JP4618836B2 - 窒化物系化合物半導体基板およびその製造方法 - Google Patents

窒化物系化合物半導体基板およびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物系化合物半導体基板およびその製造方法、ならびに当該基板を用いた発光素子等の素子に関し、特に、高輝度の発光素子あるいは高性能の電子素子を作製するのに有用な窒化物系化合物半導体結晶の基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化物系化合物半導体は、発光素子やハイパワーデバイス用に研究開発されてきた。その組成を用途に応じて調節することにより、例えば発光素子の場合、青色から橙色までの幅広い発光素子が得られるようになってきた。近年、その特性を利用して青色発光ダイオードや緑色発光ダイオードが実用化され、青紫色半導体レーザーが開発されつつある。このような素子を作製する場合、窒化物系化合物半導体基板上に素子を作り込むことが望ましい。
【0003】
窒化物系化合物半導体基板を作製するための方法に関し、特開平11−35397号公報は、サファイア、石英、SiC等の上にZnO、CaO、MnO等、選択的にエッチング除去可能な第2族元素の酸化物からなるバッファ層を堆積させ、その上にSiO2のストライプ状マスクを形成し、その上に厚膜GaNを成長させ、次いでHCl等の酸を用いるエッチングによりバッファ層を除去してGaNの厚膜基板を得る方法を開示する。また、特開平7−165498号公報は、あらかじめサファイア等の上にGaN層をヘテロエピタキシャル成長させ、その上にZnOのバッファ層を形成し、その上にGaN厚膜を成長させる方法、およびZnOバッファ層の形成およびGaN厚膜の形成を複数回繰り返した後、ZnOバッファ層を酸エッチングして最上層のGaNを分離し、基板を得る方法、ならびにGaN層上にAlNバッファ層を介してGaN厚膜を成長させ基板を得る方法を開示する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第2族元素の酸化物をバッファ層として用いる方法では、極めて化学的反応性が高い酸素のために、高品質なバッファ層を得ることが困難である。また、たとえ良質なバッファ層が得られたとしても、その上に形成する窒化物系化合物半導体に対して当該バッファ層は格子不整合を有するため、高品質な窒化物系化合物半導体基板を得ることは困難である。従来技術では、バッファ層の形成およびその上への窒化物系化合物半導体の形成を複数回繰返しても、格子不整合の影響は除去することができない。また、AlNバッファ層を用いる方法では、バッファ層の選択エッチング等によってGaN厚膜を単体として分離することができていないために、その後の素子構造作製工程で受ける熱サイクルによって素子構造中にクラックや過大な歪みが発生する恐れがある。従来技術により製造された窒化物系化合物半導体基板において、残留応力は比較的高く、基板そのものの反りおよび基板中の貫通転位も十分に低減されていない。そのような基板は、発光素子の作製には不適当であり、発光特性や駆動電圧、電流および寿命に悪影響を与える。
【0005】
本発明の1つの目的は、残留応力が顕著に低い窒化物系化合物半導体基板を提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、結晶欠陥が顕著に少ない窒化物系化合物半導体基板を提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、発光素子等の素子により適した窒化物系化合物半導体基板を提供し、さらにそのような基板を使用した素子を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明により、六方晶系窒化物結晶からなる半導体基板が提供され、該基板は、{0001}結晶面からなる表面および{000−1}結晶面からなる裏面を有し、周期律表における第2族元素、第4族元素および第6族元素よりなる群から選ばれた1種または2種以上の元素を不純物として含む。該基板において、不純物が1種の元素からなる場合、当該元素の濃度は1014cm-3以上1022cm-3以下であり、不純物が2種以上の元素からなる場合、それらを合計した濃度が1014cm-3以上1022cm-3以下である。該基板において、不純物の濃度は、表面側より裏面側において高く、かつ内部に残留する応力は0.01Pa以下である。
【0009】
本明細書において、結晶面の表示は、ミラー指数による一般的な表示に従う。結晶の対称性によっては(hkil)で表される面と同等な面がいくつも存在するが、それらを総括して{hkil}で表す。
【0010】
本発明により窒化物系化合物半導体基板の製造方法が提供され、該方法は、窒化物系化合物半導体の結晶をエピタキシャル成長させることができる結晶基材上に、不純物を添加した窒化物系化合物半導体からなる下地層を第1の温度において堆積させる工程、下地層上に第2の温度において窒化物系化合物半導体の結晶を形成する工程、および下地層をエッチングにより除去して、窒化物系化合物半導体の結晶を基板として分離する工程を含む。該第2の温度は、窒化物系化合物半導体の結晶が十分に成長する温度である一方、該第1の温度は、該第2の温度より低い温度である。
【0011】
また、本発明により窒化物系化合物半導体基板の製造方法が提供され、該方法は、窒化物系化合物半導体基板を、窒素原子および/または窒素分子を含む雰囲気中で熱処理し、該基板内部の残留応力を0.01Pa以下に低減させることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明により窒化物系化合物半導体基板の製造方法が提供され、該方法は、窒化物系化合物半導体の結晶からなる基板上に、不純物を添加した窒化物系化合物半導体からなる下地層を第1の温度において堆積させる第1工程、下地層上に第2の温度において窒化物系化合物半導体の結晶を形成する第2工程、下地層をエッチングにより除去して窒化物系化合物半導体の結晶を基板として分離する第3の工程、および基板として分離された結晶を、窒素原子および/または窒素分子を含む雰囲気中で熱処理する第4工程を含む。該第2の温度は、窒化物系化合物半導体の結晶が十分に成長する温度である一方、該第1の温度は、該第2の温度より低い温度である。この製造方法において、基板は、上述した製造方法により得られた基板であることが好ましい。この製造方法において、第1工程、第2工程、第3工程および第4工程を含む一連の過程を複数回繰り返してもよい。
【0013】
本発明による製造方法おいて、窒化物系化合物半導体は、窒化ガリウム系化合物半導体とすることができ、かつ下地層は、不純物添加された窒化ガリウム系化合物からなることができる。たとえば、下地層は、不純物添加されたGaN、またはInxGayAl1-(x+y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)からなることができる。
【0014】
本発明による製造方法において、不純物は、周期律表における第2族元素、第4族元素および第6族元素よりなる群から選ばれた1種または2種以上の元素であることが好ましい。不純物が1種の元素からなる場合、添加された元素の濃度は1014cm-3以上1022cm-3以下であることが好ましい。不純物が2種以上の元素からなる場合、添加された元素を合計した濃度が1014cm-3以上1022cm-3以下であることが好ましい。
【0015】
本発明において、下地層形成のための第1の温度は、300℃以上800℃以下であることが好ましい。下地層の厚さは、50nm以上2μm以下であることが好ましい。
【0016】
さらに、本発明により、上述した窒化物系化合物半導体基板上に作製された素子が提供される。
【0017】
また、上述した本発明による製造方法は、発光素子等の素子の製造方法に適用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に従って窒化物系半導体基板を得るために、まず、サファイア、SiC等の窒化物半導体のヘテロエピタキシャル成長に通常用いられる結晶をベース(基材)として使用できる。半導体の形成に先立って、ベースには、水素中で1100℃程度のサーマルクリーニングを施すことが好ましい。その後、通常窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長する温度に比べて低い300℃以上800℃以下の温度(第1の温度)で、50nm以上2μm以下の厚さの、GaN、InxGayAl1-(x+y)N、InN、AlN等の窒化物系化合物半導体からなる下地層をベース上に堆積させることが好ましい。下地層は、有機金属気相成長法(MOCVD)、分子線エビタキシー法(MBE)、ハイドライド気相成長法(HVPE)等、一般的に窒化物半導体結晶成長に用いられる方法によって形成できる。下地層には、後の基板剥離行程でエッチングの進行を容易にする目的で、周期律表の第2族(第2A族および第2B族)、第4族(第4A族および第4B族)または第6族(第6A族および第6B族)に属する元素を、不純物として添加する。添加元素は、1種でもよいし、2種類以上の組み合わせでもよい。1種の元素の場合、その濃度は1014cm-3以上1022cm-3以下であることが望ましく、2種類以上を添加する場合、添加した不純物元素の総濃度が1014cm-3以上1022cm-3以下であることが望ましい。不純物としての第2族元素には、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Zn、Cd、Hg等があり、第4族元素には、Ti、Zr、Hf、Rf、C、Si、Ge、Sn、Pb等があり、第6族元素には、Cr、Mo、W、O、S、Se、Te、Po等がある。次いで、下地層上に、HVPE、MOCVDあるいはMBE法により、基板となるべき窒化物半導体の結晶を成長させる。この工程の温度(第2の温度)は、結晶が十分に成長(エピタキシャル成長)する温度であり、結晶成長法や結晶の種類によって異なるが、約700〜1100℃とすることができる。生産性を考慮すると、窒化物半導体結晶の成長には、他の方法に比べて速い成長速度を有するHVPE法が最も適している。その際、六方晶系窒化物半導体結晶は、たとえば最表面がGa原子で終端される状態において、安定である。したがって、下地層上に成長した窒化物半導体結晶の最表面は、たとえばGa終端面、すなわち(0001)面となり、一方、下地層と接する面は、たとえば窒素終端面、すなわち(000−1)面となる。また、下地層上での成長は1000℃以上の高温で行われるため、下地層に添加した不純物元素は(000−1)面側(裏面側)に拡散する。したがって、本発明による基板では、(0001)面側(表面側)よりも(000−1)面側(裏面側)により高い濃度で不純物を含み、好ましくは、裏面側に不純物が主に存在している。次いで、下地層を、例えば、燐酸および硫酸の混合溶液等の酸溶液、または水酸化カリウム溶液等のアルカリ溶液で選択的にエッチング、除去し、窒化物半導体結晶の厚膜をベースから分離する。
【0019】
選択エッチングにより剥離した窒化物半導体結晶には、応力や歪みが著しく残留し得る。そこで、ベースから分離した結晶を、窒素原子および/または窒素分子を含む雰囲気中で熱処理し、残留する応力や歪みを低減することが好ましい。
【0020】
この熱処理は、上述した方法により剥離した窒化物半導体結晶にかぎらず、他の方法で製造された窒化物半導体結晶に対しても問題なく適用することができる。この熱処理のための温度は、400〜1200℃が好ましく、800〜1100℃がより好ましい。この熱処理のための雰囲気には、N2ガス、NH3ガス等の窒素分圧を生じ、半導体結晶からの窒素の放出(解離)を抑制できる雰囲気が好ましく使用される。この熱処理により、残留歪みや応力が緩和された基板が製造される。
【0021】
また、窒化物系化合物半導体結晶からなる基板をベースとして用い、さらなる基板を製造してもよい。基板には、上述した製造方法により得られたものが好ましく使用できる。まず、基板上には、窒化物からなる下地層が形成される(第1工程)。下地層の形成は、上述と同様の条件下で行うことが好ましい。次いで、下地層上に窒化物半導体の結晶を形成する(第2工程)。この結晶の形成も上述と同様の条件下で行うことが好ましい。次いで、下地層をエッチングし、窒化物半導体結晶を基板から分離する(第3工程)。さらに、歪みや残留応力を除去するためNH3等の窒素を含む雰囲気中で結晶を熱処理する(第4工程)。第1工程〜第4工程を含む一連の過程により、残留応力がより小さく、結晶欠陥がより少ない基板を得ることができる。基板品質を向上させるため、第1工程〜第4工程を含む一連の過程を、複数回繰り返してもよい。
【0022】
図を参照してさらに本発明を説明する。本発明に従う一態様において、図1(A)に示すように、ベース101を水素中で10分程度サーマルクリーニングした後、300℃以上800℃以下の低温で、第2族、第4族および第6族の中から選ばれた、任意の元素を単独で、あるいは2種類以上を混合して添加しながら、GaN層またはInxGayAl1-(x+y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)層をベース101上に堆積し、下地層102を形成する。次いで、図1(B)に示すように、下地層上に窒化物半導体の結晶103を成長させる。ベース101が窒化物半導体結晶103と異種の化合物であるにもかかわらず、下地層102が低温で成長した窒化物半導体結晶であるために、擬似的にホモエピタキシャル成長が進行し、他の手法に比べて良質な窒化物半導体結晶103を得ることができる。したがって、従来技術に比べて、貫通転位に代表される欠陥が少ない結晶を得ることができる。一方、従来のように単にAlNバッファ層を用いる場合には、AlNバッファ層のエッチングが困難である。事実、従来技術ではエッチングによるAlN除去を行っていない。一方、本発明による下地層は、除去しやすいものである。下地層に、第2族、第4族および第6族から選ばれた任意の元素を単独で、あるいは2種類以上を混合して添加することにより、母体結晶中でこれら不純物が置換したサイトがエッチングの足がかりとなり、不純物の活性化によってフリーキャリア濃度が増加し、酸あるいはアルカリ溶液に対する反応性が向上し、通常ではエッチングされ難い窒化物系化合物半導体のエッチングが容易に進行して剥離が可能となる(図1(C)の104参照)。また、下地層に添加された不純物は、高温における窒化物半導体結晶の成長初期過程で、該結晶中に熱拡散する。したがって、図1(D)に示す剥離後の窒化物半導体結晶105おいて、下地層に密着していた(000−1)面側にキャリア濃度の大きい領域が形成される。この不純物拡散により、当該窒化物半導体結晶を基板として素子を作製する際、裏面電極のコンタクト抵抗を低下させる効果が得られる。このように下地層として不純物添加したGaN、InxGayAl1-(x+y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)等を用いることにより、欠陥を低減した窒化物半導体基板が作製可能となる。更に、剥離後、窒素原子および/または窒素分子を含んだ雰囲気中で結晶を熱処理することにより、熱膨張係数差によって残留する歪みや応力を解消することができる(図1(E)の106参照)。この熱処理工程は、本発明による方法でベースから剥離した基板のみならず、他の手法により作製した基板に対しても同様に適用することができる。
【0023】
さらに、図2(A)に示すように、上記方法で作製した窒化物系化合物半導体基板をべ一ス201として用い、再度不純物を添加しつつ800℃以下の低温で下地層202を形成し、次いで、完全なホモエピタキシャル成長によって窒化物半導体結晶203を形成する。その結果、熱処理で除去されずに残留したべ一スの歪みに由来する僅かな歪みのみが受け継がれた状態の窒化物半導体結晶が得られる。次いで図2(B)に示すように、上記と同様に下地層をエッチング、除去する(204参照)。さらにNH3雰囲気中で結晶を熱処理することにより、異種のべ一ス上で作製した窒化物系化合物半導体基板(図1(E)の106)に比べて残留歪みが格段に小さい基板(図2(C)の205)を得ることができる。また、このようにして得られた基板をベースにして上記一連の工程を経ることにより、さらに良質な窒化物系化合物半導体基板を得ることができる。
【0024】
たとえば、本発明は、GaNの他、AlxGa1-xN(0<x<1)、InyGa1-yN(0<y<1)、AlN、InN等の窒化物系化合物半導体からなる基板の製造に適用できる。
【0025】
本発明により得られた窒化物半導体基板を用いることにより、例えば、発光素子においては、素子を貫通する転位が減少し、また、劈開面を利用した光共振器を作製できるため、発光特性や駆動電圧、電流および素子寿命が格段に向上する。
【0026】
さらに、結晶成長装置を示す図3および図4を参照して本発明を説明する。一般的に、窒化物系化合物半導体の結晶成長では、サファイア、SiC、GaN、GaAs、スピネル(MgAl24)等が基板として用いられる。結晶成長は、MOCVD、MBE、HVPE等によって行われるが、窒化物系化合物半導体の成長速度や生産性を考慮すると、基板(ベース)としては、サファイアを使用し、厚膜の成長方法としてはHVPE法を使用するのが最も一般的である。また、結晶品質や薄膜の制御性から、素子構造の作製には一般的にMOCVD法が用いられる。以下に示す実施例では、ベースとしてサファイアを用い、厚膜の成長にはHVPE法を、素子構造の作製にはMOCVD法を用いている。しかし、サファイア以外のべ一スを用いても差し支えない。また、GaNまたはInxGayAl1-(x+y)Nからなる下地層は、HVPE法およびMOCVD法により形成した。
【0027】
図3のHVPE装置において、カーボンサセプタ302上に(0001)面サファイア301または窒化物系化合物半導体結晶からなる基板301が配置され、その上に低温でGaNまたはInxGayAl1-(x+y)Nからなる下地層が形成される。石英反応管303の外側を覆うように抵抗加熱ヒーターが配置されており反応管全体を加熱することができる。第5族原料として、アンモニア307を、第3族原料として、金属ガリウム309と塩化水素(HCl)ガス308を反応させた塩化ガリウムを、反応管303に輸送する。また原料を反応管303に輸送するためのキャリアガスとして水素および窒素を供給することができ、n型ドーパントとして例えばSiH4306が供給される。各原料およびガスは、マスフローコントローラ310で正確に流量を制御しつつ反応管入り口304に導入され、排気ガス出口305より排出される。
【0028】
図4に示すMOCVD装置において、窒化物半導体基板401または(0001)面サファイア基板401が、カーボンサセプタ402上に配置される。サセプタの中には、やはりカーボン製抵抗加熱用ヒーターが配置されており、熱電対により基板温度をモニターし、制御することができる。二重の石英でできた水冷反応管403内にサセプタ402が収容される。第5族原料として、アンモニア406を使用し、第3族原料として、トリメチルガリウム(TMG)407a、トリメチルアルミニウム(TMA)407b、トリメチルインジウム(TMI)407cを、窒素ガスまたは水素ガスでバブリングして使用した。また、n型のドーピング原料として、SiH4409を使用し、p型のドーピング用原料として、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)407dを使用した。各原料は、マスフローコントローラ408で正確に流量を制御して原料入り口404より反応管403に導入され、排気ガス出口405より排出される。
【0029】
以下、窒化物系化合物半導体レーザ/発光ダイオードまたは電子素子を形成するための窒化物半導体基板の具体的製造方法、および当該基板上に作製したレーザ素子および発光ダイオードについて説明する。
【0030】
実施例1
本実施例では、(0001)面サファイア上に、Si添加されたGaN層を低温で成長させ下地層として用いた。下地層上にGaN厚膜を成長させた後、下地層をエッチングすることによりGaN厚膜を剥離して窒化物半導体基板とした。以下図1を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
まず、厚さ400μmの2インチ径(0001)面サファイア(図1(A)の101)を通常の方法で洗浄し、MOCVD装置にセットする。MOCVD装置反応炉の温度を1100℃に安定させ、水素雰囲気中でサーマルクリーニングを15分間行った後、温度を550℃に設定する。ここで下地層の成長温度が300℃を下まわる場合には、原料の分解が十分でないため膜が多孔質となり下地層の用をなさなくなる。従って、下地層の成長温度は300℃以上であることが望ましい。また、上限の温度は、単結晶化によるエッチング耐性を防止するため800℃以下が望ましい。温度の安定を待って、アンモニアを31/min、TMGを10μmol/min、SiH4を5nmol/minで供給して下地層であるGaN(図1(A)の102)を500nm堆積させ、アンモニアのみ供給を続けつつ室温まで冷却する(図1(A))。ここで、Ga原料としてTEGを用いてもよい。また、エッチングの際に選択性を持たせるための添加元素としてSi以外にC、Ge等の第4族元素の他、第2族あるいは第6族元素を用いることができ、さらに、これら元素群から任意の元素を単独で用いてもよいし、任意の二種類以上の元素を混合して用いてもよい。その際、下地層中の不純物濃度が、単独元素の場合には1014cm-3以上1022cm-3以下、二種類以上を混合した場合には、それら元素を総合した濃度が1014cm-3以上1022cm-3以下であれば、酸あるいはアルカリエッチングに対する十分な感受性を持たせることができる。下地層に含まれる不純物濃度が低いと選択性とエッチングレートが低下し、表面に露出した欠陥を介してGaN厚膜が侵食されるため、1014cm-3以上の濃度で下地層へ不純物添加することが望ましい。また、1022cm-3を超える濃度の不純物を添加した場合、不純物が転位を発生させる原因となるため、添加する不純物濃度の上限は1022cm-3が望ましい。一例として低温で成長したGaN下地層中の不純物濃度に対するエッチングレートを図5に示す。図中、不純物として、黒丸はZnを、白丸はMgを、黒三角はSiを、白三角はCを示す。不純物濃度が低い領域ではエッチングレートが顕著に低下することがわかる。これは、膜中のフリーキャリアが減少することで化学的活性が低下することと、反応の足がかりとなる不純物サイトそのものが減少することによると考えられる。本発明者らの得た結果によれば、不純物濃度が少なくとも1014cm-3以上であれば、良好なエッチング速度が得られており、含まれる不純物の濃度が1014cm-3を境にエッチングに対する下地層の化学的活性が顕著になると考えられる。なお、下地層がAlN、InN、あるいはInxGayAl1-(x+y)Nで表される混晶であっても組成に応じたエッチングレートの差があるのみで、その他の特性にはなんら変わりなくGaNと同様に下地層として用いることができ、それらについても、良好なエッチングが可能となる不純物濃度は少なくとも1014cm-3以上であり、不純物起源の転位を生じない濃度は1022cm-3以下であった。
【0032】
下地層の成長温度は800℃以下とすることが望ましい。このことを説明するために、下地層の成長温度とエッチングレートの関係を、添加する不純物を変えてプロットした結果を図6に示す。図中、黒丸はZnを、白丸はMgを、黒三角はSiを、白四角はCを示し、それぞれは不純物として下地層に添加した元素である。図6から読み取れるように、添加する不純物元素の種類によらず、800℃を超える温度では、InxGayAl1-(x+y)Nは単結晶化し、エッチングに対する選択性とエッチングレートが極端に低下する。従って、十分なエッチングレートを得るためには800℃以下で下地層を成長させることが必要である。逆に、300℃を下まわる温度では、原料の分解が十分でなく、膜が多孔質となり下地層としての要件を満たさなくなるため、下地層を成長する際の温度は300℃以上800℃以下とすることが好ましい。
【0033】
エッチング液の侵入し易さと剥離の容易さを考慮して下地層の厚さは少なくとも50nm以上であることが望ましい。実際、厚さ20nmの下地層上に高温で窒化物半導体結晶を成長させた場合、エッチングによる結晶の剥離を完全に行うことができず、部分的に結晶がサファイアと固着した結果となった。この固着が実用上問題無い程度まで解消される下地層の厚さが50nmである。下地層を徐々に厚くした場合、2μmを超える厚さでは、以下に説明する昇温過程で、熱膨張係数差に起因する応力により下地層に微少なクラックが多数生じるため、下地層の厚さは50nm以上2μm以下とすることが望ましい。
【0034】
室温まで冷却した後、MOCVD装置より取り出した試料をHVPE装置にセットし、アンモニアを3l/min流しながら1100℃まで昇温し安定させる。温度が安定したらHClを100cc/min供給してGaN結晶(図1(B)の103)を500μm成長させる。次いで、アンモニアを流しながら室温まで冷却した後、試料を取り出す。サファイアが400μmと薄いことにより、冷却後の試料は表面に向かって球面状に反りを発生させていた(図1(B))。
【0035】
以上の工程により作製した試料を240℃に加熱した燐酸中で10分間処理することにより、下地層であるSi添加GaNが完全に選択エッチングされた(図1(C)の104)。その結果、HVPE法により高温で成長したGaN結晶と(0001)面サファイアを分離することができ、GaN基板を得ることができた(図1(D))。ここで図1(C)は熱燐酸中で下地層のエッチングが端面から進行する様子を模式的に示したものである。得られたGaN基板(図1(D)の105)にエッチピットやマイクロパイプは観察されなかった。得られた基板は下地層から拡散したSiによりn型の導電性を示した。
【0036】
実施例2
本実施例では、実施例1で作製したGaN基板、および通常のHVPE法にてサファイア上に成長して得たGaN基板をアンモニア雰囲気中で熱処理し、残留応力と歪みを緩和した例について図1、図7および図8を参照しながら説明する。
【0037】
実施例1にて作製したGaN基板を透過光式歪み計にて検査した結果を模式的に図7に示す。窒化物半導体は可視光に対して透過性であるため、内部の応力に応じた屈折率変化を利用して、応力の様子を可視化することができる。図7では、応力の等しい部分を結んで等高線状に表した。剥離直後の基板では、下地層に接していた裏面側の残留応力が0.19Paと高く、また、基板内部に等応力線が密集しており、機械的に非常に脆い状態であることがわかる。HVPEにてストライプマスク付きサファイア基板上に作製したGaN基板の場合も、同様の応力分布を示した。残留応力の大きさからわかるように、単に剥離した直後の基板は破損しやすく、僅かな衝撃で容易に粉砕し得る。しかし、以下に示すように、窒素原子および/または窒素分子を含む雰囲気中での熱処理により残留応力と歪みを除くことができ、後の機械的加工が容易となる。
【0038】
実施例1にて作製したGaN基板を純水で十分に洗浄した後、アニール炉にセットし、窒素およびアンモニアを供給しつつ1000℃に保ち2時間熱処理した。本実施例では、ガスの総供給量を5l/minとし、窒素とアンモニアの割合を0.5:0.5としたが、供給量を50cc/minから50l/minの間で変えても効果に顕著な差は見られなかった。また、窒素とアンモニアの比率を0:1から1:0とした場合でも顕著な差はみられなかった。
【0039】
窒素と水素の混合ガスを10l/min供給し、1050℃で2時間熱処理した場合でもなんら不都合はなく、同様に熱処理効果が確認できた。50cc/minから50l/minの総供給量で顕著な差は見られず、また、窒素と水素の比率は0.01:0.99から1:0の間で問題無く処理することができた。ただし、水素のみの場合は、供給量が50cc/minであっても窒素の脱離によるピットが多数発生し、熱処理時のガスとして不適である。
【0040】
ガス種を変えた実験から、熱処理時の雰囲気中に窒素原子および/または窒素分子が存在し、基板からの窒素脱離を防止するに十分な窒素分圧が存在することが重要であることがわかった。供給するガスは、窒素ガスの他、その分子構造中に窒素原子を含むガスであれば、熱分解によって窒素が放出されるため本発明の熱処理に用いることができる。熱処理時間は30分から24時間の間とすることができ、基板の厚さや歪みの程度によって任意に設定できる。また、処理温度は、InxGayAl1-(x+y)N混晶の形成時の温度を超え、基板の分解温度以下の範囲で任意に設定できる。一般的な傾向として、処理温度が高くなるほど必要とされる処理時間は短く、逆に低くなるほど長時間の処理が必要となる。熱処理終了後の基板(図1(E)の106)について、内部応力を測定した結果を模式的に図8に示す。熱処理前に比べて基板裏面の残留応力は1/10以下の0.01Paまで減少している。残留応力が0.01Pa以下であれば研削、研磨等の機械加工に対して十分な強度を示す。また、等応力線の密度およびその傾きから、基板全体にわたって残留応力が著しく減少していることがわかる。HVPEにてストライプマスク付きサファイア基板上に作製したGaN基板の場合も同様に、残留応力の低下が観測され、基板の作製方法によらず、窒素原子あるいは分子を含む雰囲気中での熱処理が応力低減に効果的であることを確認した。熱処理後、X線回折装置で測定したところ(0004)面からの回折ピーク半値幅は3.0arcminであり、MOCVD成長したGaN薄膜と同程度の品質であった。また透過電子顕微鏡(TEM)による断面観察より、貫通転位密度は、108cm-2と見積もられた。なお、得られた基板において、その表面は(0001)結晶面からなり、その裏面は(000−1)結晶面からなっていた。
【0041】
実施例3
本実施例では、実施例1および実施例2に従って作製したGaN基板上に下地層として低温でGaNを堆積し、再度その上にGaN結晶を成長させた。次いで、結晶を剥離させ、GaN基板を得た。以下、図2を参照しながら詳細に説明する。
【0042】
実施例1に説明した手順で得たGaN基板について、実施例2の手順で残留応力を低減させた。得られたGaN基板を純水洗浄した後、MOCVD装置にセットし(図2(A)の201)、550℃でMgを添加しつつ基板上にGaNを150nm堆積させ、下地層とする(図2(A)の202)。下地層の成長温度は300℃以上800℃以下であることが望ましく、300℃を下まわる温度では、原料の分解が不十分であるためピットが多数発生し、800℃を超えた場合には、単結晶化のため、選択エッチングが困難となる。また、下地層の厚さは、エッチングの進行を容易にし、かつベースとの固着を防止するため50nm以上であることが望ましく、昇温過程での微小クラックを防止するために2μm以下が望ましい。
【0043】
冷却後、基板を取り出し、次いでHVPE装置で下地層上に600μmの厚さのGaN結晶(図2(A)の203)を成長させる。実施例1と比べて、ベースがGaNであるために、熱膨張係数差に起因する歪みが大きく低減され(図2(A))、ベースの内部に残留する応力は0.001Pa程度であった。結晶成長に続いて、燐酸と硫酸を3対1の体積比で混合した溶液を220℃に加熱し、下地層のみ選択的にエッチング除去する(図2(B)の204)。ここで、図2(B)は下地層の端面から選択的にエッチングが進行する様子を模式的に示している。このようにして得られたGaN基板は、実施例1に記述した基板に比べて歪みや残留応力が格段に低減されているが、アンモニア雰囲気にて熱処理することによりさらに残留応力が低減される(図2(C)の205)。アンモニア雰囲気中での熱処理は1000℃で1時間実施した。ここで、熱処理時に使用するガスは、分子構造中に窒素を含むものであれば他のガスを使用することができる。熱処理後、基板内部に残留する応力は、10-5Pa以下であった。こうして得られたGaN基板の表面および裏面を研磨してエピタキシャル成長用の基板に加工し、断面TEM観察したところ、貫通転位密度は、104cm-2と見積もられた。また、2結晶X線回折装置で測定したところ(0002)面からの回折ピーク半値幅は0.5arcminであり、MOCVD成長したGaN薄膜に比べて大幅に結晶性が向上していることを確認した。得られたGaN基板上に低温で下地層を成長した後、その上に窒化物半導体結晶を高温で成長する工程、および下地層をエッチングして窒化物半導体基板を得る工程により貫通転位が大幅に低減されることがわかる。
【0044】
実施例4
本実施例では、上述したGaN基板作製過程を複数回繰り返した場合の基板品質の向上について記述する。
【0045】
まず、実施例1および2に従ってGaN基板を作製した(1回目)。次いで、得られたGaN基板(図2(A)の201)上に、下地層(図2(A)の202)を成長させ、次いで下地層上に高温で窒化物半導体結晶(図2(A)の203)を成長させた。エッチングによる下地層の除去(図2(B)の204)の後、得られた基板をアンモニア雰囲気中、1000℃で2時間、熱処理してGaN基板を得た(2回目)。このように、ベース上への下地層の形成〜アンモニア雰囲気中での熱処理の一連の工程を1回〜5回行った。
【0046】
それぞれ回において得られた基板の貫通転位密度と、(0004)面からの2結晶X線回折半値幅を、一連の工程の回数に対してプロットした結果を図9に示す。1回目の工程のみベースとしてサファイア(0001)面結晶を用いたが、2回目以降は、その前に得られたGaN基板をベースとしている。また、下地層はMOCVD法でMgを添加しつつ形成し、厚さを100nmに統一した。下地層は、燐酸と硫酸の混合液を200℃に加熱し、30分間エッチングして除去した。図中、黒丸は転位密度を、白丸はX線回折半値幅を示す。工程を繰り返すに従って、転位密度、X線回折半値幅共に減少していることがわかる。特に1回目から2回目の変化が大きく、2回目以降も品質の向上が見られるものの、変化の度合は小さくなっている。これは、ベースが、1回目ではサファイアであり、2回目以降GaNになるためである。2回目で既に、転位密度が104cm-2オーダーに、X線回折半値幅は30arcsecを下まわるまでになっており、例えば、この基板上にレーザー素子を作製した場合、素子に含まれる転位は1個以下となり、その電気特性や寿命が大幅に改善できる。
【0047】
本実施例では、下地層としてGaNを用いたが、InxGayAl1-(x+y)Nで示される混晶を用いてもよい。混晶の組成による差異は、組成に応じたエッチレートのみである。また、下地層の成長方法として、MOCVD法以外にHVPE法あるいはMBE法を適用できる。
【0048】
実施例5
本実施例では、実施例1と同様の方法で作製したGaN基板上の発光ダイオードおよびレーザー素子の特性について記述する。
【0049】
実施例1にて説明した方法で作製したGaN基板を用いて、図10に示すレーザー素子を作製した。素子は、n型GaN基板(1001)上に、n型GaN層(1002)、InGaN多重量子井戸活性層(1005)からの光を閉じ込めるためのn型AlGaNクラッド層(1003)、活性層近傍に光を分布させるためのn型GaN光ガイド層(1004)、InGaN多重量子井戸活性層(1005)、素子構造作製過程で活性層の昇華防止およびp型層からの不純物拡散を防止するためのAlGaNブロック層(1006)、p型GaN光ガイド層(1007)、p型AlGaNクラッド層(1008)、p型GaN層(1009)、p型GaNコンタクト層(1010)が順に積層された構造を有する。最表面のp型GaN層は横方向への光閉じ込めのためリッジ状に加工され、リッジ部にp型電極(1011)が形成されている。n型電極(1012)は基板(1001)裏面に設けられる。
【0050】
素子構造の作製手順において、まず、GaN基板(1001)を洗浄して、MOCVD装置内に設置する。基板は、アンモニア雰囲気中で加熱し1050℃で安定させる。その後、TMGを約50μmol/minで、SiH4ガスを約10nmol/minで供給して、n型GaN層(1002)を約4μm成長させる。つづいて、TMAを10μmol/min供給し、0.5μmのn型Al0.15Ga0.85Nクラッド層(1003)を成長させる。つぎに、TMAの供給を停止し、約0.1μmのn型GaN光ガイド層(1004)を成長させる。その後、SiH4とTMGの供給を停止し、基板の温度を850℃〜800℃程度まで低下させる。ここで、活性層の成長温度は素子の発光波長を決定するパラメータの一つであり、低温で発光波長が長くなる傾向を示す。前記の基板温度は、紫〜緑の発光素子を作製するための温度であり、必要な波長帯に応じて基板温度を変えることができる。温度の安定後、TMGを10μmol/min、TMIを10μmol/min供給し、活性層(1005)を形成するIn0.05Ga0.95N障壁層を約5nmの厚さに成長させる。その際、SiH4を10nmol/min程度流しても良い。つづいてTMGを10μmol/min、TMIを50μmol/min供給し、In0.2Ga0.8Nからなる井戸層を約3nmの厚さになるように成長させる。障壁層と井戸層の成長工程を繰り返し、必要な周期の多重量子井戸を成長させた後、最後に障壁層を成長させて活性層(1005)の成長を終了する。通常、井戸層の層数は2層から5層にするのが最も発光効率の良い素子ができることがわかっている。また、活性層を構成している窒素原子のかわりにAs、P、Sbがそれぞれ10%未満含まれていても良い。活性層成長後、InGaN膜の昇華および活性層上のp型層からのp型ドーパント拡散を防止するために、TMGを10μmol/min、TMAを5μmol/min、およびCp2Mgを供給し、約30nmの厚さのAlGaNブロック層(1006)を成長させ、TGM、TMA、Cp2Mgの供給を停止して再び1050℃に昇温する。温度を安定させてTMGを50μmol/min供給し、さらにCp2Mgを供給して、p型のGaNよりなる光ガイド層(1007)を0.1μm成長させる。つぎに、TMAを10μmol/min供給し、0.5μmのp型Al0.15Ga0.85Nクラッド層(1008)を成長させる。つづいて、TMAの供給を停止し、p型のGaN層(1009)を約4μm成長させる。最後に、Cp2Mgを2倍量供給してp型GaNコンタクト層(1010)を0.5μm成長させる。全工程終了後、TMGとCp2Mgの供給を停止して基板加熱を終了する。室温まで冷却した後、基板を取り出し、裏面を研磨した後、RIEを使用してリッジ状にエッチングを行い、リッジ部分にp型電極(1011)を、裏面にn型電極(1012)をそれぞれ蒸着する。また、光共振器端面は基板を劈開することで形成する。なお、発光ダイオードを作製する場合には、上記過程から、n型クラッド層、p型クラッド層および光ガイド層を成長させる工程、ならびにリッジ形成工程を無くせばよい。また、発光ダイオードは劈開による端面が不要なため、p型電極側またはn型電極側から光を透過させて使用する。
【0051】
発光ダイオードに電極を形成して得た素子の試料に20mAの電流を流した場合の発光強度は、サファイア基板上に作製した同一構造の素子に比べて8倍に向上した。本発明により、発光に寄与しない電流経路が減少するため、従来技術で作製した場合に比べてより低い駆動電流で同等以上の発光強度が得られた。
【0052】
レーザを作製した場合、サファイア上の素子に比べて同一電流での発光強度が高く、発光強度に応じて発振を開始するしきい値電流密度が低くなる傾向を示し、発振閾値電圧も低下した。特に、閾値電圧について、下地層から厚膜層へ拡散する不純物の濃度による変化が見られ、下地層にアクセプタとなる不純物を添加した場合にその傾向が顕著であった。下地層からの不純物拡散は、例えばMgのように窒化物系化合物半導体においてアクセプタとなる不純物は、高温成長厚膜との界面近傍に拡散して局所的に濃度の高い領域を形成する。この様子を見るために、下地層に添加する不純物を変えて、実施例1と同様の方法で作製したGaN基板について、その裏面からFIB(収束イオンビーム)によるエッチングとSIMS(二次イオン質量分析)を繰り返して、基板裏面からの深さと、その位置における不純物濃度を測定した結果を図11に示す。図中、黒丸はZnを、白丸はMgを、黒三角はSiを、白三角はCを示し、それぞれ、下地層に不純物として添加した元素である。Mgあるいは本実施例の最初に示したSiに限らず、任意の第2族、第4族および第6族元素を添加して低温で下地層を成長することが可能であり、いずれの場合でも、高温成長層との界面近傍に添加元素が拡散して濃度の高い領域を形成することがわかる。特に、Mgに代表されるアクセプタ不純物の場合には、拡散によって形成された高濃度p型領域を利用してコンタクト抵抗の低いp型電極を容易に形成できる。
【0053】
本実施例では、活性層の井戸層の層数が3層であるが、2層および4層から10層までの多重量子井戸についての効果は本実施例と同様であった。
【0054】
実施例6
本実施例では、実施例1および実施例2に記述した方法を用いて、下地層にMgを添加して作製したGaN基板上のレーザー素子について説明する。
【0055】
レーザー素子は、図12に示すごとく、p型GaN基板(1201)上に、4μmのp型GaN層(1202)、活性層からの光を素子の厚さ方向に閉じ込めるためのp型AlGaNクラッド層(1203)、活性層近傍に光を伝搬させるp型GaN光ガイド層(1204)を積層し、その上に活性層へのp型ドーパント拡散を防止するためのAlGaNブロック層(1205)を介してInGaNからなる多重量子井戸活性層(1206)を形成した構造を有する。p型光ガイド層およびp型クラッド層と対になるn型GaN光ガイド層(1208)およびn型AlGaNクラッド層(1209)は、多重量子井戸活性層(1206)の昇華防止層(1207)を介して順に積層されている。最表面のn型GaN層(1210)は横方向に光を閉じ込めるために、エッチングによりリッジ状に加工し、共振器は劈開によって作製している。n型電極(1211)はリッジ部に、p型電極(1212)は基板裏面に位置する。なお、基板はなんら熱処理を加えない状態でp型電導を示した。
【0056】
このレーザー素子について、基板裏面のMg濃度に対して閾値電圧をプロットした結果を図13に示す。基板裏面のMg濃度が1018cm-3から1020cm-3程度に増加するに従って、閾値電圧は一様に低下しており、およそ1020cm-3付近のMg濃度で最低値である4Vを示した。Mg濃度がさらに増加すると、閾値電圧は逆に上昇するが、これは、限界を超えて母体結晶に拡散したMgが結晶品質を低下させる原因となっており、特に過剰なMgを起源として新たな貫通転位が発生しているためと考えられる。この傾向は不純物として添加する他の第2族、第4族および第6族元素の種類によらず同じであり、これら元素群から任意の2種類以上を同時に添加する場合でも同じであった。
【0057】
本実施例では、活性層の井戸層の層数が3層であるが、2層および4層から10層までの多重量子井戸についての効果は本実施例と同様であった。
【0058】
実施例7
本実施例では、実施例3に説明した方法で作成したGaN基板上の発光ダイオードの特性について記述する。
【0059】
実施例3に示した方法で作製したn型GaN基板上に実施例5と同様の方法で発光ダイオードを作製した。この素子に20mAの電流を流した場合の発光強度は、サファイア基板上に作製した同一構造の素子に比べて50倍に向上した。本発明により作製したGaN基板を用いることにより、発光に寄与しない電流経路が減少するため、従来技術で作製した場合に比べてより低い駆動電流で同等以上の発光強度が得られた。本実施例では、活性層の井戸層の層数が3層であるが、2層および4層から10層までの多重量子井戸についての効果は本実施例と同様であった。
【0060】
実施例8
本実施例では、実施例4に説明した方法で作製した基板上の発光ダイオードについて記述する。
【0061】
実施例4に示した方法で作製したGaN基板上と、比較のためにサファイア(0001)面基板上とに、それぞれ、実施例5と同様の方法で同一構造の発光ダイオードを作製した。これらの素子に20mAの電流を流したときの発光強度の変化を図14に示す。図中、黒丸はGaN基板上の結果であり、破線はサファイア基板上の素子の発光強度を示している。サファイア基板と比較して、GaN基板上では50倍明るい素子が得られており、さらに基板作製工程を繰り返すことにより、発光強度が増大し、その増加度合は、1回目から2回目の間が最も大きい。
【0062】
本実施例では、活性層の井戸層の層数が3層であるが、2層および4層から10層までの多重量子井戸についての効果は本実施例と同様であった。
【0063】
実施例9
本実施例では、実施例4に説明した方法で作製した基板上のレーザー素子について記述する。
【0064】
実施例4に示した方法で作製したGaN基板上と、比較のためにサファイア(0001)面基板上とに、それぞれ、実施例5と同様の方法で同一構造のレーザー素子を作製した。
【0065】
図15は、それぞれの基板上に作製したレーザー素子の発振閾値電圧をプロットしたものである。比較のために、サファイア上に同一構造のレーザーを作製し、測定した閾値電圧を破線で示す。基板の品質向上に対応するように、基板作製工程を反復するに従って閾値電圧が低下しており、1回目から2回目の間で、変化の度合が最も大きい結果が得られており、5V以下の閾値となっている。
【0066】
図16にそれぞれの基板上に作製したレーザー素子について、常温下で光出力一定の条件にて寿命試験を実施した結果を示す。比較のため、サファイア基板上の素子について同様の試験を行い破線で示した。試験時間は10000時間である。本発明により作製した基板上に作製した素子では、サファイア基板上の素子に比べて同一出力を得るための駆動電流が1/3以下に低下しており、転位の減少による無効電流の大幅な減少が伺える。また、駆動電流は基板作製工程を反復するほどに低下しており、特に1回目から2回目の減少度合が大きい。サファイア上では駆動電流の増加が大きく、10000時間後では50%以上増加しているのに対して、本発明によるGaN基板上では、最も劣化度合が大きい場合でも数%以下の電流増加に止まっている。
【0067】
本実施例では、活性層の井戸層の層数が3層であるが、2層および4層から10層までの多重量子井戸についての効果は本実施例と同様であつた。
【0068】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、貫通転位に代表される欠陥を大幅に低減した窒化物系化合物半導体基板を得ることができる。本発明により品質の向上した基板は、その上に形成させる発光素子等の素子の特性を大幅に向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 窒化物系化合物半導体基板を作製する手順を示した図である。
【図2】 窒化物系化合物半導体基板を作製する他の手順を示した図である。
【図3】 実施例で使用した結晶成長装置の概略図である。
【図4】 実施例で使用した他の結晶成長装置の概略図である。
【図5】 下地層中の不純物濃度に対するエッチングレートを示す図である。
【図6】 下地層の成長温度とエッチングレートとの関係を示す図である。
【図7】 GaN基板内部の残留応力分布を示す模式図である。
【図8】 熱処理後のGaN基板内部の残留応力分布を示す模式図である。
【図9】 基板作製工程の繰り返し回数と、得られた基板の転位密度および(0004)面からの2結晶X線回折半値幅との関係を示す図である。
【図10】 n型基板上に作製した発光素子の構造を示す図である。
【図11】 不純物を添加した下地層上に成長させた後、剥離された窒化物半導体基板の裏面からの不純物濃度を示した図である。
【図12】 p型基板上に作製した発光素子の構造を示す図である。
【図13】 基板裏面の不純物濃度と、該基板上に作製したレーザー素子の発振閾値電圧との関係を示す図である。
【図14】 基板作製工程の繰り返し回数とそれぞれの基板上に作製した発光ダイオードの発光強度との関係を示す図である。
【図15】 基板作製工程の繰り返し回数とそれぞれの基板上に作製したレーザー素子の発振閾値電圧との関係を示す図である。
【図16】 基板作製繰り返し回数を変えて作製した基板上のレーザー素子の経時劣化を示す図である。
【符号の説明】
101 ベース,102 下地層,103 高温成長層,104 エッチングによる下地層の除去,105 ベースから分離したGaN基板,106 熱処理により歪みを緩和したGaN基板,201 ベース,202 下地層,203 高温成長層,204 エッチングによる下地層の除去,205 GaN基板,301 基板,302 カーボン製サセプタ,303 石英製反応管,304 原料入り口,305 排気口,306 SiH4,307 NH3,308 HCl,309 Ga,310 マスフローコントローラ,401 基板,402 カーボン製サセプタ,403 石英製反応管,404 原料入り口,405 排気口,406 NH3,407a TMG,407b TMA,407c TMI,407d Cp2Mg,408 マスフローコントローラ,409 SiH4,1001 n型GaN基板,1002 n型GaN層,1003 n型Al0.15Ga0.85Nクラッド層,1004 n型GaN光ガイド層,1005 InGaN多重量子井戸活性層,1006 AlGaNブロック層,1007 p型GaN光ガイド層,1008 p型Al0.15Ga0.85Nクラッド層,1009 p型GaN層,1010 p型GaNコンタクト層,1011 p型電極,1012 n型電極,1201 p型GaN基板,1202 p型GaN層,1203 p型Al0.15Ga0.85Nクラッド層,1204 p型GaN光ガイド層,1205 AlGaNブロック層,1206 InGaN多重量子井戸活性層,1207 AlGaN昇華防止層,1208 n型GaN光ガイド層,1209 n型Al0.15Ga0.85Nクラッド層,1210 n型GaNコンタクト層,1211 n型電極,1212 p型電極。

Claims (10)

  1. 六方晶系窒化物結晶からなる半導体基板であって、
    {0001}結晶面からなる表面、および{000−1}結晶面からなる裏面を有し、
    周期律表における第2族元素、第4族元素および第6族元素よりなる群から選ばれた1種または2種以上の元素を不純物として含み、
    前記不純物の濃度は、前記表面側より前記裏面側において高く、
    前記不純物が1種の元素からなる場合、当該元素の前記裏面側からの深さが50μm以内における濃度は1014cm-3以上1022cm-3以下であり、
    前記不純物が2種以上の元素からなる場合、それら合計の前記裏面側からの深さが50μm以内における濃度が1014cm-3以上1022cm-3以下であり、
    かつ、
    内部に残留する応力が0.01Pa以下であることを特徴とする、窒化物系化合物半導体基板。
  2. 窒化物系化合物半導体の結晶をエピタキシャル成長させることができる結晶基材上に、不純物を添加した窒化物系化合物半導体からなる下地層を第1の温度において堆積させる工程、
    前記下地層上に、第2の温度において窒化物系化合物半導体の結晶を形成する工程、および
    前記下地層をエッチングにより除去して、前記窒化物系化合物半導体の結晶を基板として分離する工程を含み、
    前記第2の温度は、前記窒化物系化合物半導体の結晶が十分に成長する温度である一方、前記第1の温度は、300℃以上800℃以下であり、かつ前記第2の温度より低い温度であり、
    前記不純物は、周期律表における第2族元素、第4族元素および第6族元素よりなる群から選ばれた1種または2種以上の元素であり、
    前記不純物が1種の元素からなる場合、添加された元素の濃度は10 14 cm -3 以上10 22 cm -3 以下であり、
    前記不純物が2種以上の元素からなる場合、添加された元素を合計した濃度が10 14 cm -3 以上10 22 cm -3 以下であることを特徴とする、窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
  3. 請求項2に記載の製造方法により得られた窒化物系化合物半導体基板を、窒素原子および/または窒素分子を含む雰囲気中で熱処理し、前記基板内部の残留応力を0.01Pa以下に低減させることを特徴とする、請求項2に記載の窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
  4. 窒化物系化合物半導体の結晶からなる基板上に、不純物を添加した窒化物系化合物半導体からなる下地層を第1の温度において堆積させる第1工程、
    前記下地層上に第2の温度において窒化物系化合物半導体の結晶を形成する第2工程、
    前記下地層をエッチングにより除去して前記窒化物系化合物半導体の結晶を基板として分離する第3の工程、および
    基板として分離された前記結晶を、窒素原子および/または窒素分子を含む雰囲気中で熱処理する第4工程を含み、
    前記第2の温度は、前記窒化物系化合物半導体の結晶が十分に成長する温度である一方、前記第1の温度は、300℃以上800℃以下であり、かつ前記第2の温度より低い温度であり、
    前記不純物は、周期律表における第2族元素、第4族元素および第6族元素よりなる群から選ばれた1種または2種以上の元素であり、
    前記不純物が1種の元素からなる場合、添加された元素の濃度は10 14 cm -3 以上10 22 cm -3 以下であり、
    前記不純物が2種以上の元素からなる場合、添加された元素を合計した濃度が10 14 cm -3 以上10 22 cm -3 以下であることを特徴とする、窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
  5. 前記基板は、請求項2または3に記載の製造方法により得られた基板であることを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記第1工程、前記第2工程、前記第3工程および前記第4工程を含む一連の過程を複数回繰り返すことを特徴とする、請求項4または5に記載の製造方法。
  7. 前記窒化物系化合物半導体が、窒化ガリウム系化合物半導体であり、かつ前記下地層が、不純物添加された窒化ガリウム系化合物半導体からなることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記下地層が、不純物添加されたGaNまたはInxGayAl1-(x+y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)からなることを特徴とする、請求項2〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記下地層の厚さが、50nm以上2μm以下であることを特徴とする、請求項2〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 請求項1に記載の窒化物系化合物半導体基板上に作製された素子。
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