタレン環、kが1以上(例えば、1〜4)、X1がヒドロキシ基、mが1〜3である化合物、例えば、9,9−ビス[ヒドロキシC2-4アルコキシナフチル]フルオレン(9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレンなど)などが例示できる。
これらのフルオレン系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との重量割合は、セルロースエステルの種類、溶融流動性、射出成形性及び射出成形品の特性などに応じて選択でき、通常、前者/後者=90/10〜70/30、好ましくは87.5/12.5〜75/25、さらに好ましくは85/15〜80/20程度であり、87.5/12.5〜77.5/22.5(例えば、87.5/12.5〜82.5/17.5)程度であってもよい。フルオレン系化合物の量が少ないと、溶融流動性、射出成形性が低下し、多すぎると、射出成形品の外観品質だけでなく機械的強度も低下しやすい。
なお、フルオレン系化合物の含有量が少ないと、溶融混練に高温を要し、セルロースエステルが分解しやすくなる。一方、所定量のフルオレン系化合物を含んでいると、溶融粘度を低下でき、混練及び成形温度を低下させて射出成形できる。特に、溶融開始温度(又は融点)を越えると、溶融開始温度(又は融点)よりも少し高い温度域でも高い溶融流動性を示すとともに、溶融開始温度(又は融点)を越えても、溶融粘度が余り大きく変動しない(温度応答性が小さい)。そのため、予め溶融混練されたペレット状樹脂組成物を用いると、溶融混練温度よりも低い温度で、しかも射出成形温度が変動しても、安定に射出成形できる。なお、セルロースエステルがセルローストリアセテートであるとき、セルロースエステルとBPEFとの重量割合が90/10の組成物の融点は、282℃程度であり、前記重量割合が80/20の組成物の融点は、273℃程度であり、前記重量割合が70/30の組成物の融点は、264℃程度である。
[安定化剤]
本発明では、樹脂組成物が少量の安定化剤を含んでいても、所定の条件で射出成形することにより、高品質の成形品を製造できる。安定化剤としては、フェノール系化合物、リン系化合物、アミン系化合物、イオウ系化合物などが例示できる。好ましい安定化剤は、酸化防止剤及び/又は熱安定化剤(耐熱安定剤)である。なお、酸化防止剤は、その種類によって熱安定化剤(耐熱安定剤)として機能する場合がある。
フェノール系化合物(フェノール系酸化防止剤)としては、t−ブチル基とフェノール性ヒドロキシル基とを有するヒンダードフェノール系化合物、例えば、(t−ブチルフェノール)プロピオン酸エステル類[(オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF社製「IRGANOX 1076」)、1,6−ヘキサンジオール ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](「IRGANOX 259」)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート](「IRGANOX 245」)、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](「IRGANOX 1010」)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなど)];アルカンビス又はトリス(t−ブチルフェノール)類[2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンなど];トリス(t−ブチルフェノール)ベンゼン類[1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゼン(「IRGANOX 1330」)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなど];トリス(t−ブチルフェノール)イソシアヌレート類[トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(「IRGANOX 3114」)、トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオンなど];(メタ)アクリロイル基を有するヒンダードフェノール系化合物、例えば、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート(住友化学(株)製「SUMILIZER GS」)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートなどが挙げられる。
リン系化合物(リン系酸化防止剤、リン系耐熱安定剤)としては、t−ブチルフェニル基を有するヒンダードフェノールリン系酸化防止剤、例えば、ジエチル (3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート(BASF社製「IRGAMOD 295」)、エチル ジ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート(「IRGAFOS 38」)、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフィン(住友化学(株)製、「SUMILIZER GP」)など;t−ブチルフェニル基を有するリン系酸化防止剤、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASF社製「IRGAFOS 168」)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスファイト、3,9−ビス(オクタデシルオキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスフアスピロ[5,5]ウンデカン(アデカ社製「アデカスタブ PEP−8」)、3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスフアスピロ[5,5]ウンデカン(「アデカスタブ PEP−36/36A」)、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト(「アデカスタブ HP−10」)などが例示できる。また、リン系化合物には、リン系耐熱安定剤、例えば、アリールホスファイト類(トリフェニルホスァイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなど);アリールホスフィン類(トリ−2,4−ジメチルフェニルホスフィン、トリ−2,4,6−トリメチルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o−アニシルホスフィン、トリ−p−アニシルホスフィンなど)も含まれる。
アミン系化合物(又はアミン系酸化防止剤)としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物(HALS)[テトラカルボン酸ピペリジルエステル類(例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステルなど);ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]]など];ナフチルアミン系化合物(フェニル−α−ナフチルアミンなど);ジフェニルアミン系化合物(p−イソプロポキシジフェニルアミンなど);p−フェニレンジアミン系化合物(N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなど)などが挙げられる。
イオウ系化合物(イオウ系酸化防止剤)としては、チオエーテル系酸化防止剤、例えば、3,3’−チオビスプロピオン酸ジラウリルエステル、3,3’−チオビスプロピオン酸ジオクタデシルエステル、2,2−ビス[[3−(ドデシルチオ)−1−オキシプロポキシ]メチル]プロパン−1,3−ジイルビス[3−(ドデシルチオ)プロピオネート](アデカ社製「AO−412S」)などのチオビスプロピオン酸エステル;t−ブチルフェノール基を有する酸化防止剤、例えば、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などが例示できる。
これらの安定化剤は、単独で又は組み合わせて使用してもよい。好ましい安定化剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤であり、特に、(c1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノールリン系酸化防止剤を含む)とリン系酸化防止剤(例えば、t−ブチルフェニル基を有するリン系化合物)との組合せ、及び(c2)ヒンダードフェノールリン系酸化防止剤から選択された少なくとも一種が好ましい。前記組合せ(c1)において、ヒンダードフェノール系化合物と、リン系化合物との割合(重量比)は、例えば、前者/後者=5/95〜95/5(例えば、10/90〜70/30)、好ましくは15/85〜60/40、さらに好ましくは20/80〜50/50(例えば、30/70〜35/65)程度であってもよい。このような組合せ(c1)の安定化剤は、例えば、「IRGANOX 1010」と「SUMILIZER GP」とを前記割合で混合して調製できる。
(c2)ヒンダードフェノールリン系酸化防止剤は、前記のように、例えば、「SUMILIZER GP」などとして入手できる。
好ましい安定化剤は、耐加水分解性に優れるリン含有酸化防止剤(ヒンダードフェノールリン系酸化防止剤(例えば、「SUMILIZER GP」)、t−ブチルフェニル基を有するリン系酸化防止剤)を含んでいる場合が多い。
安定化剤の割合は、セルロースエステル及びフルオレン系化合物の合計100重量部に対して、例えば、0.001〜0.5重量部(例えば、0.01〜0.5重量部)、好ましくは0.01〜0.4重量部、さらに好ましくは0.05〜0.3重量部(例えば、0.1〜0.3重量部)程度であってもよく、0.03〜0.1重量部程度であってもよい。安定化剤の割合が少なすぎると、射出成形品が着色したり不均一な成形品(例えば、気泡が混入した成形品)となりやすく、多すぎると、成形品の機械的特性を低下させる。
[他の成分]
本発明の樹脂組成物は、成形品の用途などに応じて、慣用の添加剤、例えば、光安定剤(紫外線吸収剤、耐光安定剤)、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、他の可塑剤、耐衝撃改良剤、充填剤、補強剤、分散剤、抗菌剤、滑剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
[射出成形用ペレットの調製および射出成形方法]
本発明では、フルオレン系化合物を併用することにより、アシル化度が高くてもセルロースエステルを高い溶融流動性で溶融混練でき、フルオレン系化合物の含有量が多くなるにつれて、溶融流動性が向上し、押出機内での滞留時間が長くても、セルロースエステルの劣化(分解など)を抑制できる。そのため、結晶性の高いセルロースエステル(特に、セルローストリアセテート)及び熱分解温度と融点又は軟化点とが近いセルロースエステル(特に、セルローストリアセテート)では、予めフルオレン系化合物を含む樹脂組成物を溶融混練して(コンパウンド化して)、成形温度(又は溶融粘度)を低下させた樹脂組成物(又はペレット、コンパウンド、ペレット状の樹脂組成物)を調製し、このペレットを上記セルロースエステルの分解温度より低い温度(成形温度)で射出成形するのが好ましい。前記樹脂組成物は、通常、均一なペレットを安定に成形可能なダイ部の樹脂温度(ペレット化温度)で溶融混練してペレット化又はコンパウンド化される。なお、溶融混練によるコンパウンドの調製には、慣用の混練機、例えば、押出機(一軸又は二軸押出機など)が使用できる。
前記押出機での樹脂組成物の溶融混練温度Tは、260〜310℃(例えば、265〜305℃)、好ましくは270〜300℃、さらに好ましくは275〜295℃程度であってもよい。また、ペレット化温度は、240〜290℃(例えば、250〜290℃)、好ましくは250〜285℃(例えば、250〜280℃)、さらに好ましくは255〜285℃(例えば、255〜280℃)程度であってもよく、260〜285℃(例えば、270〜285℃)程度であってもよい。混練温度が低いと、均一なペレット又はコンパウンドの調製が困難となり、混練温度やペレット化温度が高すぎるとセルロースエステルが劣化しやすい。特に、290℃又はそれ以上の温度で溶融混練又は加工すると、セルロースエステル(セルロースアセテートなど)が分解し、有機酸(酢酸など)が急激に生成する。しかし、(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との重量割合を、前記割合(例えば、前者/後者=90/10)とすると、温度290℃でもセルロースエステルの分解を抑制できる。そのため、溶融混練温度T及び/又はペレット化温度が290℃であっても安定してペレットを調製できる。また、ペレット化温度が低すぎると、ダイからの樹脂の吐出が不安定となり、詰まりが生じやすい。
本発明では、押出機内の樹脂組成物の平均滞留時間を大きくでき、平均滞留時間は、平均滞留時間は、10〜600秒(例えば、20〜400秒)程度の範囲から選択でき、通常、10〜240秒(例えば、15〜220秒)、好ましくは20〜180秒(例えば、25〜150秒)、さらに好ましくは30〜120(例えば、35〜90秒)秒程度であってもよい。滞留時間が長すぎると、セルロースエステルが劣化し、射出成形品の特性が低下する。
また、ペレット(コンパウンド)は、不活性ガス(ヘリウム、窒素、アルゴンなど)の雰囲気下又は流通下で溶融混練して調製してもよいが、本発明では、不活性ガスを流通させなくても、ペレット(コンパウンド)の着色を効果的に抑制できる。
樹脂組成物のペレット化には、必要によりペレタイザーを用いてもよい。
このようにして調製されたペレット(コンパウンド)は、乾燥して射出成形に供することが好ましい。
射出成形温度は、前記ペレットの融点以上であってセルロースエステルの分解温度以下であればよいが、前記ペレットの融点よりも5℃〜30℃高い温度、好ましくは5〜20℃(例えば、7〜20℃)、さらに好ましくは5〜15℃(例えば、10〜15℃)程度高い温度であってもよい。
また、前記ペレット化によりペレットの融点を低下できるとともに溶融流動性を向上できるため、射出成形温度は、前記ペレット化のための溶融混練温度Tよりも低ければよく、例えば、溶融混練温度Tよりも2〜30℃低い温度(T−(2〜30)℃)、好ましくはT−(5〜25)℃、さらに好ましくはT−(10〜20)℃程度であってもよい。
射出成形圧は、特に制限されず、例えば、0.5〜100MPa、好ましくは1〜80MPa、さらに好ましくは5〜50MPa程度であってもよい。また、ゲート樹脂圧も特に制限されず、例えば、0.1〜3MPa、好ましくは0.3〜2MPa程度であってもよく、型締め力は、例えば、0〜1t、好ましくは0.1〜0.8t程度であってもよい。なお、ゲート位置やゲート数は、射出成形品の種類に応じて選択できる。
金型温度は、特に制限されず、例えば、20〜100℃、好ましくは30〜80℃(例えば、40〜70℃)程度であってもよい。
なお、射出成形には、インラインスクリュ型射出成形機などの射出成形機で金型内に樹脂組成物を注入して冷却する通常の射出成形の他、インサート成形、射出圧縮成形、2色成形、サンドイッチ成形、ガスアシスト成形などの射出成形を応用した成形技術も包含する。
本発明では、セルロースエステルを含んでいても樹脂組成物が高い溶融流動性を示すため、効率よく射出成形でき、成形サイクルも短縮できる。
[射出成形品]
本発明の射出成形品は、セルロースエステル及びフルオレン系化合物を含んでいるので、光学的特性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性などの特性において優れている。特に、セルロースエステルを樹脂成分とする射出成形品であっても、着色が少なく透明性が高い。例えば、厚み4mmの射出成形品において、スペクトロフォトメータ(日立社製,HITACHI「U-3010」)で測定したとき、イエローインデックスは、例えば、5〜150(例えば、7〜135)、好ましくは5〜130(例えば、8〜120)、さらに好ましくは5〜100(例えば、10〜80)程度である。
さらに、本発明の射出成形品は力学的特性にも優れており、例えば、幅10mm×長さ80mm×厚み4mmの試験片において、引張弾性率は、例えば、2〜5.5MPa、好ましくは2.5〜5.0MPa、さらに好ましくは3〜4.5MPa(例えば、3.3〜4.3MPa)程度、引っ張り強度は、例えば、70〜120MPa、好ましくは80〜110MPa、さらに好ましくは90〜100MPa程度、曲げ強度は、例えば、80〜140MPa、好ましくは100〜135MPa、さらに好ましくは110〜130MPa程度であってもよい。さらに、前記試験片のアイゾット衝撃強度は、例えば、60〜100kJ/m2、好ましくは70〜98kJ/m2、さらに好ましくは80〜95kJ/m2程度であってもよい。なお、上記力学的特性は、セルロースエステルとフルオレン系化合物と安定化剤とを含み、力学的特性に影響を及ぼす成分(充填剤、補強剤など)を含まない樹脂組成物の射出成形品の特性である。
射出成形品の形態は特に制限されず、棒状、球面状、板状、枠状、ケース又は容器状、ハウジング形状などであってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
比較例1〜5
トリアセチルセルロース((株)ダイセル製「LT55」)と9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製、以下、単に「BPEF」と称する)とを、前者/後者=95/5重量比の割合で用い、トリアセチルセルロースと「BPEF」との総量100重量部に対して、酸化防止剤3000ppmを混合し、同方向二軸押出機(溶融混練温度290℃)にて滞留時間の異なる条件にてペレットサンプルを調製した(滞留時間:222秒(比較例1)、107秒(比較例2)、81秒(比較例3)、58秒(比較例4)、43秒(比較例5))。
なお、酸化防止剤として、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフィン(住友化学(株)製「SUMILIZER GP」)2000ppmおよびペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製「IRGANOX1010」)1000ppmを用いた。
上記樹脂組成物のペレットサンプルの調製において、ダイ部の樹脂温度(ペレット化温度)は292℃であった。
参考例1及び実施例2〜3
トリアセチルセルロース((株)ダイセル製「LT55」)と「BPEF」とを、前者/後者=90/10重量比の割合で用い、トリアセチルセルロースと「BPEF」との総量100重量部に対して、比較例1と同様の酸化防止剤3000ppmを混合し、同方向二軸押出機(溶融混練温度290℃)にて滞留時間の異なる条件にてペレットサンプルを調製した(滞留時間:330秒(参考例1)、165秒(実施例2)、73秒(実施例3))。なお、上記樹脂組成物のペレットサンプルの調製において、ダイ部の樹脂温度(ペレット化温度)は279℃であった。
参考例4及び実施例
トリアセチルセルロース((株)ダイセル製「LT55」)と「BPEF」とを、前者/後者=80/20重量比の割合で用い、トリアセチルセルロースと「BPEF」との総量100重量部に対して、参考例1と同様の酸化防止剤3000ppmを混合し、同方向二軸押出機(溶融混練温度290℃)にて滞留時間の異なる条件にてペレットサンプルを調製した(滞留時間:560秒(参考例4)、133秒(実施例5))。なお、上記樹脂組成物のペレットサンプルの調製において、ダイ部の樹脂温度(ペレット化温度)は253℃であった。
そして、比較例1〜5で得られたペレット(「BPEF」5重量%)、参考例1及び実施例2〜3のペレット(「BPEF」10重量%)並びに参考例4及び実施例5のペレット(「BPEF」20重量%)について、「BPEF」含有量とペレット化温度との関係を調べたところ、図1に示す結果を得た。
また、比較例1〜5、参考例1及び実施例23、並びに参考例4及び実施例5で得られたペレットを、290℃で熱プレスし、150μmのシート(ペレット成形品)を形成した後、得られたシート(ペレット成形品)の透過率(波長350nm)を測定し、押出機内の滞留時間と透過率との関係を調べたところ、図2に示す結果を得た。
これらの結果より、「BPEF」の添加量が多いほど、成形温度を低下させることが可能であり、かつ「BPEF」の含有量が10質量%以上であると、押出機内の滞留時間が長くても、分解が生じにくいことが分かった。
実施例6
トリアセチルセルロース((株)ダイセル製「LT55」)85重量部と、「BPEF」15重量部と、参考例1と同じ酸化防止剤3000ppmとを混合し、同方向二軸押出機(溶融混練温度290℃,押出機内の平均滞留時間:約30秒)にて溶融混練してコンパウンド化し、BPEF含有量が15重量%のペレットを得た。
比較例6
押出機内の平均滞留時間を約5分とする以外、実施例と同様にして、BPEF含有量が15重量%のペレットを得た。
実施例6及び比較例6で得られたペレットを、それぞれ、小型射出成型機(日精樹脂工業(株)製「HM−7DENKEY」)により射出成形(射出成形温度280℃、金型温度60℃、射出成形圧80MPa)し、2号ダンベル試験片(ハーフサイズ)[引張試験片(1BA 型)]および短冊型試験片[曲げ試験片(10mm×80mm×4mm)]を調製した。
そして、JIS K 7161に従って引張試験片の引張強度特性を、JIS K 7171に従って曲げ試験片の曲げ強度を測定するとともに、JIS K 7110に従って曲げ試験片のIzod衝撃強度を測定した。また、上記曲げ試験片において、スペクトロフォトメータ(日立社製,HITACHI「U-3010」)でイエローインデックス(YI)を測定した。結果を表1に示す。
比較例で得られた射出成型試験片は泡を含んでおり、YIも高く、非常に脆かった。また、得られた試験片の引張試験、曲げ試験、衝撃試験を実施したところ、非常に低い物性であった。これに対して、実施例で得られた射出成型試験片は、泡等を含むことなく、若干の着色しているものの(YI=18)、均質で高い透明性を有しており、高い力学特性(引張特性、曲げ特性、衝撃特性)を示した。
比較例7
特許文献5の実施例7に従ってペレットを調製した。すなわち、参考例1で用いたトリアセチルセルロース190重量部、「BPEF」10重量部、安定化剤[チバ・ジャパン(株)製、商品名「IRGANOX B215」]2重量部を含む組成物を同方向二軸押出機(溶融混練温度285℃、押出機内の平均滞留時間:約5分)にて溶融混練してコンパウンド化し、ペレットを調製した。得られたペレットを、実施例6と同様の射出成型機を用い、290℃で射出成形して実施例6と同様の試験片を調製しようとしたが、非常に脆いため、金型から取り出す工程で試験片が割れてしまった。
本発明では、セルロースエステルを樹脂成分として含んでいても射出成形できるため、種々の成形品、例えば、光学部品(例えば、レンズ、プリズムなど)、生分解性成形品(各種ケース、ハウジングや容器など)を効率よく製造するのに有用である。

Claims (6)

  1. (a)セルロースエステルと、(b)9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン系化合物とを含む樹脂組成物を射出成形法する方法であって、(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との重量割合が、前者/後者=90/10〜70/30であり、かつ(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との総量100重量部に対して、(c)安定化剤0.001〜0.5重量部を含む樹脂組成物を、ペレット化温度240〜290℃及び平均滞留時間10〜240秒の条件で溶融混練してペレット化した後、射出成形する方法。
  2. (a)セルロースエステルが(a1)平均置換度2.5〜3のセルローストリアセテートであり、(b)フルオレン系化合物が(b1)9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類及び/又は(b2)9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)フルオレン類であり、(c)安定化剤が、(c1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との組合せ、及び(c2)ヒンダードフェノールリン系酸化防止剤から選択された少なくとも一種である請求項1記載の方法。
  3. (a)セルローストリアセテートと(b)フルオレン系化合物との重量割合が、前者/後者=87.5/12.5〜75/25であり、かつ(a)セルローストリアセテートと(b)フルオレン系化合物との総量100重量部に対して、(c)安定化剤0.01〜0.3重量部を含む樹脂組成物を、不活性ガスを流通させることなく、ペレット化温度250〜285℃及び平均滞留時間10〜150秒の条件でペレット化する請求項1又は2記載の方法。
  4. 樹脂組成物を溶融混練温度Tで溶融混練してペレットを調製し、このペレットを、溶融混練温度Tよりも低い温度で射出成形する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. (a)セルロースエステルと、(b)9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン系化合物とを、前者/後者=90/10〜70/30の重量割合で含み、(a)セルロースエステルと(b)フルオレン系化合物との総量100重量部に対して、(c)安定化剤0.001〜0.5重量部を含み、かつイエローインデックスが、厚み4mmにおいて、5〜150である射出成形品。
  6. 幅10mm×長さ80mm×厚み4mmの試験片において、引張弾性率が2〜5.5MPa、引っ張り強度が70〜120MPa、曲げ強度が80〜140MPa、アイゾット衝撃強度が60〜100kJ/mである請求項5記載の射出成形品。
JP2013223917A 2013-10-29 2013-10-29 射出成形方法、射出成形体及びそのための樹脂組成物 Active JP6195779B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013223917A JP6195779B2 (ja) 2013-10-29 2013-10-29 射出成形方法、射出成形体及びそのための樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013223917A JP6195779B2 (ja) 2013-10-29 2013-10-29 射出成形方法、射出成形体及びそのための樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015086254A JP2015086254A (ja) 2015-05-07
JP6195779B2 true JP6195779B2 (ja) 2017-09-13

Family

ID=53049423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013223917A Active JP6195779B2 (ja) 2013-10-29 2013-10-29 射出成形方法、射出成形体及びそのための樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6195779B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6961922B2 (ja) * 2016-10-27 2021-11-05 Jsr株式会社 液晶表示素子及びその製造方法
WO2022201909A1 (ja) * 2021-03-24 2022-09-29 コニカミノルタ株式会社 樹脂組成物、熱溶融成形品及び成形方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4610187B2 (ja) * 2003-12-26 2011-01-12 ダイセル化学工業株式会社 セルロースエステル系樹脂組成物
JP2007164017A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Fujifilm Corp セルロースエステル樹脂フィルム
JP2007269941A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Konica Minolta Opto Inc セルロース樹脂ペレットおよび光学フィルム
JP5230363B2 (ja) * 2008-11-05 2013-07-10 株式会社日本触媒 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP5503375B2 (ja) * 2009-03-31 2014-05-28 大阪瓦斯株式会社 セルロース誘導体の可塑剤
KR20150142681A (ko) * 2013-04-10 2015-12-22 오사카 가스 케미칼 가부시키가이샤 파장 분산 조정제, 수지 조성물 및 수지의 파장 분산 조정 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015086254A (ja) 2015-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8604107B2 (en) Flame-retardant polycarbonate resin composition
WO2008146719A1 (ja) ポリカ-ボネ-ト樹脂組成物
JP5503375B2 (ja) セルロース誘導体の可塑剤
KR101903211B1 (ko) 폴리카보네이트 수지 조성물 및 성형체
CN107001781B (zh) 聚碳酸酯树脂组合物及成形品
JP2016222888A (ja) 透明性及び耐熱性が優れたポリプロピレン樹脂組成物
EP2411473B1 (de) (co)polycarbonate mit verbesserten optischen eigenschaften
JP6195779B2 (ja) 射出成形方法、射出成形体及びそのための樹脂組成物
JP5702648B2 (ja) セルロース系樹脂組成物
KR102175710B1 (ko) 폴리아릴렌 설파이드 수지 조성물
JP5767496B2 (ja) セルロース誘導体フィルムおよびその製造方法
JP5448466B2 (ja) ポリアリレート樹脂組成物およびそれから得られる成形体
CN108350265B (zh) 聚碳酸酯树脂颗粒的制造方法
CN108291081B (zh) 聚碳酸酯树脂组合物及其成形品
JP5913531B2 (ja) セルロース系樹脂組成物
JP5684659B2 (ja) 黒色樹脂組成物および黒色成形品
JP2020007408A (ja) 輸送機器窓用ポリカーボネート樹脂組成物
JP2007223056A (ja) 光学フィルム、その製造方法、それを用いた偏光板及び液晶表示装置
JP2007216601A (ja) 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置
KR102240713B1 (ko) 폴리에스테르 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
CN105264009B (zh) 环状烯烃系树脂用防雾斑剂、包含该防雾斑剂的环状烯烃系树脂组合物、以及使用该组合物的光学材料和光学部件
JP6027068B2 (ja) ポリカーボネート樹脂ペレット
JP6392589B2 (ja) ポリカーボネート樹脂
JP2021138845A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6195779

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250