JP5913531B2 - セルロース系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
セルロース系樹脂としては、特に制限されず、種々のセルロース誘導体、例えば、セルロースエステル、セルロースカーバメート(例えば、セルロースフェニルカーバメートなど)、セルロースエーテルなどが使用できる。
非セルロース系熱可塑性樹脂は、セルロース系樹脂に複合化する目的などに応じて適宜選択できる。このような非セルロース系熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、非晶質ポリオレフィンなど)、ハロゲン含有ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニルなどの塩素含有樹脂、フッ素樹脂など)、アクリル系樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチルなど(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂など)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなどの芳香族ポリカーボネート系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶ポリエステルなどの芳香族ポリエステル系樹脂;ポリ乳酸、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル系樹脂)、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド6T、ポリアミドMXDなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性ポリフェニレンエーテルなど)、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(ポリフェニレンスルフィドなど)、ポリイミド系樹脂(ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミドトリアジン樹脂など)、ポリエーテルケトン系樹脂(ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなど)、熱可塑性エラストマー(ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリジエン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー)などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
本発明の樹脂組成物では、フルオレン化合物により、セルロース系樹脂および非セルロース系熱可塑性樹脂が複合化されている。すなわち、このようなフルオレン化合物は、前記のように、前記セルロース系樹脂の可塑剤として機能するとともに、非セルロース系熱可塑性樹脂とも相溶するか又は非セルロース系熱可塑性樹脂の可塑剤としても機能するためか、セルロース系樹脂と非セルロース系熱可塑性樹脂とを効率よく複合化させる。なお、フルオレン化合物は、セルロース系樹脂との間の化学的相互作用のためか、分子レベル又は分子レベルに近い状態でセルロース系樹脂に相溶可能である。そのため、従来、困難であったセルロース系樹脂(特に、セルローストリアセテートなど)と非セルロース系熱可塑性樹脂との溶融混練系での複合化を可能にする。
上記式(1)において、環Aで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環の他、少なくともベンゼン環骨格を有する縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素環(インデン環、ナフタレン環などのC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環など)、縮合三環式炭化水素環(アントラセン環、フェナントレン環など)などの縮合二乃至四環式炭化水素環など]などが挙げられる。なお、フルオレンの9位に置換する2つの環Aは、異なっていてもよく、同一であってもよいが、通常、同一の環である場合が多い。環Aのうち、ベンゼン環、ナフタレン環(特にベンゼン環)などが好ましい。
(b)環Aがベンゼン環又はナフタレン環であり、X1がヒドロキシル基であり、R1がC2−4アルキレン基であり、R2が、C1−6アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、R3がC1−6アルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基又はN−モノC1−6アルキルアミノ基であり、kが0〜2の整数であり、mが1であり、n及びpが、同一又は異なって、0〜2の整数である化合物;
(c)環Aがベンゼン環であり、X1がヒドロキシル基であり、R1がC2−3アルキレン基であり、R2が、C1−4アルキル基又はフェニル基であり、R3がC1−4アルキル基、ヒドロキシル基であり、kが0又は1であり、mが1であり、n及びpが、同一又は異なって、0又は1である化合物;
(d)環Aがベンゼン環であり、X1がヒドロキシル基であり、R1がC2−3アルキレン基であり、kが0又は1であり、mが1であり、n及びpが0である化合物;及び
(e)環Aがベンゼン環であり、X1がヒドロキシル基であり、R1がエチレン基であり、R2がC1−3アルキル基であり、R3がC1−3アルキル基であり、kが0又は1であり、mが1であり、n及びpが、同一又は異なって、0又は1である化合物など。
本発明の樹脂組成物において、セルロース系樹脂と非セルロース系熱可塑性樹脂との割合は、例えば、前者/後者(重量比)=99.9/0.1〜10/90(例えば、99.5〜20/80)程度の範囲から選択でき、例えば、99/1〜30/70(例えば、99/1〜40/60)、好ましくは98/2〜45/55(例えば、97/3〜50/50)、さらに好ましくは96/4〜55/45(例えば、95/5〜60/40)程度であってもよく、通常99/1〜50/50(例えば、98/2〜60/40、好ましくは97/3〜65/35、さらに好ましくは96/4〜70/30)程度であってもよい。特に、樹脂組成物の植物化度を高め、有効にセルロース系樹脂を使用するという観点からは、セルロース系樹脂の割合を比較的大きくしてもよい。本発明では、このようにセルロース系樹脂(特に、セルローストリアセテートなど)の割合を大きくしても、効率よく、非セルロース系熱可塑性樹脂との複合材料を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、使用される用途などに応じて、本発明の効果を損なわない範囲で必要により、慣用の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、難燃剤、難燃助剤、他の可塑剤、耐衝撃改良剤、充填剤(又は補強剤)、分散剤、帯電防止剤、発泡剤、抗菌剤、滑剤などが挙げられる。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
本発明の樹脂組成物は、セルロース系樹脂と、非セルロース系熱可塑性樹脂と、フルオレン化合物とを混合することにより得られる。
比較例1〜2、実施例1〜3
表1に示す成分を表1に示す割合で使用し、二軸押出機(テクノベル社製 KZW15/30 MG)を用いて表に示す温度にて溶融混練し、セルロース系樹脂組成物を得た。
比較例1、実施例1、実施例2で得た樹脂組成物(それぞれ、比較例3、実施例4、実施例5)およびTAC(比較例2)の熱的特性[融点(Tm)、融解熱(ΔHm)]を、DSC装置((株)リガク製、DSC8230)を用いて測定した。結果を表2に示す。
Claims (5)
- セルロースアセテート、セルロースC 3−4 アシレート及びセルロースアセテートC 3−4 アシレートから選択された少なくとも一種を含むセルロースエステルを溶融混練して可塑化するための可塑剤であって、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン化合物を含む可塑剤。
- セルロースエステルが、セルロースジアセテート及びセルローストリアセテートから選択された少なくとも一種を含む請求項1記載の可塑剤。
- フルオレン化合物が、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(メチル−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(フェニル−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(メチル−ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(フェニル−ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシフェニル)フルオレン、および9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシナフチル)フルオレンから選択された少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の可塑剤。
- セルロースエステル100重量部に対するフルオレン化合物の使用量が0.5〜50重量部である請求項1〜4のいずれかに記載の可塑剤。
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