JP6195662B2 - 電子ビーム蒸発源及び真空蒸着装置 - Google Patents

電子ビーム蒸発源及び真空蒸着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6195662B2
JP6195662B2 JP2016518207A JP2016518207A JP6195662B2 JP 6195662 B2 JP6195662 B2 JP 6195662B2 JP 2016518207 A JP2016518207 A JP 2016518207A JP 2016518207 A JP2016518207 A JP 2016518207A JP 6195662 B2 JP6195662 B2 JP 6195662B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
electron beam
axial direction
holding
electron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016518207A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016092788A1 (ja
Inventor
以誠 後田
以誠 後田
矢島 太郎
太郎 矢島
堅一 磯野
堅一 磯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Publication of JPWO2016092788A1 publication Critical patent/JPWO2016092788A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6195662B2 publication Critical patent/JP6195662B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/24Vacuum evaporation
    • C23C14/28Vacuum evaporation by wave energy or particle radiation
    • C23C14/30Vacuum evaporation by wave energy or particle radiation by electron bombardment
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/06Electron sources; Electron guns

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)

Description

本発明は、電子ビーム蒸発源及びそれを備えた真空蒸着装置に関する。
真空蒸着法は、薄膜を効率良く形成する方法として、幅広い分野で用いられている。薄膜を形成する材料(蒸発材料、蒸着材料と呼ばれる。)を蒸発させるための加熱源として、電子ビーム、抵抗加熱、誘導加熱、イオンビーム等が用いられる。電子ビームによる加熱は、高融点金属や酸化物等、多くの材料に適用され、かつ、電子ビームによる加熱方式の場合、蒸発材料及び坩堝等によるコンタミネーションが少ない。このような理由から、電子ビーム加熱方式は、複数の蒸発材料を一つの蒸発源に収容して、これらの蒸発材料からなる積層膜を形成する場合等にも用いられる。
一方、電子ビームが蒸発材料に照射されることにより、反射電子が発生することが知られている。このような反射電子が基板に到達した場合、基板の温度を上昇させ、膜質等に問題が生じる可能性がある。そこで、引用文献1には、開口部と、両側に配置されたヨーク材とを備えた箱状の反射電子トラップが記載されている。反射電子トラップは、開口部から入ってきた反射電子を、当該ヨーク材に基づく磁場によって偏向させ、上面及び下面に衝突させて捕捉する。
特許第5280149号
しかしながら、引用文献1に記載の反射電子トラップは、開口部から外れた反射電子をトラップすることはできなかった。また、蒸発源に収容された蒸発材料の中に磁性材料があった場合等に反射電子トラップ周囲に形成され得る磁場の影響は考慮されていなかった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、広範囲に飛散する反射電子を安定的に捕捉することが可能な電子ビーム蒸発源及びそれを備えた真空蒸着装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電子ビーム蒸発源は、蒸発材料保持部と、電子銃と、磁気回路部とを具備する。
上記蒸発材料保持部は、第1の蒸発材料を保持することが可能な第1の保持領域を有する。
上記電子銃は、上記第1の保持領域と上記第1の軸方向に並んで配置され、上記第1の保持領域に対して電子ビームを出射することが可能に構成される。
上記磁気回路部は、軟磁性材料で構成された磁性板と、上記電子ビームが第1の蒸発材料で反射した反射電子を上記磁性板に向かって偏向させることが可能な反射電子偏向部材とを有し、上記電子銃と上記第1の保持領域を挟んで上記第1の軸方向に並んで配置される。
上記構成によれば、反射電子が磁性板に向かって偏向されるので、反射電子が基板へ到達することを防止することができる。したがって、反射電子による基板の温度上昇を防止し、膜質の劣化等を防止することができる。さらに、磁性板が磁気シールドとしての機能を有するため、磁性板下部に配置された磁性材料と反射電子偏向部材との相互作用を防止することができる。また、磁気回路部による電子ビームへの磁気的な作用を防止することができ、例えば磁気回路部による電子ビームのビームスポットの変形等を防止することができる。
上記蒸発材料保持部は、蒸着待機中の第2の蒸発材料を保持することが可能な第2の保持領域をさらに有し、
上記磁気回路部は、上記第2の保持領域と上記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に対向して配置されてもよい。
上記磁性板が磁気シールドとして機能することにより、第2の蒸発材料として磁性材料が含まれていた場合であっても、磁性材料が反射電子偏向部材により吸引され浮き上がる等の不具合を防止することができる。したがって、上記電子ビーム蒸発源は、第2の蒸発材料の物性によらず、安定して運転を継続することができる。
また、上記電子ビーム蒸発源は、
上記第1の保持領域を露出する開口部を有し、上記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に上記蒸発材料保持部と対向し、全体として平坦に構成されたハースデッキをさらに具備してもよい。
上記ハースデッキにより、蒸着中における蒸発材料保持部への第1の蒸発材料の付着を防止することができる。さらに、ハースデッキが全体として平坦に構成されているため、第1の蒸発材料が蒸発する際に第1の蒸発材料がハースデッキへ付着しにくい。加えて、仮に第1の蒸発材料がハースデッキへ付着した場合にも、平坦なためハースデッキのクリーニングを容易に行うことができる。したがって、電子ビーム蒸発源のメンテナンス性も向上させることができる。
この場合に、上記磁気回路部は、上記蒸発材料保持部と上記ハースデッキとの間に配置されてもよい。
これにより、磁気回路部に対する第1の蒸発材料の付着を防止することができ、電子ビーム蒸発源のメンテナンス性をより向上させることができる。さらに、磁気回路部が障害物の少ない平坦なハースデッキ上に磁場を形成することができ、反射電子偏向部材がより確実に反射電子を偏向させることができる。
さらに、上記電子ビーム蒸発源は、上記ハースデッキを冷却することが可能な冷却部を具備してもよい。
これにより、偏向された反射電子がハースデッキ上へ到達した場合に、冷却されたハースデッキによって反射電子のエネルギが奪われる。したがって、ハースデッキが効率よく反射電子を捕捉することができる。
また、上記反射電子偏向部材は、
上記第2の軸方向に直交し第1の極性の第1の磁性面と、
上記第2の軸方向に直交し、上記第1の極性とは異なる第2の極性の第2の磁性面とを有し、
上記第1の磁性面と上記第2の磁性面とは、第1の軸方向及び上記第2の軸方向と直交する第3の軸方向に沿って配列されてもよい。
これにより、反射電子偏向部材が、第1の磁性面及び第2の磁性面のいずれか一方から他方へ向かい、かつ第2の軸方向上方に凸な曲線となる磁力線で表現され得る磁場を形成することができる。これにより、反射電子偏向部材の第2の軸方向上方に飛散した反射電子も偏向させることができ、より多くの反射電子を捕捉することができる。
より具体的に、上記反射電子偏向部材は、
上記第1の磁性面が形成された第1の磁石と、
上記第2の磁性面が形成され、上記第1の磁石と上記第3の軸方向に離間して配置された第2の磁石とを有してもよい。
上記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る真空蒸着装置は、真空チャンバと、支持機構と、電子ビーム蒸発源とを具備する。
上記支持機構は、上記真空チャンバ内に配置され、蒸着対象物を支持することが可能に構成される。
上記電子ビーム蒸発源は、蒸発材料保持部と、電子銃と、磁気回路部とを有し、上記支持機構と上記第2の軸方向に対向して上記真空チャンバ内に配置される。
上記蒸発材料保持部は、第1の蒸発材料を保持することが可能な第1の保持領域を有する。
上記電子銃は、上記第1の保持領域と上記第1の軸方向に並んで配置され、上記第1の保持領域に対して電子ビームを出射することが可能に構成される。
上記磁気回路部は、軟磁性材料で構成された磁性板と、上記電子ビームが第1の蒸発材料で反射した反射電子を上記磁性板に向かって偏向させることが可能な反射電子偏向部材とを有し、上記電子銃と上記第1の保持領域を挟んで上記第1の軸方向に並んで配置される。
本発明の第1の実施形態に係る真空蒸着装置を示す模式的な図である。 本発明の第1の実施形態に係る電子ビーム蒸発源の全体構成を示す斜視図である。 上記電子ビーム蒸発源から、上記電子ビーム蒸発源に含まれるハースデッキを取り除き、冷却部の構成を示す斜視図である。 上記電子ビーム蒸発源から、上記電子ビーム蒸発源に含まれるハースデッキ及び冷却部を取り除いた構成を示す斜視図である。 上記電子ビーム蒸発源の反射電子偏向部材の概略平面図であり、AはZ軸方向から見た図、BはX軸方向から見た図である。 上記反射電子偏向部材によって作られる磁束を示す斜視図である。 上記第1の実施形態の反射電子偏向部材の他の構成例をZ軸方向から見た概略平面図である。 上記第1の実施形態の比較例に係る電子ビーム蒸発源の全体構成を示す斜視図である。 上記第1の実施形態の実験例において、真空蒸着装置のチャンバ内の基板及び温度センサを配置した位置を模式的に示す図である。 実験例1−1の結果を示すグラフであり、実施例1の結果を示す。 実験例1−1の結果を示すグラフであり、比較例1の結果を示す。 実験例1−2の結果を示すグラフである。 発明の第2の実施形態に係る電子ビーム蒸発源の全体構成を示す斜視図である。 実験例2−1の結果を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
[真空蒸着装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る真空蒸着装置を示す模式的な図である。なお、図中のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、直交する3軸方向であり、X軸方向は第1の軸方向であって電子ビーム蒸発源100の前後方向、Y軸方向は第3の軸方向あって電子ビーム蒸発源100の左右方向、Z軸方向は第2の軸方向であって鉛直方向(上下方向)に対応する。
真空蒸着装置1は、同図に示すように、真空チャンバ11と、支持機構12と、電子ビーム蒸発源100とを備える。
真空チャンバ11は、図示しない真空ポンプと接続され、真空に維持されることが可能に構成される。真空チャンバ11の天面の中心部を、頂部11aとする。頂部11aには、図示しない膜厚測定用の水晶振動子が配置されていてもよい。
支持機構12は、真空チャンバ11内に配置され、基板W等の蒸着対象物を支持することが可能に構成される。支持機構12は、例えば真空チャンバ11の頂部11aを中心とする円の周方向に沿って配置された複数の支持部13と、図示しない駆動部とを有する。各支持部13は、例えばシンバルのような略円形状であり、複数の基板Wを保持することが可能に構成される。支持機構12は、例えば3つの支持部13を有する。駆動部は、例えば複数の支持部13を真空チャンバ11の頂部11aを中心に公転させるとともに、各支持部13を自転させる。これにより、複数の基板Wに対して均一な蒸着膜を形成することができる。
電子ビーム蒸発源100は、支持機構12とZ軸方向に対向し真空チャンバ11の下部に配置される。電子ビーム蒸発源100は、電子ビームBを蒸発材料に照射することが可能に構成される。電子ビームBが照射された蒸発材料は、加熱され、蒸発して基板Wに付着し、基板W上に蒸着膜を構成し得る。
[電子ビーム蒸発源の構成]
図2,3,4は、それぞれ電子ビーム蒸発源100の構成を示す斜視図であり、図2は全体図、図3は後述する冷却部133を示した図、図4はハースデッキ130を取り除いた図である。
電子ビーム蒸発源100は、同図に示すように、蒸発材料保持部110と、電子銃120と、ハースデッキ130と、冷却部133と、磁気回路部140とを備える。電子ビーム蒸発源100は、本実施形態において、1つ以上の坩堝を有する金属蒸着用の電子ビーム蒸発源として構成される。
電子ビーム蒸発源100は、例えばX軸方向に沿って電子銃120と蒸発材料保持部110とが配置されている。以下、電子銃120側をX軸方向前方、蒸発材料保持部110側をX軸方向後方として説明する。
また、電子ビーム蒸発源100は、Z軸方向に沿って蒸発材料保持部110、磁気回路部140及びハースデッキ130が配置されている。以下、蒸発材料保持部110側をZ軸方向下方、ハースデッキ130側をZ軸方向上方として説明する。
図2〜4を参照し、蒸発材料保持部110は、例えば、約200mmの径を有する略円盤状に構成され、周方向に沿って形成された1つ以上の坩堝110a,110b,110c・・・を含む。各坩堝110a,110b,110c・・・は、それぞれ凹状に形成され、蒸発材料を収容することが可能に構成される。蒸発材料保持部110は、これらの複数の坩堝110a,110b,110c・・・を区画する領域として、第1の保持領域111と、第2の保持領域112とを有する。
第1の保持領域111は、蒸着対象の第1の蒸発材料を保持することが可能であり、例えば第1の蒸発材料を収容する1つの坩堝110aを含む。「蒸発対象」とは、電子ビームBを照射されることが可能な状態にあることを言うものとする。
第2の保持領域112は、第1の保持領域111と隣接し、蒸着待機中の第2の蒸発材料を保持することが可能に構成される。「蒸発待機中」とは、蒸発材料保持部110によって保持されてはいるが、電子ビームBを照射されない状態にあることを言うものとする。第2の保持領域112は、例えば、それぞれ蒸着待機中の蒸発材料を収容することが可能な複数の坩堝110b,110c・・・を含む。第2の蒸発材料とは、ここでは、これらの蒸発材料のうちの一つの蒸発材料を言うものとする。複数の坩堝110b,110c・・・の数は特に限定されず、例えば3〜20個程度とすることができる。
蒸発材料保持部110は、さらに蒸発材料保持部110を駆動させる図示しない駆動機構を有し、駆動機構により、Z軸方向に沿った回転軸まわりに回転し、所定位置で停止可能に構成される。これにより、蒸発材料保持部110は、第1の保持領域111に含まれる坩堝110a,110b,110c・・・を変化させ、蒸着対象の第1の蒸発材料を変化させることができる。なお、蒸発材料保持部110は、図1に示すように、グランド電位に維持されている。
電子銃120は、第1の保持領域111とX軸方向に並んで配置され、第1の保持領域111に対して電子ビームBを出射することが可能に構成される。電子銃120は、図示しないフィラメントとアノードとを含む。電子銃120は、高電圧のバイアス電圧が印加された駆動電流が流れることによって表面温度が上がったフィラメントから、アノードとの電位差によって熱電子が放出することで、電子ビームBを出射する。
また、電子銃120は、電子ビーム用偏向部材は偏向用磁極121と図示しない偏向用磁石を有しており、電子ビームBを例えば180〜270°偏向し、第1の保持領域111に照射させることが可能に構成される。図示しない偏向用磁石は、電磁石あるいは永久磁石で構成されてもよい。
図2に示すように、ハースデッキ130は、蒸発材料保持部110とZ軸方向に対向して配置され、全体として平坦に構成される。ハースデッキ130は、平坦面130aと、第1の保持領域111を露出する開口部131とを有する。開口部131は、本実施形態において平坦面130aからZ軸方向下方に形成される。ハースデッキ130は、第2の保持領域112を被覆して第1の蒸発材料の他の蒸発材料への飛散を防止するとともに、後述する反射電子を捕捉することが可能に構成される。ハースデッキ130の材料は、例えば銅等の金属材料が適用され得る。
冷却部133は、ハースデッキ130を冷却することが可能に構成される。冷却部133により、衝突した反射電子のエネルギを低下させ反射電子の捕捉を容易にすることができる。
図3に示すように、冷却部133は、本実施形態において、水冷式の冷却機構であり、液状の冷却媒体を導入及び排出することが可能な冷却用端子134と、当該冷却媒体を循環させることが可能な冷却管135を有する。冷却管135は、ハースデッキ130内部に配置され、冷却媒体を循環させることでハースデッキ130を冷却する。冷却媒体としては、例えば水を適用することができる。冷却用端子134及び冷却管135の配置は特に限定されないが、例えば図3に示すように、冷却媒体がX軸方向後方から前方を通って再びX軸方向後方に流出するように配置してもよい。これにより、ハースデッキ130全体を冷却することができる。
図3及び図4に示すように、磁気回路部140は、電子銃120と第1の保持領域111を挟んでX軸方向に並んで配置され、本実施形態において第2の保持領域112とZ軸方向に対向して配置される。磁気回路部140は、磁性板141と、反射電子偏向部材142とを有する。
磁性板141は、軟磁性材料で構成され、本実施形態において鉄を含む材料で構成される。磁性板141は、第2の保持領域112の少なくとも一部を被覆し、後述するように、蒸発材料保持部110を遮蔽する磁気シールドとして機能する。磁性板141の形状は特に限定されないが、例えば略矩形に形成され、Y軸方向に沿った幅が約200mm(すなわち蒸発材料保持部110の径と同程度)で形成され得る。また磁性板141の厚みも特に限定されないが、例えば2mm程度とすることができる。
反射電子偏向部材142は、電子ビームBが第1の蒸発材料で反射した反射電子を磁性板141に向かって偏向させることが可能に構成される。反射電子偏向部材142は、本実施形態において、磁性板141上に配置される。
図5は、反射電子偏向部材142の概略平面図であり、AはZ軸方向から見た図、BはX軸方向から見た図である。また、図6は、反射電子偏向部材142によって作られる磁束を示す斜視図である。なお図5B及び図6では、説明のため、代表的な磁束のみ示している。
図4及び図5に示すように、反射電子偏向部材142は、Z軸方向に直交し第1の極性の第1の磁性面143と、Z軸方向に直交し第1の極性とは異なる第2の極性の第2の磁性面144とを有する。第1の極性は、例えばN極とし、第2の極性は例えばS極とする。
より具体的に、反射電子偏向部材142は、第1の磁性面143が形成された第1の磁石145と、第2の磁性面144が形成され第1の磁石145とY軸方向に離間して配置された第2の磁石146とを有する。例えば第1の磁石145及び第2の磁石146各々は、本実施形態において、略直方体状の2つの永久磁石で構成される。永久磁石としては、例えば、フェライト磁石、ネオジム磁石、アルニコ磁石等を適宜適用することができる。図5Aに示すように、本実施形態において、第1の磁石145及び第2の磁石146は、磁性板141のX軸方向に沿った辺に沿って配置される。
図5A,B及び図6に示すように、第1の磁石145に形成された第1の磁性面143と第2の磁石146に形成された第2の磁性面144とは、Y軸方向に相互に離間して配置される。
本実施形態において、図5Aに示すように、第1の磁性面143と第2の磁性面144とのY軸方向に沿って離間する幅W1は、蒸発材料保持部110の第1の保持領域111のY軸方向に沿った長さW2よりも長くなるように構成される。ここで、幅W1は、第1の磁性面143と第2の磁性面144とのY軸方向に沿って離間する幅のうち、Y軸方向に沿って最も短い幅をいい、長さW2は、第1の保持領域111のうち、Y軸方向に沿って最も長い部分の長さをいうものとする。
また、第1の磁性面143と第2の磁性面144とのY軸方向に沿って離間する幅は、X軸方向後方に向かうに従い、一定となるように構成されてもよい。すなわち、第1の磁性面143と第2の磁性面144とは、それぞれ、X軸方向に沿って平行に延在し得る。また、第1の磁性面143と第2の磁性面144とは、それぞれ、X軸方向に沿って蒸発材料保持部110の後端まで配置され得る。
図5B及び図6に示すように、反射電子偏向部材142によって形成される磁場は、第1の磁性面143から第2の磁性面144に向かう磁力線Mによって表現される。より具体的には、反射電子偏向部材142により、第1の磁性面143ではZ軸方向上方へ向かう磁場が、第1の磁性面143及び第2の磁性面144の間ではY軸方向に略平行な方向の磁場が、第2の磁性面144ではZ軸方向下方へ向かう磁場が、それぞれ発生する。すなわち、各磁力線Mは、YZ平面上におけるZ軸方向上方を凸とする曲線で表現される。これにより、図6に示すように、X軸方向後方に向かって反射した負の電荷を有する反射電子Reは、反射電子偏向部材142の形成する磁場によって、磁性板141へ向かう方向のローレンツ力Fを受ける。これにより、反射電子Reがハースデッキ130(図6において図示せず)に捕捉される。
仮に、磁気回路部140を有さない電子ビーム蒸発源では、ハースデッキ130上で反射電子Reが反射し、当該反射電子ReがZ軸方向上方に配置された基板Wに入射するおそれがある。反射電子Reが基板Wに入射した場合、反射電子Reのエネルギによって基板Wが加熱され、形成された蒸着膜の膜質を低下させるおそれがある。
そこで、本実施形態によれば、磁気回路部140によって反射電子Reを偏向させ、ハースデッキ130にて捕捉することができる。これにより、蒸着中の基板Wの温度上昇を抑制し、蒸着膜の膜質を良好に維持することができる。
また仮に、開口部を備えた箱型の反射電子トラップによって反射電子を捕捉しようとした場合には(特許文献1参照)、開口部に入らない反射電子を捕捉することはできないため、開口部外に飛散した反射電子が基板へ到達するおそれがあった。さらに、反射電子トラップの外部や内部に付着した蒸着材料等のクリーニング等を行う必要があり、メンテナンスの手間が大きかった。
そこで、本実施形態によれば、磁気回路部140上が開放された空間であり、かつ図5B、図6に示すように、反射電子偏向部材142によって、ドーム状に、電子ビーム蒸発源100のZ軸方向上方にも磁場を形成することができる。これにより、反射電子偏向部材142が、Z軸方向上方に飛散した反射電子も磁場の影響を及ぼして偏向させることができる。したがって、電子銃装置100が、より広範な範囲に飛散した反射電子を捕捉することができる。さらに、本実施形態によれば、磁気回路部140がZ軸方向上方に向かって開放された構成であり、かつ、磁気回路部140がハースデッキ130に被覆されているため、上記メンテナンスの手間を省くことができる。
また、本実施形態によれば、第1の磁性面143と第2の磁性面144とのY軸方向に沿って離間する幅W1が、蒸発材料保持部110の第1の保持領域111のY軸方向に沿った長さW2よりも長くなるように構成され、かつ、上記幅W1が、X軸方向後方に向かうに従い、一定となるように構成される。これにより、第1の蒸発材料の表面で反射した複数の反射電子をY軸方向に関して収束させることなく、複数の反射電子の軌道を、Y軸方向に関して略平行に制御することができる。したがって、複数の反射電子が、ハースデッキ130上の広い範囲に捕捉されて効率よく冷却されることで、反射電子のエネルギを効率よく低下させ、反射電子の再反射等が防止され得る。
また、図7は、本実施形態の磁気回路部140の他の構成例を示すZ軸方向から見た概略平面図である。同図に示すように、第1の磁性面143と第2の磁性面144とのY軸方向に沿って離間する幅は、例えばX軸方向後方に向かうに従い、漸増するように構成されてもよい。
これにより、反射電子偏向部材142によって形成される磁力線については、X軸方向後方に向かうに従い大きい曲線を描く磁力線が増加する。したがって、反射電子偏向部材142が、Z軸方向上方に高く飛散した反射電子やY軸方向右方や左方に飛散した反射電子を偏向させることが容易になり、反射電子を大きな偏向径で偏向させることができる。
また、磁性板141が軟磁性材料で構成されることから、仮に第2の蒸発材料として磁性材料が含まれていた場合であっても、当該磁性材料が反射電子偏向部材140により磁気的に吸引され坩堝等から浮き上がる等の不具合を防止することができる。したがって、電子ビーム蒸発源100は、第2の蒸発材料によらず、安定して運転を継続することができる。また、磁性板141により、磁気回路部140による電子ビームBへの磁気的な作用を防止することができる。これにより、例えば磁気回路部140による電子ビームBのビームスポットの変形等を防止することができる。
加えて、ハースデッキ130は、冷却部133によって冷却されているため、反射電子のエネルギを効率よく低下させ、反射電子を捕捉する確実性を高めることができる。
図8は、本実施形態の比較例の電子ビーム蒸発源を示す斜視図である。なお、電子ビーム蒸発源100と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示す電子ビーム蒸発源300は、電子ビーム蒸発源100と同様の構成の蒸発材料保持部110と、電子銃120とを備えるが、磁気回路部を有さず、ハースデッキ330の構成が異なる。ハースデッキ330は、実施例と同様の開口部131及び冷却部133(図8において図示せず)を有するが、全体として平坦に構成されておらず、凸部332を有する。
上記構成の電子ビーム蒸発源300によれば、第1の蒸発材料が蒸発する際、飛散する角度によっては第1の蒸発材料がハースデッキ330の凸部332に付着する可能性があった。また、第1の蒸発材料がハースデッキ330に付着した際、凸部332や凸部332を固定するネジ等の存在により、付着した材料を取り除くことが難しかった。
そこで、本実施形態によれば、ハースデッキ130を全体として平坦に構成することにより、第1の蒸発材料がハースデッキ130に付着する可能性を大幅に低減することができる。さらに、第1の蒸発材料がハースデッキ130に付着した際にも容易にクリーニングすることができ、メンテナンス性を高めることができる。
[実験例]
続いて、本実施形態に係る電子ビーム蒸発源100を実施例1、図8に示した電子ビーム蒸発源300を比較例1として用い、本実施形態の作用効果を確認するための実験を行った。
(実験例1−1)
電子ビーム蒸発源100,300をチャンバ11内に配置して電子銃120を駆動し、チャンバ11の所定の位置に配置した基板に複数の温度センサを設けて各基板における温度の上昇を確認した。なお、基板として、ガラス基板を用いた。
図9は、チャンバ11内の基板及び温度センサを配置した位置を模式的に示す図である。温度センサT1は、チャンバ11の頂部11aに配置された。温度センサT1と第1の保持領域111との距離は、約650mmであった。温度センサT2は、1つの支持部13の略中央部に配置された。温度センサT2と第1の保持領域111との距離は、約600mmであり、温度センサT2と第1の保持領域111とを結ぶ直線のX軸方向とのなす角度θ2は、約70°であった。温度センサT3は、上記支持部13のZ軸方向下部に配置された。温度センサT3と第1の保持領域111との距離は、約600mmであり、温度センサT3と第1の保持領域111とを結ぶ直線のX軸方向とのなす角度θ3は、約45°であった。
なお、支持機構12は駆動しなかった。
まず、電子ビームのパワーを一定に維持した際の、各温度センサT1,T2,T3の温度を調べた。電子ビームのパワーは、電子ビームを発生する際のバイアス電圧値に、出射された電子ビームによる電流値を乗じた値であり、本実験例において、バイアス電圧値を10kV、電流値を300mAに維持し、パワーを3kWに維持した。また、真空チャンバ11内の圧力は6.5×10−3Pa、第1の蒸発材料はモリブデン(Mo)とし、これらの条件で各電子ビーム蒸発源100,300を25分間運転した後の結果を調べた。
表1及び図10,11に実験例1−1の結果を示す。以下のΔtは、運転開始からの温度上昇量を示す。
図10は、実施例1の結果を示し、図11は、比較例1の結果を示す。また、いずれのグラフも、縦軸は温度センサT1,T2,T3によって検出された温度を示し、横軸は時間を示す。
Figure 0006195662
表1及び図10,11に示すように、実施例1の各温度センサT1,T2,T3によって検出された温度は、比較例1と比較して大幅に低い結果となった。実施例1と比較例1とは、電子ビームのパワー及び蒸着材料が同一であるため、蒸着材料の表面において同様に反射電子が発生すると考えられる。したがって、比較例1では反射電子が基板に到達し、その反射電子のエネルギによって基板の温度が上昇するのに対し、実施例1では、磁気回路部140によって反射電子が捕捉され、基板に到達する反射電子が少ないと考えられる。
(実験例1−2)
続いて、実験例1−2では、ハースデッキ上に、XY平面とのなす角度が異なる検出電極を設けて、各検出電極に流れる電流値を検出した。検出電極は、XY平面とのなす角度がそれぞれ20°、30°、40°、50°、60°、70°、80°、及び90°となるように設けられ、それぞれグランド電位に接続された。
実験例1−2では、実施例1、比較例1,2に係る電子ビーム蒸発源をチャンバ11内に配置して蒸着を行った。
比較例2に係る電子ビーム蒸着源は、電子ビーム蒸発源100と同様の構成の蒸発材料保持部110と、電子銃120と、ハースデッキ130とを備えるが、磁気回路部を有さない。
図12に実験例1−2の結果を示す。図12のグラフにおいて、縦軸は電流値、横軸は各電極の角度を示す。
図12に示すように、実施例1について、いずれの電極からもほぼ電流を検出できなかった。これにより、ほぼ全ての反射電子が磁気回路部140によって捕捉されていることが確認された。一方で、比較例2について、20°から60°の比較的低い角度の電極において大きな電流が検出され、反射電子がこれらの領域を中心に大量に飛散することが確認された。また、比較例1に関しても、比較例2より検出した電流値が小さいものの、90°を除く各角度において実施例1よりも大きな電流値が検出され、反射電子が飛散することが確認された。
以上の実験例1−1〜1−3より、実施例1では、反射電子が磁気回路部140によって捕捉され、反射電子の基板への到達を抑制できることが確認された。これにより、本実施形態に係る実施例1によれば、平坦なハースデッキ130によってメンテナンスを容易に行えるとともに、基板の温度上昇を防止し、反射電子による蒸着膜の膜質の劣化等も防止することができる。
<第2の実施形態>
[電子ビーム蒸発源の構成]
図13は、本発明の第2の実施形態に係る電子ビーム蒸発源の構成を示す斜視図である。なお、以下の説明において電子ビーム蒸発源100と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
同図に示すように、電子ビーム蒸発源200は、電子ビーム蒸発源100と同様の構成の蒸発材料保持部110と、電子銃120と、ハースデッキ130とを備えるが、磁気回路部240の配置及び構成が異なる。なお、図示はしないが、電子ビーム蒸発源200は、冷却部133を備えていてもよい。
図13に示すように、磁気回路部140は、電子銃120と第1の保持領域111を挟んでX軸方向に並んで配置される。磁気回路部240は、磁性板141と、反射電子偏向部材242と、カバー243とを有する。磁性板141の配置及び構成は第1の実施形態と同様である。
反射電子偏向部材242は、本実施形態において、ハースデッキ130上に配置される。反射電子偏向部材142は、電子ビームBが第1の蒸発材料で反射した反射電子を磁性板141に向かって偏向させることが可能に構成される。反射電子偏向部材242は、例えば、図4等に図示する第1の磁石145と、第2の磁石146とを有してもよい(図13において図示せず)。
カバー243は、ハースデッキ130上に配置された反射電子偏向部材242を被覆する。カバー243の材料は特に限定されず、例えば銅等で構成される。カバー243により、蒸着時、反射電子偏向部材242に飛散した第1の蒸発材料が付着することを防止することができる。
このような構成の電子ビーム蒸発源200によっても、反射電子偏向部材242によって反射電子にローレンツ力を及ぼし、ハースデッキ130やカバー243で反射電子を捕捉することができる。
[実験例]
続いて、本実施形態に係る電子ビーム蒸発源200の作用効果を確認するための実験を行った。なお、電子ビーム蒸発源200を実施例2として用いた。
(実験例2−1)
第1の実施形態の実験例1−1と同様の実験を行った。すなわち、電子ビーム蒸発源200をチャンバ11内に配置して電子銃120を駆動し、チャンバ11の所定の位置に配置した基板に設けられた温度センサT1,T2,T3により温度の上昇を確認した。温度センサT1,T2,T3の配置は、実験例1−1と同様とした。
まず、電子ビームのパワーを一定に維持した際の、各温度センサT1,T2,T3の温度を調べた。電子銃のパワーを3kWに維持し、真空チャンバ11内の圧力は6.5×10−3Pa、第1の蒸発材料はモリブデン(Mo)とし、これらの条件下で電子ビーム蒸発源を25分間運転した後の結果を調べた。
表2及び図14に実験例2−1の結果を示す。なお、表2には、上述の比較例1の結果も載せている。
表2及び図14に示すように、実施例2における各温度センサT1,T2,T3によって検出された温度は、比較例1と比較して低い結果となった。これにより、実施例2においても、磁気回路部240により反射電子が捕捉され、基板の温度上昇を抑制できることが確認された。
Figure 0006195662
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
蒸発材料保持部は、複数の坩堝を有する構成に限定されず、例えば坩堝が1つでリング状に構成されたリングハースや単一の坩堝を有する構成、あるいは、蒸発材料をZ軸方向下方から上方に向かって押し上げて溶解する機構等を有する構成であってもよい。
また、蒸発材料保持部は、複数の蒸発材料を保持する構成に限定されず、1つの蒸発材料のみを保持する構成であってもよい。これによっても、磁気回路部が磁性板によって下方に発生する磁場の影響を抑制し、安定して反射電子を捕捉することができる。
また、反射電子偏向部材の配置は上述の配置に限定されない。例えば、両端部にN極及びS極を有する棒磁石がY軸方向に沿って配置されていてもよい。このような構成により、当該棒磁石の一端部に第1の磁性面が、他端部に第2の磁性面が形成され、反射電子を磁性板へ向かって偏向させることができる。また、このような棒磁石をX軸方向に沿って複数配列することで、X軸方向後方まで磁場を形成することができる。
あるいは、反射電子偏向部材の第1の磁石と第2の磁石のY軸方向に離間する幅は、X軸方向に沿って略一定でなくてもよく、例えば上記幅がX軸方向後方に向かって広がっていくように第1の磁石と第2の磁石とが配置されてもよい。
また、ハースデッキは必須の構成ではない。例えば、電子ビーム蒸発源がハースデッキを有さず、磁性板が反射電子を捕捉し、かつ蒸発材料保持部に対する蒸発材料の飛散を防止する機能を有してもよい。
また、冷却部は、水冷式に限定されない。あるいは、電子ビーム蒸発源が、冷却部を有さない構成としてもよい。
1…真空蒸着装置
11…真空チャンバ
12…支持機構
100,200…電子ビーム蒸発源
110…蒸発材料保持部
111…第1の保持領域
112…第2の保持領域
120…電子銃
130…ハースデッキ
133…冷却部
140,240…磁気回路部
141…磁性板
142,242…反射電子偏向部材
143…第1の磁性面
144…第2の磁性面
145…第1の磁石
146…第2の磁石

Claims (3)

  1. 第1の蒸発材料を保持することが可能な第1の保持領域と、前記第1の保持領域と隣接し、蒸着待機中の第2の蒸発材料を保持することが可能な第2の保持領域とを有する蒸発材料保持部と、
    前記第1の保持領域と第1の軸方向に並んで配置され、前記第1の保持領域に対して電子ビームを出射することが可能な電子銃と、
    軟磁性材料で構成された磁性板と、前記電子ビームが第1の蒸発材料で反射した反射電子を前記磁性板に向かって偏向させることが可能な反射電子偏向部材とを有する磁気回路部と
    前記第1の保持領域を露出する開口部を有し、前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に前記蒸発材料保持部と対向し、非強磁性金属で形成され、全体として平坦に構成されたハースデッキと
    を具備し、
    前記第1の保持領域は、前記電子銃と前記磁性板との間に位置し、前記磁性板と前記第1の軸方向に並んで配置され
    前記磁気回路部は、前記蒸発材料保持部の前記第2の保持領域と前記ハースデッキとの間に配置され、
    前記反射電子偏向部材は、前記第2の軸方向に直交し第1の極性の第1の磁性面が形成された第1の磁石と、前記第2の軸方向に直交し前記第1の極性とは異なる第2の極性の第2の磁性面が形成され、前記第1及び前記第2の軸方向と直交する第3の軸方向に前記第1の磁石と離間して配置された第2の磁石とを有する
    電子ビーム蒸発源。
  2. 請求項に記載の電子ビーム蒸発源であって、
    前記ハースデッキを冷却することが可能な冷却部をさらに具備する
    電子ビーム蒸発源。
  3. 真空チャンバと、
    前記真空チャンバ内に配置され、蒸着対象物を支持することが可能な支持機構と、
    第1の蒸発材料を保持することが可能な第1の保持領域と、前記第1の保持領域と第1の軸方向に隣接し蒸着待機中の第2の蒸発材料を保持することが可能な第2の保持領域とを有する蒸発材料保持部と、
    前記第1の保持領域と前記第1の軸方向に並んで配置され、前記第1の保持領域に対して電子ビームを出射することが可能な電子銃と、
    軟磁性材料で構成された磁性板と、前記電子ビームが第1の蒸発材料で反射した反射電子を前記磁性板に向かって偏向させることが可能な反射電子偏向部材とを有する磁気回路部と
    前記第1の保持領域を露出する開口部を有し、前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に前記蒸発材料保持部と対向し、非強磁性金属で形成され、全体として平坦に構成されたハースデッキと
    を有し、前記支持機構と前記第2の軸方向に対向して前記真空チャンバ内に配置された電子ビーム蒸発源と
    を具備し、
    前記第1の保持領域は、前記電子銃と前記磁性板との間に位置し、前記磁性板と前記第1の軸方向に並んで配置され
    前記磁気回路部は、前記蒸発材料保持部の前記第2の保持領域と前記ハースデッキとの間に配置され、
    前記反射電子偏向部材は、前記第2の軸方向に直交し第1の極性の第1の磁性面が形成された第1の磁石と、前記第2の軸方向に直交し前記第1の極性とは異なる第2の極性の第2の磁性面が形成され、前記第1及び前記第2の軸方向と直交する第3の軸方向に前記第1の磁石と離間して配置された第2の磁石とを有する
    真空蒸着装置。
JP2016518207A 2014-12-10 2015-12-04 電子ビーム蒸発源及び真空蒸着装置 Active JP6195662B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014249876 2014-12-10
JP2014249876 2014-12-10
PCT/JP2015/006030 WO2016092788A1 (ja) 2014-12-10 2015-12-04 電子ビーム蒸発源及び真空蒸着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016092788A1 JPWO2016092788A1 (ja) 2017-04-27
JP6195662B2 true JP6195662B2 (ja) 2017-09-13

Family

ID=56107013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016518207A Active JP6195662B2 (ja) 2014-12-10 2015-12-04 電子ビーム蒸発源及び真空蒸着装置

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6195662B2 (ja)
KR (1) KR101849030B1 (ja)
CN (1) CN105874097B (ja)
TW (1) TWI609094B (ja)
WO (1) WO2016092788A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106535457A (zh) * 2016-10-28 2017-03-22 中广核中科海维科技发展有限公司 一种防返轰电子直线加速器
CN106702328B (zh) * 2017-02-17 2019-08-30 大连交通大学 磁偏转电子束蒸发源
DE102017103746A1 (de) 2017-02-23 2018-08-23 VON ARDENNE Asset GmbH & Co. KG Elektronenstrahlverdampfer, Beschichtungsvorrichtung und Beschichtungsverfahren
JP6815473B1 (ja) * 2019-12-24 2021-01-20 株式会社アルバック 電子銃装置及び蒸着装置
CN111611733B (zh) * 2020-04-20 2023-05-26 费勉仪器科技(上海)有限公司 一种中小型磁偏转电子束蒸发源磁路结构构建方法
KR20220095710A (ko) 2020-12-30 2022-07-07 주식회사 선익시스템 전자빔 증발원을 구비한 증착 장치
KR102422431B1 (ko) 2021-07-07 2022-07-19 주식회사 서일 마찰대전수단을 구비한 진공증착장치
CN115786857B (zh) * 2022-12-06 2023-07-28 安徽其芒光电科技有限公司 真空蒸镀成膜装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05280149A (ja) 1992-03-30 1993-10-26 Kabuki Kensetsu Kk プレキャスト鉄筋コンクリート柱材
US5418348A (en) * 1992-10-29 1995-05-23 Mdc Vacuum Products, Inc. Electron beam source assembly
JP2999353B2 (ja) * 1992-11-05 2000-01-17 エムディーシー ヴァキューム プロダクツ コーポレイション 超高真空用回転流体供給装置
JP2000328237A (ja) * 1999-05-19 2000-11-28 Sony Corp 電子ビーム蒸着機の蒸着源装置
CN203373418U (zh) 2012-04-09 2014-01-01 株式会社新柯隆 电子枪装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2016092788A1 (ja) 2017-04-27
CN105874097B (zh) 2018-12-21
TWI609094B (zh) 2017-12-21
WO2016092788A1 (ja) 2016-06-16
KR20160086857A (ko) 2016-07-20
TW201631188A (zh) 2016-09-01
KR101849030B1 (ko) 2018-04-13
CN105874097A (zh) 2016-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6195662B2 (ja) 電子ビーム蒸発源及び真空蒸着装置
JP2019525386A (ja) イオン化ツールを有するx線源
TWI498934B (zh) 真空處理裝置
WO2013153604A1 (ja) 電子銃装置
JP5280149B2 (ja) 真空蒸着装置
JP2013020737A (ja) 防着板支持部材およびこれを備えたイオン源
JP5131547B2 (ja) 蒸着用電子銃
JP5827344B2 (ja) 処理装置およびシールド
JP4793725B2 (ja) 蒸着用電子銃
JP2015007269A (ja) 電子ビーム蒸着用電子銃装置
JP2008050667A (ja) 薄膜形成装置
JP2012092380A (ja) 真空アーク蒸着法
JP2021085080A (ja) 電子ビーム蒸発源、真空蒸着装置
US8986458B2 (en) Plasma processing apparatus
US9583304B2 (en) Processing apparatus and shield
JP6113841B2 (ja) 基板上にスパッタリングされた材料の層をコーティングするための装置及び堆積システム
KR101005204B1 (ko) 대향 타겟식 스퍼터링 장치
JP2005276520A (ja) 電子銃
JPWO2013153604A1 (ja) 電子銃装置
JP2001020062A (ja) 電子ビーム蒸発装置
JP2007023364A (ja) 蒸着装置
JP2009228011A (ja) シートプラズマ成膜装置、及びシートプラズマ調整方法
JP2018135593A (ja) 蒸着装置
JP2011060486A (ja) 真空蒸着用電子ビーム装置
KR20130057366A (ko) 스퍼터링 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170815

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6195662

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250