JP6194629B2 - ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステルフィルムおよびその製造方法に関する。更に詳しくは、従来、ナイロンフィルムやその他の柔軟なフィルムが用いられてきた用途に適した、耐衝撃性や屈曲性、力学強度のバランスに優れたポリエステルフィルムおよびその製造方法に関する。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、力学特性、耐衝撃性に優れることから、従来よりエンジニアリングプラスチックとして用いられており、特に結晶化速度が速く、生産性の良さからも有用な材料として用いられている。しかしながら、PBTは結晶化速度が速いため、二軸延伸が困難であるとされてきた。これは、延伸過程での配向により結晶化が起こり、延伸が困難となるためである。これに対して、PBTの本来有する特性を活かすため、二軸延伸化により面配向を高めてフィルムとしての力学特性や耐衝撃性の向上を目的とした検討が過去40年以上なされてきたが、いまだに市場に出回っているPBTフィルムは未延伸のキャストシートおよびインフレーション法により得られたフィルムで、これらのフィルムはPBTの配向が不十分なため、本来のPBTの特性を引き出したものであるとは言い難い。特にインフレーション法のPBTフィルムは、その製造方法に起因して延伸倍率が均一になりにくく、厚み精度が悪い問題があるほか、面配向係数が高くならないことから突き刺し強度が低いなどの問題があった。そのため、テンターによる二軸延伸法により得られるPBTフィルムについて検討がされてきた。以下、過去のPBTフィルムについての検討について幾つか考察する。
従来、延伸倍率を3.5倍以下としてTD方向に延伸した後、100000%/min以上の変形速度でMD方向に延伸して二軸延伸PBTフィルムを製造することにより、均一に延伸された厚みムラのないフィルムを製造するという技術が知られている(例えば特許文献1参照)。しかし、かかる従来技術は実施例の結果からも分かるように、MD方向の変形速度のみを大きくすることから伸度が低く、MD方向とTD方向でバランスの取れたフィルムとならないという問題点があった。
また、実験結果に基づき、未延伸時の結晶化度から延伸温度を算出し、その温度以上で、低倍率でMD(またはTD)方向の延伸を実施後、高温で一段目の延伸方向と直交する方向に延伸することにより、厚みムラや製膜時の破断が抑制された耐衝撃性に優れたフィルムを製造するという技術が知られている(例えば特許文献2参照)。しかし、かかる従来技術は二段目の延伸が120℃とPBTのTg(45℃)からみて非常に高温での延伸であり、配向結晶化の進んだ状態を二段目の方向に再配向させるかのような延伸となっていることから、MD方向とTD方向の力学特性のバランスに劣っているという問題点があった。
PBTとポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのPBT以外の樹脂とを交互に積層することにより、ガスバリア性や耐ピンホール性に優れたフィルムを製造するという技術が知られている(例えば特許文献3参照)。しかし、かかる従来技術はPBT以外にPETやPENの樹脂からなる層を積層しているため、延伸温度はPBTよりもTgの高いPETやPENの延伸温度での延伸となり、PBTのTgからみて高温での延伸となっている。そのため、本来のPBTフィルムの特徴を引き出すことになっていない上、フィルム中の樹脂組成が二種類であることから、製膜時のトリミング屑などを再度原料に添加して再利用することが困難で経済性の面で不利という問題点があった。
特開昭51−146572号公報 特開昭51−40904号公報 特許第4273855号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、結晶化速度の大きいPBTを延伸する際に起こる破断を抑制するために、特に幅方向でダイスからの溶融樹脂吐出でのせん断速度やキャスト時の冷却速度の違いによる結晶化度の不均一化を抑制し、フィルムの未延伸状態における幅方向での比重差を小さくすることで、破断を大幅に抑制し、工業的に実施可能であり、MD/TD方向での力学特性のバランス、耐衝撃性などの改善に優れたポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、PBTを60質量%以上含むポリエステル樹脂からなり、MDの破断伸度80%以上、TDの破断深度80%以上、面配向が0.12〜0.14、インパクト強度が0.05J/μm以上、および突き刺し強度が0.5N/μm以上であるポリエステルフィルムである。
本発明により、ポリエステルフィルムおよびその製造方法において、結晶化速度の大きいPBTを延伸する際に起こる破断を抑制するために、特に幅方向でダイスからの溶融樹脂吐出でのせん断速度やキャスト時の冷却速度の違いによる結晶化度の不均一化を抑制し、フィルムの未延伸状態における幅方向での比重差を小さくすることで、フィルム延伸時の破断を大幅に抑制し、工業的に実施可能であり、MDおよびTD方向での力学特性のバランス、耐衝撃性などの改善ができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるポリエステル樹脂は、PBTを主たる構成成分とするものであり、PBTの含有率が60質量%以上であることが好ましく、さらには70質量%以上、特には75質量%以上が好ましく、最も好ましくは80質量%以上である。60質量%未満であるとフィルムのインパクト強度および耐ピンホール性が低下してしまい、フィルム特性としては十分なものでなくなってしまう。
主たる構成成分として用いるPBTは、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸が90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは98モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。グリコール成分として、1,4−ブタンジオールが90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは97モル%以上であり、最も好ましくは重合時に1,4−ブタンジオールのエーテル結合により生成する副生物以外は含まれないことである。
共重合されても良いジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。共重合されても良いグリコール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
これらは、後述のその他のポリエステル樹脂や添加剤の量とのバランスでフィルムのインパクト強度や突き刺し強度が満足できる範囲で、個々のモノマーの共重合量を調整する必要がある。
また、他の構成成分としては特に制限されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)など、その他のポリエステル樹脂や、添加剤として、屈曲時の耐ピンホール性を改善するために、柔軟なポリエーテル成分、ポリカーボネート成分、ポリエステル成分の少なくともいずれかを共重合したポリエステル系およびポリアミド系エラストマーを前記ポリエステル樹脂に添加できる。
これらの添加剤の添加量の下限は0質量%であり、上限は20質量%であることが好ましい。20%を超えると上記効果が飽和するほか、フィルムの透明性が低下するなどが起こることがある。
樹脂溶融温度の下限は好ましくは200℃であり、200℃未満であると溶融樹脂の吐出が不安定となることがある。樹脂溶融温度の上限は好ましくは320℃であり、320℃を超えると樹脂の劣化が起こることがある。
前記ポリエステル樹脂は必要に応じ、従来公知の添加剤、例えば、滑剤、安定剤、着色剤、酸化防止剤、静電防止剤、紫外線吸収剤等を含有していてもよい。
滑剤種としては、有機系滑剤やシリカ、炭酸カルシウム、アルミナなどの無機系滑材が好ましく、シリカ、炭酸カルシウムがより好ましく、特に炭酸カルシウムが好ましい。これらによりフィルムの透明性及び滑り性を発現することができる。
滑剤濃度の下限は好ましくは100ppmであり、100ppm未満であるとフィルムの滑り性が低下することがある。滑剤濃度の上限は好ましくは20000ppmであり、20000ppmを超えるとフィルムの透明性が低下することがある。
本発明にかかるフィルムを得るためのポイントとして、キャスティング時に未延伸フィルムの幅方向の結晶化度の差を小さくすることが必要である。このための具体的な方法としては、低温でのチルロールへのキャスティングが挙げられる。また、チルロールに接しない面の冷却のため、タッチロールを設置して冷却効率を高めることも可能である。
また、その他の方法として、本発明者らは、後述の新規な方法を用いることで未延伸フィルムの幅方向の結晶化度差を小さく出来ることを見出した。すなわち、キャスト時に同一の組成の原料を多層化してキャストすることで、未延伸フィルムの幅方向の結晶化度の差を小さくすることができ、TD延伸時の延伸応力分布を均一にすることができることを見出した。従来は、キャスト時に未延伸フィルムの端部の結晶化度が高くなる一方、未延伸フィルムの中央部の結晶化度が低くなり、このためTD方向の延伸時の延伸応力が未延伸フィルムの幅方向に不均一となることからフィルムが破断しやすくなるため、非常に高温でのTD延伸が必要となっていた。これに対して、この原因については推測であるが、同一の樹脂を積層する場合においても層の界面が存在し、その界面により結晶化が加速され、一方、層を越えた大きな結晶は抑制されるため、未延伸フィルムの幅方向での結晶化度が均一となるものと考えられる。具体的な方法として、一般的な多層化装置(多層フィードブロック、スタティックミキサー、多層マルチマニホールドなど)を用いることができ、例えば、二台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された熱可塑性樹脂をフィールドブロックやスタティックミキサー、マルチマニホールドダイ等を用いて多層に積層する方法等を使用することができる。なお、同一の組成の原料を多層化する場合、一台の押出機のみを用いて、押出機からダイまでのメルトラインに上述の多層化装置を導入することで本発明の目的を果たすことも可能である。
なお、同一の組成の原料であるとは、二台以上の押出機を用いる場合には、各押出機から送り出される熱可塑性樹脂に配合された個々の原料の質量%において、最大質量%と最小質量%との差が10質量%以下、さらには5質量%以下、特には2質量%以下まで許容するものとする。ポリエステルに共重合物を用いる場合では、各押出機から送り出される熱可塑性樹脂に配合された共重合されるモノマーのモル%において、最大モル%と最小モル%との差が5モル%以下、さらには3モル%以下、特には2モル%以下まで許容するものとする。また、個々の原料の分子量は異なっていても良いが、GPCでスチレン換算の重量平均分子量で求めた場合、その分子量の差を分子量の大きい物の分子量で除した値が30%以下、さらには20%以下、特には10%以下であることが好ましく、この範囲であれば個々の原料の分子量が異なっていても同一の個々の原料として許容するものとする。
なお、一台の押出機のみを用いて、押出機からダイまでのメルトラインに上述の多層化装置を導入する方法が装置の簡便性、各原料の管理の面からも好ましい方法である。
ダイ温度の下限は好ましくは200℃であり、200℃未満であると溶融樹脂の吐出が安定せず、フィルムの厚みが不均一となることがある。ダイ温度の上限は好ましくは350℃であり、350℃を超えるとフィルムの厚みが不均一となるほか、樹脂の劣化が起こり、ダイリップ汚れなどで外観不良となることがある。
チルロール温度の下限は好ましくは−10℃であり、−10℃未満であると未延伸フィルムの幅方向の結晶化度の均一化の効果が飽和することがある。チルロール温度の上限は好ましくは80℃であり、80℃を超えると未延伸フィルムの結晶化度が高くなりすぎて延伸が困難となることがある。未延伸フィルムの幅方向での結晶化度の差を小さくするためには結晶化度を小さくすることが有効であることから、後述の多層化などの方法を用いない場合は、好ましいチルロール温度は10℃以下、さらには5℃以下である。この場合、結露防止のためチルロール付近の環境の湿度を下げておくことが好ましい。一方、後述の多層化などの方法を用いることで未延伸フィルムの幅方向の結晶化度差を小さくすることができ、その場合は15〜40℃の温度でもキャストが可能である。
チルロールの幅方向の温度差は小さいほうが良く、好ましい温度差は5℃以下であり、さらに好ましくは3℃以下である。温度差が5℃を超える場合はキャスティング時に未延伸フィルムの幅方向の結晶化度の差を小さく出来ないことがある。
キャスティングでは、表面に高温の樹脂が接触するためチルロール表面の温度が上昇する。通常、チルロールは内部に配管を通して冷却水を流して冷却するが、充分な冷却水量を確保する、配管の配置を工夫する、配管にスラッジが付着しないようメンテナンスを行う、などして、チルロール表面の幅方向の温度差を少なくする必要がある。特に、多層化などの方法を用いずに低温で冷却する場合には注意が必要である。
多層構造でのキャストの場合、少なくとも3層以上、好ましくは5層以上、更に好ましくは8層以上、最も好ましくは100層以上である。層数が少ないと、未延伸フィルムの幅方向の比重差が大きくなり、延伸性の改善効果が小さい。100層以上であると未延伸フィルムの幅方向の比重差を小さくする効果が安定するほか、各層の厚み均一性も安定し、外観の改善などの効果もあり好ましい。
次に延伸方法について説明する。延伸方法は、同時二軸延伸でも逐次二軸延伸でも可能であるが、フィルムの突き刺し強度を高めるためには、フィルムの面配向係数を高めておく必要があり、その点においては逐次二軸延伸が好ましい。
MD延伸温度の下限は好ましくは40℃であり、より好ましくは45℃である。40℃未満であると破断が起こりやすくなることがある。MD延伸温度の上限は好ましくは100℃であり、より好ましくは95℃である。100℃を超えると配向しにくいためフィルムの力学特性が低下することがある。
MD延伸倍率の下限は好ましくは2.5倍であり、2.5未満であると配向しにくいためフィルムの力学特性や厚みムラが悪くなることがある。MD延伸倍率の上限は好ましくは5倍であり、5倍を超えるとフィルムの力学強度や厚みムラ改善の効果が飽和することがある。
TD延伸温度の下限は好ましくは40℃であり、40℃未満であるとフィルムの破断が起こりやすくなることがある。TD延伸温度の上限は好ましくは100℃であり、100℃を超えると配向しにくいためフィルムの力学特性が低下することがある。
TD延伸倍率の下限は好ましくは2.5倍であり、2.5倍未満であると配向しにくいため力学特性や厚みムラが悪くなることがある。TD延伸倍率の上限は好ましくは5倍であり、5倍を超えるとフィルムの力学強度や厚みムラ改善の効果が飽和することがある。
TD熱固定温度の下限は好ましくは150℃であり、150℃未満であるとフィルムの熱収縮率が大きくなり、加工時のズレや縮みが起こることがある。TD熱固定温度の上限は好ましくは250℃であり、250℃を超えるとフィルムが融けてしまうほか、融けない場合でも脆くなることがある。
TDリラックス率の下限は好ましくは0.5%であり、0.5%未満であると熱固定時にフィルムの破断が起こりやすくなることがある。TDリラックス率の上限は好ましくは10%であり、10%を超えるとフィルムにたるみなどが生じて厚みムラが発生することがある。
本発明の二軸延伸後のフィルムでは、フィルム厚みの下限は好ましくは3μmであり、より好ましくは5μmであり、さらに好ましくは8μmである。3μm未満であるとフィルムとしての強度が不足することがある。フィルム厚みの上限は好ましくは100μmであり、より好ましくは75μmであり、さらに好ましくは50μmである。100μmを超えるとフィルムが厚くなりすぎて本発明の目的における加工が困難となることがある。
ロール全幅での厚みムラについて、全幅での最大厚みと最小厚みの差が平均厚みに対して0〜25%の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0〜20%の範囲にあることが好ましい。25%を超えると、ロール外観の低下や二次加工での歪みなどが発生するため好ましくない。全幅での最大厚みと最小厚みの差を小さくするためには、幅方向の延伸倍率が均一であることが必要であるが、そのためには未延伸時の結晶化度を均一にしておく必要がある。
本発明の未延伸フィルムの中央部の比重の下限は好ましくは1.25g/cm3であり、1.25g/cm3未満であると未延伸フィルムの延伸性を改善する効果が飽和することがある。中央部の比重の上限は好ましくは1.3g/cm3であり、1.3g/cm3を超えると結晶化度が高くなりすぎて延伸が困難となることがある。
本発明の未延伸フィルムの幅方向比重の差の上限は好ましくは0.03g/cm3であり、0.03g/cm3を超えると幅方向で延伸応力が不均一化し、フィルムの破断が起こり、フィルムの幅方向の延伸ムラが起こり、厚みムラや物性ムラの原因となるとなることがある。
本発明のフィルムのMD弾性率の下限は好ましくは1GPaであり、1GPa未満であるとフィルムが伸びやすく、印刷やラミネーションなどの加工時にピッチずれなどが起こることがある。MD弾性率の上限は好ましくは2GPaであり、2GPaを超えるとフィルムを各種シーラントなどと貼り合わせた後での絞り加工などの加工性の面で不利となることがある。
本発明のフィルムのTD弾性率の下限は好ましくは1GPaであり、1GPa未満であるとフィルムが伸びやすく、加工時に問題が起こることがある。TD弾性率の上限は好ましくは2GPaであり、2GPaを超えるとフィルムを各種シーラントなどと貼り合わせた後での絞り加工などの加工性の面で不利となることがある。なお、TD弾性率は熱固定温度により、範囲内とすることが出来る。
本発明のフィルムのTD破断強度の下限は好ましくは100MPaであり、100MPa未満であるとフィルムの加工時に破断などが起こることがある。TD破断強度の上限は好ましくは500MPaであり、500MPaを超えるとフィルムの破断強度改善の効果が飽和することがある。
本発明のフィルムのMD破断伸度の下限は好ましくは80%であり、より好ましくは90%である。80%未満であるとフィルムを各種シーラントなどと貼り合わせた後での絞り加工などの加工性の面で不利となることがある。MD破断伸度の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは200%である。MD破断伸度はMD倍率、熱固定温度により、範囲内とすることが出来る。
本発明のフィルムのTD破断伸度の下限は好ましくは80%であり、より好ましくは90%である。80%未満であるとフィルムを各種シーラントなどと貼り合わせた後での絞り加工などの加工性の面で不利となることがある。TD破断伸度の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは500%である。TD破断伸度はTD倍率、熱固定温度により、範囲内とすることが出来る。
本発明のフィルムの面配向係数の下限は好ましくは0.12であり、0.12未満であると突き刺し強度、衝撃強度などが低下することがある。面配向係数の上限は好ましくは0.14であり、0.14を超えるとフィルムの生産性の低下のほか、屈曲性などの低下が見られる場合がある。面配向係数はMD倍率、熱固定温度により、範囲内とすることが出来る。また、延伸方法として同時二軸延伸よりも逐次二軸延伸、特に、MD方向に延伸した後TD方向に延伸する逐次二軸延伸が好適である。
また、本発明の延伸後のフィルムの幅方向の面配向係数の変動は、そのフィルムの全幅を10等分して測定される面配向係数の最大値と最小値の差が0.02以下、更に好ましくは0.015以下、最も好ましくは0.01以下であることが好ましい。0.02を超えると力学特性のバラツキのほか、フィルムの厚みムラなどが大きく、好ましくない。また、この面配向係数の変動を小さくするためには、未延伸フィルムの幅方向の比重差(結晶化度の差)を小さくすることにより実現するものである。
また、本発明の延伸後のフィルムの配向軸角度は0〜40度の範囲にあることが好ましい。本発明においては、MD方向とTD方向の配向のバランス化はなされているが、40度を超えると加熱後にフィルムの歪みなどが生じるため、好ましくない。このための具体的な方法としては、一般的なボーイングを低減するための方法と同様で、TD延伸後の熱固定を行う際のMD方向の収縮を小さくする方法が採用できるが、キャスト時の未延伸フィルムの中央部と端部の結晶化度の差を小さくすることで延伸後のフィルムの端部のボーイングを小さくすることができ、有利である。
本発明のフィルムの突き刺し強度の下限は好ましくは0.5N/μmであり、より好ましくは0.9N/μmである。0.5N/μm未満であるとフィルムの加工時やフィルムを袋としたときの強度が不足することがある。突き刺し強度の上限は好ましくは1.5N/μmであり、1.5N/μmを超えると改善の効果が飽和することとなる。突き刺し強度はMD倍率、熱固定温度により、範囲内とすることが出来る。
本発明のフィルムのインパクト強度(耐衝撃性)の下限は好ましくは0.05J/μmであり、より好ましくは0.06J/μmである。0.05J/μm未満であると袋として用いる際に強度が不足することがある。インパクト強度(耐衝撃性)の上限は好ましくは0.2J/μmであり、0.2J/μmを超えると上記改善の効果が飽和することとなる。
本発明のフィルムの吸湿率の下限は好ましくは0.1%であり、0.1%未満であると改善の効果が飽和することとなる。吸湿率の上限は好ましくは1%であり、1%を超えると吸湿寸法変化などが起こりやすくなることがある。
本発明のフィルムのMD熱収縮率の下限は好ましくは0.1%であり、0.1%未満であると改善の効果が飽和するほか、力学的に脆くなってしまうことがある。MD熱収縮率の上限は好ましくは4%であり、4%を超えると印刷などの加工時の寸法変化により、ピッチズレなどが起こることがある。
本発明のフィルムのTD熱収縮率の下限は好ましくは0.1%であり、0.1%未満であると改善の効果が飽和するほか、力学的に脆くなってしまうことがある。TD熱収縮率の上限は好ましくは3%であり、3%を超えると印刷などの加工時の寸法変化により、フィルムの幅方向での縮みなどが起こることがある。
本発明のフィルムのヘイズの下限は好ましくは0である。ヘイズの上限は好ましくは50%であり、より好ましくは30%であり、更に好ましくは20%である。内容物が見えない用途であれば、この限りではない。なお、ヘイズが30%を超えると袋として用いた場合に内容物が見えにくくなることがある。
本発明のフィルムとシーラントとをドライラミネート法により積層した積層体のゲルボフレックステストで生じるピンホール数の下限は好ましくは0個である。ピンホール数の上限は好ましくは10個であり、より好ましくは5個である。10個を超えると袋として用いた場合にフィルムに穴が開きやすくなることがある。ピンホール数の測定方法については後述する。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。なお、フィルムの評価は次の測定法によって行った。
[未延伸フィルムの比重]
JIS Z8807 8(液中ひょう量法)に準じて各サンプルの23℃における比重を島津製作所比重測定装置SGM−300Pを用いて測定した。
幅方向比重の差は、得られた未延伸フィルムから幅方向で10点サンプルを採取し、上記方法で比重を測定し、得られた結果の最大値から最小値を引いた値を最小値で除することにより求めた。
[力学特性(破断強度、破断伸度)]
JIS K7113に準ずる。剃刀を用いて、フィルムから幅10mm、長さ100mmの試料を切り出した。切り出した試料を23℃、35%RHの雰囲気下で12時間放置したあと、23℃、35%RHの雰囲気下、チャック間距離40mm、引っ張り速度200mm/分の条件で測定を行い、5回の測定結果の平均値を用いた。測定装置としては島津製作所社製オートグラフAG5000Aを用いた。
[面配向]
ロールサンプルから幅方向で10点サンプルを採取した。そのサンプルについてJISK7142−1996 5.1(A法)により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計によりフィルム長手方向の屈折率(nx)、幅方向の屈折率(ny)、厚み方向の屈折率(nz)を測定し、下記式によって面配向係数(ΔP)を算出した。なお、得られた面配向係数の平均値を面配向係数とした。
ΔP=(nx+ny)/2−nz
幅方向の面配向係数差は、上記の10点のサンプルの最大値と最小値の差とした。
[配向軸角度]
王子計測器株式会社製MOA−6004型分子配向計を用いて、フィルム端部の分子鎖配向主軸の配向角(θ)を求めた。
[インパクト強度]
株式会社東洋精機製作所製のインパクトテスターを用い、23℃の雰囲気下におけるフィルムの衝撃打ち抜きに対する強度を測定した。衝撃球面は、直径1/2インチのものを用いた。単位はJ/μmである。
[突き刺し強度]
食品衛生法における「食品、添加物等の規格基準 第3:器具及び容器包装」(昭和57年厚生省告示第20号)の「2.強度等試験法」に準拠して測定した。先端部直径0.7mmの針を、突刺し速度50mm/分でフィルムに突き刺し、針がフィルムを貫通する際の強度を測定して、突き刺し強度とした。測定は常温(23℃)で行い、単位はNである。
[耐ピンホール性]
本発明にかかるフィルムとシーラント(東洋紡社製無延伸プロピレンフィルム、P1146、厚み70μm)とを、ポリエステルポリオール(東洋モートン社製、TM−509)33.6質量部、ポリイソシアネート(東洋モートン社製、CAT−10L)4.0質量部、及び酢酸エチル62.4質量部を混合して得られたウレタン系接着剤を使用してドライラミネートし、積層体を作製した。
上記積層体を20.3cm(8インチ)×27.9cm(11インチ)の大きさに切断し、その切断後の長方形テストフィルムを、温度23℃の相対湿度50%の条件下に、24時間以上放置してコンディショニングした。しかる後、その長方形テストフィルムを巻架して長さ20.32cm(8インチ)の円筒状にする。そして、その円筒状フィルムの一端を、ゲルボフレックステスター(理学工業社製、NO.901型)(MIL−B−131Cの規格に準拠)の円盤状固定ヘッドの外周に固定し、円筒状フィルムの他端を、固定ヘッドと17.8cm(7インチ)隔てて対向したテスターの円盤状可動ヘッドの外周に固定した。そして、可動ヘッドを固定ヘッドの方向に、平行に対向した両ヘッドの軸に沿って7.6cm(3インチ)接近させる間に440゜回転させ、続いて回転させることなく6.4cm(2.5インチ)直進させた後、それらの動作を逆向きに実行させて可動ヘッドを最初の位置に戻すという1サイクルの屈曲テストを、1分間あたり40サイクルの速度で、連続して1000サイクル繰り返した。実施は5℃で行った。しかる後に、テストしたフィルムの固定ヘッドおよび可動ヘッドの外周に固定した部分を除く17.8cm(7インチ)×27.9cm(11インチ)内の部分に生じたピンホール数を計測した(すなわち、497cm2(77平方インチ)当たりのピンホール数を計測した)。
[ポリエステルの固有粘度]
ポリエステル0.1gをフェノール/テトラクロロエタン(容積比:3/2)の混合溶媒25mL中に溶解させ、30℃でオストワルド粘度計を用いてポリエステルの固有粘度を測定した。
[ポリエステルの融点]
SII社製示差走査型熱量計(DSC)を用い、サンプル量10mg、昇温速度20℃/分で測定した。ここで検知された融解吸熱ピーク温度をポリエステルの融点とした。
[厚み]
JIS−Z−1702準拠の方法でフィルムの厚みを測定した。
[熱収縮率]
試験温度150℃、加熱時間10分間とした以外は、JIS−C−2318記載の寸法変化試験法で熱収縮率を測定した。
[ヘイズ]
JIS−K−7105に準ずる方法で、試料をヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH2000)を用いて異なる箇所3ヶ所についてヘイズを測定し、その平均値をヘイズとした。
[厚みの均一性(Tv(%))]
得られたフィルムロールの中央部から縦方向にフィルム片を切り出し、5cmピッチでダイアルゲージを用いてフィルムの厚みを測定し、その結果から厚みの均一性を算出した。
[剥離強度]
本発明にかかるフィルムとシーラント(東洋紡製無延伸プロピレンフィルム、P1146、厚み70μm)とを、ポリエステルポリオール(東洋モートン社製、TM−509)33.6質量部、ポリイソシアネート(東洋モートン社製、CAT−10L)4.0質量部、及び酢酸エチル62.4質量部を混合して得られたウレタン系接着剤を使用してドライラミネートし、積層体を作製した。
上記積層体を、幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、東洋ボールドウイン社製の「テンシロンUMT−II−500型」を用いて、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、ポリエステルフィルムの未処理面とポリオレフィン樹脂層との接合面での剥離強度を測定した。なお、引張速度は10cm/分、剥離角度は180度とした。
[吸湿率]
本発明にかかるフィルムを一辺50mmの正方形に切り出し、JIS−K−7209−7.2.1(A法)に準ずる方法で、23℃±2℃の温度に保持した水に浸漬させた前後のフィルムの重量変化を測定した。吸湿率は下記式(1)により算出した。
吸湿率(%)=100×(〔M2〕−〔M1〕)/〔M1〕 (1)
なお、上記式(1)において、〔M1〕は水浸漬前のフィルム重量、〔M2〕は水浸漬後のフィルム重量である。
比較例5
2軸ベント式押出機を用いてPBT樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック製ノバデュラン5020、融点220℃)と滑剤としての炭酸カルシウムを含むマスターバッチを添加し、滑剤濃度として2000ppmとなるように配合したものを270℃で溶融させた後、270℃のT−ダイスからキャストし、0℃の冷却ロールに静電密着法により密着させて未延伸フィルムを得た。冷却ロールの表面温度について、幅方向に10cm間隔で測定(熱電対)したところ、そのばらつきは3℃以下であった。次いで、60℃で縦方向に3.2倍ロール延伸し、次いで、テンターに通して80℃で横方向に3倍延伸し、200℃で3秒間の緊張熱処理と1秒間の緩和処理を実施した後、両端部を切断除去して厚みが12μmのPBTフィルムを得た。得られたフィルムの製膜条件、物性および評価結果を表1に示した。なお、フィルム端部での配向軸角度は17°であり、熱収縮率測定後のサンプルの歪みは僅かであった。
[実施例
2軸ベント式押出機を用いてPBT樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック製ノバデュラン5020)と滑剤としての炭酸カルシウムを含むマスターバッチを添加し、滑剤濃度として2000ppmとなるように配合したものを270℃で溶融させた後、メルトラインを12エレメントのスタティックミキサー(STMX)に導入した。これにより、PBT溶融体の分割・積層を行い、同一の原料からなる多層溶融体を得た。その後、270℃のT−ダイスに導入してキャストし、15℃の冷却ロールに静電密着法により密着させて未延伸フィルムを得た。冷却ロールの表面温度について、幅方向に10cm間隔で測定(熱電対)したところ、そのばらつきは3℃以下であった。次いで、60℃で縦方向に3.8倍ロール延伸し、次いで、テンターに通して65℃で横方向に3倍延伸し、200℃で3秒間の緊張熱処理と1秒間の緩和処理を実施した後、両端部を切断除去して厚みが12μmのPBTフィルムを得た。得られたフィルムの製膜条件、物性および評価結果を表
1に示した。なお、フィルム端部での配向軸角度は15°であり、熱収縮率測定後のサンプルの歪みは僅かであった。
[実施例2〜3
表1記載の条件によりフィルムを得た。得られたフィルムの製膜条件、物性および評価結果を表1に示した。なお、Ecoflex(登録商標)はBASF社製のポリブチレンアジペートブチレンテレフタレート共重合体(PBAT)を用いた。
[比較例1]
キャスト時の冷却ロール温度を15℃とした以外は実施例1記載の方法でフィルム化を検討した。表2に製膜条件を示す。未延伸フィルムのMD延伸時に破断し、フィルムを得ることができなかった。
[比較例2]
表2記載の条件によりフィルムを得た。得られたフィルムの製膜条件、物性および評価結果を表2に示した。
[比較例3]
表2記載の条件により得られた未延伸フィルムをサンプルとして用いた。厚みは20μmとなるように、巻き取り速度を調整してフィルムを製膜した。なお、フィルム端部での配向軸角度は5度以下であり、熱収縮率測定後のサンプルの歪みは見られなかった。
[比較例4]
東洋紡社製東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5100(厚さ12μm)を用いた。
[参考例1]
代表的なPBTフィルムとして、市販されている関西化学工業社製PBTフィルムを用いた。フィルム端部での配向軸角度は5度以下であり、熱収縮率測定後のサンプルの歪みは見られなかった。
本発明のポリエステルフィルムは、結晶化速度の大きいPBTを延伸する際に起こる破断を抑制するために、特に幅方向でダイスからの溶融樹脂吐出でのせん断速度やキャスト時の冷却速度の違いによる結晶化度の不均一化を抑制し、未延伸状態における幅方向での比重差を小さくすることで、延伸時の破断を大幅に抑制し、工業的に実施可能であり、MDおよびTD方向での力学特性のバランス、耐衝撃性などの改善ができる。

Claims (6)

  1. ポリブチレンテレフタレートを60質量%以上含むポリエステル樹脂からなり、MDの破断伸度155%以上、TDの破断伸度105%以上、面配向が0.12〜0.14、インパクト強度が0.05J/μm以上、突き刺し強度が0.5N/μm以上であるポリエステルフィルム。
  2. 延伸後のフィルムの全幅を10等分して測定される面配向係数の最大値と最小値の差が0.02以下である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 延伸後のフィルムの全幅での厚みの最大値と最小値の差が平均厚みに対して0〜25%である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
  4. 延伸後のフィルムのMD熱収縮率の上限が4%であり、及びTD熱収縮率の上限が3%である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  5. 延伸後のフィルムのMD弾性率及びTD弾性率の下限が1GPaである請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  6. 延伸後のフィルムのヘイズの上限が50%である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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