JP5684659B2 - 黒色樹脂組成物および黒色成形品 - Google Patents
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Description
したがって、塗装を必要とせず、耐衝撃性、流動性、耐傷擦性、耐熱性に優れ、高級漆器のような質感と透明感を備えた漆黒の外観を有する黒色樹脂組成物、および黒色成形品は未だ存在しないのが現状である。
(構成1):(A)全芳香族ジヒドロキシ成分の90モル%以上が、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン成分(成分a−1)および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン成分(成分a−2)であり、成分a−1と成分a−2との割合がモル比で40:60〜90:10の範囲である芳香族ジヒドロキシ成分から得られた粘度平均分子量が1.8×104〜3.2×104である芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、着色剤(B成分)0.01〜5重量部を含有する黒色に着色された樹脂組成物であって、該樹脂組成物は下記(1)〜(4)の特性を満たすことを特徴とする黒色樹脂組成物。
(1)JIS K5600−5−4に則して測定された鉛筆硬度がF〜2Hである
(2)ISO 6603に則して測定された高速面衝撃試験における衝撃エネルギーが25J以上で、かつ破壊形態が延性破壊である
(3)IS0 527−1および527−2に則して測定された23℃における引張強度測定において、破壊呼び歪が60〜180%であり、かつ破壊応力が40〜80MPaである
(4)ISO 1133に則して測定された300℃、1.2kg荷重のメルトボリュームフローレイトが5〜40cm3/10分である
(構成2):着色剤(B成分)がカーボンブラック(B−1成分)であり、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、B−1成分0.1〜5重量部を含有する前項1記載の黒色樹脂組成物。
(構成3):着色剤(B成分)が染料(B−2成分)であり、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、B−2成分0.01〜1重量部を含有する前項1記載の黒色樹脂組成物。
(構成4):前項1〜3のいずれか1項に記載の黒色樹脂組成物を成形してなる黒色成形品。
<芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)>
本発明の黒色樹脂組成物に用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂は、全芳香族ジヒドロキシ成分の90モル%以上が、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン成分(成分a−1)および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン成分(成分a−2)であり、成分a−1と成分a−2との割合がモル比で40:60〜90:10の範囲である芳香族ジヒドロキシ成分から得られた芳香族ポリカーボネート樹脂である。
また、成分a−1と成分a−2との割合はモル比で50:50〜80:20の範囲が好ましい。成分a−1の割合が40モル%未満では、耐擦傷性が不十分であり、成分a−1の割合が90モル%超過であれば、耐衝撃性が劣るため好ましくない。かかる成分a−1と成分a−2との割合は、異なる組成割合の共重合ポリカーボネート樹脂の混合により達成されていてもよい。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
本発明の黒色に着色された樹脂組成物においては、上記芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、着色剤(B成分)0.01〜5重量部を含有する。着色剤(B成分)の含有量は0.1〜4重量部が好ましく、1〜4重量部が好ましい。0.01重量部未満であると漆黒感が得られず、5重量部を超えると機械特性が低下するため好ましくない。着色剤は、取り扱いを容易にさせる、または、分散性を向上させる目的でマスターバッチを作成し、顆粒化や分散剤の添加を施してもよい。
着色剤(B成分)としては、黒色無機顔料であるカーボンブラック(B−1成分)および/または黒色染料(B−2成分)を使用することができる。B−1成分とB−2成分とを併用して使用することが好ましい。
黒色染料(B−2成分)は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.01〜1重量部を含有することが好ましく、0.03〜0.5重量部を含有することがより好ましく、0.05〜0.3重量部を含有することがさらに好ましい。上記範囲であると深みのある漆黒性を得ることができる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、より好適には以下の離型剤、熱安定剤、酸化防止剤などを配合することができる。
離型剤としては公知のものが使用できる。例えば、脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワックス、1−アルケン重合体など。酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、シリコーン化合物、フッ素化合物(ポリフルオロアルキルエーテルに代表されるフッ素オイルなど)、パラフィンワックス、蜜蝋などを挙げることができる。これらの中でも入手の容易さ、離型性および透明性の点から脂肪酸エステルが好ましい。かかる離型剤は芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、好ましくは0.005〜0.2重量部、より好ましくは0.007〜0.1重量部、更に好ましくは0.01〜0.06重量部である。添加量が前記範囲の下限未満では、離型性の改善が十分ではなく、上限を超える場合、ブリードアウトなど外観不良を起こしやすい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、その成形加工時の熱安定性を向上させることを主たる目的として各種のリン系熱安定剤が更に配合されることが好ましい。かかるリン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステルなどが例示される。更にかかるリン系熱安定剤は第3級ホスフィンを含む。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、その成形加工時の熱安定性、および耐熱老化性を向上させることを主たる目的としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を配合することができる。かかるヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらはいずれも入手容易である。前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の黒色樹脂組成物の製造に当たっては、その製造方法は特に限定されるものではなく公知の製造方法を利用することができる。通常、芳香族ポリカーボネート樹脂および添加剤、着色剤を予備混合した後、押出機に投入して溶融混練した後、押出されたスレッドを冷却し、ペレタイザーにより切断して、ペレット状の成形材料が製造される。押出機は単軸押出機、および二軸押出機のいずれもが利用できるが、生産性や混練性の観点からは二軸押出機が好ましい。かかる二軸押出機の代表的な例としては、ZSK(Werner & Pfleiderer社製、商品名)を挙げることができる。同様のタイプの具体例としてはTEX((株)日本製鋼所製、商品名)、TEM(東芝機械(株)製、商品名)、KTX((株)神戸製鋼所製、商品名)などを挙げることができる。押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
本発明の黒色樹脂組成物は、JIS K5600−5−4に記載の塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)に則して測定した鉛筆硬度がF〜2Hである。鉛筆硬度がF未満では、成形体表面に引っかき傷が生じやすく好ましくない。
(1)粘度平均分子量
比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量(Mv)を算出した。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2 c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4 Mv0.83
c=0.7
ISO1133に則して東洋精機製セミオートメルトエンデクサーにより温度300℃、荷重1.2kgfで10分間に流出したポリマー量(cm3)を測定した。
算術平均粗さ(Ra)が0.03μmとしたキャビティ面を持つ金型を使用し、日本製鋼所製射出成形機J−75E3を用いて、シリンダ温度280℃、金型温度80℃の条件で、保圧時間20秒および冷却時間20秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3mm(長さ20mm)、2mm(長さ45mm)、1mm(長さ25mm)である3段型プレートを成形した。かかる3段型プレートの厚み2mm部における鉛筆硬度をJIS K5600に則して測定した。
ペレットを120℃で5時間乾燥後、日本製鋼所製射出成形機J−75E3により、シリンダ温度280℃で射出成形した試験片を用い、ISO178に則して荷重たわみ温度を測定した。荷重:1.80MPa。(試験片形状;長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)
日本製鋼所製射出成形機J−75E3を用いて、シリンダ温度280℃、金型温度80℃の条件で成形したダンベル型試験片を用い、IS0 527−1および527−2に則して、23℃における引張強度を測定し、破壊呼び歪および破壊応力を求めた。
ISO6603に則して実施した。島津ハイドロショットHTM−1を使用し、試験速度7m/秒、衝撃芯半径6.4mmで、鉛筆硬度の測定の際に得られた3段型プレートの厚み2mm部にて衝撃エネルギーを測定し、目視にて破壊形態を観察した。
ISO179に則して23℃における試験片のノッチ付シャルピー衝撃強度を測定した。
温度計、撹拌機および還流冷却器の付いた反応器に、48%水酸化ナトリウム水溶液3844部およびイオン交換水22,380部を仕込み、これに2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(Bis−C、本州化学製)1,992部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(Bis−A、新日鐵化学製)1,773部、およびハイドロサルファイト7.53部(和光純薬製)を溶解した後、塩化メチレン13,210部を加え、撹拌下、15〜25℃でホスゲン2,000部を約60分かけて吹き込んだ。ホスゲンの吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液640部およびp−tert−ブチルフェノール93.2部を加え、撹拌を再開、乳化後トリエチルアミン3.24部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。
反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を目開き0.3μmのフィルターに通過させ、さらに軸受け部に異物取出口を有する隔離室付きニーダー中の温水に滴下、塩化メチレンを留去しながらポリカーボネート樹脂をフレーク化し、引続き該含液フレークを粉砕・乾燥してパウダーを得た。
その後、該パウダー100重量部に対して、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.05重量部、ステアリン酸モノグリセリドを0.1重量部添加し、着色剤として、黒色顔料であるカーボンブラック(三菱化成工業製#3600)2重量部、および黒色染料であるNUBIAN BLACK PC−5857(住友化学工業製;2種類以上の染料の混合物)0.1重量部を均一に混合した後、かかるパウダーをベント式二軸押出機[(株)神戸製鋼所製KTX−46]により脱気しながら溶融混錬押出し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
p−tert−ブチルフェノールを81.6重量部に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
p−tert−ブチルフェノールを69.9重量部に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン1,593部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2,128部に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン3,187部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン709部に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
着色剤として、黒色顔料であるカーボンブラック(三菱化成工業製#3600)のみを4重量部使用した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
着色剤として、黒色染料であるNUBIAN BLACK PC−5857(オリエント化学工業製;2種類以上の染料の混合物)のみを1.0重量部使用した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
芳香族ポリカーボネート樹脂パウダーとして、帝人化成製パンライトL−1225WX(ビスフェノールAより得られた芳香族ポリカーボネート樹脂)を使用した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン1,195部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2,483部に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用せず、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン3,984部に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
p−tert−ブチルフェノールを116.6重量部に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
p−tert−ブチルフェノールを46.4重量部に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
温度計、撹拌機および還流冷却器の付いた反応器に、48%水酸化ナトリウム水溶液5236部およびイオン交換水20,000部を仕込み、これに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(Bis−OC−Z)4704部、およびハイドロサルファイト9.4部を溶解した後、塩化メチレン17,540部を加え、撹拌下、15〜25℃でホスゲン2,200部を約60分かけて吹き込んだ。ホスゲンの吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液654部およびp−tert−ブチルフェノール81.6部を加え、撹拌を再開、乳化後トリエチルアミン4.32部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。
反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を目開き0.3μmのフィルターに通過させ、さらに軸受け部に異物取出口を有する隔離室付きニーダー中の温水に滴下、塩化メチレンを留去しながらポリカーボネート樹脂をフレーク化し、引続き該含液フレークを粉砕・乾燥してパウダーを得た。
その後、該パウダー100重量部に対して、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.0025重量部、ステアリン酸モノグリセリドを0.1重量部添加し、着色剤として、黒色顔料であるカーボンブラック(三菱化成工業製#3600)2重量部、および黒色染料であるNUBIAN BLACK PC−5857(オリエント化学工業製;2種類以上の染料の混合物)0.1重量部を均一に混合した後、かかるパウダーをベント式二軸押出機[(株)神戸製鋼所製KTX−46]により脱気しながら溶融混錬押出し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
温度計、撹拌機および還流冷却器の付いた反応器に、48%水酸化ナトリウム水溶液5236部およびイオン交換水20,000部を仕込み、これに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(Bis−OC−Z)2,533部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(Bis−A)1948部およびハイドロサルファイト9.4部を溶解した後、塩化メチレン17,540部を加え、撹拌下、15〜25℃でホスゲン2,200部を約60分かけて吹き込んだ。ホスゲンの吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液654部およびp−tert−ブチルフェノール102部を加え、撹拌を再開、乳化後トリエチルアミン4.32部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。
反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を目開き0.3μmのフィルターに通過させ、さらに軸受け部に異物取出口を有する隔離室付きニーダー中の温水に滴下、塩化メチレンを留去しながらポリカーボネート樹脂をフレーク化し、引続き該含液フレークを粉砕・乾燥してパウダーを得た。
その後、該パウダー100重量部に対して、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.0025重量部、ステアリン酸モノグリセリドを0.1重量部添加し、着色剤として、黒色顔料であるカーボンブラック(三菱化成工業製#3600)2重量部、および黒色染料であるNUBIAN BLACK PC−5857(オリエント化学工業製;2種類以上の染料の混合物)0.1重量部を均一に混合した後、かかるパウダーをベント式二軸押出機[(株)神戸製鋼所製KTX−46]により脱気しながら溶融混錬押出し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットを用いて評価した結果を表1に示した。
三菱レイヨン製アクリペット(登録商標)VH001)を用いて、評価した結果を表1に示した。
<漆黒性評価>
(1)光沢度評価
鉛筆硬度の測定の際に得られた黒色成形品(3段型プレート、厚み2mm部)を使用し、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に則して光沢計(HORIBA IG−331、HORIBA社製)を用いて、入射受光角20度と60度の光沢度を測定した。
(2)色差評価
鉛筆硬度の測定の際に得られた黒色成形品(3段型プレート、厚み2mm部)を使用し、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に則して積分球分光光度計CE−7000A(X−Rite社)を用いて、D65光源、反射法、視野角10°、色差式CIE1976における色差(L*a*b*)を測定した。
実施例1で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを用いて成形した黒色成形品の漆黒性評価を実施した。評価結果を表2に示した。
着色剤として、黒色顔料であるカーボンブラック(三菱化成工業製#3600)8重量部とした以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。得られたペレットを用いて成形した黒色成形品の漆黒性評価を実施した。評価結果を表2に示した。
着色剤として、黒色染料であるNUBIAN BLACK PC−5857(オリエント化学工業製)8重量部とした以外は、実施例1と同様の手法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。得られたペレットを用いて成形した黒色成形品の漆黒性評価を実施した。評価結果を表2に示した。
市販の高級ガラス漆器(100mm角、厚み2mm、漆黒調、艶有り)を用いて漆黒性評価を実施した。評価結果を表2に示した。
Claims (4)
- (A)全芳香族ジヒドロキシ成分の90モル%以上が、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン成分(成分a−1)および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン成分(成分a−2)であり、成分a−1と成分a−2との割合がモル比で40:60〜90:10の範囲である芳香族ジヒドロキシ成分から得られた粘度平均分子量が1.8×104〜3.2×104である芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、着色剤(B成分)0.01〜5重量部を含有する黒色に着色された樹脂組成物であって、該樹脂組成物は下記(1)〜(4)の特性を満たすことを特徴とする黒色樹脂組成物。
(1)JIS K5600−5−4に則して測定された鉛筆硬度がF〜2Hである
(2)ISO 6603に則して測定された高速面衝撃試験における衝撃エネルギーが25J以上で、かつ破壊形態が延性破壊である
(3)IS0 527−1および527−2に則して測定された23℃における引張強度測定において、破壊呼び歪が60〜180%であり、かつ破壊応力が40〜80MPaである
(4)ISO 1133に則して測定された300℃、1.2kg荷重のメルトボリュームフローレイトが5〜40cm3/10分である - 着色剤(B成分)がカーボンブラック(B−1成分)であり、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、B−1成分0.1〜5重量部を含有する請求項1記載の黒色樹脂組成物。
- 着色剤(B成分)が染料(B−2成分)であり、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、B−2成分0.01〜1重量部を含有する請求項1記載の黒色樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の黒色樹脂組成物を成形してなる黒色成形品。
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