JP6188051B2 - 部品製造方法、接合剥離装置、および複合キャリア - Google Patents

部品製造方法、接合剥離装置、および複合キャリア Download PDF

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Description

本発明は、規格外の寸法の被処理部材を処理することにより電子部品、半導体部品、および機械部品等の製造を行う部品製造方法、被処理部材と搬送キャリアとの接合および剥離を行う接合剥離装置、および被処理部材と搬送キャリアとが接合された複合キャリアに関する。
近年、半導体部品、電子部品、および機械部品の小型化、高精度化および多様化が進んでおり、既存の量産装置では対応できない規格外の寸法の被処理部材を処理することにより部品を製造することが求められている。具体的には、半導体部品に関しては、小型基板および異形基板を処理することでパワーデバイス等を製造することが求められており、電子部品に関しては、数ミリ以下の小型部品の実装が求められており、機械部品に関しては、特殊形状の部品に対してマイクロメートルレベルの加工が求められている。
規格外の寸法の被処理部材を既存の装置で処理するための一般的手法として、被処理部材を規格内の寸法を有する搬送キャリアに貼り付けて複合キャリアとし複合キャリア上で被処理部材を処理することが行われている。
半導体部品の製造において、被処理部材であるウェーハを搬送キャリアであるトレイに接着させる技術としては、所定の剥離温度以上の加熱により剥離する熱剥離シートによりウェーハとトレイを接着させるというものがある(特許文献1、2)。
特開2007−201404号公報 特開2012−43928号公報
しかし、上記従来技術は、熱剥離シートの仕様である剥離温度以下の温度に被処理部材の処理温度が制限されるため、一般的に200℃以上の高温で被処理部材の処理を行うことが困難であるという問題がある。
一方、単に接着剤により被処理部材と搬送キャリアとを接着させる方法が考えられるが、接着剤に含まれる有機溶剤が残留していると、真空雰囲気での被処理部材の処理中に有機溶剤が揮発および分解し、被処理部材表面や真空チャンバーの内壁に炭素系物質として付着することがある。このことは、製造される部品を損傷させ、装置性能を低下させる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、表面上に接着剤を付着させた被処理部材を加熱して接着剤から溶媒を除去した後、搬送キャリアと被処理部材とを接着剤を介して積層させた積層体を加熱および加圧することで搬送キャリアと被処理部材とが接合層を介して接合された複合キャリアを作製する。そして、複合キャリアにおいて被処理部材を処理して部品を製造した後、接合層の分解温度以上の温度まで複合キャリアを加熱して複合キャリアから部品を剥離する。これにより、複合キャリア上の被処理部材の真空中の処理において残留溶媒が揮発および分解して炭素系物質が部品や装置内部に付着することによる部品の損傷や装置性能の低下を防止することができる。また、加熱および加圧して搬送キャリアと被処理部材とを接合することにより、接着剤を流動化させて搬送キャリアと被処理部材とを平行に接合できるとともに、接着力を増大させることができる。また、接合層の分解温度を上げることができるため、被処理部材の処理温度を拡大することができる。
上記課題を解決するために、本発明に係る部品製造方法は、表面に接着剤を付着した被処理部材を前記接着剤に含まれる溶媒の沸点以上の温度で加熱することにより、前記接着剤から溶媒を除去する段階(a)と、搬送キャリアと被処理部材とを前記段階(a)で溶媒が除去された接着剤を介して積層させて積層体とし、前記積層体を加熱するとともに、前記搬送キャリアおよび前記被処理部材により前記接着剤が加圧されるように前記積層体を加圧することにより、前記接着剤が加熱および加圧されてなる接合層を介して前記搬送キャリアと前記被処理部材とが接合した複合キャリアを作製する段階(b)と、前記段階(b)で作製された前記複合キャリアにおいて前記被処理部材を処理することにより部品を製造する段階(c)と、前記接合層の分解温度以上の温度まで前記複合キャリアを加熱することにより、前記複合キャリアの搬送キャリアと前記段階(c)で製造された前記部品とを剥離する段階(d)と、を有する。
また、本発明に係る複合キャリアは、表面上に接着剤を付着した被処理部材を前記接着剤に含まれる溶媒の沸点以上の温度で加熱することにより、前記接着剤から溶媒を除去した後、搬送キャリアと被処理部材とを接着剤を介して積層させて積層体とし、前記積層体を加熱するとともに、前記搬送キャリアおよび前記被処理部材により前記接着剤が加圧されるように前記積層体を加圧することにより、前記接着剤が加熱および加圧されてなる接合層であって分解温度以上の温度で分解する接合層を介して前記搬送キャリアと前記被処理部材とが接合されてなる。
また、本発明に係る接合剥離装置は、表面上に接着剤を付着した被処理部材を前記接着剤に含まれる溶媒の沸点以上の温度で加熱することにより、前記接着剤から溶媒を除去する溶媒除去手段と、搬送キャリアと被処理部材とを前記溶媒除去手段で溶媒が除去された接着剤を介して積層させて積層体とし、前記積層体を加熱するとともに、前記搬送キャリアおよび前記被処理部材により前記接着剤が加圧されるように前記積層体を加圧することにより、前記接着剤が加熱および加圧されてなる接合層を介して前記搬送キャリアと前記被処理部材とが接合した複合キャリアを作製する複合キャリア作製手段と、前記複合キャリア作製手段により作製された前記複合キャリアを前記接合層の分解温度以上の温度まで加熱することにより、前記複合キャリアから処理がなされた前記被処理部材を剥離する剥離手段と、を有する。
本発明に係る部品の製造方法および複合キャリアによれば、表面上に接着剤を塗布した被処理部材を加熱して接着剤から溶媒を除去した後、搬送キャリアと被処理部材とを接着剤を介して積層させた積層体を加熱および加圧して搬送キャリアと被処理部材とが接合層を介して接合された複合キャリアを作製する。そして、複合キャリアにおいて被処理部材を処理して部品を製造した後、接合層の分解温度以上の温度まで複合キャリアを加熱して複合キャリアから部品を剥離する。これにより、複合キャリア上の被処理部材の真空中の処理において残留溶媒が揮発および分解して炭素系物質が部品や装置内部に付着することによる部品の損傷や装置性能の低下を防止することができる。また、加熱および加圧して搬送キャリアと被処理部材とを接合することにより、接着剤を流動化させて搬送キャリアと被処理部材とを平行に接合できるとともに、接着力を増大させることができる。さらに、接合層の分解温度を上げることができるため、被処理部材の処理温度を拡大することができる。
本発明の第1実施形態に係る部品製造方法のフローチャートを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る部品製造方法の各ステップを説明するための説明図である。 規格外の反りを有するSiC基板と、Si基板と接合されることで反りが矯正されたSiC基板とを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る接合剥離装置を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る接合剥離装置において接着剤から溶媒を除去する工程と複合キャリアを作製する工程とが実施される場合の工程説明図である。 本発明の第1実施形態に係る接合剥離装置において複合キャリアからSiC基板を剥離する工程が実施される場合の工程説明図である。 本発明の第2実施形態に係る部品製造方法のフローチャートを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る部品製造方法の各ステップを説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態に係る部品製造方法のフローチャートを示す図である。 本発明の第3実施形態に係る部品製造方法の各ステップを説明するための説明図である。 複合キャリアから被処理部材であるSi基板を剥離したときの被処理部材であるSi基板の下面と搬送キャリアであるSi基板の上面との写真である。 複合キャリアを作製中の真空加熱プレス装置と作製された複合キャリアとの写真である。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る部品製造方法および複合キャリアについて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る部品製造方法のフローチャートを示す図である。図2は、本実施形態に係る部品製造方法の各ステップを説明するための説明図である。以下、図1および図2を参照して本実施形態に係る部品製造方法および複合キャリアについて説明する。
本実施形態におけるSiC(シリコンカーバイド)基板100は被処理部材を構成し、Si(シリコン)基板102は搬送キャリアを構成する。なお、その他の部材により被処理部材および搬送キャリアが構成されてもよいことは勿論である。
本明細書において「処理」には、製品製造のための各種処理が含まれ、例えば、高耐圧半導体プロセスにおけるエッチングや成膜のための処理、電子部品の製造における小型部品の実装、および機械部品の製造における精密加工が含まれる。
接着原料が溶媒に溶解されてなる接着剤101をSiC基板100の一方の表面上に塗布し(S101)、接着剤101が表面上に塗布されたSiC基板100を真空チャンバー内で接着剤101に含まれる溶媒の沸点以上の温度で保持する(S102)。
接着原料は、溶媒に可溶であることが必要であり、例えばポリイミド等の樹脂が使用され得る。また、溶媒は、接着原料が可溶で、塗布が容易で、揮発性で乾燥が容易である必要があり、例えば、Nメチルピロリジノン等のポリイミド系溶液が使用され得る。接着剤101における接着原料の割合は、例えば1重量%〜80重量%とすることができる。
接着剤101は、固有の分解温度まで加熱されることで分解し接着性を失う。接着剤101の分解温度は、SiC基板100とSi基板102とを接着剤101を介して接着させる際に加熱する接着温度より高く、かつSiC基板100を処理する際の処理温度より高いことを要する。接着剤101の分解温度は、例えば250℃〜550℃であり得る。
また、接着剤101は、熱伝導性を有することを要する。接着剤101の熱伝導率は、例えば0.3W/mK〜30W/mKであり得る。
図2のAには、ステップS102におけるSiC基板100、接着剤101、およびSi基板102の状態が示されている。図2のAに示すように、接着剤101が表面上に塗布により付着されたSiC基板100が、Si基板102と離隔されて、真空中で接着剤101に含まれる溶媒の沸点以上の温度で保持されている。このように、接着剤101が表面上に塗布されたSiC基板100を接着剤101に含まれる溶媒の沸点以上の温度で保持することにより、接着剤に含まれる溶媒が揮発により除去される。接着剤に溶媒が含まれていると、真空チャンバー内でSiC基板100に対し加熱プロセスやプラズマプロセス等の処理がなされることにより、溶媒が揮発および分解して炭素系物質がSiC基板100表面や装置内部に付着し、SiC基板100上で製造されている製品を損傷させ、装置性能を低下させることがある。しかし、SiC基板100に対する製品製造のための処理がなされる前に接着剤に含まれる溶媒を揮発させて除去することにより、このような不具合を防止することができる。
SiC基板100の接着剤101が塗布された面をSi基板102と対向させて積層することにより、SiC基板100とSi基板102とを接着剤を介して積層させてSiC基板100、接着剤101、およびSi基板102が積層されてなる積層体103を作製する(S103)。
積層体103を加熱するとともに、Si基板102およびSiC基板100により接着剤101が加圧されるように積層体103を加圧することにより、接着剤101が加熱および加圧されてなる接合層101'を介してSiC基板100とSi基板102とが接合される。これにより、SiC基板100とSi基板102とが接合層101'を介して接合された複合キャリア103'が作製される(S104)。以下、複合キャリア103'を作製する際の加熱温度を、単に「接合温度」と称する。
図2のBには、ステップS104におけるSiC基板100、接着剤101、およびSi基板102の状態が示されている。図2のBに示すように、SiC基板100およびSi基板102により挟まれた接着剤101が両側のSiC基板100およびSi基板102により加圧されるようにSiC基板100およびSi基板102が加圧される。また、同時に積層体103は接着剤101が流動性または軟性を有する接合温度に加熱される。接着剤101が流動性または軟性を有する接合温度は、加圧する圧力に依存するが、例えば、圧力1,000N〜30,000Nとすると、220℃〜400℃である。
接着剤101は加熱および加圧されることにより流動性を有することができる。従って、接着剤101を流動化させることにより、SiC基板100の表面とSi基板102の底面とが平行になる状態で両者を接合することができる。これにより、複合キャリア103'の搬送や、複合キャリア103'におけるSiC基板100の処理等においてSiC基板100の表面の水平性が維持されるとともに、複合キャリア103'の厚さ分布における変位の幅が縮小される。従って、複合キャリア103'においてSiC基板100の処理が行われる装置における複合キャリア103'の適応性を向上させることができる。すなわち、例えば、複合キャリア103'の搬送エラーの発生率を低下させ、複合キャリア103'におけるSiC基板102の加工精度を向上させることができる。
また、積層体103を加熱および加圧してSiC基板100とSi基板102とを接着剤101により接合することにより、SiC基板100とSi基板102との接着力を向上させることができる。
また、積層体103を加熱および加圧してSiC基板100とSi基板102とを接着剤101により接合することにより、SiC基板100の反りを矯正することができる。これにより、SiC基板100が規格外の反りを有していたとしてもSiC基板100の反りが規格内に矯正され得る。
図3は、規格外の反りを有するSiC基板と、Si基板と接合されることで反りが矯正されたSiC基板とを示す図である。
図3のAは規格外の反りを有するSiC基板100と、接着剤101と、Si基板102とが積層されてなる積層体103を示しており、図3のBは、図3のAの積層体103が加熱および加圧されてなる複合キャリア103'を示している。
図3に示すように、積層体103を加熱および加圧してSiC基板100とSi基板102とを接着剤101により接合することにより、SiC基板100に対する加圧と、SiC基板100とSi基板102との接着力の向上との相互作用により、SiC基板100の反りが矯正される。
このように、SiC基板100の反りが矯正されることにより、例えば、半導体の露光プロセスにおいて、ウェーハに反りがあることに起因する焦点位置のずれが防止されるため、露光精度が向上され、製造される部品の性能ばらつきを低減することができる。
なお、SiC基板100とSi基板102とを接合して複合キャリア103'を作製する際の真空チャンバーの真空度は、後述するステップS105においてSiC100を処理する際の真空度より高くすることができる。これにより、不純物の混入しない各種プロセスが実現される。
複合キャリア103においてSiC100を処理することにより半導体製品を製造する(S105)。
例えば、SiC基板100を処理することによりパワーデバイスを製造する場合は、SiC基板100に対して、熱処理、露光、エッチング、イオンインプランテーション、スパッタリング、およびCVD(Chemical Vapor Deposition)等の各種処理が必要に応じて真空チャンバー内で行われる。
複合キャリア103'におけるSiC100の処理は、搬送キャリアであるSi基板102の処理が可能な装置により行われることができる。すなわち、例えば、Si基板102が装置の搬送規格を満たす直径を有していれば、SiC基板100の直径がSi基板102の直径以下であれば複合キャリア103'も装置の搬送規格を満たす直径を有することになる。従って、SiC基板100の直径が装置の搬送規格を満たさない場合であっても複合キャリア103'が搬送規格を満たすことになり得る。すなわち、装置の搬送規格を満たさないSiC基板100であっても当該装置での処理が可能となり得る。同様に、SiC基板100の重量が装置の搬送規格を満たさない場合であっても複合キャリア103'の重量が装置の搬送規格を満たしていれば装置の搬送規格を満たさないSiC基板100であっても当該装置での処理が可能となり得る。
複合キャリア103'におけるSiC100の処理温度は、接着剤101に含まれていた溶媒の沸点より高くすることができる。これは、ステップS101において、接着剤101に含まれている溶媒が除去されているため、複合キャリア103'におけるSiC基板100の処理中に溶媒が揮発および分解することによる不具合が発生しないからである。このため、SiC基板100に対する処理温度を拡大することができる。
複合キャリア103'におけるSiC基板100の処理温度は、接合層101'の分解温度未満であればよい。従って、SiC基板100に対する処理温度をさらに拡大することができる。分解温度は、接着剤101がポリイミドであれば350℃〜550℃である。一方、例えば、従来のように、SiC基板100とSi基板102とを接合させるために接着剤101の代わりに熱剥離シートを使用した場合は、熱剥離シートの剥離温度は200℃程度であるのでSiC100の処理温度は200℃未満とする必要がありSiC100に対する処理温度の拡大は困難である。
複合キャリア103'を接合層101'の分解温度まで加熱することにより、複合キャリア103から表面に半導体製品が製造されたSiC基板100を剥離する(S106)。
接合層101'を分解させて接合層101'の接着力を弱めることにより、複合キャリア103'からSiC基板100を剥離することができる。従って、例えば、エレクトロンワックスにより被処理部材と搬送キャリアとを接着させる場合のように、被処理部材と搬送キャリアとを加熱により剥離したときに被処理部材の下面と搬送キャリアの上面にそれぞれエレクトロンワックスが残存するようなことがない。このため、1回の剥離工程で複合キャリア103からSiC基板100を剥離することができるため、紫外線を照射する等の追加の剥離工程が必要になることがなく、被処理部材に透明性が要求されることもない。
なお、接着剤101に熱導電性のフィラーが混合されることにより、接着剤101の熱伝導性が向上され、ステップS106において複合キャリア103'からSiC基板100を剥離するために必要な剥離時間を短縮することができる。導電性のフィラーとしては、例えば、金属およびセラミックの少なくともいずれかを使用することができ、例えば、直径5μm以下の球状の酸化アルミニウムまたはアルミナセラミックスの微粒子からなる粉末を用いることができる。
図4は、本実施形態に係る接合剥離装置を示す図である。図1に示すフローチャートのステップS101〜S104、S106は、図4に示す接合剥離装置により実施されることができる。
図4に示すように、接合剥離装置4は、真空チャンバー400、昇降荷重ヘッド401、固定荷重ヘッド402、昇降ピン403、およびチャック付セラミックヒーター404a、404bを有する。
チャック付セラミックヒーター404bは、溶媒除去手段および剥離手段を構成する。真空チャンバー400、昇降荷重ヘッド401、固定荷重ヘッド402、およびチャック付セラミックヒーター404a、404bは、複合キャリア作製手段を構成する。
真空チャンバー400は、内部を真空にするための装置である。真空チャンバー400は図示しない真空ポンプに接続されて真空引きがなされることにより内部を真空に保つことができる。
昇降荷重ヘッド401は、昇降自在に設けられた荷重装置である。昇降荷重ヘッド401は平らな荷重面を有することにより、固定荷重ヘッド402との間に設置された被荷重対象物に対し、均一に荷重を加えることができる。
固定荷重ヘッド402は、固定された荷重装置である。固定荷重ヘッド402は平らな荷重面を有することにより、昇降荷重ヘッド401との間に設置された被荷重対象物に対し、均一に荷重を加えることができる。
昇降荷重ヘッド401および固定荷重ヘッド402の荷重面にはそれぞれ平面形状を有するチャック付セラミックヒーター404a、404bが設けられる。
各チャック付セラミックヒーター404a、404bは、セラミックを発熱体とするヒーターであり、被加熱対象物を吸着等により固定するチャックを有している。チャックは、例えば、静電チャック、バキュームチャック、またはメカニカルチャックである。
昇降ピン403は、固定荷重ヘッド402に設けられた貫通穴を貫通して昇降する支持ピンであり、被搬送対象物を垂直上下方向に搬送する。
図5は、接合剥離装置において接着剤から溶媒を除去する工程と複合キャリアを作製する工程とが実施される場合の工程説明図である。図5に示す各工程は、図1に示すフローチャートのステップS101〜S104に相当する。
接合剥離装置4に搬送されたSi基板102は、昇降ピン403により垂直上方に搬送され、昇降荷重ヘッド401に設けられたチャック付セラミックヒーター404aに吸着されることで固定される(図5のA)。
表面に接着剤101が塗布されたSiC基板100が接合剥離装置4に搬送されると(図5のB)、SiC基板100は昇降ピン403により垂直下方に搬送され、固定荷重ヘッド402に設けられたチャック付セラミックヒーター404bに吸着されることで固定される。そして、SiC基板100は、チャック付セラミックヒーター404bにより接着剤101に含まれる溶媒の沸点以上の温度まで加熱されることにより接着剤101から溶媒が除去される(図5のC)。
昇降荷重ヘッド401が垂直下方に降下することによりSiC基板100が接着剤101を介して積層された積層体103を作製する。続いて、昇降荷重ヘッド401と固定荷重ヘッド402により積層体103を、SiC基板100およびSi基板102により接着剤101が加圧されるように加圧するとともに各チャック付セラミックヒーター404a、404bにより積層体103を加熱する(図5のD)。これにより、接着剤101が加熱および加圧されてなる接合層101'を介してSiC基板100とSi基板102とが接合した複合キャリア103'が作製される。
その後、昇降荷重ヘッド401が垂直上方に上昇され(図5のE)、複合キャリア103'が昇降ピン403により垂直上方に搬送され(図5のF)、真空チャンバー400外に複合キャリア103'が搬送される。
図6は、接合剥離装置において複合キャリアからSiC基板を剥離する工程が実施される場合の工程説明図である。図6に示す各工程は、図1に示すフローチャートのステップS106に相当する。
SiC基板100に対し処理がなされた複合キャリア103'が接合剥離装置4に搬送されると(図6のA)、複合キャリア103'は昇降ピン403により垂直下方に搬送され、固定荷重ヘッド402に設けられたチャック付セラミックヒーター404bに吸着されることで固定される(図5のB)。
チャック付セラミックヒーター404bに固定された複合キャリア103'は接合層101'の分解温度までチャック付セラミックヒーター404bにより加熱される。これにより、複合キャリア103'においてSiC基板100とSi基板102とを接合している接合層101'が分解されることで接合層101'の接着力が弱まり、複合キャリア103'からSiC基板100が剥離する。
その後、裏面に分解された接合層101'が付着したSi基板102が昇降ピン403により垂直上方に搬送され(図5のC)、真空チャンバー400外に搬送される。続いて、SiC基板100が昇降ピン403により垂直上方に搬送され(図5のD)、真空チャンバー400外に搬送される。
以上、本発明の第1実施形態に係る部品製造方法および複合キャリアについて説明したが、本実施形態は以下の効果を奏する。
表面上に接着剤を塗布した被処理部材を加熱して接着剤から溶媒を除去した後、搬送キャリアと被処理部材とを接着剤を介して積層させた積層体を加熱および加圧して搬送キャリアと被処理部材とが接合層を介して接合された複合キャリアを作製する。そして、複合キャリアにおいて被処理部材を処理して部品を製造した後、接合層の分解温度以上の温度まで複合キャリアを加熱して複合キャリアから部品を剥離する。これにより、被処理部材の真空中の処理において残留溶媒が揮発および分解して炭素系物質が部品や装置内部に付着することによる部品の損傷や装置性能の低下を防止することができる。
また、加熱および加圧して搬送キャリアと被処理部材とを接合することにより、接着剤を流動化させて搬送キャリアと被処理部材とを平行に接合できるとともに、接着力を増大させることができる。
また、接合層の分解温度を上げることができるため、被処理部材の処理温度を拡大することができる。
また、接合層を分解させることにより複合キャリアからSiC基板を剥離することで、1回の剥離工程により複合キャリアからSiC基板を剥離することができる。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係る部品製造方法のフローチャートを示す図である。図8は、本実施形態に係る部品製造方法の各ステップを説明するための説明図である。以下、図7および図8を参照して本実施形態に係る部品製造方法および複合キャリアについて説明する。
なお、本実施形態と第1実施形態とで異なる点は、本実施形態においては、接着剤に発泡剤を混合させ、複合キャリアを発泡剤の発泡温度まで加熱することにより複合キャリアからSiCウェーハを剥離する点である。その他については、本実施形態は第1実施形態と同様であるため、重複する説明は省略または簡略化する。
接着原料を溶媒に溶解してなる接着剤101に発泡剤104を混合し、発泡剤104が混合された接着剤101をSiC基板100の一方の表面上に塗布し(S401)、接着剤101が表面上に塗布されたSiC基板100を真空チャンバー内で接着剤101に含まれる溶媒の沸点以上の温度で保持する(S402)。溶媒は、発泡剤104に対し不溶性で、発泡剤104の分散が容易であることを要し、例えば、Nメチルピロリジノン等のポリイミド系溶液であり得る。
発泡剤104は、例えば、発泡温度が200℃であるビニホール系発泡剤、発泡温度が250℃のP5T系発泡剤、または発泡温度が350℃であるBHT−PIPEである。例えば、発泡剤104は、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、およびヒドラゾジカルボンアミドの少なくともいずれかを含んで構成されることができる。発泡剤104は、接着剤101の溶媒に対し不溶性で、複合キャリア103'を作製する際の接合温度より発泡温度が高いことを要する。また、発泡剤104の発泡温度は、被処理部材であるSiC基板100に対する処理における処理温度より高いことを要する。また、発泡剤104の粒子の大きさは接着剤101を塗布したときの塗布膜厚より小さいことを要する。
図8のAには、ステップS402におけるSiC基板100、接着剤101、およびSi基板の状態が示されている。図8のAに示すように、発泡剤104が混合された接着剤101が表面上に塗布されたSiC基板100が、接着剤101に含まれる樹脂の沸点以上の温度で保持されている。このように、接着剤101が表面上に塗布されたSiC基板100を接着剤101に含まれる溶媒の沸点以上の温度で保持することにより、接着剤に含まれる溶媒が揮発により除去される。
SiC基板100の接着剤101が塗布された面をSi基板102と対向させて積層することにより、SiC基板100とSi基板102とを接着剤101を介して積層させて、SiC基板100、接着剤101、およびSi基板102が積層されてなる積層体103を作製する(S403)。
積層体103を加熱するとともに、SiC基板100およびSi基板102により接着剤101が加圧されるように積層体103を加圧することにより、接着剤101が加熱および加圧されてなる接合層101'を介してSiC基板100とSi基板102とが接合されてなる複合キャリア103'を作製する(S404)。
図8のBには、ステップS404におけるSiC基板100、接着剤101、およびSi基板102の状態が示されている。図8のBに示すように、SiC基板100およびSi基板102により挟まれた接着剤101が両側のSiC基板100およびSi基板102により加圧されるようにSiC基板100およびSi基板102が加圧される。また、同時に積層体103は接着剤101が流動性または軟性を有する温度に加熱される。
複合キャリア103'においてSiC基板100を処理することにより半導体製品を製造する(S405)。
複合キャリア103'におけるSiC基板100の処理温度は、接合層101'に含まれる発泡剤104の発泡温度未満であればよく、接着剤101に含まれていた溶媒の沸点より高くすることができる。これは、ステップS402において接着剤106から溶媒が除去されているため、処理温度を溶媒の沸点以上としてもSiC基板100を処理している間に溶媒が真空チャンバー内で揮発および分解することによる不具合が発生しないからである。従って、SiC基板100に対する処理温度をより拡大することができる。
複合キャリア103'を接合層101'に含まれる発泡剤の発泡温度まで加熱することにより、複合キャリア103から表面に半導体製品が製造されたSiC基板100を剥離する(S406)。本実施形態においては、発泡剤の発泡温度が接合層101'の分解温度となる。
図8のCには、接合層101'に含まれる発泡剤104の発泡温度まで加熱させた複合キャリア103'の状態が示されており、図8のDには、SiC基板100とSi基板102とが剥離された状態が示されている。
図8のCおよびDに示すように、接合層101'に含まれる発泡剤104の発泡温度まで複合キャリア103'を加熱することにより発泡剤104を発泡させる。これにより、接合層101'の接着力を弱めることで複合キャリア103'からSiC基板100を剥離することができる。接着層101'がSiC基板100の裏面に残存することを防止できるため、追加の剥離工程を削減することができる。
なお、ステップS406においては、複合キャリア103'を接合層101'に含まれる発泡剤104の発泡温度であるとともに接合層101'の接着剤の分解温度である温度まで加熱することにより、複合キャリア103から表面に半導体製品が製造されたSiC基板100を剥離してもよい。これにより、接合層101'に含まれる接着剤の分解と、接合層101'に含まれる発泡剤104の発泡の両方の作用により複合キャリア103'からSiC基板100を剥離することができるため、SiC基板100の裏面に接合層101'の一部が残存する確率をより低下させることができる。
以上、本発明の第2実施形態に係る部品製造方法および複合キャリアについて説明したが、本実施形態は第1実施形態が奏する効果に加え、以下の効果を奏する。
接合層に含まれる発泡剤の発泡温度まで複合キャリアを加熱させることにより複合キャリアから被処理部材を剥離する。これにより、1回の剥離工程で複合キャリアから被処理部材を剥離することができるとともに、発泡剤の発泡温度を調整することで剥離工程の温度を柔軟に設定することができる。
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係る部品製造方法のフローチャートを示す図である。図10は、本実施形態に係る部品製造方法の各ステップを説明するための説明図である。以下、図9および図10を参照して本実施形態に係る部品製造方法について説明する。
なお、本実施形態と第1実施形態とで異なる点は次の点である。すなわち、本実施形態においては、搬送キャリアとSiC基板とが搬送キャリア側の接着剤およびSiC側の剥離剤を介して積層されることで積層体を構成する。そして、積層体を加熱および加圧することで接着層および剥離層の二重層からなる接合層を介して搬送キャリアとSiC基板とが接合されてなる複合キャリアを作製する。そして、複合キャリアを剥離層の分解温度まで加熱することで複合キャリアからSiC基板を剥離する点である。その他については、本実施形態は第1実施形態と同様であるため、重複する説明は省略または簡略化する。
接着原料を溶媒に溶解してなる接着剤に発泡剤104を混合させた剥離剤105をSiC基板100の一方の表面上に塗布し、さらに、剥離剤105に重ねて接着原料を溶媒に溶解してなる接着剤106を塗布する(S601)。そして、表面上に剥離剤105および接着剤106が順に塗布されたSiC基板100を真空チャンバー内で剥離剤105および接着剤106に含まれる溶媒の沸点以上の温度で保持する(S602)。
剥離剤105に含まれる発泡剤104は、例えば、発泡温度が200℃であるビニホール系発泡剤、発泡温度が250℃のP5T系発泡剤、または発泡温度が350℃であるBHT−PIPEである。例えば、発泡剤104は、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、およびヒドラゾジカルボンアミドの少なくともいずれかを含んで構成されることができる。発泡剤104は、溶媒に対し不溶性で、複合キャリア103'を作製する際の接合温度より発泡温度が高いことを要する。
図10のAには、ステップS602におけるSiC基板100、剥離剤105、および接着剤106の状態が示されている。図10のAに示すように、発泡剤104が混合された剥離剤105と、接着剤106とが表面上に塗布されたSiC基板100が、剥離剤105および接着剤106に含まれる樹脂の沸点以上の温度で保持されている。このように、剥離剤105および接着剤106が表面上に塗布されたSiC基板100を剥離剤105および接着剤106に含まれる溶媒の沸点以上の温度で保持することにより、剥離剤105および接着剤106に含まれる溶媒が揮発により除去される。
SiC基板100の剥離剤105および接着剤106が塗布された面をSi基板102と対向させて積層することにより、SiC基板100とSi基板102とを剥離剤105および接着剤106を介して積層させてSiC基板100、剥離剤105、接着剤106、およびSi基板102が積層されてなる積層体103を作製する(S603)。
積層体103を加熱するとともに、Si基板100およびSiC基板102により剥離剤105および接着剤106が加圧されるように積層体103を加圧することにより、剥離剤105および接着剤106がそれぞれ加熱および加圧されてなる剥離層105'および接着層106'を介してSiC基板とSi基板とが接合される。これにより、SiC基板とSi基板とが剥離層105'および接着層106'を介して接合されてなる複合キャリア103'を作製する(S604)。なお、剥離層105'および接着層106'は接合層101'を構成する。
図10のBには、ステップS604におけるSiC基板100、剥離剤105、接着剤106、およびSi基板102の状態が示されている。図10のBに示すように、Si基板100およびSiC基板102により挟まれた剥離剤105および接着剤106が両側のSiC基板100およびSi基板102により加圧されるようにSiC基板100およびSi基板102が加圧される。また、同時に積層体103は剥離剤105および接着剤106が流動性または軟性を有する温度に加熱される。
複合キャリア103'においてSiC基板100を処理することにより半導体製品を製造する(S605)。
複合キャリア103'におけるSiC基板100の処理温度は、剥離層105'に含まれる発泡剤104の発泡温度未満であればよく、剥離剤105および接着剤106に含まれていた溶媒の沸点より高くすることができる。これは、ステップS602において剥離剤105および接着剤106から溶媒が除去されているため、処理温度を溶媒の沸点以上としてもSiC基板100を処理している間に溶媒が真空チャンバー内で揮発および分解することによる不具合が生じないからである。従って、SiC100に対する処理温度をより拡大することができる。
複合キャリア103'を剥離層105'に含まれる発泡剤の発泡温度まで加熱することにより、複合キャリア103'から表面に半導体製品が製造されたSiC基板100を剥離する(S606)。
図10のCには、剥離層105'に含まれる発泡剤104の発泡温度まで加熱させた複合キャリア103'の状態が示されており、図10のDには、複合キャリア103'からSiC基板100が剥離された状態が示されている。
図10のCおよびDに示すように、剥離層105'に含まれる発泡剤104の発泡温度まで複合キャリア103'を加熱することにより発泡剤104を発泡させる。これにより、剥離層105'の接着力を弱めることで複合キャリア103'からSiC基板100を剥離することができる。
以上、本発明の第3実施形態に係る部品製造方法および複合キャリアについて説明したが、本実施形態は第1実施形態が奏する効果に加え、以下の効果を奏する。
接合層に含まれる発泡剤の発泡温度まで複合キャリアを加熱させることにより複合キャリアから被処理部材を剥離する。これにより、1回の剥離工程で複合キャリアから被処理部材を剥離することができるとともに、発泡剤の発泡温度を調節することで剥離工程の温度を柔軟に設定することができる。
(第1実施例)
本発明の第1実施形態の実施例について説明する。
[条件と方法]
1.接着剤
溶媒であるNメチルピロリジノンに溶解したポリイミドにさらに熱伝導フィラーとしてのアルミナ粉末を混合し、攪拌することで接着剤を作製した。ここで、ポリイミドは10重量%、アルミナ粉末は5重量%になるようにした。
2.複合キャリアの作製
被処理部材であるSi基板(以下、「第一Si基板」と称する)上に、接着剤をスピンコート法で毎分1500回転で30秒間塗布した後、100℃で5分、150℃で5分、および200℃で5分の加熱を行うことにより、塗布された接着剤から溶媒を揮発することで除去した。その後、搬送キャリアであるSi基板(以下、「第二Si基板」と称する)と第一Si基板とを、第一Si基板上に塗布された接着剤を介して積層し、積層体に対し真空加熱プレス装置で250℃の加熱および800Nの加圧を同時に10分間行うことで第二Si基板と第一Si基板とを接合した。
3.被処置部材の剥離
作製した複合キャリアに対し真空加熱プレス装置でポリイミドの分解温度である350℃の加熱および0.2Nの加圧を同時に4分間行うことで複合キャリアから第一Si基板を剥離した。
[結果]
1.複合キャリアの作製
第一Si基板と第二Si基板とは空孔のない良好な接合が得られた。
2.被処置部材の剥離
図11は、複合キャリアから第一Si基板を剥離したときの第一Si基板の下面と第二Si基板の上面との写真である。図11のAは、第一Si基板の下面の写真であり、図11のBは、第二Si基板の上面の写真である。第一Si基板の下面には接着層が残存しておらず、第二Si基板の上面のみに接着層が残存していることが判る。このように、第二Si基板の上面のみに接着層が残存するのは、真空加熱プレス装置において第一Si基板側から複合キャリアを加熱するため、第一Si基板と第二Si基板とで温度差が生じ、接合層の分解が第一Si基板側から始まるためである。
本実施例により、本発明の第一実施形態に係る部品製造方法によれば、接合層を分解させることにより複合キャリアからSi基板を剥離することで、1回の剥離工程により複合キャリアからSi基板を接着層が残存することなく剥離できることが実証された。また、被処理部材の処理温度を拡大することができることが実証された。
(第2実施例)
本発明の第3実施形態の実施例について説明する。
[条件と方法]
1.接着剤
溶媒であるNメチルピロリジノンに溶解したポリイミドにさらに熱伝導フィラーとしてのアルミナ粉末を混合し攪拌することで接着剤を作成した。ここで、ポリイミドは10重量%、アルミナ粉末は5重量%になるようにした。
2.剥離剤
市販されている50μmから100μmの針状結晶の発泡剤に対し、直径5mmのジルコニアボールでの湿式ボールミル粉砕を22時間行うことにより、2〜3μmの針状結晶の発泡剤を作製した。作製した発泡剤を上記接着剤に混合し、自公転攪拌機およびディスパーを用いて分散することにより剥離剤を作製した。なお、発泡剤として、発泡温度が325℃〜375℃のビステトラゾール・ジアンモニウム(永和化成工業株式会社製セルテトラBHT−2NH3)、発泡温度が350℃〜375℃のビステトラゾール・ピペラジン(永和化成工業株式会社製セルテトラBHT−PIPE)、発泡温度が230℃〜280℃の5−フェニールテトラゾール(永和化成工業株式会社製セルテトラP5T)をそれぞれ用いた。
3.複合キャリアの作製
被処理部材であるガラス基板(以下、「第一基板」と称する)上に、剥離剤を塗布した後、剥離剤の上に接着剤を塗布し、100℃で5分、150℃で5分、および200℃で5分の加熱を行うことにより、塗布された剥離剤および接着剤から溶媒を揮発することで除去した。この段階で、剥離剤の厚さおよび接着剤の厚さがそれぞれ10μmおよび5μmになるようにした。その後、搬送キャリアであるSi基板(以下、「第二基板」と称する)と第一基板とを、第一基板上に塗布された剥離剤および接着剤を介して積層し、積層体に対し真空加熱プレス装置で250℃の加熱および800Nの加圧を同時に10分間行うことで第一基板と第二基板とを接合した。
4.被処置部材の剥離
作製した複合キャリアに対しホットプレートで直接加熱することで発泡剤の発泡温度である230〜375℃の加熱を4分間行うことで複合キャリアから第一基板を剥離した。
[結果]
1.複合キャリアの作製
第一基板と第二基板とは空孔のない良好な接合が得られた。
2.被処置部材の剥離
第一基板を複合キャリアから良好に剥離することができた。第二基板の上面に残存した接着層は、有機洗浄により容易に除去できた。
本実施例により、本発明の第三実施形態に係る部品製造方法によれば、剥離層に含まれる発泡剤を発泡させることにより複合キャリアからガラス基板を剥離することで、1回の剥離工程により複合キャリアからガラス基板をガラス基板の裏面に接着層が残存することなく剥離できることが実証された。また、被処理部材の処理温度を少なくとも230〜375℃まで拡大することができることが実証された。
(第3実施例)
本発明の第3実施形態において、剥離剤および接着剤に熱伝導性フィラーを混合した場合(以下、「フィラー有りの場合」と称する)と混合しない場合(以下、「フィラー無しの場合」と称する)とで、剥離効果を比較した。
[条件と方法]
1.接着剤
(a)フィラー有りの場合
熱伝導フィラー溶媒であるNメチルピロリジノンに溶解したポリイミドにさらに熱伝導フィラーとしてのアルミナ粉末を混合し、攪拌することで接着剤を作成した。ここで、ポリイミドは10重量%、アルミナ粉末は5重量%になるようにした。
(b)フィラー無しの場合
溶媒であるNメチルピロリジノンに溶解したポリイミドからなる接着剤を作成した。ここで、ポリイミドは10重量%になるようにした。
2.剥離剤
(a)フィラー有りの場合
市販されている50μmから100μmの針状結晶の発泡剤に対し、直径5mmのジルコニアボールでの湿式ボールミル粉砕を22時間行うことにより、2〜3μmの針状結晶の発泡剤を作製した。作製した発泡剤を上記1.(a)の接着剤に混合および分散することにより剥離剤を作製した。
(b)フィラー無しの場合
上記2.(a)で作製した発泡剤を上記1.(b)の接着剤に混合および分散することにより剥離剤を作製した。3.複合キャリアの作製
第2実施例と同様の方法で第一基板と第二基板とを接合した。
4.被処置部材の剥離
作製した複合キャリアに対しホットプレートで直接加熱することで発泡剤の発泡温度である450℃の加熱を行い、複合基板から第一基板が剥離されるまでの時間を測定した。
[結果]
1.被処置部材の剥離
フィラー無しの場合は、450℃の加熱で、複合基板から第一基板が剥離されるまでに要した時間は20分以上であったのに対し、フィラー有りの場合は、450℃の加熱で、複合基板から第一基板が剥離されるまでに要した時間は5分以下であった。これにより、接着剤および剥離剤に熱伝導フィラーを混合することにより、剥離に要する時間が大幅に短縮できることが実証された。これは、接着剤および剥離剤に熱伝導性フィラーを混合することにより接着層および剥離層の熱伝導性が向上し、発泡剤の発泡が促進されたためであると推察される。
(第4実施例)
本発明の第2実施形態の実施例について説明する。
[条件と方法]
1.接着剤
溶媒であるNメチルピロリジノンに溶解したポリイミドにさらに熱伝導フィラーとしてのアルミナ粉末を混合し攪拌することで接着剤を作成した。ここで、ポリイミドは10重量%、アルミナ粉末は5重量%になるようにした。さらに、市販されている50μmから100μmの針状結晶の発泡剤に対し、直径5mmのジルコニアボールでの湿式ボールミル粉砕を22時間行うことにより、2〜3μmの針状結晶の発泡剤を作製し、接着剤に混合した。
2.複合キャリアの作製
被処理部材である3インチ径のSiCウェーハ上に、剥離剤を塗布し、100℃で5分、150℃で5分、および200℃で5分の加熱を行うことにより、塗布された接着剤から溶媒を揮発することで除去した。その後、搬送キャリアである8インチ径のSiウェーハとSiCウェーハとを、SiCウェーハ上に塗布された接着剤を介して積層し、積層体に対し真空加熱プレス装置で250℃の加熱および800Nの加圧を同時に10分間行うことでSiCウェーハとSiウェーハとを接合した。この際、複合キャリアの厚みが増大することを避けるために、Siウェーハに3インチ径のSiCウェーハが収まるようにザグリ加工を施した。
図12は、複合キャリアを作製中の真空加熱プレス装置と作製された複合キャリアとの写真である。図12のAは、複合キャリアの作製中の真空加熱プレス装置の写真であり、図12のBは、作製された複合キャリアの写真である。
図12に示すように、8インチ径のSiウェーハに設けられたザグリに3インチ径のSiCウェーハがほぼ隙間なく収まることにより、複合キャリア全体の厚さを一定に保つことができる。これにより、複合ウェーハは、8インチ径用の処理装置において搬送性が劣化されることなく処理される。
複合キャリアにおけるSiCウェーハとSiウェーハとの接合性を評価するために、SiCウェーハとSiウェーハとの接合界面を、赤外線カメラを用いて評価した。
また、複合キャリアにおけるSiCウェーハについてレチクルを用いて露光を行い、重ね精度を評価した。
[結果]
1.複合キャリアの作製
(a)SiCウェーハとSiウェーハとの接合界面にはボイドはなく、良好な接合が得られた。
(b)複合キャリアにおけるSiCウェーハに対する露光による重ね精度は100nm以下という良好な結果が得られた。
本実施例により、本発明の第2実施形態に係る部品製造方法によれば、搬送キャリアと被処理部材との接着性が向上されることが実証された。また、搬送キャリアと被処理部材とを接合面を平行に接合できるため、搬送キャリアに被処理部材を接合することによる露光精度の劣化を防止できることが実証された。
以上、本発明の実施形態に係る部品製造方法および複合キャリアについて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態においては、規格外の半導体基板を搬送キャリアに接合して複合キャリアを作製し、複合キャリアにおいて規格外の半導体基板が処理される場合について説明した。しかし、本発明は、小型部品が実装される異形基板を搬送キャリアに接合して複合キャリアを作製し、複合キャリアにおいて当該異形基板に小型部品が実装される場合にも適用できる。また、本発明は、特殊形状の部品を搬送キャリアに接合して複合キャリアを作製し、複合キャリアにおいて当該特殊形状の部品の精密加工がなされる場合にも適用できる。
また、実施形態においては、溶媒の揮発による除去を真空チャンバー内において真空環境で行うものとして説明したが、真空環境でなくてもよい。
100 SiC基板(被処理部材)、
101、106 接着剤、
101' 接合層、
102 Si基板(搬送キャリア)、
103 積層体、
103' 複合キャリア、
104 発泡剤、
105 剥離剤、
105' 剥離層、
106' 接着層。

Claims (51)

  1. 表面上に接着剤を付着した被処理部材を前記接着剤に含まれる溶媒の沸点以上の温度で加熱することにより、前記接着剤から溶媒を除去する段階(a)と、
    搬送キャリアと被処理部材とを前記段階(a)で溶媒が除去された接着剤を介して積層させて積層体とし、前記積層体を加熱するとともに、前記搬送キャリアおよび前記被処理部材により前記接着剤が加圧されるように前記積層体を加圧することにより、前記接着剤が加熱および加圧されてなる接合層を介して前記搬送キャリアと前記被処理部材とが接合した複合キャリアを作製する段階(b)と、
    前記段階(b)で作製された前記複合キャリアにおいて前記被処理部材を、前記溶媒の沸点以上の温度において処理することにより部品を製造する段階(c)と、
    前記接合層の分解温度以上の温度まで前記複合キャリアを加熱することにより、前記複合キャリアの搬送キャリアと前記段階(c)で製造された前記部品とを剥離する段階(d)と、
    を有することを特徴とする部品製造方法。
  2. 前記接着剤は樹脂を有することを特徴とする請求項1に記載の部品製造方法。
  3. 前記樹脂はポリイミドであることを特徴とする請求項2に記載の部品製造方法。
  4. 前記樹脂は前記溶媒に可溶であることを特徴とする請求項2または3に記載の部品製造方法。
  5. 前記接着剤はさらに金属およびセラミックの少なくともいずれかからなる粒子を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の部品製造方法。
  6. 前記粒子は、直径5μm以下の球状のアルミナセラミックスであることを特徴とする請求項5に記載の部品製造方法。
  7. 前記段階(c)は、前記搬送キャリアの処理が可能な装置によって前記被処理部材の処理を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の部品製造方法。
  8. 前記搬送キャリアは、前記装置の搬送規格を満たす重量および形状を有するシリコン、金属、およびセラミックの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の部品製造方法。
  9. 前記段階(b)は、前記積層体を接着剤の溶媒の沸点以上の温度に加熱することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の部品製造方法。
  10. 前記段階(a)、前記段階(b)、および前記段階(c)は、真空で行われることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の部品製造方法。
  11. 前記段階(b)が行われる真空の真空度は、前記段階(c)が行われる真空の真空度以上であることを特徴とする請求項10に記載の部品製造方法。
  12. 前記段階(b)は、前記積層体を加熱および加圧することにより前記接着剤の軟化および流動化の少なくともいずれかを生じさせることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の部品製造方法。
  13. 前記分解温度は、前記接合層に含まれる発泡剤が発泡する温度であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の部品製造方法。
  14. 前記分解温度は、前記接合層に含まれる樹脂が分解する温度であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の部品製造方法。
  15. 前記段階(d)は、前記接合層に含まれる樹脂の分解と、前記接合層に含まれる発泡剤の発泡の両方の作用により前記複合キャリアの搬送キャリアと前記部品とが剥離されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の部品製造方法。
  16. 前記発泡剤は、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、およびヒドラゾジカルボンアミドの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項13または15に記載の部品製造方法。
  17. 前記接合層は前記発泡剤が混在していることを特徴とする請求項13、15、16のいずれか一項に記載の部品製造方法。
  18. 前記段階(b)は、前記搬送キャリアと前記被処理部材とが、前記搬送キャリア側に設けられた前記接着剤および前記被処理部材側に設けられた加熱により分解する剥離剤を介して積層されてなる前記積層体を加熱するとともに、前記搬送キャリアおよび前記被処理部材により前記接着剤および前記剥離剤が加圧されるように前記積層体を加圧することにより、前記接着剤および前記剥離剤がそれぞれ加熱および加圧されてなる接着層および剥離層の二重層からなる前記接合層を介して前記搬送キャリアと前記被処理部材とが接合した前記複合キャリアを作製し、
    前記段階(d)は、前記剥離層の分解温度以上の温度まで前記複合キャリアを加熱することにより、前記複合キャリアの搬送キャリアと前記被処理部材とを剥離することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の部品製造方法。
  19. 表面上に接着剤を付着した被処理部材を前記接着剤に含まれる溶媒の沸点以上の温度で加熱することにより、前記接着剤から溶媒を除去した後、搬送キャリアと被処理部材とを接着剤を介して積層させて積層体とし、前記積層体を加熱するとともに、前記搬送キャリアおよび前記被処理部材により前記接着剤が加圧されるように前記積層体を加圧することにより、前記接着剤が加熱および加圧されてなり、分解温度以上の温度で分解する接合層を介して前記搬送キャリアと前記被処理部材とが接合されてなり、前記溶媒の沸点以上で処理されるための複合キャリア。
  20. 前記接着剤は、前記接着剤に含まれる溶媒の沸点以上の温度で前記積層体を加熱することにより、前記溶媒が除去されたことを特徴とする請求項19に記載の複合キャリア。
  21. 前記接着剤は樹脂を有することを特徴とする請求項20に記載の複合キャリア。
  22. 前記樹脂はポリイミドであることを特徴とする請求項21に記載の複合キャリア。
  23. 前記樹脂は前記溶媒に可溶であることを特徴とする請求項21または22に記載の複合キャリア。
  24. 前記接着剤はさらに金属およびセラミックの少なくともいずれかからなる粒子を含むことを特徴とする請求項21〜23のいずれか一項に記載の複合キャリア。
  25. 前記粒子は、直径5μm以下の球状のアルミナセラミックスであることを特徴とする請求項24に記載の複合キャリア。
  26. 前記搬送キャリアは、前記搬送キャリアの処理が可能な装置であって前記被処理部材の処理を行う装置の搬送規格を満たす重量および形状を有するシリコン、金属、およびセラミックの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項19〜25のいずれか一項に記載の複合キャリア。
  27. 前記接着剤の溶媒の沸点以上の温度で前記積層体の加圧が行われることを特徴とする請求項19〜26のいずれか一項に記載の複合キャリア。
  28. 前記接合層には、前記分解温度で発泡する発泡剤が含まれていることを特徴とする請求項19〜27のいずれか一項に記載の複合キャリア。
  29. 前記接合層に含まれる樹脂は、前記分解温度で分解することを特徴とする請求項19〜28のいずれか一項に記載の複合キャリア。
  30. 前記接合層には、前記分解温度で分解する樹脂と、前記分解温度で発泡する発泡剤とが含まれ、前記分解温度において前記接合層に含まれる樹脂の分解と、前記接合層に含まれる発泡樹脂の発泡の両方の作用により前記複合キャリアの搬送キャリアと前記被処理部材とが剥離されることを特徴とする請求項19〜29のいずれか一項に記載の複合キャリア。
  31. 前記発泡剤は、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、およびヒドラゾジカルボンアミドの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項28または30に記載の複合キャリア。
  32. 前記接合層には前記発泡剤が混在していることを特徴とする請求項28、30、31のいずれか一項に記載の複合キャリア。
  33. 前記接合層は、前記搬送キャリア側に設けられた前記接着剤および前記被処理部材側に設けられた加熱により分解する剥離剤がそれぞれ加熱および加圧されてなる接着層および剥離層の二重層からなることを特徴とする請求項20〜32のいずれか一項に記載の複合キャリア。
  34. 表面上に接着剤を付着した被処理部材を前記接着剤に含まれる溶媒の沸点以上の温度で加熱することにより、前記接着剤から溶媒を除去する溶媒除去手段と、
    搬送キャリアと被処理部材とを前記溶媒除去手段で溶媒が除去された接着剤を介して積層させて積層体とし、前記積層体を加熱するとともに、前記搬送キャリアおよび前記被処理部材により前記接着剤が加圧されるように前記積層体を加圧することにより、前記接着剤が加熱および加圧されてなる接合層を介して前記搬送キャリアと前記被処理部材とが接合した複合キャリアを作製する複合キャリア作製手段と、
    前記溶媒の沸点以上の温度において処理された前記複合キャリアを、前記接合層の分解温度以上の温度まで加熱することにより、前記複合キャリアから処理がなされた前記被処理部材を剥離する剥離手段と、
    を有することを特徴とする接合剥離装置。
  35. 前記接着剤は樹脂を有することを特徴とする請求項34に記載の接合剥離装置。
  36. 前記樹脂はポリイミドであることを特徴とする請求項35に記載の接合剥離装置。
  37. 前記樹脂は前記溶媒に可溶であることを特徴とする請求項35または36に記載の接合剥離装置。
  38. 前記接着剤はさらに金属およびセラミックの少なくともいずれかからなる粒子を含むことを特徴とする請求項34〜37のいずれか一項に記載の接合剥離装置。
  39. 前記粒子は、直径5μm以下の球状のアルミナセラミックスであることを特徴とする請求項38に記載の接合剥離装置。
  40. 前記剥離手段により剥離される前記被処理部材は、前記搬送キャリアの処理が可能な装置によって前記被処理部材の処理を行われたことを特徴とする請求項34〜39のいずれか一項に記載の接合剥離装置。
  41. 前記搬送キャリアは、前記装置の搬送規格を満たす重量および形状を有するシリコン、金属、およびセラミックの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項40に記載の接合剥離装置。
  42. 前記複合キャリア作製手段は、前記積層体を接着剤の溶媒の沸点以上の温度に加熱することを特徴とする請求項37〜41のいずれか一項に記載の接合剥離装置。
  43. 前記溶媒除去手段による溶媒の除去、および前記複合キャリア作製手段による前記複合キャリアの作製は、真空で行われることを特徴とする請求項37〜42のいずれか一項に記載の接合剥離装置。
  44. 記複合キャリア作製手段による前記複合キャリアの作製が行われる真空の真空度は、前記溶媒除去手段により溶媒の除去が行われる真空の真空度以上であることを特徴とする請求項43に記載の接合剥離装置。
  45. 前記複合キャリア作製手段による前記複合キャリアの作製においては、前記積層体を加熱および加圧することにより前記接着剤の軟化および流動化の少なくともいずれかを生じさせることを特徴とする請求項37〜44のいずれか一項に記載の接合剥離装置。
  46. 前記分解温度は、前記接合層に含まれる発泡剤が発泡する温度であることを特徴とする請求項37〜45のいずれか一項に記載の接合剥離装置。
  47. 前記分解温度は、前記接合層に含まれる樹脂が分解する温度であることを特徴とする請求項37〜46のいずれか一項に記載の接合剥離装置。
  48. 前記剥離手段は、前記接合層に含まれる樹脂の分解と、前記接合層に含まれる発泡剤の発泡の両方の作用により前記複合キャリアの搬送キャリアと前記被処理部材とを剥離することを特徴とする請求項37〜46のいずれか一項に記載の接合剥離装置。
  49. 前記発泡剤は、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、およびヒドラゾジカルボンアミドの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項46または48に記載の接合剥離装置。
  50. 前記接合層は前記発泡剤が混在していることを特徴とする請求項46、48、49のいずれか一項に記載の接合剥離装置。
  51. 前記複合キャリア作製手段は、前記搬送キャリアと前記被処理部材とが、前記搬送キャリア側に設けられた前記接着剤および前記被処理部材側に設けられた加熱により分解する剥離剤を介して積層されてなる前記積層体を加熱するとともに、前記搬送キャリアおよび前記被処理部材により前記接着剤および前記剥離剤が加圧されるように前記積層体を加圧することにより、前記接着剤および前記剥離剤がそれぞれ加熱および加圧されてなる接着層および剥離層の二重層からなる前記接合層を介して前記搬送キャリアと前記被処理部材とが接合した前記複合キャリアを作製し、
    前記剥離手段は、前記剥離層の分解温度以上の温度まで前記複合キャリアを加熱することにより、前記複合キャリアから前記被処理部材を剥離することを特徴とする請求項37〜45のいずれか一項に記載の接合剥離装置。
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