JP2013004794A - 半導体チップのピックアップ装置、ピックアップ方法、ダイボンディング装置、ダイボンディング方法、半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体チップのピックアップ処理の信頼性の向上を図る。
【解決手段】本発明に係るピックアップ方法は、保持冶具に保持されるウェハに所定の配列で形成され個片に分離された複数の半導体チップの配列データ及び個々の半導体チップの良否を示す良否データを含むマップデータを作成し、ウェハ上に設けられた2つ以上のターゲットダイ、及び、複数の半導体チップのうち、2つのターゲットダイ間に配置される少なくとも1つの参照チップ18を認識し、装置座標系における前記複数の半導体チップの位置座標を特定し、特定された半導体チップの位置座標を用いて、マップデータに基づき、参照チップ18以外の半導体チップのピックアップ処理を行い、参照チップ18以外の半導体チップのピックアップ処理が完了した後に、参照チップのピックアップ処理を実行する。
【選択図】図16
【解決手段】本発明に係るピックアップ方法は、保持冶具に保持されるウェハに所定の配列で形成され個片に分離された複数の半導体チップの配列データ及び個々の半導体チップの良否を示す良否データを含むマップデータを作成し、ウェハ上に設けられた2つ以上のターゲットダイ、及び、複数の半導体チップのうち、2つのターゲットダイ間に配置される少なくとも1つの参照チップ18を認識し、装置座標系における前記複数の半導体チップの位置座標を特定し、特定された半導体チップの位置座標を用いて、マップデータに基づき、参照チップ18以外の半導体チップのピックアップ処理を行い、参照チップ18以外の半導体チップのピックアップ処理が完了した後に、参照チップのピックアップ処理を実行する。
【選択図】図16
Description
本発明は、半導体チップのピックアップ装置、ピックアップ方法、ダイボンディング装置、ダイボンディング方法及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の製造工程において、半導体チップ(以下、チップと称する)は複数のチップが形成されたウェハから切り出される。チップの切り出しはチップ保持治具であるシートにウェハを貼着した状態で行われる。切り出されたチップは下方からを突き上げられ、シートから剥ぎ取られてピックアップされる。
このピックアップ工程に先立ってチップの良否検査が行われる。近年、半導体装置の製造コスト削減のため、ウェハ内の不良チップ識別の為の不良マーキングは廃止され、マップデータに基づいてチップの良/不良判定が行われるノーマーキングウェハが主流となっている。マップデータは、個々のチップの良否を示す良否データとウェハにおけるチップの位置を示す配列データを含む。
ウェハをダイシングして分割することによって得られるチップのうち良品のみがピックアップされ、ダイボンディング工程にて基板に搭載される。チップのピックアップ工程において、マップデータに基づいて良品チップを識別するために、ウェハ内のチップの位置座標を正確に把握する必要がある。
特許文献1、2には、チップ保持冶具に所定の配列で保持されたチップをピックアップする技術が記載されている。
特許文献1では、ピックアップ装置の座標系におけるウェハ上のチップの位置を特定するために、最初に参照される第1の参照チップに対応する位置座標を手動でティーチングし、第1の参照チップの位置座標、チップの配列データ及び配列データにおける参照チップ位置に基づいて、後続する第2及び第3の参照チップを画像認識による自動検出によって求めている。このため、ウェハ内に位置参照専用の特別なチップを作り込む必要がない。
特許文献2では、隣接する2つの行においてチップ形成数が異なり、チップ配列に段差が生じている場合において、改行時にマップデータに基づいて算出した位置と実際のチップの位置とのズレを低減するために、ピックアップ順序を変更している。長い配列の行において、これに隣接する短い配列の行の端部のチップに対応するチップから端部までのチップピックアップ処理をせずに飛び越えて、長い配列の端部から逆の順序でチップをピックアップすることにより、改行時の移動距離を少なくしている。
通常、ウェハ内にはターゲットダイと呼ばれる位置参照専用の特別なチップが3点以上設けられている。ターゲットダイを認識することにより、ピックアップ装置の座標系におけるウェハ上のチップの実際の位置が特定される。この特定された位置に基づいて、マップデータを用いてピックアップ処理が実行される。
一般的に、ピックアップ処理を行う前に、チップ間に間隙を形成するため、チップ保持冶具であるシートを引き延ばすエキスパンド処理が行われる。これにより、ピックアップ時には、マップデータに基づいて算出した位置と実際のチップ位置との間に位置ズレが生じる。このため、ピックアップしなければならない良品チップを、不良品チップと間違えてピックアップしない、所謂、取り残しという問題が発生する場合がある。また、取り残しと反対に、ピックアップする必要がない不良品チップをピックアップしてしまうという問題が発生するおそれがある。
この位置ズレを補正するために、ターゲットダイを認識する移動途中に存在するチップを位置補正用の参照チップとして認識し位置補正が行われている。しかし、ピックアップ処理を途中まで実行し回収したウェハの再ピックアップ処理を行う場合、すでにチップがピックアップされているため、移動途中にチップが存在せず、位置の補正を行うことができない。このため、ウェハにおけるチップの正確な座標が認識できず、ピックアップ処理のスタートとなるチップの位置ズレが懸念される。
なお、特許文献2では、チップ配列に段差が生じている場合にピックアップ処理をせずに飛び越えた複数のチップの位置を認識し、各チップの位置データを補正することが記載されている。しかし、特許文献2では、連続したピックアップ作業中のチップ位置データの補正を行っているものの、ピックアップ処理途中で回収されたウェハの再位置合わせについては記載されていない。従って、特許文献2でも、途中までピックアップ処理を行ったウェハにおけるチップ位置を、再度ターゲットダイを用いて特定する場合には、移動途中にチップが存在しないため、位置の補正を行うことができない。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下の通りである。
本発明の第1の態様に係るピックアップ装置は、保持冶具に保持されたウェハ上に設けられた2つ以上のターゲットダイ、及び、前記ウェハに所定の配列で形成され個片に分離された複数の半導体チップのうち、前記2つのターゲットダイ間に配置される少なくとも1つの参照チップを認識する認識部と、前記認識部により認識された前記2つ以上のターゲットダイ及び前記参照チップを用いて、装置座標系における前記複数の半導体チップの位置座標を特定する補正部と、個々の半導体チップの良否を示す良否データ及び前記ウェハにおける個々の半導体チップの配列を示す配列データを含むマップデータに基づき、前記補正部により特定された前記半導体チップの位置座標を用いて、前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理を行い、前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理が完了した後に、前記参照チップのピックアップ処理を実行するピックアップ処理部とを備えるものである。
本発明の第2の態様に係るピックアップ方法は、保持冶具に保持されるウェハに所定の配列で形成され個片に分離された複数の半導体チップの配列データ及び個々の半導体チップの良否を示す良否データを含むマップデータを作成し、前記ウェハ上に設けられた2つ以上のターゲットダイ、及び、前記複数の半導体チップのうち、前記2つのターゲットダイ間に配置される少なくとも1つの参照チップを認識し、認識された前記2つ以上のターゲットダイ及び前記参照チップを用いて、装置座標系における前記複数の半導体チップの位置座標を特定し、特定された前記半導体チップの位置座標を用いて、前記マップデータに基づき、前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理を行い、前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理が完了した後に、前記参照チップのピックアップ処理を実行する。
本発明の第3の態様に係るダイボンディング装置は、上記のピックアップ装置によりピックアップされた半導体装置を基板上に搬送し、当該半導体チップを前記基板上にダイボンディングするものである。
本発明の第4の態様に係るダイボンディング方法は、上記のピックアップ方法によりピックアップされた半導体チップを基板上に搬送し、当該半導体チップを前記基板にダイボンディングする。
本発明の第5の態様に係る半導体装置の製造方法は、ウェハに所定の配列で形成された複数の半導体チップの配列データ及び個々の半導体チップの良否を示す良否データを含むマップデータを作成し、前記ウェハを保持冶具に保持し、前記保持冶具に保持された状態で、前記ウェハを個片の半導体チップに分割し、前記ウェハ上に設けられた2つ以上のターゲットダイ、及び、前記半導体チップのうち前記2つのターゲットダイ間に配置される少なくとも1つの参照チップを認識し、認識された前記2つ以上のターゲットダイ及び前記参照チップを用いて、装置座標系における前記複数の半導体チップの位置座標を特定し、特定された前記半導体チップの位置座標を用いて、前記マップデータに基づき、前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理を行い、前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理が完了した後に、前記参照チップのピックアップ処理を実行する。
本発明によれば、参照チップ以外の半導体チップのピックアップ処理を行い、参照チップ以外の半導体チップのピックアップ処理が完了した後に、参照チップのピックアップ処理を実行する。このため、処理途中のウェハのピックアップ処理を再開する場合でも、ウェハ上に残った参照チップを用いて、正確にターゲットダイを認識することができ、半導体チップの位置座標の特定することができる。これにより、ピックアップ処理の半導体チップの座標ズレを低減することができ、ピックアップ処理の信頼性を向上することができる。
本発明によれば、ウェハから半導体チップをピックアップする際の誤ピックアップを低減してピックアップ処理の信頼性の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、以下では、複数の実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1を、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、ピックアップ処理を行う複数の半導体チップが形成されたウェハの構成について説明する。図1は、ウェハ1が保持冶具に保持された状態を示す図である。
本発明の実施の形態1を、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、ピックアップ処理を行う複数の半導体チップが形成されたウェハの構成について説明する。図1は、ウェハ1が保持冶具に保持された状態を示す図である。
図1に示すように、ウェハ1上には、複数の半導体チップ2が行列状に形成されている。図1において、左右方向に伸びる配列を行(ロウ)、上下方向に伸びる配列を列(カラム)とする。なお、以降の図面及び説明においても同様とする。図1に示す例では、ウェハ1の形状による制約により、下から1、2行目及び上から1、2行目に形成される半導体チップ2の個数が少なくなっている。ウェハ1は、ダイシングにより個片の半導体チップ2に分割されている。
本実施の形態では、半導体チップ2上には、前段階で行われる良否検査により判定された良品チップ/不良品チップを示すマークが付されていない。すなわち、ウェハ1はノーマーキングウェハである。これにより、不良チップ識別のためのマーキングを行うための工程を削減することができ、半導体装置の製造コストを削減することができる。
本実施の形態では、ウェハ1を保持する保持冶具はシート3とリング4を含む。ウェハ1は、シート3によりリング4に貼り付けられている。シート3には粘着層が設けられており、この粘着層により個々の半導体チップ2がシート3に貼付保持される。リング4はシート3の外周部に設けられる。すなわち、リング4は、シート3のウェハ1が貼り付けられた領域を囲むように配置される。また、後述するように、シート3を引き延ばすことにより、個々の半導体チップ2間に間隙を形成して、ピックアップ処理を容易にすることができる。
ウェハ1の端部には、ウェハID5が設けられている。リング4には、バーコード6が設けられている。ウェハID5及びバーコード6は、ウェハ1上の半導体チップ2の配列データ及び個々の半導体チップ2の良否を示す良否データを含むマップデータの検索を行うために用いられる。ウェハID5とバーコード6とは、関連付けられて記憶されている。これにより、ダイシングによってウェハID5が読み取れなくなった場合でも、リング4のバーコード6を読み取ることによりウェハ1に対応するマップデータを検索することが可能となる。
上述のように、半導体チップ2に良品チップ/不良品チップを示すマークが付されていないため、ピックアップ処理時にはマップデータを用いてピックアップすべき半導体チップ2の位置を確認しながらピックアップ処理が実行される。図2に、マップデータの一例が示される。図2に示すように、マップデータにはウェハ1における半導体チップ2の配列データ、すなわち、半導体チップ2の位置座標が含まれる。また、マップデータには、ウェハ1のスペースの状態等を示すデータも含む。図2に示す例では、「FF」はウェハ領域外、「11」は不良品チップ、「00」は良品チップを表わしている。
図3に、このように良否検査結果のマークが付されていない半導体チップ2に対して、図2に示すようなマップデータを用いてピックアップを行うピックアップ装置を採用した半導体装置の製造システムが示される。図3では、半導体装置の製造工程のうちダイボンディング工程を実行するダイボンディング装置15を備える例を示す。
図3に示すように、本実施の形態に係る製造システムは、サーバー13、ウェハマウント装置14、ダイボンディング装置15を備える。前工程では、ウェハ1上の個々の半導体チップ2の検査が行われ、それぞれの半導体チップ2の良品/不良品の判定が行われる。サーバー13には、前工程で行われた個々の半導体チップ2の良否を示す良否データ及び半導体チップ2の配列データを含むマップデータが記憶される。マップデータは、ウェハ1毎にサーバー13に保存され、ウェハ1上に印字されたウェハID5により識別される。すなわち、サーバー13は、マップデータをウェハ1の識別情報であるウェハID5と関連付けて記憶する記憶部である。
ウェハマウント装置14は、半導体チップ2が形成されたウェハ1を、シート3を用いてリング4に貼り付ける。ウェハ1は、シート3に貼り付けられた状態で図示しないダイシング装置により個片のウェハ1に分割される。
また、ウェハマウント装置14は、ウェハ1上のウェハID5及びリング4上のバーコード6を関連付けてサーバー13に送信する。これにより、ダイシングによってウェハID5を読み取ることができなくなっても、リング4に設けられたバーコード6を読み取ることで、当該ウェハ1に対応したマップデータを検索することが可能となる。ダイボンディング装置15は、分割された個々の半導体チップ2をピックアップし、基板に搭載する。
ここで、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図3に示す製造システムでは、まず、サーバー13に、前工程から送信されたロット単位のマップデータが保存される。なお、ここでは図示していないが、ロットを分割した場合やロットを統合した場合等に応じてマップデータを処理する処理装置が別途設けられていてもよい。
一方、ウェハマウント装置14には、前工程からウェハ1が搬送される。ウェハマウント装置14は、ウェハ1上に印字されているウェハID5を読み取り、サーバー13に対して、読み取ったウェハID5に対応するマップデータの有無の確認を行う。また、ウェハマウント装置14は、読み取ったウェハID5からバーコード6を作成する。バーコード6は、ウェハID5と関連付けられてサーバー13に保存される。
さらに、ウェハマウント装置14は、ウェハ1をシート3を用いてリング4に貼り付けるとともに、作成されたバーコード6をリング4に貼り付ける。ウェハ1は、リング4、シート3を含む保持冶具ごと図示しないダイシング装置に送られる。
ダイシング装置では、保持冶具に貼り付けられたウェハ1のダイシングが行われる。その後、保持冶具に貼り付けられた状態のダイシング済みのウェハ1はピックアップ装置を備えるダイボンディング装置15に搬送される。ダイボンディング装置15では、バーコード6を読み取ることによりウェハID5を読み取り、サーバー13に対してウェハID5を送信して、これに対応するマップデータを要求する。
サーバー13は、送られたウェハID5に対応するマップデータをダイボンディング装置15に送信する。ダイボンディング装置15は、サーバー13から送られたマップデータに基づいて半導体チップ2のうち良品チップのみのピックアップ処理を行う。
ここで、ダイボンディング装置15の詳細な構成について、図4を参照して説明する。図4は、本実施の形態に係る半導体チップ2のピックアップ装置を備えるダイボンディング装置15の概略構成を示す図である。図4に示すように、ダイボンディング装置15は、認識カメラ7、ピックアップユニット8、補正部9を有する。
認識カメラ7は、ウェハ1に形成された半導体チップ2中に形成されるターゲットダイ及び参照チップを画像認識する。ターゲットダイ及び参照チップは、ダイボンディング装置15の装置座標系における個々の半導体チップ2の位置座標を特定するために用いられるものである。図5に、ウェハ1上におけるターゲットダイの配置の一例を示す。
図5に示す例では、3つのターゲットダイ16a、16b、16cが設けられている。ターゲットダイはウェハ1上に形成された特徴的なパターンであり、半導体チップ2の製造工程内で形成されるものである。これら3つのターゲットダイ16a、16b、16cは、ウェハ1の外周近傍に配置されている。ターゲットダイ16a、16bは、同一の列の両端にそれぞれ配置されている。ターゲットダイ16b、16cは、同一の行の両端にそれぞれ配置されている。
なお、ターゲットダイはこれに限定されるものではなく、他の半導体チップ2に対してユニークになりえる半導体チップ2を探し出し、ターゲットダイとして設定することも可能である。ユニークな半導体チップ2としては、例えば、パッドの開口のためのショットが行われていないもの等を用いることができる。
本実施の形態では、ターゲットダイ16a、16bと同一の列において、これら2つのターゲットダイの間に配置される5つの半導体チップ2及びターゲットダイ16b、16cと同一の行において、これら2つのターゲットダイ間に配置される6つの半導体チップ2が参照チップとされる。
ダイボンディング装置15は、ウェハ1が貼り付けられたリング4のバーコード6を読取り、サーバー13上に存在するウェハ1に対応するマップデータを読み込む。そして、ダイボンディング装置15は、後述するように装置座標系における複数の半導体チップ2の位置座標を特定し、この位置座標を用いて読み込んだマップデータに基づいてピックアップ処理を行う。
ダイボンディング装置15には、安定したピックアップ処理を行うため、シート3を引き延ばして半導体チップ2間に間隙を形成するエキスパンダー12をさらに備えている。図6を用いて、エキスパンダー12によりシート3を引き延ばすエキスパンド処理を説明する。図6に示すように、ダイボンディング装置15は、突上げユニット10、突上げピン11、エキスパンダー12、支持台17をさらに備えている。
ウェハ1が貼り付けられたシート3は、支持台17上に載置される。シート3の半導体チップ2が貼付された面の裏面側が支持台17に当接する。この状態で、エキスパンダー12によりシート3の外周部に設けられたリング4を支持台17のシート3に当接する面よりも下側に押し下げることにより、シート3を引き延ばすことができる。これにより、個々の半導体チップ2間に間隙を形成することが可能となる。
吸着機能を備えた突上げユニット10は、ピックアップされる半導体チップ2の裏面側に移動する。突上げピン11は、当該半導体チップ2の裏面側を、シート3を介して突上げる。これにより、ピックアップユニット8により確実に半導体チップ2をピックアップすることが可能となる。
図4に示すように、ピックアップユニット8によりピックアップされた半導体チップ2は基板30上に搬送され、基板30にダイボンディングされる。ここで、本実施の形態に係る製造方法により製造される半導体装置の一例について、図7を参照して説明する。図7は、製造される半導体装置の実装構造の一例を示す断面図である。
図7に示すように、半導体チップ2は、基板30上にマウント材31を用いて実装されている。基板30の半導体チップ2が実装される面の裏面側にはバンプ32が形成されている。バンプ32は、半導体チップ2が実装された半導体装置を電子デバイスに実装する際に用いられる。基板30には、バンプ32の一部と接続される電極33が形成されている。半導体チップ2と電極33とは、ボンディングワイヤー34を介して接続されている。半導体チップ2、マウント材31、ボンディングワイヤー34は、樹脂35より封止されている。
ここで、図8〜16を参照して半導体装置の製造工程の一部であるダイボンディング工程において、ダイシング後のウェハ1から半導体チップ2をピックアップする方法について詳細に説明する。図8、12、13は、半導体チップをピックアップする際の問題点を説明するための図である。図9、10、14〜18は、実施の形態1に係る半導体チップのピックアップ方法を説明する図である。図11は、ダイボンディング装置15に送信されるマップデータの一例を示す図である。
ダイボンディング工程では、ノーマーキングウェハ中の半導体チップ2のうち、良品チップのみをピックアップする必要があるため、マップデータに対応したウェハ1内の半導体チップ2の座標を把握する必要がある。しかし、実際は、ウェハ1をダイボンディング装置15に供給したときのθズレや、エキスパンド処理による半導体チップ2の間隔のズレ等により、座標が理論値に対してズレが生じてしまう可能性がある。
そのため、ダイボンディング装置15の座標系における半導体チップ2の位置座標の特定は、図6にあるウェハ1上に形成された特徴的な3つのターゲットダイ(16a、16b、16c)を認識することで行う。
まず、ウェハ投入後最初のターゲットダイ16aを認識し、その後、当該ターゲットダイ16aと同一列に形成された2つ目のターゲットダイ16bまで直線的に移動して、ターゲットダイ16bを認識する。その後、ターゲットダイ16bと同一行に形成された3つ目のターゲットダイ16cまで直線的に移動して、ターゲットダイ16cを認識する。
このように、3つのターゲットダイ16a、16b、16c間を移動して認識することにより、ダイボンディング装置15内の実際の移動量を求めることができる。この移動量を用いて、ピックアップ対象の半導体チップ2の座標が補正され、ダイボンディング装置15の座標系における半導体チップ2の正確な位置座標が特定される。この特定された位置座標が、半導体チップ2のピックアップ位置となる。
このとき、図8に示すようにθズレが大きい場合には、1つ目のターゲットダイ16aから2つ目のターゲットダイ16bに移動する際に、次のターゲットダイ16bを認識できない可能性がある。本実施の形態では、ターゲットダイを用いた半導体チップ2の位置座標の特定の際に、ターゲットダイ間に形成された通常の半導体チップ2を参照チップとして、位置座標の補正を行う。
ここで、図9を参照して、実施の形態1に係るピックアップ方法における位置座標の補正動作の一例について説明する。図9に示すように、ターゲットダイ16a、16bを正確にサーチするため、移動途中に存在する半導体チップ2を一定間隔で認識して位置補正を行いながら、ターゲットダイ16aからターゲットダイ16bまで移動する。移動中の位置補正に使用される半導体チップ2を参照チップ18と呼ぶ。
図9に示す例では、ターゲットダイ16a、16b間の5つの参照チップ18の全てが認識カメラ7により認識され、位置補正が実行される。これにより、より正確にダイボンディング装置15の座標系におけるピックアップすべき半導体チップ2の位置座標を特定することが可能となる。なお、ターゲットダイ間の全ての半導体チップ2の認識を行う必要はなく、例えば、1つ置きに認識するようにしてもよい。
上述のとおり、ターゲットダイ16a、16b、16cは、ウェハ1の外周近傍に配置されている。このため、ウェハ1上における移動距離を長くすることができ、また、2つのターゲットダイ間に配置される参照チップの数を多くすることができる。これにより、より正確に半導体チップ2の位置座標を補正することが可能となる。
また、本実施の形態では、ターゲットダイ16a、16bは、同一の列の両端にそれぞれ配置されており、ターゲットダイ16b、16cは、同一の行の両端にそれぞれ配置されている。これにより、行方向及び列方向におけるウェハ1上の半導体チップ2の位置座標を正確に補正することが可能となる。
ターゲットダイ16a、16b、16cの認識が終了すると、図2に示すマップデータに基づいて指定される、ピックアップすべき良品の半導体チップ2が存在する座標に移動し、ピックアップ処理が実行される。図10に示す例では、1行目の左端の半導体チップ2から右端まで順次ピックアップ処理が実行される。
また、改行時の移動距離を少なくするため、1行目の右端から2行目の右端へとピックアップユニット8が移動する。そして、2行目は左端から右端まで順次ピックアップ処理が実行される。このように、改行時の移動距離を少なくすることによって、移動による位置ズレを抑制することが可能である。なお、ピックアップ順序については、これに限定されるものではない。
図3の製造システムにおいて、ダイボンディング装置15からサーバー13にマップデータの要求があった際にサーバー13から送信されるデータは、ピックアップ対象の半導体チップ2の座標(X、Y)、有効カラム数(X数)、有効ロウ数(Y数)、良否データである。例えば、1行目を左端から右端へ読み出した場合のサーバー13から送信されるデータは図11に示すものとなる。図11に示すように、図2に示す(0、8)の位置から(8、8)順にデータが並んで送信される。
このとき、良否データが、半導体チップ2が良品チップであることを示す「00」である場合、当該半導体チップ2をピックアップし、不良品チップであることを示す「11」である場合ピックアップしない。従って、不良品チップはシート3上に残され、ピックアップ順序で次に存在する良品チップがピックアップされる。このため、ウェハ1の途中まで半導体チップ2のピックアップ処理を行った場合、ウェハ1上には、図12示すように、ターゲットダイ16a、16b、16c、不良品チップ及びまだピックアップ処理が実行されていない半導体チップ2が残される。
所定の組立ロットのダイボンディングが完了して他製品に切り替える際、ウェハ1上に良品チップが残っている場合には、ウェハ1は保持冶具ごとダイボンディング装置15から取り外され保管される。このような、一旦ピックアップ処理を中断してダイボンディング装置15から取り外した処理途中のウェハ1のピックアップ処理を再開する場合、再度ターゲットダイを用いて、装置座標系における半導体チップ2の位置座標を特定する必要がある。
しかしながら、図13に示すように、ターゲットダイ16aからターゲットダイ16bに向かって移動する間に存在する良品の半導体チップ2がすでにピックアップされていると、位置座標のズレを補正することができず、ターゲットダイ16bが認識できないという問題がある。そこで、本実施の形態に係るピックアップ方法では、途中までピックアップ処理を行ったウェハ1であっても、正確に装置座標系における半導体チップ2の位置座標を特定できるようにする。
図14〜18において、ドットハッチングされたチップを参照チップ18、クロスハッチングされたチップを不良品チップ19、ハッチングされていないチップを良品チップ20とする。まず、上述のように装置座標系における半導体チップ2の位置座標の特定を実行した後、図14に示すように1列目の左端から順次ピックアップしていく。このとき、図15に示すように、不良品チップ19はピックアップ処理を行わず飛び越えて、良品チップ20のみのピックアップ処理を実行する。1行目のピックアップ処理が終了した後、2行目に移動し右端から半導体チップ2がピックアップ処理される。
また、図16に示すように、ターゲットダイ間に存在する参照チップ18については、不良品チップと判断されている場合に限らず、良品チップであると判断されている場合でも、ピックアップせずシート3上に残したままにする。すなわち、参照チップ18である場合にはピックアップ処理を行わず飛び越えて、次の順番の良品チップ20のピックアップ処理を行う。つまり、参照チップ18は、ウェハ1上に参照チップ18ではない他の良品チップ20が残っている場合はピックアップ処理が実行されない。
ダイボンディング装置15内では、参照チップ18のピックアップ処理を飛ばすために、ターゲットダイ16a、16b、16cの座標(X、Y)、及びこれらの間に存在する参照チップ18の座標が記憶されている。ピックアップ処理対象の半導体チップ2が参照チップ18の座標と一致する場合には、順番を飛ばして次の良品チップ20のピックアップ処理を実行する。
なお、ターゲットダイ16a、16b、16c間に存在する参照チップ18のうち良品チップについてはピックアップ処理を実行しないように、ダイボンディング装置15内又はサーバー13等において、参照チップ18ではない通常の良品チップ20と区別するようにマップデータを補正してもよい。補正されたマップデータは、ターゲットダイ16a、16b、16c間に存在する良品チップと、その他の良品チップとが区別できるデータとなる。従って、補正されたマップデータには、ターゲットダイ16a、16b、16c、不良品チップ19、良品チップ20、及びターゲットダイ間に存在する良品チップのデータが含まれることとなる。
図17を用いて、最終行のピックアップ処理を実行せずに、良品チップ20が残った処理途中のウェハ1の再度ピックアップ処理を行う場合について説明する。この場合には、再度、装置座標系における半導体チップ2の位置座標を特定する必要がある。そこで、まず、認識カメラ7により、ターゲットダイ16aを画像認識し、その後、当該ターゲットダイ16aと同一列に形成された2つ目のターゲットダイ16bまで直線的に移動して、ターゲットダイ16bを認識する。
ターゲットダイ間に存在する良品チップについては通常動作ではピックアップを行う順番が来ても、ピックアップ処理を行わず順番を飛ばしている。このため、ウェハ1上には、参照チップ18が残った状態である。従って、ターゲットダイ16aからターゲットダイ16bに向かって移動する途中にある参照チップ18を認識カメラ7により画像認識して、半導体チップ2の位置座標の補正を行う。
その後、ターゲットダイ16bから、同一行に形成された3つ目のターゲットダイ16cまで直線的に移動して、ターゲットダイ16cを認識する。この移動途中において、ターゲットダイ16bとターゲットダイ16cとの間にある参照チップ18を認識カメラ7により画像認識して、半導体チップ2の位置座標の補正を行う。
位置座標の特定が終了した後、再ピックアップ処理における最初の半導体チップ2に移動する。図17に示す例では、最終行の左端の半導体チップ2に移動して、右端に向かって順次ピックアップ処理を実行する。このように、本実施の形態では、途中までピックアップ処理を行ったウェハ1であっても、正確に装置座標系における半導体チップ2の位置座標を特定できる。このため、より正確にピックアップ処理を実行することができ、信頼性を向上することが可能となる。
参照チップ18ではない通常の良品チップ20のピックアップが終了すると、ターゲットダイ16a、16b、16c、参照チップ18、不良品チップ19のみがウェハ1に残されることとなる。通常の良品チップ20のピックアップ処理が終了した後、ダイボンディング装置15では、ターゲットダイ間に存在する良品チップのピックアップ処理を実行するように自動で動作設定が行われる。そして、最後にピックアップした良品チップ20に最も近い参照チップ18中の良品チップへと移動する。これにより、移動距離を短くし、位置ズレを低減することが可能となる。
図18に示す例では、最終行の右端の良品チップ20のピックアップが終了すると、その良品チップ20と同一の列で、その1行上の参照チップ18に移動する。そして、当該参照チップ18から左に、すなわち、ターゲットダイ16cからターゲットダイ16bに向かう方向に順次ピックアップ処理を実行する。
ターゲットダイ16bの右に隣接する参照チップ18のピックアップ処理が終わった後には、ターゲットダイ16bの1行上に隣接する参照チップ18へ移動する。この参照チップ18から上に、すなわち、ターゲットダイ16bからターゲットダイ16aに向かう方向に順次ピックアップ処理を行う。このとき、参照チップ18が良品チップであればピックアップし、不良品チップであればピックアップしない。なお、上述の実施の形態は例示であり、ピックアップ順序は上述の説明に限定されない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、処理途中のウェハ1を再度ダイボンディング装置15にセットし、装置座標系における半導体チップ2の位置を特定する場合でも、正確にターゲットダイを認識することができ、半導体チップ2の位置座標の特定することができる。これにより、ピックアップ処理のスタートとなる半導体チップ2の座標ズレを低減することができ、半導体チップ2のピックアップ処理の信頼性を向上することが可能となる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る半導体チップのピックアップ方法について図19〜21を参照して説明する。図19〜22は、本実施の形態に係るピックアップ方法について説明する図である。図19〜22において、ドットハッチングされたチップが参照チップ18、クロスハッチングされたチップが不良品チップ19、ハッチングされていないチップが良品チップ20である。
本発明の実施の形態2に係る半導体チップのピックアップ方法について図19〜21を参照して説明する。図19〜22は、本実施の形態に係るピックアップ方法について説明する図である。図19〜22において、ドットハッチングされたチップが参照チップ18、クロスハッチングされたチップが不良品チップ19、ハッチングされていないチップが良品チップ20である。
なお、本実施の形態に係るピックアップ方法を採用するピックアップ装置は、上述の半導体製造システムにおけるダイボンディング装置15において用いられる。これらのシステム、装置については、実施の形態1と同様の構成であるため説明を省略する。
本実施の形態では、2つのターゲットダイが設けられている例について説明する。図19に示す例では、2つのターゲットダイ16a、16cが設けられている。これら2つのターゲットダイ16a、16cは、ウェハ1の外周近傍に配置されており、ウェハ1の略中心を中心として対称に配置されている。すなわち、ターゲットダイ16a、16cを結ぶ直線は、ウェハ1の略中心を通り、中心からターゲットダイ16aまでの距離とターゲットダイ16cまでの距離は略等しい。
本実施の形態では、ターゲットダイ16a、16c間に存在する半導体チップ2が参照チップ18とされる。図19に示す折れ線が通る経路上の12個の半導体チップ2が参照チップとなる。ターゲットダイ16a、16c、参照チップ18が、ダイボンディング装置15の装置座標系における半導体チップ2の位置座標を特定するために用いられる。
ウェハ投入後、まず、認識カメラ7により最初のターゲットダイ16aを認識し、その後、ターゲットダイ16cまで移動して、ターゲットダイ16cを認識する。このように、2つのターゲットダイ16a、16c間を移動して認識することにより、ダイボンディング装置15内の実際の移動量を求めることができる。この移動量を用いて、ピックアップ対象の半導体チップ2の座標が補正され、ダイボンディング装置15の座標系における半導体チップ2の正確な位置座標が特定される。
また、ターゲットダイ16aからターゲットダイ16cまで移動する間に、移動途中に存在する参照チップ18を一定間隔で認識して位置補正を行う。これにより、ターゲットダイ16a、16bを正確にサーチすることができ、正確に位置座標を特定することが可能となる。本実施の形態では、12個の参照チップ18のすべてが認識カメラ7により認識される。
本実施の形態では、ターゲットダイ16a、16c間において、1チップ毎にX方向(行が延在する方向)又はY方向(列が延在する方向)に隣接する参照チップ18が認識される。具体的には、ターゲットダイ16aの右に隣接する参照チップ18が認識され、その後、当該参照チップ18の下(−Y方向)に隣接する参照チップ18が認識される。
すなわち、認識カメラ7は、図19に示すように、ターゲットダイ16aとターゲットダイ16cとの間を1チップ毎の階段状に移動して、各参照チップ18を認識する。これにより、X、Yいずれの方向に対しても、位置座標の補正を行うことが可能となる。
上述のとおり、ターゲットダイ16a、16cは、ウェハ1の外周近傍に配置されている。このため、ウェハ1上における移動距離を長くすることができ、また、2つのターゲットダイ間に配置される参照チップの数を多くすることができ、より正確に位置座標の補正を行うことができる。
ターゲットダイ16a、16cの認識が終了すると、図2に示すマップデータに基づいて指定される、ピックアップすべき良品の半導体チップ2が存在する座標に移動し、ピックアップ処理が実行される。図19に示す例では、1行目の左端の半導体チップ2から右端まで順次ピックアップ処理が実行される。このとき、良否データが、半導体チップ2が良品チップであることを示す「00」である場合、当該半導体チップ2をピックアップし、不良品チップであることを示す「11」である場合ピックアップしない。
また、図20に示すように、ターゲットダイ間に存在する参照チップ18については、不良品チップと判断されている場合に限らず、良品チップであると判断されている場合でも、ピックアップせずシート3上に残したままにする。すなわち、参照チップ18である場合にはピックアップ処理を行わず飛び越えて、次の順番の良品チップ20のピックアップ処理を行う。
図21に示すように、良品チップ20が残った処理途中のウェハ1の再度ピックアップ処理を行う場合には、再度装置座標系における半導体チップ2の位置座標の特定を行う。この場合、まず、認識カメラ7によりターゲットダイ16aを画像認識し、その後、当該ターゲットダイ16aからターゲットダイ16cまで移動して、ターゲットダイ16cを認識する。
前回のピックアップ処理時には、ターゲットダイ間に存在する良品チップについては通常動作ではピックアップを行う順番が来ても、ピックアップ処理を行わず順番を飛ばしている。このため、ウェハ1上には、参照チップ18が残った状態である。
従って、ターゲットダイ16aからターゲットダイ16cに向かって移動する途中にある参照チップ18を認識カメラ7により画像認識して、半導体チップ2の位置座標の補正を行う。位置座標の特定が終了した後、再ピックアップ処理における最初の半導体チップ2に移動して、順次ピックアップ処理を実行する。図21に示す例では、ターゲットダイ16cの2つ隣の良品チップ20が最初にピックアップされ、その後、破線矢印で示すように左に向かって順次ピックアップ処理がなされる。
このように、本実施の形態では、途中までピックアップ処理を行ったウェハ1であっても、正確に装置座標系における半導体チップ2の位置座標を特定でき、より正確にピックアップ処理を実行することが可能となる。
参照チップ18ではない通常の良品チップ20のピックアップが終了すると、ターゲットダイ16a、16c、参照チップ18、不良品チップ19のみがウェハ1に残されることとなる。通常の良品チップ20のピックアップ処理が終了した後、ダイボンディング装置15では、ターゲットダイ間に存在する良品チップのピックアップ処理を実行する。そして、参照チップ18のうち、最後にピックアップした良品チップ20に最も近い良品チップへと移動する。
図22に示す例では、最終行の右端の良品チップ20のピックアップが終了すると、その良品チップ20と同一の列で、その1行上の参照チップ18に移動する。そして、当該参照チップ18から、ターゲットダイ16aからターゲットダイ16cまで移動した経路を逆に向かう方向に順次ピックアップ処理を実行する。このとき、参照チップ18が良品チップであればピックアップし、不良品チップであればピックアップしない。
なお、ピックアップ順序はこの例に限定されない。また、参照チップ18は図19に示す例に限定されない。例えば、ターゲットダイ16a、16cを結ぶ直線上に存在する半導体チップ2を参照チップ18としてもよい。
このように、本実施の形態によれば、処理途中のウェハ1のピックアップ処理を再開する場合でも、正確にターゲットダイを認識することができ、半導体チップ2の位置座標の特定することができる。これにより、ピックアップ処理の半導体チップ2の座標ズレを低減することができ、半導体チップ2のピックアップ処理の信頼性を向上することが可能となる。
なお、ピックアップ処理される半導体チップが、良品チップ/不良品チップのマークが付されているチップの場合には、ピックアップ処理の際にマップデータを用いてもよいし、また、用いなくてもよい。マップデータを用いない場合には、認識カメラ7によって半導体チップ上に付されたマークを認識して、ピックアップするか否かを判定すればよい。
以上、本発明について実施の形態をもとに説明したが、上記の実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、さまざまな変更、増減を加えてもよい。これらの変更、増減が加えられた変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。本発明は、上述したダイボンディング工程に限らず、半導体チップのピックアップが行われる電子デバイスの組み立て工程等にも好適である。
1 ウェハ
2 半導体チップ
3 シート
4 リング
5 ウェハID
6 バーコード
7 認識カメラ
8 ピックアップユニット
9 補正部
10 突上げユニット
11 突上げピン
12 エキスパンダー
13 サーバー
14 ウェハマウント装置
15 ダイボンディング装置
16 ターゲットダイ
17 支持台
18 参照チップ
19 不良品チップ
20 良品チップ
30 基板
31 マウント材
32 バンプ
33 電極
34 ボンディングワイヤー
35 樹脂
2 半導体チップ
3 シート
4 リング
5 ウェハID
6 バーコード
7 認識カメラ
8 ピックアップユニット
9 補正部
10 突上げユニット
11 突上げピン
12 エキスパンダー
13 サーバー
14 ウェハマウント装置
15 ダイボンディング装置
16 ターゲットダイ
17 支持台
18 参照チップ
19 不良品チップ
20 良品チップ
30 基板
31 マウント材
32 バンプ
33 電極
34 ボンディングワイヤー
35 樹脂
Claims (38)
- 保持冶具に保持されたウェハ上に設けられた2つ以上のターゲットダイ、及び、前記ウェハに所定の配列で形成され個片に分離された複数の半導体チップのうち、前記2つのターゲットダイ間に配置される少なくとも1つの参照チップを認識する認識部と、
前記認識部により認識された前記2つ以上のターゲットダイ及び前記参照チップを用いて、装置座標系における前記複数の半導体チップの位置座標を特定する補正部と、
個々の半導体チップの良否を示す良否データ及び前記ウェハにおける個々の半導体チップの配列を示す配列データを含むマップデータに基づき、前記補正部により特定された前記半導体チップの位置座標を用いて、前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理を行い、前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理が完了した後に、前記参照チップのピックアップ処理を実行するピックアップ処理部と、
を備えるピックアップ装置。 - 前記ピックアップ処理部は、前記参照チップをピックアップする際、前記参照チップ以外の前記半導体チップのうち最後にピックアップ処理を行った半導体チップの近傍に配置された前記参照チップからピックアップ処理を開始することを特徴とする請求項1に記載のピックアップ装置。
- 前記認識部は、1つのターゲットダイ上に移動して認識した後、次のターゲットダイ上に移動する間に、これらのターゲットダイの間に存在する前記参照チップを認識することを特徴とする請求項1又は2に記載のピックアップ装置。
- 前記参照チップは複数設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のピックアップ装置。
- 前記ピックアップ処理部は、良品チップの場合はピックアップし、不良品チップの場合はピックアップしない請求項1〜4のいずれか1項に記載のピックアップ装置。
- 前記保持冶具を引き延ばし、個々の半導体チップ間に間隙を形成するエキスパンド処理部をさらに備える請求項1〜5のいずれか1項に記載のピックアップ装置。
- 前記保持冶具は、
前記複数の半導体チップを貼付保持するシートと、
前記シートの外周部に設けられるリングと、
を備える請求項1〜6のいずれか1項に記載のピックアップ装置。 - 前記マップデータを、前記ウェハの識別情報と関連付けて記憶する記憶部をさらに備える請求項1〜7のいずれか1項に記載のピックアップ装置。
- ピックアップ処理される半導体チップの裏面側から前記保持冶具を介して当該半導体チップを突上げる突上げ部をさらに備える請求項1〜8のいずれか1項に記載のピックアップ装置。
- 前記2つ以上のターゲットダイは、前記ウェハの外周近傍に配置されている請求項1〜9のいずれか1項に記載のピックアップ装置。
- 前記複数の半導体チップは前記ウェハ上に行列状に形成されており、
前記2つ以上のターゲットダイは、前記複数の半導体チップの同一行又は同一列内に配置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のピックアップ装置。 - 前記2つ以上のターゲットダイは、前記同一行又は同一列の両端にそれぞれ配置される請求項11に記載のピックアップ装置。
- 前記2つ以上のターゲットダイは、前記ウェハの略中心を中心として対称に配置されている請求項1〜10のいずれか1項に記載のピックアップ装置。
- 保持冶具に保持されるウェハに所定の配列で形成され個片に分離された複数の半導体チップの配列データ及び個々の半導体チップの良否を示す良否データを含むマップデータを作成し、
前記ウェハ上に設けられた2つ以上のターゲットダイ、及び、前記複数の半導体チップのうち、前記2つのターゲットダイ間に配置される少なくとも1つの参照チップを認識し、
認識された前記2つ以上のターゲットダイ及び前記参照チップを用いて、装置座標系における前記複数の半導体チップの位置座標を特定し、
特定された前記半導体チップの位置座標を用いて、前記マップデータに基づき、前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理を行い、
前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理が完了した後に、前記参照チップのピックアップ処理を実行するピックアップ方法。 - 前記半導体チップのうち良品チップが残った処理途中の前記ウェハにおいて、再度前記2つ以上のターゲットダイ及び前記参照チップを用いて、前記装置座標系における前記位置座標を特定することを特徴とする請求項14に記載のピックアップ方法。
- 前記参照チップをピックアップする際、前記参照チップ以外の前記半導体チップのうち最後にピックアップ処理を行った半導体チップの近傍に配置された前記参照チップからピックアップ処理を開始することを特徴とする請求項14又は15に記載のピックアップ方法。
- 1つのターゲットダイ上に移動して認識した後、次のターゲットダイ上に移動する間に、これらのターゲットダイの間に存在する前記参照チップを認識することを特徴とする請求項14、15又は16に記載のピックアップ方法。
- 複数の前記参照チップを認識して前記装置座標系における位置座標を特定することを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載のピックアップ方法。
- ピックアップ処理では、良品チップの場合はピックアップし、不良品チップの場合はピックアップしない請求項14〜18のいずれか1項に記載のピックアップ方法。
- 前記ウェハが保持された前記保持冶具を引き延ばし、個々の半導体チップ間に間隙を形成し、
前記半導体チップ間に間隙が形成された状態でピックアップ処理を行う請求項14〜19のいずれか1項に記載のピックアップ方法。 - 前記ウェハは前記保持冶具に保持された状態でダイシングされ、個片の半導体チップに分割される請求項14〜20のいずれか1項に記載のピックアップ方法。
- ピックアップ処理される半導体チップの裏面側から、前記保持冶具を介して、当該半導体チップを突上げることを特徴とする請求項14〜21のいずれか1項に記載のピックアップ方法。
- 前記2つ以上のターゲットダイは、前記ウェハの外周近傍に配置されている請求項14〜22のいずれか1項に記載のピックアップ方法。
- 前記複数の半導体チップは前記ウェハ上に行列状に形成されており、
前記2つ以上のターゲットダイは、前記複数の半導体チップの同一行又は同一列内に配置されることを特徴とする請求項14〜23のいずれか1項に記載のピックアップ方法。 - 前記2つ以上のターゲットダイは、前記同一行又は同一列の両端にそれぞれ配置される請求項24に記載のピックアップ方法。
- 前記2つ以上のターゲットダイは、前記ウェハの略中心を中心として対称に配置されている請求項14〜23のいずれか1項に記載のピックアップ方法。
- 請求項1〜13のいずれかに記載のピックアップ装置によりピックアップされた半導体装置を基板上に搬送し、
当該半導体チップを前記基板上にダイボンディングするダイボンディング装置。 - 請求項14〜26のいずれかに記載のピックアップ方法によりピックアップされた半導体チップを基板上に搬送し、
当該半導体チップを前記基板にダイボンディングするダイボンディング方法。 - ウェハに所定の配列で形成された複数の半導体チップの配列データ及び個々の半導体チップの良否を示す良否データを含むマップデータを作成し、
前記ウェハを保持冶具に保持し、
前記保持冶具に保持された状態で、前記ウェハを個片の半導体チップに分割し、
前記ウェハ上に設けられた2つ以上のターゲットダイ、及び、前記半導体チップのうち前記2つのターゲットダイ間に配置される少なくとも1つの参照チップを認識し、
認識された前記2つ以上のターゲットダイ及び前記参照チップを用いて、装置座標系における前記複数の半導体チップの位置座標を特定し、
特定された前記半導体チップの位置座標を用いて、前記マップデータに基づき、前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理を行い、
前記参照チップ以外の前記半導体チップのピックアップ処理が完了した後に、前記参照チップのピックアップ処理を実行する半導体装置の製造方法。 - 前記半導体チップのうち良品チップが残った処理途中の前記ウェハにおいて、再度前記2つ以上のターゲットダイ及び前記参照チップを用いて、前記装置座標系における前記位置座標を特定することを特徴とする請求項29に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記参照チップをピックアップする際、前記参照チップ以外の前記半導体チップのうち最後にピックアップ処理を行った半導体チップの近傍に配置された前記参照チップからピックアップ処理を開始することを特徴とする請求項29又は30に記載の半導体装置の製造方法。
- 1つのターゲットダイ上に移動して認識した後、次のターゲットダイ上に移動する間に、これらのターゲットダイの間に存在する前記参照チップを認識することを特徴とする請求項29、30又は31に記載の半導体装置の製造方法。
- 複数の前記参照チップを認識して前記装置座標系における位置座標を特定することを特徴とする請求項29〜32のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- ピックアップ処理では、良品チップの場合はピックアップし、不良品チップの場合はピックアップしない請求項29〜33のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ウェハが保持された前記保持冶具を引き延ばし、個々の半導体チップ間に間隙を形成し、
前記半導体チップ間に間隙が形成された状態でピックアップ処理を行う請求項29〜34のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記ウェハは前記保持冶具に保持された状態でダイシングされ、個片の半導体チップに分割される請求項29〜35のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- ピックアップ処理される半導体チップの裏面側から、前記保持冶具を介して、当該半導体チップを突上げることを特徴とする請求項29〜36のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- ピックアップした半導体チップを基板上にダイボンディングする請求項29〜37のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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