以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態の半導体製造装置100は、表面に複数の半導体ダイ15が貼り付けられたウェーハシート12を固定するウェーハホルダ10と、ウェーハホルダ10を水平方向(XY方向)に移動させるウェーハホルダ駆動部18と、ウェーハシート12の上の半導体ダイ15の画像を撮像するカメラ22と、半導体ダイ15をウェーハシート12からピックアップするコレット19と、コレット19を上下方向(Z方向)に移動させるコレット駆動部20と、ウェーハシート12を下側の面(Z方向マイナス側の面)から上方向(Z方向ブラス側)に向かって突き上げる突き上げ機構21と、ウェーハホルダ駆動部18と、コレット駆動部20と、突き上げ機構21との動作を制御すると共に、カメラ22によって撮像した半導体ダイ15の画像を処理し、半導体ダイ15の認識と位置検出を行う制御部30とを含んでいる。コレット19と、コレット駆動部20と突き上げ機構21とは、半導体ダイ15をピックアップするピックアップ機構を構成する。なお、図1において、紙面横方向がX方向、紙面と直角(X方向と直角方向)をY方向、上下方向をZ方向として説明する。なお、ウェーハホルダ10の詳細は後で説明する。
制御部30は、信号処理や演算を行うCPU31と、制御プログラム33、制御データ34、半導体ダイ15の位置データ35、検出プログラム36、予測位置計算格納プログラム37、ピックアッププログラム38、視野移動プログラム39、認識プログラム40を格納するメモリ32と、コレット駆動部20、カメラ22、突き上げ機構21、ウェーハホルダ駆動部18との間の信号、データの授受を行うコレット駆動部インターフェース41、カメラインターフェース42、突き上げ機構インターフェース43、ウェーハホルダ駆動部インターフェース44を含んでおり、CPU31とメモリ32と各インターフェース41〜44の間はデータバス45によって接続されているコンピュータである。コレット駆動部20、カメラ22、突き上げ機構21、ウェーハホルダ駆動部18はそれぞれCPU31の指令によって駆動制御及びデータの授受を行う。
次に、図2から図11を参照しながら本実施形態の半導体製造装置100において、ウェーハシート12から半導体ダイ15をピックアップする動作について説明する。全体の動作を説明する前に、図2から図5を参照しながら、ウェーハホルダ10に半導体ダイ15が貼り付けられたウェーハシート12を固定する工程について説明する。
図2に示すように、ウェーハ11は裏面に粘着性のウェーハシート12が貼り付けられており、ウェーハシート12は金属製のリング13に取付けられている。ウェーハ11はこのようにウェーハシート12を介して金属製のリング13に取付けられた状態でハンドリングされる。そして、図3に示すように、ウェーハ11は切断工程で表面側からダイシングソーなどによって切断されて各半導体ダイ15となる。各半導体ダイ15の間にはダイシングの際に出来た切り込み隙間14ができる。切り込み隙間14の深さは半導体ダイ15からウェーハシート12の一部にまで達しているが、ウェーハシート12は切断されておらず、各半導体ダイ15はウェーハシート12によって保持されている。
ウェーハシート12とリング13とが取付けられた半導体ダイ15は図4(a),図4(b)に示すように、ウェーハホルダ10に取付けられる。ウェーハホルダ10は、フランジ部を持つ円環状のエキスパンドリング16とエキスパンドリング16のフランジの上にリング13を固定するリング押さえ17とを備えている。リング押さえ17は図示しないリング押さえ駆動部によってエキスパンドリング16のフランジに向かって進退する方向に駆動される。エキスパンドリング16の内径は半導体ダイ15が配置されているウェーハの径よりも大きく、エキスパンドリング16は所定の厚さを備えており、ウェーハシート12から離れた方向の端面から外側に突出するようフランジが設けられている。また、エキスパンドリング16のウェーハシート12側の端面の外周はウェーハシート12をエキスパンドリング16に取付ける際に、ウェーハシート12をスムーズに引き伸ばすことができるように曲面構成となっている。また、ウェーハホルダ10は図1に示すように、ウェーハホルダ駆動部18によってウェーハシート12の面に沿った方向(XY方向)に移動することができるように構成されている。
図4(b)に示すように、半導体ダイ15が貼り付けられたウェーハシート12はエキスパンドリング16にセットされる前は略平面状態となっている。エキスパンドリング16のウェーハシート12の当たる上端面とフランジ面との間には段差があるので、図1に示すように、リング13の上にリング押さえ17を降下させ、リング13をエキスパンドリング16のフランジとの間に挟み込むと、リング13がフランジ面に押し付けられ、ウェーハシート12はエキスパンドリング16の上端面とフランジ面との段差分だけエキスパンドリング16上部の曲面に沿って引き伸ばされる。そして、エキスパンドリング16の上に固定されたウェーハシート12には、図5に矢印50で示すようなウェーハシート12の中心から周囲に向かう半径方向の引っ張り力が働く。また、この引っ張り力によってウェーハシート12が延びるので、ウェーハシート12の上に貼り付けられた各半導体ダイ15間の切り込み隙間14が広がっており、ウェーハシート12の上には、X方向ピッチPX(行方向ピッチ)、Y方向(列方向ピッチ)ピッチPYで格子状に半導体ダイ15が並んでいる。また、ウェーハシート12の略中央には、2つのテグダイ60a,60bが配置されている。
図5のような状態にウェーハシート12を固定したら、半導体製造装置100は、半導体ダイ15のピックアップを開始する。以下の説明では、X方向の並びを行、Y方向の並びを列とし、図6、図9に示す様に、N=1,M=7(1行,7列)の半導体ダイ77から図6、図9に示す矢印54のように左に向かって(X方向マイナス側に向かって)半導体ダイをピックアップしていく場合を例に説明する。図9において、丸囲み数字の1から7は、ウェーハシート12の中央部7列の半導体ダイの列番号を示し、四角囲み数字の1から3は、半導体ダイの配置されている行数を示す。
図7のステップS101に示すように、CPU31は、行数N、列数Mstartをピックアップ開始位置の数値に初期化する。この場合、CPU31はN=1,M=7とする。次に、図7のステップS102に示すように、CPU31は、図1に示す制御データ34から図9に示す半導体ダイ77の配置位置のデータを基準位置として読み込む。そして、図9、図7のステップS103に示すように、CPU31は、カメラ22の視野71の中心が、先に読み込んだN=1,M=7(1行,7列)に配置されている半導体ダイ77、つまり、図6に示す開始位置に配置されている半導体ダイの基準位置となるようにウェーハホルダ駆動部18を駆動する指令を出力する。この指令はウェーハホルダ駆動部インターフェース44を介してウェーハホルダ駆動部18に制御信号として入力され、ウェーハホルダ駆動部18はウェーハホルダ10をXY方向に移動させる。
図7のステップS104、S105に示すように、CPU31は、検出プログラム36を実行し、カメラインターフェース42を介してカメラ22の撮像した画像を取得してその画像から半導体ダイ77の中心位置を検出する。そして、検出した半導体ダイ77の中心位置とカメラ22の視野71の中心とが一致するように、ウェーハホルダ駆動部18によりウェーハホルダ10のXY方向の位置を調整し、(1行,7列)の半導体ダイ77の中心位置とカメラ22の視野71の中心とが一致したら、その位置を(1行,7列)の半導体ダイ77(第一半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置として検出する(検出工程)。
次に、CPU31は、図7のステップS106に示す様に、ピックアッププログラム38を実行し、(1行,7列)の半導体ダイ77の絶対位置に図1に示す突き上げ機構21とコレット19とが来るようにウェーハホルダ駆動部18によりウェーハホルダ10のXY方向の位置を調整し、位置調整が終了したら、半導体ダイ77をピックアップする指令を出力する。この指令により、突き上げ機構21が上方向に移動して(1行,7列)の半導体ダイ77を突き上げ、同時にコレット駆動部20がコレット19を降下させて半導体ダイ77を真空吸着し、半導体ダイ77をウェーハシート12からピックアップする(ピックアップ工程)。
次に、CPU31は、図7のステップS107,S108に示す様に、予測位置計算格納プログラム37を実行し、図7のステップS105で検出した(1行,7列)の半導体ダイ77の絶対位置からY方向(列方向ピッチ)ピッチPYを差し引いた位置を(2行(N+1行),7列(Mstart列)に配置されている半導体ダイ87(次の行上で半導体ダイ77の対応する列(7列)にある半導体ダイ、第二半導体ダイ)の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測位置計算格納工程)。
次に、CPU31は、図7のステップS109に示す様に、ピックアップした半導体ダイ77がN行の最終列Mendかどうかを判断する。そして、最終列でなかった場合には、CPU31は、図7のステップS110に示す様に、ウェーハホルダ10をX方向ピッチPX(行方向ピッチ)だけマイナス側にピッチ移動させて、図7のステップS111に示すように、Mを1だけ減少させ、そのカメラ22の視野の中心位置を同一行上(1行)の次の列(1行,6列)の半導体ダイ76(第一半導体ダイ)の基準位置に移動させ、図7のステップS103からS108(検出工程、ピックアップ工程、予測位置計算格納工程)を繰り返し、1行に配置されているM個の半導体ダイ(第一半導体ダイ)を図6,図9の矢印54に示すように順次X方向マイナス側に向かってピックアップし、次の行(N=2)に配置されている各半導体ダイ(第二半導体ダイ)の絶対位置を破線矢印E0に示す様に順次予測して各予測絶対位置としてメモリ32の位置データに順次格納する。そして、図7のステップS109に示す様に、1行(N=1)の最終列Mendまで来たら、図7に示す接続端子2(図中丸囲み数字の2で表す。以下同様)に移動し、図8に示すステップS112にジャンプし、ウェーハホルダ10をY方向ピッチPY(列方向ピッチ)だけ移動させ、図8のステップS113に示す様に、Nを1だけインクレメントすると共に、Mを2行目(N=2)のMstartに再設定し、図6に示すように、X方向プラス側に向かって2行目の各半導体ダイをピックアップしていく。
二行目以降の半導体ダイのピックアップはどの行も同様のルーチンで行っていくので、以下では、図10、図11を参照しながら4行目の半導体ダイ111〜117と、テグダイ60a,60bが配置されている5行目の半導体ダイ211〜217のピックアップルーチンを例に説明する。二行目以降の半導体ダイのピックアップと先に説明した一行目の半導体ダイのピックアップ手順とは、一行目の半導体ダイのピックアップは、制御データ34から半導体ダイの配置位置データを基準位置として読み込んで、このデータに基づいて、カメラ22の視野をX方向ピッチPX(行方向ピッチ)だけピッチ移動させて、カメラ22の視野の中に半導体ダイを捉え、その半導体ダイの中心位置にカメラ22の視野の中心を合わせてピックアップする半導体ダイの絶対位置を順次検出していくのに対し、2行目以降では、先の行で位置検出した半導体ダイの絶対位置に基づいて計算し、メモリ32の位置データ35に格納した予測絶対位置を読み出して、その予測絶対位置に向かってカメラ22の視野を移動させていく点で異なっている。
図10、図11において、丸囲み数字の1から7は、ウェーハシート12の中央部7列の半導体ダイの列番号を示し、四角囲み数字の4から75は、半導体ダイの配置されている行数を示す。4行目の各半導体ダイ111から117のピックアップは、図6に示す下に凸の曲線55に沿って図中の左側から右側(X方向プラス側)に向かって順次行っていく。
以下、図10に示す4行1列に配置されている半導体ダイ111から4行7列に配置されている半導体ダイ117を順次ピックアップする工程について説明する。図8のステップS113に示すように、CPU31は、N=4、M=1にセットし、図8のステップS114に示すように、図1に示す視野移動プログラム39を実行する。まず、CPU31は、N=3の行の半導体ダイをピックアップする際にメモリ32の位置データ35に格納した(4行,1列)の半導体ダイ111の予測絶対位置を読み込む。次に、CPU31は、カメラ22の視野151の中心が、先に読み込んだN=4,M=1(4行,1列)に配置されている半導体ダイ111の予測絶対位置となるようにウェーハホルダ駆動部18を駆動する指令を出力する。この指令はウェーハホルダ駆動部インターフェース44を介してウェーハホルダ駆動部18に制御信号として入力され、ウェーハホルダ駆動部18はウェーハホルダ10をXY方向に移動させる(視野移動工程)。
図8のステップS115,S116に示すように、CPU31は、図1に示す検出プログラム36を実行し、カメラインターフェース42を介してカメラ22の撮像した画像を取得し、その画像から(4行,1列)の半導体ダイ111の中心位置を検出する。そして、検出した半導体ダイ111の中心位置とカメラ22の視野151の中心とが一致するように、ウェーハホルダ駆動部18によりウェーハホルダ10のXY方向の位置を調整する。そして、(4行,1列)の半導体ダイ111の中心位置とカメラ22の視野151の中心とが一致したら、その位置を(4行,1列)の半導体ダイ111(第一半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置として検出する(検出工程)。
次に、CPU31は、図8のステップS117に示すように、ピックアッププログラム38を実行し、位置検出を行った(4行,1列)の半導体ダイ111の絶対位置に突き上げ機構21とコレット19とが来るようにウェーハホルダ駆動部18によりウェーハホルダ10のXY方向の位置を調整し、位置調整が終了したら、半導体ダイ111をピックアップする指令を出力する。この指令により、突き上げ機構21が上方向に移動して(4行,1列)の半導体ダイ111を突き上げ、同時にコレット駆動部20がコレット19を降下させて半導体ダイ111を真空吸着し、半導体ダイ111をウェーハシート12からピックアップする(ピックアップ工程)。
次に、CPU31は、図8のステップS118,S119に示す様に、図1に示す予測位置計算格納プログラム37を実行し、図8のステップS117で検出した(4行,1列)の半導体ダイ111の絶対位置からY方向(列方向ピッチ)ピッチPYを差し引いた位置を5行(N+1行)、1列(M列)に配置されている半導体ダイ211(第二半導体ダイ)の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測位置計算格納工程)。
次に、CPU31は、図8のステップS120に示す様に、ピックアップした半導体ダイ111が4行の最終列Mendかどうかを判断する。そして、最終列でなかった場合には、CPU31は、図8のステップS121に示す様に、列数Mを1だけインクレメントし、列数Mを2とする。
そして、図8のステップS114に戻り、図1に示す視野移動プログラム39を実行し、N=3の行の半導体ダイをピックアップする際にメモリ32の位置データ35に格納した(4行,2列)の半導体ダイ112の予測絶対位置を読み込む。そして、図10に示す様に、視野151の位置からX方向ピッチPX(行方向ピッチ)だけピッチ移動させると共に図10に示す様にY方向にΔPY1だけ移動させて、図10の矢印55aに示すように、そのカメラ22の視野152の中心位置を同一行上(4行)の次の列(4行,2列)の半導体ダイ112(第一半導体ダイ)の予測絶対位置に移動させる(視野移動工程)。
CPU31は、図8のステップS115からステップS119に示す様に、図1に示す検出プログラム36、ピックアッププログラム38、予測位置計算格納プログラム37を実行し、次の行(5行)の半導体ダイ212の絶対位置を計算して予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測位置計算格納工程)。
CPU31は、図8のステップS121に示す様に、列Mを1だけインクレメントし、図8に示すステップS114に戻り、次の列(4行,3列)の半導体ダイ113のピックアップを続ける。CPU31は、図8に示すステップS114からステップS119を実行し、図10の矢印55aに示すように、カメラ22の視野をX方向ピッチPX(行方向ピッチ)だけピッチ移動させると共に図10に示す様にY方向にΔPY2だけ移動させてカメラ22の視野153の中心位置を同一行上(4行)の次の列(4行,3列)の位置の半導体ダイ113の予測絶対位置に移動させ(視野移動工程)、図8のステップS115からステップS119に示す様に、半導体ダイ113の位置検出、ピックアップを行い(検出工程、ピックアップ工程)、次の行(5行)の半導体ダイ213の絶対位置を計算して予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測位置計算格納工程)。次の行(5行)には半導体ダイ213は配置されておらず、テグダイ60aが配置されているが、次の行に半導体ダイ213が配置されているとして、その予測絶対位置を計算し、メモリ32の位置データ35に格納する。
そして、CPU31は、図8のステップS121に示す様に、列Mを1だけインクレメントし、先と同様に、図8に示すステップS114からステップS119を実行し、図10の矢印55bに示すように、カメラ22の視野をX方向ピッチPX(行方向ピッチ)だけピッチ移動させてカメラ22の視野154の中心位置を同一行上(4行)の次の列(4行,4列)の位置の半導体ダイ114の予測絶対位置に移動させ(視野移動工程)、図8のステップS115からステップS119に示す様に、半導体ダイ114の位置検出、ピックアップを行い(検出工程、ピックアップ工程)、次の行(5行)の半導体ダイ214の絶対位置を計算して予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測位置計算格納工程)。3列と同様、次の行(5行)には半導体ダイ214は配置されておらず、テグダイ60bが配置されているが、次の行に半導体ダイ214が配置されているとして、その予測絶対位置を計算し、メモリ32の位置データ35に格納する。
以下、同様に図8に示すステップS114からS121を繰り返し、図10の矢印55cに示すように、半導体ダイ115から117をピックアップすると共に、次の行(5行)に配置されている半導体ダイ215から217の予測絶対位置を計算してメモリ32の位置データ35に格納する。
以上のピックアップ動作により、4行上に配置されている半導体ダイ111から117を矢印55aから55cに示す様にピックアップすると共に、図10の矢印55a〜55cと略並行で、Y方向にY方向ピッチPY(列方向ピッチ)だけずれた破線矢印E1に示す様に、次の行の5行に配置されているであろう半導体ダイ211から217の予測絶対位置がメモリ32の位置データ35に格納される。
4行上にある半導体ダイを全てピックアップしたら、CPU31は、図8のステップS122に示すように、最後の行Nendまでピックアップしたかどうかを判断する。上記の説明では4行の上にある半導体ダイのピックアップが終了した状態であるので、まだ最終行までピックアップしていないので、CPU31は、図8のステップS113に示すように、Nを1だけインクレメントすると共に、Mを次の行の初期値Mstartにセットする。
以下、図11に示す様に、(5行,7列)に配置されている半導体ダイ217から(5行,1列)に配置されている半導体ダイ211をピックアップする工程について説明する。先に図10を参照して説明したように、4行に配置されている半導体ダイ111〜117は全てピックアップされているので、破線で示す。なお、先に4行の半導体ダイ111〜117のピックアップについて説明したのと同様の工程については、その工程名を明示して詳細な説明は省略する。先に4行上の半導体ダイ111〜117のピックアップと同様、CPU31は、図8に示すステップS114からステップS119を実行し、図11の矢印56に示すように、カメラ22の視野157の中心位置を(4行,7列)の位置の半導体ダイ117をピックアップする際にメモリ32の位置データ35に格納した半導体ダイ217の予測絶対位置に移動させ(視野移動工程)、図8のステップS115からステップS119に示す様に、半導体ダイ217の位置検出、ピックアップを行い(検出工程、ピックアップ工程)、次の行(6行)の半導体ダイ317の絶対位置を計算して予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測位置計算格納工程)。X方向マイナス側に向かってのピックアップ動作なので、CPUは、図8のステップS121に示す様にMを1だけ少なくし、図8に示すステップS114に戻り、先に説明したのと同様、図8のステップS114からS119を繰り返し、5行に配置された半導体ダイ216,215を順次ピックアップし、図11の破線矢印E2に示すように、次の行(6行)の半導体ダイ316,315の絶対位置を計算して予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する。
CPU31は、図8に示すステップS114を実行し、図11の矢印56に示すように、カメラ22の視野154の中心位置を(4行,4列)の位置の半導体ダイ114をピックアップする際にメモリ32の位置データ35に格納した半導体ダイ214の予測絶対位置に移動させる(視野移動工程)。
図8のステップS115,S116に示すように、CPU31は、カメラインターフェース42を介してカメラ22の撮像した画像を取得し、その画像から(5行,4列)に配置されているであろう半導体ダイ214の中心位置を検出しようとする。しかし、この位置には半導体ダイは配置されておらず、テグダイ60bが配置されているので、CPU31は、カメラ22で撮像した画像から半導体ダイを検出することができない。この場合、CPU31は、検出工程とピックアップ工程を行わず、先に位置検出した(4行,4列)に位置している半導体ダイ114の絶対位置からY方向(列方向ピッチ)ピッチPYの2倍を差し引いた位置を(6行,4列)に配置されている半導体ダイ314(第二半導体ダイ)の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納し(予測位置計算格納工程)、図8のステップS121に示す様にMを1だけ少なくして、図8のステップS114に戻り、カメラ22の視野の中心位置を(4行,3列)の位置の半導体ダイ113をピックアップする際にメモリ32の位置データ35に格納した半導体ダイ213の予測絶対位置に移動させる(視野移動工程)。
しかし、この位置も先の半導体ダイ214と同様、半導体ダイは配置されておらず、テグダイ60aが配置されているので、CPU31は、カメラ22で撮像した画像から半導体ダイを検出することができない。このため、先と同様、CPU31は、検出工程とピックアップ工程を行わず、先に位置検出した(4行,3列)に位置している半導体ダイ113の絶対位置からY方向(列方向ピッチ)ピッチPYの2倍を差し引いた位置を(6行,3列)に配置されている半導体ダイ313(第二半導体ダイ)の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納し(予測位置計算格納工程)、図8のステップS121に示す様にMを1だけ少なくして、図8のステップS114に戻り、カメラ22の視野の中心位置を(4行,2列)の位置の半導体ダイ112をピックアップする際にメモリ32の位置データ35に格納した半導体ダイ212の予測絶対位置に移動させる(視野移動工程)。
この位置には、半導体ダイ212が配置されているので、CPU31は、図8のステップS115からステップS119に示す様に、半導体ダイ212の位置検出、ピックアップを行い(検出工程、ピックアップ工程)、次の行(6行)の半導体ダイ312の絶対位置を計算して予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測位置計算格納工程)。また、同様に半導体ダイ211のピックアップを行う。
以上説明したように、本実施形態の半導体製造装置100では、一の行上の半導体ダイ(第一半導体ダイ)をピックアップする際に次の行上にあると予想される半導体ダイ(第二半導体ダイ)の絶対位置を計算して予測絶対位置としてメモリに格納し、この格納した予測絶対位置に基づいて次の行のカメラ22の視野を移動さて半導体ダイのピックアップを行う。つまり、実際にピックアップした半導体ダイの位置に基づいて次の行の半導体ダイの位置を予測し、その位置に向かってカメラ22の視野の中心位置を移動させるので、半導体ダイが配置されていない場合であっても、視野がピックアップしている行の次の行に飛んでしまい、ピックアップしている行の半導体ダイを取り残してしまうことを効果的に抑制することができる。
次に、図11〜図23を参照しながら、本発明の半導体製造装置100の他の実施形態におけるピックアップ動作について説明する。本実施形態の半導体製造装置100は、図14〜23に示すように、カメラ22の視野71,171〜276が(3行,3列)の半導体ダイ(複数の半導体ダイ)を含むことができる大きさである点で先に説明した実施形態とことなっている。先の説明と同様、図14〜23において、丸囲み数字の1から7は、半導体ダイの列番号を示し、四角囲み数字の1から3,4〜7は、半導体ダイの配置されている行数を示す。
図12のステップS201に示すように、CPU31は、行数N、列数Mをそれぞれピックアップ開始位置のデータとして初期化する。以下の説明では、図14に示す様に、(1行,7列)に配置されている半導体ダイ77から図14の矢印54のように左に向かってピックアップを開始するので、CPU31は、N=1,M=7とする。次に、図12のステップS202に示すように、CPU31は、制御データ34から(1行,7列)の半導体ダイ77の配置位置のデータを基準位置として読み込む。そして、図11のステップS203に示すように、CPU31は、カメラ22の視野71の中心が、先に読み込んだN=1,M=7(1行,7列)に配置されている半導体ダイ77、つまり、図6に示す開始位置に配置されている半導体ダイの基準位置となるようにウェーハホルダ駆動部18を駆動する指令を出力する。この指令はウェーハホルダ駆動部インターフェース44を介してウェーハホルダ駆動部18に制御信号として入力され、ウェーハホルダ駆動部18はウェーハホルダ10をXY方向に移動させる。
図14に示す様に、カメラ22の視野71の中には、中心位置に合わせた半導体ダイ77の他に、1行上の半導体ダイ76と2行目の半導体ダイ88,87,86とが入っている。まず、CPU31は、図12のステップS204に示す様に、視野71の中心に合わせた半導体ダイ77の他に、図14中に矢印54で示すピックアップ方向に配置されている半導体ダイ76と、半導体ダイ77の次の行の(2行,7列)に配置されている半導体ダイ87の画像を取得撮像する。なお、視野71のなかに含まれる他の半導体ダイ86,88の画像を同時に撮像しても良いし、しなくともよい。
次に、CPU31は、図12のステップS205に示すように、図1に示す検出プログラム36を実行し、カメラインターフェース42を介してカメラ22の撮像した画像から半導体ダイ77の中心位置を検出する。そして、図14に示すように、検出した半導体ダイ77の中心位置とカメラ22の視野71の中心とが一致するように、ウェーハホルダ駆動部18によりウェーハホルダ10のXY方向の位置を調整し、(1行,7列)の半導体ダイ77の中心位置とカメラ22の視野71の中心とが一致したら、その位置を(1行,7列)の半導体ダイ77(第一半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置として検出する(検出工程)。
次に、CPU31は、図12のステップS206に示すように、図1に示すピックアッププログラム38を実行し、(1行,7列)の半導体ダイ77の絶対位置に図1に示す突き上げ機構21とコレット19とが来るようにウェーハホルダ駆動部18によりウェーハホルダ10のXY方向の位置を調整し、位置調整が終了したら、半導体ダイ77をピックアップする指令を出力する。この指令により、突き上げ機構21が上方向に移動して(1行,7列)の半導体ダイ77を突き上げ、同時にコレット駆動部20がコレット19を降下させて半導体ダイ77を真空吸着し、半導体ダイ77をウェーハシート12からピックアップする(ピックアップ工程)。
次に、CPU31は、図12のステップS207,S208に示すように、図1に示す認識プログラム40を実行する。CPU31は、カメラ22で撮像した画像の中心に位置している半導体ダイ77の画像の下側の画像(2行上に位置する画像)が半導体ダイの画像か、例えば、テグダイ60のように半導体ダイと認識できない画像あるいはウェーハシート12のみで何も配置されていない画像かを判断する。そして、半導体ダイ77の画像の下側の画像(2行上に位置する画像)が半導体ダイの画像であると認識できた場合には、図12のステップS209に示すように、その画像から、半導体ダイ87(第二半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図12のステップS211に示すように検出した絶対位置を次の行の(2行,7列)に配置されている半導体ダイ87の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する。
また、半導体ダイ77の画像の下側の画像(2行上に位置する画像)が、例えば、半導体ダイの特徴的な形状、マーク等がないテグダイ60のように、半導体ダイと認識できない画像の場合あるいは、ウェーハシート12の表面のみの画像で半導体ダイの画像と全くかけ離れたものである場合のように、半導体ダイの画像であると認識でなかった場合には、図12のステップS210に示すように、図12のステップS205で検出した(1行,7列)の半導体ダイ77(第一半導体ダイ)の絶対位置からY方向(列方向ピッチ)ピッチPYを差し引いた位置を図12のステップS211に示す様に(2行(N+1行),7列(Mstart列)に配置されているであろう半導体ダイ87(第二半導体ダイ)の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する。
図14に示すように、(1行,7列)の半導体ダイ77の下側の(2行,7列(次の行で半導体ダイ77に対応する列))には半導体ダイ87が配置されているので、CPU31は、その画像を半導体ダイの画像と認識し、図12のステップS209に示すように、その画像から、半導体ダイ87(第二半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出して、図12のステップS211に示すように検出した絶対位置を次の行の(2行,7列)に配置されている半導体ダイ87の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測位置計算格納工程)。
次に、CPU31は、図12のステップS212に示すように、その行の最終列Mendの半導体ダイのピックアップが終了したかどうかを判断し、終了していなければ、図12の接続端子1(図中丸囲み数字の1で表す。以下同様)から図13の接続端子1に示すように、図13のステップS213に進み、図1に示す認識プログラム40を実行する。CPU31は、カメラ22で撮像した画像の中心に位置している半導体ダイ77の画像のピックアップ方向側の画像(X方向マイナス側に位置する画像)が半導体ダイの画像か、例えば、テグダイ60のように半導体ダイと認識できない画像あるいはウェーハシート12のみで何も配置されていない画像かを判断する。CPU31は、半導体ダイ77の画像のピックアップ方向側の画像(X方向マイナス側に位置する画像)が半導体ダイの画像であると認識した場合には、図13のステップS214に示すように、その画像から、半導体ダイの半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図13のステップS215に示すように検出した絶対位置にカメラ22の視野71の中心位置を移動させ、図13のステップS216に示すように、列Mを1つだけ減少させて図13の接続端子3(図中丸囲み数字の3で表す。以下同様)、図12の接続端子3から図12のS204に戻って、(1行,6列)の半導体ダイの画像を撮像してその絶対位置を検出し、半導体ダイをピックアップする。
また、半導体ダイ77の画像のピックアップ方向側の画像(X方向マイナス側に位置する画像)が、例えば、半導体ダイの特徴的な形状、マーク等がないテグダイ60のように、半導体ダイと認識できない画像である場合あるいは、ウェーハシート12の表面のみの画像で半導体ダイの画像と全くかけ離れたものである場合のように、半導体ダイの画像であると認識でなかった場合には、図13のステップS217にジャンプし、1行目の半導体ダイのピックアップであるかどうか判断する。1行目の半導体ダイのピックアップの際には、先の行のピックアップの際のデータがないので、図13のステップS219に示すように、X方向(列方向ピッチ)ピッチPXだけウェーハホルダ10を移動させてカメラ22の視野を移動させた後、図13のステップS220に示すように、列Mを1つだけ減少させて図13の接続端子3、図12の接続端子3から図12のステップS204に戻って、(1行,6列)に配置されているであろう半導体の周辺の画像を撮像し、位置検出工程、ピックアップ工程をスキップして図12のステップS207に進む。
本実施形態では、図14に示す様に、(1行,7列)の半導体ダイ77のピックアップ方向側(X方向マイナス側)の(1行,6列)には、半導体ダイ76が配置されているので、CPU31は、半導体ダイ77の画像のピックアップ方向側の画像(X方向マイナス側に位置する画像)は半導体ダイ76の画像であると認識し、図13のステップS214に示すように、その画像から、半導体ダイ76の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図13のステップS215に示すように検出した絶対位置にカメラ22の視野71の中心位置を移動させ、図13のステップS216に示すように、列Mを1つだけ減少させて図13の接続端子3、図12の接続端子3から図12のS204に戻って、(1行,6列)の半導体ダイ76の画像を撮像してその絶対位置を検出し、半導体ダイ76をピックアップする。
以下、同様に、1行上に配置されている半導体ダイを図14に示す矢印54のようにX方向マイナス側に向かって順次ピックアップすると共に、図14に示す破線矢印E0に示すように2行目に位置する各半導体ダイの絶対位置を検出しあるいは計算して予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35の中に格納していく。そして、図12のステップS212で最終列Mendの半導体ダイのピックアップが終了したと判断したら(M=Mendの場合)、図12の接続端子2、図13の接続端子2から図13のステップS221にジャンプし、最終行Nendの半導体ダイをピックアップしたかどうかを判断する。今、N=1であり、最終行Nendではないので、CPU31は、図13のステップS222に進み、Nを1だけインクレメントして2とすると共に、Mを2行の最初の列番号Mstartとし、図12のステップS211でメモリ32の位置データ35に格納した(2(N+1)行,Mstart)列)の半導体ダイの予測絶対位置にカメラ22の視野の中心位置を移動させ、図13の接続端子4(図中丸囲み数字の4で表す。以下同様)、図12の接続端子4から図12のステップS204に移動する。
なお、図6に示す様に、2行目の列数が1行目の列数よりも多く、1行目の半導体ダイのピックアップの際に2行目でのピックアップ開始位置(2(N+1)行,Mstart)列)の予測絶対位置を格納できていない場合には、図12に示すステップS203に戻って、半導体ダイの配置データからピックアップ開始位置(2(N+1)行,Mstart)列)に配置されている半導体ダイの基準位置を読み込んで、その位置にカメラ22の視野の中心位置を移動させるようにしてもよい。
二行目以降の半導体ダイのピックアップはどの行も同様のルーチンで行っていくので、以下では、図15〜図24を参照しながら4行目の半導体ダイ111〜115と、テグダイ60a,60bが配置されている5行目の半導体ダイ212〜216のピックアップルーチンを例に説明する。二行目以降の半導体ダイのピックアップと先に説明した一行目の半導体ダイのピックアップ手順とは、一行目の半導体ダイのピックアップは、ピックアップ方向に配置された半導体ダイを認識できない際には、半導体ダイのカメラ22の視野をX方向ピッチPX(行方向ピッチ)だけピッチ移動させて、カメラ22の視野の中に半導体ダイを捉え、その半導体ダイの中心位置にカメラ22の視野の中心を合わせてピックアップする半導体ダイの絶対位置を順次検出していくのに対し、2行目以降では、ピックアップ方向に配置された半導体ダイを認識できない際には、先の行で位置検出した半導体ダイの絶対位置に基づいて計算し、メモリ32の位置データ35に格納した予測絶対位置を読み出して、その予測絶対位置に向かってカメラ22の視野を移動させていく点で異なっている。
以下、図15〜19に示す(4行,1列)に配置されている半導体ダイ111から(4行,5列)に配置されている半導体ダイ115を順次ピックアップする工程について説明する。この例では、N=4,Mstart=1であるので、CPU31は、図13のステップS222でN=4、M=1にセットし、図13のステップS223に示すように、図1に示す視野移動プログラム39を実行する。まず、CPU31は、N=3の行の半導体ダイをピックアップする際にメモリ32の位置データ35に格納した(4行,1列)の半導体ダイ111の予測絶対位置を読み込む。次に、CPU31は、カメラ22の視野151の中心が、先に読み込んだN=4,M=1(4行,1列)に配置されている半導体ダイ111の予測絶対位置となるようにウェーハホルダ駆動部18を駆動する指令を出力する。この指令はウェーハホルダ駆動部インターフェース44を介してウェーハホルダ駆動部18に制御信号として入力され、ウェーハホルダ駆動部18はウェーハホルダ10をXY方向に移動させる(視野移動工程)。その後、図12のS204に戻る。
図12ステップS204,S205に示すように、CPU31は、図1に示す検出プログラム36を実行し、カメラインターフェース42を介してカメラ22によって、視野171の範囲に含まれる半導体ダイ111,112,211を撮像し、その画像から(4行,1列)の半導体ダイ111の中心位置を検出する。そして、検出した半導体ダイ111の中心位置とカメラ22の視野171の中心とが一致するように、ウェーハホルダ駆動部18によりウェーハホルダ10のXY方向の位置を調整する。そして、(4行,1列)の半導体ダイ111の中心位置とカメラ22の視野171の中心とが一致したら、その位置を(4行,1列)の半導体ダイ111(第一半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置として検出する(検出工程)。
次に、CPU31は、図12のステップS206に示すように、図1に示すピックアッププログラム38を実行し、位置検出を行った(4行,1列)の半導体ダイ111の絶対位置に突き上げ機構21とコレット19とが来るようにウェーハホルダ駆動部18によりウェーハホルダ10のXY方向の位置を調整し、位置調整が終了したら、半導体ダイ111をピックアップする指令を出力する。この指令により、突き上げ機構21が上方向に移動して(4行,1列)の半導体ダイ111を突き上げ、同時にコレット駆動部20がコレット19を降下させて半導体ダイ111を真空吸着し、半導体ダイ111をウェーハシート12からピックアップする(ピックアップ工程)。
次に、CPU31は、図12のステップS207,S208に示すように、図1に示す認識プログラム40を実行する。CPU31は、カメラ22で撮像した画像の中心に位置している半導体ダイ111の画像の下側の画像(5行上に位置する画像)が半導体ダイの画像か、例えば、テグダイ60のように半導体ダイと認識できない画像あるいはウェーハシート12のみで何も配置されていない画像かを判断する。図15に示すように、半導体ダイ111の画像の下側には(5行上に位置する画像)は半導体ダイ211が配置されているので、CPU31は、半導体ダイの画像を認識し、図12のステップS209に示すように、予測位置計算格納プログラム37を実行し、その画像から、半導体ダイ211(第二半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図12のステップS211に示すように検出した絶対位置を次の行の(5行,1列)に配置されている半導体ダイ211の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測絶対位置計算格納工程)。
次に、CPU31は、図12のステップS212に示すように、その行の最終列Mendの半導体ダイのピックアップが終了したかどうかを判断し、終了していなければ、図12の接続端子1(図中丸囲み数字の1で表す。以下同様)から図13の接続端子1に示すように、図13のステップS213に進み、認識プログラム40を実行する。CPU31は、カメラ22で撮像した画像の中心に位置している半導体ダイ111の画像のピックアップ方向側の画像(X方向プラス側に位置する画像)が半導体ダイの画像か、例えば、テグダイ60のように半導体ダイと認識できない画像あるいはウェーハシート12のみで何も配置されていない画像かを判断する。図15に示すように、半導体ダイ111のピックアップ方向側(X方向プラス側)には、半導体ダイ112が配置されているので、CPU31は、図13のステップS214に示すように、その画像から、半導体ダイ112の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図13のステップS215に示すように検出した半導体ダイ112の絶対位置に図16に示すカメラ22の視野172の中心位置を移動させ、図13のステップS216に示すように、列Mを1だけインクレメントして図13の接続端子3、図12の接続端子3から図12のS204に戻る。
図12ステップS204,S205に示すように、CPU31は、図1に示す検出プログラム36を実行し、カメラインターフェース42を介してカメラ22によって、図16に示す視野172の範囲に含まれる半導体ダイ112,212,113を撮像し、その画像から(4行,2列)の半導体ダイ112の中心位置を検出する。そして、検出した半導体ダイ112の中心位置とカメラ22の視野172の中心とが一致するように、ウェーハホルダ駆動部18によりウェーハホルダ10のXY方向の位置を調整する。そして、(4行,2列)の半導体ダイ112の中心位置とカメラ22の視野172の中心とが一致したら、その位置を(4行,2列)の半導体ダイ112(第一半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置として検出する(検出工程)。
次に、CPU31は、先に説明したのと同様、図12のステップS206に示すように、ピックアッププログラム38を実行し、位置検出を行った(4行,2列)の半導体ダイ112をピックアップする。(ピックアップ工程)。
次に、CPU31は、先に説明したのと同様、図12のステップS207,S208に示すように、認識プログラム40を実行し、図12のステップS209に示すように、予測位置計算格納プログラム37を実行して半導体ダイ212(第二半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図12のステップS211に示すように検出した絶対位置を次の行の(5行,2列)に配置されている半導体ダイ212の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測絶対位置計算格納工程)。
次に、CPU31は、先の説明と同様、図12のステップS212から図13のステップS213に進み、認識プログラム40を実行し、図13のステップS214に示すように、半導体ダイ113の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図13のステップS215に示すように、検出した半導体ダイ113の絶対位置に図17に示す視野173の中心位置を移動させ、列Mを1だけインクレメントして図13の接続端子3、図12の接続端子3から図12のS204に戻る。
先に説明したのと同様、図12ステップS204,S205に示すように、CPU31は、図1に示す検出プログラム36を実行し、カメラインターフェース42を介してカメラ22によって、図17に示す視野173の範囲に含まれる半導体ダイ113,114,テグダイ60aを撮像し、その画像から(4行,3列)の半導体ダイ113の中心位置を検出し、(4行,3列)の半導体ダイ113の中心位置とカメラ22の視野173の中心とを一致させて、その位置を(4行,3列)の半導体ダイ113(第一半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置として検出する(検出工程)。
次に、CPU31は、先に説明したのと同様、図12のステップS206に示すように、図1に示すピックアッププログラム38を実行し、位置検出を行った(4行,3列)の半導体ダイ113をピックアップする。(ピックアップ工程)。
次に、CPU31は、図12のステップS207からステップS211に示す様に、図1に示す認識プログラム40、予測位置計算格納プログラム37を実行する。図17に示すように、半導体ダイ113の画像の下側(5行目)には、半導体ダイの特徴的な形状、マーク等がないテグダイ60aが配置されているので、CPU31はこの画像を半導体ダイと認識できない画像であると判断する。そして、CPU31は、図12のステップS210に示すように、図12のステップS205で検出した(4行,3列)の半導体ダイ113(第一半導体ダイ)の絶対位置からY方向(列方向ピッチ)ピッチPYを差し引いた位置を図12のステップS211に示す様に(5行(N+1行),3列)に配置されているであろう半導体ダイ213(第二半導体ダイ)の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測位置計算格納工程)。
次に、CPU31は、先の説明と同様、図12のステップS212から図13のステップS213に進み、認識プログラム40を実行し、図13のステップS214に示すように、半導体ダイ114の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図13のステップS215に示すように検出した半導体ダイ114の絶対位置に図18に示す視野174の中心位置を移動させ、図13のステップS216に示すように、列Mを1だけインクレメントして図13の接続端子3、図12の接続端子3から図12のS204に戻る。
以下同様に、図18、図19に示す様に、認識プログラム40、予測位置計算格納プログラム37、検出プログラム36、ピックアッププログラム38、視野移動プログラム39を実行して半導体ダイ114,115を順次ピックアップするとともに、(5行,4列)に配置されているであろう半導体ダイ214(第二半導体ダイ)の予測絶対位置および(5行,5列)に配置されている半導体ダイ215の絶対位置をそれぞれの予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測絶対位置計算格納工程)。
このように、4行上に配置されている半導体ダイを図15〜図19に示す矢印55のようにX方向プラス側に向かって順次ピックアップすると共に、図15〜図19に示す破線矢印E5に示すように5行上に位置する各半導体ダイの絶対位置を検出しあるいは計算して予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35の中に格納していく。
4行上にある半導体ダイを全てピックアップしたら、CPU31は、図13のステップS221に示すように、最後の行Nendまでピックアップしたかどうかを判断する。上記の説明では、まだ最終行までピックアップしていないので、CPU31は、図8のステップS223に示すように、Nを1だけインクレメントすると共に、Mを次の行の初期値Mstartにセットする。
以下、図20〜図24に示す様に、(5行,6列)に配置されている半導体ダイ216から(5行,2列)に配置されている半導体ダイ212をピックアップする工程について説明する。先に図15〜19を参照して説明したように、4行に配置されている半導体ダイは全てピックアップされているので、破線で示す。なお、先に4行の半導体ダイ111〜115のピックアップについて説明したのと同様の工程については、その工程名を明示して詳細な説明は省略する。
図12ステップS204,S205に示すように、CPU31は、図1に示す検出プログラム36を実行し、視野276の範囲に含まれる半導体ダイ216,316,215を撮像し、その画像から(5行,6列)の半導体ダイ216の中心位置を検出する。そして、検出した半導体ダイ216の中心位置とカメラ22の視野276の中心とを一致させ、その位置を(5行,6列)の半導体ダイ216(第一半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置として検出し(検出工程)、図12のステップS206に示すように、図1に示すピックアッププログラム38を実行し、位置検出を行った(5行,6列)の半導体ダイ216をウェーハシート12からピックアップする(ピックアップ工程)。
次に、CPU31は、図12のステップS207,S208に示すように、図1に示す認識プログラム40を実行する。カメラ22で撮像した画像の中心に位置している半導体ダイ216の下側には半導体ダイ316が配置されているので、CPU31は、半導体ダイの画像を認識し、図12のステップS209に示すように、予測位置計算格納プログラム37を実行し、その画像から、半導体ダイ316(第二半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図12のステップS211に示すように検出した絶対位置を次の行の(6行,6列)に配置されている半導体ダイ316の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測絶対位置計算格納工程)。
次に、CPU31は、図13のステップS213に進み、図1に示す認識プログラム40を実行する。カメラ22で撮像した画像の中心に位置している半導体ダイ216の画像のピックアップ方向側(X方向マイナス側)には、半導体ダイ215が配置されているので、図13のステップS214に示すように、その画像から、半導体ダイ215の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図13のステップS215に示すように検出した半導体ダイ215の絶対位置に図21に示すように視野275の中心位置を移動させ、図13のステップS216に示すように、列Mを1だけ減少させて図13の接続端子3、図12の接続端子3から図12のS204に戻る。
図12ステップS204,S205に示すように、CPU31は、図21に示す視野275の範囲に含まれる半導体ダイ215,315,テグダイ60bを撮像し、その画像から(5行,5列)の半導体ダイ215の中心位置を検出する。そして、検出した半導体ダイ215の中心位置とカメラ22の視野275の中心とを一致させ、その位置を(5行,5列)の半導体ダイ215(第一半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置として検出する(検出工程)。次に、CPU31は、先に説明したのと同様、図12のステップS206に示すように、ピックアッププログラム38を実行し、位置検出を行った(5行,5列)の半導体ダイ215をピックアップする(ピックアップ工程)。
次に、CPU31は、図12のステップS207,S208に示すように、図1に示す認識プログラム40を実行する。カメラ22で撮像した画像の中心に位置している半導体ダイ215の下側には半導体ダイ315が配置されているので、CPU31は、半導体ダイの画像を認識し、図12のステップS209に示すように、予測位置計算格納プログラム37を実行し、その画像から、半導体ダイ315(第二半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図12のステップS211に示すように検出した絶対位置を次の行の(6行,5列)に配置されている半導体ダイ315の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測絶対位置計算格納工程)。
次に、CPU31は、図13のステップS213に進み、認識プログラム40を実行する。カメラ22で撮像した画像の中心に位置している半導体ダイ215の画像のピックアップ方向側(X方向マイナス側)には、半導体ダイ214ではなく、テグダイ60bが配置されているので、その画像を半導体ダイの画像と認識できないので、図13のステップS217からステップS218に進み、図13のステップS218に示す様に、前の行(4行)の半導体ダイ114をピックアップする際にメモリ32の位置データ35に格納した半導体ダイ214の予測絶対位置を読み出して、その予測絶対位置に図22に示すカメラ22の視野274の中心位置を移動させ、列Mを1だけ減少させて図13の接続端子3、図12の接続端子3から図12のS204に戻る。
図12ステップS204,S205に示すように、CPU31は、図22に示す視野274の範囲に含まれるテグダイ60a,60b、半導体ダイ314を撮像する。しかし、半導体ダイ214の配置されているであろう位置にはテグダイ60bが配置されているので、CPU31は、検出工程とピックアップ工程をスキップする。
そして、CPU31は、図12のステップS207,S208に示すように、認識プログラム40を実行する。カメラ22で撮像した画像の中心に位置しているテグダイ60bの下側には半導体ダイ314が配置されているので、CPU31は、半導体ダイの画像を認識し、図12のステップS209に示すように、予測位置計算格納プログラム37を実行し、その画像から、半導体ダイ314(第二半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図12のステップS211に示すように検出した絶対位置を次の行の(6行,4列)に配置されている半導体ダイ314の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測絶対位置計算格納工程)。
次に、CPU31は、図13のステップS213に進み、認識プログラム40を実行する。カメラ22で撮像した画像の中心に位置しているテグダイ60bの画像のピックアップ方向側(X方向マイナス側)には、半導体ダイ213ではなく、テグダイ60aが配置されているので、その画像を半導体ダイの画像と認識できない。このため、CPU31は、図13のステップS217からステップS218に進み、図13のステップS218に示す様に、前の行(4行)の半導体ダイ113をピックアップする際にメモリ32の位置データ35に格納した半導体ダイ213の予測絶対位置を読み出して、その予測絶対位置に図23に示す視野273の中心位置を移動させ、列Mを1だけ減少させて図13の接続端子3、図12の接続端子3から図12のS204に戻る。
図12ステップS204,S205に示すように、CPU31は、図23に示す視野273の範囲に含まれるテグダイ60a,半導体ダイ212,313を撮像する。しかし、半導体ダイ213の配置されているであろう位置にはテグダイ60aが配置されているので、CPU31は、検出工程とピックアップ工程をスキップする。
そして、CPU31は、図12のステップS207,S208に示すように、認識プログラム40を実行する。カメラ22で撮像した画像の中心に位置しているテグダイ60aの下側には半導体ダイ313が配置されているので、CPU31は、半導体ダイの画像を認識し、図12のステップS209に示すように、予測位置計算格納プログラム37を実行し、その画像から、半導体ダイ313(第二半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図12のステップS211に示すように検出した絶対位置を次の行の(6行,3列)に配置されている半導体ダイ313の予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35に格納する(予測絶対位置計算格納工程)。
次に、CPU31は、図13のステップS213に進み、認識プログラム40を実行する。カメラ22で撮像した画像の中心に位置しているテグダイ60aの画像のピックアップ方向側(X方向マイナス側)には、半導体ダイ212が配置されているので、CPU31はその画像を半導体ダイの画像と認識し、図13のステップS214に示すように、その画像から、半導体ダイ212の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置を検出し、図13のステップS215に示すように検出した絶対位置に図24に示す視野272の中心位置を移動させ、図13のステップS216に示すように、列Mを1だけ減少させて図13の接続端子3、図12の接続端子3から図12のS204に戻る。
そして、図12ステップS204,S205に示すように、CPU31は、図24に示す視野272の範囲に含まれる半導体ダイ212,211,312を撮像し、その画像から(5行,2列)の半導体ダイ212の中心位置を検出する。そして、検出した半導体ダイ212の中心位置とカメラ22の視野272の中心とを一致させ、その位置を(5行,2列)の半導体ダイ212(第一半導体ダイ)の半導体製造装置100の基準点(図示せず)に対する絶対位置として検出し(検出工程)、先に説明したのと同様、図12のステップS206に示すように、ピックアッププログラム38を実行し、位置検出を行った(5行,2列)の半導体ダイ212をピックアップする(ピックアップ工程)。
このように、5行上に配置されている半導体ダイを図20〜図24に示す矢印56のようにX方向マイナス側に向かって順次ピックアップすると共に、図20〜図24に示す破線矢印E6に示すように6行上に位置する各半導体ダイの絶対位置を検出しあるいは計算して予測絶対位置としてメモリ32の位置データ35の中に格納していく。
以上説明した実施形態も先に図1から図11を参照して説明した実施形態と同様、一の行上の半導体ダイ(第一半導体ダイ)をピックアップする際に次の行上にあると予想される半導体ダイ(第二半導体ダイ)の絶対位置を計算して予測絶対位置としてメモリに格納し、この格納した予測絶対位置に基づいて次の行のカメラ22の視野を移動さて半導体ダイのピックアップを行う。つまり、実際にピックアップした半導体ダイの位置に基づいて次の行の半導体ダイの位置を予測し、その位置に向かってカメラ22の視野の中心位置を移動させるので、半導体ダイが配置されていない場合であっても、視野がピックアップしている行の次の行に飛んでしまい、ピックアップしている行の半導体ダイを取り残してしまうことを効果的に抑制することができる。
以上説明した各実施形態では、突き上げ機構21で半導体ダイ15をしたから突き上げてコレット19で半導体ダイ15を真空吸着して半導体ダイ15をウェーハシート12からピックアップすることとして説明したが、半導体ダイ15ピックアップするピックアップ機構はこれに限らず、例えば、上面の蓋を開閉自在に取り付けたステージをウェーハシート12の下面に押し付けて、蓋を開いてウェーハシート12を吸い込むと共にコレット19で半導体ダイ15を真空吸着するようにしてもよい。
なお、以上説明した各実施形態では、図面に水平方向に一行ずつ半導体ダイ15をピックアップしていくこととして説明したが、列方向に一列ずつ半導体ダイ15をピックアップするようにしてもよい。
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲により規定されている本発明の技術的範囲ないし本質から逸脱することのない全ての変更及び修正を包含するものである。