JP4595030B2 - Iii族金属窒化物単結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
特開2004−182551、特開2005−12171では、基板上にフラックス法によって単結晶下地膜を形成する際に、下地膜を島状に分割し、島状の下地膜上に窒化ガリウム単結晶膜を育成することを開示している。
特開2005−12171記載のように、基板上に島状の下地膜上を複数設け、島状下地膜上に窒化物単結晶を育成することによって大面積の窒化物単結晶膜を得ようとすると、単結晶膜を基板から自然剥離させることは困難であった。そして、単結晶膜内に応力が残留し、最終的にはクラックが発生してしまう場合があった。
また、本出願人は、本出願時未公開の特願2007−78893(特開2008−239365)において、基板上にフラックス法によって単結晶下地膜を形成する際に、下地膜を島状に分割すると共に、島状の下地膜に細長い腕部を設けることを開示した。
しかし、この場合には、腕部の先端から成長するところでは、転移が集中する合流点の成長開始時間が、他の箇所よりも遅れる傾向がある。その結果、成長する窒化ガリウム単結晶の厚さにムラが生じ易い。
本発明の課題は、テンプレート基板を使用して液相法によってIII族金属窒化物単結晶を育成するのに際して、単結晶膜の厚さのバラツキを抑制し、基板本体と窒化物単結晶膜との熱膨張差に起因する単結晶膜のクラックを防止し、かつ自然剥離を達成することである。
本発明は、側面および一対の主面を有する基板本体と、基板本体の少なくとも一方の主面に形成されたIII族金属窒化物単結晶の下地膜とを備えているテンプレート基板を使用し、下地膜上に液相法によってIII族金属窒化物単結晶を育成する方法であって、
下地膜が平面的に見て凸図形をなしており、下地膜の設けられていない未成面が下地膜の全周を包囲しており、かつ下地膜から成長したIII族金属窒化物単結晶が他の下地膜から成長したIII族金属窒化物単結晶と接触しないことを特徴とする。
本発明によれば、下地膜が平面的に見て凸図形をなしているので、結晶転移が集中する合流点の成長開始時期と下地膜からの成長開始時期の差に起因する窒化物単結晶の厚さのバラツキを抑制できる。
また、未成面が下地膜の全周を包囲しているので、下地膜から成長する単結晶が基板本体の外周縁部にまで到達しにくく、側面や裏面上の被覆を防止できる。これによって、基板本体の側面や裏面を窒化物単結晶が被覆することによるクラックを防止できる。
その上で、下地膜から成長したIII族金属窒化物単結晶が、他の下地膜から成長したIII族金属窒化物単結晶とは接触しないようにしている。即ち、この下地膜からIII族金属窒化物単結晶が、他の下地膜から成長するIII族金属窒化物単結晶とは独立して成長するようにした。これによって、単結晶が基板本体から剥離するときに、単結晶内に生ずる応力を低減し、これによるクラックを防止できることを見いだし、本発明に到達した。
図2(a)は、テンプレート基板10Bを一方の主面1a側から見た平面図であり、図2(b)は、テンプレート基板10B上を他方の主面1c側から見た平面図である。
図3(a)は、本発明のテンプレート基板10Aの断面図であり、図3(b)は、本発明のテンプレート基板10Bの断面図である。
図4(a)は、比較例におけるテンプレート基板および単結晶13の断面図であり、図4(b)は、比較例におけるテンプレート基板および単結晶23を示す断面図である。
図5(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)は、それぞれ、本発明で使用できる各下地膜および各単結晶を示す平面図である。
図6は、本発明の一実施形態に係るテンプレート基板10Jおよびその上の単結晶を示す平面図である。
図7は、実施例1において、育成終了後のGaN単結晶の外観写真を示す。
図8は、図7のGaN単結晶を基板本体から剥離させた後の外観を示す写真である。
図9は、実施例2において、育成終了後のGaN単結晶の外観写真を示す。
図10は、図9のGaN単結晶を基板主面から剥離させた後の外観写真を示す。
図11は、比較例1において、育成終了後のGaN単結晶の表面の外観写真を示す。
図12は、図11のGaN単結晶の形成されたテンプレート基板の裏面側の外観写真を示す。
図13は、図11のGaN単結晶およびテンプレート基板を横から見た外観写真を示す。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るテンプレート基板10Aを示す平面図であり、図1(b)は、テンプレート基板10A上に窒化物単結晶3を形成した状態を示す平面図である。
基板本体1は、一対の主面と側面1bとを有する。本例では基板本体1は四辺形である。基板本体1の一方の主面1a上に、III族金属窒化物単結晶からなる下地膜2が形成されている。基板本体1の他方の主面上には下地膜を形成しない。下地膜2と、基板本体の主面1aの外周縁部との間には、下地膜が形成されていない未成面4が形成されている。即ち、下地膜2の4片と基板本体の外周縁部との間には、それぞれ、未成面4a、4b、4c、4dが形成されている。
図1(b)および図3(a)に示すように、下地膜2の上に液相法によって単結晶3を形成する。この際、単結晶3は、下地膜2のエッジから外側へと向かって広がる傾向がある。しかし、本例では、下地膜2のエッジと主面1aの外周縁部との間に未成面4が形成されている。このため、単結晶3は未成面4上を横方向に延びるので、単結晶が側面1b、更には反対側の主面1cへと延びることを防止できる。
図2(a)は、テンプレート基板10Bを一方の主面1a側から見た平面図であり、図2(b)は、テンプレート基板10B上を他方の主面1c側から見た平面図である。
本例では基板本体1は四辺形である。基板本体1の一方の主面1a上に、III族金属窒化物単結晶からなる下地膜2Aが形成されている。基板本体1の他方の主面1c上には、III族金属窒化物単結晶からなる下地膜2Bが形成されている。各下地膜2A、2Bと、基板本体の主面1a、1cの外周縁部との間には、下地膜が形成されていない基板本体の未成面4が形成されている。即ち、下地膜2A、2Bの4片と基板本体の外周縁部との間には、それぞれ、未成面4が形成されている。
図2(a)、図2(b)および図3(b)に示すように、下地膜2A、2Bの上に液相法によって単結晶3A、3Bを形成する。単結晶3A、3Bは未成面4上を横方向に延びるので、単結晶が側面1b、更には反対側の主面へと延びることを防止できる。
ここで、図4(a)に示すように、基板本体1の主面1aの全面を被覆するように下地膜12を形成すると、単結晶13が、基板本体の側面1b、更には反対側の主面1cのエッジへと向かって、13a、13bのように延びることが判明した。これによって、単結晶13が基板本体の側面1bおよび主面1cによって強固に捕捉される。この状態で基板本体と単結晶との間に熱膨張係数差による応力が加わると、単結晶13にクラックが入りやすい。
これに対して、本発明では、基板本体1の外周縁部と下地膜との間に、下地膜を形成しない未成面4を、下地膜を全周にわたって包囲するように形成している。この結果、単結晶3、3A、3Bが、基板本体の側面1b、反対側の主面1cを被覆するように延びることを防止できる。
更に、本発明では、下地膜2、2A、2Bを、平面的に見て凸図形とする。これは、下地膜の外側輪郭線の任意の二点を結ぶ線分が、下地膜の外側輪郭線の内側に位置することを意味する。このような図形としては、例えば図5に例示するように、円形、楕円形、レーストラック形状、三角形、正方形、長方形、六角形、八角形などの多角形を例示できる。
下地膜に平面的に見て腕部や凹み部分があると、その周辺で単結晶に厚さの不均一が発生しやすい。しかし、本発明では、このような腕部や凹み部分のない凸図形の下地膜を形成するので、単結晶の厚さの不均一を防止できる。
その上で、本発明によれば、この下地膜から、III族金属窒化物単結晶を、他の種結晶から成長するIII族金属窒化物単結晶と接触しないように独立成長させる。
例えば特開2005−12171記載の方法では、基板本体上に島状の円形下地膜を複数設け、各下地膜から単結晶を成長させ、大きなバルク状の単結晶膜を形成している。即ち、図4(b)に模式的に示すように、基板本体1の主面1a上に円形の下地膜22を多数設ける。下地膜22の間にはクリアランス24が設けられている。この状態で下地膜22から単結晶を成長させ、バルクの単結晶膜23を形成する。単結晶膜はクリアランス24上で互いにつながり、連結部分23aを形成する。
図4(b)のような場合には、単結晶23のうち、下地膜間の部分23aは、基板本体1への密着性が低いはずである。一方、図3(a)のような場合には、単結晶膜23のほぼ全面が下地膜2と接触する。従って、図3(a)のように独立して成長させる場合には、図4(b)の場合と比べて、単結晶膜の剥離は容易なはずであった。
しかし、現実に試作して試験してみると、意外なことに、図4(b)のような場合には、連結部分23aの近辺で応力によりクラックが入りやすく、かえって単結晶の基板本体からの剥離が難しいことが判明した。これに対して、本発明のような場合には、下地膜の外周縁部の全体にほぼ均等に応力が加わり、単結晶が自然剥離しやすく、この際にクラックが発生しにくいことを発見した。
図5(a)〜(f)は、それぞれ、下地膜およびその上に形成された単結晶の平面的パターン例を示す平面図である。
図5(a)の例では、下地膜8Cは円形であり、その上に単結晶膜9Cが成長している。 図5(b)の例では、下地膜8Dは楕円形またはレーストラック形状であり、その上に単結晶膜9Dが成長している。図5(c)の例では、下地膜8Eは三角形であり、その上に単結晶膜9Eが成長している。図5(d)の例では、下地膜8Fは正方形であり、その上に単結晶膜9Fが成長している。図5(e)の例では、下地膜8Gは長方形であり、その上に単結晶膜9Gが成長している。図5(f)の例では、下地膜8Hは六角形であり、その上に単結晶膜9Hが成長している。
本発明において好ましくは、例えば図1〜3に示すように、一つの基板本体に一つの下地膜が形成されており、未成面が、下地膜と基板本体の縁部との間に設けられている。しかし、一つの基板本体に複数の下地膜が形成されていてもよい。ただし、この場合には、各下地膜から成長する各単結晶が互いに接触しないようにする必要がある。即ち、各下地膜から成長する各単結晶が互いに物理的に干渉せず、別々の基板上の下地膜から成長する場合と同様に成長する必要がある。
例えば、図6のテンプレート基板10Jにおいては、基板本体1の主面1aに、複数の下地膜8Jが形成されている。各下地膜上には、それぞれ、単結晶9Jが形成されている。隣接する下地膜の間には未成面14が形成されている。隣接する下地膜の幅は、各下地膜から成長する単結晶が互いに接触しない程度に広くする必要がある。
下地膜と基板本体の縁部との間隔d(図1(a)参照)は、側面への単結晶の回り込みを防止するという観点からは、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることが更に好ましい。dの上限は特にないが、dが大きいと単結晶の生産性が低下するので、生産性の観点からは、dは10mm以下が好ましい。
例えば図6に示すように、基板本体上に下地膜が複数形成されている場合には、隣接する下地膜の間隔(最小値)Dは、基板本体の側面への単結晶の回り込みを防止するという観点からは、2mm以上であることが好ましく、4mm以上であることが更に好ましい。Dの上限は特にないが、Dが大きいと単結晶の生産性が低下するので、生産性の観点からは、Dは10mm以下が好ましい。
基板本体の下地膜の設けられている主面1aの面積を100%としたとき、基板本体の未成面の面積は、10〜90%であることが好ましく、30〜50%であることが更に好ましい。
下地膜の場所は、基板本体の中央に位置しても良いが、下地膜は、基板本体の上部に偏よらせることが更に好ましい。テンプレート基板をルツボ内に縦配置してGaN単結晶を育成した時、ルツボ底に近くなるほどGaN単結晶が厚く成長し、回り込み成長が促進される。種結晶面積を一定にしたまま基板下部に未成膜面積を大きくとり、種結晶領域をサファイアの上部に偏在させることにより、回りこみ防止およびエピタキシャル成長面積の確保を有効に行なうことができる。
基板本体に下地膜および未成面を設ける方法は特に限定されず、以下を例示できる。
(1) 基板本体の縁端部分をマスクし、下地膜を成膜する。
(2) 基板本体の主面全体に下地膜を成膜し、次いで下地膜をエッチングや研削によって除去する。
基板本体の材質は特に限定されないが、サファイア、シリコン単結晶、SiC単結晶、MgO単結晶、スピネル(MgAl2O4)、LiAlO2、LiGaO2、LaAlO3,LaGaO3,NdGaO3等のペロブスカイト型複合酸化物を例示できる。また組成式〔A1−y(Sr1−xBax)y〕〔(Al1−zGaz)1−u・Du〕O3(Aは、希土類元素である;Dは、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれた一種以上の元素である;y=0.3〜0.98;x=0〜1;z=0〜1;u=0.15〜0.49;x+z=0.1〜2)の立方晶系のペロブスカイト構造複合酸化物も使用できる。また、SCAM(ScAlMgO4)も使用できる。
下地膜を構成するIII族金属窒化物単結晶は、Ga、Al、Inから選ばれた一種以上の金属の窒化物であり、GaN、AlN、GaAlN,GaAlInN等である。好ましくはGaN、AlN、GaAlNであり、特に好ましくはAlNである。
下地膜の厚さは特に限定されない。下地膜のフラックスへのメルトバックを抑制するという観点からは、1μm以上であることが好ましい。また、下地膜を厚くすると、下地膜の形成に時間がかかるので、この観点からは、下地膜の厚さを50μm以下とすることができる。
本発明は液相法に対して適用可能である。このような液相法としては、フラックス法、高圧溶液法、安熱法を例示できる。
本発明においては、フラックスの種類は、III族金属窒化物単結晶を生成可能である限り、特に限定されない。好適な実施形態においては、アルカリ金属とアルカリ土類金属の少なくとも一方を含むフラックスを使用し、ナトリウム金属を含むフラックスが特に好ましい。
フラックスには、目的とするIII族金属窒化物単結晶の原料を混合し、使用する。このIII族金属窒化物単結晶は、Ga、Al、In、Bから選ばれた一種以上の金属の窒化物であり、GaN、AlN、GaAlN,GaAlInN、BN等である。
フラックスを構成する原料は、目的とするIII族金属窒化物単結晶に合わせて選択する。
ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。アルミニウム原料物質としては、アルミニウム単体金属、アルミニウム合金、アルミニウム化合物を適用できるが、アルミニウム単体金属が取扱いの上からも好適である。インジウム原料物質としては、インジウム単体金属、インジウム合金、インジウム化合物を適用できるが、インジウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
本発明においては、III族金属窒化物単結晶の育成温度や育成時の保持時間は特に限定されず、目的とする単結晶の種類やフラックスの組成に応じて適宜変更する。一例では、ナトリウムまたはリチウム含有フラックスを用いて窒化ガリウム単結晶を育成する場合には、育成温度を800〜1000℃とすることができる。
好適な実施形態においては、窒素ガスを含む混合ガスからなる雰囲気下でIII族金属窒化物単結晶を育成する。雰囲気の全圧は特に限定されないが、フラックスの蒸発を防止する観点からは、10気圧以上が好ましく、30気圧以上が更に好ましい。ただし、圧力が高いと装置が大がかりとなるので、雰囲気の全圧は、2000気圧以下が好ましく、1000気圧以下が更に好ましい。
また、雰囲気中の窒素分圧も特に限定されないが、窒化ガリウム単結晶を育成する場合には10〜2000気圧が好ましく、100〜1000気圧が更に好ましい。窒化アルミニウム単結晶を育成する場合には、0.1〜50気圧が好ましく、1〜10気圧が更に好ましい。
雰囲気中の窒素以外のガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。窒素以外のガスの分圧は、全圧から窒素ガス分圧を除いた値である。
本発明における実際の育成手法は特に限定されない。例えばルツボ内でテンプレート基板をフラックス中に浸漬し、ルツボを耐圧容器に収容し、耐圧容器内に窒素含有雰囲気を供給しつつ加熱できる。また、テンプレート基板を所定位置に固定し、フラックスが収容されたるつぼを上方向へと上昇させることにより、下地膜の表面にフラックスを接触させることができる。
本発明は、m面 GaN、a面 GaNなどの無極性面種結晶膜、及びr面 GaNなどの半極性面種結晶膜を備えたテンプレート基板を用いた場合においても、育成単結晶のクラック防止に有効であることが確認された。
図1、図3(a)を参照しつつ説明した前記方法に従い、テンプレート基板10A上に窒化ガリウム膜を形成した。具体的には、基板本体1の平面的寸法を13×18mmの長方形とした。厚さ30μmのGaNをHVPE法で基板本体の主面1aに全面にわたって成膜し、下地膜を形成した。この下地膜を研磨加工し、縦9×横13mmの下地膜2を残した。dは2mmである。
原料として金属ガリウム(Ga)3g、フラックスとして金属ナトリウム(Na)4gおよび前記テンプレート基板を育成容器内に秤量および収容した。育成条件は、窒素圧力4MPa、温度875℃にして、200時間育成を行った。
育成終了後のGaN単結晶の外観写真を図7に示す。また、GaN単結晶を基板本体から剥離させた後の外観写真(GaN単結晶の裏面)を図8に示す。縁端部の1箇所においてサファイア基板本体の裏面にまでGaN単結晶が成長しており、周辺領域にクラックが発生したが、GaN単結晶の回り込みが見られなかった約80%の領域においては、裏面のサファイアが育成終了後に自然剥離した。さらに、回り込んでいたGaN単結晶を除去したところ、残りのサファイアも剥離した。
(実施例2)
図2、図3(b)を参照しつつ説明した前記方法に従い、テンプレート基板10Bの各主面上に窒化ガリウム膜を形成した。具体的には、基板本体1の平面的寸法を13×18mmの長方形とした。厚さ5μmのGaNをMOCVD法で基板本体の主面1a、1cにそれぞれ全面にわたって成膜し、下地膜を形成した。この下地膜を研磨加工し、縦9mm×横13mmの下地膜2を残した。dは2mmである。
原料として金属ガリウム(Ga)3g、フラックスとして金属ナトリウム(Na)4gおよび前記テンプレート基板を育成容器内に秤量および収容した。育成条件は、窒素圧力4MPa、温度875℃にして、200時間育成を行った。
育成終了後のGaN単結晶の外観写真を図9に示す。また、GaN単結晶を基板主面から剥離させた後の外観写真(GaN単結晶の裏面)を図10に示す。テンプレート基板の裏と表に成長したGaN単結晶は縁端部で全くつながっていなかった。育成終了後、両面のGaN単結晶は共にサファイアから自然剥離しており、一方のGaN単結晶にクラックは確認されなかった。もう一方のGaN単結晶には、1箇所のみクラックが発生した。
(実施例3)
図1、図3(a)を参照しつつ説明した前記方法に従い、テンプレート基板10A上に窒化ガリウム膜を形成した。具体的には、2インチサイズのサファイアからなる基板本体の縁端部に、SiO2膜でマスキングし、マスク部分を除く縦横各1.5インチの領域にGaN種結晶からなる下地膜2を成膜した。d=6.3mmである。
原料として金属ガリウム(Ga)30g、フラックスとして金属ナトリウム(Na)40g、および前記テンプレート基板を育成容器内に秤量および収容した。育成条件は、窒素圧力4MPa、温度875℃にして200時間育成を行った。育成終了後、GaN単結晶がサファイアから自然剥離しており、さらにクラックは確認されなかった。GaN種結晶の端とサファイアの端の間隔が空いている事により、成長したGaN単結晶がサファイア裏側まで回り込まず、GaN単結晶とサファイアの剥離性が向上したことが分かる。さらには、剥離性向上によってクラックが防止されたと推察される。
(比較例1)
図4(a)を参照しつつ説明した方法に従い、GaN単結晶を育成した。具体的には、13×18mm角のサファイアからなる基板本体1の主面1a上に、厚さ30μmのGaNからなる下地膜12をHVPE法で成膜した。下地膜12は主面1aの全面を被覆している。このテンプレート基板上に、実施例1と同じ秤量方法、育成条件でGaN単結晶育成を行った。
育成終了後のGaN単結晶の表面の外観写真を図11に示す。また、GaN単結晶の形成されたテンプレート基板の裏面側の外観写真を図12に示す。更に、GaN単結晶およびテンプレート基板を横から見た外観写真を図13に示す。単結晶がサファイアの裏側にまで回りこんで成長しており、剥離しなかった。さらにGaN単結晶表面にクラックが多数発生した。
(比較例2)
10×10mm角のサファイアからなる基板本体1を準備した。基板本体の主面1a上に、厚さ10μmの種結晶からなる細長い下地膜をストライプ状にパターニングした。下地膜の周期は9μmであり、各下地膜の幅は3μmであり、隣接する下地膜の間隔は6μmである。実施例1と同じ秤量方法、育成条件でGaN単結晶育成を行なった。育成終了後、GaN単結晶はサファイアからは剥離しておらず、クラックが確認された。
(比較例3)
図4(b)を参照しつつ説明した方法に従い、GaN単結晶を育成した。具体的には、縦10mm×横10mmのサファイアからなる基板本体1を準備した。基板本体の主面1a上に、直径3μm、厚さ10μmのGaN種結晶からなる円形の下地膜22を多数形成した。隣接する下地膜22の間隔Dは6μmである。
実施例1と同じ秤量方法、育成条件でGaN単結晶育成を行なった。育成終了後、GaN単結晶は一枚の膜として一体化していた。GaN単結晶はサファイアからは剥離しておらず、クラックが確認された。
本発明の特定の実施形態を説明してきたけれども、本発明はこれら特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲の範囲から離れることなく、種々の変更や改変を行いながら実施できる。
Claims (2)
- 側面および一対の主面を有する基板本体と、基板本体の少なくとも一方の前記主面に形成されたIII族金属窒化物単結晶の下地膜とを備えているテンプレート基板を使用し、前記下地膜上に液相法によってIII族金属窒化物単結晶を育成する方法であって、
前記下地膜が平面的に見て凸図形をなしており、前記下地膜が形成されていない未成面が前記下地膜の全周を包囲しており、かつ前記下地膜から成長した前記III族金属窒化物単結晶が他の下地膜から成長したIII族金属窒化物単結晶と接触しないことを特徴とする、III族金属窒化物単結晶の製造方法。 - 一つの前記基板本体に一つの前記下地膜が形成されており、前記未成面が、前記下地膜と前記基板本体の縁部との間に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の方法。
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