JP2009062229A - Iii族窒化物結晶およびその成長方法 - Google Patents

Iii族窒化物結晶およびその成長方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液相法において大型で転位密度の低い結晶を成長させることができるIII族窒化物結晶の成長方法を提供する。
【解決手段】本III族窒化物結晶の成長方法は、基板1を準備する工程を備え、基板1は一主面側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有しかつ平坦な主面1mを有するIII族窒化物種結晶1aを含み、基板1の主面1mにIII族金属とアルカリ金属とVI族元素含有物を含む溶媒3に窒素含有ガスを溶解させた溶液を接触させて、主面1m上にIII族窒化物結晶10を成長させる工程をさらに備え、III族窒化物結晶10の結晶成長面10gは複数のマクロステップ10gp,10gqを含み、各マクロステップはステップ面10gsとテラス面10gsを有し、テラス面が平坦な状態でIII族窒化物結晶を成長させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、液相法によるIII族窒化物結晶の成長方法およびその成長方法により得られるIII族窒化物結晶に関する。
III族窒化物結晶は、各種半導体デバイスの基板などに広く用いられている。近年、各種半導体デバイスを効率的に製造するために、大型で転位密度の低いIII族窒化物結晶が求められている。
III族窒化物結晶を成長させる方法としては、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法などの気相法、高圧溶液法、フラックス法などの液相法などがある。ここで、液相法は、気相法に比べて、その結晶成長において有毒なガスを使用しないため環境保護の面で優れている。
かかる液相法においてIII族窒化物結晶を成長させる方法として、たとえばH. Yamane, 他3名,“Preparation of GaN Single Crystals Using a Na Flux”, Chem. Mater., Vol.9, No.2, (1997), p.413-416(非特許文献1)はNaフラックス法によるGaN結晶の成長方法を開示する。また、特開2003−206198号公報(特許文献1)はNaフラックス法により板状のIII族窒化物種結晶を用いたGaN結晶の成長方法を開示する。また、国際公開WO2004/013385号パンフレット(特許文献2)は、n型のGaN結晶を成長させるためにn型ドーパントであるSi原子またはO原子を溶媒に添加するGaN結晶の成長方法を開示する。
しかし、非特許文献1に開示された成長方法は、800℃で10MPaと比較的実施しやすい結晶成長条件であるが、種結晶を用いていないため大型の結晶を成長させることが困難である。また、特許文献1に開示された成長方法は、板状の種結晶が用いられているが、種結晶上に転位を増殖させることなくGaN結晶を成長させる方法については記載がない。また、特許文献2に開示された成長方法は、VI族元素の添加によるGaN結晶の成長に及ぼす影響については全く記載がない。
特開2003−206198号公報 国際公開WO2004/013385号パンフレット H. Yamane, 他3名,"Preparation of GaN Single Crystals Usinga Na Flux", Chem. Mater., Vol.9, No.2, (1997), p.413-416
また、フラックス法などの液相法により大型の基板上にIII族窒化物結晶を成長させると、結晶の成長表面に複数のマクロステップが形成される。ここで、各マクロステップは、結晶の成長方向に平行もしくはやや傾いたステップ面と結晶の成長方向にほぼ垂直なテラス面を有しており、このテラス面は、一般に、窪みおよび/または突起が形成され平坦ではない。このため、結晶成長の際に、転位が増殖してIII族窒化物結晶の転位密度が基板の転位密度に比べて高くなるという問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決して、液相法において大型で転位密度の低い結晶を成長させることができるIII族窒化物結晶の成長方法を提供することを目的とする。
本発明は、液相法によるIII族窒化物結晶の成長方法であって、基板を準備する工程を備え、基板は、一主面側にIII族窒化物結晶と同じ化学組成を有しかつ平坦な主面を有するIII族窒化物種結晶を含み、基板の主面にIII族金属とアルカリ金属とVI族元素含有物を含む溶媒に窒素含有ガスを溶解させた溶液を接触させて、主面上にIII族窒化物結晶を成長させる工程をさらに備え、III族窒化物結晶の結晶成長面は複数のマクロステップを含み、各マクロステップはステップ面とテラス面を有し、テラス面が平坦な状態でIII族窒化物結晶を成長させるIII族窒化物結晶の成長方法である。
本発明にかかるIII族窒化物結晶の成長方法において、テラス面において任意に特定される一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さRaを0.1μm以下とすることができる。また、主面を(0001)面とすることができる。また、VI族元素含有物をVI族元素とIII族金属およびアルカリ金属の少なくともいずれかとの化合物とすることができる。また、アルカリ金属をナトリウムおよびリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含む金属とすることができる。また、III族窒化物結晶をGaN結晶とすることができる。また、III族窒化物結晶の転位密度の値を基板の転位密度の値以下とすることができる。
また、本発明は、上記いずれかの成長方法により得られるIII族窒化物結晶である。
本発明によれば、液相法において大型で転位密度の低い結晶を成長させることができるIII族窒化物結晶の成長方法が提供される。
(実施形態1)
本発明にかかるIII族窒化物結晶の成長方法の一実施形態は、図1〜図3を参照して、液相法によるIII族窒化物結晶10の成長方法であって、基板1を準備する工程を備える。基板1は、一主面側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有しかつ平坦な主面1mを有するIII族窒化物種結晶1aを含む。基板1の主面1mに、III族金属とアルカリ金属とVI族元素含有物を含む溶媒3に窒素含有ガス5を溶解させた溶液を接触させて、主面1m上にIII族窒化物結晶10を成長させる工程をさらに備える。III族窒化物結晶10の結晶成長面10a,10b,10gは複数のマクロステップ10ap,10aq,10bp,10bq,10gp,10gqを含み、各マクロステップ10ap,10aq,10bp,10bq,10gp,10gqはステップ面10as,10bs,10gsとテラス面10at,10bt,10gtを有し、テラス面10at,10bt,10gtが平坦な状態でIII族窒化物結晶10を成長させる。
本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法は、溶媒3におけるVI族元素の含有量(たとえば、溶媒3中のアルカリ金属原子MAに対するVI族元素原子EVIのモル比EVI/MA)を所定範囲内に調整することにより、テラス面10at,10bt,10gtが平坦な状態でIII族窒化物結晶10を成長させることができ、結晶成長の際に転位を増殖させることがなく、転位密度の低いIII族窒化物結晶10を成長させることができる。
ここで、結晶成長面10a,10b,10gとは、結晶が成長する際の成長面をいい、結晶成長中の結晶成長面10a,10bおよび結晶成長後の結晶成長面10gを含む。また、マクロステップ10ap,10aq,10bp,10bq,10gp,10gqとは、フラックス法などの液相法により結晶成長させる際に結晶成長面10a,10b,10gに形成される段差を意味する。各マクロステップ10ap,10aq,10bp,10bq,10gp,10gqは、結晶の成長方向に平行もしくはやや傾いたステップ面10as,10bs,10gsと、結晶の成長方向にほぼ垂直なテラス面10at,10bt,10gtを有している。ステップ面の幅(すなわち、ステップの段差)は0.1μm〜10μm程度であり、テラス面の幅は10μm〜1000μm程度である。したがって、マクロステップは、原子レベルのステップに比べて大きなステップであり、光学顕微鏡により観察ができる。
成長させるIII族窒化物結晶のテラス面10at,10bt,10gtを平坦にするのに適正なVI族元素原子の溶媒3における含有量の範囲(適正範囲)は、結晶成長温度、結晶成長圧力、溶媒中におけるIII族金属原子とアルカリ金属原子とのモル比などによって変動し、必ずしも一定ではない。しかし、任意に特定される各結晶成長温度、結晶成長圧力およびIII族金属原子とアルカリ金属原子とのモル比において、溶媒3中のVI族元素原子の含有量の適正範囲が存在する。
上記適正範囲より溶媒3中のVI族元素原子の含有量が少ないと、成長させるIII族窒化物結晶のテラス面に多角錐状の窪みが複数形成される。これらの多角錐状の窪みは、平均直径が1μm以上100μm以下程度であり、深さが0.1μm以上10μm以下程度である。また、上記適正範囲より溶媒3中のVI族元素原子の含有量が多いと、成長させるIII族窒化物結晶の結晶成長面の多角柱状の突起が複数形成される。これらの多角柱状の突起は、平均直径が10μm以上100μm以下程度であり、深さが10μm以上100μm以下程度である。ここで、平均直径とは中心を通る最大幅と最小幅との平均をいう。また、多角錐または多角柱の形状には、特に制限はないが、III族窒化物結晶が六方晶系であることから、六角錐または六角柱の形状が現われやすい。
ここで、III族窒化物結晶を結晶成長面が平坦な状態で成長させるために適正なVI族元素原子の溶媒3中の含有量は極めて微量である。このため、溶媒3へのVI族元素原子の添加は、意図せずに溶媒3に混入するVI族元素原子(たとえば、O(酸素)原子、S(硫黄)原子など。特に、大気に由来するO原子が混入しやすい。)を極力抑制し、意図的かつ定量的に微量のVI族元素原子を添加する必要がある。
本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法において、テラス面10at,10bt,10gtの平坦性は、テラス面10at,10bt,10gtにおいて任意に特定される一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さRaによって表すことができる。かかるテラス面の一辺が100μmの正方形領域内の平均粗さRaは、特に制限はないが、テラス面の平坦性を高めIII族窒化物結晶の転位密度を低く抑える観点から、0.1μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましい。ここで、テラス面の平均粗さRaは、JIS B 0601に規定する算術平均粗さRaをいい、具体的には、粗さ曲面からその平均面の方向に一辺が100μmの正方形領域の面積だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均面から粗さ曲面までの距離(偏差)の絶対値を合計し上記正方形領域の面積で平均した値をいう。また、平均粗さRaは、段差計などを用いて測定することができる。
液相法におけるIII族窒化物結晶の成長においては、一般に、結晶成長とともにテラス面の平坦性が失われる。すなわち、一般的に、結晶成長中のテラス面10at,10btの平均粗さRaは、結晶成長後のテラス面10gtの平均粗さRaに比べて小さい。したがって、テラス面10at,10bt,10gtの平均粗さRaは、結晶成長後のテラス面10gtの平均粗さRa以下と評価することができる。
本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法に用いられる成長装置は、たとえば、図1および図2を参照して、外容器29と、外容器29の内部に配置された断熱材27と、断熱材27の内部に配置されたヒータ25と、ヒータ25の内側に配置された内容器21とを備える。この内容器21内には、その中でIII族窒化物結晶10を成長させるための結晶成長容器23が配置されている。また、結晶成長容器23の開口部上には、溶媒3中のVI族元素原子の蒸散を抑制するための蓋24を設けることができる。
ここで、結晶成長容器23および蓋24の材料は、溶媒3および窒素含有ガス5と反応せず、機械的強度および耐熱性が高く、VI族元素原子の溶出による溶媒3への混入がないもの、たとえばpBN(熱分解窒化ホウ素)、Ta(タンタル)、W(タングステン)などが用いられる。したがって、VI族元素である酸素を含有するAl23(アルミナ)、Y23(イットリア)などの焼結体製の結晶成長容器は好ましくない。
また、内容器21の材料は、機械的強度および耐熱性の高いものであれば特に制限はないが、ステンレス、耐熱鋼などが好ましい。また、外容器29の材料は、機械的強度および耐熱性の高いものであれば特に制限はないが、ステンレスなどが好ましい。また、断熱材27の材料は、機械的強度、耐熱性および断熱性の高いものであれば特に制限はないが、ウール状のグラファイトなどが好ましい。
また、本実施形態で用いられる成長装置は、第1の配管41によって内容器21に繋がれている窒素含有ガス供給装置31と、第2の配管43によって外容器29に繋がれている加圧用ガス供給装置33と、第3の配管45によって外容器29に繋がれている真空排気装置35とを備える。ここで、第1の配管41には、窒素含有ガス5の供給流量を調節するためのバルブ41vが設けられ、バルブ41vより内容器21側の部分41aには第1の圧力計41pが設けられている。また、第2の配管43には、加圧用ガス7の供給流量を調節するためのバルブ43vが設けられ、バルブ43vより外容器29側の部分43aには第2の圧力計43pが設けられている。また、第3の配管45には、排気流量を調節するためのバルブ45vが設けられている。
さらに、第1の配管41のバルブ41vより内容器21側の部分41aと第3の配管45のバルブ45vより外容器29側の部分45aとを繋ぐ第4の配管47が設けられている。この第4の配管47にはバルブ47vが設けられている。なお、図1には、参考のため、第1の配管41のバルブ41vより窒素含有ガス供給装置31側の部分41b、第2の配管43のバルブ43vより加圧用ガス供給装置33側の部分43b、第3の配管45のバルブ45vより真空排気装置35側の部分45bも図示した。
本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法は、図1〜図3を参照して、まず、基板1を準備する工程(基板の準備工程)を備える。
本実施形態において準備される基板1は、一主面側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有しかつ平坦な主面1mを有するIII族窒化物種結晶1aを含む。かかる基板1は、その平坦な主面1m上にIII族窒化物結晶10をホモエピタキシャル成長させることができる。ここで、平坦な主面1mは、その主面を研削、研磨およびエッチングなどの平坦化方法から選ばれる少なくとも1つの方法により得られる。
基板1の主面1mの平坦性は、主面1mにおいて任意に特定される一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さRaによって表すことができる。かかる主面1mの一辺が100μmの正方形領域内の平均粗さRaは、特に制限はないが、その主面上にエピタキシャル成長させるIII族窒化物結晶の転位密度を低く抑える観点から、0.01μm以下であることが好ましく、0.001μm以下であることがより好ましい。
ここで、基板1としては、一主面側に成長させるIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有しかつ平坦な主面1mを有するIII族窒化物種結晶1aを含むものであれば特に制限はなく、たとえば、下地基板1b上にIII族窒化物種結晶1aが形成されているテンプレート基板、全体がIII族窒化物種結晶1aで形成されている自立基板などが挙げられる。たとえば、III族窒化物結晶10としてAlxGayIn1-x-yN結晶(0≦x、0≦y、x+y≦1)をホモエピタキシャル成長させる場合には、基板1のIII族窒化物種結晶1aとしてAlxGayIn1-x-yN種結晶(0≦x、0≦y、x+y≦1)を用いる。
また、基板1の主面1mの面方位は、特に制限はないが、VI族元素の添加によるIII族窒化物結晶10のテラス面10at,10bt,10gtの平坦化効果が大きくなる観点から、(0001)面であることが好ましい。かかる(0001)面は、III族窒化物種結晶1aの(0001)面であり、III族元素原子面である。
また、基板1の主面1mにおける転位密度は、特に制限はないが、主面上にエピタキシャル成長させるIII族窒化物結晶10の結晶成長面10gの転位密度を低減させる観点から低い方が好ましい。具体的には、基板1の主面1mにおける転位密度は、5×106cm-2以下であることが好ましく、5×105cm-2以下であることがより好ましい。
本実施形態において、基板1の主面1mおよびIII族窒化物結晶10の成長後の結晶成長面10gを基板1の主面1mに平行となるよう平坦化した主面10mにおける転位密度の算出は、CL(カソードルミネッセンス)法による暗点密度を測定することにより行なうことができる。
また、基板1としては、成長させるIII族窒化物結晶10と化学組成が同じIII族窒化物種結晶1aを主面1m側に有するものであれば特に制限はなく、下地基板1b上にIII族窒化物種結晶1aが形成されているテンプレート基板、全体がIII族窒化物種結晶1aで形成されている自立基板などが挙げられる。
また、基板1の主面1mの面積は、特に制限はないが、1cm2以上であることが好ましく、10cm2以上であることがより好ましい。本実施形態の成長方法による結晶成長においては、主面の面積が大きい基板を用いることにより、面積が大きく結晶成長面10gおよび結晶成長面が平坦化された主面10mの転位密度が低いIII族窒化物結晶が得られる。
本実施形態で準備される基板1は、一主面側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有しかつ平坦な主面1mを有するIII族窒化物種結晶1aを含むものであれば特に制限はない。また、基板1のIII族窒化物種結晶1aは、HVPE法、MOCVD法などの気相法、溶液法、フラックス法などの液相法など、どのような方法によって成長されたものであってもよい。
すなわち、基板の準備工程とは、どのようにして形成された基板であっても、液相法によりIII族窒化物結晶10を成長させるための基板として、一主面側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有しかつ平坦な主面1mを有するIII族窒化物種結晶1aを含む基板1を選択する点に意義がある。
本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法は、図1〜図3を参照して、基板1の主面1mにIII族金属とアルカリ金属とVI族元素含有物を含む溶媒3に窒素含有ガス5を溶解させた溶液を接触させて、主面1m上にIII族窒化物結晶10を成長させる工程(III族窒化物結晶の成長工程)をさらに備える。
本実施形態におけるIII族窒化物結晶の成長工程においては、III族金属とアルカリ金属とVI族元素含有物を含む溶媒3が用いられる。III族金属に加えてアルカリ金属を含む溶媒3を用いると、III族金属を含み不純物濃度(たとえば溶媒全体に対して1モル%未満の濃度)以上にはアルカリ金属を含まない溶媒を用いる場合に比べて、III族窒化物結晶の成長温度、成長圧力を低減させ、結晶成長速度を高めることができる。これは、溶媒3に含まれているアルカリ金属が、溶媒3への窒素含有物5の溶解を促進させるためと考えられる。
さらに、III族金属およびアルカリ金属に加えて適正量のVI族元素含有物を含む溶媒3を用いると、III族窒化物結晶10の結晶成長面10a,10b,10gに含まれる複数のマクロステップ10ap,10aq,10bp,10bq,10gp,10gqにおける各マクロステップのテラス面10at,10bt,10gtが平坦な状態で成長させることができる。このため、基板1の主面1mから引き継いだ転位を増殖させることなくIII族窒化物結晶10を成長させることができる。こうして、III族窒化物結晶10の結晶成長面10a,10b,10mにおける転位密度の値は基板1の主面1mにおける転位密度の値以下となる。
溶媒3に含まれるIII族金属原子MIIIとアルカリ金属原子MAとのモル比は、III族窒化物結晶の成長温度、成長圧力を低減させ、結晶性の高いIII族窒化物結晶を成長させるのに適正な結晶成長速度(たとえば、1μm/hr以上20μm/hr以下)とすることができる範囲であれば特に制限はなく、MIII:MA=90:10〜10:90が好ましく、MIII:MA=50:50〜20:80がより好ましい。MIII:MA=90:10よりIII族金属MIIIのモル比が大きくても、MIII:MA=10:90よりアルカリ金属MAのモル比が大きくても、結晶成長速度が低下しすぎてしまう。
また、溶媒3におけるアルカリ金属原子MAに対するVI族元素原子EVIのモル比EVI/MAは、III族窒化物結晶を結晶成長面が平坦な状態で成長させるのに適正な範囲であれば、特に制限はない。かかるモル比EVI/MAの適正範囲は、結晶成長温度、結晶成長圧力、III族金属原子MIIIとアルカリ金属原子MAとのモル比などの溶媒3の組成により変動する。たとえば、結晶成長温度850℃、結晶成長圧力3MPa、III族金属原子MIIIとアルカリ金属原子MAとのモル比MIII:MA=30:70の条件においては、モル比EVI/MAの適正範囲は、3×10-5〜3×10-4となる。
かかるIII族窒化物結晶の成長工程は、たとえば、以下の複数のサブ工程によって行なわれる。まず、内容器21内に、結晶成長容器23、蓋24、基板1およびVI族元素含有物を配置して、内容器21内を真空排気しながら、150℃以上500℃以下の温度で1時間以上50時間以下程度加熱することにより、内容器21内面、結晶成長容器23、蓋24、基板1およびVI族元素含有物に付着している添加を意図しないVI族元素原子(たとえば、大気中の酸素分子および水分子に含まれる酸素原子など)を除去する(付着VI族元素原子の除去工程)。
次に、付着VI族元素原子が除去された内容器21内面、結晶成長容器23、蓋24、基板1およびVI族元素含有物を大気に暴露させることなく、グローブボックス内に移動させる。このグローブボックス内には、N2(窒素)ガス、Ar(アルゴン)ガスなどの非VI族元素の不活性ガスが充填されている。
次いで、グローブボックス内で、内容器21内から、結晶成長容器23、蓋24、基板1およびVI族元素含有物を取り出す。III族金属とアルカリ金属はあらかじめグローブボックス中に配置しておく。表面が酸化しやすいアルカリ金属に関しては、酸化した表面を切り取って内部の高純度の部分のみを使用する。
次いで、結晶成長容器23の底にその平坦な主面1mを上に向けて基板1を配置し、溶媒3を形成するためのIII族金属、アルカリ金属およびVI族元素含有物を入れ、結晶成長容器23の上に蓋24を配置する(基板および溶媒配置工程)。ここで、結晶成長容器23にはpBN製の坩堝が好ましく用いられ、蓋24にはpBN製の板が好ましく用いられる。基板1は、一主面1m側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有しかつ平坦な主面1mを有するIII族窒化物種結晶1aを含む。
上記において、結晶成長容器23に入れられたIII族金属、アルカリ金属およびVI族元素含有物は、室温(約25℃)中では通常固体であるが、後の加熱により液化し互いに均一に混合されて、III族金属、アルカリ金属およびVI族元素含有物を含む溶媒3が形成される。
ここで、III族金属およびアルカリ金属は、特に制限はないが、純度の高いIII族窒化物結晶を成長させる観点から、それぞれIII族金属およびアルカリ金属の純度が高いものが好ましい。たとえば、高純度のGaN結晶を成長させるためには、高純度の金属Gaと高純度の金属Naを用いることが好ましい。この場合、金属Gaの純度は、99モル%以上が好ましく、99.999モル%以上がより好ましい。金属Naの純度は、99モル%以上が好ましく、99.999モル%以上がより好ましい。
また、VI族元素含有物は、特に制限はないが、純度の高いIII族窒化物結晶を成長させる観点から、VI族元素とIII族金属およびアルカリ金属の少なくともいずれかとの化合物であることが好ましい。VI族元素とIII族金属との化合物としてはGa23、GaS、Ga23などが挙げられ、VI族元素とアルカリ金属との化合物としてはNa2Ga、Li2Gaなどが挙げられる。
ここで、結晶成長容器23に入れられるIII族金属とアルカリ金属とVI族元素含有物を含む溶媒3の量は、特に制限はないが、液化した溶媒3(融液)の深さが基板1の主面1mから1mm以上50mm以下であることが好ましい。かかる深さが1mmより小さいと溶媒3(融液)の表面張力のため基板の全面を溶媒3(融液)が覆わない恐れがあり、50mmより大きいと溶媒3(融液)の液面からの窒素の供給が不足してしまうためである。
次に、III金属とアルカリ金属とVI族元素含有物を含む溶媒3および基板1が収容された結晶成長容器23を内容器21内に配置する(結晶成長容器配置サブ工程)。ここで、結晶成長容器23の開口部を蓋24で覆うことが、溶媒3からのVI族元素原子の蒸散を抑制する観点から好ましい。
次に、真空排気装置35を用いて、内容器21および外容器29の内部を真空排気する(真空排気サブ工程)。内容器21および外容器29の内部の不純物を除去するためである。このとき、バルブ41vおよび43vは閉じられており、バルブ47vおよび45vは開かれている。真空排気後の内容器21および外容器29の真空度は、特に制限はないが、残留不純物を低減する観点から、1Pa以下が好ましい。
次に、内容器21および外容器29内に、それぞれの容器の内圧が0.5MPa以上5MPa以下となるようにそれぞれ窒素含有ガス5および加圧用ガス7を供給する(窒素含有ガス供給サブ工程)。このとき、内容器21内に供給される窒素含有ガス5は、特に制限はないが、純度の高いIII族窒化物結晶を成長させる観点から、窒素の純度が高いことが好ましい。かかる観点から、窒素含有ガス5は、純度が99.9999モル%以上の窒素ガスが好ましい。ここで、結晶成長容器23上に蓋24が配置されていても、蓋24は結晶成長容器23に密着させていないため、内容器21内に供給された窒素含有ガス5は、結晶成長容器23と蓋24との空隙を通って結晶成長容器23内の溶媒3中に供給される。
一方、外容器29内に供給される加圧用ガス7は、外容器29内の圧力維持のために用いられIII族窒化物結晶の成長に用いられるものではないため、窒素含有ガスでなくともよい。ただし、外容器29内にはヒータ25が配置されているため、加圧用ガス7には、ヒータ25により反応を起こさない不活性ガス、たとえば窒素ガス、アルゴンガスなどが好ましく用いられる。
次に、ヒータ25を用いて、内容器21および外容器29の内部を加熱して、内容器21内部全体の温度を700℃以上900℃以下にする(加熱サブ工程)。かかる加熱により、内容器21内の結晶成長容器内23内に配置されたIII族金属とアルカリ金属とVI族元素原子を含む溶媒3(融液)が形成され、基板1の主面1mを覆い、この溶媒3(融液)に窒素含有ガス5が溶解する。このようにして、基板1の主面1mに、III族金属とアルカリ金属とVI族元素原子を含む溶媒3に窒素含有ガス5を溶解させた溶液を接触させることができる。ここで、ヒータ25は、内容器21および外容器29の内部の加熱に適したものであれば特に制限はないが、内容器および外容器の内部の温度分布の制御が容易な観点から、抵抗加熱方式のものが好ましく用いられる。
加熱サブ工程中は、内容器21にさらに窒素含有ガス5を供給して、内容器21の内圧が外容器29の内圧に比べて0.01MPa以上0.1MPa以下の範囲で大きくなるようにする。すなわち、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaとなるようにする。外容器29内の加圧用ガス7が内容器21内に混入するのを防止して、内容器21内の窒素の純度を高く維持するためである。
次に、内容器21への窒素含有ガス5の供給量および加熱量を調節して、内容器21内部全体の温度を700℃以上900℃以下に維持したまま内容器21の内圧を0.5MPa以上5MPa以下として、基板1の主面1m上にIII族窒化物結晶10を所定時間成長させる(結晶成長サブ工程)。このとき、溶媒3におけるアルカリ金属原子MAに対するVI族元素原子EVIのモル比EVI/MAを適正範囲にすることにより、III族窒化物結晶10をテラス面10at,10bt,10gtが平坦な状態で成長させることができる。このため、基板1の主面1mから引き継いだ転位を増殖させることなくIII族窒化物結晶10を成長させることができ、結晶成長後の結晶成長面10gの転位密度の値が基板1の主面1mにおける転位密度の値以下のIII族窒化物結晶10が得られる。
上記III族窒化物結晶の成長の際にも、外容器29への加圧用ガス7の供給量を調節して、外容器29の内圧を内容器21の内圧に比べて0.01MPa以上0.1MPa以下の範囲で小さくなるようにする。すなわち、結晶成長時においても加熱時と同様に、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaとなるようにする。
次に、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaの関係を維持しながら、内容器21および外容器29のそれぞれの内部を冷却および減圧下して、内容器21の結晶成長容器27から基板1上に成長したIII族窒化物結晶10を取り出す(結晶取り出しサブ工程)。
(実施形態2)
本発明にかかるIII族窒化物結晶の一実施形態は、図3を参照して、実施形態1の成長方法により得られる。本実施形態のIII族窒化物結晶10は、実施形態1の方法により成長されたものであるため、結晶成長後のテラス面10gtが平坦で、III族窒化物結晶10の結晶成長面10a,10b,10gにおける転位密度の値が、基板1の主面1mにおける転位密度の値以下となる。したがって、III族窒化物結晶10において結晶成長後の結晶成長面10gを基板1の主面1mに平行になるように平坦化した主面10mにおける転位密度の値は、基板1の主面1mにおける転位密度の値以下となる。
(実施例1)
1.GaN基板の準備
図1〜図3を参照して、基板1として、HVPE法で作製した主面1mが研磨された平坦な(0001)Ga面で直径が2インチ(50.8mm)で厚さ1000μmの自立性のGaN基板を準備した。このGaN基板の主面1mにおける転位密度は、CL法による暗点密度の測定から算出したところ、5×105cm-2であった。また、このGaN基板の主面1mの平均粗さRaは、一辺が100μmの正方形領域において段差計により測定したところ、いずれも0.001μmであった。
2.GaN結晶の成長
まず、ステンレス製の内容器21内に、内径60mmで深さ20mmのpBN製の坩堝(結晶成長容器23)、外径65mmで厚さ0.3mmのpBN製の板状の蓋24、GaN基板(基板1)および純度99.99モル%のGaS(VI族元素含有物)を配置して、内容器21内を真空排気(真空度は1×10-3Pa)しながら、200℃の温度で10時間加熱することにより、内容器21内面、pBN製の坩堝(結晶成長容器23)、pBN製の蓋24、GaN基板(基板1)およびGaS(VI族元素含有物)に付着している添加を意図しないVI族元素原子(たとえば、大気中の酸素分子および水分子に含まれるO(酸素)原子など)を除去した(付着VI族元素原子の除去サブ工程)。
次に、付着VI族元素原子が除去された内容器21内面、pBN製の坩堝(結晶成長容器23)、pBN製の蓋24、GaN基板(基板1)およびGaS(VI族元素含有物)を大気に暴露させることなく、グローブボックス内に移動させた。このグローブボックス内には、アルゴンガスが充填されている。純度99.9999モル%の金属Gaと純度99.995モル%の金属Naはあらかじめグローブボックス中に配置しておく。
次いで、グローブボックス内で、内容器21内から、pBN製の坩堝(結晶成長容器23)、pBN製の蓋24、GaN基板(基板1)およびGaSを取り出した。表面が酸化しやすい金属Na(アルカリ金属)に関しては、酸化した表面を切り取って内部の高純度の部分のみを使用する。
次いで、pBN製の坩堝(結晶成長容器23)の底にその平坦な主面1mを上に向けてGaN基板1を配置し、溶媒3を形成するための15gの金属Ga、11gの金属Naおよび2mgのGaS(Na原子(アルカリ金属元素MA)に対するS(硫黄)原子(VI族元素原子EVI)のモル比EVI/MAが4×10-5)を入れ、pBN製の坩堝(結晶成長容器23)の上にpBN製の蓋24を配置した(基板および溶媒配置サブ工程)。
上記の金属Ga、金属NaおよびGaSは、後の加熱により液化して、Ga原子(III族金属原子MIII)とNa原子(アルカリ金属原子MA)とS原子(VI族元素原子EVI)のモル比が、MIII:MA:EVI=31:69:0.0028のGa−Na−S融液(溶媒3)となり、このGa−Na−S融液の表面からGaN基板(基板1)の主面1mまでの深さが5mmとなった。
次に、GaN基板(基板1)と溶媒3を形成する金属Ga、金属NaおよびGaSとが収容されたpBN製の坩堝(結晶成長容器23)を内容器21内に配置した(結晶成長容器配置サブ工程)。
次に、真空ポンプ(真空排気装置35)を用いて、内容器21および外容器29の内部を真空排気した(真空排気サブ工程)。真空排気後の内容器21および外容器29の真空度は、1×10-3Paであった。
次に、内容器21および外容器29内に、それぞれの容器の内圧が1MPaとなるようにそれぞれ窒素含有ガス5および加圧用ガス7を供給した(窒素含有ガス供給サブ工程)。このとき、内容器21内に供給される窒素含有ガス5には、純度が99.99999モル%の高純度の窒素ガスを用いた。一方、外容器29に供給される加圧用ガス7には、純度が99.9999モル%の窒素ガスを用いた。
次に、抵抗加熱方式のヒータ25を用いて、内容器21および外容器29の内部を加熱して、内容器21内部全体の温度を850±5℃にした(加熱サブ工程)。かかる加熱により、内容器21に配置された金属Ga、金属NaおよびGaSは液化してGa−Na−S融液(溶媒3)となり、GaN基板(基板1)の主面1mを覆い、このGa−Na−S融液(溶媒3)に高純度の窒素ガス(窒素含有ガス5)が溶解する。このようにして、GaN基板(基板1)の主面1mに、Ga−Na−S融液(溶媒3)に高純度の窒素ガス(窒素含有ガス5)を溶解させた溶液を接触させることができた。加熱中は、内容器21にさらに高純度の窒素ガス(窒素含有ガス5)を供給して、内容器21の内圧が外容器22の内圧に比べて0.01MPa以上0.1MPa以下の範囲で大きくなるようにした。すなわち、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaとなるようにした。
次に、内容器21への窒素含有ガス5の供給量および加熱量を調節して、内容器21内部全体の温度を850±5℃に維持したまま内容器21の内圧を3MPaとして、GaN基板(基板1)の主面1m上にGaN結晶(III族窒化物結晶10)を100時間成長させた(結晶成長サブ工程)。このとき、外容器29への窒素ガス(加圧用ガス7)の供給量を調節して、外容器29の内圧を内容器21の内圧に比べて0.01MPa以上0.1MPa以下の範囲で小さくなるようにした。すなわち、結晶成長時においても加熱時と同様に、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaとなるようにした。
次に、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaの関係を維持しながら、内容器21および外容器29のそれぞれの内部を冷却および減圧下して、30℃に冷却された内容器21のpBN製の坩堝(結晶成長容器23)のGa−Na−S融液(溶媒3)からGaN基板(基板1)上に成長したGaN結晶(III族窒化物結晶10)をピンセットで取り出した(結晶取り出しサブ工程)。得られたGaN結晶の厚さは、約1000μmであった。すなわち、GaN結晶の成長速度は、約10μm/hrであった。
得られたGaN結晶は、その結晶成長後のテラス面は窪みおよび突起がなく平坦であり、テラス面の一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さRaが0.05μmであった。ここで、テラス面の表面状態は微分干渉顕微鏡で観察し、テラス面の平均粗さRaは段差計で測定した。また、このGaN結晶の結晶成長面10gを研磨して、GaN結晶においてGaN基板の主面1mに対して500μmの距離を有する平行な主面10mを形成した。このGaN結晶の主面10mにおける転位密度は、CL法による暗点密度の測定から算出したところ、4×105cm-2とGaN基板1の主面1mの転位密度(5×105cm-2)以下であった。結果を表1にまとめた。
(実施例2)
GaN結晶を成長させるための溶媒3として、15gの金属Ga、11gの金属Naおよび10mgのGaS(Na原子(アルカリ金属原子MA)に対するS原子(VI族元素原子EVI)のモル比EVI/MAが2×10-4)をpBN製の坩堝(結晶成長容器23)に入れて、Ga原子(III族金属原子MIII)とNa原子(アルカリ金属原子MA)とS原子(VI族元素原子EVI)のモル比が、MIII:MA:EVI=31:69:0.014のGa−Na−S融液を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、GaN結晶を成長させた。
得られたGaN結晶は、その結晶成長後のテラス面は窪みおよび突起がなく平坦であり、テラス面の一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さRaが0.01μmであった。また、このGaN結晶においてGaN基板の主面1mに対して500μmの距離を有する平行な主面10mにおける転位密度は、3×105cm-2とGaN基板1の主面1mの転位密度(5×105cm-2)以下であった。結果を表1にまとめた。
(比較例1)
GaN結晶を成長させるための溶媒3として、pBN製の坩堝(結晶成長容器23)に、15gの金属Gaおよび11gの金属Naを入れて、GaSを入れることなく、Ga原子(III族金属原子MIII)とNa原子(アルカリ金属原子MA)のモル比が、MIII:MA=31:69のGa−Na融液を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、GaN結晶を成長させた。
得られたGaN結晶は、その結晶成長後のテラス面には六角錐状の窪みが複数形成され、テラス面の一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さRaが1μmであった。また、このGaN結晶においてGaN基板の主面1mに対して500μmの距離を有する平行な主面10mにおける転位密度は、5×106cm-2とGaN基板1の主面1mの転位密度(5×105cm-2)より大きかった。結果を表1にまとめた。
(比較例2)
GaN結晶を成長させるための溶媒3として、15gの金属Ga、11gの金属Naおよび1mgのGaS(Na原子(アルカリ金属原子MA)に対するS原子(VI族元素原子EVI)のモル比EVI/MAが2×10-5)をpBN製の坩堝(結晶成長容器23)に入れて、Ga原子(III族金属原子MIII)とNa原子(アルカリ金属原子MA)とS原子(VI族元素原子EVI)のモル比が、MIII:MA:EVI=31:69:0.0014のGa−Na−S融液を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、GaN結晶を成長させた。
得られたGaN結晶は、その結晶成長後のテラス面には六角錐状の窪みが複数形成され、テラス面の一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さRaが0.7μmであった。また、このGaN結晶においてGaN基板の主面1mに対して500μmの距離を有する平行な主面10mにおける転位密度は、2×106cm-2とGaN基板1の主面1mの転位密度(5×105cm-2)より大きかった。結果を表1にまとめた。
(比較例3)
GaN結晶を成長させるための溶媒3として、15gの金属Ga、11gの金属Naおよび20mgのGaS(Na原子(アルカリ金属原子MA)に対するS原子(VI族元素元素EVI)のモル比EVI/MAが4×10-4)をpBN製の坩堝(結晶成長容器23)に入れて、Ga原子(III族金属原子MIII)とNa原子(アルカリ金属原子MA)とS原子(VI族元素原子EVI)のモル比が、MIII:MA:EVI=31:69:0.028のGa−Na−S融液を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、GaN結晶を成長させた。
得られたGaN結晶は、その結晶成長後のテラス面には六角柱状の突起が複数形成され、テラス面の一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さRaが5μmであった。また、このGaN結晶においてGaN基板の主面1mに対して500μmの距離を有する平行な主面10mにおける転位密度は、5×106cm-2とGaN基板1の主面1mの転位密度(5×105cm-2)より大きかった。結果を表1にまとめた。
(比較例4)
GaN結晶を成長させるための溶媒3として、15gの金属Ga、11gの金属Naおよび50mgのGaS(Na原子(アルカリ金属原子MA)に対するS原子(VI族元素原子EVI)のモル比EVI/MAが1×10-3)をpBN製の坩堝(結晶成長容器23)に入れて、Ga原子(III族金属原子MIII)とNa原子(アルカリ金属原子MA)とS原子(VI族元素原子EVI)のモル比が、MIII:MA:EVI=31:69:0.07のGa−Na−S融液を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、GaN結晶を成長させた。
得られたGaN結晶は、その結晶成長後のテラス面には六角柱状の突起が複数形成され、テラス面の一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さRaが15μmであった。また、このGaN結晶においてGaN基板の主面1mに対して500μmの距離を有する平行な主面10mにおける転位密度は、2×107cm-2とGaN基板1の主面1mの転位密度(5×105cm-2)より大きかった。結果を表1にまとめた。
Figure 2009062229
表1から明らかなように、液相法により基板上にIII族金属とアルカリ金属とVI族元素含有物を含む溶媒に窒素含有ガスを溶解させた溶液を接触させて、III族窒化物結晶の結晶成長面のテラス面が平坦な(たとえば、テラス面の一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さが0.1μm以下の)状態でIII族窒化物結晶を成長させることにより、III族窒化物結晶において基板の主面に対して平行な主面における転位密度の値を、基板の主面における転位密度の値以下に低減できることがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる成長方法により得られたIII族窒化物結晶は、発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、HEMT(高電子移動度トランジスタ)などの電子素子、温度センサ、圧力センサ、放射線センサ、可視−紫外光検出などの半導体センサ、SAWデバイス(表面弾性波素子)、振動子、共振子、発振器、MEMS(微小電子機械システム)部品、圧電アクチュエータなどのデバイス用の基板などに用いられる。
本発明にかかるIII族窒化物結晶の成長方法および成長装置の一実施形態を示す概略断面図である。 図1のII部分を拡大した概略断面図である。 図2のIII部分を拡大した概略断面図である。
符号の説明
1 基板、1a III族窒化種物結晶、1b 下地基板、1m,10m 主面、3 溶媒、5 窒素含有ガス、7 加圧用ガス、10 III族窒化物結晶、10a,10b,10g 結晶成長面、10ap,10aq,10bp,10bq,10gp,10gq マクロステップ、10as,10bs,10gs ステップ面、10at,10bt,10gt テラス面、21 内容器、23 結晶成長容器、24 蓋、25 ヒータ、27 断熱材、29 外容器、31 窒素含有ガス供給装置、33 加圧用ガス供給装置、35 真空排気装置、41 第1の配管、41a バルブより内容器側の部分、41b バルブより窒素含有ガス供給装置側の部分、41p,43p 圧力計、41v,43v,45v,47v バルブ、43 第2の配管、43a,45a バルブより外容器側の部分、43b バルブより加圧用ガス供給装置側の部分、45 第3の配管、45b バルブより真空排気装置側の部分、47 第4の配管。

Claims (8)

  1. 液相法によるIII族窒化物結晶の成長方法であって、
    基板を準備する工程を備え、前記基板は、一主面側に前記III族窒化物結晶と同じ化学組成を有しかつ平坦な主面を有するIII族窒化物種結晶を含み、
    前記基板の前記主面に、III族金属とアルカリ金属とVI族元素含有物を含む溶媒に窒素含有ガスを溶解させた溶液を接触させて、前記主面上に前記III族窒化物結晶を成長させる工程をさらに備え、前記III族窒化物結晶の結晶成長面は複数のマクロステップを含み、各前記マクロステップはステップ面とテラス面を有し、前記テラス面が平坦な状態で前記III族窒化物結晶を成長させるIII族窒化物結晶の成長方法。
  2. 前記テラス面において任意に特定される一辺が100μmの正方形領域内における平均粗さRaが0.1μm以下である請求項1に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  3. 前記主面は、(0001)面である請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  4. 前記VI族元素含有物は、VI族元素とIII族金属およびアルカリ金属の少なくともいずれかとの化合物である請求項1から請求項3までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  5. 前記アルカリ金属は、ナトリウムおよびリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含む金属である請求項1から請求項4までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  6. 前記III族窒化物結晶はGaN結晶である請求項1から請求項5までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  7. 前記III族窒化物結晶の転位密度の値は前記基板の転位密度の値以下である請求項1から請求項6までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれかの成長方法により得られるIII族窒化物結晶。
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