JP2009221041A - 結晶成長方法、結晶成長装置およびこれらによって製造された結晶薄膜を有する半導体デバイス - Google Patents

結晶成長方法、結晶成長装置およびこれらによって製造された結晶薄膜を有する半導体デバイス Download PDF

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裕之 安藤
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律夫 鐘築
Masaru Kadono
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Abstract

【課題】簡易に転位密度の小さな結晶薄膜を製造することができる結晶成長方法および結晶成長装置を提供する。
【解決手段】基板18に供給された金属原料および融剤からなる液体原料に気体原料を反応させ、金属原料および気体原料のうち、それぞれ少なくとも1元素同士から構成される結晶原料を液体原料および気体原料からなる混合物から結晶化することによって、結晶薄膜を得る結晶成長方法であり、基板18上における結晶原料の結晶化が開始される成長開始部から、その周囲に亘って、結晶原料の温度を変化させるよう上記結晶原料の温度分布を制御し、生じた結晶薄膜の周囲に亘る結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、上記結晶原料の溶解濃度を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、結晶成長方法、結晶成長装置およびこれらによって製造された結晶薄膜を有する半導体デバイスに関する。
レーザダイオードや発光ダイオードの開発が以前から盛んになされており、特に青色のレーザダイオードや発光ダイオードは、近年の劇的な性能の向上に伴って、高密度光ディスク、ディスプレイ、各種照明などへの実用に至り、今後もコストパフォーマンスの向上による用途の広がりが期待されている。
青色の発光デバイスの発光材料には一般的に窒化ガリウムをベースとする半導体材料が用いられており、窒化ガリウムはバンドギャップが大きく、インジウムやアルミニウムの混合量を変えてバンドギャップを調整することにより、可視領域の広い波長範囲の発光が可能なため、青色以外の発光デバイスの発光材料としても注目されている。また、窒化ガリウムはバンドギャップが大きいことおよび電子の移動度が大きいことによって、高出力や、高周波数のトランジスタ動作が可能なため、電子デバイス材料としても注目されている。
従来の青色発光ダイオードの発光層は、一般的に、サファイア基板上に窒化ガリウムを主材料とする結晶を気相エピタキシャル成長法によって形成され、この方法で得られる結晶の転位密度は、通常約10cm−2〜10cm−2と大きな値となっている。このように転位密度が大きい主な理由は、サファイアと窒化ガリウムとの格子定数差が大きいからであり、窒化ガリウムの結晶成長の初期に形成された転位は通常成長方向、すなわち発光層に伝播し、デバイスを貫通して形成される。このように転位密度が大きいことによって、インジウムの混合量によっては良好な発光効率が得られない場合がある。また、特に大きな電流密度で駆動された場合に、駆動電流や駆動時間の増加に対する発光効率の低下が著しく大きくなる、という問題がある。
結晶の転位密度を低減する製造方法として、結晶成長の初期において、部分的に基板面内方向に結晶成長させることにより、転位を基板面内方向に伝播させ、デバイスを貫通する転位を減少させるラテラルオーバグロース法が、特許文献1および特許文献2に開示されている。
特許文献1に開示された製造方法は、成長初期の結晶層を、例えばストライプ上にマスクし、その後の結晶成長領域を制限することによって、部分的に基板面内方向に結晶成長させる方法であり、この製造方法によって成長した結晶の転位密度は10cm−2程度であり、低減された値となっている。また、特許文献2に開示された製造方法は、成長初期の結晶層を、例えばストライプ上にエッチングして取り除き、その後の結晶成長領域を制限することによって、部分的に基板面内方向に結晶成長させる方法であり、この製造方法によってクラックや転位の少ない結晶成長ができる。
しかし、これらの方法は製造工程が複雑であるというデメリットに加えて、これらの方法によって製造した結晶は、横方向に成長した領域は転位が大幅に低減されているものの、成長初期の結晶層をマスクしない領域やエッチングしない領域は、基板面に垂直な方向に結晶成長するため依然として転位は多く、横方向成長した低転位領域にのみデバイスを作製すると、デバイスの取れ数が基板面積に対して少ない、という問題や、デバイス作製のための位置合わせに大きな手間がかかる、という問題がある。
また、気相エピタキシャル成長法とは別の製造方法として、液相で結晶成長を行う結晶の製造方法も提案されている。例えば、特許文献3には、窒素含有ガス雰囲気下で、ガリウムおよびナトリウムの混合融解液中で、ガリウムと窒素とを反応させ、窒化ガリウム結晶を生成するナトリウムフラックス法が開示されている。この製造方法によれば、転位密度を10cm−2程度の値に留めることができる。
図15は、特許文献3に開示された製造方法に用いられる結晶成長装置120を示す全体図である。結晶成長装置120は、原料ガスタンク111に圧力調整機112が連結され、圧力調整機112は、電気炉114内に備えられた耐圧耐熱容器113と連結されている。また、圧力調整機112と耐圧耐熱容器113との間には、リーク用バルブ116が設置されている。
原料ガスタンク111にはGaN結晶の原料となる窒素含有ガスが充填されている。また、耐圧耐熱容器113としては、例えば、ステンレス容器を用いることができる。耐圧耐熱容器113は、これを内包する電気炉114によって加熱される。
耐圧耐熱容器113内には、坩堝115が設置されており、坩堝115の中には、グローブボックスの中で、所定量が秤量されたガリウムおよびナトリウムが配置されている。この坩堝115において結晶成長がなされることとなる。
次に、結晶の製造工程の一例を以下に示す。まず、原料ガスタンク111中の100atm〜150atmである窒素含有ガスが、圧力調整機112によって、100atm以下に調節された後、耐圧耐熱容器113中に供給される。次に、耐圧耐熱容器113は電気炉114によって加熱される。
耐圧耐熱容器113内の坩堝115において、電気炉114による加熱によって、ガリウムおよびナトリウムの混合融解液が生じる。この混合融解液に対し、供給された窒素含有ガス中の窒素が溶解し、ガリウムと反応することによって、窒化ガリウム結晶が成長する。結晶の成長時間は、特に限定されず10時間〜200時間とすることができる。成長終了後、原料ガスタンク111からの窒素含有ガスの供給を停止すると共に、電気炉114での加熱を停止し、坩堝115内の温度を室温まで下げた後にGaN結晶を取出す。また、坩堝115内に予め種結晶となる窒化ガリウム結晶を入れ、窒化ガリウム結晶の製造を行ってもよい。
特開平10−312971号公報(平成10年11月24日公開) 特開平11−145516号公報(平成11年5月28日公開) 特開2005−306709号公報(平成17年11月4日公開)
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された結晶成長方法では、複雑な製造工程が必要なためコストが増加してしまうという問題がある。
すなわち、コスト増加を招くことなく半導体デバイスの性能を向上させるためには、例えば、発光デバイスであれば発光層の転位密度が小さい必要があり、そのためには上記発光層の下地となる層を複雑な製造工程を経ることなく、転位密度が小さい高品質な結晶層として製造する必要があるが、これを満足させることはできない。
また、特許文献3に開示されたナトリウムフラックス法では、薄い結晶成長層を得ようとする場合にその厚みを制御することが困難である、という問題も存在する。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、簡易に転位密度の小さな結晶薄膜を製造することができる結晶成長方法および結晶成長装置を提供することである。また、その結晶成長方法よって得られた結晶薄膜を用いることにより、低コストで高性能な半導体デバイスを提供することである。
本発明に係る結晶成長方法は、基板に供給された、金属原料および融剤からなる液体原料に気体原料を反応させ、金属原料および気体原料のうち、それぞれ少なくとも1元素同士から構成される結晶原料を液体原料および気体原料からなる混合物から結晶化することによって、結晶薄膜を得る結晶成長方法において、上記基板上における結晶原料の結晶化が開始される成長開始部から、その周囲に亘って、結晶原料の温度を変化させるよう上記結晶原料の温度分布を制御し、生じた結晶薄膜の周囲に亘る結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、上記結晶原料の溶解濃度を制御することを特徴としている。
上記の発明によれば、成長開始部から結晶薄膜が成長し、成長開始部の周囲方向に順次結晶成長可能な過飽和状態を形成することができ、結晶成長部において、生じた結晶を引継ぎながら結晶薄膜の成長を生じさせることができる。このため、転位密度が小さく、結晶粒径の大きい結晶薄膜を簡易に成長させることができる。また、気体原料が用いられるので、用いることのできる反応の自由度を増すことができ、種々の結晶薄膜を得ることが可能となる。
また、本発明に係る結晶成長方法では、上記気体原料の溶解濃度を制御することによって、結晶原料の溶解濃度を制御することが好ましい。
これにより、上記気体原料の溶解濃度を制御することによって、過飽和度分布を制御する自由度がさらに増し、転位密度が小さく、結晶粒径の大きい結晶薄膜を成長させることができる。具体的には、例えば、より短時間で結晶成長を行うことが可能となる。
本発明に係る結晶成長方法は、上記課題を解決するために、基板に供給された、結晶原料を含む液体原料を結晶化することによって、結晶薄膜を得る結晶成長方法において、上記基板上における結晶原料の結晶化が開始される成長開始部から、その周囲に亘って、結晶原料の温度を変化させるよう上記結晶原料の温度分布を制御し、生じた結晶薄膜の周囲に亘る結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、上記結晶原料の溶解濃度を制御することを特徴としている。
上記の発明によれば、成長開始部から結晶薄膜が成長し、成長開始部から結晶薄膜が成長し、成長開始部の周囲方向に順次結晶成長可能な過飽和状態を形成することができ、結晶成長部において、生じた結晶を引継ぎながら結晶薄膜の成長を生じさせることができる。このため、転位密度が小さく、結晶粒径の大きい結晶薄膜を簡易に成長させることができる。
また、本発明に係る結晶成長方法では、上記結晶原料の温度分布を制御することによって、結晶原料の温度分布を形成した後に、上記気体原料の溶解濃度を制御することによって、結晶原料の溶解濃度を制御することが好ましい。
これにより、結晶成長の制御性をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る結晶成長方法では、上記成長開始部が、上記基板の中心部分であることが好ましい。
これにより、温度分布を形成し易い構成とすることができる。
また、本発明に係る結晶成長方法では、上記成長開始部から、その周囲に亘って、結晶原料の温度を放射状に変化させるよう温度を制御し、上記結晶原料の溶解濃度を制御することが好ましい。
このように結晶原料の温度を放射状となるよう変化させることによって、対象性に優れた温度分布が実現でき、結晶粒径の大きい結晶薄膜を成長させることができる。
また、本発明に係る結晶成長方法では、上記基板は、線対称な形状であると共に、上記成長開始部が、上記基板を線対称とする対称軸上に配置されており、上記対象軸に対し直角方向に、上記結晶原料の温度を変化させることによって、上記結晶原料の温度を制御することが好ましい。
上記の構成によれば、上記対象軸に対し直角方向に、結晶原料の温度分布が制御されるので、上記対象軸に対し直角方向へ沿って結晶薄膜が成長する。このため、結晶薄膜の粒界も上記直角方向に沿って形成され易くなる。したがって、結晶品質のより高い結晶薄膜を形成することが可能となる。
また、本発明に係る結晶成長方法では、上記結晶原料の温度を、上記基板を加熱することによって制御することが好ましい。
これにより、簡易な装置によって、上記結晶原料の温度を制御することができる。
本発明に係る結晶成長装置は、上記課題を解決するために、金属原料および融剤からなる液体原料を基板上に供給する原料供給部と、気体原料を基板上に供給するガス供給部と、上記基板を収容するサセプタと、上記サセプタに備えられており、上記基板を加熱するヒータを備え、基板上に供給された結晶原料から結晶を析出させることによって、結晶薄膜を得る結晶成長装置において、上記ヒータは、上記基板における結晶成長が開始される成長開始部からその周囲に亘って、温度分布が生じるよう基板を加熱し、上記ガス供給部は、結晶原料の結晶化が開始される成長開始部の周囲に亘る結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、気体原料の供給量を制御することを特徴としている。
上記の発明によれば、成長開始部から結晶薄膜が成長し、成長開始部の周囲方向に順次結晶成長可能な過飽和状態を形成することができ、結晶成長部において、生じた結晶を引継ぎながら結晶薄膜の成長を生じさせることができる。このため、転位密度が小さく、結晶粒径の大きい結晶薄膜を成長させることが可能であり、簡易な結晶成長装置を提供することができる。
また、本発明に係る結晶成長装置では、上記サセプタが凹形状を有しており、サセプタの凹部が上記基板と対向するよう配置されており、上記基板の外周部とサセプタの外周部とが当接していることが好ましい。
これにより、サセプタを介してヒータから供給される熱の大部分が基板の外周部から基板へ流入するため、上記温度分布を容易に形成することができる。
また、本発明に係る結晶成長装置では、結晶成長装置の一部であり、供給されたガスの状態を維持するチャンバを備え、上記ガス供給部と、上記チャンバとがそれぞれ独立した状態で結晶成長を行うことが可能であることが好ましい。
これにより、結晶成長装置の構造のバリエーションを増やすことができる。
また、本発明に係る結晶成長方法は、上記の結晶成長方法または上記の結晶成長装置を用いて、結晶薄膜を得る結晶成長方法であって、上記基板が、気相法で形成された窒化物からなる層を基板の表面に有しており、得られた結晶薄膜の厚さが、4μm以上、100μm以下である方法である。
これにより、結晶薄膜の厚さが薄いにもかかわらず、小さな転位密度を有する結晶薄膜を得ることができる。また、また、結晶薄膜の厚さが100μm以下と薄いため、用いる原料がより少量でよいため、高性能な結晶薄膜を低コストにて提供することができる。
また、本発明に係る結晶成長方法では、結晶成長中において、上記気体原料の供給を停止させることが好ましい。これは、結晶成長中において、外部から気体原料を供給することなく結晶成長を行なうとも換言できる。
上記構成では、得られる結晶薄膜の厚さが、100μm以下であり、必要な気体原料の量が少ないため、結晶成長中に気体原料を供給する必要はないため、気体原料の供給を停止することによって、結晶薄膜の製造において用いる気体原料の量を削減することができる。
また、本発明に係る半導体デバイスは、上記結晶成長方法によって製造された結晶薄膜、もしくは、上記結晶成長装置によって製造された結晶薄膜を有するものである。
半導体デバイスが、高品質である上記結晶薄膜を有するため、高品質な半導体デバイスを提供することが可能である。
また、本発明に係る半導体デバイスは、上記結晶成長方法によって製造された結晶薄膜、もしくは、上記結晶成長装置によって製造された結晶薄膜を有する半導体デバイスであって、上記基板が、気相法で形成された窒化物からなる層を基板の表面に有しており、上記結晶薄膜の厚さが、4μm以上、100μm以下である。
上記の構成であれば、半導体デバイスが有する結晶薄膜は、厚さが薄いにもかかわらず、転位密度が小さな半導体デバイスを提供できる。また、結晶薄膜の厚さが100μm以下と薄いため、用いる原料がより少量でよいため、高性能な半導体デバイスを低コストにて提供することができる。
本発明の結晶成長方法は、以上のように、上記基板上における結晶原料の結晶化が開始される成長開始部から、その周囲に亘って、結晶原料の温度を変化させるよう上記結晶原料の温度分布を制御し、生じた結晶薄膜の周囲に亘る結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、上記結晶原料の溶解濃度を制御する方法である。
また、本発明の結晶成長装置は、以上のように、上記ヒータは、上記基板における結晶成長が開始される成長開始部からその周囲に亘って、温度分布が生じるよう基板を加熱し、上記ガス供給部は、生じた結晶薄膜の周囲に亘る結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、上記結晶原料の溶解濃度を制御する気体原料の供給量を制御するものである。
それゆえ、成長開始部から結晶薄膜が成長し、成長開始部の周囲方向に順次結晶成長可能な過飽和状態を形成することができ、結晶成長部において、生じた結晶を引継ぎながら結晶薄膜の成長を生じさせることができる。このため、転位密度が小さく、結晶粒径の大きい結晶薄膜を簡易に成長させることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1ないし図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
<結晶成長装置>
図1は、本発明に係る結晶成長装置20の断面図である。結晶成長装置20は、耐熱耐圧製のメインチャンバ1とロードロックチャンバ2とから構成されている。メインチャンバ1内には、昇降機構3と昇降機構3の上に設置された基板用ヒータ(ヒータ)4とディスペンサヘッド(原料供給部)5およびこれを加熱するためのディスペンサヘッド用ヒータ6が配設されている。ディスペンサヘッド5にはメインチャンバ1を貫通して原料供給管(原料供給部)7が接続されており、ディスペンサ本体(原料供給部)8に接続されている。
また、ディスペンサヘッド5とディスペンサ本体8との間には圧力計9が取り付けられている。メインチャンバ1にはガス供給管(ガス供給部)10およびガス排気管11が接続されており、ガス供給管10は圧力調整機12を介して図示しないガス供給源に接続されており、ガス排気管11は可変コンダクタンスバルブ13を介して図示しない真空ポンプに接続されている。ロードロックチャンバ2内には、サセプタ14を保持するためのフォーク15とフォーク15を操作する操作棒16が配設されている。なお、図示しないがロードロックチャンバ2もガスの供給と排気が可能な構成となっている。
メインチャンバ1およびロードロックチャンバ2は、結晶成長がなされる場となる基板18およびサセプタ14をその内部に収容するものであり、公知のチャンバを用いればよい。また、昇降機構3についても、基板用ヒータ4、サセプタ14および基板18を昇降させることができれば特に限定されない。なお、基板18に結晶原料が供給された際に濡れ広がりの均一性を向上するため、基板18を回転させることができるよう昇降機構3が回転可能な構造を備えることが好ましい。
基板18は、目的生成物である結晶薄膜が成長する基材となるものでもあり、例えば、サファイア、炭化ケイ素、シリコンなどを用いることができる。結晶成長装置20においては、サファイア製の未鏡面研磨面を用いた基板18が用いられている。また、基板18の表面には、気相法により窒化物半導体層が設けられていてもよい。窒化物半導体層を備える場合については、後述する。
基板18における結晶成長が開始される部分を成長開始部とする。成長開始部は、基板18上に供給される結晶材料の諸条件によって、変更されるものである。例えば、基板18が加熱される温度によって適宜変更でき、基板18の温度を分布が低い部分を成長開始部とすることができる。
このため、例えば、基板18の外周部を成長開始部とすることも可能である。しかしながら、結晶成長は成長開始部からその周囲へ進行するため、結晶薄膜の成長する面積が結晶の進行に伴って増加するように、成長開始部の位置は、基板18の中心部にあることが好ましい。また、基板18の形状としては、特に限定されるものではないが、円形、楕円形、長方形、正方形などの正多角形である線対称の形状とすることができる。
サセプタ14は、基板18を収容するものであり、基板用ヒータ4からの熱を基板18に伝達する役割を果たすものである。その材料としては、石英、サファイアなどを挙げることができる。
基板用ヒータ4は、サセプタ14を介して基板18を加熱するために設置されている。基板用ヒータ4は、基板18における結晶成長が開始される成長開始部からその周囲に亘って、温度分布が生じるよう基板18を加熱する構造となっている。以下、サセプタ14および基板用ヒータ4の構成について、具体的に説明する。
まず、基板18の形状が、円形である場合を例として説明する。成長開始部は基板18の中心部に設定されている。この場合、基板用ヒータ4は、基板18の中心部からその周囲に亘って、温度分布が生じるよう、中心部は低く、中心部から遠ざかるに従って、温度が高くなるよう加熱を行う構成とすることができる。上記温度分布を図2における(a)に示す。図2(a)は基板18における温度分布を示すグラフである。一方、図2(b)は、基板18における上方向からの温度の等温線を示すグラフである。同図に示されるように、温度分布が、成長開始部から放射状となるように加熱がなされている。このように放射状となるよう加熱がなされることによって、結晶粒径の大きい結晶薄膜を成長させることができるので好ましい。
また、基板18は、線対称な形状であると共に、上記成長開始部が、基板18を線対称とする対称軸上に配置されており、上記対象軸から直角方向に基板18の温度を増加させるよう、基板18を加熱する構成とすることもできる。すなわち、基板用ヒータ4の加熱パターンを調整して図3に示す温度分布としてもよい。同図は基板18の上面から見た等温線を表しており、対称軸は一点鎖線で示され、基板外は点線で示されている。
このような温度分布とすることにより、結晶薄膜は同図中の矢印方向に示されるように、平行方向に沿った成長がなされるため、粒界も矢印に沿った方向にできやすくなり、結晶を引き継ぎながら成長していく過程において結晶品質を向上させることができる。また基板18の中心部における線対称線上における最初の核発生位置を制御すれば、周期的な結晶成長が可能となり、得られる薄層薄膜を有するデバイス性能のばらつきを低減することができる。
上記の温度分布を実現するための基板用ヒータ4およびサセプタ14の構成について説明する。上記のように、本発明に係る温度分布を実現するためには、基板18の外周部(周端部)のみを加熱する構成とすることができる。すなわち、図4に示すように、サセプタ14は、凹形状を有しており、サセプタ14の凹部14aが基板18と対向しているよう配置され、基板18の外周部とサセプタ14の外周部とが当接する構造とすることができる。上記の構成により、基板用ヒータ4から供給される熱のうち、大部分は基板18の外周部から基板18内に流入するため、図2に示す温度分布を形成することができる。
また、他の基板用ヒータ4、サセプタ14および基板18の形態として、図5に示す構造の基板用ヒータを用いることもできる。同図は、基板用ヒータ4の他の形態を示す側面図である。同図に示す基板用ヒータ4は、基板18の中心部を加熱するようサセプタ14の中心部分に備えられており、基板18の外周部のみを加熱するための外周部用ヒータ4aがサセプタ14の外周部に備えられている。すなわち、基板用ヒータ4と外周部用ヒータ4aとの間には、ヒータが備えられていない。
基板用ヒータ4および外周部用ヒータ4aは、それぞれ独立して加熱量を調節することが可能である。本構成によれば、基板18の中心部における温度の最下点と基板18の外周部における温度の最上点の温度を制御する点において、より自由度が増えるため、最適な結晶成長条件に調整し易くなるという利点がある。
また、基板用ヒータ4およびサセプタ14を長方形に形成し、基板18の長辺部分の外周部を基板用ヒータ4によって加熱できるよう基板用ヒータ4を設計変更することによって、図3に示す温度分布を実現することができる。
なお、サセプタ14および基板用ヒータ4が上記構成でない場合、他の構成として、例えば、サセプタ14がその凹形状を有しておらず、基板とは平面部分にて接しており、基板18が円形の場合、基板用ヒータ4が基板18と同じ円形であり、基板用ヒータ4の中心部から外周部へとなるにしたがって、基板用ヒータ4に備えられた加熱手段が高出力となる構成を採用することもできる。
上記各構成において用いられる基板用ヒータ4としては、セラミックヒータなど基板加熱用の公知のヒータを用いることができる。
ディスペンサヘッド5は、基板18上に結晶原料を供給するための装置である。ディスペンサヘッド5は、基板18の上方に備えられており、中央部に結晶原料を供給されるよう、ディスペンサヘッド5に備えられたノズルは、基板18の中央部に向けられて設置されている。また、ディスペンサヘッド5は往復回転動作が可能であることが好ましい。これにより、ディスペンサヘッド5に到達した金属原料および融剤からなる液体原料が攪拌され、これを均一な状態にすることができる。
さらに、原料供給管(原料供給部)7によって、ディスペンサヘッド5とディスペンサ本体8とが連結されている。原料供給管7にはヒータが備えられており、原料供給管7の内部を通過する液体原料が加熱可能な構造となっている。また、ディスペンサ本体8の内部には封止管17が備えられている。封止管17には結晶薄膜の原料となる結晶原料を含む液体原料が収容されており、封止管17がディスペンサ本体8に収容されると共に、封止管17の封止が初めて破られる構造となっている。これにより、液体原料に不純物が取り込まれることなく、液体原料を基板18上に供給することができる。原料供給管7はその内部を通る液体原料を加熱可能な構成となっており、所望の温度にて液体原料の供給を可能とする構成となっている。なお、結晶成長装置20では、原料供給部としてディスペンサの構成を用いているが、原料が供給できれば、本構成に限定されるものではない。
上記液体原料は、目的生成物である結晶薄膜を製造するための原料となる金属原料および融剤を含むものであり、金属原料としてガリウムを、融剤としてナトリウムを用いることができる。これらは、常温で固体であるが、加熱されることによって液体原料として用いられる。
ガス供給管10からメインチャンバ1へは、圧力調整機12によって所望の圧力に調整された気体原料が供給される。ガス供給管10および圧力調整機12には、図示しないが、制御部が備えられており、気体原料を所望の圧力にて供給がなされる構成となっている。気体原料は目的生成物である結晶薄膜を製造するための原料となる気体を少なくとも一種類含み、窒化ガリウム結晶を製造する場合には、窒素を用いる。この場合、加熱されたガリウムとナトリウムは液体原料であり、窒素が気体原料であるので、これらそれぞれの1元素同士であるガリウムおよび窒素から構成される窒化ガリウムが結晶化され、結晶薄膜が得られることとなる。
一方、ガス排気管11からは、連結されている図示しない真空ポンプによって、メインチャンバ1の内部における不要なガスが排出される。なお、ガス排気管11に備えられている可変コンダクタンスバルブ13は、ガスの圧力を調整することができ、メインチャンバ1の内部の圧力が低下し過ぎないよう圧力調整を行うものである。
ロードロックチャンバ2は、メインチャンバ1内部での結晶成長の準備前に、フォーク15上のサセプタ14および基板18を収容しておく部材である。メインチャンバ1において、結晶成長処理を行う準備が整った後に、メインチャンバ1とロードロックチャンバ2との間に設置された図示しないゲートバルブが開かれ、操作棒16がメインチャンバ1方向へ移動し、サセプタ14および基板18が基板用ヒータ4上に設置される。図1において、ロードロックチャンバ2は、1箇所のみ図示しているが、この設置数に限定されず、メインチャンバ1の周囲に複数設置する構成としてももちろんよい。
結晶成長装置20の動作方法については、以下の結晶成長方法の説明と共に後述するが、結晶成長装置20によれば、成長開始部から結晶薄膜が成長し、成長開始部の周囲方向に順次結晶成長可能な過飽和状態を形成することができ、結晶成長部において、生じた結晶を引継ぎながら結晶薄膜の成長を生じさせることができる。このため、転位密度が小さく、結晶粒径の大きい結晶薄膜を成長させることが可能であり、結晶成長装置20は非常に有用な装置であるといえる。
<結晶成長方法>
次に本発明に係る結晶成長方法について説明する。本発明に係る結晶成長方法は、基板に供給された、結晶原料を含む液体原料を結晶化することによって、結晶薄膜を得る結晶成長方法である。また、基板に供給された、金属原料および融剤からなる液体原料に気体原料を反応させ、金属原料および気体原料のうち、それぞれ少なくとも1元素同士から構成される結晶原料を液体原料および気体原料からなる混合物から結晶化することによって、結晶薄膜を得る結晶成長方法である。以下、結晶成長装置20を用いて、本発明に係る結晶成長方法について説明するが、当該結晶成長方法は、結晶成長装置20を用いることによって、好適に実施できるが、本装置に実施が限定されるわけではない。まず、結晶成長を行う前に、準備段階として、基板18の配置、結晶原料の調製を行う。
〔基板の配置動作〕
基板18を基板用ヒータ4へ配置する動作について説明する。基板18は、ロードロックチャンバ2の内部に収容されており、基板18はサセプタ14に設置され、さらにフォーク15に配置する。ロードロックチャンバ2内は窒素ガス、希ガス等で置換された雰囲気とすることが好ましい。
メインチャンバ1とロードロックチャンバ2を隔てているゲートバルブを開き、操作棒16を操作して基板18を支持するサセプタ14をメインチャンバ1内に搬入し、基板用ヒータ4の所定の位置に基板18を設置する。
〔結晶原料の供給〕
上記基板18の配置と共に、結晶原料の供給準備がなされる。封止管17に収容されていた液体原料はディスペンサ本体8内部で加熱され、原料供給管7を通りディスペンサヘッド5へ供給される。原料供給管7、ディスペンサヘッド用ヒータ6によっても液体原料は所望の温度に加熱され得る。
上記の基板18の配置がなされた後、ディスペンサヘッド5からは所望の量の液体原料が基板18上に供給され、融液薄層19が基板18上に形成される。融液薄層19は結晶原料を含む液体原料が薄層に配置された結晶薄膜の前駆体である。
さらに気体原料を用いる場合、気体原料はガス供給管10から供給される。気体原料の圧力は圧力調整機12にて所望の圧力に調整され、メインチャンバ1に供給された後に、融液薄層19に溶解する。
〔結晶原料の温度分布の制御〕
本発明の結晶成長方法では、基板18上における結晶原料の結晶化が開始される成長開始部から、その周囲に亘って、結晶原料の温度を変化させるよう上記結晶原料の温度分布を制御する。結晶原料の温度の変化は、増加させてもよく、減少させるように制御してもよく、用いる結晶原料の種類、製造方法の諸条件に応じて、適宜選択すればよい。以下、温度分布を増加させる場合について説明する。
結晶原料の温度分布の制御は、例えば、上述した各種形態の基板用ヒータにて基板18を加熱する温度を制御し、基板18上に形成された結晶原料である融液薄層19を加熱することで行うことができる。基板18を加熱する方法によれば、簡便に基板18を加熱し、結晶材料の温度分布を制御することができる。
図2(a)、図2(b)にて示したように、基板18の中心部の温度を低く、その周囲に亘って、温度が高くなるよう温度分布を形成することができる。この場合、基板18の中心部が成長開始部となる。成長開始部は基板18の中心部であることが、温度分布を形成し易いので好ましい。
また、図2(b)において、温度分布は基板18の中心部分である成長開始部からその周囲に向かって温度勾配を有するよう、すなわち、放射状となるように制御されている。このような温度分布であれば、結晶粒径の大きい結晶薄膜を成長させることができることができるため、好ましい温度分布といえる。なお、温度分布が放射状となっていればよく、基板18の温度分布の形状は、円形に限られない。例えば、楕円形、正方形などの正多角形、また、線対称でない形状であってもよい。
一方、基板18の形状は、線対称な形状であると共に、上記成長開始部が、基板18を線対称とする対称軸上に配置されており、上記対象軸に対し直角方向に、上記結晶原料の温度を増加させることによって、上記結晶原料の温度を制御することもできる。
基板18が線対称な形状であるとは、対象軸を有する形状であればよく、円形、楕円形、長方形、正方形などの正多角形を挙げることができる。図3において、対象軸は一点鎖線で示されている。対象軸はどのように設定してもよく、長辺方向に限られない。同図に示すように、上記対象軸に対し直角方向に、基板18の温度を増加させることによって、融液薄層19の温度を制御することができる。
上記の温度分布とすることにより、結晶成長は同図における矢印方向に示されるように、平行方向の成長となるため、粒界も矢印に沿った方向にできやすくなり、結晶を引き継ぎながら成長していく過程において結晶品質を向上させることができる。また基板18中心部の線対称線上における最初の核発生位置を制御すれば、周期的な結晶成長が可能となり、デバイス性能のばらつきを低減することができる。
〔結晶原料の溶解濃度の調節〕
本発明に係る結晶成長方法では、生じた結晶薄膜の周囲に亘る結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、上記結晶原料の溶解濃度を制御する。
結晶原料の溶解濃度の調節は、上述した結晶原料の温度分布の制御と同時に行ってもよいが、結晶原料の温度分布を形成した後に、結晶原料の溶解濃度を制御することが好ましい。これにより、結晶原料の過飽和度の時間的な変化をより制御し易くなり、結晶成長の制御性をさらに向上させることができる。
結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、結晶原料の溶解濃度を調節するためには、液体原料と気体原料とを反応させる場合、気体原料の圧力を調節し、結晶原料中の気体原料の溶解濃度を調節する方法が挙げられる。
図6および図7を用いて詳細に説明する。図6は、結晶原料である窒化ガリウムおよび窒素の溶解度と、温度との関係を示す図である。基板18が所定の温度に加熱され、温度分布が形成された後に、窒素ガスを供給すると、同図中の時間t1〜t6の曲線に示すように、ガリウム−ナトリウム融液中の窒素溶解度は時間とともに徐々に大きくなってくる。この窒素の溶解度曲線が窒化ガリウムの溶解度曲線を上回ると過飽和状態になり、窒素の溶解度と窒化ガリウムの溶解度の差が結晶原料の過飽和度となる。
図6を参照して、基板18の位置による結晶原料の過飽和度に係る分布の時間変化を図7に示す。同図における時間t2において、温度の最下点である基板18の中心部の成長開始部が最初に過飽和状態になり、過飽和度が閾値を超えると結晶が析出する。一旦結晶が析出するとその結晶周りは平衡状態にあるため、析出した結晶を核として結晶化が進む過飽和度の閾値が小さくなり、基板18の外周部(周端部)方向への結晶原料過飽和度が順次大きくなっていく。
これに従って、基板18の中心部で最初に析出した結晶を引き継ぎながら基板18の外周部方向へ結晶が成長するため、高品質な結晶成長が可能になると推測される。すなわち、本発明に係る結晶成長方法は、結晶原料(液体原料)の温度分布を制御し、結晶原料の過飽和度分布に係る時間的な変化を利用して、結晶化の進む方向と速度を制御しているともいえる。
また、得られた結晶薄膜断面をSEMによって観察したところ、基板18の表面と窒化ガリウム結晶薄膜層は不連続な成長となっており、このことも不所望な歪を内部に抱えることのない結晶成長が可能となる要因と思われる。
結晶品質は結晶成長速度に大きく依存していると推測されるが、この結晶成長速度は上述した結晶成長機構により、基板温度と、基板温度の勾配及び気体原料(窒素)の圧力で制御できることが分かる。基板ガリウム−ナトリウム融液の熱伝導率が不明なため、融液薄層19自体の温度分布は定かではないが、定性的傾向は基板18の温度分布と変わらないものと考えられ、上記の制御因子を適宜調整することにより、目的とする結晶性を持つ結晶成長を行うことができる。
結晶薄膜の厚みは、特に限定されるものではなく、結晶薄膜が実装される半導体デバイス等によって変更されるため、適宜変更すればよい。
また、本発明者らは、気相法で形成された窒化物半導体層を表面に有する基板上に、結晶薄膜を成長させることによって、転位密度が小さい結晶薄膜を得ることができることを見出した。上記の結晶成長方法によれば、厚さが薄くとも、10(個/cm)オーダーの転位密度を備える結晶薄膜を得ることができる。よって、所望の転位密度の結晶薄膜を得るため、結晶薄膜の厚さを大きくする必要がない。このため、例えば、従来400μm厚の結晶薄膜を得るために、100時間以上の成長時間を要していたのに対し、本発明においては、5〜20時間の成長時間で、LED素子として必要な10(個/cm)オーダーの転位密度の結晶薄膜を得ることができる。また、結晶薄膜の厚さを薄くできるため、用いる原料の量を削減でき、コスト面においても有利となる。
気相法で形成された窒化物半導体層を表面に有する基板上に、結晶薄膜を成長させる場合、基板上の窒化物半導体層としては、窒化ガリウム層、窒化アルミニウム層などを挙げることができ、窒化原子が化合物として含まれていればよい。また、気相成長法としては、有機金属気相成長法を使用した。
上記窒化物半導体層の厚さとしては、数μm程度とすることができ、具体的には、2μm以上、6μm以下の範囲を挙げることができる。
さらに、気相法で形成された窒化物半導体層を表面に有する基板上に成長させる結晶薄膜の厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは、4μm以上、100μm以下である。上記範囲であれば、結晶薄膜の転位密度を低下させることができる効果を好適に得ることができる。また、上記範囲のうち、さらに好ましい下限は6μm、特に好ましい下限は10μmであり、さらに好ましい上限は50μmである。
なお、上述した結晶成長方法において、融液薄層19を形成する方法としてディスペンサを用いる方法を説明したが、従来の液相エピタキシャル成長に用いられるディップ法やボート法であっても構わない。
以上、液体原料に気体原料を供給し、反応を行う方法について説明したが、予め気体原料が含まれる結晶原料および融剤を用いることもできる。この場合であっても、上記の場合と同様にして、高品質の結晶薄膜を得ることができる。
〔結晶薄膜の後処理〕
融液薄層19から結晶薄膜が得られた後には、基板用ヒータ4の加熱を停止し、基板18を冷却する。冷却時には、メインチャンバ1内部のガスを置換することによって、冷却時間を短縮することができる。なお、結晶薄膜からの気体原料の再蒸発を防止するために、可変コンダクタンスバルブ13を調整し、メインチャンバ内の圧力を1MPa程度に保った状態でガス置換を行うことが好ましい。冷却後、サセプタ14および基板18をロードロックチャンバ2へ移動させ、サセプタ14および基板18を洗浄し、残留したナトリウム、ガリウムおよびナトリウムの金属間化合物を除去、洗浄する。
これにより、窒化ガリウム結晶薄膜が形成されたサファイア製の基板18が得られる。なお、上記の洗浄を終えたサセプタ14は再利用できる。また、ディスペンサヘッド5を加熱するディスペンサヘッド用ヒータ6は加熱が停止される必要はなく、新たな基板18に対する原料供給に備える構成とできる。
<結晶薄膜を有する半導体デバイス>
本発明に係る半導体デバイスは、上記結晶成長方法によって製造された結晶薄膜または結晶成長装置によって製造された結晶薄膜を有するものである。低コストで得られた高品質な上記結晶薄膜上に半導体デバイスを作製するわけであるから、最終製品である半導体デバイスのコストパフォーマンスを向上することができる。
半導体デバイスの製造方法としては、特に限定されず従来公知の製造方法を用いればよい。なお、半導体デバイスとしては、例えば、発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光デバイスや、高出力IC(集積回路)、高周波IC(集積回路)などの電子デバイスを挙げることができ、特に限定されるものではないことを付言する。
また、本発明に係る半導体デバイスは、上記結晶成長方法によって製造された結晶薄膜または結晶成長装置によって製造された結晶薄膜を有するものであって、結晶成長において用いられる基板が、気相法で形成された窒化物からなる層を基板の表面に有しており、上記結晶薄膜の厚さが、4μm以上、100μm以下であることが好ましい。
上記の構成であれば、半導体デバイスが有する結晶薄膜は、転位密度が小さく、その厚さが100μm以下と薄いため、高性能な半導体デバイスを低コストにて提供することが可能である。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、より詳細に本発明について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示す結晶成長装置20を用い、結晶薄膜を製造する方法について説明する。あらかじめ表面の有機物をプラズマ処理などの方法で除去された、サファイア製で、直径2インチの基板18をロードロックチャンバ2内の石英製のサセプタ14に設置する。サセプタ14はアルミナ製のフォーク15上に配置されている。ロードロックチャンバ2内を十分に窒素ガス置換した後に、メインチャンバ1とロードロックチャンバ2を隔てているゲートバルブを開き、操作棒16を操作して基板18を支持するサセプタ14をメインチャンバ1内に搬入する。
サセプタ14が所定位置まで移動したところで、昇降機構3により基板用ヒータ4が上昇され、フォーク15上のサセプタ14が持ち上げられることにより、サセプタ14が基板用ヒータ4上に配置される。フォーク15は操作棒16の操作によりロードロックチャンバ2に戻され、ゲートバルブが閉じられる。
ガス排気管11からメインチャンバ1内のガスを抜き、ガス供給管10から窒素ガスを供給する動作を繰り返すことによりメインチャンバ1内のガスを十分置換した後に、セラミックス製で抵抗発熱体が一体的に焼結された基板用ヒータ4によりサセプタ14、基板18を加熱する。
またこれらの一連の動作とは別に、次の順序で原料の準備を行う。原料の酸化防止のためグローブボックス内でガリウムおよびナトリウムのモル比率が20:80となるように秤量し、これを封止管17の中に装填しディスペンサ本体8に設置する。封止管17および原料供給管7を加熱し、200℃程度に加熱することにより、ガリウムおよびナトリウムは液状化する。液状化したガリウムおよびナトリウムの融液(液体原料)がポンプによってディスペンサヘッド5まで送られた後、ディスペンサヘッド5を取り囲むディスペンサヘッド用ヒータ6により、上記融液が約600℃に加熱され、ガリウムとナトリウムの融液が均一に混ざり合い、液体原料の調製準備が完了する。
基板18が、後に詳述する所定の温度に加熱され、ディスペンサヘッド5内のガリウム−ナトリウム融液が十分均一に混ざり合うと、ディスペンサヘッド5により30mmに計量されたガリウム−ナトリウム融液が基板18の上面に供給される。高温のガリウム−ナトリウム融液は基板18の面に濡れ広がり、融液薄層19を形成する。
基板18の加熱については、図2(a)および図2(b)に示すように、基板18の中心部の温度が最も低く、外周端に向かって単調増加の温度分布となるように加熱した。サセプタ14の構造としては、図4で示される構造を用いた。
基板用ヒータ4及びサセプタ14を用いて基板18の中心部の温度を約800℃に調整したところ、基板18の外周部の温度は、約850度となった。この温度分布条件で上述した結晶成長方法に従い、メインチャンバ1内部に1MPaとなるように窒素を供給し、結晶成長を行った。
得られた結晶薄膜を1時間放置し、冷却処理を行った。その後、取出したサセプタ14と基板18を、エタノール、純水、塩酸に順次浸漬させて、取り残されたナトリウム、ガリウムとナトリウムとの金属間化合物を除去、洗浄した。得られた結晶薄膜の膜厚は約15μmであった。
上記結晶薄膜の結晶性を、カーソードルミネッセンスによる転位密度観測、{0004}面のX線回折のロッキングカーブ、蛍光顕微鏡による結晶粒観察により評価した結果、転位密度は1〜5×10個/cm、ロッキングカーブの半値幅は約200Arcsecと良好な結晶性が得られた。得られた結晶薄膜の写真を図8に示す。同図は、結晶薄膜の蛍光顕微鏡写真である。同図に示すように、結晶粒観察においては、明確な粒界が少ないと思われる結果あり、これが高品質な結晶薄膜が得られた1つの要因であると考えられる。
〔比較例1〕
実施例1における基板18を均一に加熱し、基板18に均一な温度分布を形成すべく、作成された基板用ヒータを基板用ヒータ4に代え、窒素の供給量を変更しない点以外は、実施例1と同様に結晶薄膜の製造を行った。得られた結晶薄膜の膜厚は約15μmであった。
上記の結晶成長方法により基板18上に窒化ガリウムを結晶成長させ、実施例1における結晶薄膜と同様の評価を行った。基板面の温度幅は約4度である。転位密度は3〜10×10個/cm、ロッキングカーブの半値幅は約400Arcsecであり、その品質は実施例1において得られた結晶薄膜より劣ることは明白であることが分かる。また、得られた結晶薄膜の写真を図9に示す。同図は、結晶薄膜の蛍光顕微鏡写真である。同図に示すように、結晶粒観察においては、数μmサイズの多数の粒状結晶が観測された。
〔実施例2〕
本実施例では、実施例1において得られた結晶薄膜を有する半導体デバイスである発光ダイオードについて説明する。図10における(a)〜(c)は、発光ダイオードの製造過程を示している。
図10(a)は、基板18上に実施例1において得られた結晶薄膜の表面を研磨、反応性イオンエッチング処理を施して得られた結晶薄膜層18aと、この結晶薄膜層18a上に従来の製造方法によって窒化物半導体層が形成された様子を示している。すなわち、MOCVD装置を用いて、トリメチルガリウムとアンモニアを原料に、またシランをドーパントとしてn型窒化ガリウム層(n−GaN)18bが、上記原料にトリメチルインジウムを加え成長温度と原料供給量を変えながら、障壁層と井戸層が繰り返される活性層(InGaN)18cが、トリメチルアルミニウム、トリメチルガリウム、アンモニアを原料にビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウムをドーパントとしたキャリアブロック層(p−AlGaN)18d及びp型窒化ガリウム層(p−GaN)18eが順次形成されている。次に、図10p電極18f、光反射層18g、接着層18hが形成された後に金属基板18iをリフローにより接着し、基板18を剥離する。なお、基板18と結晶薄膜層18aの密着性は悪いので、界面にせん断力を与えることにより容易に剥離することができる。その後、図10(c)に示すように、結晶薄膜層18aを研磨により除去し、n型電極18jを形成することにより発光ダイオードを構成する。
上記の方法で製造された活性層表面の転位密度は結晶薄膜層18aと同等であり、また表面ラフネスもRz=5nm程度であった。従来のMOCVDを用いた製造方法による活性層より高品質な活性層が得られていることから、発光素子としての高出力化、高効率化、長寿命化が可能であることを示していると考えられる。
〔実施例3〕
本実施例では、実施例1、2で使用した基板とは別の形態基板を使用し、その基板上に本発明の結晶成長方法を適用した場合について説明する。
図11は、本実施例3で用いた結晶成長装置21を示す断面図である。結晶成長装置21は、結晶成長装置20とほぼ同様の構成であるが、結晶を製造するための液体原料及び気体原料を供給する部分の構成が、異なっており、メインチャンバ1と原料供給管7及びガス供給管10とが独立した状態で結晶成長を行うことができる構造となっている。これにより、上記両原料を供給する際の供給方法及び装置構造のバリエーションを増やすことができる。
本実施例では、基板18が、気相法である有機金属気相成長法によって形成された窒化物からなる層を基板1の表面に有しており、成長させる結晶薄膜の厚さを図14に示す表のように、1μm〜200μmまでの9種類の厚みに変更して、9種の結晶薄膜を得た。
本実施例においては、結晶薄膜の厚さが100μm以下と小さい場合、結晶成長に必要な窒素ガスの必要量が、特に少なくてよいため好ましい。そのため、メインチャンバ1内に一度供給された窒素ガスのみで結晶成長を行った場合においても、窒素ガス分圧の変動が小さく、結晶の成長状態に変化がない。よって、結晶成長中に窒素ガスを連続的に供給する必要がないので、メインチャンバ1と原料供給管7とが独立した状態で結晶成長を行うことができる。
バルブ31の上流側には排気ライン32が設けられて、図示しないガス供給部及びディスペンサ本体8を接続する際には、一度配管内のガスを排気することができる構造となっており、気体原料及び液体原料の純度が下がらないような構造としている。
結晶成長装置21は、ロードロックチャンバ2を有した構造としているが、図12の結晶成長装置22に示すように、ロードロックチャンバ2を使用せず、メインチャンバ1を開放して基板18を設置、取り外しする構成としてもよい。
結晶成長装置21に比べ、結晶成長装置22ではプロセスに要する時間は長くなると考えられるが、装置構成が単純になり製造コストを低くすることができる、という特徴を持つ。本発明の結晶成長方法を用いた基板18を大量に生産する必要があり、メインチャンバ1自体を多く備える構成の場合、結晶成長装置22の装置構成が好ましい。
なお、本実施例では、基板18上に気相成長法によって形成した窒化物からなる層18zを窒化ガリウム層としたが、必ずしもこれに限らない。窒化アルミニウム層など窒素原子を含む化合物層が気相成長法により形成されていれば、上記に示した範囲の厚さで本発明の結晶成長方法を用いて結晶薄膜を形成することにより、転位密度を低くし、同時に割れのない結晶薄膜を得ることが可能となる。
次に、得られた結晶薄膜を用いた発光ダイオードの製造構成を示す。図13は、発光ダイオードの製造過程を示している。図13(a)は基板18上に気相成長法によって形成された窒化ガリウム層18zと、その表面上に本発明の結晶成長方法を用いて結晶薄膜18xを製造した状態を示している。図13(b)は実施例1と同様に図13(a)で得られた結晶薄膜18x上に、n型窒化ガリウム層(n−GaN)18b、活性層(InGaN)18c、キャリアブロック層(p−AlGaN)18d及びp型窒化ガリウム層(p−GaN)18eが順次形成された状態を示している。以降も実施例1と同様に電極を作製する工程に続くが、本実施例においては、基板18が剥離しにくい場合は、p型窒化ガリウム層(p−GaN)18e側から一部分エッチングを行い、n型窒化ガリウム層(n−GaN)18bと電気的なコンタクトを取れるようにしてもよい。その後、図示しない光反射層18g、接着層18hを形成し、発光ダイオードを作製する。
また、図14は、本実施例における本発明の結晶成長方法を用いて製造した薄膜の厚さと転位密度の関係を示す図である。ここで、本実施例では、気相成長法によって形成された窒化ガリウム層18zの上に本発明の結晶成長方法で製造した結晶薄膜18xの厚さを4〜100μmの範囲とすることを特徴とする。以下に、その範囲を規定した理由について説明する。
図14は、本実施例における本発明の結晶成長方法を用いて製造した結晶薄膜の厚さと転位密度の関係を示す図である。ここで、サファイア基板上に気相法で形成された窒化物半導体層は一般的には数μmの厚さで形成され、図21中に示すように転位密度は10個/cm台である。一方、本発明の結晶方法を用いて、気相法で形成された窒化物からなる層を表面に有した基板上に製造した結晶薄膜18xの転位密度は同図に示すように、結晶薄膜の厚さが4μmのときに10個/cm台となっていることが確認された。よって、少なくとも4μm以上の厚さで成長すれば一桁以上低い転位密度の結晶層を得ることができる。
また、100μm以上の厚さで結晶薄膜18xを形成した場合でも転位密度がある数値以上には低くならないことが確認された。さらに、100μm以上の厚さで結晶薄膜18xを形成した場合、基板18との熱膨張係数の差があるため、本発明の結晶成長プロセス後の冷却時に、基板18もしくは結晶薄膜18xのいずれかに亀裂が生じ割れるという現象が確認された。よって、結晶薄膜18xを製造する際の厚さとして、4μm以上、100μm以下の範囲で行うことが好ましい。
本発明に係る結晶成長方法および結晶成長装置によれば、複雑な工程を設けることなく薄層で高品質な結晶膜を得ることができる。また、この結晶薄膜を用いて作成される半導体デバイスは高品質であり、高性能なデバイスとなり得るから、低コストで高性能な半導体デバイスを製造することが可能となる。このため、本発明は結晶薄膜および半導体デバイスに係る分野において利用することが可能である。
本発明の実施の形態に係る結晶成長装置の断面図である。 本発明の実施の形態に係る基板の温度分布および等温線を示す図である。 本発明の実施の形態に係る基板の等温線を示す図である。 本発明の実施の形態に係る基板用ヒータおよびサセプタの構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る基板用ヒータおよびサセプタの構造を示す側面図である。 窒化ガリウムと窒素の温度と溶解度の関係を示す図である。 基板位置に対する過飽和度分布の時間変化を示す図である。 本発明の結晶成長方法によって製造された結晶薄膜の蛍光顕微鏡写真である。 比較例1において製造された結晶薄膜の結晶薄膜の蛍光顕微鏡写真である 本発明の実施の形態に係る結晶薄膜を用いた発光ダイオードの製造工程を示す断面図である。 本発明の実施例3に係る結晶成長装置の断面図である。 本発明の実施例3に係る結晶成長装置の変形例を示す断面図である。 本発明の実施例3に係る結晶薄膜を用いた発光ダイオードの製造工程を示す断面図である。 本発明の実施例3に係る結晶薄膜の厚さと転位密度との関係を示す図である。 従来の結晶成長装置を示す断面図である。
符号の説明
1 メインチャンバ
2 ロードロックチャンバ
3 昇降機構
4 基板用ヒータ(ヒータ)
5 ディスペンサヘッド
6 ディスペンサヘッド用ヒータ
7 原料供給管(原料供給部)
8 ディスペンサ本体(原料供給部)
9 圧力計
10 ガス供給管(ガス供給部)
11 ガス排気管
12 圧力調整機
13 可変コンダクタンスバルブ
14 サセプタ
15 フォーク
16 操作棒
17 封止管
18 基板
18a 結晶薄膜層(結晶薄膜)
18z 窒化物半導体層
19 融液薄層
20 結晶成長装置
31 バルブ
32 排気ライン

Claims (15)

  1. 基板に供給された、金属原料および融剤からなる液体原料に気体原料を反応させ、金属原料および気体原料のうち、それぞれ少なくとも1元素同士から構成される結晶原料を液体原料および気体原料からなる混合物から結晶化することによって、結晶薄膜を得る結晶成長方法において、
    上記基板上における結晶原料の結晶化が開始される成長開始部から、その周囲に亘って、結晶原料の温度を変化させるよう上記結晶原料の温度分布を制御し、
    生じた結晶薄膜の周囲に亘る結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、上記結晶原料の溶解濃度を制御することを特徴とする結晶成長方法。
  2. 上記気体原料の溶解濃度を制御することによって、結晶原料の溶解濃度を制御することを特徴とする請求項1に記載の結晶成長方法。
  3. 基板に供給された、結晶原料を含む液体原料を結晶化することによって、結晶薄膜を得る結晶成長方法において、
    上記基板上における結晶原料の結晶化が開始される成長開始部から、その周囲に亘って、結晶原料の温度を変化させるよう上記結晶原料の温度分布を制御し、
    生じた結晶薄膜の周囲に亘る結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、上記結晶原料の溶解濃度を制御することを特徴とする結晶成長方法。
  4. 上記結晶原料の温度分布を制御することによって、結晶原料の温度分布を形成した後に、
    上記気体原料の溶解濃度を制御することによって、結晶原料の溶解濃度を制御することを特徴とする請求項2に記載の結晶成長方法。
  5. 上記成長開始部が、上記基板の中心部分であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の結晶成長方法。
  6. 上記成長開始部から、その周囲に亘って、結晶原料の温度を放射状に変化させるよう温度を制御し、上記結晶原料の溶解濃度を制御することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の結晶成長方法。
  7. 上記基板は、線対称な形状であると共に、上記成長開始部が、上記基板を線対称とする対称軸上に配置されており、
    上記対象軸に対し直角方向に向かうにつれ、上記結晶原料の温度を変化させることによって、上記結晶原料の温度を制御することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の結晶成長方法。
  8. 上記結晶原料の温度を、上記基板を加熱することによって制御することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の結晶成長方法。
  9. 金属原料および融剤からなる液体原料を基板上に供給する原料供給部と、
    気体原料を基板上に供給するガス供給部と、
    上記基板を収容するサセプタと、
    上記サセプタに備えられており、上記基板を加熱するヒータを備え、
    基板上に供給された結晶原料から結晶を析出させることによって、結晶薄膜を得る結晶成長装置において、
    上記ヒータは、上記基板における結晶成長が開始される成長開始部からその周囲に亘って、温度分布が生じるよう基板を加熱し、
    上記ガス供給部は、生じた結晶薄膜の周囲に亘る結晶原料の溶解濃度が結晶成長可能な過飽和度となるよう、上記結晶原料の溶解濃度を制御する気体原料の供給量を制御することを特徴とする結晶成長装置。
  10. 上記サセプタが凹形状を有しており、
    サセプタの凹部が上記基板と対向するよう配置されており、
    上記基板の外周部とサセプタの外周部とが当接していることを特徴とする請求項9に記載の結晶成長装置。
  11. 結晶成長装置の一部であり、供給されたガスの状態を維持するチャンバを備え、
    上記ガス供給部と、上記チャンバとがそれぞれ独立した状態で結晶成長を行うことが可能であることを特徴とする請求項9または10に記載の結晶成長装置。
  12. 請求項1〜8の何れか1項に記載の結晶成長方法または請求項9〜11の何れか1項に記載の結晶成長装置を用いて、結晶薄膜を得る結晶成長方法であって、
    上記基板が、気相法で形成された窒化物からなる層を基板の表面に有しており、
    得られた結晶薄膜の厚さが、4μm以上、100μm以下であることを特徴とする結晶成長方法。
  13. 結晶成長中において、上記気体原料の供給を停止させることを特徴とする請求項12に記載の結晶成長方法。
  14. 請求項1〜8の何れか1項に記載の結晶成長方法によって製造された結晶薄膜、もしくは、請求項9〜11の何れか1項に記載の結晶成長装置によって製造された結晶薄膜を有することを特徴とする半導体デバイス。
  15. 請求項1〜8,12,13の何れか1項に記載の結晶成長方法によって製造された結晶薄膜、もしくは、請求項9〜11の何れか1項に記載の結晶成長装置によって製造された結晶薄膜を有する半導体デバイスであって、
    上記基板が、気相法で形成された窒化物からなる層を基板の表面に有しており、
    上記結晶薄膜の厚さが、4μm以上、100μm以下であることを特徴とする半導体デバイス。
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