JP4554287B2 - Iii族窒化物結晶の製造方法、および半導体基板の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物結晶の製造方法、および半導体基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4554287B2
JP4554287B2 JP2004187983A JP2004187983A JP4554287B2 JP 4554287 B2 JP4554287 B2 JP 4554287B2 JP 2004187983 A JP2004187983 A JP 2004187983A JP 2004187983 A JP2004187983 A JP 2004187983A JP 4554287 B2 JP4554287 B2 JP 4554287B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
semiconductor layer
substrate
generation region
group iii
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004187983A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005039248A (ja
Inventor
康夫 北岡
尚 峯本
勲 木戸口
孝友 佐々木
勇介 森
史朗 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2004187983A priority Critical patent/JP4554287B2/ja
Publication of JP2005039248A publication Critical patent/JP2005039248A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4554287B2 publication Critical patent/JP4554287B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Led Devices (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

本発明は、III族窒化物結晶の製造方法、半導体基板の製造方法、III族窒化物結晶、半導体基板および電子デバイスに関する。
窒化ガリウム(GaN)などのIII族窒化物化合物半導体(以下、III族窒化物半導体またはGaN系半導体という場合がある)は、緑色、青色や紫外光を発光する半導体素子の材料として注目されている。青色レーザダイオード(LD)は、高密度光ディスクやディスプレイに応用され、また青色発光ダイオード(LED)はディスプレイや照明などに応用される。また、紫外線LDはバイオテクノロジなどへの応用が期待され、紫外線LEDは蛍光灯の紫外線源として期待されている。
LDやLED用のIII族窒化物半導体(例えば、GaN)の基板は、通常、サファイア基板上に、気相エピタキシャル成長法を用いてIII族窒化物結晶をヘテロエピタキシャル成長させることによって形成されている。この方法で得られる結晶の転位密度は、通常、108cm-2〜109cm-2であり、転位密度の減少が重要な課題となっている。また、この課題を解決するために、転位密度を低減する取り組みが行われており、例えば、ELOG(Epitaxial lateral overgrowth)法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、転位密度を105cm-2〜106cm-2程度まで下げることができるが、作製工程が複雑である。
一方、気相エピタキシャル成長ではなく、液相で結晶成長を行う方法も検討されてきた。しかしながら、GaNなどのIII族窒化物単結晶の融点における窒素の平衡蒸気圧は10000atm(10000×1.013×105Pa)以上であるため、従来、GaNを液相で成長させるためには1200℃で8000atm(8000×1.013×105Pa)の条件が必要とされてきた。これに対し、近年、Naフラックスを用いることで、750℃、50atm(50×1.013×105Pa)という比較的低温低圧でGaNを合成できることが明らかにされた(例えば、特許文献2参照)。
最近では、アンモニアを含む窒素ガス雰囲気下においてGaとNaとの混合物を800℃、50atm(50×1.013×105Pa)で溶融させ、この融液を用いて96時間の育成時間で、最大結晶サイズが1.2mm程度の単結晶が得られている(例えば、特許文献3参照)。
また、サファイア基板上に有機金属気相成長(MOCVD:Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法によってGaN結晶層を成膜したのち、液相成長(LPE:Liquid Phase Epitaxy)法によって単結晶を成長させる方法も報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、従来の技術では、得られるIII族窒化物結晶の品質は十分とはいえず、より高品質の結晶を製造する技術が求められている。
特開平11−145516号公報 米国特許5868837号 特開2002−293696号公報 Jpn. J. Appl. Phys., Vol42, (2003) pp4-6
そこで、本発明の目的は、フラックス中で安定に成長でき、半導体製造プロセスの基板として使用可能なIII族窒化物結晶の製造方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のIII族窒化物結晶の製造方法は、下記の(i)および(ii)の工程を含む製造方法である。
(i)組成式AluGavIn1-u-vN(ただし0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)で表される半導体からなり、表面に結晶核発生領域を備える半導体層を形成する工程。
(ii)窒素を含む雰囲気中において、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群から選択される少なくとも1つのIII族元素と、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の少なくとも一方と、窒素とを含む融液に前記半導体層の前記結晶核発生領域を接触させることによって、前記半導体層上にIII族窒化物結晶を成長させる工程。
本発明者等は、フラックス中でのIII族窒化物結晶の成長について一連の研究を重ねた。その過程で、III族窒化物結晶の成長において使用するシード層によって、結晶成長が異なるという知見を得た。そして、III族窒化物結晶の成長とシード層との関係についてさらなる検討を重ねたところ、III族窒化物結晶の成長はシード層の表面状態に大きく依存しており、フラックス中で安定に結晶成長させるためには、シード層の表面を制御する必要があることを見出した。本発明の製造方法のように、表面に結晶核発生領域を備える半導体層(シード層)を使用することで、この結晶核発生領域において結晶核の発生が促進されるため、安定したIII族窒化物結晶の成長が容易になる。また、本発明の製造方法によると、結晶核発生領域において選択的に結晶核が発生するため、III族窒化物結晶の品質をさらに向上することができる。
次に、本発明を詳しく説明する。
本発明の製造方法において、前記結晶核発生領域を備える半導体層の形成方法は、特に制限されないが、下記に示すように、例えば、予め形成した半導体層表面を大気曝露や、表面加工による方法や、後述のようにツイスト角やキャリア濃度を制御して半導体層を形成する方法等がある。前記結晶核発生領域は、半導体層表面に、部分的に形成されていても、全体に形成されていてもよい。前記結晶核発生領域は、例えば、キャリア濃度やツイスト角の生成、大気曝露、機械加工やエッチング等の断面形状により特定することができる。
本発明の製造方法において、前記結晶核発生領域のツイスト角は、例えば、680秒以下であり、好ましくは412秒以下である。
前記ツイスト角は、X線回折((10−10)回折)のロッキングカーブの半値幅を意味し、例えば、X線回折ロッキングカーブの半値幅は、X線源から半導体層に照射し、前記半導体層から回折されるX線のピークを中心とするFWHM(Full width at half maximum)から得られる。前記X線源は、特に制限されないが、例えば、CuKα線等が使用できる。
本発明の製造方法において、半導体層の結晶核発生領域のツイスト角を制御する方法としては、例えば、成長速度、成長温度、成長膜厚などの条件を制御すること等があげられる。例えば、ツイスト角の小さな試料は、最適成長温度において、成長膜厚を厚く、かつ、成長速度の遅い条件で成長させることで作製できる。このようにして、ツイスト角の異なる試料を作製できる。
本発明の製造方法において、前記結晶核発生領域のキャリア濃度は、例えば、1×1017cm-3以下であり、好ましくは5×1016cm-3であり、より好ましくは1×1016cm-3である。前記キャリア濃度は、例えば、ホール測定、CV測定等により求めることができる。なお、前記キャリアの発生原因としては、結晶成長に使用する炉部材由来の、例えば、酸素やSi等が結晶中に取り込まれた結果と考えられる。
本発明の製造方法において、半導体層の結晶核発生領域のキャリア濃度を制御する方法としては、例えば、前記半導体層を、例えば、HVPE法やMOCVD法の気相成長により作製する際、特に純度の高い原料ガスを用いる方法や、よく枯れた石英反応管を使用する方法、HVPE装置やMOCVD装置の石英反応管等を、例えば、BN、AlN、SiC等でコーティングする方法等があげられる。この中でも、特に、コーティングする方法が好ましく、石英反応管をコーティングすれば、例えば、前記反応装置の表面からの半導体層へのSiや酸素の取り込みをより一層低減でき、キャリア濃度の制御が極めて容易になる。なお、よく枯れた石英反応管を使用する方法とは、例えば、石英反応管や他の構成部材を使用し、ダミー結晶を数回から数十回成長させることで、石英反応管やその他の部材中に含まれるキャリア濃度を低減させ、その後、目的とする結晶成長を行う方法である。
本発明の製造方法において、前記(i)の工程は、(i−1)組成式AlsGatIn1-s-tN(ただし0≦s≦1、0≦t≦1、s+t≦1)で表される半導体で形成される下地層を形成する工程と、(i−2)前記下地層の表面を大気曝露する工程と、(i−3)前記下地層上に、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)で表される半導体を成長させることによって前記半導体層を形成する工程とを含むことが好ましい。この場合、前記結晶核発生領域は、ピットおよびヒロックの少なくとも一方を含む。
本発明の製造方法において、前記(i)の工程は、(i−a)組成式AluGavIn1-u-vN(ただし0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)で表される半導体で形成される半導体層を形成する工程と、(i−b)前記半導体層の表面を加工する工程とを含んでもよい。
本発明の製造方法において、前記(i−b)の工程は、前記半導体層の表面をエッチングして粗面化する工程を含んでもよい。前記エッチング方法としては、例えば、ドライエッチング、ウェットエッチング等があげられる。
本発明の製造方法において、前記(i−b)の工程は、前記半導体層の表面を機械的に加工する工程を含んでもよい。この場合、前記(i−a)の工程において、前記半導体層の表面が(0001)面となるように前記半導体層を形成し、前記(i−b)の工程において、表面が(0001)面に対して傾斜した面となるように前記半導体層の表面を研磨してもよい。
本発明の製造方法において、前記III族元素がガリウムであり、前記III族窒化物結晶が窒化ガリウムであってもよい。
本発明の製造方法において、前記雰囲気が加圧雰囲気であってもよい。
本発明の製造方法において、前記半導体層が、基板上に形成されていることが好ましい。前記基板は、特に制限されないが、例えば、表面が(111)面であるGaAs基板、表面が(111)面であるSi基板、表面が(0001)面であるサファイア基板、表面が(0001)面であるSiC基板などが使用できる。この中で、サファイア基板やSiC基板が好ましい。
また、本発明の電子デバイスは、基板上に形成された半導体素子を備える電子デバイスであって、前記基板が、前記本発明の製造方法によって製造されたIII族窒化物結晶である。
前記電子デバイスでは、前記半導体素子が、レーザダイオード、発光ダイオードまたは電界効果トランジスタであってもよい。
前記電子デバイスでは、高周波デバイスまたはハイパワーデバイスであってもよい。
つぎに、本発明について例を挙げて、適宜図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、下記の実施形態によって限定されない。また、以下の実施形態は、半導体層を基板上に形成した例であるが、本発明はこれに限定されない。
(実施形態1)
この方法では、まず、図1(a)に示すように、基板11上に、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)で表される半導体からなり、表面に結晶核発生領域12aを備える半導体層12を形成する(工程(i))。半導体層12は、種結晶となるシード層であり、例えば、GaNや、AluGa1-uN(ただし、0≦u≦1)等で形成されている。半導体層12の形成方法は後述する。基板11には、サファイア基板、GaAs基板、Si基板、SiC基板などを用いることができ、例えば、表面が(111)面であるGaAs基板、表面が(111)面であるSi基板、表面が(0001)面であるサファイア基板、または表面が(0001)面であるSiC基板を用いることができる。なお、基板11と半導体層12との間に他の半導体層を含んでもよい。また、結晶核発生領域12aは、半導体層12の表面の全体に形成されてもよい。
次に、窒素を含む雰囲気中(好ましくは100atm(100×1.013×105Pa)以下の加圧雰囲気)において、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群から選択される少なくとも1つのIII族元素と、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の少なくとも一方と、窒素とを含む融液に半導体層12の表面(結晶核発生領域12aを含む表面)を接触させ、半導体層12上にIII族窒化物結晶を成長させる(工程(ii))。工程(ii)によって、図1(c)に示すように、半導体層12上にIII族窒化物結晶13が成長する。本発明の方法では、シード層となる半導体層12の表面に、結晶核が発生しやすい結晶核発生領域12aが形成されている。このため、工程(ii)において、この結晶核発生領域で結晶核が発生し、III族窒化物結晶の成長が容易になる。
前記融液は、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属またはそれら双方を含むことが好ましい。アルカリ金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムがあげられ、これらは単独で使用してもよいし、2種類以上で併用してもよい。また、アルカリ土類金属としては、例えば、Ca、Mg、Sr、BaおよびBeがあげられ、これらは単独で使用してもよく、2種類以上で併用してもよい。また、アルカリ金属とアルカリ土類金属とを混合して使用してもよい。この場合、ナトリムとカルシウムとの混合が好ましい。窒素を含む雰囲気下としては、例えば、窒素ガスや、アンモニアを含む窒素ガス雰囲気を適用できる。
前記融液は、例えば、III族元素等の材料を坩堝に投入して加熱することによって調製できる。融液を調製したのち、融液を過飽和の状態とすることによって半導体結晶を成長させる。材料の溶融および結晶成長は、例えば、温度が700℃〜1100℃程度で、圧力が1atm(1×1.013×105Pa)〜100atm(100×1.013×105Pa)程度で行われる。この方法によれば、組成式AlxGayIn1-x-yN(ただし0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表されるIII族窒化物結晶が得られ、例えば、GaNや、組成式AlxGa1-xN(ただし0≦x≦1)で表される結晶が得られる。
以下、工程(i)について、例を挙げて説明する。
第1の例では、まず、基板上に、組成式AlsGatIn1-s-tN(ただし0≦s≦1、0≦t≦1、s+t≦1)で表される半導体で形成される下地層を形成する(工程(i-1))。前記下地層は、例えば、MOCVD法や、MBE法、HVPE法等で形成できる。
次に、前記下地層の表面を大気曝露する(工程(i−2))。前記大気曝露は、例えば、下地層が形成された基板を、成膜装置から取り出すこと等により行うことができる。
次に、下地層上に、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)で表される半導体を成長させることによって半導体層を形成する(工程(i−3))。このとき、大気曝露された下地層上に形成される半導体層の表面にはピットやヒロックが形成され、このピットやヒロックが、前記結晶核発生領域であってもよい。
第2の例では、まず、基板上に、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)で表される半導体で形成される半導体層を形成する(工程(i−a))。この半導体層は、例えば、MOCVD法や、MBE法、HVPE法で形成できる。
次に、半導体層の表面を加工することによって、その表面に結晶核発生領域を形成する(工程(i−b))。この加工によって、半導体層の表面を粗面化することができ、粗面化された表面が結晶核発生領域となる。このようなラフな表面では、結晶核が発生しやすくなる。前記加工方法としては、例えば、ドライエッチング、ウェットエッチング、機械加工等があげられる。
ドライエッチングは、例えば、CF4ガスを用いて80Wで30分間、半導体層の表面を処理する方法等により行うことができる。また、ウェットエッチングは、例えば、KOH水溶液やリン酸水溶液等を用いて行うことができる。
機械加工を行う場合には、例えば、スクライブやダイシング等によって半導体層の表面に溝を形成してもよい。また、工程(i−a)において表面が(0001)面となるように半導体層を形成したのち、工程(i−b)において表面が(0001)面に対して傾斜した面となるように半導体層の表面を研磨してもよい。(0001)面以外の面を表面に形成することによって、結晶核が発生しやすくなる。また、半導体層の表面に不純物を付着させ、その部分を結晶核発生領域とすることも可能である。
結晶核発生領域は、例えば、ストライプ状、ドット状、メッシュ状など、いろいろな形状とすることができる。結晶核発生領域は、応用されるデバイスに適した形状にすればよい。例えば、半導体レーザなどに応用する場合には、ストライプ形状などが好ましい。
なお、本発明の方法で製造されるIII族窒化物結晶を用いて半導体素子を作製する場合には、工程(ii)に続き、III族窒化物結晶上に半導体素子を形成することによって電子デバイスを製造できる。半導体素子は、例えば、レーザダイオード、発光ダイオード、電界効果トランジスタなどである。電子デバイスは、高周波デバイスやハイパワーデバイスであってもよい。
(実施形態2)
実施形態2では、電界効果トランジスタを作製する一例について説明する。まず、液相成長法によって形成された絶縁性GaN結晶上に、MOCVD法によってGaN半導体層とAlGaN半導体層とを形成する。次に、AlGaN半導体層上に、ソース電極、ゲート電極およびドレイン電極を形成する。液相成長法によって形成されたGaN結晶は、転位や欠陥が少ないので絶縁性に優れている点が特徴である。ゲート電圧を制御することによって、GaN半導体層とAlGaN半導体層との間の2次元電子ガス濃度を制御でき、高速のトランジスタを実現できる。
(実施形態3)
実施形態3では、半導体レーザを作製する一例について説明する。液相成長法によって形成されたGaN結晶上に、n形のGaN層を形成し、その上にInGaN層からなる活性層を形成し、さらにその上にp形のGaN層を形成する。n形GaN層上およびp形GaN層上にそれぞれ電極を形成することによって、発光素子を実現できる。
(実施形態4)
この実施形態は、本発明の半導体基板を用いた半導体レーザの作製の一例である。この半導体レーザの構成を、図8の断面図に示す。この半導体レーザは、例えば、つぎのようにして作製できる。
まず、前記実施形態で得られるGaN結晶からなる基板91上に、キャリア濃度が5×1018以下になるようにSiをドープしたn形GaNからなるコンタクト層92を形成する。GaN系の結晶(GaとNとを含む結晶)では、不純物としてSiを添加するとGaの空孔が増加する。このGaの空孔は容易に拡散するため、この上にデバイスを作製すると寿命などの点で悪影響を与える。そのため、キャリア濃度が3×1018cm-3以下になるようにドーピング量を制御する。
次に、コンタクト層92上に、n形Al0.07Ga0.93Nからなるクラッド層93とn形GaNからなる光ガイド層94とを形成する。次に、Ga0.8In0.2Nからなる井戸層(厚さ約3nm)とGaNからなるバリア層(厚さ6nm)とによって構成された多重量子井戸(MQW)を活性層95として形成する。次に、p形GaNからなる光ガイド層96とp形Al0.07Ga0.93Nからなるクラッド層97と、p形GaNからなるコンタクト層98とを形成する。これらの層は公知の方法で形成できる。半導体レーザ90はダブルへテロ接合型の半導体レーザであり、MQW活性層におけるインジウムを含む井戸層のエネルギーギャップが、アルミニウムを含むn形およびp形クラッド層のエネルギーギャップよりも小さい。一方、光の屈折率は、活性層95の井戸層が最も大きく、以下、光ガイド層、クラッド層の順に小さくなる。
コンタクト層98の上部には、幅が2μm程度の電流注入領域を構成する絶縁膜99が形成されている。p形のクラッド層97の上部およびp形のコンタクト層98には、電流狭窄部となるリッジ部が形成されている。
p形のコンタクト層98の上側には、コンタクト層98とオーミック接触するp側電極100が形成されている。n形のコンタクト層92の上側には、コンタクト層92とオーミック接触するn側電極101が形成されている。
前記方法で製造された半導体レーザのデバイス評価を行った。得られた半導体レーザに対して、p側電極とn側電極との間に順方向の所定の電圧を印加すると、MQW活性層にp側電極から正孔、n側電極から電子が注入され、MQW活性層において再結合し光学利得を生じて、発振波長404nmでレーザ発振を起こした。
なお、本実施形態では、GaN単結晶基板について説明したが、基板上に作製する光デバイスの使用波長に対して吸収の少ない基板を供給することが望ましい。そのため、紫外線領域の半導体レーザや発光ダイオード用基板としては、Alが多く含まれ短波長域の光吸収が少ないAlxGa1-xN(0≦x≦1)単結晶を形成することが好ましい。本発明では、Gaの一部を他のIII族元素に置き換えることによって、このようなIII族窒化物半導体単結晶を形成することも可能である。
(実施形態5)
さらに、本発明の半導体基板を用いて電界効果トランジスタを作製する一例について説明する。電界効果トランジスタ110の構造を図9に模式的に示す。基板には、フラックスを用いた液相成長によって得られるノンドープのGaN基板111を用いる。液相成長によって得られるGaN基板111は、電気抵抗が、例えば、1010Ω以上で絶縁体に近い特性を示す。このGaN基板111上に、MOCVD法によってGaN層112とAlGaN層113とを形成する。さらに、この上にソース電極114、ショットキーゲート電極115およびドレイン電極116を形成する。ショットキーゲート電極115へ電圧を印加することによって、GaN層112とAlGaN層113との界面に形成される2次元電子ガス濃度117を制御し、トランジスタとしての動作を行わせる。
本発明の方法によって形成されるGaN基板は、欠陥が少なく、また転位密度が小さい。そのため、絶縁性も高く、トランジスタ動作時のリーク電流を低減することができ、高周波特性の優れた電界効果トランジスタを実現できる。
以下の実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例ではGaN結晶の作製について説明するが、AlxGa1-xNやAlNといった組成式AlxGayIn1-x-yN(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表されるIII族窒化物結晶も同様の方法によって形成できる。
実施例1は、前記実施形態1の第2の例で説明した方法により、III族窒化物結晶を製造した例である。
この実施例で形成されたIII族窒化物結晶の構成は、図2に示すとおり、サファイア(結晶性Al23)からなるサファイア基板21上に、GaNを含む半導体層22と、LPE−GaN層23とが形成されている。ここで、半導体層22は、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし、0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)を満たすIII族窒化物で形成される。本実施例の特徴は、半導体層22の表面に結晶核発生領域22aが形成されていることである。
図2を用いて、本実施例で使用したIII族窒化物結晶の製造方法について説明する。まず、図2(a)のように、サファイア基板21上に、GaNを含む半導体層22を形成した。具体的には、サファイア基板21の温度を約1020℃〜1100℃になるように加熱したのち、トリメチルガリウム(TMG)とNH3とを基板21上に供給することによって、半導体層22を形成した。
次に、図2(b)に示すように、フォトリソグラフィーによって、半導体層22の表面上にストライプ状のレジストパターン24を形成した。
そして、図2(c)に示すように、CF4ガスを用いたドライエッチングによって、半導体層22の表面を処理して、半導体層22の表面のうち、レジストパターン24が形成されていない部分に結晶核発生領域22aを形成した。ドライエッチングは、平行平板型の反応性ドライエッチング(RIE)装置を用い、80Wで30分間エッチングを行った。ドライエッチングによって、半導体層22の表面には多数のピットが形成され、このピットが結晶核発生領域となるのである。なお、結晶核発生領域の形状は、ストライプ状に限らず、用途に応じて、ドット状の結晶核発生領域を形成してもよい。また、半導体層22の全面に結晶核発生領域を形成してもよい。
レジストパターン24を除去し、窒素雰囲気下(好ましくは100atm(100×1.013×105Pa)以下の加圧雰囲気下)において、ガリウムとNaと窒素とを含む融液に、結晶核発生領域22aが形成された半導体層22の表面を接触させ、融液を過飽和状態で維持することによって、半導体22上にLPE−GaN層23を成長させた。
なお、結晶核発生領域は、ドライエッチング以外の方法で形成してもよい。結晶核発生領域を形成する他の方法の例を以下に示す。
ウェットエッチングによって結晶核発生領域を形成する方法を図4に示す。図4(a)および図4(b)の工程は、図2(a)および図2(b)の工程と同じであるため、重複する説明は省略する。次に、半導体層22上にレジストパターン24が形成されたサファイア基板21を、図4(c)に示すように、200℃の熱燐酸溶液中に30分間浸漬し、半導体層22の表面を処理する。MOCVD法などによって形成される半導体層は転位や欠陥を有しているため、この処理によって、レジストパターン24が形成されていない部分には多数のピットが形成され、その部分が結晶核発生領域22aとなる。その後は、レジストパターン24を除去したのち、LPE−GaN層23を成長させる。
次に、本発明の方法で用いる揺動型LPE装置の一例を図3に示す。この揺動型LPE装置300は、ステンレス製の育成炉301を備え、50atm(50×1.013×105Pa)の気圧に耐えられるようになっている。育成炉301には、加熱用のヒータ302および熱電対303が配置されている。坩堝固定台304は育成炉301内に配置されており、これには、回転軸305を中心に矢印310の方向に回転する機構が取り付けられている。坩堝固定台304内には、窒化ホウ素(BN)またはアルミナ(Al23)からなる坩堝306が固定されている。坩堝306内には、融液307および種結晶308が配置される。坩堝固定台304が回転することにより、坩堝306内の融液が左右に移動し、これにより、融液を攪拌することができる。雰囲気圧力は、流量調整器309によって調整される。原料ガスである窒素ガス、またはアンモニアガス(NH3ガス)と窒素ガスとの混合ガスは、原料ガスタンクから供給され、ガス精製部によって不純物が除去されたのちに育成炉内に送られる。この装置を用いたGaN結晶の育成は、例えば、つぎのようにして実施される。
(1)まず、GaとフラックスであるNaとを、所定の量だけ秤量し、坩堝内にセットした。Gaには、純度が99.9999%(シックスナイン)以上のものを使用した。またNaは、精製したNaを用いた。He(N2やArでもよい)置換したグローブボックス内でNaを加熱して融解し、表面層に現れる酸化物などを除去することによってNaの精製を行った。なお、ゾーンリファイニング法によってNaを精製してもよい。ゾーンリファイニング法では、チューブ内でNaの融解と固化とを繰り返すことによって、不純物を析出させ、それを除去することによってNaの純度を上げることができる。
(2)次に、坩堝内の原材料を融解するため、電気炉内の温度を800℃まで上昇させた。この段階では、図示するように、種結晶基板は融液中には存在しない。GaおよびNaをかき混ぜるため、種結晶基板上に融液が付着しない程度に、坩堝を揺動させた。GaNの酸化を防止するため、雰囲気ガスとしては窒素ガスを用いた。
(3)次に、回転軸を中心に坩堝を回転させ種結晶基板を融液中に入れ、結晶育成を開始した。
(4)結晶育成中は、融液を攪拌させるため、1分間に1周期のスピードで坩堝を揺動させた。ただし、育成中は種結晶基板は融液中に存在させた。坩堝を800℃に保持し、圧力を40atm(40×1.013×105Pa)に保持し、10時間〜48時間LPE成長を行った。
(5)育成終了後は、図示するように坩堝を回転させ、融液中から基板を取り出し、融液温度を降下させた。
前記方法でGaN結晶を成長させたところ、結晶核発生領域から結晶成長が開始され、ラテラル(横方向)成長によって、良好なGaN単結晶を育成できた。
本実施例では、Naのみのフラックスを用いたが、Li、Na、KフラックスやCa、Sr、Baフラックス、またはアルカリ金属とアルカリ土類金属との混合フラックスを用いても、同様の効果が得られる。例えば、NaとCaとの混合フラックスでは、Caを10%程度混入することで、より低圧での結晶育成が可能となる。
実施例2は、前記実施形態1の第1の例で説明した方法により、III族窒化物結晶を製造した一例である。
まず、図5(a)に示すように、サファイア基板21上に、GaNからなる下地層51を形成した。下地層51は、サファイア基板21の温度を約1020℃〜1100℃になるように加熱したのち、トリメチルガリウム(TMG)とNH3とを基板上に供給することによって形成した。次に、下地層51が形成されたサファイア基板21を成長装置から取り出し、大気中に曝露した。そして、基板を装置に再びセットし、サファイア基板21の温度を約1020℃〜1100℃になるように加熱したのち、トリメチルガリウム(TMG)とNH3とを基板上に供給することによって、GaNを含む半導体層52を形成した。このとき、下地層51の表面は大気曝露されているため、下地層51から結晶成長した半導体層52の表面にはピットやヒロックなどが形成され、これらが形成されている部分が結晶核発生領域52aとなる。
前記方法で半導体層52を作製し、さらにそれを用いてLPE法で結晶成長を行った。得られた結晶を評価したところ、結晶核発生領域から結晶成長が開始されており、ラテラル(横方向)成長により、良好な単結晶が育成できた。
実施例3は、機械加工によって、結晶核発生領域を形成する方法により、III族窒化物結晶を製造した一例である。
まず、図6(a)に示すように、サファイア基板21上に、半導体層22を形成した。図6(a)の工程は、図2(a)の工程と同じである。次に、スクライバーによって、半導体層22の表面に、500μmピッチで深さ10μmの溝を碁盤の目状に形成した。図6(b)に示すように、この溝の部分(スクライブ跡)が結晶核発生領域22aとなる。スクライバーの針にはダイヤモンドを用いた。なお、溝は、ダイシング装置を用いて形成してもよい。
また、高速にGaN半導体層を形成することによって、結晶核発生領域を形成させた。高速に成長させる方法としては、MOCVD法よりも、HVPE法が適している。図7(a)に、MOCVD法によって形成されたGaN半導体層のフォトルミネッセンス(PL)発光のスペクトラムを示し、図7(b)に、HVPE法によって高速成長させたGaN半導体層のPL発光のスペクトラムを示す。PL発光は、0.5mWの325nmHe−Cdレーザによって励起し、PL発光強度を分光器により測定した。HVPE法で作製したGaN層では、420nm帯のブルーバンドのPL発光強度が大きいことがわかる。要因としては、窒素欠陥が考えられる。窒素欠陥が多くある基板では、結晶核発生領域が多く存在し、LPE法による結晶成長を容易に実現できた。この方法でLPE結晶成長を行い、得られた結晶を評価したところ、結晶核発生領域から結晶成長が開始されており、ラテラル(横方向)成長により、良好な単結晶を育成できた。
この実施例は、X線回折ツイスト角が680秒以下の結晶核発生領域を備えた半導体層上に、III族窒化物結晶を形成させた一例である。
(実施例4−1〜4−6)
ツイスト角が、60秒(実施例4−1)、120秒(実施例4−2)、312秒(実施例4−3)、355秒(実施例4−4)、412秒(実施例4−5)、680秒(実施例4−6)である結晶核発生領域を備えた半導体層を用い、850℃、35atm(35×1.013×105Pa)〜40atm(40×1.013×105Pa)の条件下で、反応ガスとして窒素ガスを使用し、96時間〜200時間、前記半導体層上に窒化ガリウム結晶を成長させた。
(比較例1〜2)
比較例1から2として、ツイスト角が、752秒(実施例4−1)、882秒(実施例4−2)である結晶核発生領域を備えた半導体層を用い、前記実施例4−1と同様にして、窒化ガリウム結晶を成長させた。
なお、実施例4−1および4−2で使用した半導体層は、HVPEまたはLPEで作製した厚膜結晶を使用し、そのチルト角(X線(0002)回折のロッキングカーブの半値幅)は、50秒〜150秒程度であった。また、実施例4−3〜4−6および比較例1から2で使用した半導体層は、チルト角が150秒〜300秒程度であった。キャリア濃度は、1×1016〜5×1016(cm-3)であった。
実施例4−1〜4−6および比較例1〜2の窒化ガリウム結晶の育成結果(平均膜厚、品質)を、使用した結晶核発生領域のツイスト角と合わせて下記表1に示す。なお、得られた窒化ガリウム結晶の厚みが、100μm〜1500μmであれば厚膜と、5μm〜99μmであれば薄膜とした。また、着色とは、結晶が黒色または茶褐色であったことを意味する。
(表1)
ツイスト角(秒) 結晶の色 厚み 備考
実施例4−1 60 透明 厚膜
実施例4−2 120 透明 厚膜
実施例4−3 312 透明 厚膜
実施例4−4 355 透明 厚膜
実施例4−5 412 透明 厚膜
実施例4−6 680 ほぼ透明 厚膜
比較例1 752 着色 薄膜 再現性低下
比較例2 880 着色 薄膜 再現性低下
前記表1に示すように、結晶核発生領域のツイスト角が680秒以下である実施例4−1〜4−6では、透明で、厚膜の窒化ガリウム結晶が得られた。また、比較例1および2では、同一条件で成長させたにも関わらず、結晶核発生領域のツイスト角が680秒を超えるため、得られた結晶は、茶褐色から黒色に着色し、薄膜である場合がしばしば観察された。これらの結果より、核発生層のツイスト角が680秒以下の場合、より一層高品質で、厚膜の窒化ガリウム結晶がえられることがわかった。
この実施例は、キャリア濃度が1×1017cm-3以下の結晶核発生領域を備えた半導体層上に、III族窒化物結晶を形成させた一例である。
(実施例5−1〜5−5)
キャリア濃度が、1×1016cm-3(実施例5−1)、3×1016cm-3(実施例5−2)、5×1016cm-3(実施例5−3)、8×1016cm-3(実施例5−4)、1×1017cm-3(実施例5−5)である結晶核発生領域を備えた半導体層を用い、850℃、35atm(35×1.013×105Pa)〜40atm(40×1.013×105Pa)の条件下で、反応ガスとして窒素ガスを使用し、96時間〜200時間、前記半導体層上に窒化ガリウム結晶を成長させた。なお、本実施例では、例えば、成長速度や成長温度、ならびに条件の異なる石英反応管を使用することでキャリア濃度の制御を行った。前記条件の異なる石英反応管としては、例えば、交換直後の石英反応管や、十分に枯れた石英反応管等を使用した。
(比較例3〜4)
比較例3および4として、キャリア濃度が、3×1017cm-3(比較例3)、5×1017cm-3(比較例4)である結晶核発生領域を備えた半導体層を用い、前記実施例5−1と同様にして、窒化ガリウム結晶を成長させた。なお、実施例5−1〜5−5および比較例3〜4で使用した結晶核発生領域のツイスト角は、約500秒前後、チルト角は200秒〜300秒であった。
実施例5−1〜5−5および比較例3〜4の窒化ガリウム結晶の育成結果(平均膜厚、品質)を、使用した結晶核発生領域のキャリア濃度と合わせて下記表2に示す。なお、得られた窒化ガリウム結晶の厚みが、100μm〜1500μmであれば厚膜と、5μm〜99μmであれば薄膜とした。また、着色とは、結晶が黒色または茶褐色であったことを意味する。
(表2)
キャリア濃度 結晶の色 厚み 備考
(cm -3
実施例5−1 1×1016 透明 厚膜
実施例5−2 3×1016 透明 厚膜
実施例5−3 5×1016 透明 厚膜
実施例5−4 8×1016 透明 厚膜
実施例5−5 1×1017 ほぼ透明 厚膜
比較例3 3×1017 着色 厚膜 再現性低下
比較例4 5×1017 着色 薄膜 再現性低下
前記表2に示すように、結晶核発生領域のキャリア濃度が1×1017cm-3以下である実施例5−1〜5−5では、透明で、厚膜の窒化ガリウム結晶が得られた。また、比較例5−1および5−2では、同一条件で成長させたにも関わらず、結晶核発生領域のキャリア濃度が1×1017cm-3を超えるため、得られた結晶は、茶褐色から黒色に着色し、薄膜である場合がしばしば観察された。これらの結果より、核発生層のキャリア濃度が1×1017cm-3以下の場合、より一層高品質で、厚膜の窒化ガリウム結晶がえられることがわかった。
比較例のように結晶が着色すると、例えば発光素子の基板として用いた場合、光の吸収層となり、光を吸収するので発熱や出力特性の劣化の原因となる。また、成長できる膜厚の低下は、結晶の生産性を低下させる。
なお、キャリア濃度の違いにより成長させる結晶の膜厚等が異なるのは、以下のような理由が考えられる。キャリア濃度が高い半導体層は、表面の不純物濃度が高いと考えられる。そのため、C軸に垂直な方向への成長(横方向成長)を妨げる原因となるピンニングが発生する結果、横方向への成長が妨げられる。この結果、同一条件下で成長させた場合でも、結晶の不純物量の取り込み量が大きくなり、結晶の着色や、成長速度の低下が生じると考えられる。
以上のように、本発明によれば、高品位であり、製造効率も高く、しかも半導体製造プロセスの基板として有用で、半導体基板として使用可能なIII族窒化物結晶の製造方法が提供できる。これによって、半導体基板や、それを用いた半導体装置が提供できる。
図1(a)〜(c)は、本発明の製造方法の一例を示す工程断面図である。 図2(a)〜(d)は、本発明の製造方法のその他の例を示す工程断面図である。 図3は、本発明の製造方法に用いられる製造装置の一例の構成を示す模式図である。 図4(a)〜(d)は、本発明の製造方法のさらにその他の例を示す工程断面図である。 図5(a)〜(c)は、本発明の製造方法のさらにその他の例を示す工程断面図である。 図6(a)〜(b)は、本発明の製造方法のさらにその他の例を示す工程断面図である。 図7(a)は、本発明の実施例3におけるMOCVD法によって形成されたGaN半導体層のPL発光のスペクトラムであり、図7(b)は、本発明の実施例3におけるHVPE法によって高速成長させたGaN半導体層のPL発光のスペクトラムである。 図8は、本発明の半導体素子の一例を示す模式断面図である。 図9は、本発明の半導体素子のその他の一例を示す模式断面図である。
符号の説明
11 基板
12、22、52 半導体層
12a、22a、52a 結晶核発生領域
13 III族窒化物結晶
21 サファイア基板
23 LPE−GaN層
24 レジストパターン
51 下地層

Claims (9)

  1. (i)組成式AluGavIn1-u-vN(ただし0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)で表される半導体からなり、表面に結晶核発生領域を備える半導体層を形成する工程と、
    (ii)窒素を含む雰囲気中において、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群から選択される少なくとも1つのIII族元素と、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の少なくとも一方と、窒素とを含む融液に前記半導体層の前記結晶核発生領域を接触させることによって、前記半導体層上にIII族窒化物結晶を成長させる工程とを含むIII族窒化物結晶の製造方法であって、
    前記(i)の工程が、
    (i−a)組成式AluGavIn1-u-vN(ただし0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)で表される半導体で形成される半導体層を形成する工程と、
    (i−b)前記半導体層の表面をエッチング又は機械加工により粗面化することによって前記結晶核発生領域を形成する工程とを含む、製造方法。
  2. 前記結晶核発生領域のツイスト角が、680秒以下である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記結晶核発生領域のキャリア濃度が、1×1017cm-3以下である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記(i−a)の工程において、前記半導体層の表面が(0001)面となるように前記半導体層を形成し、
    前記(i−b)の工程において、表面が(0001)面に対して傾斜した面となるように前記半導体層の表面を研磨する請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記III族元素がガリウムであり、前記III族窒化物結晶が窒化ガリウムである請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記雰囲気が、加圧雰囲気である請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記半導体層が、基板上に形成されている請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記基板が、表面が(111)面であるGaAs基板、表面が(111)面であるSi基板、表面が(0001)面であるサファイア基板、または表面が(0001)面であるSiC基板のいずれかである請求項に記載の製造方法。
  9. III族窒化物結晶を含む半導体基板の製造方法であって、請求項1からのいずれかに記載の製造方法によりIII族窒化物結晶を成長させる工程を含む製造方法。
JP2004187983A 2003-07-02 2004-06-25 Iii族窒化物結晶の製造方法、および半導体基板の製造方法 Expired - Fee Related JP4554287B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004187983A JP4554287B2 (ja) 2003-07-02 2004-06-25 Iii族窒化物結晶の製造方法、および半導体基板の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003190554 2003-07-02
JP2004187983A JP4554287B2 (ja) 2003-07-02 2004-06-25 Iii族窒化物結晶の製造方法、および半導体基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005039248A JP2005039248A (ja) 2005-02-10
JP4554287B2 true JP4554287B2 (ja) 2010-09-29

Family

ID=34220591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004187983A Expired - Fee Related JP4554287B2 (ja) 2003-07-02 2004-06-25 Iii族窒化物結晶の製造方法、および半導体基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4554287B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007151807A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Univ Meijo 半導体発光素子による光線治療方法、及び半導体発光素子による光線治療システム
JP5400266B2 (ja) 2006-04-17 2014-01-29 パナソニック株式会社 電界効果トランジスタ
JP2009123718A (ja) * 2007-01-16 2009-06-04 Showa Denko Kk Iii族窒化物化合物半導体素子及びその製造方法、iii族窒化物化合物半導体発光素子及びその製造方法、並びにランプ
JP4965465B2 (ja) * 2008-01-07 2012-07-04 日本碍子株式会社 窒化物単結晶の製造方法
CN102282299B (zh) 2009-01-21 2014-07-02 日本碍子株式会社 13族氮化物晶板
JP6143148B2 (ja) * 2012-02-26 2017-06-07 国立大学法人大阪大学 Iii族窒化物結晶の製造方法および半導体装置の製造方法
JP6037278B2 (ja) * 2012-12-20 2016-12-07 国立大学法人信州大学 結晶膜形成体の製造方法
JP7041461B2 (ja) * 2016-10-27 2022-03-24 株式会社サイオクス 半絶縁性結晶、n型半導体結晶およびp型半導体結晶
JP6549768B1 (ja) 2018-07-30 2019-07-24 株式会社サイオクス GaN結晶
CN110777433B (zh) 2018-07-30 2023-09-29 住友化学株式会社 氮化物晶体

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004224600A (ja) * 2003-01-20 2004-08-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii族窒化物基板の製造方法および半導体装置
JP2004244307A (ja) * 2003-01-20 2004-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii族窒化物基板の製造方法および半導体装置
JP2004247711A (ja) * 2003-01-20 2004-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii族窒化物基板の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004224600A (ja) * 2003-01-20 2004-08-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii族窒化物基板の製造方法および半導体装置
JP2004244307A (ja) * 2003-01-20 2004-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii族窒化物基板の製造方法および半導体装置
JP2004247711A (ja) * 2003-01-20 2004-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii族窒化物基板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005039248A (ja) 2005-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4588340B2 (ja) Iii族窒化物基板の製造方法
US7227172B2 (en) Group-III-element nitride crystal semiconductor device
JP4422473B2 (ja) Iii族窒化物基板の製造方法
JP5026271B2 (ja) 六方晶系窒化物単結晶の製造方法、六方晶系窒化物半導体結晶及び六方晶系窒化物単結晶ウエハの製造方法
US7176115B2 (en) Method of manufacturing Group III nitride substrate and semiconductor device
US7221037B2 (en) Method of manufacturing group III nitride substrate and semiconductor device
US7125801B2 (en) Method of manufacturing Group III nitride crystal substrate, etchant used in the method, Group III nitride crystal substrate, and semiconductor device including the same
US7309534B2 (en) Group III nitride crystals usable as group III nitride substrate, method of manufacturing the same, and semiconductor device including the same
US6852161B2 (en) Method of fabricating group-iii nitride semiconductor crystal, method of fabricating gallium nitride-based compound semiconductor, gallium nitride-based compound semiconductor, gallium nitride-based compound semiconductor light-emitting device, and light source using the semiconductor light-emitting device
JP4783483B2 (ja) 半導体基板および半導体基板の形成方法
US7255742B2 (en) Method of manufacturing Group III nitride crystals, method of manufacturing semiconductor substrate, Group III nitride crystals, semiconductor substrate, and electronic device
US20040147096A1 (en) Method of manufacturing Group III nitride substrate
JP4597534B2 (ja) Iii族窒化物基板の製造方法
JP4397695B2 (ja) Iii族窒化物基板の製造方法
JP2004224600A (ja) Iii族窒化物基板の製造方法および半導体装置
JP4981602B2 (ja) 窒化ガリウム基板の製造方法
JP2000082676A (ja) 窒化物系化合物半導体の結晶成長方法、発光素子およびその製造方法
JP4618836B2 (ja) 窒化物系化合物半導体基板およびその製造方法
JP4920875B2 (ja) Iii族窒化物結晶の製造方法、およびiii族窒化物基板の製造方法
JP4486435B2 (ja) Iii族窒化物結晶基板の製造方法、それに用いるエッチング液
JP4554287B2 (ja) Iii族窒化物結晶の製造方法、および半導体基板の製造方法
JP2004300024A (ja) Iii族元素窒化物結晶の製造方法、それにより得られたiii族元素窒化物結晶およびそれを用いた半導体装置
JP4824920B2 (ja) Iii族元素窒化物結晶半導体デバイス
JP2005119893A (ja) 無機組成物およびその製造方法並びにそれを用いたiii族元素窒化物の製造方法。
JPH05190900A (ja) 半導体発光装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100520

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100604

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100622

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100714

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4554287

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees