JP6194270B2 - 鞍乗型車両のフレーム構造 - Google Patents

Description

本発明はフレーム構造に関し、特に、メインフレーム内にエアクリーナを内蔵したモノコック構造を備えた鞍乗型車両のフレーム構造に関する。

従来の鞍乗型車両において、中空状に形成した内部にエアクリーナを内蔵した、所謂モノコック構造のメインフレームを用いた車両がある。このモノコック構造のメインフレームは、メインフレームの下側に搭載されたエンジンに対して、メインフレーム内部を通過してエアクリーナによって浄化された空気を、メインフレームに接続された吸気経路を介してエンジンに供給する構造である（例えば、特許文献１）。

実用新案登録２５１２８７８号公報

特許文献１に記載された構造においては、エアクリーナのフィルターエレメントの固定は、ボルトなどの締結部材を用いている。このようにボルトなどが用いられた構造では、フィルターエレメントの装着ならびに取り外しに際して工具を必要とするために、工具を挿入するための作業空間を確保する必要がある。また、エアクリーナは、定期的なメンテナンスを必要とするが、ボルトなどの締結部材により取り付けられたフィルターエレメントの着脱は作業時間を要するという課題があった。

本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルターエレメントのフレーム内への着脱が容易なモノコック構造を備えた鞍乗型車両のフレーム構造を提供することにある。

上記目的を達成するために、請求項１に係る発明は、
ヘッドパイプから後方へ延びると共に内部が中空状のメインフレームと、
前記メインフレームに、フィルターエレメントが配置されることによりダーティーサイド部とクリーンサイド部とに区画されるエアクリーナとを備え、前記メインフレームの前部に吸気導入用の前部開口部が形成された鞍乗型車両のフレーム構造において、
前記メインフレームの内面壁には、フレーム空間内方に周状に突出する第１リブと、前記第１リブに対して吸気流の上流側若しくは下流側に、フレーム空間内方に向かって突出する第２リブと、が形成され、
前記フィルターエレメントには、前記内面壁に略沿う方向に延出されて前記第２リブに係合可能な係合部が形成され、
前記第１リブは、前記フィルターエレメントを周状に囲むことで区画壁を構成し、前記第２リブは、前記フィルターエレメントと係合して前記フィルターエレメントを支持することを特徴とする。

請求項２に係る発明は、請求項１に記載の構成に加えて、
前記第１リブと前記第２リブとの間に、吸気流の流れ方向から見て前記フィルターエレメントと重なるようにフレーム空間内方へ突出する第３リブが形成されていることを特徴とする。

請求項３に係る発明は、請求項２に記載の構成に加えて、
前記フィルターエレメントに、吸気流の流れ方向から見て前記第３リブと重なる位置にフランジ部を設け、前記フランジ部の先端には、端面丸み部が形成されていることを特徴とする。

請求項４に係る発明は、請求項１〜３の何れか一項に記載の構成に加えて、
前記メインフレームには、上部に上部開口部が形成され、
前記上部開口部は、上部蓋部材により閉塞され、
前記上部蓋部材の内側には、吸気流の流れ方向から見て前記フィルターエレメントと重なるように突出する第４リブが形成されていることを特徴とする。

請求項５に係る発明は、請求項４に記載の構成に加えて、
前記メインフレームの側面視において、前記第２リブは、前記第１リブよりも吸気流の下流側の位置で且つ前記上部開口部の鉛直方向における投影範囲内に配置されていることを特徴とする。

請求項６に係る発明は、請求項１〜５の何れか一項に記載の構成に加えて、
前記メインフレームは、前記フィルターエレメントの吸気流の上流側で少なくともエレメント濾過部よりも下側に水抜き穴が形成されていることを特徴とする。

請求項７に係る発明は、請求項１〜６の何れか一項に記載の構成に加えて、
前記メインフレームの側面視において、前記第１リブの前記リブ下壁面部よりも吸気流の上流側に、前記リブ下壁面部と前記リブ下壁面部の突出基部に向かって下方に傾斜する前記内面壁の下面壁とよって、下部凹み空間が形成されていることを特徴とする。

請求項８に係る発明は、請求項１〜７の何れか一項に記載の構成に加えて、前記メインフレームは、鋳造により成型される一体構造部品として形成されていることを特徴とする。

請求項１の発明によれば、メインフレームの内面壁には、フレーム空間内方に周状に突出する第1リブと、第１リブに対して吸気流の上流側若しくは下流側に、フレーム空間内方に向かって突出する第２リブと、が形成され、フィルターエレメントには、内面壁に略沿う方向に延出されて第２リブに係合可能な係合部が形成され、第１リブは、フィルターエレメントを周状に囲むことで区画壁を構成し、第２リブは、フィルターエレメントを係合して支持するので、フィルターエレメントを保持するためにボルト等の締結部材を必要としない。したがって、フィルターエレメントの装着あるいは取外しが容易になり、エアクリーナの整備性が向上する。

請求項２の発明によれば、第１リブと第２リブとの間に、吸気流の流れ方向から見てフィルターエレメントと重なるようにフレーム空間内方へ突出する第３リブが形成されているので、フィルターエレメントを第３リブによっても支持することができる。

請求項３の発明によれば、フィルターエレメントに、吸気流の流れ方向から見て第３リブと重なる位置にフランジ部を設け、フランジ部の先端には、端面丸み部が形成されているので、フィルターエレメントの装着あるいは取外しに際して、フィルターエレメントの端面丸み部を、第３リブに重ね合わせるように仮保持し、端面丸み部を支点にして回転するようにして着脱操作をすることができ、フィルターエレメントの装着時の位置決めが容易であり、取り外し時の脱落防止など操作性を向上することができる。

請求項４の発明によれば、メインフレームには、上部に上部開口部が形成され、上部開口部は、上部蓋部材により閉塞され、上部蓋部材の内側には、吸気流の流れ方向から見てフィルターエレメントと重なるように突出する第４リブが形成されているので、フィルターエレメントの一部分を第４リブにより位置規制したり押さえたりすることができる。

請求項５の発明によれば、メインフレームの側面視において、第２リブは、第１リブよりも吸気流の下流側の位置で且つメインフレームを略上方から見たときの上部開口部の投影範囲内の位置に配置されていることにより、フィルターエレメントの着脱は、上部開口部を作業スペースとして利用できるので、容易に出来、作業性が良い。

請求項６の発明によれば、メインフレームは、フィルターエレメントの吸気流Ｆの上流側で少なくともエレメント濾過部よりも下側に水抜き穴が形成されているので、エレメント濾過部が水により濡れるのを防止することができる。

請求項７の発明によれば、メインフレームの側面視において、第１リブのリブ下壁面部と内面壁とよって、第１リブよりも吸気流の上流側に、下方に向かって凹む下部凹み空間が形成されていることで、ダーティーサイド部のダストを下部凹み空間に溜めておくことができる。したがって、フィルターエレメントの着脱時に清掃作業がやり易い。

請求項８の発明によれば、メインフレームは、鋳造により成型される一体構造部品として形成されているので、一度の加工によりフレーム内方に突出する第１リブ、第２リブ、第３リブを形成することができ、生産性がよい。

本発明に係るフレーム構造のメインフレームを備えた鞍乗型車両の一部左側面図である。 図１に示す鞍乗型車両に適用したメインフレームを左斜め上方から見た分解斜視図である。 図２に示すメインフレームを前方から見た正面図である。 図２に示すメインフレームの内部を後上方から見た斜視図である。 フィルターエレメントが装着された状態のメインフレームを前後方向に沿って切断したときの要部概略断面図である。 フィルターエレメントが装着された状態のメインフレームの内部を示し、クリーンサイド部側から見た要部断面斜視図である。 フィルターエレメントが装着されていない状態のメインフレームの内部を示し、ダーティーサイド部側から見た要部断面斜視図である。 図６に示すＸ−Ｘ断面に沿った部分の断面図である。 フィルターエレメントの下部側のフランジ部を示す部分斜視図である。

以下、本発明の実施形態の鞍乗型車両である自動二輪車について、図１〜図９を参照して説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、以下の説明において、前後、左右、上下は、操縦者から見た方向に従い記載し、また、図面に車両の前方をＦｒ、後方をＲｒ、左側をＬ、右側をＲ、上方をＵ、下方をＤ、として示す。

図１に示すように、自動二輪車１における車体の骨格部であるフレーム構造５は、
ヘッドパイプ６から車両後方に延びると共に内部が中空状のメインフレーム７を有し、このメインフレーム７の後部から後方に延びる後方フレーム１８に運転者が跨るためのシート（不図示）を支持した構造である。前輪ＦＷの懸架操舵機構は、ヘッドパイプ６に操舵自在に取付けられたフロントフォーク１６と、このフロントフォーク１６の上部においてヘッドパイプ６を貫通するステアリング軸１９の上端に取付けられたバーハンドル１７とを有する。また、後輪（不図示）を駆動するエンジン１０は、メインフレーム７の下方に保持されている。

エンジン１０は、例えば前後に二気筒ずつ左右に並んだ複数のシリンダ部１０ａ，１０ｂが、クランク軸部１０ｓを基準に、前後方向にＶ字型に配置されたＶ型エンジンである。
また、後方フレーム１８の下側には、エンジン後端側にてピボット支持されて上下揺動可能に支持されたスイングアーム（不図示）に後輪（不図示）が支持されている。なお、後輪は、エンジン１０側のドライブスプロケット１０ｄと後輪側のドリブンスプロケット間（不図示）に掛け渡されたドライブチェーン（不図示）により駆動力が伝達される。

図１、図２および図３に示すように、メインフレーム７は、大きな内部空間が形成されたモノコック構造である。そして、メインフレーム７の前部には、吸気導入用の前部開口部７ｆが形成され、下部には、エンジン１０と連通する連通用開口部７ｂが形成されている。また、メインフレーム７の上部には、上部開口部７ａが設けられており、この上部開口部７ａは、上部蓋部材８により閉じられる。

このメインフレーム７内には、フィルターエレメント３０が取り付けられている。このフィルターエレメント３０が取付けられることで、フィルターエレメント３０の前方側がダーティーサイド部２１ｄとして形成され、後方側がクリーンサイド部２１ｃとして形成されたエアクリーナ２０が構成される。
なお、メインフレーム７の下方に配置されたエンジン１０とエアクリーナ２０のクリーンサイド部２１ｃとは、例えば、連通用開口部７ｂを閉じる連通口用蓋部材４０に保持された複数の吸気経路部材７０が設けられている。この吸気経路部材７０がスロットルボディ１０ｅに接続されている。

このように構成されたエアクリーナ２０において、吸気流Ｆは、図５に示すように、前方から流入され、前部開口部７ｆからダーティーサイド部２１ｄに入り、フィルターエレメント３０を通過してクリーンサイド部２１ｃに入り、そして、クリーンサイド部２１ｃに開口している吸気経路部材７０からスロットルボディ１０ｅに供給される。

図４に示すように、メインフレーム７には、その前後方向の略中段の位置にフィルターエレメント３０が取付けられるが、本実施形態においては、従来のようにボルトなどを用いることなく、以下説明するように、内面壁２０ｗに形成したリブ構造およびフィルターエレメント３０の枠構造によって取付ける構造となっている。

先ず、メインフレーム７の内面壁２０ｗに設けられるリブ構造について説明する。
図４に示すように、上部開口部７ａから前方側に見える位置の内面壁２０ｗに、車両横断面に沿うように内面壁２０ｗの上下左右の全周にわたって連続してフレーム空間内方に突出する第1リブ１１が形成されている。すなわち、第1リブ１１は、上側のリブ上壁面部と、下側のリブ下壁面部１１Ｄと、左右両側のリブ左壁面部１１Ｌおよびリブ右壁面部１１Ｒとから構成されている。

また、第１リブ１１に対して後方側（吸気流Ｆの下流側）の内面壁２０ｗには、フレーム空間内方に向かって突出する左右二対（右側は図７参照）の第２リブ２２が形成されている。この第２リブ２２は、板状の部材で第１リブ１１のリブ左壁面部１１Ｌおよびリブ右壁面部１１Ｒに対して等間隔ｄ１で上下に並んで配置されている。

また、本実施形態においては、図４、図５および図６に示すように、第１リブ１１と第２リブ２２との間で、吸気流Ｆの流れ方向から見てフィルターエレメント３０の下側のフランジ部３１と重なるようにフレーム空間内方へ突出する第３リブ３３が形成されている。この第３リブ３３は、第１リブ１１の下側のリブ下壁面部１１Ｄに隣接して平行に突出して左右一対設けられている。

また、図５に示すように、メインフレーム７の側面視において、第１リブ１１は、上部開口部７ａよりも吸気流Ｆの上流側に配置されていると共に、第２リブ２２が、第１リブ１１よりも吸気流Ｆの下流側の位置で且つメインフレーム７を略上方（図５における矢印Ｙ方向）から見たとき、上部開口部７ａの投影範囲Ｚ内の位置に配置されている。このことは、フィルターエレメント３０を取付ける際に、上部開口部７ａから挿入して行う取付け操作がし易い構造ということができる。

また、メインフレーム７には、フィルターエレメント３０の前方で下方側には、水抜き穴５０が設けられている。この水抜き穴５０の形成位置は、例えば、エレメント濾過部３５のエレメント濾過部３５の下端位置ＵＬ（図５参照）よりも下側に形成されている。

また、メインフレーム７の側面視において、第１リブ１１の下側のリブ下壁面部１１Ｄとこのリブ下壁面部１１Ｄの突出基部に向かって下方に傾斜する内面壁２０ｗの下面壁２０ｗｄとよって、リブ下壁面部１１Ｄよりも前方側（吸気流Ｆの上流側）に、下部凹み空間１２が形成されている。

メインフレーム７は、鋳造により成型される一体構造部品として形成されている。これは、フレーム内方に突出する第１リブ１１、第２リブ２２、第３リブ３３などの多数の突起構造が一度の加工により形成される。

メインフレーム７の内部に前掲のようなリブ構造が設けられている一方、フィルターエレメント３０は、図５および図６に示すように、フィルターエレメント３０のエレメント濾過部３５の外周を囲む外周枠部３０ａが設けられており、この外周枠部３０ａから更に外側に突出したフランジ部３１が設けられている。また、このフランジ部３１には、例えば、エレメント厚み方向に延びた二つの補強リブ３１ａ，３１ｂが設けられている。さらに、フィルターエレメント３０の左右両側のフランジ部３１には、内面壁２０ｗに略沿って後方に延出される左右二対の係合部３２（右側のみ図示）が形成されている。この係合部３２は、後方に延びる係合部アーム３２ｍの先端側に係合孔３２ａを備えており、この係合孔３２ａと第２リブ２２とが係合可能になっている。

フィルターエレメント３０の保持は、図５および図６に示すように、フィルターエレメント３０のフランジ部３１が、第１リブ１１の後方面に接する一方、係合部３２の係合孔３２ａ内に第２リブ２２が入り込むように係合することで、フィルターエレメント３０が第１リブ１１と第２リブ２２との間に係合保持される。

また、本実施形態におけるフィルターエレメント３０は、例えば、係合部３２により、フランジ部３１が第１リブ１１の後方面１１ｇに当接するように付勢させることもできる。これは、第１リブ１１と第２リブ２２との間隔ｄ１に対して、係合孔３２ａの孔前面壁３２ａｗからフランジ部３１の前面壁３１ｆまでの距離ｄ２が若干大きくなるように設定されて、更に、係合部３２が合成樹脂にて形成されていることで付勢力を生じさせることができる。すなわち、第２リブ２２に係合孔３２ａを係合させることで、係合部３２の係合部アーム３２ｍが若干撓むように装着することもできるので、フィルターエレメント３０を第１リブ１１に押し付けるように支持することもできる。
また、図８に示すように、弾性変形可能なシール部材３８を、第１リブ１１の後方面１１ｇとフランジ部３１との間に挟み込むように配置することで、このシール部材３８が適宜変形密着してシール性を高めることができる。

また、図９に示すように、フィルターエレメント３０の下側のフランジ部３１には、第３リブ３３と重なる位置に、端面丸み部３１ｅが形成されている。

また、メインフレーム７の形成された上部に上部開口部７ａは、上部蓋部材８により閉塞される。この上部蓋部材８には、フィルターエレメント３０に対して吸気流Ｆの流れ方向から見て重なるように突出する第４リブ４４が形成されている。

ここで、フィルターエレメント３０の取付けについて説明する。
先ず、上部蓋部材８が外された状態において（図４参照）、上部開口部７ａからフィルターエレメント３０を挿入する。そして、フィルターエレメント３０の下側のフランジ部３１に形成された端面丸み部を、第２リブ２２の内側（第１リブ１１との間）に入れるように載せる。その後、この端面丸み部３１ｅを支点にして前方へ回転（図９に示す矢印Ｂ方向）するように押し込むと共に、係合部３２の係合孔３２ａを第２リブ２２に係合させる。この操作によって、フィルターエレメント３０はメインフレーム７内に保持される。その後、上部開口部７ａに上部蓋部材８を被せて閉じる。これにより、上部蓋部材８の第４リブ４４は、フィルターエレメント３０の上側のフランジ部３１の後方側に位置する。

また、フィルターエレメント３０を取り外す際には、上部蓋部材８を外した後に、上部開口部７ａから手を入れて、各係合部３２の先端部３２ｅを、内面壁２０ｗから離すように持ち上げて（図８の矢印Ｃ方向）第２リブ２２から外す。また、全ての係合部３２を外した状態においても、フィルターエレメント３０は、その端面丸み部３１ｅが第２リブ２２と第１リブ１１との間に位置して位置規制されて、脱落することなく取り出すことができる。

このように本実施形態においては、エアクリーナ２０を形成する内面壁には車両横方向の面に沿ってフレーム空間内方に突出する第1リブ１１と、第１リブ１１に対して上流側若しくは下流側の内面壁２０ｗに、フレーム空間内方に向かって突出する第２リブ２２とが形成され、フィルターエレメント３０には、内面壁２０ｗに略沿う方向に延出されて第２リブ２２に係合可能な係合部３２が形成されていることで、フィルターエレメント３０は、第1リブ１１と第２リブ２２の間に係合して支持されるように構成されているので、フィルターエレメント３０を保持するためにボルト等の締結部材を必要としない。したがって、フィルターエレメント３０の装着あるいは取外しが容易になり、エアクリーナ２０の整備性が向上する。

また、本実施形態においては、第１リブ１１と第２リブ２２との間で、吸気流Ｆの流れ方向から見てフィルターエレメント３０と重なるようにフレーム空間内部へ突出する第３リブ３３が形成されたので、フィルターエレメント３０を第３リブ３３によっても支持することができる。

また、本実施形態においては、フィルターエレメント３０のフランジ部３１には、第３リブ３３と重なる位置に、端面丸み部３１ｅが形成されているので、フィルターエレメント３０の装着あるいは取外しに際して、フィルターエレメント３０の端面丸み部３１ｅを、第３リブ３３に重ね合わせるように仮保持し、端面丸み部３１ｅを支点にして回転するようにして着脱操作をすることができ、フィルターエレメント３０の装着時の位置決めが容易であり、取り外し時の脱落防止など操作性を向上することができる。

また、本実施形態においては、メインフレーム７の上部には、上部蓋部材８により閉塞される上部開口部７ａが形成され、この上部蓋部材８には、フィルターエレメント３０に対して吸気流Ｆの流れ方向から見て重なるように突出する第４リブ４４が形成されているので、フィルターエレメント３０の一部分を第４リブ４４により位置規制したり押さえたりすることができる。

また、本実施形態においては、メインフレーム７の側面視において、第１リブ１１は、上部開口部７ａよりも吸気流Ｆの上流側に配置され、第２リブ２２は、第１リブ１１よりも吸気流Ｆの下流側の位置で且つメインフレーム７を略上方から見たときの上部開口部７ａの投影範囲内の位置に配置されていることにより、フィルターエレメント３０の着脱は、上部開口部７ａを作業スペースとして利用できるので、容易に出来、作業性が良い。

また、本実施形態においては、メインフレーム７は、フィルターエレメント３０の吸気流Ｆの上流側で少なくともエレメント濾過部３５の下端位置ＵＬ（図５参照）よりも下側に水抜き穴が形成されているので、エレメント濾過部３５が水により濡れるのを防止することができる。

また、本実施形態においては、メインフレーム７の側面視において、第１リブ１１のリブ下壁面部１１Ｄと下面壁２０ｗｄとよって、第１リブ１１よりも吸気流Ｆの上流側に、下方に向かって凹む下部凹み空間１２が形成されていることで、ダーティーサイド部２１ｄのダストを下部凹み空間１２に溜めておくことができる。したがって、フィルターエレメント３０の着脱時に清掃作業がやり易い。

また、本実施形態においては、メインフレーム７は、鋳造により成型される一体構造部品として形成されているので、一度の加工によりフレーム内方に突出する第１リブ１１、第２リブ２２、第３リブ３３を形成することができ、生産性がよい。

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、適宜変更できる。例えば、前掲の実施形態においては、第１リブ１１に対して吸気流Ｆの下流側の第２リブ２２が形成されたが、本発明においては、第２リブ２２が第１リブ１１に対して吸気流Ｆの上流側に配置された構造であってもよい。
また、第１リブ１１、第２リブ２２、第３リブ３３ならびに第４リブ４４の形状、さらには、係合部３２の形状については、前掲の実施形態に限らず適宜変更することができる。また、第２リブ２２および係合部３２の数は、左右二対に限るものではなく適宜変更することができる。

１ 自動二輪車（鞍乗型車両）
５ フレーム構造
６ ヘッドパイプ
７ メインフレーム
７ａ 上部開口部
７ｆ 前部開口部
８ 上部蓋部材
１１ 第１リブ
１１Ｄ リブ下壁面部
１２ 下部凹み空間
２０ エアクリーナ
２０ｗ 内面壁
２０ｗｄ 下面壁
２１ｄ ダーティーサイド部
２１ｃ クリーンサイド部
２２ 第２リブ
３０ フィルターエレメント
３１ フランジ部
３１ｅ 端面丸み部
３２ 係合部
３２ａ 係合孔
３２ｍ 係合アーム
３３ 第３リブ
３５ エレメント濾過部
４４ 第４リブ
５０ 水抜き穴
Ｆ 吸気流
ＦＷ 前輪

Claims (8)

1. ヘッドパイプ（６）から後方へ延びると共に内部が中空状のメインフレーム（７）と、
   前記メインフレーム（７）に、フィルターエレメント（３０）が配置されることによりダーティーサイド部（２１ｄ）とクリーンサイド部（２１ｃ）とに区画されるエアクリーナ（２０）とを備え、前記メインフレーム（７）の前部に吸気導入用の前部開口部（７ｆ）が形成された鞍乗型車両（１）のフレーム構造（５）において、
   前記メインフレーム（７）の内面壁（２０ｗ）には、フレーム空間内方に周状に突出する第１リブ（１１）と、前記第１リブ（１１）に対して吸気流（Ｆ）の上流側若しくは下流側に、フレーム空間内方に向かって突出する第２リブ（２２）と、が形成され、
   前記フィルターエレメント（３０）には、前記内面壁（２０ｗ）に略沿う方向に延出されて前記第２リブ（２２）に係合可能な係合部（３２）が形成され、
   前記第１リブ（１１）は、前記フィルターエレメント（３０）を周状に囲むことで区画壁を構成し、前記第２リブ（２２）は、前記フィルターエレメント（３０）と係合して前記フィルターエレメント（３０）を支持する
   ことを特徴とする鞍乗型車両（１）のフレーム構造（５）。
2. 前記第１リブ（１１）と前記第２リブ（２２）との間に、吸気流（Ｆ）の流れ方向から見て前記フィルターエレメント（３０）と重なるようにフレーム空間内方へ突出する第３リブ（３３）が形成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の鞍乗型車両（１）のフレーム構造（５）。
3. 前記フィルターエレメント（３０）に、吸気流（Ｆ）の流れ方向から見て前記第３リブ（３３）と重なる位置にフランジ部（３１）を設け、前記フランジ部（３１）の先端には、端面丸み部（３１ｅ）が形成されている
   ことを特徴とする請求項２に記載の鞍乗型車両（１）のフレーム構造（５）。
4. 前記メインフレーム（７）には、上部に上部開口部（７ａ）が形成され、
   前記上部開口部（７ａ）は、上部蓋部材（８）により閉塞され、
   前記上部蓋部材（８）の内側には、吸気流（Ｆ）の流れ方向から見て前記フィルターエレメント（３０）と重なるように突出する第４リブ（４４）が形成されている
   ことを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の鞍乗型車両（１）のフレーム構造（５）。
5. 前記メインフレーム（７）の側面視において、前記第２リブ（２２）は、前記第１リブ（１１）よりも吸気流（Ｆ）の下流側の位置で且つ前記上部開口部（７ａ）の鉛直方向における投影範囲内に配置されている
   ことを特徴とする請求項４に記載の鞍乗型車両（１）のフレーム構造（５）。
6. 前記メインフレーム（７）は、前記フィルターエレメント（３０）の吸気流（Ｆ）の上流側で少なくともエレメント濾過部（３５）よりも下側に水抜き穴（５０）が形成されている
   ことを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載の鞍乗型車両（１）のフレーム構造（５）。
7. 前記メインフレーム（７）の側面視において、前記第１リブ（１１）のリブ下壁面部（１１Ｄ）よりも吸気流（Ｆ）の上流側に、前記リブ下壁面部（１１Ｄ）と前記リブ下壁面部（１１Ｄ）の突出基部に向かって下方に傾斜する前記内面壁（２０ｗ）の下面壁（２０ｗｄ）とよって、下部凹み空間（１２）が形成されている
   ことを特徴とする請求項１〜６のいずれか一項に記載の鞍乗型車両（１）のフレーム構造（５）。
8. 前記メインフレーム（７）は、鋳造により成型される一体構造部品として形成されている
   ことを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載の鞍乗型車両（１）のフレーム構造（５）。

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