JP5704602B2 - 薄型半導体装置の製造方法および脆質部材用支持体 - Google Patents

薄型半導体装置の製造方法および脆質部材用支持体 Download PDF

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本発明は、製造時の破損の問題を解決できる薄型半導体装置の製造方法、および半導体基板等の脆質部材の破損を防ぐ際に好適に用いられる脆質部材用支持体に関する。
情報端末機器の薄型化、小型化、多機能化が急速に進む中、それらに搭載される半導体装置も同様に薄型化、高密度化が求められている。最近では、完成後の半導体装置は厚みが50μm以下にまで薄研削(薄化加工)されてチップ状に個片化される場合も多い。
しかしながら、このような厚みの薄い半導体装置(薄型半導体装置)は脆弱で外部からの衝撃に対して非常に弱いため、薄化加工時やそれ以後の工程において半導体装置が破損し易いという場合があった。特に、半導体装置の大口径化に伴い、薄型半導体装置の脆弱性は重大な問題になっている。
この脆弱性の問題を解消する方法として、例えば、両面粘着シートなどを用いてガラス板やアクリル板のような硬質板上に薄型半導体装置を一時的に固定する方法が挙げられる。
しかしながら、この方法においては、硬質板を取り除く工程において薄型半導体装置が破損するという新たな問題が生じていた。
すなわち、硬質板と薄型半導体装置からなる接合体を剥離分離する場合は、硬質板が撓みにくいため、薄型半導体装置を湾曲させることになり、薄型半導体装置が破損しやすくなる。
このように、ただ硬質板を用いるだけでは薄型半導体装置の破損の問題を完全に解決することは困難であり、これまでにも特定の支持体を用いる脆質部材の処理方法が検討されている(特許文献1〜4)。そして、これらの方法を利用することで、脆質部材の加工、搬送時の破損や支持体を取り除く際の破損を防ぐことができるようになってきた。
しかしながら、半導体装置に対する近年の要求性能の高まりを考慮すると、依然としてさらなる技術開発が必要な状況にある。
本発明に関連して、SOI(Silicon on Insulator)基板の製造において、イオン注入法により、半導体基板に水素原子を数ミクロンの深さに高濃度に導入し、さらに熱処理及び/又は外部衝撃を与えることで、半導体基板の水素イオン注入界面に沿って半導体基板を剥離する技術が知られている(特許文献5〜8)。
特開2008−171934号公報 特開2008−306049号公報 特開2009−101437号公報 特開2009−101438号公報 US2002/0023725A1 US2002/0115264A1 特開2007−250576号公報 特開2008−263010号公報
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであって、半導体装置の基板を薄化加工する工程やその後に薄型半導体装置を加工や搬送する際において、薄型半導体装置の破損を防ぐことができ、さらに前記破損を防止するために用いる支持基板を取り除く際においても、薄型半導体装置の破損を防ぐことができる薄型半導体装置の製造方法を提供すること、および半導体基板等の脆質部材の加工、搬送時における破損を防止するために好適に用いられる脆質部材用支持体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の工程を含む薄型半導体装置の製造方法、および特定の脆質部材用支持体によって前記課題をそれぞれ解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、以下の(1)〜(6)の薄型半導体装置の製造方法、および(7)〜(10)の脆質部材用支持体が提供される。
(1)半導体基板上に回路素子が形成された薄型半導体装置の製造方法であって、
以下の工程(I)〜(V)
工程(I):表面に回路素子が形成された半導体基板の、回路素子が形成されている側の面と、支持基板の貼合面とを貼合する工程
工程(II):支持基板中に、半導体基板との貼合面から所定深さの水平面に沿って分離する界面となる分離層を形成する工程
工程(III):半導体基板の裏面を薄化加工する工程
工程(IV):支持基板を分離層で劈開することにより、前記支持基板の回路素子に面しない側の部分を分離除去する工程
工程(V):支持基板の回路素子に面する側の部分を剥離除去する工程
を含み、
前記工程(I)〜工程(V)を、工程(I)−工程(II)−工程(III)−工程(IV)−工程(V)の順、工程(II)−工程(I)−工程(III)−工程(IV)−工程(V)の順、または工程(I)−工程(III)−工程(II)−工程(IV)−工程(V)の順で行うことを特徴とする薄型半導体装置の製造方法。
(2)工程(V)の後に、半導体装置をチップ状に個片化する工程(VI)をさらに有する(1)に記載の薄型半導体装置の製造方法。
(3)分離層が、前記支持基板を構成する材料とは異なる少なくとも一種の材料によって構成されることを特徴とする(1)または(2)に記載の薄型半導体装置の製造方法。
(4)前記支持基板が、単結晶シリコン基板、単結晶SiC基板または単結晶GaAs基板であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の薄型半導体装置の製造方法。
(5)前記分離層が、イオン注入法によって形成されたものであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の薄型半導体装置の製造方法。
(6)工程(IV)において分離された支持基板の回路素子に面しない側の部分を、支持基板材料として再利用することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の薄型半導体装置の製造方法。
(7)支持基板とこれに隣接する粘着層を有する脆質部材用支持体であって、前記支持基板が、粘着層との境界面から所定深さの水平面に沿って、支持基板を2つに分離する界面となる分離層を有することを特徴とする脆質部材用支持体。
(8)前記分離層が、前記支持基板とは異なる少なくとも一種の材料によって構成されることを特徴とする(7)に記載の脆質部材用支持体。
(9)前記支持基板が、単結晶シリコン基板、単結晶SiC基板または単結晶GaAs基板であることを特徴とする(7)または(8)に記載の脆質部材用支持体。
(10)前記分離層が、イオン注入法によって形成されたものであることを特徴とする(7)〜(9)のいずれかに記載の脆質部材用支持体。
本発明によれば、半導体装置の基板を薄化加工する工程やその後に薄型半導体装置を加工や搬送する際において、薄型半導体装置の破損を防ぐことができ、さらに破損を防止するために用いた支持基板を取り除く際においても、薄型半導体装置の破損を防ぐことができる薄型半導体装置の製造方法、および半導体基板等の脆質部材の加工、搬送時における破損を防止するために好適に用いられる脆質部材用支持体が提供される。
実施例1の製造工程断面図である。 実施例1の製造工程断面図である。
〔薄型半導体装置の製造方法〕
以下、本願第1発明である薄型半導体装置の製造方法について詳細に説明する。
薄型半導体装置は、半導体基板と該半導体基板上に形成された回路素子とを有する。半導体基板の厚みは、通常、0.5μm〜200μmの範囲である。
本発明は、このような薄型半導体装置を製造する方法に関するものであり、以下の工程(I)〜(V)を含む。なお、本明細書においては、独立した半導体基板のほかに、半導体装置中の半導体基板部分のことも「半導体基板」ということがある。
工程(I):表面に回路素子が形成された半導体基板の、回路素子が形成されている側の面と、支持基板の貼合面とを貼合する工程
工程(II):支持基板中に、半導体基板との貼合面から所定深さの水平面に沿って分離する界面となる分離層を形成する工程
工程(III):半導体基板の裏面を薄化加工する工程
工程(IV):支持基板を分離層で劈開することにより、前記支持基板の回路素子に面しない側の部分を分離除去する工程
工程(V):支持基板の回路素子に面する側の部分を剥離除去する工程
本発明においては、工程(I)〜工程(V)を、工程(I)−工程(II)−工程(III)−工程(IV)−工程(V)の順、工程(II)−工程(I)−工程(III)−工程(IV)−工程(V)の順、または工程(I)−工程(III)−工程(II)−工程(IV)−工程(V)の順で行う。
工程(I)の後に工程(III)を行うことで、薄化加工時の半導体基板の破損を防ぐことができる。
また、工程(III)の後に工程(IV)を、さらにその後に工程(V)を行うことで、薄化加工時の半導体基板の破損を防ぐという目的を果たした支持基板を、半導体基板を湾曲させることなく取り除くことができ、薄型半導体装置の破損を防ぐことができる。
本発明においては、前記の工程順の中で、工程(II)−工程(I)−工程(III)−工程(IV)−工程(V)の順が好ましい。この順であれば、回路素子にダメージを与えずに、分離層を形成することができる。
以下、工程ごとに説明する。
1.工程(I)
工程(I)においては、表面に回路素子が形成された半導体基板の、回路素子が形成されている側の面と、支持基板の貼合面とを貼合し、接合体を形成する。ここで、「貼合面」とは、接合体の形成前においては貼合予定の面を意味し、接合体の形成後においては貼合された面を意味する。
本発明に用いる半導体基板は特に限定されない。例えば、単結晶シリコン基板、単結晶SiC基板、単結晶GaAs基板等が挙げられ、単結晶シリコン基板が好ましい。単結晶シリコン基板としては、未処理のシリコン基板であっても酸化処理が施されたシリコン基板であってもよい。また、SOI(Silicon on Insulator)構造を有する基板であってもよい。
半導体基板上に回路素子を形成する方法は特に制限されず、エッチング法、リフトオフ法等の従来公知の方法を採用することができる。
本発明に用いる支持基板は剛性が高く、撓みにくい性質を有するものである。このような支持基板を薄型半導体装置の半導体基板と貼合することで、半導体装置を薄化加工する工程やその後に薄型半導体装置を加工や搬送する際に、薄型半導体装置の変形を抑えて、破損を防ぐことができる。
支持基板としては、剛性が高く、撓みにくい性質を有し、かつ後述する分離層を形成できる限り、特に制限はない。支持基板の具体例としては、単結晶シリコン基板、単結晶SiC基板、単結晶GaAs基板等が挙げられ、単結晶シリコン基板が好ましい。単結晶シリコン基板としては、未処理のシリコン基板であっても酸化処理が施されたシリコン基板であってもよい。また、SOI(Silicon on Insulator)構造を有する基板であってもよい。
支持基板の厚みは、例えば、単結晶シリコン基板、単結晶SiC基板、単結晶GaAs基板等を使用する場合は、通常200μm以上、好ましくは500μm以上である。500μm以上であることで、薄型半導体装置の変形を十分に抑えて、破損を防ぐことができる。また、取扱性等の観点から、支持基板の厚みは、通常3000μm以下、好ましくは1000μm以下である。
工程(I)における貼合方法は、後の工程(V)における剥離除去が可能である限り、特に制限されない。例えば、粘着剤により支持基板と半導体基板を直接貼合してもよく、芯材フィルムの両面に粘着剤層を設けた両面粘着シートを使用して支持基板と半導体基板を粘着させてもよいが、取扱性等の観点から、両面粘着シートを使用する方法が好ましい。
粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系など汎用の粘着剤を使用することができる。また、エネルギー線の照射により硬化して再剥離性となるエネルギー線硬化型粘着剤を使用してもよい。
2.工程(II)
工程(II)においては、支持基板中に、半導体基板との貼合面から所定深さの水平面に沿って分離する界面となる分離層を形成する。
後述するように、工程(V)においては、支持基板の回路素子に面する側の部分を剥離除去する。このとき、支持基板の回路素子に面する側の部分が薄ければ、当該部分を湾曲させながら剥離除去することができ、薄型半導体装置の破損を防ぐことができる。
また、支持基板の回路素子に面する側の部分の厚さは、分離層の貼合面からの深さに相当する。したがって、工程(II)においては、支持基板の回路素子に面する側の部分を湾曲させながら剥離除去することができるように、支持基板中に、半導体基板との貼合面から所定深さの水平面に沿って分離する界面となる分離層を形成する。
例えば、単結晶シリコン基板、単結晶SiC基板、単結晶GaAs基板等を使用する場合は、半導体基板との貼合面からの水平面の深さは、通常、0.5μm〜200μm、好ましくは1μm〜100μm、特に好ましくは2μm〜50μmの範囲である。200μm以下であることで、工程(V)において薄型半導体装置を撓ませずに支持基板を剥離除去することができ、さらに分離層を短時間で形成することができる。また、0.5μm以上であることで、工程(V)において剥離除去ができる程度の強度が得られる。
本発明においては、工程(II)は、工程(I)の前であっても、後であってもよいが、回路素子に与えるダメージを少なくする観点から、工程(II)は工程(I)の前であることが好ましい。
前記分離層を構成する材料は支持基板材料と異種であればよいが、熱膨張係数が支持基板材料と異なる材料が好ましい。また熱を与えたときに、運動エネルギーが大きくなるような材料、すなわち質量数が比較的小さい材料であってもよい。
分離層を形成する方法としては、イオン注入法、熱拡散法等が挙げられる。
イオン注入法としては、(i)Paul K.Chu、Chung Chan、Nathan W.Cheung、名称“Recent Applications of Plasma Immersion Ion Implantation”、SEMICONDUCTOR INTERNATIONAL、165〜172頁、1996年6月、(ii)P.K.Chu、S.Qin、C.Chan、N.W.Cheung、L.A.Larson、名称“Plasma Immersion Ion Implantation”、(iii)MATERIAL SCIENCE AND ENGINEERING REPORTS、A Review Journal、207〜280頁、R17巻、No.6−7(1996年11月30日)等に記載されたプラズマイオン注入(“PIII”)法;イオンシャワーを使用する方法;水素イオンビーム(原子力eye、Vol.46(9)(2000)p61−65)を使用する方法;プラズマイオン注入法(特開2006−70238号公報等);等が挙げられる。
いずれの方法も、所望の材料をイオン化し、外部電界により加速させて、支持基板に注入することで目的の深さに所望の量を導入することができる点で好適である。
また、熱拡散法は予め支持基板表面に所望の材料を製膜した後、支持基板を加熱することにより所望の材料を支持基板の内部へ拡散させて分離層を形成する方法である。例えば、支持基板表面に、有機溶媒に溶かした支持基板と熱拡散係数が異なる拡散源をスピンコート法などにより塗布する。その後、拡散源を塗布した支持基板を約1000℃の電気炉に投入することで、熱拡散法により支持基板とは熱膨張係数が異なる材料を支持基板内部に形成することができる。熱拡散法によれば、高価なイオン注入装置を必要とせず、コスト面で好適である。また、イオン注入法により所望の材料を支持基板の極表面に導入後、熱拡散法により所望の材料を支持基板内部へ導入してもよい。
これらの中でも、分離層を支持基板の所定位置(深さ)に所定量のイオンを簡便に導入できることから、イオン注入法が好ましい。
イオン注入法により注入されるイオンとしては、イオンであれば、特に制約はないが、粒子が横切る材料領域に実質上ダメージを与えることなく、支持基板材料を通って選択された深さまで容易に侵入することができることから、質量が小さいものが好ましい。例えば、ガスバリア性と透明性の点から、水素、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、及びキセノンからなる群から選ばれる少なくとも一種のイオンが好ましく、窒素、酸素、アルゴン又はヘリウムのイオンが特に好ましい。
イオン注入時のドーズ量は、通常、1×1015〜1×1018atoms/cm、好ましくは1×1016〜1×1018atoms/cmである。
注入エネルギーは、通常、1keV〜1MeV、好ましくは10〜200keVである。
イオン注入法においては、注入エネルギーを調節することで、分離層の貼合面からの深さ(イオン注入深さL)を制御することができる。
また、支持基板が半導体基板の場合、半導体基板中へのイオン注入プロセスにおいて注入イオンのチャネリング抑制のために通常行われているように、前記半導体基板のイオン注入面に予め酸化膜等の絶縁膜を形成させておき、この絶縁膜を通してイオン注入を施すようにしてもよい。
3.工程(III)
工程(III)においては、半導体基板の裏面を薄化加工する。ここで半導体基板の裏面とは、回路素子が形成されていない側の面をいう。
薄化加工の方法は特に制限されず、例えば、ダイヤモンドホイールおよび吸着テーブル等を用いた公知の手法による裏面研削が挙げられる。裏面研削工程の後、研削によって生成した破砕層を除去する処理が行われてもよい。
この破砕層を除去する処理としては、例えば、プラズマや薬液によるエッチング処理等の従来公知の方法が挙げられる。また、半導体基板に分離層を形成し、機械的または熱的応力により、当該分離層を界面として分離させてもよい。この場合、本発明の工程(II)と同様の方法により分離層を形成し、工程(IV)と同様の方法により破砕層を分離除去することができる。
4.工程(IV)
工程(IV)においては、支持基板を分離層で劈開することにより、前記支持基板の回路素子に面しない側の部分(当該部分を、「劈開除去部分」ということがある。)を分離除去する。
支持基板を分離層で劈開する方法としては、外部刺激を与えることで生じる機械的または熱的応力により、分離層を界面として劈開する方法が挙げられ、例えば、特許文献4〜7等に記載された方法を採用することができる。
より具体的には、噴射ノズルを用いて、圧縮流体を支持基板側面の分離層が形成された箇所に吹きつけながら、支持基板の劈開除去部分を剥離する方法等のごとく、機械的に劈開除去部分を分離層から分離する方法;支持基板に熱を加えることにより、劈開除去部分を分離層から分離する方法;支持基板に振動を加えることにより、劈開除去部分を分離層から分離する方法;等が挙げられる。なかでも、機械的に劈開除去部分を分離層から分離する方法、支持基板に熱を加えることにより、劈開除去部分を分離層から分離する方法が好ましい。
機械的に劈開除去部分を分離層から分離する方法は、加熱の必要がなく、後述する粘着シートを使用する場合に好適である。
また、後者の熱を加える方法において、加熱温度は、分離層の熱膨張係数や質量数にもよるが、200℃〜500℃の範囲が好ましい。分離時の温度が500℃よりも大きいと、分離後の分離面状態が粗くなり、200℃よりも小さいと分離が不完全になる場合がある。
本発明においては、工程(IV)において分離された劈開除去部分を、支持基板材料として再利用してもよい。
5.工程(V)
工程(V)においては、支持基板の回路素子に面する側の部分(当該部分を、「剥離除去部分」ということがある。)を剥離除去する。
剥離除去部分は、薄く、撓み易い性質を有する部分である。したがって、当該部分を湾曲させながら剥離除去することができ、薄型半導体装置の破損を防ぐことができる。
支持基板の回路素子に面する側の部分を剥離除去する方法としては、積層体表面の接着シート等を剥離する方法として、従来から用いられてきた方法を採用することができ、例えば、剥離除去部分の端部に剥離用テープを貼付した後、剥離除去部分が湾曲するように剥離用テープを引っ張る方法が挙げられる。
このとき、作業効率の観点から、剥離除去部分とともに工程(I)で用いた粘着剤等が同時に除去されることが好ましい。
本発明においては前記以外の工程をさらに加えてもよい。例えば、工程(V)の後に、半導体装置をチップ状に個片化する工程(VI)を行うことで、個片化された薄型半導体装置が得られる。個片化の方法は特に限定されず、例えば、通常のブレードを用いて個片化する方法、レーザーや電離放射線により個片化する方法等が挙げられる。
個片化する際は、薄型半導体装置を粘着シートに固定することが好ましい。用いる粘着シートは特に制限されず、従来公知のものが使用できるが、剥離可能な粘着シートの使用が好ましい。このような粘着シートとしては、弱粘着性シートやエネルギー線の照射により粘着力を低減または消失できるエネルギー線硬化型粘着シートが挙げられる。
本発明においては、工程(III)の薄化加工の後に半導体装置の裏面を前記粘着シートに固定し、その後、工程(IV)や工程(V)を行ってもよい。この方法によれば、工程(V)において剥離除去部分を除去した後、そのまま前記工程(VI)を行うことができる。
また、本発明においては、工程(III)の薄化加工を施した接合体を支持基板側で真空吸着テーブルに固定し、その後、工程(IV)を行ってもよい。この方法によれば、前記粘着シートを用いないで工程(IV)を行うことができるため、加熱により、支持基板を分離層で劈開するときに好ましく用いられる。
以上のようにして、半導体装置の支持基板を薄化加工する工程や支持基板を取り除く際において薄型半導体装置を破損することなく、薄型半導体装置を効率よく製造することができる。
〔脆質部材用支持体〕
本願第2発明の脆質部材用支持体は、支持基板とこれに隣接する粘着層を有し、前記支持基板が、粘着層との境界面から所定深さの水平面に沿って、支持基板を2つに分離する界面となる分離層を有するものである。
脆質部材用支持体は、粘着層を介して脆質部材と仮着し、脆質部材の加工や搬送時に脆質部材を保護する。
脆質部材としては、例えば、シリコン基板、GaAs基板等の各種半導体基板、セラミックス板、ガラス板、金属板等が挙げられるが、これらに限定されない。
脆質部材の加工としては、例えば、半導体基板の薄化加工が挙げられる。
脆質部材用支持体の支持基板としては、第1発明の支持基板として例示したものと同様のものを用いることができる。
分離層は、第1発明における分離層と同様の性質を有していればよく、分離層の深さ(粘着層との境界面からの水平面の深さ)、分離層を構成する材料、分離層を形成する方法等の詳細は、第1発明において説明したとおりである。
分離層は、粘着層を形成する前に形成してもよく、粘着層を形成した後に形成してもよく、支持基板と脆質部材とを仮着した後に形成してもよい。
脆質部材用支持体の粘着層は、脆質部材を仮着することができる限り特に制限されず、例えば、第1発明において例示した粘着剤等を利用して形成することができる。
脆質部材用支持体としては、例えば、工程(II)−工程(I)の順で第1発明を行うときに、支持基板の貼合面に粘着層を形成したものが挙げられる。
脆質部材用支持体を取り除く際は、第1発明における工程(IV)と同様の方法により、支持基板を分離層で分離し、工程(V)と同様の方法により、残った支持基板を剥離除去することができる。
以上のように、本願第2発明の脆質部材用支持体を用いることで、脆質部材を加工や搬送する際にこれを十分保護することができ、さらに、脆質部材を破損することなく支持体を取り除くことができる。
次に、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1(a)に示すように、厚さ725μmの8インチの単結晶シリコン基板(支持基板1)に、イオン注入装置(ロック技研社製)を用いて、貼合面側{図1(a)中、下側}から水素イオンをドーズ量が1×1016〜1×1017atoms/cm、イオン注入深さLが、貼合面から10μmになるように注入し、図1(b)に示す、分離層2を有する支持基板1を得た。
次いで、支持基板1の貼合面に、リンテック社製再剥離性両面粘着テープをラミネーター(リンテック社製、RAD−3510F/12)を用いて貼付し、図1(c)に示す、支持基板1とこれに隣接する粘着層3を有する支持体10を得た。
別途、図1(d)に示す半導体装置6(表面に回路素子4が形成された半導体基板5)を形成し、半導体装置6と支持体10とを貼合して接合体7を得た。
接合体7の裏面(半導体基板の回路素子形成面ではない面)をグラインド装置(ディスコ社製、DGP8760)を用いて、図1(f)に示すように半導体装置の厚みが50μmになるように薄化加工し、薄型半導体装置6’を含む接合体7’を得た。
次に、図2(g)に示すように、マウンター装置(リンテック社製、RAD2700)を用いて、接合体7’の裏面に、基材と粘着剤層からなる粘着シート8(リンテック社製、Adwill D−678)を貼付し、粘着シート8の外周部をリングフレーム9で固定した。
その後、図2(h)に示すように、支持基板1の側面の分離層2が形成されている部分に、噴射ノズルを用いて高圧縮空気を噴射し、支持基板1の回路素子に面しない側の部分(1a)を分離除去した。続けて、図2(i)に示すように、支持基板1の回路素子に面する側の部分(1b)を粘着層3とともに剥離除去し、図2(j)に示す、粘着シート8に固定された薄型半導体装置6’を得た。
次に、ダイシング装置(ディスコ社製、DFD6340)を用いて、5mm×14mmのチップ状に個片化し、図2(k)に示すように個片化された薄型半導体装置6”を得た。
1・・・単結晶シリコン基板(支持基板)
1a・・支持基板の回路素子に面しない側の部分
1b・・支持基板の回路素子に面する側の部分
2・・・分離層
3・・・粘着層
4・・・回路素子
5・・・半導体基板
5’・・薄化加工後の半導体基板
5”・・個片化された半導体基板
6・・・半導体装置
6’・・薄化加工後の半導体装置
6”・・個片化された半導体装置
7・・・接合体
7’・・薄化加工後の接合体
8・・・粘着シート
9・・・リングフレーム
10・・支持体

Claims (6)

  1. 半導体基板上に回路素子が形成された薄型半導体装置の製造方法であって、
    以下の工程(I)〜(V)
    工程(I):表面に回路素子が形成された半導体基板の、回路素子が形成されている側の面と、支持基板の貼合面とを貼合する工程
    工程(II):支持基板中に、半導体基板との貼合面から所定深さの水平面に沿って分離する界面となる分離層を形成する工程
    工程(III):半導体基板の裏面を薄化加工する工程
    工程(IV):支持基板を分離層で劈開することにより、前記支持基板の回路素子に面しない側の部分を分離除去する工程
    工程(V):支持基板の回路素子に面する側の部分を剥離除去する工程
    を含み、
    前記工程(I)〜工程(V)を、工程(I)−工程(II)−工程(III)−工程(IV)−工程(V)の順、工程(II)−工程(I)−工程(III)−工程(IV)−工程(V)の順、または工程(I)−工程(III)−工程(II)−工程(IV)−工程(V)の順で行うことを特徴とする薄型半導体装置の製造方法。
  2. 工程(V)の後に、半導体装置をチップ状に個片化する工程(VI)をさらに有する請求項1に記載の薄型半導体装置の製造方法。
  3. 分離層が、前記支持基板を構成する材料とは異なる少なくとも一種の材料によって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の薄型半導体装置の製造方法。
  4. 前記支持基板が、単結晶シリコン基板、単結晶SiC基板または単結晶GaAs基板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄型半導体装置の製造方法。
  5. 前記分離層が、イオン注入法によって形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄型半導体装置の製造方法。
  6. 工程(IV)において分離された支持基板の回路素子に面しない側の部分を、支持基板材料として再利用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の薄型半導体装置の製造方法。
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