JP7063293B2 - Iii族窒化物半導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フラックス法によるIII 族窒化物半導体の製造方法に関するものである。
III 族窒化物半導体を結晶成長させる方法として、アルカリ金属とGaなどのIII 族元素の混合融液に窒素を溶解させ、液相でIII 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させるフラックス法が知られている。アルカリ金属としてはナトリウム(Na)が一般に用いられており、Naフラックス法と呼ばれている。
Naフラックス法によるIII 族窒化物半導体の結晶成長では、結晶中に酸素が取り込まれやすいことが知られている。特に3次元成長モードでの成長の際に酸素の取り込み量が多いことが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1には、フラックス法によるIII 族窒化物半導体結晶の製造において、主面近傍における結晶中の酸素原子濃度を1×1017/cm3 以下とすることが記載されている。これにより、フラックス法により成長させたIII 族窒化物半導体結晶上にHVPE法などによって厚くIII 族窒化物半導体結晶を成長させたとしても、酸素原子による格子歪みの影響による基板の反りやクラックを抑制できることが記載されている。
特開2016-160151号公報
フラックス法によるIII 族窒化物半導体の結晶成長では、種基板の外周部に異常成長が発生する問題があった。ここで異常成長とは、種基板上にIII 族窒化物半導体が全く結晶成長しないことや、異常粒成長(通常成長よりも結晶粒が大きくなる成長)したりすることである。
そこで本発明の目的は、種基板の外周部の異常成長を抑制することができるIII 族窒化物半導体の製造方法を提供することである。
発明者らは、鋭意研究の結果、種基板の外周部の異常成長は、III 族窒化物半導体育成中の雰囲気の酸素濃度の制御によって抑制可能であることを発見した。本発明はこの発見に基づくものである。
本発明は、III 族金属とフラックスとを混合した混合融液に窒素を含むガスを供給して種基板上にIII 族窒化物半導体を育成するIII 族窒化物半導体の製造方法において、III 族窒化物半導体の育成を開始してから所定時間を経過するまで、炉内雰囲気の酸素濃度を0.02ppm以下に制御する第1工程と、第1工程後、炉内雰囲気の酸素濃度を0.02ppmより大きく0.1ppm以下に制御する第2工程と、を有することを特徴とするIII 族窒化物半導体の製造方法である。
本発明において、酸素濃度は体積濃度である。また、III 族窒化物半導体の育成開始は、加熱、加圧して成長温度、成長圧力まで達した時点を言うものとする。また、炉内雰囲気とは、混合融液が置かれた室内の雰囲気を言い、より具体的には混合融液と接する気体である。
炉内雰囲気の酸素濃度は、たとえば以下のように制御する。1つは、雰囲気の酸素濃度は、混合融液に供給する窒素を含むガスの酸素濃度により制御する。これにより、炉内雰囲気の酸素濃度を直接制御することができる。また、1つは、炉外の雰囲気の酸素濃度により制御する。結晶成長装置の構造上、炉内と炉外の隔離性が十分でない場合、炉外雰囲気が炉内雰囲気にわずかに影響を及ぼす場合もある。これを利用して、炉内雰囲気の酸素濃度を間接的に制御することができる。
本発明の第1工程における所定時間は、5~15時間とすることが望ましい。この範囲とすることにより、種基板の外周部の異常成長をより抑制することができる。
本発明によれば、種基板外周部の異常成長を抑制することができ、種基板上に一様に平坦なIII 族窒化物半導体を育成することができる。
結晶成長装置の構成を示した図。 本発明のIII 族窒化物半導体の育成工程を示した図。 酸素濃度と育成時間との関係を示したグラフ。 実施例1によるGaN結晶育成後の種基板を撮影した写真。 比較例1によるGaN結晶育成後の種基板を撮影した写真。 比較例2によるGaN結晶育成後の種基板を撮影した写真。
本発明は、フラックス法によって種基板上にIII 族窒化物半導体結晶を育成するものである。まず、フラックス法の概要について説明する。
(フラックス法の概要)
本発明に用いるフラックス法は、フラックスとなるアルカリ金属と、原料であるIII 族金属とを含む混合融液に、窒素を含むガスを供給して溶解させ、液相でIII 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる方法である。
原料であるIII 族金属は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)の少なくともいずれか1つであり、その割合によって育成させるIII 族窒化物半導体の組成を制御することができ、GaN、AlN、InN、AlGaN、InGaN、AlGaInNなどを育成することができる。特にIII 族金属としてGaのみを用いることが好ましい。つまり、本発明は特にGaNの育成に好適である。
フラックスであるアルカリ金属は、通常ナトリウム(Na)を用いるが、カリウム(K)を用いてもよく、NaとKの混合物であってもよい。さらには、リチウム(Li)やアルカリ土類金属を混合してもよい。
混合融液には、炭素(C)を添加してもよい。Cの添加により、結晶成長速度を速めることができる。また、混合融液には、結晶成長させるIII 族窒化物半導体の伝導型、磁性などの物性の制御や、結晶成長の促進、雑晶の抑制、成長方向の制御、などの目的でC以外のドーパントを添加してもよい。たとえばn型ドーパントとしてゲルマニウム(Ge)などを用いることができ、p型ドーパントとしてマグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)などを用いることができる。
窒素を含むガスは、窒素分子や、アンモニア等の窒素を構成元素として含む化合物の気体であり、それらの混合ガスでもよく、さらには、窒素を含むガスが希ガス等の不活性ガスに混合されていてもよい。
(種基板の構成)
本発明では、混合融液中に種基板(種結晶)を配置し、その種基板上にIII 族窒化物半導体を育成する。種基板は、加熱、加圧する前から混合融液中に配置してもよいし、加熱、加圧して成長温度、成長圧力に達してから混合融液中に配置してもよい。種基板には、III 族窒化物半導体からなる自立基板や、テンプレート基板を用いることができる。
自立基板は、GaN、AlGaN、AlNなど任意の組成のIII 族窒化物半導体とすることができる。通常は、フラックス法によって育成したいIII 族窒化物半導体と同一組成のIII 族窒化物半導体とする。
テンプレート基板は、下地となる下地基板上に、バッファ層を介してc面を主面とするIII 族窒化物半導体層が形成された構成である。
下地基板の材料は、その表面にIII 族窒化物半導体を育成可能な任意の材料でよい。たとえば、サファイア、ZnO、スピネルなどを用いることができる。
下地基板上のIII 族窒化物半導体層は、GaN、AlGaN、AlNなど任意の組成のIII 族窒化物半導体とすることができる。通常は、フラックス法によって育成したいIII 族窒化物半導体と同一組成のIII 族窒化物半導体とする。III 族窒化物半導体層はMOCVD法、HVPE法、MBE法など、任意の方法によって成長させたものでよいが、結晶性や成長時間などの点でMOCVD法やHVPE法が好ましい。
(結晶成長装置の構成)
本発明のIII 族窒化物半導体の製造方法では、たとえば以下の構成の結晶成長装置1000を用いる。結晶成長装置1000は、Naフラックス法を用いてIII 族窒化物半導体の単結晶を成長させるためのものである。
図1は、結晶成長装置1000の構成を示した図である。結晶成長装置1000は、Naフラックス法を用いて成長基板上にIII 族窒化物半導体の単結晶を成長させるためのものである。
図1に示すように、結晶成長装置1000は、圧力容器1100と、圧力容器蓋1110と、中間室1200と、反応室1300と、反応室蓋1310と、回転軸1320と、ターンテーブル1330と、側部ヒーター1410と、下部ヒーター1420と、ガス供給口1510と、ガス排気口1520と、真空引き排気口1530と、測定用通気口1540と、Qmass取付口1550と、を有する。
圧力容器1100は、結晶成長装置1000の筐体である。圧力容器蓋1110は、圧力容器1100の鉛直下方の位置に配置されている。中間室1200は、圧力容器1100の内部の室である。反応室1300は、坩堝CB1を収容し、その内部で半導体単結晶を成長させるための室である。反応室蓋1310は、反応室1300の蓋である。
回転軸1320は、正回転および負回転をすることができるようになっている。回転軸1320は、モーター(図示せず)から回転駆動を受けることができる。ターンテーブル1330は、回転軸1320に連れまわって回転することができる。側部ヒーター1410および下部ヒーター1420は、反応室1300を加熱するためのものである。
ガス供給口1510は、圧力容器1100の内部に窒素ガスを含むガスを供給するための供給口である。ガス排気口1520は、圧力容器1100の内部からガスを排気するためのものである。真空引き排気口1530は、圧力容器1100を真空引きするためのものである。測定用通気口1540は、圧力容器1100の内部のガスを測定のために抽出するためのものである。測定用通気口1540のガスの流れの下流の位置には、O2 センサーや露点計が配置されている。Qmass取付口1550は、Qmass装置を取り付けるためのものである。
結晶成長装置1000は、坩堝CB1の内部の温度および圧力を調整するとともに坩堝CB1を回転させることができる。そのため、坩堝CB1の内部では、所望の条件で種結晶から半導体単結晶を成長させることができる。
この結晶成長装置1000において、炉内雰囲気(反応室1300内の雰囲気)の酸素濃度を制御するには、ガス供給口1510より反応室1300内に供給される窒素を含むガスの酸素濃度を制御すればよい。また、結晶成長装置1000の構造上、炉内雰囲気と炉外雰囲気(圧力容器1100の外部の雰囲気)との隔離性が完全ではない場合、炉外雰囲気が炉内雰囲気にわずかに影響を及ぼす場合もある。これを利用して、炉外雰囲気の酸素濃度を制御することにより炉内雰囲気の酸素濃度を制御してもよい。この場合、圧力容器1100と圧力容器蓋1110の隙間を内部に含むようにして囲う部屋(下室)をさらに設け、その下室内の雰囲気の酸素濃度を制御することが望ましい。
(本発明のIII 族窒化物半導体の製造方法について)
次に、本発明のIII 族窒化物半導体の製造方法について、図を参照に説明する。
まず、炉内雰囲気を不活性ガスに置換し、炉内を加熱し、その後真空引きすることにより、炉内の酸素などのアウトガス成分を十分に低減しておく。
次に、酸素や露点など雰囲気が制御されたグローブボックス内で所定量のアルカリ金属、III 族金属を計量する。その後、種基板と、計量した所定量のアルカリ金属とIII 族金属とを坩堝CB1に投入する。必要に応じて、炭素などの添加元素を投入してもよい。
次に、原料を配置した坩堝CB1を、反応室1300内のターンテーブル1330上に配置し、反応室1300を密閉し、さらに反応室1300を圧力容器1100内に密閉する。そして、反応室1300内および圧力容器201内を真空引きした後、窒素を含むガスを反応室1300内部および圧力容器201内部に供給する。圧力が結晶成長圧力まで達したら、炉内を結晶成長温度まで昇温する。結晶成長温度はたとえば700℃以上1000℃以下、結晶成長圧力はたとえば2MPa以上10MPa以下である。昇温の過程で、坩堝CB1中の固体のアルカリ金属や固体のIII 族金属は溶けて液体となり、混合融液を形成する。
次に、反応室1300内の温度が結晶成長温度に達したら、坩堝CB1を回転させることで混合融液を攪拌し、混合融液中のアルカリ金属とIII 族金属の濃度分布が均一になるようにする。窒素が混合融液に溶解していき、過飽和状態になると種基板の上面からIII 族窒化物半導体の結晶成長が始まる。なお、攪拌は、反応室1300内の温度が結晶成長温度に達する前から開始してもよい。
結晶成長温度、結晶成長圧力を維持して種基板1上面に十分にIII 族窒化物半導体結晶を育成した後、坩堝CB1の回転と反応室1300の加熱を停止して温度を室温まで低下させ、圧力も常圧まで低下させ、III 族窒化物半導体の育成を終了する。
本発明のIII 族窒化物半導体の製造方法では、結晶成長温度、結晶成長圧力に達した時を育成開始の始点として、その育成開始から所定時間を経過するまでは、炉内雰囲気の酸素濃度を0.02ppm以下とする(本発明の第1工程、図2のステップS1)。ここで酸素濃度は、体積濃度である。炉内雰囲気とは、混合融液の置かれた反応室1300内の雰囲気であり、より具体的には混合融液と接する気体である。
炉内雰囲気の酸素濃度を0.02ppm以下とするために、炉外雰囲気の酸素濃度を十分に低減しておくとよい。結晶成長装置1000の構造上、炉内雰囲気と炉外雰囲気(圧力容器1100の外部の雰囲気)との隔離性が完全ではない場合、炉の開閉口などの隙間から炉内に酸素が入り込み、炉内雰囲気の酸素濃度に影響を与えるためである。結晶成長装置1000に下室を設けている場合、その下室内の雰囲気を窒素ガスなどの不活性ガスに置換しておくとよい。
第1工程によるIII 族窒化物半導体の育成時間は、5~15時間とすることが望ましい。この範囲とすることにより、種基板の外周部の異常成長をより抑制することができる。より望ましくは7~13時間、さらに好ましくは9~11時間である。
第1工程において、炉内雰囲気の酸素濃度が0.02ppm以下となる範囲であれば、酸素濃度は一定である必要はない。たとえば、連続的、段階的に酸素濃度を増加させてもよい。
なお、第1工程において、より望ましい炉内雰囲気の酸素濃度は、0.015ppm以下であり、さらに望ましくは0.01ppm以下である。酸素濃度は低ければ低いほど望ましいが、制御の容易さやコストの点から0.005ppm以上とすることが望ましい。
次に、第1工程後(すなわちIII 族窒化物半導体の育成開始から所定時間経過後)に、炉内雰囲気の酸素濃度を0.02ppmより大きく0.1ppm以下の範囲に制御する(本発明の第2工程、図2のステップS2)。
第2工程において、炉内雰囲気の酸素濃度は、0.02ppmより大きく0.1ppm以下の範囲内であれば一定である必要はない。たとえば連続的、段階的に酸素濃度を増加させてもよい。
また、第1工程から第2工程にかけて、酸素濃度は段階的に変化させる必要はなく、連続的に変化させるようにしてもよい。
以上のように、本発明では、育成開始から所定時間経過までは炉内雰囲気の酸素濃度を0.02ppm以下に制御し、その後に炉内雰囲気の酸素濃度を0.02ppmより大きく0.1ppm以下に制御している。このように酸素濃度を制御することで、種基板の外周部に異常成長が発生するのを抑制することができ、種基板上に平坦で均一なIII 族窒化物半導体結晶を育成することができる。
このような炉内雰囲気の酸素濃度の制御によって種基板外周部の異常成長が抑制できる理由は明らかではないが、次のように推察される。
結晶成長の初期においては、混合融液中の酸素量に応じて、次のような反応が起こっているものと推察される。
結晶成長の初期において、混合融液中の酸素が少ない場合、坩堝CB1の側壁近傍において何らかの反応により混合融液に溶解した窒素が消費されていると考えられる。そのため、坩堝CB1の側壁近傍の混合融液の窒素は未飽和となり、種基板の外周部はメルトバックし、異常成長が生じる。
結晶成長の初期において、混合融液中の酸素が適度である場合、上記の坩堝CB1の側壁近傍における反応が抑制されると考えられる。そのため、坩堝CB1の側壁近傍においても窒素が多く溶解し、混合融液の窒素は過飽和となり、種基板の外周部にメルトバックが生じない。
結晶成長の初期において、混合融液中の酸素が過剰である場合、混合融液の表面に酸化被膜が形成される。酸化被膜は、坩堝CB1の回転に伴い、坩堝CB1の側壁側に偏って存在していると考えられる。この酸化被膜により、混合融液に溶解する窒素が少なくなり、混合融液中の窒素は未飽和となる。そのため、種基板の外周部はメルトバックし、異常成長が生じる。
本発明のようにして酸素濃度を制御している場合、結晶成長の初期における混合融液中の酸素量が適度な範囲となり、その結果、種基板外周部のメルトバックが抑制され、異常成長が抑制されていると考えられる。
(酸素濃度の制御方法について)
炉内雰囲気の酸素濃度を制御する方法としては、1つは、炉が置かれている雰囲気(炉外雰囲気)を制御することである。結晶成長装置1000の仕様によっては、密閉性が完全ではない場合があり、その場合には、炉外の雰囲気の酸素濃度が変われば、炉の隙間から炉内に入り込む酸素量も変化し、炉内の雰囲気の酸素濃度にも変化が生じる。これを利用して、炉外の雰囲気の酸素濃度を制御することで、炉内の雰囲気の酸素濃度を制御することができる。
他の1つは、炉内に供給する窒素を含むガス(反応室1300に供給するガス)の酸素濃度を変化させる方法である。この方法によれば、炉内の雰囲気の酸素濃度を直接的に制御することができる。ガス供給口1510から反応室1300に供給するガスの酸素濃度を制御してもよいし、別途酸素供給用の供給口を反応室1300に設けて、その供給口から反応室1300に供給するガスの酸素濃度を制御してもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
結晶成長装置1000を用いて、以下のようにして種基板上にGaN結晶を育成した。まず、炉内(反応室1300および圧力容器1100内)の雰囲気を窒素ガスに置換し、炉内を加熱し、真空引きを行うことで炉内の酸素や水分を低減した。これにより、GaN結晶の育成開始時点において炉内雰囲気の酸素濃度が0.02ppm以下となるようにした。
次に、グローブボックス内でアルミナ製の坩堝CB1の中に種基板、固体Ga、固体Naを配置した。また、育成レートを向上させる目的で、グラファイト粉末も坩堝CB1内に投入した。種基板はサファイア基板上にMOCVD法によって一様に平坦なGaN層を形成したものを用いた。
次に、坩堝CB1を炉に搬入して炉を密閉し、炉内に窒素を供給して炉内の圧力が3MPaとなるまで加圧した。グローブボックス内および搬入経路で坩堝CB1内のNaが酸化しないように、下室の雰囲気を制御し、坩堝CB1を搬送容器に入れて炉に搬入した。次いで炉を加熱して成長温度(856℃)まで昇温し、種基板上へのGaN結晶の育成を開始した。
成長温度に到達後、圧力容器1100の開閉口を囲って密閉する下室内の雰囲気を窒素ガスから空気に置換した。これにより、炉外から圧力容器1100内へ、さらに圧力容器1100内から反応室1300内へと空気が徐々に侵入するようにした。
図3は、育成時間(成長温度に到達してからの時間)と炉内雰囲気の酸素濃度との関係を示したグラフである。反応室1300からガス排気口1520を介して排出されるガスの酸素濃度を測定し、その値を炉内雰囲気の酸素濃度とした。
図3のように、育成開始時点では炉内雰囲気の酸素濃度は0.015ppmであり、炉内雰囲気の酸素濃度は時間経過とともに徐々に上昇し、育成開始から10時間後には酸素濃度が0.02ppmに達した。その後も酸素濃度は上昇し続け、40時間後にはおよそ0.07ppmとなった。
GaN結晶の育成開始から40時間経過後、温度と圧力を常温、常圧に戻してGaN結晶の育成を終了し、炉から種基板を取り出し、エタノール等でNa、Gaを取り除いた。図4(a)は種基板表面側(GaN結晶育成側)を撮影した写真、図4(b)は種基板表面側の蛍光画像である。種基板上に得られたGaN結晶を観察したところ、種基板の全面に均一に育成しており、平均膜厚は0.5mmであった。種基板の外周部には異常成長が見られなかった。
(比較例1)
実施例1において、下室の窒素ガスを空気に置換せずに窒素ガスのままとしてGaN結晶の育成を40時間行った。実施例1と同様にして、育成時間と炉内雰囲気の酸素濃度との関係を調べたところ、図3のように、炉内雰囲気の酸素濃度はおよそ0.01ppmで一定であった。図5(a)は種基板表面側(GaN結晶育成側)を撮影した写真、図5(b)は種基板表面側の蛍光画像である。種基板上に得られたGaN結晶は、平均膜厚0.5mmで、図5のように種基板の外周部にはGaNの育成が全く見られないなどの異常成長が生じていた。種基板の裏面側から観察したところ、異常成長領域では種基板のGaN層がメルトバックしていた。
(比較例2)
実施例1において、種基板と原料とを入れた坩堝を炉内に設置後、すぐに下室の雰囲気ガスを空気に置換して、酸素濃度が0.1ppmを超える雰囲気とし、この状態でGaN結晶の育成を64時間行った。図6(a)は種基板表面側(GaN結晶育成側)を撮影した写真、図6(b)は種基板表面側の蛍光画像である。得られたGaN結晶は、平均膜厚0.7mmで、図6のように種基板の外周部にはGaNの育成が全く見られないなどの異常成長が生じていた。また、種基板の裏面側から観察したところ、異常成長領域では種基板のGaN層がメルトバックしていた。
本発明により得られるIII 族窒化物半導体結晶は、半導体素子作成用の基板などに利用することができる。
1000:結晶成長装置
1100:圧力容器
1200:中間室
1300:反応室
1410:側部ヒータ
1420:下部ヒータ
1510:ガス供給口
1520:ガス排気口

Claims (4)

  1. III 族金属とフラックスとを混合した混合融液に窒素を含むガスを供給して種基板上にIII 族窒化物半導体を育成するIII 族窒化物半導体の製造方法において、
    前記III 族窒化物半導体の育成を開始してから所定時間を経過するまで、炉内雰囲気の酸素濃度を0.02ppm以下に制御する第1工程と、
    前記第1工程後、炉内雰囲気の酸素濃度を0.02ppmより大きく0.1ppm以下に制御する第2工程と、
    を有することを特徴とするIII 族窒化物半導体の製造方法。
  2. 前記所定時間は、前記III 族窒化物半導体の育成開始から5~15時間である、ことを特徴とする請求項1に記載のIII 族窒化物半導体の製造方法。
  3. 前記炉内雰囲気の酸素濃度は、混合融液に供給する窒素を含むガスの酸素濃度により制御する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体の製造方法。
  4. 前記炉内雰囲気の酸素濃度は、炉外の雰囲気の酸素濃度により制御する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体の製造方法。
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