JP4965465B2 - 窒化物単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物単結晶の製造方法に関するものである。
窒化ガリウム系III−V窒化物は、優れた青色発光素子として注目を集めており、発光ダイオードや半導体レーザーダイオード用材料として実用化されている。フラックスを用いたIII族窒化物単結晶の育成方法が、各機関より報告されている。
Naフラックスを用いた窒化物単結晶育成法においては、窒素は気液界面から供給されるため、気液界面近傍の原料溶液の窒素濃度が溶液の中で最も高い。この溶液に溶け込んだ窒素を種結晶基板まで輸送し、種結晶基板上に単結晶を析出させる。単結晶の成長速度は、気液界面での窒素の溶け込み速度に律束される。
特に、特許文献1では、種結晶基板を縦に配置している。しかし、このような場合、種結晶基板を坩堝底に横に配置する場合よりも、溶液の高さを高くする必要がある。すなわち、同じ気液界面面積に対して溶液原料の量が増える。このため、溶液に溶け込んだ窒素の濃度が飽和に達して単結晶析出が開始するまで長時間を要し、単結晶の生産性が低下する。
WO 2007/122865 A1
気液界面での溶液への窒素の溶け込み速度を上げるには、以下の方法が考えられる。
(1) 雰囲気の窒素圧力を高くする、
(2) 溶液の気液界面面積を増やす、
(3) 気液界面の近くで溶液を良く撹拌する。
しかし、雰囲気の窒素圧力を高くすると、気液界面での窒素濃度が上昇し、自然核発生しやすくなり、このため雑晶が発生しやすくなる。雑晶は、単結晶に付着し、単結晶から容易に剥離しない。
特許文献2では、ルツボ(混合溶液保持容器)の断面積が下方に向かうに伴って小さくなるような形状を開示している。ルツボをこのような形状にすることで、原料の溶液をそれほど増やさずに、気液界面面積を増加することが出来る。
特開2002−128587
特許文献3、4では、溶液および種結晶基板の入ったルツボを回動軸に取り付け、単結晶育成中に揺動させることによって、溶液を撹拌し、気液界面から溶液内部への窒素の溶け込みを促進している。
WO 2007/102610 A1 WO 2004/083498 A1
しかし、特許文献2のルツボ形状では、溶液の対流がスムーズに起こらず、澱みが生じ易い。このため、単結晶の一部の品質が劣化したり、単結晶膜厚にバラツキが生じやすい。
特許文献3、4記載の方法では、単結晶育成途中における溶液の撹拌は促進されるので、単結晶の膜厚や膜厚のバラツキは抑制される。しかし、最初に溶液内に窒素を溶解させるときに、溶液内の窒素濃度が飽和して単結晶の析出が開始するまでに必要な時間は長い。
本発明の課題は、溶液に溶け込んだ窒素が飽和に達するまでの時間を短縮させることによって、単位時間当たりの窒化物単結晶の育成量を増大させると共に、単結晶の品質や膜厚のバラツキも抑制することである。
本発明は、育成容器内でフラックスおよびIII族原料を含む溶液に種結晶基板を浸漬し、窒素含有雰囲気下でこの種結晶基板上に窒化物単結晶を育成する方法であって、
育成容器を第一の姿勢で保持しつつ、溶液への窒素の溶解を促進する窒素溶解工程;および
育成容器を第二の姿勢で保持しつつ、種結晶基板上への前記窒化物単結晶の育成を行う単結晶育成工程
を備えており、第一の姿勢が、育成容器を傾斜させた状態で保持する姿勢であり、前記第一の姿勢第一の姿勢における溶液の気液界面の面積が、第二の姿勢における溶液の気液界面の面積よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、窒素溶解工程における溶液の気液界面積を、単結晶育成工程における溶液の気液界面積よりも大きくする。これによって、当初の溶液気液界面への窒素の溶解を促進し、溶液の窒素濃度の飽和および単結晶の析出開始に必要な時間を短縮できる。その上で、単結晶育成工程においては、溶液気液界面積を相対的に小さくするので、雑晶の発生量を抑制し、雑晶の付着などによる単結晶の品質のバラツキを抑制することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。
フラックス法で窒化物単結晶を育成する際には、III族原料とフラックスの原料を非酸化性雰囲気のグローブボックス内で封入し、図1(a)、(b)に示すように、容器1の内側空間3に非酸化性雰囲気内で封入する。この容器には蓋を設けて良い。図1(a)の例では、育成容器1の底壁1aに種結晶基板4を横置きで設置する。図1(b)の例では、容器1の底壁1a上に、種結晶基板4を縦に設置する。
次いで、例えば図4に模式的に示すように、育成容器1を、密閉可能でかつガス導入が可能な外側容器5に入れ、外側容器5をグローブボックスから取り出し、次いでそのまま結晶育成装置内に設置する。
図4に示す例においては、HIP(熱間等方圧プレス)装置の圧力容器10の中に外側容器5、育成容器1を設置する。圧力容器10の外部には、図示しない混合ガスボンベを設ける。混合ガスボンベ内には、所定組成の混合ガスが充填されており、この混合ガスを圧縮機によって圧縮して所定圧力とし、供給管9を通して圧力容器10内に矢印D、Eのように供給する。圧力容器10の雰囲気中の窒素は窒素源となり、アルゴンガス等の不活性ガスはフラックスの蒸発を抑制する。この圧力は、図示しない圧力計によって監視する。外側容器5の周囲にはヒーター8A、8B、8Cが設置されており、育成容器1内の育成温度を制御可能となっている。
圧力容器10内で育成容器1を加熱および加圧すると、容器1内で原料がすべて溶解し、溶液2を生成する。ここで、所定の単結晶育成条件を保持すれば、育成容器内の空間3から窒素が溶液2中に安定して供給され、種結晶基板4上に単結晶膜が成長する。
ここで、図1(a)のように、種結晶基板4を横にして単結晶を育成した場合には、溶液の高さhは比較的小さくできる。これによって、溶解した窒素の種基板への輸送を促進でき、また、気液界面面積に対する溶液量の割合が小さいため、溶け込んだ窒素が飽和に達するのを促進できる。しかし、育成時に溶液の高さhを小さくし過ぎると、溶液が淀みやすくなる。このため、気液界面2aの近くで雑晶が発生しやすく、単結晶に不良が生じやすい。
図1(b)のように、種結晶基板4を縦にして単結晶を育成した場合には、多数枚の種結晶基板4に同時に単結晶を育成できる。しかし、溶液2の高さHは大きくなるので、気液界面面積に対する溶液量の割合が大きくなり、溶け込んだ窒素が飽和に達するには、時間がかかる。このため、単結晶の成長開始までに時間がかかる。
ここで、例えば図4に示すように、回動軸6を外側容器5に取り付け、モーターによって回動軸6を回動可能な状態とする。これによって、外側容器5および育成容器1を、図4において矢印Gのように紙面方向に向かって回動可能とする。
まず、最初の窒素溶解工程では、所定の温度および窒素圧力を保持すると、一定の濃度の窒素が溶液中に溶解する。この濃度は、溶液組成や、添加物によって増減することが可能である。また、高温ほど溶解度が高くなるため、溶液中に溶解可能な窒素の飽和濃度が高くなる。一般に、加熱直後の溶液は、まだ窒素が十分に溶け込んでいないため、未飽和状態である。しかし、時間の経過と共に溶液中に窒素が溶け込み、溶液中の窒素濃度が増加していく。この結果、やがて窒素濃度は飽和濃度に達し、溶液は窒素過飽和状態となり、雑晶の析出が始まる。従って、窒素溶解工程時では、溶液が過度に過飽和状態とならない程度に、保持時間を管理する。
ここで、本発明においては、育成容器を第一の姿勢で保持しつつ、溶液への窒素の溶解を促進する。ここで、溶液の気液界面の面積は相対的に大きくする。
溶液気液界面の面積を相対的に大きくするには、育成容器を傾斜させた状態で保持する。例えば、図2(a)の例では、育成容器1を、水平面に対して角度θだけ傾斜させた状態(第一の姿勢)で保持する。この状態で溶液内に窒素を溶解させ、過飽和状態とする。この姿勢では、単結晶の析出は始まらないようにすることが好ましい。
次いで、育成容器1の傾斜角度θを0とし(第二の姿勢)、図2(b)の状態とする。この状態で単結晶の育成を行う。第二の姿勢(図2(b))における溶液2の気液界面2aの面積をAとすると、第一の姿勢(図2(a))における溶液2の気液界面2aの面積Bは(A/cosθ)となる。従って、窒素溶解工程において育成容器1を傾斜させることによって、溶液2への窒素の時間当たりの溶解量は増大し、単結晶の析出が開始するまでの時間を短縮できる。
また、図3(a)の例では、育成容器1Aを横倒しにし(第一の姿勢)、保持する。この状態で溶液内に窒素を溶解させ、過飽和状態とする。この姿勢では、単結晶の析出は始まらないようにすることが好ましい。
次いで、育成容器1を縦に置き(第二の姿勢)、図3(b)の状態とする。この状態で単結晶の育成を行う。第二の姿勢(図3(b))における溶液2の気液界面2aの面積はAであり、第一の姿勢(図3(a))における溶液2の気液界面2aの面積はBである。この容器を細長くすることによって、AとBとの比率を容易に設定することができる。そして、BをAよりも大きくすることによって、溶液2への窒素の時間当たりの溶解量は増大し、単結晶の析出が開始するまでの時間を短縮できる。
窒素溶解工程後に単結晶の育成を行う。単結晶育成工程における窒素圧力P2および温度T2は、窒素溶解工程における窒素圧力P1および温度T1と同じであってよい。あるいは、単結晶育成工程における窒素圧力P2を窒素溶解工程における窒素圧力P1よりも高くすることによって、単結晶の析出を促進できる。あるいは、単結晶育成工程における温度T2を窒素溶解工程における温度T1よりも低くすることによって、飽和溶解度を下げ、単結晶の析出を促進できる。
窒素溶解工程においては、フラックスおよびIII族原料を含む溶液に、より多くの窒素を溶け込ませる必要がある。従って、温度T1、圧力P1は、窒素未飽和となるように設定する。
窒素溶解工程での保持時間が短すぎると、溶液への窒素溶け込み量が少なく、単結晶の生産性を向上させることが難しくなる。一方、この上限は特にない。しかし、窒素溶解工程なしでも、育成工程の開始から数十から100時間で単結晶成長が始まる傾向がある。
T1の具体的数値は、フラックスおよび単結晶の組成比率によって変化するので、適宜選択する。例えば、Naフラックスを用い、GaN単結晶を育成する場合は850−1000℃が好ましい。Sn−Mgフラックスを用い、AlN単結晶を育成する場合は1200−1500℃が好ましい。また、P1の具体的数値は、温度やフラックスおよび単結晶の組成比率、添加物などによって変化するので、適宜選択する。
T1とT2との差は限定されず、0℃であってよい。あるいは、窒化物単結晶の析出を促進するという観点からは、10℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがさらに好ましい。また、この差が大きすぎると、結晶品質が低下する傾向があるので、この観点からは、100℃以下が好ましい。
第一の姿勢と第二の姿勢との間で育成容器を傾斜させる場合には、傾斜角度θは、溶液気液界面積の差を大きくして窒素の溶解を促進するという観点からは、30°以上が好ましく、40°以上が更に好ましい。θの上限は特になく、直角であってよい。
第一の姿勢における溶液気液界面の面積Bと、第二の姿勢における溶液気液界面の面積Aとの比率B/Aは、溶液への窒素の溶解を促進するという観点からは、1.1以上が好ましく、1.2以上が更に好ましい。しかし、Aが相対的に小さくなり過ぎると、結晶育成工程で雑晶が発生しやすくなる。この観点からは、B/Aは、2以下が好ましく、1.8以下が更に好ましい。
育成容器の形状は特に限定されない。育成容器の内部空間3の平面的形態は、円であってよく、正三角形、正方形、長方形、正六角形などの多角形であってよい。
本発明の単結晶育成装置において、原料混合物を加熱して溶液を生成させるための装置は特に限定されない。この装置は熱間等方圧プレス装置が好ましいが、それ以外の雰囲気加圧型加熱炉であってもよい。
溶液を生成するためのフラックスは特に限定されないが、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選ばれた一種以上の金属またはその合金が好ましい。この金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが例示でき、リチウム、ナトリウム、カルシウムが特に好ましく、ナトリウムが最も好ましい。
反応を行なうための育成容器の材質は特に限定されず、目的とする加熱および加圧条件において耐久性のある材料であればよい。こうした材料としては、金属タンタル、タングステン、モリブデンなどの高融点金属、アルミナ、サファイア、イットリアなどの酸化物、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ホウ素などの窒化物セラミックス、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドなどの高融点金属の炭化物、p−BN(パイロリティックBN)、p−Gr(パイロリティックグラファイト)などの熱分解生成体が挙げられる。
ヒーターの材質は特に限定されないが、鉄- クロム- アルミ系、ニッケル- クロム系などの合金発熱体、白金、モリブデン、タンタル、タングステンなどの高融点金属発熱体、炭化珪素、モリブデンシリサイト、カーボンなどの非金属発熱体を例示できる。
本発明を利用し、少なくともナトリウム金属を含むフラックスを使用して窒化ガリウム単結晶を育成できる。このフラックスには、ガリウム原料物質を溶解させる。ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
このフラックスには、ナトリウム以外の金属、例えばリチウムを含有させることができる。また、炭素を含有させることが出来る。ガリウム原料物質とナトリウムなどのフラックス原料物質との使用割合は、適宜であってよいが、一般的には、ナトリウム過剰量を用いることが考慮される。もちろん、このことは限定的ではない。
雰囲気中の窒素以外のガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。
単結晶をエピタキシャル成長させるための育成用基板の材質は限定されないが、サファイア、AlNテンプレート、GaNテンプレート、シリコン単結晶、SiC単結晶、MgO単結晶、スピネル(MgAl)、LiAlO、LiGaO、LaAlO,LaGaO,NdGaO等のペロブスカイト型複合酸化物を例示できる。また組成式〔A1−y(Sr1−xBa〕〔(Al1−zGa1−u・D〕O(Aは、希土類元素である;Dは、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれた一種以上の元素である;y=0.3〜0.98;x=0〜1;z=0〜1;u=0.15〜0.49;x+z=0.1〜2)の立方晶系のペロブスカイト構造複合酸化物も使用できる。また、SCAM(ScAlMgO)も使用できる。
(実施例1)
育成容器として、図2に示す角型平底ルツボ1を用いた。ルツボの内側寸法は、幅60mm、奥行き60mm、高さ100mmとした。これに、育成原料として、金属Ga 150g、金属Na 220gを入れ、種結晶基板4(直径2インチのGaNテンプレート)を3枚等間隔に配置した。GaNテンプレート基板は、サファイア基板上にGaN単結晶薄膜を5μmエピタキシャル成長させたものである。この作業は露点-85℃、酸素濃度0.1ppmのグローブボックス中で行った。ルツボ内の原料の液高さHは約7cmとなった。
このルツボ1をグローブボックス中で容器の中に配置し、容器5を密閉したのち、グローブボックスから出して、育成炉内に設置した。870℃・4.5MPaまで昇温加圧後、容器5を水平面に対して45°傾けた。このときの気液界面面積Bは、当初の1.41倍に増えている。この傾斜状態での保持時間を72、96、120、150時間と変化させ、結晶成長が開始する時間を求めたところ、70時間で結晶成長が開始することがわかった。
このため、窒素溶解工程を開始してから70時間後にルツボの傾斜を元に戻し、その後100時間保持し、結晶育成工程を実施した。その後室温まで徐冷して、結晶を回収した。2インチの種基板全面に約0.5mmのGaN結晶が成長していた。面内の厚さバラツキは小さく、10%未満であった。また、3枚の平均厚さバラツキも10%程度と小さかった。
Figure 0004965465
(実施例2)
育成容器として、図3に示す角型平底ルツボ1Aを用いた。ルツボ1の内径は、幅60mm、奥行き60mm、高さ120mmとした。これに、育成原料として金属Ga 150g、金属Na 220gを収容し、種結晶基板として、直径2インチのGaNテンプレートを3枚等間隔に配置した。GaNテンプレート基板とは、サファイア基板上にGaN単結晶薄膜を5ミクロンエピタキシャル成長させたものである。この作業は露点-85℃、酸素濃度0.1ppmのグローブボックス中で行った。ルツボ内の原料の液高さHは約7cmとなった。
これをグローブボックス中で内容器の中に配置し、内容器を密閉したのち、グローブボックスから出して、育成炉内に設置した。このとき、ルツボ1Aを水平面に対して45度の角度で設置した。870℃・4.5MPaまで昇温加圧後、育成炉を坩堝の傾きと同じ方向に45度傾けた。このとき、ルツボは図3(a)の様になっている。気液界面面積Bは、Aの2倍に増えており、液高さhはHの半分になっている。この状態での保持時間を48、72、96時間と変化させて、結晶成長が開始する時間を求めたところ、およそ50時間で結晶成長が開始することがわかった。
このため、図3(a)の状態にしてから50時間後に図2(b)の状態に戻し、その後120時間保持し(結晶育成工程)、その後室温まで徐冷して、結晶を回収した。2インチの種基板全面に約0.6mmのGaN結晶が成長していた。
Figure 0004965465
(比較例1)
実施例1と同様に原料を秤量し、ルツボに収容し、結晶を育成した。ただし、図2(a)に示すように、ルツボ1を水平面に対して45°傾斜させたままの状態で170時間保持し、窒素の溶液への溶解と単結晶の析出とを実施した。この結果、得られた結晶の厚さは、気液界面2a近傍が厚く、ルツボ底の方では薄くなっており、面内の厚さバラツキが大きかった。また、配置した3枚の平均厚さもばらついていた。
Figure 0004965465
(比較例2)
実施例2と同様に原料を秤量し、ルツボ1Aに収容し、単結晶を育成した。ただし、ルツボ1Aを、図3(a)のように横倒しにしたままで150時間保持し、窒素の溶解と単結晶育成とを実施した。この結果、3枚の種結晶基板のうち、一番上にあった基板は原料に接触しておらず、成長していなかった。真ん中に配置した1枚は、約1mm成長していたが、3次元成長しており、気液界面は平坦でなく、あちこちにインクルージョンが存在し、結晶品質も良くなかった。一番下にあった基板は約0.5mm成長していたが、同様に気液界面は平坦でなく、あちこちにインクルージョンが存在し、雑晶が取り込まれている部分も存在するなど、結晶品質も良くなかった。
Figure 0004965465
(比較例3)
実施例1と同様に原料を秤量し、ルツボ1に収容し、単結晶を育成した。ただし、ルツボを傾斜させず、図2(b)の状態で170時間保持し、窒素の溶解および単結晶の育成を行った。結晶は約0.35mmしか成長していなかった。面内の厚さバラツキは小さく、10%程度であった。また、3枚の平均厚さバラツキも10%程度と小さかった。各保持時間を72、96、120として成長開始するまでの時間を見積もったところ、約100時間と長いことがわかった。
Figure 0004965465
(a)は、ルツボ1内に種結晶基板4を横置きにして単結晶を育成している状態を模式的に示す断面図であり、(b)は、ルツボ1内に種結晶基板4を縦置きにして単結晶を育成している状態を模式的に示す断面図である。 (a)は、ルツボ1を傾斜させて窒素を溶液2に溶解させている状態を示す断面図であり、(b)は、ルツボ1を水平に静置して単結晶の育成を行っている状態を示す断面図である。 (a)は、ルツボ1Aを横長の状態に保持して窒素を溶液2に溶解させている状態を示す断面図であり、(b)は、ルツボ1Aを縦長の状態に保持して窒素を溶液2に溶解させている状態を示す断面図である。 本発明を実施するための装置の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1、1A ルツボ 2 溶液 2a 溶液の気液界面 3 ルツボ内空間 4 種結晶基板 5 外側容器 6 回動軸 8A、8B、8C ヒーター A 第二の姿勢における溶液気液界面の面積 B 第一の姿勢における溶液気液界面の面積 H 第二の姿勢における溶液の高さ θ 第一の姿勢と第二の姿勢とにおけるルツボの傾斜角度

Claims (1)

  1. 育成容器内でフラックスおよびIII族原料を含む溶液に種結晶基板を浸漬し、窒素含有雰囲気下でこの種結晶基板上に窒化物単結晶を育成する方法であって、
    前記育成容器を第一の姿勢で保持しつつ、前記溶液への窒素の溶解を促進する窒素溶解工程;および
    前記育成容器を第二の姿勢で保持しつつ、前記種結晶基板上への前記窒化物単結晶の育成を行う単結晶育成工程
    を備えており、前記第一の姿勢が、前記育成容器を傾斜させた状態で保持する姿勢であり、前記第一の姿勢における前記溶液の気液界面の面積が、前記第二の姿勢における前記溶液の気液界面の面積よりも大きいことを特徴とする、窒化物単結晶の製造方法。
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