JP2004244307A - Iii族窒化物基板の製造方法および半導体装置 - Google Patents

Iii族窒化物基板の製造方法および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 キャリア面内濃度のばらつきが少なく、結晶の成長速度が速いIII族窒化物基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の製造方法は、(i)基板上に、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし、0≦u≦1、0≦v≦1である)で表される半導体からなり表面に(0001)面が存在する半導体層(シード層12)を形成する工程と、(ii)上記半導体層の(0001)面に対して傾斜した面となるように、上記半導体層の表面を加工する工程と、(iii)窒素を含む雰囲気下において、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムから選ばれる少なくとも1つのIII族元素と溶剤とを含む融液に上記半導体層の表面を接触させることによって、少なくとも1つのIII族元素と窒素とを反応させて上記半導体層上にIII族窒化物結晶(GaN単結晶13)を成長させる工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、III族窒化物基板(III族窒化物結晶を備える基板)およびその製造方法ならびに半導体装置に関する。
窒化ガリウム(GaN)などのIII族窒化物化合物半導体(以下、III族窒化物半導体またはGaN系半導体という場合がある)は、青色や紫外光を発光する半導体素子の材料として注目されている。青色レーザダイオード(LD)は、高密度光ディスクやディスプレイに応用され、また青色発光ダイオード(LED)はディスプレイや照明などに応用される。また、紫外線LDはバイオテクノロジなどへの応用が期待され、紫外線LEDは蛍光灯の紫外線源として期待されている。
LDやLED用のIII族窒化物半導体(たとえばGaN)の基板は、通常、気相エピタキシャル成長によって形成されている。たとえば、サファイア基板上にIII族窒化物結晶をヘテロエピタキシャル成長させた基板などが用いられている。しかしながら、サファイア基板とGaN結晶とは、格子定数に13.8%の差があり、線膨張係数にも25.8%の差がある。このため、気相エピタキシャル成長によって得られるGaN薄膜では結晶性が十分ではない。この方法で得られる結晶の転位密度は、通常、108cm-2〜109cm-2であり、転位密度の減少が重要な課題となっている。この課題を解決するために、転位密度を低減する取り組みが行われており、たとえばELOG(Epitaxial lateral overgrowth)法が開発されている。この方法によれば、転位密度を105cm-2〜106cm-2程度まで下げることができるが、作製工程が複雑である。
一方、気相エピタキシャル成長ではなく、液相で結晶成長を行う方法も検討されてきた。しかしながら、GaNやAlNなどのIII族窒化物単結晶の融点における窒素の平衡蒸気圧は1万気圧以上であるため、従来、GaNを液相で成長させるためには1200℃で8000気圧の条件が必要とされてきた。これに対し、近年、Naフラックスを用いることで、750℃、50気圧という比較的低温低圧でGaNを合成できることが明らかにされた。
最近では、アンモニアを含む窒素ガス雰囲気下においてGaとNaとの混合物を800℃、50気圧で溶融させ、この融液を用いて96時間の育成時間で、最大結晶サイズが1.2mm程度の単結晶が得られている(たとえば特許文献1)。
また、サファイア基板上に有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法によりGaN結晶層を成膜したのち、液相成長(LPE:Liquid phase epitaxy)法によって単結晶を成長させる方法も報告されている。
特開2002−293696号公報
しかしながら、特性が高い半導体装置を低コストで製造するために、従来よりも転位密度が低いIII族窒化物基板を製造する方法や、III族窒化物基板をより低コストで製造する方法が求められている。液相から窒化物結晶を成長する方法は、低欠陥なIII族窒化物基板を実現できる方法であると期待されている。しかし、種結晶の違いにより結晶性が大きく異なったり、窒化物基板面内でのキャリア濃度のばらつきが大きいことがしばしば観測された。さらに成長速度があまり大きくないという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、キャリア濃度の面内のばらつきが少なく、かつそのIII族窒化物結晶の成長速度が速いIII族窒化物基板およびその製造方法の提供を、目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のIII族窒化物基板は、基板と、前記基板上に形成された半導体層と、前記半導体層の上方に形成されたIII族窒化物結晶とを備えるIII族窒化物基板であって、
前記半導体層が、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし、0≦u≦1、0≦v≦1である)で表される半導体からなり、
前記半導体層の表面が、(0001)面のステップが階段状に配置された一方向に傾斜した面であり、
前記傾斜した面と前記(0001)面とのなす角度が、0.05°以上であり、
さらに、前記半導体層上に形成されたIII族窒化物結晶のキャリア濃度の面内ばらつきが、キャリア濃度の平均値の1/5以上5倍以下であるIII族窒化物基板である。なお、この本発明において、III族窒化物とは、特に限定がない限り、組成式AlxGayIn1-x-yN(ただし0≦x≦1、0≦y≦1)で表される半導体を意味する。なお、組成比が負の値になることはないため、0≦1−x−y≦1を満たすことはいうまでもない(他の組成式においても同様である)。
また、本発明の製造方法は、(i)基板上に、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし、0≦u≦1、0≦v≦1である)で表される半導体からなり表面に(0001)面が存在する半導体層を形成する工程と、(ii)前記半導体層の(0001)面に対して傾斜した面となるように、前記半導体層の表面を加工する工程と、(iii)窒素を含む雰囲気下において、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムから選ばれる少なくとも1つのIII族元素と溶剤とを含む融液に前記半導体層の表面を接触させることによって、前記少なくとも1つのIII族元素と窒素とを反応させて前記半導体層上にIII族窒化物結晶を成長させる工程とを含む。
また、本発明の半導体装置は、基板と、前記基板上に形成された半導体素子とを備える半導体装置であって、前記基板が、上記本発明の製造方法によって製造されたIII族窒化物基板である。この半導体素子は、レーザダイオードまたは発光ダイオードであってもよい。
本発明のIII族窒化物基板は、キャリア濃度のばらつきが少なく、またIII族窒化物結晶の成長が速いので、製造効率も良い。
本発明において、キャリア濃度の面内ばらつきは、小さいほど好ましいが、少なくともキャリア濃度の平均値の1/5以上5倍以下である。前記キャリア濃度の面内ばらつきは、例えば、J.Appl.Phys.75(2),15 January 1994,p.1098−1101に記載の以下の方法により測定できる。
(1)まず、キャリア濃度とラマンスペクトルとの関係を求め、回帰式または検量線を作成する。前記回帰式または検量線は、予めホール測定したIII族窒化物基板のキャリア濃度と、そのラマンスペクトルとの関係から作成できる。
(2)つぎに、III族窒化物結晶のキャリア濃度の平均値を求める。具体的には、まず、ラマン測定の励起光のビーム径を、直径10〜100μmに集光し、1mm間隔で10〜50箇所についてラマンスペクトルを測定する。つぎに、前記回帰式または検量線を用いて、測定したラマンスペクトルからIII族窒化物結晶のキャリア濃度を求め、その平均値を算出する。
(3)さらに、III族窒化物結晶の任意の場所のラマンスペクトルを測定し、キャリア密度を求める。前記任意の場所は、前記平均値の算出の際に測定した10〜50箇所のうちの1箇所としてもよい。本発明におけるIII族窒化物結晶においては、前記任意の場所のキャリア濃度は、前記平均値の1/5以上5倍以下である。
前記ラマン測定は、特に制限されないが、例えば、室温で、III族窒化物結晶に、発振波長488nmのアルゴンイオンレーザから発振された偏光を照射することで行うことができる。なお、前記ラマン測定には、例えば、ダブルモノクロメーターや光電倍増管が使用できる。
本発明のIII族窒化物基板において、前記III族窒化物結晶が、液相成長により形成されたものであることが好ましい。液相成長によるものであれば、さらに早くIII族窒化物結晶を成長させることができるからである。
本発明のIII族窒化物基板において、前記傾斜した面と前記(0001)面とのなす角度が、0.05°以上0.5°以下であることが好ましい。前記III族窒化物基板における半導体層の形成は、例えば、気相成長により行われるが、この場合、前記半導体層の膜厚は、例えば、100μm程度となり、このIII族窒化物基板における、前記傾斜した面と前記(0001)面とのなす角度は、例えば、0.5°となる。ただし、気相成長によっても、より厚膜を成長させるような場合には、前記傾斜した面と前記(0001)面とのなす角度を0.5°以上とすることができるのはもちろんである。
本発明のIII族窒化物基板において、III族窒化物結晶の表面と(0001)面とのなす角度が、0.05°以上5°以下であることが好ましい。前記III族窒化物基板における前記III族窒化物結晶の形成は、例えば、液相成長により行われるが、この場合、前記III族窒化物結晶は、例えば、2〜3mm程度まで成長する。このIII族窒化物基板における、III族窒化物結晶の表面と(0001)面とのなす角度は、例えば、5°となる。ただし、3mm以上の結晶を成長させるような場合には、前記III族窒化物結晶の表面と前記(0001)面とのなす角度を5°以上とすることができるのはもちろんである。
本発明において、III族窒化物基板のC軸に垂直な面をC面とすると、前記III族窒化物基板の表面は、前記C面に対して0.05°以上傾斜している。以下、この傾斜を持たせることを、オフカットという場合がある。すなわち、オフカットとは、III族窒化物基板のC軸に垂直な面をC面とすると、その面より0.05°以上ずれた角度に、前記III族窒化物基板の表面を加工することをいう。
本発明のIII族窒化物基板において、前記III族窒化物結晶は、窒化ガリウム結晶であることが好ましい。
本発明の製造方法において、前記少なくとも1つのIII族元素がガリウムであり、前記III族窒化物結晶が窒化ガリウムであることが好ましい。
本発明の製造方法において、前記半導体層上にIII族窒化物結晶を成長させる成長速度は、20μm/時間以上であることが好ましく、より好ましくは、
30〜50μm/時間である。
本発明の製造方法において、前記半導体層上に成長したIII族窒化物結晶のキャリア濃度の面内ばらつきは、キャリア濃度の平均値の1/5以上5倍以下であることが好ましく、より好ましくは、キャリア濃度の平均値の1/3以上 3倍以下が好ましく、さらに好ましくは1/2以上2倍以下である。
本発明の製造方法において、前記窒素を含む雰囲気が加圧雰囲気であることが好ましい。前記加圧は、例えば、2〜100atm、好ましくは5〜50atmの範囲である。
本発明の製造方法において、前記溶剤は、アルカリ金属であることが好ましく、これに加え、アルカリ土類金属を含むことも好ましい。アルカリ金属は、ナトリウム、リチウムおよびカリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つが好ましい。また、アルカリ土類金属としては、カルシウムが好ましい。
本発明の製造方法において、前記(ii)の前記半導体表面の処理は、特に制限されないが、研磨加工による処理であることが好ましい。
本発明の製造方法において、前記(i)と前記(ii)の工程を同時に行うことが好ましい。この場合、前記(i)と前記(ii)の工程は、結晶成長時の温度勾配を利用しておこなうことが好ましい。
本発明の製造方法において、前記基板は、特に制限されないが、サファイア製であることが好ましい。
以下、本発明の一例について説明する。本発明の方法は、GaNやAlGaNといった、組成式AlxGayIn1-x-yN(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)で表されるIII族窒化物結晶を備える基板を製造するための方法である。
この方法では、まず、基板上に、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし、0≦u≦1、0≦v≦1である。)で表される半導体からなる表面に(0001)面が存在する半導体層を形成する(工程(i))。基板には、たとえば、表面がC面であるサファイア基板や、C面であるSiC基板、(111)面であるGaAs基板やSi基板や、その基板上に薄膜成長したGaN基板などを用いることができる。なお、基板には、ELOG構造などの構造を有する基板を用いてもよい。半導体層は、種結晶となる結晶層であり、具体的には、GaNや、AluGa1-uNからなる。これらの半導体層は、たとえば、有機金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法や分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy:MBE)法、ハイドライド気相成長法(HVPE)で形成することができる。上記方法では、半導体層の表面が(0001)面となる。この半導体層が、以下の結晶成長工程における種結晶となる。
次に、種結晶となる半導体層の(0001)面に対して傾斜した面となるように、半導体層の表面を処理する(工程(ii))。前記処理は、たとえば研磨加工によって行うことができる。具体的には、たとえば、ダイヤモンドを研磨剤として含む研磨液を用いたメカノケミカル研磨によって加工できる。このような処理によって、半導体層の表面は、マクロ的(mmオーダー)に(0001)面に対して傾斜した面となるが、微視的(原子レベル)には、この表面は、図1の拡大図に示すように、(0001)面が露出した階段状の表面となっている。マクロ的(mmオーダー)で認識されるこの表面と、(0001)面とがなす角度は、0.05°以上0.5°以下であることが好ましい。
次に、窒素を含む雰囲気下(好ましくは100気圧以下の加圧雰囲気下)において、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムから選ばれる少なくとも1つのIII族元素と溶剤とを含む融液に前記半導体層の表面を接触させることによって、前記少なくとも1つのIII族元素と窒素とを反応させて前記半導体層上にIII族窒化物結晶を成長させる(工程(iii))。窒素を含む雰囲気としては、窒素ガス雰囲気や、窒素ガスとアンモニアとの混合ガス雰囲気が用いられる。雰囲気の圧力は、たとえば1atm〜50atmである。
溶剤には、たとえば、アルカリ金属のフラックスを用いることができる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウムおよびカリウムから選ばれる少なくとも1つ、すなわち、それらの1つまたはそれらの混合物を用いることができる。溶剤は、アルカリ金属に加えて、Caなどのアルカリ土類金属を含んでもよい。
材料となるIII族元素は、形成する結晶に応じて選択される。この工程(iii)によれば、液相エピタキシャル成長法によって、GaNや、AlxGa1-xNといった、組成式AlxGayIn1-x-yN(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)で表されるIII族窒化物結晶を形成できる。なお、必要によりIII族窒化物結晶を成長させたのちに、III族窒化物結晶以外の部分を研磨などによって除去することによって、III族窒化物結晶のみからなる基板が得られる。
本発明の方法では、種結晶層の表面が、(0001)面が露出した階段状に加工されている。そのため、結晶育成時の異常成長を防止できる。また、通常の種結晶基板を用いた場合と比較して、表面平坦性が高い結晶を得ることができる。
特に液相成長において、傾斜した基板を用いる事により、傾斜した基板を用いない場合に比べて、成長速度の向上と結晶中に取り込まれる不純物濃度の均一性が向上することが可能となる。
なお、本発明のIII族窒化物基板は、上記製造方法によって得られる基板である。すなわち、基板と、前記基板上に形成された半導体層と、前記半導体層の上方に形成されたIII族窒化物結晶とを備えるIII族窒化物基板であって、前記半導体層が、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし、0≦u≦1、0≦v≦1である)で表される半導体からなり、前記III族窒化物結晶と接する前記半導体層の表面が、(0001)面のステップが階段状に配置された一方向に傾斜した面である基板である。この基板では、前記III族窒化物結晶が、たとえば窒化ガリウムである。
以下、実施可能な例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例では、GaN結晶を成長させる場合を例に用いて説明するが、AlxGa1-xNやAlNといった組成式AlxGayIn1-x-yN(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)で表されるIII族窒化物結晶も同様の手法によって形成できる。
本実施例では、MOCVD法によってサファイア基板上にGaN結晶を成膜し、それを種結晶基板にして液相エピタキシャル成長法によって単結晶を成長させる方法について説明する。本発明の特徴は、成膜したGaN結晶の表面を加工して傾斜させることである。
まず、種結晶基板を形成する。この基板の構造を図2に示す。基板10は、サファイア(結晶性Al23)からなるサファイア基板11と、GaNからなるシード層12とを備える。ここで、シード層12は、III族元素としては、ガリウムの代わりに、アルミニウムまたはインジウムを含んでいてもよい。すなわち、シード層12は、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし、0≦u≦1、0≦v≦1である)を満たすIII族窒化物で形成すればよい。シード層12の表面は、(0001)面から傾斜した面となっている。
基板10の作製方法について、図3を参照しながら説明する。まず、基板温度が約1020℃〜1100℃になるようにサファイア基板11を昇温したのち、MOCVD法を用いてシード層12を形成する(図3(a))。具体的には、トリメチルガリウム(TMG)とアンモニア(NH3)とを基板上に供給することによって、GaNからなるシード層12を形成する。なお、III族窒化物半導体を成長可能な他の方法、たとえばHVPE(ハイドライド気相成長)法やMBE(分子線エピタキシャル)法を用いてもよい。
シード層12の厚さは、たとえば20μmである。シード層12の表面は、微視的には、図3(a)の拡大図に示すように、ステップによって凹凸が形成されている。
次に、得られたGaN結晶(シード層12)の表面の結晶方位をオフカットにするため、シード層12の表面を斜めに研磨する(図3(b))。本実施例では、表面が(0001)面から0.1度傾くように、ダイヤモンドを研磨剤とした研磨液を用いてメカノケミカル研磨を行う。なお、オフカット角は、GaN膜の厚さや後に成長する薄膜結晶の結晶性により設定すればよく、0.05°〜0.5°程度が望ましい。図3(b)の基板のシード層12の表面は、微視的には、図2に示すように階段状になっている。なお、図2の拡大図のスケールは、横幅が1〜5μm程度、縦幅が0.5〜5nm程度である。
このようにして得られた種結晶基板を用いて、図3(c)に示すように、GaN単結晶13を成長させる。以下に、その方法について説明する。
本発明の方法で用いられるLPE装置(電気炉)の一例を図4に示す。このLPE装置は、ステンレス製のチャンバー21と炉蓋22とを備え、50atmの気圧に耐えられるようになっている。チャンバー21内には、加熱用のヒータ23が配置されている。チャンバー21は、3つのゾーンから構成されており、それぞれには熱電対24a〜24cが取り付けられている。3つのゾーンは、温度範囲が±0.1℃に収まるように制御されており、炉内の温度は均一に制御される。炉心管25は、炉内の温度の均一性を向上させるとともに、ヒータ23から不純物が混入することを防止するために配置される。
炉心管25の内部には、窒化ホウ素(BN)からなる坩堝26が配置されている。坩堝26に材料を投入し、坩堝の温度を上昇させることによって融液27が調製される。種結晶となる基板10は基板固定部28に取り付けられる。図4の装置では、複数枚の基板10を基板固定部28に固定できる。この基板10は、回転モータ29aによって回転される。融液27には、撹拌用のプロペラ30が浸漬できるようになっている。プロペラ30は、回転モータ29bによって回転される。本実施例では、雰囲気圧力が10atm以下であるため通常の回転モータを使用できるが、10atm以上の雰囲気圧力下では、電磁誘導型の回転機構が使用される。雰囲気ガス(原料ガス)は、ガス源31から供給される。雰囲気ガス圧力は、圧力調整器32によって調整される。雰囲気ガスはガス精製部33によって不純物が除去されたのちに、炉内に送られる。
以下、GaN結晶の育成手順について説明する。
(1)GaとフラックスであるNaとを規定量秤量し、坩堝内にセットする。Gaには、純度が99.9999%(シックスナイン)のものを用いる。またNaには、精製したNaが用いられる。He置換したグローブボックス内でNaを加熱して融解し、表面層に現れる酸化物などを除去することによってNaの精製を行うことができる。また、ゾーンリファイニング法によってNaを精製してもよい。チューブ内でNaの融解と固化とを繰り返すことによって、不純物を析出させ、それを除去することによってNaの純度を上げることができる。オフカットの種結晶基板は、基板固定部に固定される。
(2)坩堝内の原材料を融解するため、電気炉内の温度を900℃まで上昇させ、原材料の融液を調製する。この段階では、種結晶基板は坩堝に投入しない。GaとNaとを撹拌するため、プロペラを融液中に入れて数時間、融液を撹拌する。雰囲気ガスは、たとえば、窒素ガス、またはアンモニアを含む窒素ガスである。この段階で、GaやNaと窒素ガスとが反応することを避けるため、窒素ガスの圧力は1atm程度にする。なお、アンモニアを混入すると、より低圧で反応が起こるため、この段階では窒素ガスのみを雰囲気ガスとするが好ましい。
(3)次に、坩堝の温度を800℃に設定し、融液を過飽和状態とする。また、雰囲気圧力を上昇させる。本実施例では、雰囲気は、たとえば窒素ガスのみで50atmとする。次に、種結晶基板を融液の真上まで降下させ、基板の温度を融液の温度に近づける。数分後、種結晶基板を融液中に入れ、GaN結晶の育成を開始する。
(4)結晶育成中は10rpm〜200rpmの範囲の回転速度で基板を回転させる。望ましくは、100rpm前後で回転させる。24時間育成後、基板を上昇させて融液の表面から5〜10mmの位置まで移動させる。基板を上昇させた後、基板表面に残っている融液を除去するために、300rpm〜1500rpm(望ましくは、1000rpm前後)の範囲の回転速度で基板を回転させる。その後、育成したGaN単結晶基板をチャンバーから取り出す。なお、結晶育成中は、坩堝の温度を一定に保持してもよいが、融液の過飽和度を一定にするために融液の温度を一定の割合で降下させてもよい。
本発明では、オフカットの基板を種結晶として用いた。そのため、結晶育成時の異常成長を防止できる。また、通常の種結晶基板を用いる場合と比較して、表面平坦性が高い基板を得ることができる。通常、成膜したGaN表面には、方向がランダムであるステップ(凹凸を形成するステップ)が存在する。そのため、ステップの各部分から結晶成長がランダムに始まってヒロックのような丘やファセットが表面に現れ、その結果、異常な結晶成長(ヒロックや島状成長)が起きる。本実施例では、図2に示すオフカット基板を用いることによってステップの方向および密度を制御することができ、安定した2次元結晶成長を実現できる。
図1に実際にC面に対して傾斜のない基板上にLPE成長した場合(図1(a)、(b))と、オフカット基板に成長した場合(図1(c)、(d))の代表的な表面モホロジーの形状を示す。C軸に平行な種結晶層を用いた場合、6角形の島状成長(3次元成長)になる(図1(a)、(b))。一方C軸よりオフカットした種結晶層を用いた場合、表面はステップ形状で、巨視的には全面に光沢のある表面モホロジーの結晶が成長できる(図1(c)、(d))。
さらに、図1(a)(表面)、(b)(断面)に示すような、島状成長した結晶では、結晶面内のキャリア濃度のばらつきが非常に大きくなり、たとえば、所望のキャリア濃度に対して、2桁程度もばらついてしまう。島状成長の場合、結晶成長面がC面のみではなくその側面でも成長する(横方向成長)することによる。したがってC面以外の面で、不純物の取り込み係数が大きくことなるためであると考えられる。さらに大きな6角形の島の発達により、表面形状は非常に大きな凹凸を有し、溶液中不純物の固液界面での拡散状況が大きくことなってくるためと考えられる。前記6角形の島の大きさは、1〜50μm程度である。
一方オフカット基板をもちいた場合(図1(c)(表面)、(d)(断面))、キャリア濃度の面内ばらつきを所望の値に対して1桁以内、すなわち所望の値に1/5以上5倍以下にすることが可能であった。したがって、特に液相から成長した場合にオフカット基板を用い、キャリア濃度の面内ばらつきを大きく低減することが可能であった。この原因は以下のように考えられる。オフカット基板を用いる事により横方向成長がより支配的になり、成長面が規定されるため、主に不純物の取り込まれる量が比較的一定する。さらに、表面形状が比較的フラットであるために、著しい凹部ができず、溶液中不純物の固液界面での拡散状況にばらつきができないためと考えられる。
さらに、オフカット基板を用いた場合、成長速度の1割から10割程度の向上が確認された。これは、III族窒化物結晶をLPE成長する場合、成長条件にもよるが、横方向成長が大きく(図1の矢印で示す)、さらにオフカット基板を用いる事により、この効果がより顕著に現れるためと考えられる。
上記の方法によってGaN結晶を製造し、その転位密度およびPL強度を測定した。転位密度は1×102cm-2以下であった。PL強度のスペクトルを図5(b)に示す。図5(b)のスペクトルの360nm付近のピークの強度は、22(V)であった。比較のため、通常のMOCVD法で作製したGaN薄膜のPL強度を図5(a)に示す。なお、図5(a)と図5(b)とは、スリット幅が異なる条件で測定されたスペクトルである。図5(a)のスペクトルの360nm付近のピーク強度は、0.48(V)であった。本発明の方法によって得られる結晶は、従来の方法で作製した結晶に比べて50倍程度のPL強度が得られた。
一般のHVPE法によるGaN厚膜成長は1050℃の高温で行う。本発明では、800℃の低温で結晶成長を行うことができるので、サファイア基板との線膨張係数の違いに起因するウエハーのそりも低減することができる。
本実施例では、Naのみのフラックスを用いたが、Li、Na、KフラックスやCaなどのアルカリ土類金属との混合フラックスを用いても、同様の効果が得られる。たとえば、NaとCaの混合フラックスでは、Caを10%程度混入することによって、より低圧での結晶育成が可能となる。
なお、本実施例では、ガリウムを用いたGaN単結晶基板の製造について説明したが、基板上に作製する光デバイスの使用波長に対して吸収の少ない基板を製造することが望ましい。そのため、紫外線領域の半導体レーザや発光ダイオード用基板としては、Alが多く含まれ短波長域の光吸収が少ないAlxGa1-xN(0≦x≦1)単結晶を形成することが好ましい。本発明では、Gaの一部を他のIII族元素に置き換えることによって、このようなIII族窒化物半導体単結晶を形成することも可能である。
本発明の最大の効果は、異常成長を防止し、転位密度が少なく表面が平坦なIII族窒化物半導体単結晶基板が、量産性の高い方法で得られることである。特にLPE成長においては、6角形の島状成長の発生を防止し、面内のキャリア濃度の均一性向上と、成長速度の向上を実現する事が可能となる。つまり、本発明によれば、高い信頼性を有するデバイスを製造可能な基板を低コストで供給できる。特に、基板が平坦で低転位密度であることによって、ホモエピタキシャル成長で半導体レーザなどのデバイスを作製する際のプロセスを簡素化でき、また高い歩留まりでデバイスを作製できる。
種基板のオフ角度を、それぞれ、0.05°、0.1°、0.3°および0.5°として、結晶成長させた。それ以外は、実施例1と同様にして、オフ角度が4種類のIII族窒化物基板を得た。
(比較例1)
種基板のオフ角度を、それぞれ、0.0°および0.03°とした以外は、結晶成長させた。それ以外は、実施例1と同様にして、オフ角度が2種類のIII族窒化物基板を得た。
このようにして得られた実施例2および比較例1のIII族窒化物基板について、種基板のオフ角度と、成長速度およびキャリア濃度の面内ばらつきとの関係を調べた。その結果を表1に示す。なお、キャリア濃度は、前述の方法で測定した。以下の実施例においても同様である。表1に示すように、オフ角度が0.05°以上で、成長速度の増大が10%程度確認でき,またキャリア濃度のばらつきも小さくなった。さらに、オフ角度が0.5°程度では、成長速度は、ジャスト基板の倍以上の成長速度であり、またキャリア濃度のばらつきも、キャリア濃度平均値(この場合は5×1017)に対して1桁以内(前記平均値の1/5以上5倍以下)の範囲であった。一方、オフ角度が0.03°では、ジャスト基板(オフ角度が0.0°)との差は認められなかった。成長速度の向上は、デバイス作成用基板として厚膜を用いる場合の、育成時間の短縮に特に有効である。またキャリア濃度の面内均一性の向上は、デバイス特性の均一性に特に重要であった。
(表1)
本願発明によるオフ角度をさらに大きくした場合の実施例を図6を用いて説明する。ここでは基板としてC面サファイア基板31を用いた。サファイア基板31上にMOCVD法によりGaN32を30μm成長する。次にメカノケミカル研磨によりGaN32をオフ角0.5°に研磨した。この時、基板のサイズは20mm角である。次に、この基板に実施例1と同様にNaフラックス用いてGaN33を1.9mm成長する。この時の成長時間は、95時間である。(成長速度は20μm/時間)。さらに2度目の研磨を行い、オフ角度を5°とした。上記オフ角度5°の基板上にLPEでさらに100μmのGaN34を成長した(成長時間は約2.5時間、成長速度は40μm/時間)。またLPE終了後の表面状態は、オフ角度の効果により、6角形のファセットがほとんどない、平坦性の高い結晶が得られた。最後に結晶表面をメカノケミカル研磨して、最終III族窒化物基板を得た。この時、キャリア濃度のばらつきは、キャリア濃度平均値1×1018に対して、1/3以上3倍以下の範囲であり、良好なIII族窒化物基板を得ることが出来た。
ここでは、サファイア基板をつけたまま、III族窒化物基板としたが、必要により、サファイア基板31を研磨などで除去し、自立基板とすることも可能であった。
ここでは、オフカット基板を温度勾配を用いて作成する場合について図7、図8を用いて説明する。
図7において、基板31および、基板32の作成方法は実施例3と同じである。
次にLPE成長としては、図8に示すような2ゾーンの電気炉中にセットした成長炉を用いて、電気炉内部に温度勾配をつけて成長した。図8において、81は基板を示し、82は溶液を示し、83は、上部ヒータを示し、84は下部ヒータを示す。
図7(C)の形状のサンプルを図8のようにルツボ内に設置してGaN厚膜33を成長した。
成長時間100時間で、オフ角度は2゜、膜厚約2mmの結晶を得た。このとき、得られた結晶の表面モホロジーは、光沢のある良好なものであり、6角形の島状成長のほとんどない比較的良好な結晶が得られた。得られた結晶の表面をメカノケミカル研磨を行い面内のキャリア濃度ばらつきを測定した結果、キャリア面内濃度平均値の1桁以内であった。
実施例5では、実施例1で得られる基板を用いて半導体レーザを作製する一例について説明する。半導体レーザ90の構造を図9に示す。
まず、上記実施例で得られる基板91上に、キャリア濃度が5×1018以下になるようにSiをドープしたn形GaNからなるコンタクト層92を形成する。基板91は、実施例1で得られる、オフカット基板上にIII族窒化物結晶を形成した基板から、裏面のサファイア基板を除去し、表面に平行になるよう、裏面を研磨した自立基板である。なお、裏面のサファイア基板の除去は、必須ではない。前記GaN系の結晶(GaとNとを含む結晶)では、不純物としてSiを添加するとGaの空孔が増加する。このGaの空孔は容易に拡散するため、この上にデバイスを作製すると寿命などの点で悪影響を与える。そのため、キャリア濃度が3×1018以下になるようにドーピング量を制御する。
次に、コンタクト層92上に、n形Al0.07Ga0.93Nからなるクラッド層93とn形GaNからなる光ガイド層94とを形成する。次に、Ga0.8In0.2Nからなる井戸層(厚さ約3nm)とGaNからなるバリア層(厚さ約6nm)とによって構成された多重量子井戸(MQW)を活性層95として形成する。次に、p形GaNからなる光ガイド層96とp形Al0.07Ga0.93Nからなるクラッド層97と、p形GaNからなるコンタクト層98とを形成する。これらの層は公知の方法で形成できる。半導体レーザ90はダブルへテロ接合型の半導体レーザであり、MQW活性層におけるインジウムを含む井戸層のエネルギーギャップが、アルミニウムを含むn形およびp形クラッド層のエネルギーギャップよりも小さい。一方、光の屈折率は、活性層95の井戸層が最も大きく、以下、光ガイド層、クラッド層の順に小さくなる。
コンタクト層98の上部には、幅が2μm程度の電流注入領域を構成する絶縁膜99が形成されている。p形のクラッド層97の上部およびp形のコンタクト層98には、電流狭窄部となるリッジ部が形成されている。
p形のコンタクト層98の上側には、コンタクト層98とオーミック接触するp側電極100が形成されている。p側電極100は、ニッケル(Ni)と金(Au)との積層体からなる。
n形のコンタクト層92の上側には、コンタクト層92とオーミック接触するn側電極101が形成されている。n側電極101は、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)との積層体からなる。
上記方法で製造された半導体レーザのデバイス評価を行った。得られた半導体レーザに対して、p側電極とn側電極との間に順方向の所定の電圧を印加すると、MQW活性層にp側電極から正孔、n側電極から電子が注入され、MQW活性層において再結合し光学利得を生じて、発振波長404nmでレーザ発振を起こした。
本実施例の半導体レーザは、基板として、転位密度が1×102cm-2以下と低い基板を用いているため、高転位密度のGaN基板上に作製した半導体レーザと比較して、しきい値の低下、発光効率の向上、信頼性の向上が見られた。
なお、GaN結晶以外のサファイア部分を研磨などにより除去し、GaN基板を作製し、その上にデバイスを作製することも可能である。
本発明の製造方法によって得られる基板を用い、この基板上にIII族窒化物結晶をエピタキシャル成長させることによって、LDやLEDなどの半導体素子を備える半導体装置が得られる。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、特性が高いIII族窒化物結晶を備える基板を容易に製造できる。
(a)(表面)および(b)(断面)は、従来の結晶成長を示す図であり、(c)(表面)および(d)(断面)は、本発明の製造方法一例による結晶成長を示す図である。 本発明の製造方法のその他の例を示す断面図およびその表面構造を模式的に示す拡大図である。 (a)〜(c)は、本発明の製造方法のさらにその他の例を示す工程断面図である。 本発明の製造方法に用いられる製造装置の一例を模式的に示す図である。 (a)は従来の方法によって得られたGaN結晶のPL強度を示すグラフであり、(b)は、本発明のさらにその他の例によって得られたGaN結晶のPL強度を示すグラフである。 (a)〜(f)は、本発明の製造方法のさらにその他の例を示す工程断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の製造方法のさらにその他の例を示す工程断面図である。 本発明の製造方法に用いられる製造装置のその他の例を模式的に示す図である。 本発明の半導体装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
10 基板
11 サファイア基板
12 シード層
13 GaN単結晶

Claims (19)

  1. 基板と、前記基板上に形成された半導体層と、前記半導体層の上方に形成されたIII族窒化物結晶とを備えるIII族窒化物基板であって、
    前記半導体層が、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし、0≦u≦1、0≦v≦1である)で表される半導体からなり、
    前記半導体層の表面が、(0001)面のステップが階段状に配置された一方向に傾斜した面であり、
    前記傾斜した面と前記(0001)面とのなす角度が、0.05°以上であり、
    さらに、前記半導体層上に形成されたIII族窒化物結晶のキャリア濃度の面内ばらつきが、キャリア濃度の平均値の1/5以上5倍以下であるIII族窒化物基板。
  2. 前記III族窒化物結晶が、液相成長により形成されたものである請求項1記載のIII族窒化物基板。
  3. 前記傾斜した面と前記(0001)面とのなす角度が、0.05°以上0.5°以下である請求項1または2記載のIII族窒化物基板。
  4. III族窒化物結晶の表面と(0001)面とのなす角度が、0.05°以上5°以下である請求項2ないし3のいずれかに記載のIII族窒化物基板。
  5. 前記III族窒化物結晶が窒化ガリウムである請求項1から4のいずれかに記載のIII族窒化物基板。
  6. (i)基板上に、組成式AluGavIn1-u-vN(ただし、0≦u≦1、0≦v≦1である)で表される半導体であって、その表面に(0001)面が存在する半導体層を形成する工程と、
    (ii)前記半導体層の(0001)面に対して傾斜した面となるように、前記半導体層の表面を処理する工程と、
    (iii)窒素を含む雰囲気下において、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムから選ばれる少なくとも1つのIII族元素と溶剤とを含む融液に前記半導体層の表面を接触させることによって、前記少なくとも1つのIII族元素と窒素とを反応させて前記半導体層上にIII族窒化物結晶を成長させる工程とを含むIII族窒化物基板の製造方法。
  7. 前記少なくとも1つのIII族元素がガリウムであり、前記III族窒化物結晶が窒化ガリウムである請求項6に記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  8. 前記半導体層上にIII族窒化物結晶を成長させる成長速度が20μm/時間以上である請求項6または7記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  9. 前記半導体層上に成長したIII族窒化物結晶のキャリア濃度の面内ばらつきが、キャリア濃度の平均値の1/5以上5倍以下である請求項6から8のいずれかに記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  10. 前記窒素を含む雰囲気が加圧雰囲気である請求項6ないし9のいずれかに記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  11. 前記溶剤が、アルカリ金属である請求項6ないし10のいずれかに記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  12. 前記溶剤が、アルカリ金属とアルカリ土類金属とを含む請求項6ないし11のいずれかに記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  13. 前記アルカリ金属が、ナトリウム、リチウムおよびカリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項11または12に記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  14. 前記(ii)の前記半導体表面の処理が、研磨加工による処理である請求項6ないし13のいずれかに記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  15. 前記(i)と前記(ii)の工程を同時に行う請求項6ないし14のいずれかに記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  16. 前記(i)と前記(ii)の工程が、結晶成長時の温度勾配を利用しておこなう請求項15記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  17. 前記基板が、サファイア製である請求項6ないし16のいずれかに記載のIII族窒化物基板の製造方法。
  18. 基板と、前記基板上に形成された半導体素子とを備える半導体装置であって、
    前記基板が、請求項6ないし17のいずれかに記載の製造方法によって製造されたIII族窒化物基板である半導体装置。
  19. 前記半導体素子が、レーザダイオードまたは発光ダイオードである請求項18に記載の半導体装置。
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