JP6189664B2 - 窒化アルミニウム結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液相成長法(LPE)により窒化アルミニウム(AlN)をエピタキシャル成長させる窒化アルミニウム結晶の製造方法に関する。
紫外発光素子は、蛍光灯の代替、高密度DVD、生化学用レーザ、光触媒による公害物質の分解、He−Cdレーザ、水銀灯の代替など、次世代の光源として幅広く注目されている。この紫外発光素子は、ワイドギャップ半導体と呼ばれるAlGaN系窒化物半導体からなり、表1に示すようなサファイア、4H−SiC、GaNなどの異種基板上に積層される。
しかしながら、サファイアは、AlGaNとの格子不整合が大きいため、多数の貫通転位が存在してしまい、非発光再結合中心となって内部量子効率を著しく低下させてしまう。また、4H−SiC及びGaNは、格子整合性は高いが、高価である。また、4H−SiC及びGaNは、それぞれ波長380nm及び365nm以下の紫外線を吸収してしまう。
これに対して、AlNは、AlGaNと格子定数が近く、200nmの紫外領域まで透明であるため、発光した紫外線を吸収することなく、紫外光を効率よく外部へ取り出すことができる。つまり、AlN単結晶を基板として用いてAlGaN系発光素子を準ホモエピタキシャル成長させることにより、結晶の欠陥密度を低く抑えた紫外光発光素子を作製することができる。
Figure 0006189664
現在、HVPE法(ハイドライド気相成長法)、液相成長法、昇華再結晶法などの方法によりAlNのバルク単結晶の作製が試行されている。例えば、特許文献1には、III族窒化物結晶の液相成長法において、フラックスへの窒素の溶解量を増加させるために圧力を印加し、ナトリウム等のアルカリ金属をフラックスに添加することが開示されている。また、特許文献2には、Al融液に窒素原子を含有するガスを注入して、AlN微結晶を製造する方法が提案されている。
しかしながら、上記特許文献1、2の技術を用いてAlN結晶を製造する場合、高い成長温度が必要となり、コスト及び結晶品質に関して満足するものが得られない。
これに対し、本件発明者らの一部は、上記問題に応えるものとして、液相成長法におけるフラックスとしてGa−Al合金融液を用いることにより、低温でのAlNの結晶成長が可能であり、基板表面の結晶性を引き継ぎかつAl極性を有する良好なAlN結晶が得られることを見出した(特許文献3)。
特許文献3では、具体的に、Ga−Al合金融液に窒素を含有するガス(以下、窒素含有ガス)を導入し、該Ga−Al合金融液中の種結晶基板上にAlN結晶をエピタキシャル成長させるにあたり、種結晶基板として窒化サファイア基板を用いる。特許文献3では、窒化サファイア基板を用いることにより、窒化サファイア基板表面に形成された窒素極性の窒化アルミニウム膜上に、基板表面の良好な結晶性を引き継いだAl極性の窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させることができる。
また、本願出願人が出願した特願2012−038431号の明細書(便宜的に、特許文献4とする。)にも、Ga−Al合金融液中で種結晶基板にAlN結晶をエピタキシャル成長させる窒化アルミニウム結晶の製造方法が記載されている。特許文献4では、Ga−Al合金融液に供給する窒素含有ガス中の酸素分圧を好ましくは10−8atm以上10−5atm以下に制御することにより良好な結晶性を有するAl極性のAlN結晶が安定に得られることが記載されている。
特許文献4に記載されている窒化アルミニウム結晶の製造方法では、表面に窒素極性(N極性)を有するAlN薄膜が形成された窒化サファイア基板に微量酸素を含有する窒素含有ガスを供給することにより、AlN薄膜とエピタキシャル成長層との界面に酸素が介在して、極性がN極性から化学的に安定なアルミニウム極性(Al極性)に反転し、エピタキシャル成長するものと考えられている。これにより、窒化サファイア基板表面の良好な結晶性を引き継いだAlN結晶を成長させることができる。このように窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させるためには、微量酸素を含む窒素含有ガスが必要となる。
しかしながら、Ga−Al合金融液に供給する窒素含有ガス中の酸素の含有量は微量ではあるものの、エピタキシャル成長させたAlN結晶中に取り込まれた場合には不純物となるので、窒素含有ガス中の酸素はより少ない、即ち、酸素分圧がより低い方が好ましい。また、このような微量の酸素を基板表面に均一に供給する必要がある。
特開2004−224600号公報 特開平11−189498号公報 国際公開第2012/008545号公報
そこで、本発明は、Ga−Al合金融液に窒素を含有するガス(以下、窒素含有ガスという。)を供給して種結晶基板上にAlN結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法において、窒化サファイア基板上にAl極性を有する窒化アルミニウム結晶を低温で安定に形成することができる窒化アルミニウム結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本件発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、窒化サファイア基板の極表面を酸化処理した基板を種結晶基板として用いることにより、Ga−Al合金融液に供給する窒素含有ガス中の酸素含有量が低い条件であっても良好な結晶性を有するAl極性のAlN結晶が安定して得られることを見出した。
すなわち、本発明に係る窒化アルミニウム結晶の製造方法は、Ga−Al合金融液中の種結晶基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法による窒化アルミニウム結晶の製造方法であって、種結晶基板として窒化サファイア基板を用い、窒化サファイア基板の極表面を酸化処理する酸化処理工程と、Ga−Al合金融液に酸化処理した窒化サファイア基板を浸漬させ、Ga−Al合金融液に窒素を含有するガスを導入して窒化サファイア基板に窒化アルミニウム結晶を成長させる結晶成長工程とを有し、窒素を含有するガスは、酸素分圧が1×10 −9 atm以下であり、酸素分圧は、脱酸素炉またはジルコニア式酸素ポンプを用いて制御されることを特徴とする。
本発明によれば、種結晶基板の窒化サファイア基板上にAl極性のAlN結晶を低温で安定して成長させることができる。このため、現在用いられているAl極性を有する基板に対して最適化されたMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法の成長条件を用いて、LED(Light Emitting Diode)やLD(Laser diode)デバイスに必要な多重量子井戸構造を作製することができる。
AlN結晶製造装置の構成例を示す図である。 実施例1における酸化処理前の窒素サファイア基板のX線回折測定の結果を示す図である。 実施例1における酸化処理後の窒素サファイア基板のX線回折測定の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態における窒化アルミニウム結晶の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
窒化アルミニウム結晶の製造方法は、Ga−Al合金融液中の種結晶基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法よる窒化アルミニウム結晶の製造である。
この窒化アルミニウム結晶の製造方法では、図1に示すような、ガス導入管1と、坩堝2と、坩堝2内のシード基板3と、シード基板3を保持する保持プレート4と、Ga−Al合金融液5を加熱するヒータ6と、ガス排出管7と、熱電対8とを備えるAlN結晶製造装置を用いる。
ガス導入管1は、後端側から供給された窒素を含有するガス(以下、窒素含有ガスという。)を先端から排出して、Ga−Al合金融液5に窒素含有ガスを導入するものである。ガス導入管1は、上下に可動可能であり、坩堝2内のGa−Al合金融液5中に先端が挿入可能となっている。即ち、AlN結晶製造装置では、Ga−Al合金融液5をガス導入管1から導入される窒素含有ガスでバブリング可能となっている。
坩堝2は、耐高温性のものが用いられ、例えばアルミナ、ジルコニアなどのセラミックを用いることができる。
シード基板3には、AlN結晶と格子不整合率が小さい格子整合基板として、AlN薄膜を表面に形成した窒化サファイア基板を用いる。その窒化サファイア基板の極表面には、酸化処理を施す。
極表面を酸化処理する前の窒化サファイア基板は、例えば、特開2005−104829号公報、特開2006−213586号公報、特開2007−39292号公報などに開示されている方法により得ることができる。具体的には、例えばc面サファイア基板を窒素分圧0.9atm/CO分圧0.1atm、温度1500℃で1時間保持した後、窒素分圧1.0atmで5時間保持することにより、AlN薄膜の結晶性が優れた窒化サファイア基板を得ることができる。この窒化サファイア基板は、表面のAlN薄膜がc軸配向単結晶膜でありかつ窒素で終端された窒素極性(N極性)を有する。このAlN薄膜の膜厚は10nm程度である。
シード基板3は、窒化サファイア基板に酸化処理を施して得られ、AlN薄膜の極表面部分の窒素が酸素に置換され、酸化処理された部分を含むAlN薄膜の結晶構造はAlNの結晶構造であるウルツ鉱構造が維持されている。
保持プレート4は、上面にシード基板3が取り付けられ、Ga−Al合金融液5中でシード基板3を保持する。これにより、このAlN結晶製造装置では、シード基板3がGa−Al合金融液5中で浮いたり、動いたりせず、所定に位置で維持することができる。
Ga−Al合金融液5には、GaとAlとのモル比率が99:1〜1:99の範囲のものを用いることができる。この中でも、低温成長及び結晶性の観点から、GaとAlとのモル比率が98:2〜40:60の範囲のものが好ましく、98:2〜50:50の範囲のものが更に好ましい。
窒素含有ガスとしては、N、NH等を用いることができる。中でも安全性の観点からNを用いることが好ましい。また、窒素分圧は、通常0.01MPa以上1MPa以下である。
窒素含有ガスとしては、酸素含有量が少ないものを使用することができる。例えば特許文献4で好ましいと記されている酸素含有量よりも少ない酸素含有量の窒素含有ガスを使用することができる。
窒素含有ガスの酸素分圧としては、特に限定されず、非常に低くて良く、例えば1×10−9atm以下であってもよい。窒素含有ガス中の酸素分圧の制御は、例えば、市販の窒素ガスボンベから得られるガスを、数百℃の温度に保ったCu、Ni等が充填された脱酸素炉に通して酸素分圧を十分に低下させた後、所望の酸素分圧となるように微量の酸素ガス、又は酸素/窒素混合ガスを添加する。または、ジルコニア式酸素ポンプを用いて酸素分圧を制御することもできる。また、予め所望の酸素分圧になるように調製されたガスボンベから窒素含有ガスを供給するようにしてもよい。
次に、以上のような構成からなるAlN結晶製造装置を用いたAlN結晶の製造方法について説明する。
AlN結晶の製造方法は、先ず、シード基板3となる窒化サファイア基板の表面を酸化処理する酸化処理工程を行い、酸化処理した窒化サファイア基板をシード基板3としてGa−Al合金融液5に浸漬させ、Ga−Al合金融液5に窒素含有ガスを導入してシード基板3に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させる結晶成長工程を行う。
酸化処理工程では、窒化サファイア基板の表面に形成されたN極性のAlN薄膜を酸化して、AlN薄膜の極表面部分の窒素を酸素に置換することにより、この薄膜上にAl極性のAlN膜のエピタキシャル成長が可能となる表面状態とする。この処理が施されたAlN薄膜の結晶構造はAlNの結晶構造であるウルツ鉱構造が維持されている。
酸化処理の条件は、窒化サファイア基板表面に形成されたN極性のAlN薄膜に酸素を介在させ、この薄膜上にAl極性のAlN膜をエピタキシャル成長させることができればよく、特に限定されるものではない。酸化処理の方法としては、例えば、窒化サファイア基板を大気雰囲気中で温度300℃〜500℃で3時間〜6時間程度保持する。
結晶成長工程では、酸化処理工程においてシード基板3にAl極性のAlN結晶をエピタキシャル成長させる。
具体的には、先ず、AlN結晶製造装置にて、窒素ガス、アルゴンガス等の雰囲気中でGa−Al合金融液5を熱電対6で昇温させ、Alの融点に達した後、Ga−Al合金融液5中に窒素含有ガスを注入する。
次に、坩堝2内のGa−Al合金融液5の温度を1000℃以上1500℃以下に保ち、極表面を酸化処理した窒化サファイア基板のシード基板3を取り付けた保持プレート4をGa−Al合金融液5中に浸漬する。
そして、シード基板3上に、Al極性のAlN結晶をエピタキシャル成長させる。
シード基板3上にAlN結晶を成長させる際には、Ga−Al合金融液5の温度を1000℃以上とすることが好ましい。Ga−Al合金融液5の温度を1000℃以上とした場合には、注入された窒素とGa−Al合金融液5中のガリウム及びアルミニウムのそれぞれとが化合して生成されたGaN及びAlNの微結晶のうち、GaN微結晶が解離し、ガリウムと窒素に分解するため、AlN結晶成長の阻害を防ぐことができる。なお、AlN結晶の融点は、2000℃以上であり、1500℃以下では安定である。
また、AlN結晶は、1気圧の常圧条件でも成長させることができ、窒素の溶解度が小さい場合には加圧してもよい。
結晶成長工程では、前工程の酸化処理によって、シード基板3の表面をAl極性のAlN膜がエピキシャル成長可能な状態にしているため、酸素含有量が少ない窒素含有ガスを用いてもシード基板3の表面の良好な結晶性を引き継ぎ、かつ、Al極性を有するAlN結晶を安定に成長させることができる。結晶成長工程では、窒素含有ガスに含まれる酸素量を少なくできるため、成長して得られたAlN結晶中に混入する酸素量も少なくなり、酸素が不純物として影響することを抑制できる。
ところで、従来のように、Ga−Al合金融液5中に窒素含有ガスを供給してAlN結晶を成長させる場合には、窒化サファイア基板表面のN極性のAlN薄膜がGa−Al合金融液5に浸食されて消失することがある。消失した部分では、Al極性のAlN結晶が成長しないため、シード基板3全体で均一にAlN結晶が形成されなくなる。しかしながら、N極性のAlN薄膜の表面に酸素介在層が形成されると、Al極性のAlN膜の成長が開始され、消失は起こらない。したがって、本発明を適用したAlN結晶の製造方法では、酸化処理によりN極性のAlN薄膜の表面に酸素介在層が予め形成されたシード基板3をGa−Al合金融液5に浸漬させるため、N極性のAlN薄膜が消失せず、シード基板3全体に均一にAlN結晶を成長させることができる。
そして、所定時間が経過した後、シード基板3をGa−Al合金融液5から取り出して、徐冷を行い、窒化アルミニウム結晶が形成されたシード基板3を得ることができる。
上述した窒化アルミニウム結晶の製造方法では、極表面を酸化処理した窒化サファイア基板をシード基板3として用いることによって、シード基板3の表面に形成されたAlN薄膜の良好な結晶性を引き継いだAlN結晶を低温で安定に成長させることができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、先ず、c面サファイア基板を窒素分圧0.9atm/CO分圧0.1atm、温度1500℃で1時間保持した後、窒素分圧1.0atmで5時間保持し、窒化サファイア基板を得た。次に、この窒化サファイア基板を大気雰囲気中、温度400℃で3時間保持して極表面を酸化処理した。
ここで、窒化サファイア基板を酸化処理前後でX線回折測定を行った。酸化処理前の窒化サファイア基板の測定結果を図2に示し、酸化処理後の窒化サファイア基板の測定結果を図3に示す。図2及び図3から酸化処理前後で回折パターンに変化はなく、酸化処理前及び酸化処理後ともにAlN(002)ピークが観察された。したがって、酸化処理後の窒化サファイア基板表面のAlN薄膜はウルツ鉱構造を維持していることがわかる。
次に、ガリウムとアルミニウムのモル比率が60:40のGa−Al合金融液からなるフラックスを窒素ガス中で昇温させた。そして、アルミニウムの融点に達した後、フラックス中にジルコニア式酸素ポンプで酸素分圧を1.0×10−9atmに調節した0.1MPaの窒素ガスを20cc/minの流速でフラックス中に吹き込んだ。坩堝内のフラックスの温度を1300℃に保ち、常圧で窒化アルミニウム基板をフラックス中に浸漬させた。5時間経過した後、窒化アルミニウム基板をフラックス中から取り出して徐冷を行い、窒化アルミニウム結晶を生成させた。
その結果、AlN結晶はサファイア基板上に均一に成長しており、AlN結晶の膜厚は1.5μmであった。得られたAlN結晶について、チルト成分(結晶試料面に垂直な方向の結晶面の揺らぎ)の結晶性をAlN結晶(002)面のX線回折ロッキングカーブの半値幅で評価し、ツィスト成分(結晶試料面内における回転方向の揺らぎ)の結晶性をAlN結晶(102)面のロッキングカーブの半値幅で評価した。その結果、AlN結晶の結晶性は、(002)面チルトの半値幅で47arcsecであり、(102)面ツィストは460arcsecであり、良好な結晶性を示した。
また、シード基板上に成長したAlN膜について、CBED(Convergent-beam electron diffraction)法により極性を判定したところ、サファイア基板を窒化したことによって形成されたAlN膜は窒素極性であるが、その上にエピタキシャル成長したAlN膜はAl極性であることが確認された。
[比較例1]
比較例1では、表面を酸化処理していない窒化サファイア基板をシード基板に用いたこと以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウム結晶を生成させた。
その結果、シード基板上にAlN結晶は均一に成長せず、基板表面の30%の部分でAlN結晶の成長は見られなかった。
[実施例2]
実施例2では、シード基板の表面を実施例1と同様に酸化処理した窒化サファイア基板を用い、Ga−Al合金融液からなるフラックス中に吹き込んだ窒素ガス中の酸素分圧を1.0×10−11atmとして、実施例1と同様に窒化アルミニウム結晶を生成させた。その結果、AlN結晶はシード基板上に均一に成長しており、AlN結晶の膜厚は1.2μmであった。また、(002)面チルトのX線回折ロッキングカーブの半値幅は54arcsecで、(102)面ツィストの半値幅は560arcsecであり、良好な結晶性を示した。また、成長したAlN結晶の極性を判定した結果、Al極性であった。
[比較例2]
比較例2では、表面を酸化処理していない窒化サファイア基板をシード基板に用いたこと以外は実施例2と同様にして窒化アルミニウム結晶を生成させた。
その結果、シード基板上にAlN結晶は均一に成長せず、基板表面の50%の部分でAlN結晶の成長は見られなかった。
実施例及び比較例の結果から、Ga−Al合金融液を用いて窒化サファイア種結晶基板上にAlN結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法において、窒化サファイア基板の極表面を酸化処理した基板を種結晶基板として用いることにより良好な結晶性を有するAl極性のAlN結晶を低温で安定に形成できることがわかる。
1 ガス導入管、2 坩堝、3 シード基板、4 保持プレート、5 Ga−Al溶融液、6 ヒータ、7 ガス排出管、8 熱電対

Claims (2)

  1. Ga−Al合金融液中の種結晶基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法による窒化アルミニウム結晶の製造方法において、
    上記種結晶基板として窒化サファイア基板を用い、該窒化サファイア基板の極表面を酸化処理する酸化処理工程と、
    上記Ga−Al合金融液に上記酸化処理した窒化サファイア基板を浸漬させ、該Ga−Al合金融液に窒素を含有するガスを導入して該窒化サファイア基板に窒化アルミニウム結晶を成長させる結晶成長工程とを有し、
    上記窒素を含有するガスは、酸素分圧が1×10 −9 atm以下であり、
    上記酸素分圧は、脱酸素炉またはジルコニア式酸素ポンプを用いて制御されることを特徴とする窒化アルミニウム結晶の製造方法。
  2. 上記種結晶基板表面の酸化処理されたAlN薄膜の構造がウルツ鉱構造であることを特徴とする請求項記載の窒化アルミニウム結晶の製造方法。
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