JP2011061069A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体チップのピックアップ工程を正確に検証することが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】例えば、ピックアップ済みの半導体ウェハWFに対し、ラインカメラLCMを用いた各列毎の撮像が行われ、この撮像データ群31から得られるマップデータと、プローブ検査によって得られたウェハマップデータWMDとが自動照合手段32で照合される。この撮像データ群31からマップデータを得る際には、ダイシング時のブレードによってダイシングシートDS上に形成されたダイシング溝10が検出され、このダイシング溝10の区画と基準チップCP_Rとの位置関係に応じてチップ座標が認識され、各チップ座標におけるチップCPの有無に基づいてマップデータが生成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、半導体ウェハから良品チップをピックアップする工程の信頼性を検証する技術として適用して有効な技術に関する。
例えば、特許文献1には、半導体ウェハからチップをピックアップした際に、半導体ウェハの全体画像を取得し、この取り込み画像と、チップの良品・不良品情報に基づいて予め生成されたマッピング像とを同一の大きさで比較判定することで、ピックアップされたチップが良品か不良品かを正確に確認するダイボンダが示されている。ピックアップに先立って半導体ウェハを接着保持している樹脂テープを引き延ばした際には、比較判定の際に誤差が生じるが、これは半導体ウェハの全体画像を取得する際にカメラ倍率の調整を行うことで吸収できる。
また、特許文献2には、半導体ウェハが接着されたダイシングシートの一方の面から光を照射し、他方の面から半導体ウェハの全体画像を撮像することで、ウェハ上のチップの有無を容易に把握可能な半導体チップ検出装置が示されている。この撮像された画像は、ウェハ内の各チップの位置情報および良品・不良品情報を持つウェハマッピングデータと照合され、この照合結果によって、ピックアップされたチップが良品であることが確認される。
特開平7−22475号公報 特開2008−311430号公報
図17は、本発明の前提として検討した半導体装置の製造方法において、その処理内容の一例を説明する概念図であり、前述した従来技術の方式を反映したものである。図17に示すように、まず、ピックアップ工程が行われた半導体ウェハWFを対象に、そのウェハ全体画像がエリアカメラACMによって撮像される。次いで、この撮像データ201と、予めウェハ上の良品チップおよび不良品チップの位置を画像化したウェハマップデータWMDとが照合手段202によって照合される。照合手段202は、例えば、パターン認識機能(チップ形状のテンプレートマッチング機能)を持つソフトウェアによって実現されたり、場合によっては人手によって実現される。この照合結果によって、ピックアップ工程が正確に行われたかが判別される。
しかしながら、図17のような方式では、次のような理由でチップの有無とその位置座標の関係を正しく識別できない恐れがある。まず、エリアカメラACMが、半導体チップの小型化と半導体ウェハの大口径化に追従できないことが挙げられる。すなわち、エリアカメラACMには、半導体デバイスのトレンドとも言える小型化および大口径化が進むほど広範囲を高解像度で撮像することが求められ、コスト面および技術面から限界が生じてしまう。
次に、照合手段202が、半導体チップの小型化に対応できないことが挙げられる。すなわち、特許文献1で述べられているように、通常、ウェハマウント時にダイシングシートが引き延ばされるが、例えばダイシングシート上で連続してチップが存在するエリアと、連続してチップが存在しないエリアが存在した場合、後者の方ではチップの接着が無いために、より大きくダイシングシートが引き延ばされる。そうすると、パターン認識機能は、このチップが存在しないエリア内にチップが本来幾つ存在していたかを正しく認識できず、位置座標にズレが生じる恐れがある。この懸念は、半導体チップが小型化する程より深刻なものとなる。
そこで、本発明の目的の一つは、半導体チップのピックアップ工程を正確に検証することが可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本実施の形態による半導体装置の製造方法は、ダイシングラインによって区画され、行列状に配置された複数の半導体チップを有する半導体ウェハに対し、(a)プローブ検査により第1マップデータを取得し、(b)当該半導体ウェハをダイシングシートに貼り付けた状態でダイシングシートにブレードが到達するようにダイシングを行い、(c)第1マップデータに基づいて良品チップをピックアップした後、(d)このピックアップが正しく行われたかを検証する工程を備えるものとなっている。ここで、(d)工程では、残存チップが貼り付けられた状態のダイシングシートがカメラにより撮像され、この撮像データの輝度情報から、ブレードによってダイシングシートに形成されたダイシング溝が画像処理によって検出され、この検出された複数のダイシング溝による区画に基づいて残存チップの位置情報が特定されると共に第2マップデータが生成され、この第2マップデータと第1マップデータとが照合されることが特徴となっている。
このように、ダイシング溝を検出し、その区画によってチップ座標を識別することで、テンプレートマッチング等によってチップ座標を識別する場合と比較して、チップ座標を正確に認識することが可能となり、ピックアップ工程を正確に検証することが可能となる。その結果、不良チップの流出を未然に防止することが可能となる。なお、この方式は、半導体ウェハの大口径化が進むほど、また半導体チップの小型化が進むほどより有益なものとなる。
また、前述したカメラは、特に、解像度や撮像範囲、ならびにコスト等の観点からラインカメラとすることが望ましい。この場合、各列毎の撮像と、各列毎の撮像データに対する画像処理とを並行して行うことで、検査時間の短縮や、画像メモリの低減化が図れる。また、画像処理に際しては、ラインカメラにより各行座標で撮像した複数画素分の各輝度に対して、その各輝度の積分値を各行座標毎の輝度値として用いるとよい。これによって、高い輝度の箇所と低い輝度の箇所との輝度差がより強調されると共に、仮にゴミ等により部分的に不適切な画素が含まれていた場合にも、積分によってそれを緩和することができる。これによって、画像処理の容易化や高精度化が図れる。さらに、ダイシング溝を検出する際には、ダイシング溝が含まれると推定される一定の範囲を設定し、その範囲の中からピークの輝度を持つ位置を検出し、その位置をダイシング溝とすることが望ましい。すなわち、仮に輝度の絶対値によってダイシング溝を検出する場合には、半導体ウェハ全体における輝度ばらつきの影響を受けてしまうが、このように相対的な輝度によって検出することで輝度ばらつきの影響を無視することができる。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、半導体チップのピックアップ工程を正確に検証することが可能となり、不良チップの流出を未然に防止することが可能となる。
本発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法において、その全体処理内容の一例を概略的に示すフロー図である。 図1におけるピックアップ検証前の半導体ウェハの状態例を示すものであり、(a)はその全体の平面図、(b)は(a)におけるA−A’間の断面図、(c)は(a)における各半導体チップの平面図である。 本発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法において、その主要部の処理内容の一例を説明する概念図である。 図3において、一列分の撮像データの一部に対応する画像処理データの一例を示す図である。 (a)は、図3の処理を用いることによる効果の一例を示す説明図であり、(b)はその比較例として図17の処理を用いた場合での説明図である。 本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法において、そこで用いるピックアップ検査装置の構成例を示す概略図である。 図6の補足図である。 本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法において、その処理内容の一例を示すフロー図である。 図8において、基準チップ検出・傾き補正の処理内容の一例を示す説明図である。 図8において、列画像の撮像を行う際の処理内容の一例を示す説明図である。 図10の補足図である。 図8において、撮像データ群の画像処理を行う際の処理内容の一例を示す説明図である。 図8において、撮像データ群の画像処理を行う際の他の処理内容の一例を示す説明図である。 図8において、撮像データ群の画像処理を行う際の更に他の処理内容の一例を示す説明図である。 図14の補足図である。 図8において、マップ照合・結果表示に伴う表示内容の一例を示す説明図である。 本発明の前提として検討した半導体装置の製造方法において、その処理内容の一例を説明する概念図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法において、その全体処理内容の一例を概略的に示すフロー図である。図1に示す半導体装置の製造方法は、まず、半導体ウェハに対する前工程プロセスが行われた後(S101)、プローブ検査が行われる(S102)。プローブ検査では、半導体ウェハ内の各半導体チップの良・不良が判定され、その結果となる良品・不良品情報、ならびにそれらの位置情報(チップ座標)や、加えて半導体ウェハ内の各チップの配置情報等がウェハマップデータWMDとして格納される。
次いで、半導体ウェハをダイシングシートに接着し、それをウェハリングで固定するウェハマウントが行われ(S103)、半導体ウェハ内の各半導体チップをブレードによって切断および分離するダイシングが行われる(S104)。続いて、ウェハマップデータWMDを用いて、分離された各半導体チップの中から良品チップを抽出するピックアップが行われ(S105)、更に、ウェハマップデータWMDを用いて、当該ピックアップが正しく行われたか否かを検証するピックアップ検証(S106)が行われる。このピックアップ検証が本実施の形態1での主要な特徴となる。
その後は、ピックアップ検証によって良品チップであることが検証された半導体チップがそのまま出荷されるか(S110)、あるいは例えばボンディングやモールド等を行うパッケージングへと移行される(S107)。パッケージングされた半導体チップは、テスタ等による最終検査(S108)を経たのちに出荷される(S109)。ここで、仮にピックアップ(S105)で取り違えが発生し、ピックアップ検証(S106)が行われない場合には、不良品をチップ出荷してしまう恐れがある(S110)。あるいは、最終検査(S108)で検出されるまで、不良チップがパッケージングされてしまう恐れがある。
そこで、ピックアップ検証(S106)を用いて、このような事態を未然に防止することが重要となる。例えば、良品チップ・不良品チップのチップ座標が極端に一致しないような場合には、当該半導体ウェハを破棄すると共に原因究明を行うことができる。また、例えばチップ1個分だけ規則的にズレているような場合には、パッケージング(S107)やチップ出荷(S110)が行われる前に、このズレを考慮して、ピックアップ済みの半導体チップ群の中から良品チップのみを選定することができる。すなわち、半導体ウェハからチップがピックアップされる際の順番や、当該チップのその後の収納位置(例えば、トレイ内の格納位置)には規則性があるため、誤ってピックアップされた不良チップを特定および回収することが可能であり、ズレた分を事後的に修正することができる。
図2は、図1におけるピックアップ検証前の半導体ウェハの状態例を示すものであり、(a)はその全体の平面図、(b)は(a)におけるA−A’間の断面図、(c)は(a)における各半導体チップの平面図である。図2(a)に示すように、半導体ウェハWFは、特に限定はされないが例えば12インチウェハであり、ウェハマウントによってダイシングシートDSに接着されると共にウェハリングWRで固定されている。半導体ウェハWF上には、マトリックス(行列)状に区画された複数の半導体チップ(チップと略す)CPの中から不良品と見込まれるチップが残存している。この残存しているチップの中には、チップ座標の基準を定めるための基準チップCP_Rが含まれている。この基準チップCP_Rは他のチップとは表面のパターンが異なり(例えばアルミベタ)、容易に他のチップと区別できるチップである。一方、良品としてピックアップされた半導体チップCPの箇所ではダイシングシートが見えることになる。なお、このピックアップ時には、それを容易にするためダイシングシートDSがある程度引き延ばされる。
このようなピックアップが行われた状態では、図2(b)に示すように、ダイシング時のブレードに伴い、ダイシングシートDS上に、各チップを区画するダイシング溝10が形成される。また、各チップCPは、特に限定はされないが、図2(c)に示すように、多数のバンプBPが表面上に形成されている。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)チップ等では、このようにチップの短辺と長辺の比率が大きく異なり、表面がバンプBPによって覆われるような形態が多く用いられる。良品チップ・不良品チップを識別する際には、図17で述べたようなウェハマップデータWMDを用いる他に、不良チップの表面上にインクマークを付加し、これによって識別する方式が知られている。しかしながら、図2(c)に示すようなチップの場合、チップサイズ自体が小さく(例えば0.8mm×2.0mm等)、かつ表面がバンプBPで覆われているため、このような方式の適用は困難となる。したがって、ウェハマップデータWMDによって良品チップ・不良品チップを正確に識別する技術が求められる。
図3は、本発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法において、その主要部の処理内容の一例を説明する概念図であり、図1におけるピックアップ検証の処理内容を示すものである。図3に示すように、まず、図2のように行列状に配置されたチップの一部がピックアップされた半導体ウェハWFを対象として、基準チップCP_Rを認識されると共に、各列単位でのチップ画像がラインカメラLCMによって撮像される。そして、自動照合手段32は、ソフトウェア処理により、取得済みの各列毎の撮像データ群31に対して画像処理を実行し、この画像処理によって得られる良品・不良品のチップ座標とウェハマップデータWMDの情報とを照合し、その一致・不一致を検証する。ここで、本実施の形態1では、この画像処理の際に、ダイシング溝10が検出され、この検出結果に基づいて基準チップCP_Rを起点としたチップ座標が導出されることが主要な特徴となっている。
図4は、図3において、一列分の撮像データの一部に対応する画像処理データの一例を示す図である。図4は、ラインカメラLCMによって撮像された各画素毎の輝度情報に対して処理が行われ、その処理結果が、列方向における輝度の推移として表されたものである。この画像処理データでは、図4に示すように、チップCPが存在する箇所では高い輝度が得られ、チップが存在しない箇所(すなわちダイシングシートDS)では低い輝度が得られ、ダイシング溝10では、更に低い輝度が得られている。このダイシング溝10の輝度は、チップ有りとチップ無しの間の場合(C1)、チップ無しとチップ無しの間の場合(C2)、チップ有りとチップ有りの間の場合(C3)共に、ピーク的な低い値となる。したがって、このダイシング溝10は、当該画像処理データに対して前述したピークの識別処理を行うことで容易に検出できる。ダイシング溝10が検出できると、隣接するダイシング溝10の間を1個のチップ領域として判別することで、基準チップCP_Rとの位置関係から正確にチップ座標を導出することが可能となる。
図5(a)は、図3の処理を用いることによる効果の一例を示す説明図であり、(b)はその比較例として図17の処理を用いた場合での説明図である。図5(a)に示すように、半導体ウェハWF上でチップCPが存在しない箇所([5]〜[8])は、チップCPが存在する箇所と比較してダイシングシートの伸びが大きくなる。図3の処理を用いると、自動照合手段32がダイシング溝10に基づいてチップ座標を導出するため、図5(a)に示すように、ダイシングシートの伸びに関係なく半導体ウェハWF上のチップ座標を正しく認識することが可能となる。一方、図17の処理では、テンプレートマッチング(チップ形状の当てはめ)によって半導体ウェハ上のチップ座標を認識するため、図5(b)に示すように半導体ウェハWF上のチップ座標を誤認識する恐れがある(例えばWF上のチップ[9]をチップ[10]と誤認識)。
以上、本実施の形態1による半導体装置の製造方法を用いることで、代表的には、半導体チップのピックアップ工程を正確に検証することが可能となり、これにより不良品の流出を未然に防止することが可能となる。なお、ここでは、ラインカメラLCMによって各列単位のチップ画像を撮像する例を示したが、一列単位に限らず複数列単位のチップ画像を撮像し、当該画像に対してダイシング溝を検出するように構成することも可能である。また、ここでは、カメラの解像度、撮像範囲、およびコストや、処理の容易性等の観点からラインカメラLCMを用いたが、場合によっては、エリアカメラでの撮像画像に対してダイシング溝を検出するように構成することも可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、実施の形態1で述べたピックアップ検証方法のより具体的な実施例について説明する。図6は、本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法において、そこで用いるピックアップ検査装置の構成例を示す概略図である。図6に示すピックアップ検査装置は、表示部DPY、ラインカメラLCM、光源SL、ステージSTG、バーコードリーダBCR、レーザポインタLP、ステージ調整機構(X,Y,θ)、制御コンピュータPC、ならびにジョグスイッチJOG−SW等を備えている。ラインカメラLCMは、光源SLからの同軸落射照明を用いてステージSTG上の画像を撮像する。レーザポインタLPは、ステージSTG上のカメラ位置を認識するために設けられる。
ステージSTGには、位置決めピンPNやクランプ機構CLPが設けられ、検査対象となる半導体ウェハが、このPNを基準として設置され、クランプ機構CLPによって固定される。すなわち、図7に示すように、ウェハリングWR上のノッチ70がステージSTG上の位置決めピンPNに整合され、ダイシングシートDSができるだけ伸びないように、ウェハリングWRの部分が、クランプ機構CLPを介して紙面の垂直方向でステージSTGに対して固定される。ステージ調整機構(X,Y,θ)は、ステージSTGの位置をX軸方向、Y軸方向、θ軸方向で調整する。ステージSTGは、特に限定はされないが、白色系の明色のものを用いることが望ましい。本発明者等の実験によると、これによって実施の形態1の図4で示したダイシングシートDSとダイシング溝10との輝度差をより拡大することができた。
バーコードリーダBCRは、例えばダイシングシートDS上に付されたウェハID(バーコード)を読み込む。制御コンピュータPCは、画像メモリを含んだ画像ボードIBDと、前述したステージ調整機構(X,Y,θ)を自動で制御する3軸サーボ制御部AXCTLと、ジョグスイッチJOG−SW接続用のポートP−I/Oと、演算処理部CPUを備える。制御コンピュータPCは、ステージ調整機構(X,Y,θ)、ラインカメラLCM、および表示部DPYを制御し、また、ウェハマップデータWMDが格納された記憶部と通信可能に構成される。ジョグスイッチJOG−SWは、ステージ調整機構(X,Y,θ)を手動で制御するために設けられ、例えば、基準チップCP_Rの認識時等で用いられる。表示部DPYは、ラインカメラLCMによって撮像された画像を制御コンピュータPCを介してリアルタイムに表示する。
図8は、本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法において、その処理内容の一例を示すフロー図であり、前述した図1におけるピックアップ検証の詳細な処理内容を示すものである。まず、S800において、図6に示したピックアップ検査装置のステージSTG上に半導体ウェハWFが設置される。次いで、バーコードリーダBCRによってウェハIDが読み込まれ、このウェハIDに対応するウェハマップデータWMDが制御コンピュータPC内に転送される(S801)。ウェハマップデータWMDには、例えば、半導体ウェハWFのサイズ、その中の各チップのレイアウト情報、チップサイズやチップ間ピッチ、基準チップを認識するための情報、ならびに基準チップを基準とした良品チップおよび不良品チップのチップ座標などが含まれている。
続いて、基準チップCP_Rが検出され、傾き(θ)が補正される(S802)。具体的には、例えば図9に示すように、まず、ジョグスイッチJOG−SWの操作を介して基準チップCP_Rを含む画像90aがラインカメラLCMによって撮像される。制御コンピュータPCは、ウェハマップデータWMD内の基準チップのテンプレート情報に基づいて、テンプレートマッチング機能により基準チップCP_Rを認識し、そのコーナー位置を算出する。基準チップCP_Rは、例えば、他の通常のチップCPと異なるレイアウトパターンを備えている。続いて、制御コンピュータPCは、ウェハマップデータWMDに基づいてステージ調整機構(X,Y,θ)を制御し、基準チップCP_Rと同列上の遠端部の画像90bを撮像し、その中に含まれる残存チップ(不良品チップ)CPをテンプレートマッチング機能により認識し、そのコーナー位置を算出する。そして、この2個のチップのコーナー位置を結ぶ直線に基づいてステージ調整機構におけるX、Yの誤差を算出し、その誤差をθによって補正する。なお、仮に、ウェハマップデータWMDにより、画像90b内に残存チップが存在しないことが予め判明している場合には、例えば、次の列から2個のチップを探索し、傾き(θ)を補正する。
次いで、S803およびS804において、ラインカメラLCMが、各列単位でチップの撮像を行うと共に当該撮像データ群31を画像ボードIBDへ保存し、これと並行して、制御コンピュータPC(演算処理部CPU)が、撮像データ群31に対する画像処理を行う。具体的には、次の[1]、[2]の手順が行われる。
[1]開始位置の設定および列画像の撮像(S803)
図10は、図8において、列画像の撮像を行う際の処理内容の一例を示す説明図である。まず、前述した傾き(θ)の補正後、再度基準チップCP_Rの認識が行われ、そのコーナー位置やチップサイズから基準チップCP_Rの中心位置が求められる。そして、図10に示すように、ラインカメラLCMの撮像幅(N画素)の中心がこの中心位置を通り、かつ半導体ウェハWFの外周から撮像が行われるように開始位置100が設定される。ラインカメラLCMは、この開始位置100((x1,Yb))を起点として一列目((x1,Yb)〜(x2,Yb))の撮像を行い、その後、チップ間ピッチ(Lmm)を加えて、一列目から折り返す形で二列目((x2,Yb+L)〜(x1,Yb+L))の撮像を行う。この際に、図6の構成例では、ラインカメラLCMを基準にステージSTGがX方向に移動することで、このような撮像が行われる。また、図10の例では、ラインカメラLCMの撮像幅(N画素)の内、その中心部に位置するK画素分を画像処理対象ラインとしている。
以降、同様にして、チップ間ピッチの付加と共に順次折り返す形のスキャン方式により半導体ウェハWFの全体が列単位で撮像される。この折り返す形のスキャン方式によって、ステージSTGの移動が低減され、撮像時間の短縮が図れる。なお、前述したようにラインカメラLCMの中心部のK画素を画像処理対象とした場合、仮に不良チップの表面上にインクマークが付加された半導体ウェハWFを撮像する場合、図4で述べたような輝度情報が適切に得られない恐れがある。このような場合には、図11に示すように、不良チップのインクマーク110を避けた位置が画像処理対象(K画素)となるようにオフセット設定が行われる。
[2]撮像された列画像に対する画像処理(S804)
前述した[1]による各列単位での撮像と並行して、制御コンピュータPCによる画像処理が行われる。すなわち、制御コンピュータPCは、例えば、一列目の撮像が終了した時点で当該撮像データの画像処理を行い、二列目の撮像が終了した時点で当該撮像データの画像処理を行い、以降同様にして、各列単位の撮像が終了した時点で当該撮像データの画像処理を行う。一方、ラインカメラLCMは、制御コンピュータPCが一列目の撮像データを処理している間に二列目の撮像を行い、PCが二列目の撮像データを処理している間に三列目の撮像を行い、以降同様にして、各列単位の撮像データが処理されている間に次の列の撮像を行う。このように、ラインカメラLCMによる撮像と制御コンピュータPCによる画像処理とを並行して行うことで、検査時間の短縮と共に、画像ボードIBDにおける画像メモリ容量の低減が図れる。この例では、二列分の画像メモリ容量で足りる。
[2−1]画像処理データの生成
図12は、図8において、撮像データ群の画像処理を行う際の処理内容の一例を示す説明図であり、図4の画像処理データの一部を模式的に示したものである。まず、前述した[1]の処理に伴い、一列分の撮像データ群31として、N画素×Mステップのデータが得られる。特に限定はされないが、Nの値は、例えば2048であり、Mの値は、例えば300mmウェハを対象に列スキャン方向において10μmのステップ幅で撮像した場合、30000(=300mm/10μm)となる。制御コンピュータPCは、このような各列毎の撮像データ群31に対する画像処理に際し、各ステップ毎にN画素の中から適宜選択したK画素分の各輝度を積分し、図12の「×印」で示すように、その積分値(合計値)を画像処理データ上の各ステップにおける輝度とする。特に限定はされないが、Kの値は、例えば20である。
このように、N画素の中からK画素を選択し、その積分値を算出することで、処理に伴う負荷や、処理に必要な記憶容量を低減することができる。例えば、前述した図6における画像ボードIBDにおいては、一列分の撮像データ群31に対応して、20画素×Mステップ分の記憶容量を備えればよい。また、小さ過ぎないKの値を設定し、かつそのK画素分の積分値を算出することで、仮に、K画素中の一部でゴミ等に伴い不適切な輝度が生じてもその影響を緩和することができ、また低い輝度と高い輝度との差がより強調して得られるようになる。
[2−2]ダイシング溝10の検出(1列目)
制御コンピュータPCは、前述した[2−1]の処理で得られた画像処理データに対してダイシング溝10の検出を行う。図13は、図8において、撮像データ群の画像処理を行う際の他の処理内容の一例を示す説明図であり、図4の画像処理データの一部を示したものである。まず、1列目の画像処理データを対象に、制御コンピュータPCは、基準チップCP_Rの中心から、ウェハマップデータWMDによって予め設定されているチップ間ピッチの半分の距離だけ移動した箇所を中心として、その前後を含めた予め設定された幅を検出範囲130aとする。そして、検出範囲130a内での輝度の最下点131aをダイシング溝10とする。
以降は、この検出したダイシング溝10(最下点131a)からチップ間ピッチの距離だけ移動した箇所を中心として、同様にして、検出範囲130bを設定すると共にその中の最下点131bをダイシング溝10とする。このように、検出範囲を設定し、その最下点からダイシング溝10を検出することで、その検出精度を高めることが可能となる。すなわち、仮にダイシング溝の輝度を絶対値で検出した場合、半導体ウェハWF面内で輝度ばらつきが生じると誤検出が生じる恐れがあるが、このように検出範囲内での相対的な輝度からダイシング溝を検出することで、輝度ばらつきの影響を受けなくなる。この効果は、半導体ウェハWFが大口径化する程より顕著なものとなる。
[2−3]チップ有無の判別
制御コンピュータPCは、前述した[2−2]の処理で検出したダイシング溝10に基づいて、隣接するダイシング溝10の間をチップの配置領域と認識し、その領域にチップCPが存在するか存在しないか(すなわちダイシングシートDSであるか)を判別する。具体的には、例えば、図13において、画像処理データにおけるダイシング溝に挟まれた所定の範囲をチップ有無判別範囲132とし、その範囲に含まれる各輝度の積分値を平均化し、その平均輝度が予め設定された判定値以上ならチップ有り、以下ならチップ無し(すなわちダイシングシートDS)とする。なお、このチップの有無を判別する範囲は、ウェハマップデータWMDにおける各チップのレイアウト情報に基づいて、半導体ウェハWF上で正常なチップが取得可能なエリアに限定される。
[2−4]ダイシング溝10の検出及びチップ有無の判別(2列目以降)
図14は、図8において、撮像データ群の画像処理を行う際の更に他の処理内容の一例を示す説明図である。図14に示すように、制御コンピュータPCは、前述した[2−2]および[2−3]の処理に伴い検出された、前列における複数のチップの配置領域の内、その中央部に位置するチップの配置領域140の中心を基準として、次列のダイシング溝10を検出する。
具体的には、例えば1列目において、中央部に位置するチップの配置領域140における中心となるX座標が認識され、2列目においては、このX座標を基準として+X方向にチップ間ピッチの半分だけ移動した距離を中心として図13の場合と同様に検出範囲が設定され、最下点が検出される。その後は、+X方向にチップ間ピッチだけ逐次移動しながら最下点が検出される(図14のA22)。そして、半導体ウェハWFの外周に到達すると、今度は、基準となるX座標から−X方向にチップ間ピッチの半分だけ移動した距離を中心として同様に最下点が検出され、以降も同様にして逐次最下点が検出される(図14のA21)。最下点(すなわちダイシング溝10)が検出された後は、[2−3]の処理と同様に、チップの配置領域におけるチップCPの有無が判別される。また、3列目においては、1列目の場合と同様に2列目の処理結果から基準となるX座標が認識され、2列目の場合と同様にして逐次最下点が検出され、チップCPの有無が判別される(図14のA32、A31)。以降、4列目、5列目、…においても同様となる。
このように、中央部から+X方向ならびに−X方向に向けてダイシング溝10を検出することで、ダイシング溝10を確実に検出することが可能となる。すなわち、仮に中央部ではなく端部を基準に+X方向または−X方向のいずれか一方向に向けてダイシング溝10を検出した場合、半導体ウェハWFの円形状に伴いその外周付近でダイシング溝10を検出できない恐れがあるが、中央部を基準とすることで確実に検出可能となる。この観点から、基準とするチップの配置領域は、完全に中央である必要はなく、中央付近であればよい。また、前列の中央部のX座標を次列の中央部のX座標に反映させることで、仮に半導体ウェハWFがθ方向で若干傾いていたとしても、この傾きを列毎に補正しながら各チップ座標を認識することができるため、正確なチップ座標に基づいてチップCPの有無を判別可能になる。
ところで、図14に示した方式によりチップCPの有無を判別することで、半導体ウェハWFの傾きθをある程度許容することができるが、例えば、縦横比が非常に大きいチップCPを対象とし、この傾きθが非常に大きいような場合には、図15(a)に示すようにチップ座標にズレが生じる可能性がある。図15(a)の例では、前列において、中央部に位置するチップの配置領域150の中心のX座標を次列に反映させた結果、次列において、チップ座標がX方向に1個分ズレてしまっている。
このような場合には、例えば、図15(b)に示すように、各チップの配置領域150に対して、通常箇所のダイシング溝10に加えて、更にY座標を変更した複数箇所でダイシング溝10a〜10dを検出し、当該ダイシング溝のX座標のY方向での推移分を反映して補正を行うように構成することも可能である。すなわち、図10および図12の例では、N画素内の中心部に位置するK画素分の画像処理対象ライン(ダイシング溝10に対応)に加えて、更に、中心部から端部の間で、適宜K画素分の画像処理対象ライン(ダイシング溝10a〜10dに対応)を設定すればよい。
以上のような画像処理を経た後、図8のS805においては、当該画像処理結果とウェハマップデータWMDとの照合ならびにその照合結果の表示が行われる。すなわち、前述した図8のS804での画像処理結果として、チップCPの有無ならびにそれに対応するチップ座標が得られ、制御コンピュータPCは、この画像処理結果とウェハマップデータWMDから読み取った良品・不良品のチップ座標とを照合する。画像処理結果におけるチップ有の座標がWMDにおける不良品のチップ座標と一致し、画像処理結果におけるチップ無の座標がWMDにおける良品のチップ座標と一致していれば図1のピックアップ処理(S105)が正常に行われたことになる。
図16は、図8において、マップ照合・結果表示に伴う表示内容の一例を示す説明図である。図16においては、ウェハマップ全体の結果表示として、前述した画像処理結果に伴うチップ座標ならびに当該チップ座標におけるチップの有無と、当該画像処理結果とウェハマップデータWMDとのチップ座標毎の照合結果がOKかNGかが示されている。この全体表示結果においては、ユーザによって指定された一部の領域を拡大表示することも可能となっている。また、照合結果がNGとなったチップ座標を抽出して表示したり(例えば、チップ座標(01,13)がNG)、あるいは、その中でも致命的になり得る箇所(すなわち、不良チップが誤ってピックアップされた箇所)を抽出して表示することも可能となっている。
以上、本実施の形態2による半導体装置の製造方法を用いることで、実施の形態1と同様に、代表的には、半導体チップのピックアップ工程を正確に検証することが可能となり、これにより不良品の流出を未然に防止することが可能となる。また、この検証の際に、例えば図12、図13、図14で述べたような各種画像処理方式を用いることで、より正確にピックアップ工程を検証することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、図6においては、ピックアップ工程を検証するための専用の検査装置の構成例を示したが、当該検査装置の各要素をピックアップ装置に組み込み、ピックアップ装置自身が、チップをピックアップ後に自己検証するような方式を用いることも可能である。
本実施の形態による半導体装置の製造方法は、特に、大口径の半導体ウェハならびに小型な半導体チップを対象としたピックアップ工程を検証する方法として有益な技術であり、これに限らず、ピックアップ工程を含む半導体製造工程に対して広く適用可能である。
10 ダイシング溝
100 開始位置
110 インクマーク
130a,130b 検出範囲
131a,131b 最下点
132 チップ有無判別範囲
140,150 チップの配置領域
201 撮像データ
202 照合手段
31 撮像データ群
32 自動照合手段
70 ノッチ
90a,90b 画像
ACM エリアカメラ
AXCTL 3軸サーボ制御部
BCR バーコードリーダ
BP バンプ
CLP クランプ機構
CP チップ
CP_R 基準チップ
CPU 演算処理部
DPY 表示部
DS ダイシングシート
IBD 画像ボード
JOG−SW ジョグスイッチ
LCM ラインカメラ
LP レーザポインタ
P−I/O ポート
PC 制御コンピュータ
PN 位置決めピン
SL 光源
STG ステージ
WF 半導体ウェハ
WMD ウェハマップデータ
WR ウェハリング
X,Y,θ ステージ調整手段

Claims (12)

  1. (a)ダイシングラインによって区画され、行列状に配置された複数の半導体チップと他と異なる表面パターンの基準チップ1つを有する半導体ウェハを準備する工程と、
    (b)前記半導体ウェハの前記複数の半導体チップの特性を検査し、前記複数の半導体チップの良品・不良品を判定した位置情報を有する第1マップデータを取得する工程と、
    (c)前記(b)工程の後、前記半導体ウェハをダイシングシートに貼り付けた状態で、前記ダイシングシートにブレードが到達するように前記半導体ウェハをダイシングする工程と、
    (d)前記(c)工程の後、前記良品と判定された半導体チップを前記第1マップデータに基づいて前記ダイシングシートからピックアップする工程と、
    (e)前記(d)工程の後、前記ダイシングシートに残存する半導体チップの位置情報を有する第2マップデータを取得する工程と、
    (f)前記第1マップデータにおける不良チップの位置情報と、前記第2マップデータにおける残存チップの位置情報とを照合する工程とを有し、
    前記(e)工程では、前記残存チップが貼り付けられた状態の前記ダイシングシートがカメラによって撮像され、この撮像データの輝度情報から前記ブレードによって前記ダイシングシートに形成されたダイシング溝が画像処理によって検出され、この検出された複数のダイシング溝による区画に基づいて前記残存チップの位置情報が特定されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(e)工程で前記ダイシング溝を検出する際には、前記複数のダイシング溝のそれぞれを対象に、各ダイシング溝が含まれると推定される特定の領域が定められ、前記特定の領域に対応する前記撮像データの輝度情報の中でピークの輝度を持つ位置がダイシング溝として検出されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(e)工程での前記カメラによる撮像は、前記ダイシングシートが白色系の明色のステージに搭載された状態で行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、さらに、
    (g)前記(f)工程による照合が不一致となった場合に、この不一致となった半導体ウェハ内の各半導体チップがパッケージングされるか或いはチップ出荷される前に、誤ってピックアップされた不良チップを照合結果に応じて回収する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記カメラは、ラインカメラであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. (a)ダイシングラインによって区画され、行列状に配置された複数の半導体チップを有する半導体ウェハを準備する工程と、
    (b)前記半導体ウェハの前記複数の半導体チップの特性を検査し、前記複数の半導体チップの良品・不良品を判定した位置情報を有する第1マップデータを取得する工程と、
    (c)前記(b)工程の後、前記半導体ウェハをダイシングシートに貼り付けた状態で、前記ダイシングシートにブレードが到達するように前記半導体ウェハをダイシングする工程と、
    (d)前記(c)工程の後、前記良品と判定された半導体チップを前記第1マップデータに基づいて前記ダイシングシートからピックアップする工程と、
    (e)前記(d)工程の良否を検証する工程とを有し、
    前記(e)工程は、
    (e−1)前記半導体チップが残存した状態の前記ダイシングシートを前記行列状における各列毎にラインカメラによって撮像する処理と、
    (e−2)前記(e−1)処理によって撮像された各列毎の撮像データの輝度情報から前記ブレードによって前記ダイシングシートに形成された複数のダイシング溝を画像処理によって検出する処理と、
    (e−3)前記(e−2)処理によって検出された前記複数のダイシング溝に基づいて、前記各列内の各行毎の区画を識別し、前記区画内となる各行の輝度が予め設定した前記半導体チップに対応する輝度か前記ダイシングシートに対応する輝度かを判別する処理と、
    (e−4)前記(e−3)処理の結果に基づいて、残存する半導体チップの位置情報を有する第2マップデータを生成する処理と、
    (e−5)前記第1マップデータにおける不良チップの位置情報と、前記第2マップデータにおける残存チップの位置情報とを照合する処理とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項6記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(e−1)処理によってN列目の撮像が行われた後、(N+1)列目の撮像が行われている間に、前記N列目の撮像データに対する前記(e−2)処理が並行して行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
    前記N列目の撮像は、行座標の増加方向または減少方向の一方に向けて行われ、前記(N+1)列目の撮像は、前記行座標の増加方向または減少方向の他方に向けて行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項6記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(e−1)処理での前記各列毎の撮像は、前記ラインカメラによる撮像位置が行方向に向けて所定のステップで順次移動することで行われ、
    前記ラインカメラは、前記各ステップ毎に列方向に並ぶK画素分の輝度を取得し、
    前記(e−2)処理および前記(e−3)処理を行う際には、前記各ステップ毎の輝度値として、前記各ステップ毎に前記K画素分の輝度を積分した値が用いられることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(e−2)処理では、前記複数のダイシング溝のそれぞれを対象に、各ダイシング溝が含まれると推定される特定の行範囲が定められ、前記特定の行範囲に対応する前記各ステップ毎の輝度値の中からピークとなる輝度値が存在するステップ箇所がダイシング溝として検出されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項10記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(e−2)処理によって、M列目における複数のダイシング溝が検出された後、(M+1)列目における複数のダイシング溝を検出する際には、まず、前記M列目において列方向に向けて順次検出された前記複数のダイシング溝の内の中央部に位置するダイシング溝の行座標を基準として、この行座標に対応する前記(M+1)列目のダイシング溝が検出され、次いで、この検出されたダイシング溝を基準として行座標が増加する方向と減少する方向の両方に向けて、前記(M+1)列目のダイシング溝が順次検出されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
    前記M列目におけるダイシング溝と前記(M+1)列目におけるダイシング溝の間の範囲で、さらに、列方向に向けて複数のダイシング溝が検出され、前記M列目における前記中央部のダイシング溝の行座標に加えて、この複数のダイシング溝の行座標の推移に基づいて、前記(M+1)列目における前記基準となるダイシング溝が検出されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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