JP6190201B2 - チップ検出装置及びチップ検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイシング後のウエハの第一チップを検出するチップ検出装置及びチップ検出方法に関する。
微小電子部品であるチップは、略円形のウエハに個々のチップに対応する回路が形成され、裏面に粘着シートが貼着された状態でダイシングによってウエハのみが個々のチップに分割されると共に、ピックアップによって粘着シートから個々のチップが分離され、チップトレー等に載置される。
また、チップは、ウエハに回路が形成されると、テスターを備える検査装置により回路の良否判定が行われ、不良チップがウエハ上のいずれに位置するかを示したウエハマップデータが作成される。
上記従来の検査装置は、表示装置により、ウエハの上面において格子状に展開された複数のチップの配列状態を表示し、不良と判定されたチップについては色分け等を行って視覚的に容易に確認することが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−040133号公報
ところで、上記チップは、円形のウエハに対し直交する二方向に格子状にダイシングを行い矩形に切り出される。
一方、検査装置によって作成されたウエハマップデータでは、不良チップの位置を格子状に並んだ複数のチップの並び順で特定している。
このため、検査後のウエハをピックアップ装置等に付け替えた場合に、並び順で先頭となる第一チップの位置を装置側に入力するティーチング作業が不可欠となっていた。
このティーチング作業は、撮像装置によりウエハを撮像し、その撮像画像に対してオペレーターが先頭のチップ位置を指定入力することにより行われる。
しかしながら、近年のチップの小型化により、ウエハ上に形成された無数のチップの中から任意のチップを目視により探すためには、ある程度広範囲な視野が必要であるが、視野を広くすると個々のチップが小さく表示される。また、ウエハは円形であるため、格子状にダイシングを行った場合、外縁部に近い切断片は矩形とならないためにチップの対象外となる。そして、ある程度広範囲な視野の場合、この対象外となる切断片とチップとの識別が難しくなり、目的のチップを見つけることが困難となる。
一方、視野を狭くしてチップの形状が明確になるようにした場合、ウエハ位置のどこを見ているのかが判り難かった。
このため、従来はウエハマップデータの示すチップ位置とウエハの実物の画像データにおけるチップ座標との合わせ込みを行う場合、作業者が何らかのウエハ上の特徴点を探しつつ、第一チップ位置をマニュアル操作によりティーチングしなければならなかったため、作業者の大きな負担となっていた。
本発明は、ウエハマップデータとウエハの実物上の位置の合わせ込み作業の負担軽減を図ることをその目的とする。
請求項1記載の発明は、
ダイシングによりチップ形成平面上で互いに直交するX軸方向とY軸方向とに沿って格子状に切断されたウエハの撮像画像データに基づいて、
ウエハマップデータ上のX軸方向に沿った複数のチップ列の中でY軸正方向の最も端に位置する第一のチップ列の中でX軸正方向の最も端に位置する第一チップを特定するチップ検出装置であって、
前記ウエハの前記Y軸正方向の端部の画像エリア内で、ウエハとその背面に貼られたウエハシートとの境界部分に第1テンプレート画像を用いたパターンマッチングによりウエハエッジを検出するウエハエッジ検出部と、
X軸方向に沿ったダイシング溝の部分画像に第2テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより、前記ウエハエッジ検出部により検出された前記ウエハエッジに最も近接するX軸方向に沿った第一のダイシング溝を検出するダイシング溝検出部と、
X軸方向に沿ったダイシング溝とY軸方向に沿ったダイシング溝の交差部分を含んだチップコーナーに第3テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより、前記ダイシング溝検出部により検出された前記第一のダイシング溝に接するチップコーナーを検出するチップコーナー検出部と、
前記チップコーナー検出部により検出されたチップコーナーの中で、前記X軸正方向の最も端に位置するチップコーナーを含むチップを前記第一チップと特定する第一チップ特定部とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記ウエハエッジ検出部は、前記ウエハと前記ウエハシートとの境界部分に第1テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより得られるY軸方向のウエハエッジ位置の候補が、予め定められた閾値より多くのマッチング結果が得られた場合に、前記候補をウエハエッジ位置と特定することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記ダイシング溝検出部は、X軸方向に沿ったダイシング溝の部分画像に第2テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより得られる複数のダイシング溝位置から前記第一のダイシング溝のX軸方向又はY軸方向に対する傾き角度を検出することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記チップコーナー検出部により得られる複数のチップコーナー位置からX軸方向における個々のチップ間距離を求め、X軸方向の両端部に位置する二つのチップコーナーの二点間距離と前記チップ間距離とから前記第一のチップ列のチップの個体数を算出する個体数算出部を備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記ウエハの撮像画像データは、前記第一のダイシング溝をX軸方向について複数回に分けて撮像した複数の撮像画像データからなることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記チップコーナー検出部で用いる前記チップコーナーの第3テンプレート画像は、前記ダイシング溝の交差部分に位置する四つのチップコーナーの中で、チップの前記X軸正方向且つ前記Y軸正方向の角部となるチップコーナーが最も占有面積が大きい画像からなることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、
ダイシングにより互いに直交するX軸方向とY軸方向に沿って格子状に切断されたウエハの撮像画像データを処理する装置によって、
ウエハマップデータ上のX軸方向に沿った複数のチップ列の中でY軸正方向の最も端に位置する第一のチップ列の中でX軸正方向の最も端に位置する第一チップを特定するチップ検出方法であって、
前記ウエハの前記Y軸正方向の端部の画像エリア内で、ウエハとその背面に貼られるウエハシートとの境界部分に第1テンプレート画像を用いたパターンマッチングによりウエハエッジを検出するウエハエッジ検出工程と、
X軸方向に沿ったダイシング溝の部分画像に第2テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより、前記ウエハエッジ検出工程により検出された前記ウエハエッジに最も近接するX軸方向に沿った第一のダイシング溝を検出するダイシング溝検出工程と、
X軸方向に沿ったダイシング溝とY軸方向に沿ったダイシング溝の交差部分を含んだチップコーナーに第3テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより、前記ダイシング溝検出工程において検出された前記第一のダイシング溝に接するチップコーナーを検出するチップコーナー検出工程と、
前記チップコーナー検出工程において検出されたチップコーナーの中で、前記X軸正方向の最も端に位置するチップコーナーを含むチップを前記第一チップと特定する第一チップ特定工程とを備えることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記ウエハエッジ検出工程は、前記ウエハと前記ウエハシートとの境界部分に第1テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより得られるY軸方向のウエハエッジ位置の候補が、予め定められた閾値より多くのマッチング結果が得られた場合に、前記候補をウエハエッジ位置と特定することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記ダイシング溝検出工程は、X軸方向に沿ったダイシング溝の部分画像に第2テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより得られるダイシング溝位置から前記第一のダイシング溝のX軸方向又はY軸方向に対する傾き角度を検出することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項7から9のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記チップコーナー検出工程により得られる複数のチップコーナー位置からX軸方向における個々のチップ間距離を求め、X軸方向の両端部に位置する二つのチップコーナーの二点間距離と前記チップ間距離とから前記第一のチップ列のチップの個体数を算出する個体数算出工程を備えることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項7から10のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記ウエハの撮像画像データは、前記第一のダイシング溝をX軸方向について複数回に分けて撮像した複数の撮像画像データからなることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項7から11のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記チップコーナー検出工程で用いる前記チップコーナーの第3テンプレート画像は、前記ダイシング溝の交差部分に位置する四つのチップコーナーの中で、チップの前記X軸正方向且つ前記Y軸正方向の角部となるチップコーナーが最も占有面積が大きい画像からなることを特徴とする。
請求項1及び7記載の発明は、作業者の目視に頼ることなく第一チップ位置を特定することができるので、ウエハマップデータとウエハの実物上の位置の合わせ込み作業の負担軽減を図ることが可能となる。
請求項2及び8記載の発明は、Y軸方向についてパターンマッチングのマッチング頻度の高い位置をウエハエッジ位置と確定するので、ウエハの外縁部の欠けや外縁部近傍にあった異物等の影響を排除し、精度良くウエハエッジ位置を求めることが可能である。
請求項3及び9記載の発明は、検出により得られる複数のダイシング溝の検出位置から傾き角度を検出するので、第一チップだけでなく、他のチップの位置も取得可能となり、ピックアップ作業における動作制御にも利用することができ、処理の効率化を図ることが可能となる。
請求項4及び10記載の発明は、第一のチップ列のチップの個体数を取得することができるので、ウエハマップデータに第一のチップ列のチップの個体数のデータが含まれている場合に、これと照合して、第一チップを特定するまでの処理の精度を確認することが可能である。
請求項5及び11記載の発明は、第一のダイシング溝をY軸方向について複数回に分けて撮像した複数の撮像画像データを使用している。仮に、第一のダイシング溝を全長に渡って一つの画像内に納めた撮像画像データを使用する場合、撮像エリアが広大になることにより、不要なエリアに対する画像処理が多数発生することとなるが、上記のように、第一のダイシング溝をY軸方向について複数回に分けて撮像することで、撮像エリアを必要部分に絞り込むことが容易となり、処理の高速化を図ることが可能となる。
請求項6及び12記載の発明は、チップコーナー検出に用いるチップコーナーの第3テンプレート画像が、ダイシング溝の交差部分に位置する四つのチップコーナーの中で、チップのX軸正方向且つY軸正方向の角部となるチップコーナーが最も占有面積が大きい画像となっている。
第一チップは、ウエハ内でX軸方向における規定の端部側且つY軸方向における規定の端部側に位置しているが、これをパターンマッチングで検出しようとする場合、第一チップのX軸方向における規定の端部側且つY軸方向における規定の端部側の角部がウエハエッジによって欠けを生じてチップとして使用されない欠片との誤認識を生じやすい。
しかしながら、上述のように、チップのX軸正方向且つY軸正方向の角部となるチップコーナーが最も占有面積が大きい画像を第3テンプレート画像とすることで、上記欠片との識別を正確に行うことができ、第一チップの識別精度を向上させることが可能となる。
本実施の形態であるピックアップ装置のブロック図である。 ウエハに対するカメラとパレットの移動方向との関係を示す説明図である。 ウエハの偏り状態を示した説明図である。 ウエハの傾き状態を示した説明図である。 チップ間ギャップを示すウエハの拡大平面図である。 第一チップの検出処理を示すフローチャートである。 ウエハに対するカメラの視野の初期位置を示す平面図である。 ウエハエッジ検出及びダイシング溝検出におけるタイミングチャートである。 各工程における視野の位置を示す説明図である。 ウエハエッジが視野に入った撮像画像を示す説明図である。 傾いたウエハエッジが視野に入った撮像画像を示す説明図である。 図12(A)はウエハエッジに剥がれと異物が存在する撮像画像を示し、図12(B)はその場合の頻度分布を示す説明図である。 第一のダイシング溝が視野に入った撮像画像を示す説明図である。 傾いた第一のダイシング溝が視野に入った撮像画像を示す説明図である。 パターンマッチングの結果から第一のダイシング溝検出座標を抽出した状態を示す説明図である。 視野中心と第一のダイシング溝とのY軸方向における隔たりを示す説明図である。 パターンマッチングにより第一のダイシング溝に沿って右に向かってチップコーナーを検出する状態を示す説明図である。 パターンマッチングにより第一のダイシング溝に沿って左に向かってチップコーナーを検出する状態を示す説明図である。 チップの右上のチップコーナーを主とするテンプレート画像の説明図である。 チップの左上のチップコーナーを主とするテンプレート画像の説明図である。 第一のダイシング溝に接するチップコーナーのみを抽出した状態を示す説明図である。 図22(A)はチップコーナー検出位置の推移を示し、図22(B)は図22(A)に示す検出開始位置A1における撮像画像、図22(C)は図22(A)に示す検出位置A2における撮像画像、図22(D)は図22(A)に示す検出位置A3における撮像画像を示す。 視野の移動による中心位置座標の変化を示す説明図である。 チップ個体数の算出方法を示した説明図である。
[ピックアップ装置]
本発明の実施形態として、チップ検出装置としての機能を備えた半導体のチップのピックアップ装置100について図面に基づいて説明する。
このピックアップ装置100は、図1のブロック図に示すように、ダイシング工程を経たウエハWがセットされるパレット101と、パレット101の垂直上方から個々のチップCのピックアップを行うピックアップヘッド102と、ピックアップヘッド102を水平な一方向であるX軸方向に沿って移動させるヘッド搬送機構103と、ヘッド搬送機構103の駆動回路104と、ピックアップヘッド102に搭載され、ウエハWの撮像を行う撮像装置としてのカメラ105と、パレット101を水平且つX軸方向に直交するY軸方向に沿って移動させるパレット搬送機構106と、パレット搬送機構106の駆動回路107と、ピックアップされたチップCが載置されるチップトレー108と、カメラ105の撮像により得られる撮像画像データの画像処理を行う画像処理部109と、上記各構成を制御するCPU110と、撮像画像データやウエハマップデータ等の各種データを記憶する記憶部111と、各種の情報や撮像画像を表示する表示部113と、作業者が情報やコマンドを入力する操作入力部114とを主に備えている。
上記ウエハWは、ピックアップ装置100に搭載される前の工程において、裏面にウエハシートWS(図2参照)が貼着された状態で当該ウエハシートWSを切断しないようにしながら上方から格子状にダイシングが行われる。かかるダイシングの際には、所望のチップサイズに応じた間隔でX軸方向に沿った複数のダイシング溝とY軸方向に沿った複数のダイシング溝が形成される。なお、このダイシングによりウエハWは個々のチップに分割されるが、裏面に貼られたウエハシートWSにより各チップがバラバラにならずに平面状に並んだ状態が維持される。
そして、ダイシング後のウエハWは、図2に示すように、ウエハシートWSの外周部がグリップリング112に張設保持される。このグリップリング112は、内輪と外輪とからなり、内輪の外径は、ウエハWよりも大きく、ウエハシートWSよりも小さくなっている。そして、内輪の上にダイシング済みのウエハWをウエハシートWSと共に乗せた状態で上から外輪を被せることで、内輪と外輪との隙間にウエハシートWSの外縁部が挟まれると共に、ウエハW全体が半径方向外側に張力を受けた状態で保持される。
さらに、ウエハWは、グリップリング112を介してピックアップ装置100のパレット101に装着される。パレット101の上面には、グリップリング112を外周部の三点で挟持する挟持部101aが設けられている。ウエハWには、通常、ノッチWn(図2参照)やオリフラが形成されており、これを利用して目視によりウエハWの向きを確認して装着が行われる。
ピックアップヘッド102は吸引ノズルを備え、当該吸引ノズルにより各チップCを吸着して上方に引き上げることでウエハシートWSからの剥離を行う。
ピックアップヘッド102は、ヘッド搬送機構103によりX軸方向に沿って移動可能であり、パレット101はパレット搬送機構106によりY軸方向に沿って移動可能となっている。従って、ヘッド搬送機構103とパレット搬送機構106との協働により、ピックアップヘッド102を相対的にパレット101上のウエハWの任意の位置に位置決めすることができる。
そして、これにより、ウエハマップデータに定められた第一チップC1から順番に各チップCが規定された順番でピックアップが行われる。
上記ウエハマップデータでは、X軸方向に沿った複数のチップ列の中でY軸正方向における規定の端部側の最も端(例えば、図2における上端部)に位置するチップ列を第一のチップ列と定め、さらに、当該第一のチップ列の中で最もX軸正方向における規定の端部側の最も端(例えば、図2における左端部)に位置するチップCを第一チップC1と定めている。
即ち、ウエハマップデータについて、図2に示す上側をY軸正方向、下側をY軸逆方向、左側をX軸正方向、右側をX軸逆方向と定めるものとする。なお、これは一例であって、正逆を逆に定義しても良い。
そして、ウエハマップデータでは、ピックアップの対象となるウエハWについて、予め検査により不良チップと判断されたチップを上述した第一のチップからの順番により特定している。従って、上記ピックアップ装置100においてピックアップを行う際には、CPU110は、第一チップC1から順番にピックアップを開始すると共に、チップCのピック数をカウントし、カウント値がウエハマップデータに定められた不良チップの順番に一致する場合には、当該不良チップをピックアップせずにそのまま放置する。
また、ピックアップヘッド102にはカメラ105が搭載されているが、ヘッド搬送機構103とパレット搬送機構106との協働により、カメラ105も相対的にパレット101上のウエハWの任意の位置を撮像することが可能となっている。
[第一チップ検出処理]
上述のように、ピックアップ装置100では、各チップCのピックアップと不良チップ判定のために、ウエハWにおける第一チップC1を正確に把握する必要がある。従って、以下に、ピックアップ装置100におけるCPU110と画像処理部109によるウエハWの第一チップC1の検出処理について説明する。
ウエハWはダイシング装置からピックアップ装置100に作業者により手作業で付け替えが行われるため、以下の位置変動要因が発生する。
(1)図3に示すように、ダイシング装置のダイサーリングからウエハWをグリップリング112に移設する際にウエハシートWSが拡張され、当該拡張によるウエハWに偏りΔX,ΔYが発生する。
(2)図4に示すように、パレット101上にグリップリング112を固定する際にウエハWが回転し、Δθの傾きを生じる。
これら(1),(2)のように、偏り、傾きが生じるおそれがあるため、新たにピックアップ装置100内にセットされたウエハWはその都度、第一チップ検出処理をおこなう必要がある。
但し、ウエハ途中までピックアップされた後、スタッカに戻されて再投入されるときは最終のピックアップ位置座標をPC管理するため、第一チップ検出処理を必要としない。
[第一チップ検出処理の前提条件]
第一チップ検出処理は、ウエハWの撮像画像データに対する画像処理に基づいて行われるため、ウエハWをパレット101に装着する際には、以下の条件を満たすことが要求される。
(1)グリップリング装着によるウエハシート拡張時のウエハ偏りは以下の範囲内に納めることを前提とする。
ΔX≦±5[mm],ΔY≦±5[mm]
(但し、カメラ下部移動時のグリップリング位置バラツキは、±1.0mm以下)
(2)グリップリングのパレットセット時のウエハWの回転角度ズレは以下の範囲内に納めることを前提とする。
Δθ≦±5[°]
(3)ウエハシート拡張率
ウエハサイズ、チップサイズに関わらず図5に示すチップ間ギャップ(Xgap,Ygap)が一定範囲内となるよう拡張することを前提とする。
20≦Xgap≦100[μm],20≦Ygap≦100[μm]
(4)パレットセット時のウエハオリフラの中心又はノッチがパレット101のY軸方向に沿った中心線上となるようにウエハWをパレット101上に装着することを前提とする。
なお、上記数値範囲は例示であり、適宜変更可能である。
[第一チップ検出方法の概要]
図6に示すフローチャートと図7に示す状態説明図により第一チップ検出処理に基づいて実行される第一チップ検出方法の概要を説明する。
まず、カメラ105の視野vの範囲はウエハWに比べて十分に小さい範囲となっている(例えば、4.8×3.6[mm])。そして、ヘッド搬送機構103とパレット搬送機構106の協動により、カメラ105を各ウエハサイズ毎に登録されている検出開始位置Spの座標(Xd,Yd)に位置決めする(ステップS1)。
検出開始位置Spの座標(Xd,Yd)は、パレット101上においてズレや傾きの生じない理想的な状態で取り付けられたウエハWのウエハシートWSとグリップリング112との境界部分におけるY軸方向一端部(図7における上端部)に一致しており、カメラ105は、当初、その視野中心が座標(Xd,Yd)に一致する位置に位置決めされる(初期位置とする)。
次に、カメラ105により撮像を行い、その撮像画像データからウエハWとウエハシートWSとの境界となるウエハエッジWeの検出を行う(ステップS3:ウエハエッジ検出工程)。
このとき、視野v内にウエハエッジWeが検出されない場合には、パレット搬送機構106により視野vをY軸逆方向(図7における下側)に所定の移動ピッチで移動を繰り返しながらウエハエッジ検出を繰り返す(ステップS5)。この場合のパレット101の移動ピッチは、カメラ105の視野範囲(xs,ys)に対してY軸方向の幅の半分(ys/2:1.8[mm])とする。また、図8のタイミングチャートに示すように、ウエハエッジWeが検出されるまで周期的にカメラ105の視野vの移動とカメラ105による撮像と画像処理部109によるウエハエッジWeの検出処理とが順番に実行される。なお、撮像は、例えば60[fps]の速度で実行される。
上記ウエハエッジWeの検出処理は、CPU110と画像処理部109との協働により行われ、これらは「ウエハエッジ検出部」として機能するものである。
そして、ウエハエッジWeを検出すると、当該ウエハエッジ検出と同様にして、カメラ105による撮像画像データから第一のダイシング溝D1の検出を行う(ステップS7:ダイシング溝検出工程)。第一のダイシング溝D1とは、検出されたウエハエッジWeから最も近接するX軸方向のダイシング溝を示す。
この場合も、視野v内に第一のダイシング溝D1が検出されない場合には、パレット搬送機構106により視野vをY軸逆方向(図7における下側)にys/2の移動ピッチで移動させながら、当該移動と検出とを、第一のダイシング溝D1が検出されるまで繰り返し実行する(ステップS9)。
上記第一のダイシング溝D1の検出処理は、CPU110と画像処理部109との協働により行われ、これらは「ダイシング溝検出部」として機能するものである。
次に、検出した第一のダイシング溝D1からその傾きを算出する(ステップS11:ダイシング溝傾き検出工程)。
さらに、パレット搬送機構106を駆動して、カメラ105の視野vの中心位置と検出された第一のダイシング溝D1とをY軸方向について一致させる(ステップS13:撮像位置調節工程)。
そして、ヘッド搬送機構103によりカメラ105の視野vをX軸逆方向(図7における右側)に向かってxs/2の移動ピッチで移動させつつ撮像を行い、第一のダイシング溝D1に沿って並んだ第一のチップ列の各チップCのチップコーナーCsの位置検出を行う(ステップS15)。このチップコーナーCsの位置検出は、X軸逆方向の最も端のチップCのチップコーナーCsを検出するまで繰り返し実行する(ステップS17)。
この場合も、図8に示すように、上述のチップコーナーCsが検出されるまで周期的にカメラ105の視野vの移動とカメラ105による撮像と画像処理部109によるウエハエッジWeの検出処理とが順番に実行される。
なお、「カメラ105の視野vの移動」という場合には、ウエハWに対するカメラ105の視野vの相対的な移動を意味し、ヘッド搬送機構103によるX軸方向に沿った移動とパレット搬送機構106によるY軸方向に沿った移動の双方を含むものとする。
さらに、ヘッド搬送機構103によりカメラ105の視野vをX軸方向における中央に戻してから、X軸正方向(図7における左側)に向かってxs/2(2.4[mm])の移動ピッチで移動させながら第一のチップ列の各チップCのチップコーナーCsの位置検出を行う(ステップS19)。このチップコーナーCsの検出は、X軸正方向の最も端のチップのチップコーナーCsを検出するまで繰り返し実行する(ステップS21)。
なお、上記ステップS17〜S21までが「第一のダイシング溝に隣接するチップコーナーCsを検出するチップコーナー検出工程」に相当する。
また、上記チップコーナーCsの検出処理は、CPU110と画像処理部109との協働により行われ、これらは「チップコーナー検出部」として機能するものである。
検出された各チップコーナー位置から第一のチップ列のチップ間隔を求め、さらに、第一のチップ列のチップCの個体数を算出する(ステップS23:個体数算出工程)。
上記チップCの個体数を算出処理は、CPU110と画像処理部109との協働により行われ、これらは「個体数算出部」として機能するものである。
そして、求められた第一のチップ列のチップ個体数をウエハマップデータに定められた第一のチップ列のチップ個体数と比較し(ステップS25)、一致した場合には、X軸方向における他方の最も端部寄りのチップコーナーCsに属するチップCを第一チップC1に特定し(ステップS27:第一チップ特定工程)、処理を終了する。
また、チップ個体数が一致しない場合には、[第一チップ検出エラー]を表示部113により報知し、処理を終了する。なお、このエラー報知を行った場合には、表示部113でカメラ105による撮像画像を表示し、作業者が操作入力部114から表示部113の画像の目視によって第一チップを特定し入力するティーチングモードに切り替わるようになっている。
上記第一チップC1の特定処理は、CPU110と画像処理部109との協働により行われ、これらは「第一チップ特定部」として機能するものである。
[第一チップ検出方法:ウエハエッジ検出工程]
次に、上記第一チップ検出方法の各工程について詳細に説明する。図9は各工程における視野vの位置を示している。なお、ここでは検出対象となるチップCは縦横のサイズがいすれも0.5[mm]であるものを例示する。図9において視野v1は検出開始位置Spを中心とする初期位置の視野vを示し、視野v2はys/2の移動ピッチで移動が行われてウエハエッジWeが撮像範囲内となった視野vを示している。また、図10は視野v2における撮像画像を示している。
まず、ウエハエッジ検出工程の前提として、予めウエハエッジのテンプレート画像(第1テンプレート画像)Peを記憶部111に登録する。このウエハエッジの第1テンプレート画像Peは、Y軸方向に長い矩形のエリアであり、その長手方向中央にX軸方向に沿った理想的な状態のウエハエッジが位置し、当該ウエハエッジを境にY軸正方向側(上側)がウエハシートWSの上面に位置し、Y軸逆方向側(下側)の半分がウエハWの上面に位置する画像である。
そして、第1テンプレート画像PeのY軸方向幅はチップCのY軸方向幅より幾分小さく、X軸方向幅はチップCのX軸方向幅よりも十分に小さく(例えば、数分の一程度)なっている。
また、このウエハエッジの第1テンプレート画像Peは、剥がれや異物が存在しない理想的なウエハエッジWeが存在する視野vの画像に対して、パターンマッチングによりマッチングする取得データ数が所定数以上(例えば、30以上)得られるものを選定する。
ウエハエッジ検出工程は、視野v1(初期位置)から開始され、ウエハエッジWeが検出されるまで、所定の移動ピッチys/2でY軸逆方向側(下側)に向かって視野vの移動が行われる。
即ち、初期位置又は移動後の視野vの撮像画像データに対して、画像処理部109が、ウエハエッジの第1テンプレート画像Peによるパターンマッチングを適用したグレーサーチ処理を行い、視野v内においてウエハエッジWeを検出する。
視野v内にウエハエッジWeが撮像されていれば、図10に示すように、当該ウエハエッジWeの随所において第1テンプレート画像Peがマッチングする。
上記パターンマッチングにおいて、マッチングしたときのウエハエッジのテンプレート画像Peの中心位置座標をエッジ検出pix座標(xn,yn)とした場合、当該エッジ検出pix座標が所定の閾値より多く得られるか否かによってウエハエッジWe検出の有無を判定する。
なお、図11に示すように、前述した第一チップ検出処理の前提条件を満たすことにより、視野v内のウエハエッジWeの傾きが所定範囲内(例えば5°以下)であれば、十分正確にエッジ検出を行うことができる。
なお、以下の各工程の説明における座標系は、特にことわりがない場合には、視野vの所定の角部を原点(0,0)とするpix座標系であるものとする。pix座標系の原点は、視野vのY軸正方向(上側)であってX軸正方向(左側)の角部である。また、pix座標系ではY軸逆方向(下側)に向かって座標値が増加し、X軸逆方向(右側)に向かって座標値が増加するものとする。また、pix座標系の座標値は全て小文字のx,yを含む表記とする。
また、前述した検出開始位置Spの位置座標(Xd,Yd)はパレット101の上面における固定的な絶対座標系であり、これら絶対座標系については全て大文字のX,Yを含む表記とする。この座標系もY軸逆方向(下側)に向かって座標値が増加し、X軸逆方向(右側)に向かって座標値が増加するものとする。また、視野vの移動が行われた場合には、移動後の絶対座標系における位置座標は全て記録されるものとする。
上記パターンマッチングにおいて、エッジ検出pix座標(xn,yn)の取得データ数nが所定の閾値以上得られない場合には、CPU110はパレット搬送機構106を制御して視野vを次の位置に移動し、取得データ数nが所定の閾値以上得られた場合(例えば、n≧20)、CPU110は、取得した全てのエッジ検出pix座標のy座標値ynについて頻度分布演算とその連続性をサーチする。
図12(A)に示すように、ウエハエッジWeに剥がれn1と異物n2が存在する視野vの撮像画像を例に説明する。
頻度分布演算の結果、図12(B)に示すように、エッジ検出pix座標のy座標値ynについて(y3,y4,y5)と(y6,y7)とにおいて集中していることが分かる。これらの分布が集中する範囲について頻度データ加算と平均座標算出とを行う。
即ち、(y3,y4,y5)の範囲については、頻度データ加算によりc+d+eと平均座標(y3+y4+y5)/3が算出され、(y6,y7)の範囲については、頻度データ加算によりf+gと平均座標(y6+y7)/2が算出される。
そして、上記頻度分布が集中しているy座標値の範囲(y3,y4,y5)、(y6,y7)の頻度データ加算値と、頻度が分散しているy座標値y1,y2の頻度データの値のそれぞれについて、エッジ判定許容値パラメータαを閾値として、頻度データ加算値又は頻度データがエッジ判定許容値パラメータα以上となるか否かを判定する(次式[1])。
頻度データ(a,b,c+d+e,f+g)≧α …[1]
その結果、(y3,y4,y5),(y6,y7),y1,y2の何れかについて、頻度データ加算値又は頻度データがエッジ判定許容値パラメータα以上となる場合には、そのy座標値の平均値又はy座標値の中で値が最小となるy座標値の平均値又はy座標値を有効なウエハエッジWeの位置として抽出する。なお、y軸座標は、Y軸方向における規定の端部側(上側)ほど数値が小さくなるため、「値が最小となる」とは、最もY軸方向における規定の端部側(上側)となることを意味している。
このように、頻度データ加算値又は頻度データを閾値であるエッジ判定許容値パラメータαと大小比較を行うことによりウエハエッジWeの位置とすることにより、ウエハエッジWeに剥がれn1や異物n2が存在する場合でも、これら剥がれn1や異物n2の位置をウエハエッジWeと誤認識することを抑制することが可能となる。
なお、第1テンプレート画像Peを選定するための取得データ数の閾値、パターンマッチング後に視野vを移動するか否かを決定するエッジ検出pix座標(xn,yn)の取得データ数nの閾値、エッジ判定許容値パラメータαについては、パターンマッチングの密度(何ドットごとにマッチングを行うか)、視野vの大きさ、第1テンプレート画像Peの大きさ等の諸条件に応じて適宜数値を選定するべきである。
[第一チップ検出方法:ダイシング溝検出工程及びダイシング溝傾き検出工程]
次に、ダイシング溝検出工程について詳細に説明する。図9の視野v3はys/2の移動ピッチで移動が行われて第一のダイシング溝D1が撮像範囲内となった視野vを示している。また、図13は視野v3における撮像画像を示している。
まず、ダイシング溝検出工程の前提として、予めダイシング溝の第2テンプレート画像Pdを記憶部111に登録する。このダイシング溝の第2テンプレート画像Pdは、Y軸方向に長い矩形のエリアであって、その長手方向中央にX軸方向に平行であって欠けや異物のない理想的な状態のダイシング溝が位置した場合、当該ダイシング溝を挟んでY軸方向両側がチップ上面となっている画像である。
また、この第2テンプレート画像PdのY軸方向幅はチップCのY軸方向幅より幾分小さく、X軸方向幅はチップのX軸方向幅よりも十分に小さい(例えば、数分の一程度)エリアとなっている。
また、このダイシング溝の第2テンプレート画像Pdは、理想的なダイシング溝が存在する視野vの画像に対して、パターンマッチングによりマッチングする取得データ数が所定数以上(例えば、100以上)得られるものを選定する。
第一のダイシング溝検出工程は、視野v2(ウエハエッジWeの検出位置)から開始され、第一のダイシング溝D1が検出されるまで、所定の移動ピッチys/2でY軸逆方向(下側)に向かって視野vの移動が行われる。
即ち、視野v2又は移動後の視野vの撮像画像データに対して、画像処理部109が、ダイシング溝の第2テンプレート画像Pdによるパターンマッチングを適用したグレーサーチ処理を行い、視野v内において第一のダイシング溝D1を検出する。
視野v内に第一のダイシング溝D1が撮像されていれば、図13に示すように、当該第一のダイシング溝D1の随所においてテンプレート画像Pdがマッチングする。
上記パターンマッチングにおいて、マッチングしたときのダイシング溝の第2テンプレート画像Pdの中心位置座標をダイシング溝検出pix座標(xn,yn)とした場合、当該ダイシング溝検出pix座標が所定の閾値以上得られるか否かによって第一のダイシング溝の検出の有無を判定する。
なお、図14に示すように、前述した第一チップ検出処理の前提条件を満たすことにより、視野v内の第一のダイシング溝D1の傾きが所定範囲内(例えば5°以下)であれば、十分正確に第一のダイシング溝検出を行うことができる。
上記パターンマッチングにおいて、ダイシング溝検出pix座標(xn,yn)の取得データ数nが所定の閾値以上得られない場合には、CPU110はパレット搬送機構106を制御して視野vを次の位置に移動し、取得データ数nが所定の閾値以上得られた場合(例えば、n≧50)、CPU110は、図15に示すように、取得した全てのダイシング溝検出pix座標(xn,yn)のy座標値ynの中から最小値Min.ynを抽出する。
さらに、取得した全てのダイシング溝検出pix座標に対して、そのy座標値ynが次式[2]を満たすダイシング溝検出pix座標(xn,yn)を抽出する。
Min.yn−β≦yn≦Min.yn+β …[2]
なお、βは許容値パラメータであり、少なくともチップCのY軸方向幅に満たない値、例えば、0.3mm以下の値とする。
視野vの範囲内には、第一のダイシング溝D1に限らずこれよりもウエハwの中心側のダイシング溝Dも含まれる場合があるが、最小値Min.ynと許容値パラメータβとを用いた絞り込みにより、ウエハ中心側のダイシング溝Dによるダイシング溝検出pix座標を排除することができる。
さらに、前式[2]により抽出されたダイシング溝検出pix座標(xn,yn)の数が閾値であるノイズ除去許容値γ以上となるか否かを判定する。仮に、ノイズ除去許容値γに満たない場合には、最小値Min.ynが異物の陰影等の何らかのノイズをダイシング溝と誤認識した結果得られた可能性が高いので、ダイシング溝検出pix座標のy座標値ynについて次に小さい値を新たな最小値Min.ynに設定し、前式[2]による抽出とノイズ除去許容値γとの比較とを行う。そして、ダイシング溝検出pix座標(xn,yn)の数がノイズ除去許容値γ以上となるまで、ダイシング溝検出pix座標のy座標値ynの最小値Min.ynの更新を繰り返し実行する。
そして、ダイシング溝検出pix座標(xn,yn)の数がノイズ除去許容値γ以上得られた場合には、これらのダイシング溝検出pix座標(xn,yn)が第一のダイシング溝D1を構成するものと認定する。
そして、CPU110は、上記各ダイシング溝検出pix座標(xn,yn)から最小二乗法によって第一のダイシング溝D1の傾き∠θを算出する。なお、ここでは、Y軸方向に対する傾き∠θを算出しているが、X軸方向に対する傾き角度を算出しても良い。
なお、第2テンプレート画像Pdを選定するための取得データ数の閾値、パターンマッチング後に視野vを移動するか否かを決定するダイシング溝検出pix座標(xn,yn)の取得データ数nの閾値、許容値パラメータβ、ノイズ除去許容値γの数値については、パターンマッチングの密度(何ドットごとにマッチングを行うか)、視野vの大きさ、第2テンプレート画像Peの大きさ等の諸条件に応じて適宜数値を選定するべきである。
[第一チップ検出方法:撮像位置調節工程]
ダイシング溝検出工程により第一のダイシング溝D1が検出されると、パレット搬送機構106の駆動により、カメラ105の視野vの中心位置と検出された第一のダイシング溝D1とをY軸方向について一致させる。
即ち、図16に示すように、ダイシング溝検出工程により第一のダイシング溝D1を構成するものと認定された複数のダイシング溝検出pix座標(xn,yn)の中から、視野vのX軸方向における中心xcに最も近い三つのダイシング溝検出pix座標(xm-1,ym-1)、(xm,ym)、(xm+1,ym+1)を抽出する。そして、これら三つのダイシング溝検出pix座標のy軸座標値の平均値yavを次式[3]により算出する。
((ym-1)+ym+(ym+1))/3=yav …[3]
そして、パレット101の絶対座標系におけるパレット101のY軸方向の移動量Ymは次式[4]により算出する。
Ym=(yc−yav)×ε …[4]
(ε:カメラ画素分解能[μm/pix])
[第一チップ検出方法:チップコーナー検出工程]
次に、チップコーナー検出工程について詳細に説明する。
このチップコーナー検出工程では、撮像位置調節工程により調節されたカメラ105の視野vをチップコーナー検出開始位置として、図17に示すように、X軸逆方向(右方)に移動ピッチxs/2で視野vを移動させながら第一のダイシング溝D1の右半分に対してチップコーナーの検出処理を行う。さらに、基準位置から、図18に示すように、X軸正方向(左方)に移動ピッチxs/2で視野vを移動させながら第一のダイシング溝D1の左半分に対してチップコーナーの検出処理を行う。
即ち、このチップコーナー検出工程では、第一のダイシング溝D1をX軸方向について複数回に分けて撮像した複数の撮像画像データに対して、チップコーナーのテンプレート画像によるパターンマッチングを行い、チップコーナーを検出する。
そして、予め、X軸逆方向(右方)に向かって視野vを移動させながらチップコーナーの検出を行う場合のテンプレート画像Prと、X軸正方向(左方)に向かって視野vを移動させながらチップコーナーの検出を行う場合のテンプレート画像Plとを記憶部111に登録する。
これらテンプレート画像Pr,Plは、いずれも矩形のエリアであって、X軸方向幅がチップCのX軸方向幅よりも小さく、Y軸方向幅がチップCのY軸方向幅よりも小さくなっている。
これらのテンプレート画像Pr、Plを第3テンプレート画像と称する。
そして、第3テンプレート画像Prは図19に示すように、X軸方向に沿ったダイシング溝とY軸方向に沿ったダイシング溝の交差部分とこれにより形成された四つのチップのチップコーナーを一つずつ含むと共に、ダイシング溝の交差部分が画像内のY軸正方向(上側)であってX軸逆方向(右側)の角部寄りに位置することで、Y軸正方向(上側)であってX軸逆方向(右側)のチップコーナーCsrが最も占有面積が大きい画像となっている。
この第3テンプレート画像PrによりX軸逆方向(右側)に向かってパターンマッチングを適用したグレーサーチ処理を行うことで、第一のダイシング溝D1のX軸逆方向(右側)の最も端に位置するチップCの右上のチップコーナーCsrを精度良く検出することが出来る。
また、第3テンプレート画像Plは図20に示すように、X軸方向に沿ったダイシング溝とY軸方向に沿ったダイシング溝の交差部分とこれにより形成された四つのチップのチップコーナーを一つずつ含むと共に、ダイシング溝の交差部分が画像内のY軸正方向(上側)であってX軸正方向(左側)の角部寄りに位置することで、Y軸正方向(上側)であってX軸正方向(左側)のチップコーナーCslが最も占有面積が大きい画像となっている。
この第3テンプレート画像PlによりX軸正方向(左側)に向かってパターンマッチングを適用したグレーサーチ処理を行うことで、第一のダイシング溝D1のX軸正方向(左側)の最も端に位置するチップCの左上のチップコーナーCslを精度良く検出することが出来る。
撮像位置調節工程により視野vのY軸中心が第一のダイシング溝D1に一致するように位置調節された状態において、テンプレート画像Prによるパターンマッチングを行い、図17に示すように、上記視野v内において右上のチップコーナーを検出する。
そして、得られたチップコーナー検出pix座標(xn,yn)に対して、そのy座標値ynが次式[5]を満たすチップコーナー検出pix座標(xn,yn)を抽出する。
yc−ζ≦yn≦yc+ζ …[5]
なお、ycは視野vのY軸方向の中心座標、ζは許容値パラメータであり、少なくともチップCのY軸方向幅に満たない値、例えば、0.3mm以下の値とする。
これにより、図21に示すように、第一のダイシング溝D1に接するチップコーナーCsrのみが抽出される。
なお、上式[5]を満たすチップコーナー検出pix座標(xn,yn)の数が0の場合にはエラー報知を行って処理を終了する。
そして、上式[5]により抽出された複数のチップコーナー検出pix座標(xn,yn)のx座標値(x1,x2,…xnとする)について、これらの中で隣接するチップコーナー検出pix座標(xn,yn)のx座標値との差を求める。
x−η≦|x1−x2|≦x+η …[6]
x−η≦|x2−x3|≦x+η …[7]

x−η≦|xn-1−xn|≦x+η …[8]
但し、ηはシート拡張バラツキ許容値であり、少なくともチップCのX軸方向幅よりも小さい値とする。
上式[6]〜[8]を満足する|xn-1−xn|を抽出し、抽出された|xn-1−xn|の演算値を平均化してチップ間距離平均Xaveを取得する。
図22に示すように、チップコーナー検出開始位置A1において「チップコーナー検出pix座標の取得」、「許容値パラメータζによる絞り込み」、「チップ間距離平均Xaveの取得」が行われると、第一のダイシング溝D1に沿ってX軸逆方向(右側)に所定の移動ピッチで視野vの移動を繰り返し行い(位置A2)、毎回の移動ごとに撮像とその撮像画像データに基づいて「チップコーナー検出pix座標の取得」、「許容値パラメータζによる絞り込み」を実行して、最終的に、第一のダイシング溝D1におけるX軸逆方向(右側)の最も端となるチップCeのチップコーナーCsrのチップコーナー検出pix座標(xn,yn)を取得する(位置A3)。
上記視野vの移動ピッチは、前述したダイシング溝傾き検出工程で求めた第一のダイシング溝D1の傾き∠θを考慮した方向となっている。即ち、移動ピッチは(xn/2, xn/2×tanθ)となる。
上記移動ピッチで移動が繰り返される場合、絶対座標系における視野vの中心位置座標が算出され記録される。
各視野vの位置ImgN(Nは移動回数)の中心座標(X,Y)は、チップコーナー検出開始座標(X0,Y0)及び第一のダイシング溝D1の傾き∠θを用いて算出する。
即ち、図23に示すように、視野vが所定の移動ピッチでN回の移動を行うと、X座標値にはxn/2×Nが加算され、Y座標値にはxn/2×tanθ×Nが加算される。従って、xn=4.8[mm]とすると、位置ImgN(Nは移動回数)の中心座標(X,Y)は次式[9]となる。
(X,Y)= (X0+2.4×N,Y0+2.4×tanθ×N) …[9]
上式[9]に従って視野vが移動するたびに毎回の中心座標(X,Y)が算出され記録される。
また、視野vを上記移動ピッチで移動させるたびに、チップコーナー検出pix座標の取得と絞り込みを行い、図22(D)に示す第一のチップ列における最も右側のチップCeの右上のチップコーナーCsrのチップコーナー検出pix座標(xn,yn)が求められる。
チップコーナーCsrが最右端であるか否かの判断は、次の視野vの移動によりチップコーナー検出pix座標(xn,yn)の絞り込み後の取得数が0となるか否かにより判断することが出来る。
また、最も右側のチップCeの右上のチップコーナーCsrのチップコーナー検出pix座標(xn,yn)が求められると、視野vはチップコーナー検出開始位置に戻され、当該チップコーナー検出開始位置と、そこから移動ピッチ(−xn/2,−xn/2×tanθ)での移動後の位置とにおいて、「テンプレート画像Plによるチップコーナー検出pix座標の取得」及び「許容値パラメータζによる絞り込み」が行われ、最終的に、第一のチップ列におけるX軸正方向(左側)の最も端となるチップC(このチップは実質的には第一チップC1に相当するが、現段階ではまだ第一チップC1として確定されない)のチップコーナーCslのチップコーナー検出pix座標(xn,yn)を取得する。
また、上記移動ピッチでの視野vの移動後の絶対座標系における中心座標(X,Y)が次式[10]により求められ、視野vが移動するたびに記録される。
(X,Y)= (X0−2.4×N,Y0−2.4×tanθ×N) …[10]
[第一チップ検出方法:個体数算出工程]
チップコーナー検出工程により、第一のチップ列のX軸正方向及びX軸逆方向のチップコーナー検出pix座標が検出されると、各々の視野vの移動後の絶対座標系における中心座標(X,Y)を加算することで、図24に示すように、絶対座標系における最も右側のチップCeの右上のチップコーナーCsrのチップコーナー位置座標(XR,YR)と、絶対座標系における最も左側のチップC1の左上のチップコーナーCslのチップコーナー位置座標(XL,YL)とを算出する。
そして、XL−XRにより第一のチップ列のX軸方向に沿った長さを算出し、チップコーナー検出工程において算出されたチップ間距離平均Xave(第一のチップ列のチップ間隔のX軸方向長さ)で除算することにより、第一のチップ列の個体数Nを算出する。
N=(XL−XR)/Xave …[11]
[第一チップ検出方法:第一チップ特定工程]
CPU110は、個体数算出工程により取得した第一のチップ列のチップ個体数Nと、ウエハマップデータに登録されている第一のチップ列のチップ個体数とが一致するか否かを判定し、一致した場合には、チップコーナー検出工程で取得された第一のチップ列におけるX軸正方向(左側)の最も端となるチップCを第一チップC1と特定する。この場合、この第一チップC1のチップコーナーCslのチップコーナー位置座標(XL,YL)とチップサイズから絶対座標系における正確なチップの中心位置座標が算出される。
また、チップ個体数が一致しない場合には、CPU110は、表示部113によりエラー報知を行い、ティーチングモードによる第一チップC1の位置入力状態となる。
このティーチングモードでは、例えば、カメラ105がウエハWを撮像し、その撮像画像を表示部113により表示する。そして、操作入力部114からの視野vのX軸方向及びY軸方向の移動の指示入力を受け付けて、視野vの中心を目視により第一チップC1に位置決めし、確定の入力を行うことで第一チップが特定される。
[発明の実施形態の技術的効果]
以上のように、上記ピックアップ装置100では、作業者の目視に頼ることなくカメラ105の撮像により第一チップ位置を特定することができるので、ウエハマップデータとウエハWの実物上の位置の合わせ込み作業の負担軽減を図ることが可能となる。
また、ウエハエッジの特定工程において、パターンマッチングにより取得されたエッジ検出pix座標(xn,yn)の頻度分布により、Y軸方向について、マッチング頻度の位置をウエハエッジ位置と確定するので、ウエハの外縁部の欠け、剥離や外縁部近傍にあった異物等の影響を排除し、精度良くウエハエッジ位置を求めることが可能である。
さらに、ダイシング溝傾き検出工程において、ダイシング溝検出工程により得られた複数のダイシング溝検出pix座標から第一のダイシング溝D1の傾き角度を検出するので、第一チップだけでなく、他のチップの位置も取得可能となり、ピックアップ作業における動作制御情報として利用することができ、処理の効率化を図ることが可能となる。
さらに、個体数算出工程において、第一のチップ列のチップCの個体数を取得することができるので、ウエハマップデータと照合することにより、第一チップを特定する処理全体の精度を確認することができ、第一チップの特定結果の精度向上を図ることが可能となる。
また、チップコーナー検出工程において、第一のダイシング溝D1をX軸方向について複数回に分けて撮像した複数の撮像画像データにより検出を行うので、広大な範囲を一度に撮像する場合に比して、パターンマッチング処理の対象となる範囲を低減することが出来、処理の高速化を図ることが可能となる。
さらに、チップコーナー検出に用いるチップコーナーのテンプレート画像は、第一のダイシング溝D1の右端のチップコーナー検出については、チップにおける右上のチップコーナーが最も占有面積が大きいテンプレート画像を使用し、第一のダイシング溝D1の左端のチップコーナー検出については、チップにおける左上のチップコーナーが最も占有面積が大きいテンプレート画像を使用するので、右上又は左上の角がウエハエッジにより欠けている欠片をチップと誤認識することを抑制することが可能となる。
[その他]
上記実施形態では、第一チップC1の検出を行うチップ検出装置をピックアップ装置100に搭載した場合を例示したが、チップ検出装置はピックアップ装置100とは別に独立した構成としても良い。
また、パターンマッチング処理を行う画像処理データは、ウエハWの一部分のみを撮像したものを対象としたが、画像処理速度、データ記録容量が十分であれば、より広範囲、例えば、ウエハ全体を写し込んだ撮像画像データにより各種のパターンマッチング処理を行っても良い。
また、上記第一チップ検出の各処理の演算における閾値、パラメータ、各部の寸法、ウエハ偏り、ウエハの回転角度ズレ、チップ間ギャップ、視野範囲、撮像速度、チップサイズ、テンプレート画像におけるパターンマッチングの取得データ数、その他の値について示した数値は例示であり、適宜変更可能である。また、上記各数値は、本願発明の内容を限定するものではない。
100 ピックアップ装置(チップ検出装置)
101 パレット
102 ピックアップヘッド
103 ヘッド搬送機構
104 駆動回路
105 カメラ(撮像装置)
106 パレット搬送機構
107 駆動回路
108 チップトレー
109 画像処理部(ウエハエッジ検出部、ダイシング溝検出部、チップコーナー検出部、第一チップ特定部、個体数算出部)
110 CPU(ウエハエッジ検出部、ダイシング溝検出部、チップコーナー検出部、第一チップ特定部、個体数算出部)
111 記憶部
112 グリップリング
C チップ
C1 第一チップ
Cs チップコーナー
W ウエハ
We ウエハエッジ
WS ウエハシート
v 視野
Pe 第1テンプレート画像
Pd 第2テンプレート画像
Pr 第3テンプレート画像
Pl 第3テンプレート画像

Claims (12)

  1. ダイシングによりチップ形成平面上で互いに直交するX軸方向とY軸方向とに沿って格子状に切断されたウエハの撮像画像データに基づいて、
    ウエハマップデータ上のX軸方向に沿った複数のチップ列の中でY軸正方向の最も端に位置する第一のチップ列の中でX軸正方向の最も端に位置する第一チップを特定するチップ検出装置であって、
    前記ウエハの前記Y軸正方向の端部の画像エリア内で、ウエハとその背面に貼られたウエハシートとの境界部分に第1テンプレート画像を用いたパターンマッチングによりウエハエッジを検出するウエハエッジ検出部と、
    X軸方向に沿ったダイシング溝の部分画像に第2テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより、前記ウエハエッジ検出部により検出された前記ウエハエッジに最も近接するX軸方向に沿った第一のダイシング溝を検出するダイシング溝検出部と、
    X軸方向に沿ったダイシング溝とY軸方向に沿ったダイシング溝の交差部分を含んだチップコーナーに第3テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより、前記ダイシング溝検出部により検出された前記第一のダイシング溝に接するチップコーナーを検出するチップコーナー検出部と、
    前記チップコーナー検出部により検出されたチップコーナーの中で、前記X軸正方向の最も端に位置するチップコーナーを含むチップを前記第一チップと特定する第一チップ特定部とを備えることを特徴とするチップ検出装置。
  2. 前記ウエハエッジ検出部は、前記ウエハと前記ウエハシートとの境界部分に第1テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより得られる複数のウエハエッジ位置の候補の中で、Y軸方向について予め定められた頻度よりも高い頻度でマッチングする位置をウエハエッジ位置と特定することを特徴とする請求項1記載のチップ検出装置。
  3. 前記ダイシング溝検出部は、X軸方向に沿ったダイシング溝の部分画像に第2テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより得られる複数のダイシング溝位置から前記第一のダイシング溝のX軸方向又はY軸方向に対する傾き角度を検出することを特徴とする請求項1又は2記載のチップ検出装置。
  4. 前記チップコーナー検出部により得られる複数のチップコーナー位置からX軸方向における個々のチップ間距離を求め、X軸方向の両端部に位置する二つのチップコーナーの二点間距離と前記チップ間距離とから前記第一のチップ列のチップの個体数を算出する個体数算出部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のチップ検出装置。
  5. 前記ウエハの撮像画像データは、前記第一のダイシング溝をX軸方向について複数回に分けて撮像した複数の撮像画像データからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のチップ検出装置。
  6. 前記チップコーナー検出部で用いる前記チップコーナーの第3テンプレート画像は、前記ダイシング溝の交差部分に位置する四つのチップコーナーの中で、チップの前記X軸正方向且つ前記Y軸正方向の角部となるチップコーナーが最も占有面積が大きい画像からなることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のチップ検出装置。
  7. ダイシングにより互いに直交するX軸方向とY軸方向に沿って格子状に切断されたウエハの撮像画像データを処理する装置によって、
    ウエハマップデータ上のX軸方向に沿った複数のチップ列の中でY軸正方向の最も端位置する第一のチップ列の中でX軸正方向の最も端に位置する第一チップを特定するチップ検出方法であって、
    前記ウエハの前記Y軸正方向の端部の画像エリア内で、ウエハとその背面に貼られるウエハシートとの境界部分に第1テンプレート画像を用いたパターンマッチングによりウエハエッジを検出するウエハエッジ検出工程と、
    X軸方向に沿ったダイシング溝の部分画像に第2テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより、前記ウエハエッジ検出工程により検出された前記ウエハエッジに最も近接するX軸方向に沿った第一のダイシング溝を検出するダイシング溝検出工程と、
    X軸方向に沿ったダイシング溝とY軸方向に沿ったダイシング溝の交差部分を含んだチップコーナーに第3テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより、前記ダイシング溝検出工程において検出された前記第一のダイシング溝に接するチップコーナーを検出するチップコーナー検出工程と、
    前記チップコーナー検出工程において検出されたチップコーナーの中で、前記X軸正方向の最も端に位置するチップコーナーを含むチップを前記第一チップと特定する第一チップ特定工程とを備えることを特徴とするチップ検出方法。
  8. 前記ウエハエッジ検出工程は、前記ウエハと前記ウエハシートとの境界部分に第1テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより得られるY軸方向のウエハエッジ位置の候補が、予め定められた閾値より多くのマッチング結果が得られた場合に、前記候補をウエハエッジ位置と特定することを特徴とする請求項7記載のチップ検出方法。
  9. 前記ダイシング溝検出工程は、X軸方向に沿ったダイシング溝の部分画像に第2テンプレート画像を用いたパターンマッチングにより得られるダイシング溝位置から前記第一のダイシング溝のX軸方向又はY軸方向に対する傾き角度を検出することを特徴とする請求項7又は8記載のチップ検出方法。
  10. 前記チップコーナー検出工程により得られる複数のチップコーナー位置からX軸方向における個々のチップ間距離を求め、X軸方向の両端部に位置する二つのチップコーナーの二点間距離と前記チップ間距離とから前記第一のチップ列のチップの個体数を算出する個体数算出工程を備えることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載のチップ検出方法。
  11. 前記ウエハの撮像画像データは、前記第一のダイシング溝をX軸方向について複数回に分けて撮像した複数の撮像画像データからなることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載のチップ検出方法。
  12. 前記チップコーナー検出工程で用いる前記チップコーナーの第3テンプレート画像は、前記ダイシング溝の交差部分に位置する四つのチップコーナーの中で、チップの前記X軸正方向且つ前記Y軸正方向の角部となるチップコーナーが最も占有面積が大きい画像からなることを特徴とする請求項7から11の何れか一項に記載のチップ検出方法。
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