JP6235398B2 - 窒化アルミニウム結晶の製造方法及び製造装置 - Google Patents

窒化アルミニウム結晶の製造方法及び製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6235398B2
JP6235398B2 JP2014069923A JP2014069923A JP6235398B2 JP 6235398 B2 JP6235398 B2 JP 6235398B2 JP 2014069923 A JP2014069923 A JP 2014069923A JP 2014069923 A JP2014069923 A JP 2014069923A JP 6235398 B2 JP6235398 B2 JP 6235398B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
holding plate
seed substrate
aluminum nitride
substrate
nitride crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014069923A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015006975A (ja
Inventor
安宏 大保
安宏 大保
杉山 正史
正史 杉山
飯田 潤二
潤二 飯田
福山 博之
博之 福山
正芳 安達
正芳 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Tohoku University NUC
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2014069923A priority Critical patent/JP6235398B2/ja
Publication of JP2015006975A publication Critical patent/JP2015006975A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6235398B2 publication Critical patent/JP6235398B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、液相成長法(LPE)によりAlNをエピタキシャル成長させる窒化アルミニウム結晶の製造方法及び製造装置に関する。
紫外発光素子は、蛍光灯の代替、高密度DVD、生化学用レーザ、光触媒による公害物質の分解、He−Cdレーザ、水銀灯の代替など、次世代の光源として幅広く注目されている。この紫外発光素子は、ワイドギャップ半導体と呼ばれるAlGaN系窒化物半導体からなり、表1に示すようなサファイア、4H−SiC、GaN、AlNなどの異種基板上に積層される。
しかしながら、サファイアは、AlGaNとの格子不整合が大きいため、多数の貫通転位が存在してしまい、非発光再結合中心となって内部量子効率を著しく低下させてしまう。また、4H−SiC及びGaNは、格子整合性は高いが、高価である。また、4H−SiC及びGaNは、それぞれ波長380nm及び365nm以下の紫外線を吸収してしまう。
これに対して、AlNは、AlGaNと格子定数が近く、200nmの紫外領域まで透明であるため、発光した紫外線を吸収することなく、紫外光を効率よく外部へ取り出すことができる。つまり、AlN単結晶を基板として用いてAlGaN系発光素子を準ホモエピタキシャル成長させることにより、結晶の欠陥密度を低く抑えた紫外光発光素子を作製することができる。
現在、HVPE法(ハイドライド気相成長法)、液相成長法、昇華再結晶法などの方法によりAlNのバルク単結晶の作製が試行されている。例えば、特許文献1には、III族窒化物結晶の液相成長法において、フラックスへの窒素の溶解量を増加させるために圧力を印加し、ナトリウム等のアルカリ金属をフラックスに添加することが開示されている。また、特許文献2には、Al融液に窒素原子を含有するガスを注入して、AlN微結晶を製造する方法が提案されている。
しかしながら、上記特許文献1、2の技術を用いてAlN結晶を製造する場合には、高い成長温度が必要となり、コスト及び結晶品質に関して満足するものが得られない。
これに対し、本件発明者らの一部は、上記問題に応えるものとして、液相成長法におけるフラックスとしてGa−Al合金融液を用いることにより、低温でのAlNの結晶成長が可能であり、基板表面の結晶性を引き継ぎかつAl極性を有する良好なAlN結晶が得られることを見出した(特許文献3)。
具体的には、Ga−Al合金融液にN原子を含有するガスを導入し、該Ga−Al合金融液中の種結晶基板上にAlN結晶をエピタキシャル成長させるにあたり、種結晶基板として窒化サファイア基板を用いた。これにより、窒化サファイア基板表面に形成された窒素極性の窒化アルミニウム膜上に、表面の良好な結晶性を引き継いだAl極性の窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させることができた。
しかしながら、この方法では、種結晶基板(シード基板)を大口径化した場合、AlN結晶膜がシード基板全面に均一に生成しないことがある。
特開2004−224600号公報 特開平11−189498号公報 国際公開第2012/008545号公報
本発明は、Ga−Al合金融液を用いてシード基板上にAlN結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法において、シード基板の口径を大きくした場合であっても全面に結晶成長がなされ、安定して良質な窒化アルミニウム結晶を得ることができる窒化アルミニウム結晶の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本件発明者らは、Ga−Al合金融液を用いてシード基板上にAlN結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法について鋭意検討を重ねた結果、Ga−Al合金融液に浸漬させるシード基板の育成面を反転させる、即ち保持プレートの下側にシード基板を配置することにより、シード基板表面の良好な結晶性を引き継ぎかつAl極性を有するAlN結晶が安定して形成されることを見出した。
すなわち、本発明に係る窒化アルミニウム結晶の製造方法は、Ga−Al合金融液に浸漬させるシード基板を保持プレートごと反転(逆さ)して、N原子を含有するガスをGa−Al合金融液に供給する供給口より高い位置にシード基板が下側に配置されるように保持プレートを浸漬させ、N原子を含有するガスがシード基板表面に直接当るようにし、Ga−Al合金融液中のシード基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させることを特徴としている。
また、本発明に係る窒化アルミニウム結晶の製造方法は、保持プレートを反転させたことによって、シード基板上にN原子を含有するガスの気泡が基板を覆うように滞留することがあり、この場合Ga−Al合金融液との接触が妨げられるので、保持プレートを傾斜角度0度より大きく15度未満となるように傾けシード基板上にガスが滞留することをなくすことを特徴とする
本発明に係る窒化アルミニウム結晶の製造装置は、Ga−Al合金融液を収容した坩堝と、先端の供給口がGa−Al合金融液に挿入され、該Ga−Al合金融液にN原子を含有するガスを供給するガス導入管と、ガス導入管の先端より高い位置にシード基板が配置されるように該シード基板を下側に保持した保持プレートとを有し、保持プレートは、傾斜角度が0度より大きく15度未満となるように傾けてガス導入管に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、シード基板の口径を大きくした場合であっても全面に結晶成長がなされ、シード基板上にAlN結晶を低温で安定して成長させることを可能である。したがって、本発明により得られる良好な結晶性を有するAlN結晶を具えた基板を用いることにより、この基板上に転位密度の低いAlGaN系半導体膜をMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等によりエピタキシャル成長させることが可能となり、AlGaN系半導体膜で構成される半導体素子の高性能化が図れる。
AlN結晶製造装置の構成例を示す図である。 保持プレートが固定されたガス導入管の一部拡大図である。 シード基板を保持した保持プレートの平面図である。 保持プレートを傾斜させてガス導入管に取り付けた状態を示す一部拡大図である。 エピタキシャル成長後のシード基板断面を示すSEM観察写真である。
以下、本発明の実施の形態における窒化アルミニウム結晶の製造方法及び窒化アルミニウムの製造装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、AlN結晶製造装置20の構成例を示す図である。AlN結晶製造装置20は、ガス導入管1と、坩堝2と、坩堝2内に配置される種基板(以下、シード基板という)3、シード基板3を保持する保持プレート4、及びGa−Al合金融液5を加熱するヒータ6と、ガス排出管7と、熱電対8とを備える。
ガス導入管1は、坩堝2内のGa−Al合金融液5にN原子を含有するガス(以下、窒素含有ガスという。)を供給するものである。ガス導入管1は、管部1aの後端から送り込まれた窒素含有ガスを先端側に設けられ、Ga−Al合金融液5に窒素含有ガスを供給する供給口1bから排出する。AlN結晶製造装置20では、Ga−Al合金融液5にガス導入管1から窒素含有ガスを供給することでバブリングすることができる。
また、ガス導入管1は、Ga−Al合金融液5に窒素含有ガスを供給するだけではなく、保持プレート4がGa−Al合金融液5内で浮いたり、動いたりしないように保持プレート4を保持する役割も有している。ガス導入管1は、管部1aの先端側に、管部1aの断面よりも広い断面を有し、例えば円盤状の保持部1cを有する。保持部1cには、上面に押さえ部材9を介在させて保持プレート4が置かれ、後述するようにボルト11とナット12とにより保持プレート4及び押さえ部材9が一体となるように固定されている。
坩堝2は、耐高温性のものが用いられ、例えばアルミナ、ジルコニアなどのセラミックを用いることができる。
シード基板3は、AlN結晶と格子不整合率が小さい格子整合基板であり、例えば、AlN薄膜を表面に形成した窒化サファイア基板、SiC基板、GaN基板などが用いられる。この中でも、窒化サファイア基板を用いることにより、表面の良好な結晶性を引き継いだAlNをホモエピタキシャル成長させることができる。窒化サファイア基板は、例えば、特開2005−104829号公報、特開2006−213586号公報、特開2007−39292号公報などに開示されている方法により得ることができる。具体的には、例えばc面サファイア基板を窒素分圧0.9atm/CO分圧0.1atm、温度1500℃で1時間保持した後、窒素分圧1.0atmで5時間保持することにより、AlN薄膜の結晶性に優れた窒化サファイア基板を得ることができる。この窒化サファイア基板は、表面のAlN膜がc軸配向単結晶膜である。
シード基板3の口径は、特に限定されないが、例えば25mm〜65mm程度のものを用いることができる。特に、50mm〜65mm程度の大口径のシード基板3であっても用いることができる。本実施の形態に係るAlN結晶製造装置20を用いたAlN結晶の成長方法では、後述するようにシード基板3を保持プレート4の下側に配置し、窒素含有ガスが供給されるガス導入管1の供給口1b側に配置することで窒素含有ガスが直接当るようになる。これにより、従来のようにシード基板3を保持プレート4の上側に設けた場合よりも、窒化アルミニウム結晶を低温で安定に形成でき、更に大口径のシード基板3であっても全面に結晶成長させることができ、安定して良質な窒化アルミニウム結晶を得ることができる。
また、シード基板3に窒化サファイア基板を用いる場合は、予め900℃以上1500℃以下の温度で窒化サファイア基板のアニール処理を行うことが望ましい。アニール処理を行うことで、AlN薄膜に回転ドメインが存在した場合であっても、ドメインの再配列が促され、c軸配向したシングルドメインとなる。
シード基板3を保持する保持プレート4には、耐高温性のものが用いられ、例えばアルミナ、ジルコニアなどのセラミックを用いることができる。保持プレート4は、図2及び図3に示すように、円盤状に形成され、中心にはガス導入管1の管部1aが貫通する貫通孔4aが形成されている。AlN結晶製造装置20では、保持プレート4にガス導入管1の管部1aを貫通させ、保持プレート4が保持部1c上に載るようにすることで、ガス導入管1の供給口1bが保持プレート4よりも下に位置するようになる。
保持プレート4には、一方の面にシード基板3が嵌め込まれる凹部4bが形成されている。例えば、保持プレート4は、図2及び図3に示すように、シード基板3を3つ保持できるように凹部4bが3つ形成されている。保持プレート4には、凹部4bからシード基板3が外れないように押さえ部材9、10が取り付けられている。例えば、保持プレート4には、貫通孔4aの周囲に取り付けられてすべてのシード基板3の端部を押さえる第1の押さえ部材9と、保持プレート4の円周側に各凹部4bに嵌め込まれたシード基板3の端部をそれぞれ押さえる第2の押さえ部材10とがボルト11とナット12により取り付けられている。
第1の押さえ部材9は、ガス導入管1の保持部1cと保持プレート4との間に介在させる。第1の押さえ部材9を保持部1cと保持プレート4との間に介在させた状態でボルト11を貫通させ、ボルト11とナット12によりガス導入管1の保持部1cと保持プレート4と第1の押さえ部材9とを一体にする。また、保持プレート4の外周側は、第2の押さえ部材10と保持プレート4にボルト11を貫通させ、ボルト11とナット12により第2の押さえ部材10と保持プレート4とを一体にする。これにより、シード基板3が取り付けられた保持プレート4をガス導入管1の保持部1cに固定し保持することができ、Ga−Al合金融液5内において保持プレート4が浮いたり、動くことを防止できる。
なお、押さえ部材9、10は、凹部4bからシード基板3が外れないようにする構造であればこれに限定されず、他の構造のものであってもよい。また、例えば凹部4bの底面に着脱可能に貼付ける等、凹部に対してシード基板3を着脱可能に取り付けることができれば押さえ部材9、10は必要としない。
また、保持プレート4は、図1に示すように、水平に設けられている、即ちガス導入管1と直角となるように設けられている。なお、このことに限定されず、後述するように斜めに設けたり、回転可能に設けてもよい。
Ga−Al合金融液5は、GaとAlとのモル比率が99:1〜1:99の範囲のものを用いることができる。この中でも、低温成長及び結晶性の観点から、GaとAlとのモル比率が98:2〜40:60の範囲のものが好ましく、さらに好ましくは98:2〜50:50の範囲のものである。
窒素含有ガスとしては、N、NH等を用いることができるが、安全性の観点からNを用いることが好ましい。また、窒素含有ガスの圧力は、通常0.01MPa以上1MPa以下である。
以上のような構成からなるAlN結晶製造装置20は、図1に示すように、坩堝2内のGa−Al合金融液5中に挿入されたガス導入管1の供給口1bが保持プレート4よりも低い位置にあり、供給口1b側にシード基板3が向くように保持プレート4を設ける。
ここで、通常は、シード基板3が上側を向くように保持プレート4を設けるが、このAlN結晶製造装置20では、保持プレート4ごと逆さまにしてシード基板3が下側、即ち供給口1b側となるように保持プレート4を配置する。このようなAlN結晶製造装置20では、ガス導入管1の供給口1bから供給された窒素含有ガスが上昇していく際に、シード基板3に窒素含有ガスが直接当るようになる。これにより、このAlN結晶製造装置20では、Ga−Al合金融液5中のシード基板3上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させることができ、シード基板3の表面に良好な結晶性を引き継ぎかつAl極性を有するAlN結晶を低温でも安定に形成することができる。また、このようなAlN結晶製造装置20では、シード基板3を大口径した場合であっても全面に結晶成長がなされ、安定して良質な窒化アルミニウム結晶を得ることができる。例えばシード基板3を65mm程度の大口径にした場合であっても安定して良質な窒化アルミニウム結晶を得ることができる。
上述したAlN結晶製造装置20では、ガス導入管1と保持プレート4とが異なる部材のものであったが、このことに限定されず、ガス導入管1と保持プレート4とが一体に形成され、保持プレート4の凹部4bに嵌め込まれたシード基板3が落ちないようにシード基板3を押さえる押さえ部材9、10を取り付けられたものであってもよい。
さらに、AlN結晶製造装置20では、シード基板3が取り付けられた保持プレート4を反転させたことによって、シード基板3上に窒素含有ガスの気泡がシード基板3を覆うように滞留することがある。このような場合には、シード基板3とGa−Al合金融液5との接触が妨げられるので、保持プレート4に傾斜をつけるか、又は保持プレート4を回転させることが好ましい。
傾斜をつける場合は、保持プレート4の傾斜角度を0度より大きく15度未満とし、傾ける方向は限定されない。傾斜角度は、図1に示すように、保持プレート4を水平に設けた場合の水平位置を傾斜角度0℃とし、この水平位置を基準とした角度である。
保持プレート4の傾斜のつけ方としては、図4に示すように、ガス導入管1の保持部1cと第1の押さえ部材9との間にスペーサ13を挟み込ませて保持プレート4の一端を持ち上げることで保持プレート4を傾かせる方法がある。この場合には、保持プレート4と第1の押さえ部材9、スペーサ13、ガス導入管1の保持部1cをボルト11及びナット12で一体化することで保持プレート4の傾斜を所定の角度に固定して保持し、溶融液中において保持プレート4が浮遊するのを抑える。
保持プレート4を傾けることによって、上昇させた側から気泡が抜けやすくなる。なお、保持プレート4とガス導入管1とを一体に形成する場合には、ガス導入管1に対して保持プレート4を傾けて一体に形成することで、保持プレート4を所定の角度に傾けた状態で保持することができる。
回転させる場合には、上述したように保持プレート4が水平となるようにガス導入管1に取り付けた状態で、保持プレート4がガス導入管1の保持部1cに固定されているためガス導入管1の管部1aを回転させることによって、保持プレート4を回転させることができる。また、保持プレート4をガス導入管1に対して傾けて取り付けた場合であっても回転させてよい。保持プレート4を回転させることによって、遠心力により保持プレート4の外周側から気泡が抜けやすくなる。保持プレート4の回転数は、シード基板3表面上でのAlN結晶成長が撹乱されてしまうことから、40rpm以下とすることが好ましい。
このように、AlN結晶製造装置20では、保持プレート4に傾斜をつけたり、保持プレート4を回転させることによって、シード基板3上から気泡が除去されるのでシード基板3とGa−Al合金融液5とが直接接することが気泡により妨げられることを防止できる。これにより、このAlN結晶製造装置20では、シード基板3にGa−Al合金融液5が直接接することを維持できるためAlN結晶の形成を安定に継続させることができる。
続いて、AlN結晶の製造方法について説明する。上述したようなAlN結晶製造装置20において、先ず、保持部1cにシード基板3をセットした保持プレート4を図2や図4のように取り付け、先端に保持プレート4が固定されたガス導入管1をGa−Al合金融液5上に待機させる。
次に、窒素ガス、アルゴンガスなどの雰囲気中でGa−Al合金融液6の昇温を開始し、Alの融点に達した後、供給口1bから窒素含有ガスを供給させつつGa−Al合金融液5中に保持プレート4を浸漬する。
次に、坩堝2内のGa−Al合金融液5の温度をヒータ6で更に昇温させ、1000℃以上1500℃以下の目標温度に保持した状態でシード基板3上にAlN結晶を生成させる。尚、浸漬するタイミングは、目標温度に達してからでも良い。
この際、図1に示すように、保持プレート4をシード基板3が下側となるように配置し、Ga−Al合金融液5中でバブリングされた窒素含有ガスを直接シード基板3に当てることによってAlN結晶の成長を促進させる。
また、上記方法において、シード基板3に窒化サファイア基板を用いる場合には、窒化サファイア基板をGa−Al合金融液5中に浸漬する直前に、Ga−Al合金融液5直上で保持することで、窒化サファイア基板のアニール処理をAlN結晶製造装置20内で行うことができる。アニール処理時のシード基板温度は、窒化サファイア基板がGa−Al合金融液5直上で保持されているため、Ga−Al合金融液5と同等になる。
シード基板3上にAlN結晶を生成させる際のGa−Al合金融液5の温度は、1000℃以上とすることが好ましい。これにより、注入された窒素とGa−Al合金融液5中のガリウム及びアルミニウムのそれぞれとが化合して生成されたGaN及びAlNの微結晶のうち、GaN微結晶が解離し、ガリウムと窒素に分解するため、AlN結晶成長の阻害を防ぐことができる。なお、AlN結晶の融点は2000℃以上であり、1500℃以下では安定である。
また、AlN結晶は、1気圧の常圧条件でも成長させることができ、窒素の溶解度が小さい場合には加圧してもよい。
そして、所定時間が経過した後、シード基板3をGa−Al合金融液5から取り出して、徐冷を行う。
以上説明したように、Ga−Al合金融液5を用いてシード基板3上にAlN結晶をエピタキシャル成長させる方法では、上述したようにシード基板3が取り付けられた保持プレート4を逆さまにして窒素含有ガスが直接シード基板3に当るようにしているため、窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させ、シード基板3の表面に良好な結晶性を引き継ぎかつAl極性を有する良質なAlN結晶を低温でも安定に形成することができる。また、このAlN結晶の製造方法では、窒素含有ガスが直接シード基板3に当るようにしたことから、シード基板3を大口径とした場合であっても全面に結晶成長がなされ、安定して良質な窒化アルミニウム結晶を得ることができる。
また、AlN結晶の製造方法では、保持プレート4を反転させたことによりシード基板3上に気泡が滞留する場合があるが、保持プレート4を傾斜をつけて配置したり、保持プレート4を回転させることによって、シード基板3上から気泡が除去され、シード基板3とGa−Al合金融液5とが直接接することが妨げられなくなり、継続して良質なAlN結晶を低温で安定に形成することができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
先ず、c面サファイア基板を窒素分圧0.9atm/CO分圧0.1atm、温度1500℃で1時間保持した後、窒素分圧1.0atmで5時間保持し、窒化サファイア基板を得た。
次に、ガリウムとアルミニウムのモル比率が60:40のGa−Al合金融液からなるフラックスを窒素ガス中で昇温させた。アルミニウムの融点に達した後、フラックス中に0.1MPaの窒素ガスを100cc/minの流速で吹き込んだ。ジルコニア式酸素センサーで測定したところ、酸素分圧は1.58×10−6atmであった。そして、坩堝内のフラックスの温度を1300℃に保ち、常圧で保持プレートを逆さにして窒化アルミニウム薄膜が形成された窒化サファイア基板が下側となるように配置し、保持プレートが水平となるようにガス導入管の保持部に保持プレートを取り付けてフラックス中に浸漬させた(図1参照)。5時間経過した後、窒化アルミニウム基板をフラックス中から取り出して徐冷を行い、窒化アルミニウム結晶を生成させた。
その結果、AlN結晶はサファイア基板上に均一に成長して、AlN結晶の膜厚は2.8μmであった。また、窒化サファイア基板上の窒化アルミニウム膜の品質を受け継いだ配向性の高い良好なAlN結晶をエピタキシャル成長させることが確認できた。
[実施例2]
実施例2では、図4に示すようにガス導入管の保持部と、第1の押さえ部材及び保持プレートとの間にスペーサを介在させて傾斜角度が10度となるように保持プレートを傾けたこと以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウム結晶を生成させた。結果、エピタキシャル成長したAlN結晶の膜厚は3.8μmであった。また、窒化サファイア基板上の窒化アルミニウム膜の品質を受け継いだ配向性の高い良好なAlN結晶をエピタキシャル成長させることが確認できた。
図5に、実施例2のエピタキシャル成長後のサファイア基板断面を示すSEM観察写真を示す。
[比較例1]
比較例1では、保持プレートを逆さまにせず、サファイア基板が上側となるように保持プレートを配置したこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム結晶を生成させた。その結果、AlN結晶はシード基板上に1μm程度しか成長していなかった。
[比較例2]
比較例2では、保持プレートを傾斜角度15度となるように大きく傾けたこと以外は実施例2と同様にして窒化アルミニウム結晶を成長させた。結果、AlN結晶はあまり成長せず、シード基板表面に侵食が見られた。
以上の実施例及び比較例の結果から、保持プレートを逆さまにしてシード基板となるサファイア基板を下側に設けた実施例1では、AlN結晶をエピタキシャル成長させることができ、膜厚が厚く、良質なAlN結晶を得ることができた。更に、サファイア基板を傾けて配置した実施例2では、実施例1よりも膜厚が厚く、より良質なAlN結晶を得ることができた。
一方、サファイア基板が上側となるように配置した比較例1では、AlN結晶の成長が十分ではなく、膜厚が実施例よりも薄くなった。更に、サファイア基板を10度よりも大きく傾けた比較例2では、AlN結晶はあまり成長せず、良質なAlN結晶を得ることができなかった。
したがって、実施例1及び2のように、サファイア基板を下側となるように配置したり、更に保持プレートを傾けることにより、膜厚が厚く良質なAlN結晶が得られることがわかる。
1 ガス導入管、1a 管部、1b 供給口、1c 保持部、2 坩堝、3 シード基板、4 保持プレート、5 Ga−Al溶融液、6 ヒータ、7 ガス排出管、8 熱電対、9 第1の押さえ部材、10 第2の押さえ部材、11 ボルト、12 ナット、13 スペーサ、20 窒化アルミニウム結晶の製造装置

Claims (7)

  1. Ga−Al合金融液中において、N原子を含有するガスを供給する供給口より高い位置にシード基板が配置されるように該シード基板を保持プレートで下側に保持し、上記保持プレートを傾斜角度が0度より大きく15度未満となるように傾け、該シード基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させることを特徴とする窒化アルミニウム結晶の製造方法。
  2. 上記保持プレートを回転させることを特徴とする請求項に記載の窒化アルミニウム結晶の製造方法。
  3. 上記保持プレートの回転数は、40rpm以下であることを特徴とする請求項に記載の窒化アルミニウム結晶の製造方法。
  4. Ga−Al合金融液を収容した坩堝と、
    先端の供給口が上記Ga−Al合金融液に挿入され、該Ga−Al合金融液にN原子を含有するガスを供給するガス導入管と、上記ガス導入管の先端より高い位置にシード基板が配置されるように該シード基板を下側に保持した保持プレートとを有し、上記保持プレートは、傾斜角度が0度より大きく15度未満となるように傾けて上記ガス導入管に設けられていることを特徴とする窒化アルミニウム結晶の製造装置。
  5. 上記保持プレートは、円盤状に形成され、中心に上記ガス導入管が貫通し、該ガス導入管の供給口が該保持プレートよりも下に位置していることを特徴とする請求項に記載の窒化アルミニウム結晶の製造装置。
  6. 上記保持プレートが上記ガス導入管に対して回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の窒化アルミニウム結晶の製造装置。
  7. 上記ガス導入管は、先端に、円盤状に形成され、上記保持プレートを保持する保持部を有し、上記保持プレートに形成された凹部に嵌め込まれたシード基板を押さえる押さえ部材を介して、上記保持プレートが上記保持部材上に置かれていることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム結晶の製造装置。
JP2014069923A 2013-05-27 2014-03-28 窒化アルミニウム結晶の製造方法及び製造装置 Active JP6235398B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014069923A JP6235398B2 (ja) 2013-05-27 2014-03-28 窒化アルミニウム結晶の製造方法及び製造装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013111290 2013-05-27
JP2013111290 2013-05-27
JP2014069923A JP6235398B2 (ja) 2013-05-27 2014-03-28 窒化アルミニウム結晶の製造方法及び製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015006975A JP2015006975A (ja) 2015-01-15
JP6235398B2 true JP6235398B2 (ja) 2017-11-22

Family

ID=52337599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014069923A Active JP6235398B2 (ja) 2013-05-27 2014-03-28 窒化アルミニウム結晶の製造方法及び製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6235398B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7448925B2 (ja) * 2022-02-24 2024-03-13 国立大学法人東北大学 AlN単結晶の製造方法、AlN単結晶、およびAlN単結晶製造装置
KR20240134183A (ko) * 2022-02-24 2024-09-06 고쿠리츠다이가쿠호진 도호쿠다이가쿠 AlN 단결정의 제조 방법, AlN 단결정, 및 AlN 단결정 제조 장치

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5776821A (en) * 1980-10-31 1982-05-14 Fujitsu Ltd Liquid phase epitaxial growing method
JP2004131305A (ja) * 2002-10-08 2004-04-30 Canon Inc シリコン結晶の液相成長方法、太陽電池の製造方法及びシリコン結晶の液相成長装置
JP4456856B2 (ja) * 2003-12-12 2010-04-28 パナソニック電工株式会社 Iii族金属窒化物結晶の製法
JP5656697B2 (ja) * 2010-07-14 2015-01-21 住友金属鉱山株式会社 窒化アルミニウム結晶の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015006975A (ja) 2015-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5656697B2 (ja) 窒化アルミニウム結晶の製造方法
JP5885650B2 (ja) 最初のiii族−窒化物種晶からの熱アンモニア成長による改善された結晶性のiii族−窒化物結晶を生成するための方法
JP6144630B2 (ja) 複合基板の製造方法、13族元素窒化物からなる機能層の製造方法
JP4886711B2 (ja) Iii族窒化物単結晶の製造方法
JP6362378B2 (ja) 窒化アルミニウム結晶の製造方法
JP6189664B2 (ja) 窒化アルミニウム結晶の製造方法
JP2006290677A (ja) 窒化物系化合物半導体結晶の製造方法及び窒化物系化合物半導体基板の製造方法
JP6491488B2 (ja) エピタキシャル成長用基板及びその製造方法
JP6235398B2 (ja) 窒化アルミニウム結晶の製造方法及び製造装置
JP2009018975A (ja) 非極性面iii族窒化物単結晶の製造方法
JP5865728B2 (ja) 窒化アルミニウム結晶の製造方法
JP2008162855A (ja) 窒化物半導体基板の製造方法及び窒化物半導体基板
JP5005266B2 (ja) AlN結晶の作製方法およびAlN厚膜
JP6373615B2 (ja) 窒化アルミニウム結晶の製造方法及び製造装置
JP6362555B2 (ja) 窒化アルミニウム結晶の製造方法
JP2009221041A (ja) 結晶成長方法、結晶成長装置およびこれらによって製造された結晶薄膜を有する半導体デバイス
JP4867981B2 (ja) GaN結晶の成長方法
JP6159245B2 (ja) 窒化アルミニウム結晶の製造方法
JP2017160106A (ja) 窒化アルミニウム結晶の製造方法
JP2019189479A (ja) Iii族窒化物結晶の製造方法
JP2008047611A (ja) 積層体からの基材層除去方法およびこれを用いてAlN系III族窒化物単結晶の自立基板を作製する方法
JP2019189486A (ja) Iii族窒化物結晶の製造方法
JP2010024124A (ja) Iii族窒化物結晶の成長方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6235398

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250