JP6184696B2 - ビスフェノール化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビスフェノール化合物の製造方法に関する。更に詳しくは、強酸基を有する陽イオン交換体及び2−(2−メルカプトエチル)ピリジンの存在下、フェノール化合物とカルボニル化合物からビスフェノール化合物を製造する方法において、反応原料中に特定濃度の水を含ませることを特徴とするビスフェノール化合物の製造方法に関する。
ビスフェノール化合物は一般に、酸性触媒存在下、フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応により製造される。酸性触媒としては、塩酸等の鉱酸も使用されるが、触媒による装置の腐食やコストの面から、工業的にはスルホン酸のような酸性基を有する陽イオン交換樹脂が汎用されている。また、転化率および選択率等の向上を目的として、チオール基または保護されたチオール基を含有する化合物(以下、「チオール化合物」と略記することがある)を触媒と共存させて反応させることが知られている。
助触媒のチオール化合物を触媒と共存させる方法としては、(1)該チオール化合物を反応原料中に添加して供給する方法と、(2)アミノ基等のスルホン酸基と結合し得る官能基を含有しているチオール化合物(例えばアミノアルカンチオール化合物、ピリジンアルカンチオール化合物等)でスルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基を変性させて使用する方法とがある。
前記(2)のチオール化合物でスルホン酸型陽イオン交換樹脂を変性させる方法は、チオール化合物が反応生成物中に混入しないため、前記(1)のチオール化合物を反応原料中に添加する方法よりも優れている。スルホン酸型陽イオン交換樹脂を変性させるために使用することができるチオール化合物としては、アミノアルカンチオール化合物、ピリジンアルカンチオール化合物など種々の化合物が知られている。
上記のビスフェノール化合物の製造方法において、反応系に存在する水の量の影響については、強酸性陽イオン交換樹脂触媒の存在下、反応原料中に含まれる水の濃度を0.2重量%以上とすると、原料であるカルボニル化合物の転化率が低下するため好ましくないことが開示されている(特許文献1を参照)。この文献においては、水は反応系に存在しないことが好ましいことが記載されており、その濃度を変えた場合に、生成するビスフェノール化合物以外の不純物への影響については全く検討がされていない。
上記ビスフェノール化合物の製造方法における、反応系の水の存在と、生成するビスフェノール化合物以外の不純物との関係については、システアミン等のアルキル−SH基で変性した強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下、反応原料中に水を0.6〜5重量%添加することで、ビスフェノール化合物選択率が向上し、クロマンおよびインダン類の生成が少なくなることが開示されている(特許文献2を参照)が、本方法においては不純物は少なくなるが、水を添加する量が多いため反応活性が著しく低くなるという難点があった。本方法においては、反応活性が著しく低くなるため、同等量の生産量を確保するために触媒量を増やす必要があり、反応器の数を増やす、あるいは反応器のサイズを大きくするなどの必要が生じ、工業的に不利である。
同程度の水が反応系に存在するビスフェノール化合物製造方法としては、4−ピリジルエチルメルカプタン化合物で変性した強酸性イオン交換樹脂触媒存在下、反応原料中の水の量を調整することで4,4’−ビスフェノールAの選択性を制御することが開示されている(特許文献3を参照)。また、反応系に存在する水の量は、供給液の1〜5重量%が好ましいことが開示されている。しかしながら、このような水を反応系に添加すると、反応活性が著しく低くなるという難点があり、さらに本文献では、ビスフェノール化合物製造の際に生成する副生物に関しては何ら検討されていない。
特開2009−196929号公報 特開平6−172241号公報 米国特許第7,132,575号明細書 特開2010−189380号公報
本発明の課題は、上記問題点を解決するものであって、強酸基を有する陽イオン交換体及び2−(2−メルカプトエチル)ピリジンの存在下で、フェノール化合物とカルボニル化合物とを反応させることによりビスフェノール化合物を製造する方法において、副生物の生成を抑制しつつ、目的とするビスフェノール化合物を高選択率で、効率よく製造し得る工業的に有利な方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、強酸型陽イオン交換樹脂と該強酸性陽イオン交換樹脂触媒の助触媒としての2−(2−メルカプトエチル)ピリジンを使用し、反応原料中に水を0.05から0.5重量%存在させることにより、目的とするビスフェノール化合物の選択性が向上し、副生物であるインダン化合物の生成量が少なくなることを発見した。ビスフェノール化合物の合成に使用される2−(2−メルカプトエチル)ピリジンで変性した強酸型陽イオン交換樹脂触媒は、4−(2−メルカプトエチル)ピリジンを用いて変性した強酸型陽イオン交換樹脂触媒に比べて、初期活性において、ほぼ同等、もしくは劣っているとされているが、長期間に亘って高い転化率を維持しつつビスフェノール化合物を高選択率で製造することが知られている(特許文献4を参照)。本発明者らは、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンを用いて変性した強酸型陽イオン交換樹脂触媒を用いてビスフェノール化合物を製造する際に、反応原料中の水濃度を、アセトンの転化率が大きく低下する濃度には達さない程度のごく微量増やすことにより、ビスフェノール化合物を高選択率で製造することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は以下を提供する。
[1]フェノール化合物とカルボニル化合物とを、強酸基を有する陽イオン交換体及び2−(2−メルカプトエチル)ピリジンの存在下に反応させるビスフェノール化合物の製造方法であって、前記フェノール化合物とカルボニル化合物を含む反応原料中の水の濃度が0.05〜0.5重量%であることを特徴とするビスフェノール化合物の製造方法。
[2]前記強酸基を有する陽イオン交換体および前記2−(2−メルカプトエチル)ピリジンが、前記強酸基を有する陽イオン交換体の強酸基の少なくとも一部が2−(2−メルカプトエチル)ピリジンにより保護されている、変性強酸型陽イオン交換体として存在することを特徴とする[1]に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
[3]前記変性強酸型陽イオン交換体が、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンによりその強酸基の3〜30%が保護されているものであることを特徴とする[2]に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
[4]前記強酸基を有する陽イオン交換体及び変性強酸型陽イオン交換体が、その粒径が30〜650μmのものが全体の50%以上であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のビスフェノール化合物の製造方法。
[5]前記反応原料中のカルボニル化合物に対するフェノール化合物の量が、モル比で10〜40倍であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のビスフェノール化合物の製造方法。
[6]フェノール化合物とカルボニル化合物とを、前記強酸基を有する陽イオン交換体および/又は変性強酸型陽イオン交換体の存在下、50〜90℃の温度で反応させることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のビスフェノール化合物の製造方法。
[7]前記ビスフェノール化合物が、ビスフェノールAである[1]〜[6]のいずれかに記載のビスフェノール化合物の方法。
本発明の方法によれば、強酸基を有する陽イオン交換体及び2−(2−メルカプトエチル)ピリジンの存在下で、フェノール化合物とカルボニル化合物を反応させる際、反応原料中に水を0.05〜0.5重量%存在させることで、インダン化合物などの副生物の生成を抑制することができる。ここでいうインダン化合物とは、p-イソプロペニルフェノール環状二量体、及びその異性体を示す。結果として、長期間に亘り高転化率及び高選択率で安定してビスフェノール化合物を連続的に製造することができ、工業的に極めて有利である。従来技術である2−(4−メルカプトエチル)ピリジンで変性された強酸基を有する陽イオン交換体の存在下で同反応を行う場合と比較して、少量の水で副生物の生成を抑制できるという効果を有する。
ゲル型ビーズの製造法に用いる重合装置を示す図である。 液滴製造装置に設置されるノズル部材を示す図である。 2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒及び4−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒を用いて初期のフェノール溶液中の含水率が0.3%で反応させたときのインダン化合物選択率の関係を示すグラフである。 2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒を用いて反応させたときの初期のフェノール溶液中の含水率とアセトン転化率との関係を示すグラフである。 2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒を用いて反応させたときの初期のフェノール溶液中の含水率とビスフェノール及び2,4′異性体の合計の選択率との関係を示すグラフである。 2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒を用いて反応させたときの初期のフェノール溶液中の含水率とインダン化合物選択率との関係を示すグラフである。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されない。
本発明は、フェノール化合物とカルボニル化合物とを、強酸基を有する陽イオン交換体及び2−(2−メルカプトエチル)ピリジンの存在下に反応させるビスフェノール化合物の製造方法であって、前記フェノール化合物とカルボニル化合物を含む反応原料中の水の濃度が0.05〜0.5重量%であることを特徴とするビスフェノール化合物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と称することがある)である。
本発明の製造方法では、ビスフェノール化合物はフェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応により製造される。フェノール化合物とは、部分構造としてフェノールを有する化合物をいう。フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応では、フェノール性水酸基の強いオルト‐パラ配向性、特にパラ配向性を利用するものと解されるところより、使用するフェノール化合物はオルト位又はパラ位に置換基のないものが好ましい。中でも、縮合反応生成物であるビスフェノール化合物は、その用途の点から4,4′−ビスフェノール化合物が一般的に好ましく、この点からパラ位に置換基のないフェノール化合物が好ましい。
フェノール化合物が置換基を有する場合、置換基はフェノール性水酸基のオルト−パラ配向性を阻害せず、また、カルボニル化合物の縮合位置に対して立体障害を及ぼさない限り、得られるビスフェノール化合物の用途や物性に応じて任意のものでありうる。典型的な置換基としては、例えば炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられる。又、該置換基の代わりに、弗素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子が置換したフェノール化合物についても、同様の置換位置の化合物を使用することができる。置換基の数は1つでも複数でもよい。
前記フェノール化合物としては、具体的には、例えば、フェノール(無置換のフェノール)、o−クレゾール、m−クレゾール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、2,5−ジクロロフェノール及び2,6−ジクロロフェノール等が挙げられる。これらの中ではフェノールが特に好ましい。上記フェノール化合物の製造方法は、公知の通常用いられる方法が挙げられるが、後で詳述するビスフェノール製造プロセス内で回収されるフェノール化合物を用いることもできる。
上記フェノール化合物(後述の、ビスフェノール製造プロセス内で回収されるフェノール化合物を除く)は、純度が高いものであればそのまま使用することもできるが、一般的には精製した後に使用するのが好ましい。フェノール化合物の精製方法としては特に制限はないが、例えば、フェノール化合物を、40〜110℃で、一般的な強酸基を有する陽イオン交換体のような酸性触媒と反応させ、フェノール化合物中に含まれる不純物を重質化させた後に蒸留して重質分を除去する方法などが挙げられる。通常、精製したフェノール化合物はそのまま使用されるが、フェノール化合物中に水分が含まれる場合、一般的には水分を除去した後に使用するのが好ましい。フェノール化合物中の水分を除去する方法としては特に制限はないが、例えば、共沸剤存在下で水分を含有したフェノール化合物の蒸留を行い、フェノール化合物と水分を分離する方法などが挙げられる。このようにして得られるフェノール化合物は、反応器へ供給することにより反応原料として使用される。
本発明の製造方法に用いられるカルボニル化合物としては特に制限はないが、具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、及びアセトフェノン等の炭素数3〜10程度のケトン類、並びにホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びブチルアルデヒド等の炭素数1〜6程度のアルデヒド類が挙げられる。これらの中では、アセトンが好ましい。
フェノール化合物としてフェノールを使用し、カルボニル化合物としてアセトンを使用した場合、ポリカーボネート樹脂等の原料として有用なビスフェノールAを得ることができるので、特に好ましい。
上記カルボニル化合物の製造方法としては、通常用いられる公知の方法が挙げられるが、後で詳述するビスフェノール製造プロセス内で回収されるカルボニル化合物を用いることもできる。
縮合反応の原料として用いるフェノール化合物とカルボニル化合物のモル比は、カルボニル化合物1モルに対してフェノール化合物が通常10モル〜40モルであり、好ましくは12モル〜25モルである。フェノール化合物の使用量が少なすぎると、副生物が増加する傾向がある。一方、多すぎてもその効果にほとんど変化はなく、むしろ回収、再使用するフェノール化合物の量が増大するため経済的でなくなる傾向がある。
本発明の製造方法では、酸性触媒として、強酸基を有する陽イオン交換体または強酸基の一部を2−(2−メルカプトエチル)ピリジンで変性した強酸基を有する陽イオン交換体が用いられる。
この変性に供する強酸基を有する陽イオン交換体は、一般に用いられる陽イオン交換体にスルホン酸基等の強酸基を導入したものである。
上記強酸基を有する陽イオン交換体としての交換容量(強酸基の量)は、含水状態の樹脂の、単位体積当り、通常0.5meq/mL以上、好ましくは1.0meq/mL以上であり、一方、通常3.0meq/mL以下、好ましくは2.0meq/mL以下である。また、乾燥状態の樹脂では、単位重量当り、通常1.0meq/g以上、好ましくは2.0meq/g以上であり、一方、通常6.0meq/g以下、好ましくは5.5meq/g以下である。含水状態の樹脂から付着水を取り除いた湿潤状態では、通常0.5meq/g以上、好ましくは1.0meq/g以上であり、一方、通常3.0meq/g以下、好ましくは2.0meq/g以下である。この交換容量が低過ぎると触媒活性が不足し、また、過度に交換容量の高い陽イオン交換体は製造困難である。
この強酸基を有する陽イオン交換体の交換容量は、例えば「ダイヤイオン、イオン交換樹脂・合成吸着剤マニュアル1」(三菱化学株式会社刊、改訂4版、平成19年10月31日発行、133〜135頁)に記載される方法や、これに準じた方法で求めることができる。
なお、ここで用いられる強酸基を有する陽イオン交換体の主な形態としては、ゲル型と多孔質型(ポーラス型、ハイポーラス型、又はマクロポーラス型)が挙げられるが、本発明のビスフェノール化合物の製造に用いる場合、製造コストの観点から、ゲル型が好ましい。また、物質拡散性や、樹脂の耐久性、強度の確保の観点で、多孔質型(ポーラス型、ハイポーラス型、又はマクロポーラス型)も好ましい。ゲル型には単純ゲル型共重合体及び拡大網目型ゲル共重合体があり、いずれも用いることができる。一方、多孔質型は多孔性共重合体であって、表面積、気孔率、平均孔径などが任意のものを用いることができる。
ゲル型又は多孔質型の強酸基を有する陽イオン交換体とする方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば「イオン交換樹脂その技術と応用」(オルガノ株式会社発行、改訂版、昭和61年5月16日発行、13〜21頁)に従って製造することができる。
本発明の製造方法で用いられる強酸基を有する陽イオン交換体(以下、「触媒ビーズ」と称することがある)、及び下述する変性強酸型陽イオン交換体のサイズは、平均粒径が、通常0.2mm以上、2.0mm以下の範囲にあり、かつ粒径分布均一度は、通常1.6以下、好ましくは1.5以下である。また、特に好ましくは、本発明で使用される触媒ビーズおよび下述する変性強酸型陽イオン交換体は、その全体の50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上が、粒径が30〜650μmである。
このような触媒ビーズの製造方法は、上記サイズの触媒ビーズができる方法であれば如何なるものであってもよいが、以下に、スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーの共重合反応で得られたゲル型触媒ビーズを例に詳細に説明する。
上記ゲル型触媒ビーズの原料であるスチレン系モノマーとは、スチレン、又はスチレンのベンゼン環若しくはスチレンのビニル基にイオン交換樹脂としての機能を損なわない範囲の任意の置換基を有するモノマーであるが、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル、ポリスチレンなどのポリマーや、オリゴマーの末端がスチリル構造になっているようなマクロモノマーであってもよい。なお、ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を意味する。後述の「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
スチレン系モノマーとしては、好ましくは下記式(1)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 0006184696
(式中、X1、X2、X3は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルシリルオキシ基、ニトロ基、ニトリル基のいずれかを示し、Yは、水素原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、フェニル基やナフチル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基、アルコキシアルキル基、ニトロ基、アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、アルコキシカルボニル基、アリルアルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アリルオキシ基、アラルキルオキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルカノイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アラルキルオキシカルボニルオキシ基、又はアルキルシリルオキシ基を示す。nは1から5までの整数であり、X1、X2、X3は互いに同一でも異なっていてもよく、またnが2以上の場合の複数のYは同一でも異なっていてもよい。)
スチレン系モノマーとしては、具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等の、ベンゼン環が炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されたスチレンや、α−メチルスチレン、α−フルオロスチレン、β−フルオロスチレン等の、ビニル基が炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されたスチレン等が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、これらの中でも、スチレンが最も好ましい。また、これらのスチレン系モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
架橋性モノマーは、分子内に上記スチレン系モノマーと共重合可能な炭素−炭素二重結合を2以上有する化合物であり、具体的には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼン、ジビニルトルエン等のアルキルジビニルベンゼン、ビス(ビニルフェニル)、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(4−ビニルフェニル)スルホン等の、2以上のベンゼン環が直接又はアルキレン基、スチリレン基などの連結基を介して結合した構造を有する芳香族ジビニル化合物が挙げられる。また、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル、ポリスチレンなどのポリマー、オリゴマーの両末端がスチリル構造、(メタ)アクリル構造のような重合性炭素−炭素二重結合を有するマクロモノマーでもよい。これらの中でも、架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼンが好ましい。なお、ジビニルベンゼンによっては、製造される際に副生物としてエチルビニルベンゼン(エチルスチレン)が生成し、これを多量に含有している場合もあるが、本発明においてはこのようなジビニルベンゼンも使用することができる。
これらの架橋性モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ゲル型触媒ビーズを製造するための重合性モノマーは、前記スチレン系モノマーと前記架橋性モノマーとを含むが、それ以外に、必要に応じて、更にこれらと重合可能な他のモノマーを含んでいてもよい。このような重合可能なモノマー(以下「第3のモノマー」と言う場合がある。)の具体例としては、ビニルナフタレンやビニルアントラセンなどの、ナフタレンやアントラセン、フェナントレンなどの多環芳香族骨格を有するビニルモノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエン、イソプレン等のジエン系炭化水素化合物;1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィン;(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、このような第3のモノマーを使用することにより、耐酸化性が増す等の効果が得られるが、この場合、その使用量はスチレン系モノマーに対して、通常50モル%以下、好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。第3のモノマーの使用量が多すぎると、得られる共重合体に導入することができる単位重量当たりの強酸基の量が少なくなり、所望の触媒活性を得られないことがある。
スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーを重合させて得られる共重合体であるゲル型ビーズの架橋度は1%以上が好ましく、2%以上が更に好ましく、また8%以下が好ましく、5%以下が更に好ましい。ここで言う架橋度とは、重合に供する重合性モノマー中の架橋性モノマーの重量基準での濃度をいい、当該分野において使われている定義と同様である。
この架橋度が小さすぎると、得られる、触媒ビーズ、及び変性強酸型陽イオン交換体の強度を保つことが困難となり、触媒として反応に供するに際し、使用前にフェノール化合物やフェノール化合物と水との混合液等に接触させてコンディショニングを行う時の膨潤、収縮により、触媒ビーズ、及び変性強酸型陽イオン交換体の破砕等が生じるため好ましくない。一方、架橋度が大きすぎると、得られる触媒ビーズ、及び変性強酸型陽イオン交換体が膨潤しにくくなるので、触媒ビーズ、及び変性強酸型陽イオン交換体内の拡散抵抗が生じ易くなり、触媒活性の著しい低下を生じることから好ましくない。
スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーの共重合反応は、ラジカル重合開始剤を用いて公知の技術に基づいて行うことができる。ラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の1種又は2種以上が用いられ、通常、重合性モノマーの重量(全モノマー重量)に対して0.05重量%以上、5重量%以下で用いられる。
重合様式は、特に限定されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の種々の様式で行うことができ、後述の均一係数や平均粒径を規定の範囲とする為には篩による分級等を行うこともできる。そして、本発明においては均一粒径の球状の共重合体を得る公知の方法が好適に適用される。例えば、重合に先立って、別装置で均一粒径のモノマー含有液滴が分散している水中油型分散液を製造し、この分散液を重合容器に仕込んで重合する方法が知られており、均一粒径の水中油型分散液を製造する方法としては、水を充満した容器の下部に上向きに形成された噴出孔を備えたノズルプレートを設け、この噴出孔を通してモノマー含有液を水中に供給することにより、モノマー含有液滴を水中に分散させる方法(例えば、特開2003−252908号公報、日本特許第3899786号公報参照)を用いることができる。後述の実施例においては、この方法を採用している。
なお、共重合反応における重合温度は、通常、室温(約18〜25℃)以上、好ましくは40℃以上、さらに好ましくは70℃以上であり、通常250℃以下、好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下である。重合温度が高すぎると解重合が併発し、重合完結度がかえって低下する。重合温度が低すぎると重合完結度が不十分となる。また、重合雰囲気は、空気もしくは不活性ガス下で実施可能であり、不活性ガスとしては窒素、二酸化炭素、アルゴン等が使用できる。
上記の共重合反応で得られた共重合体であるゲル型ビーズに強酸基を導入する方法は、特に限定されるものでなく、常法に従って行うことができる。強酸基とは、好ましくはスルホン酸基であり、スルホン酸基を導入する(スルホン化)方法は、例えば、有機溶媒の非存在下、あるいは、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、プロピレンジクロライド等の有機溶媒の存在下、共重合体であるゲル型ビーズを、硫酸、クロロスルホン酸、発煙硫酸等のスルホン化剤と反応させることにより行われる。ここで有機溶媒、スルホン化剤は、いずれも、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。この際の反応温度は、通常0〜150℃程度で、スルホン化剤及び使用する有機溶媒に応じて適宜選択される。
強酸基が導入されたゲル型ビーズを、常法に従って、洗浄、単離等により分離することで、強酸基を有する陽イオン交換体を得る。
本発明の製造方法で、当該触媒を、固定床流通方式で使用する場合には、含有される触媒ビーズ、又は下述する変性強酸型陽イオン交換体のうち、その粒径が30〜600μmのものが50%以上を占めるものが好ましく用いられる。
触媒ビーズ、又は下述する変性強酸型陽イオン交換体が、その粒径が30〜650μmのものが全体の50%以上であると、触媒活性及び所望のビスフェノール化合物選択性の面で優れた性能が得られる。一方、触媒ビーズ、又は下述する変性強酸型陽イオン交換体がその粒径が30〜650μmのものが全体の50%未満であると、触媒粒子内の拡散抵抗のため、触媒活性が低下をすると共に、触媒粒子内での逐次反応により選択性の低下を引き起こす。
本発明の製造方法で用いられる触媒ビーズ、又は下述する変性強酸型陽イオン交換体の平均粒径が、100μmより小さいと、触媒層に対する原料の供給圧力を著しく高くする必要があり、触媒粒子に加わる力が大きくなり、触媒粒子の磨耗や微細化が生じやすくなるため、触媒充填層の寿命が短くなる。また、原料供給圧力が高くなると、その分エネルギー消費量も多くなり、プロセスの経済性が悪くなるので、平均粒径は100μm以上が好ましく、固定床流通方式で用いた際の触媒充填層における圧力損失を低レベルに抑えることができるので、平均粒径は300μm以上が更に好ましい。
また、上記触媒ビーズ、又は下述する変性強酸型陽イオン交換体の粒径の均一係数が1.10以下であると、固定床流通方式で用いた際の触媒充填層における圧力損失を低レベルに抑えることができる。したがって、固定床で用いる場合には、均一係数が1.05以下であると、同様の効果が更に優れたものとなり、好ましい。一方、該均一係数が1.10より大きいと、触媒層に対する原料の供給圧力を著しく高くする必要があり、触媒粒子に加わる力が大きくなり、触媒粒子の磨耗や微細化が生じやすくなるため、触媒充填層の寿命が短くなる。また、原料供給圧力が高くなると、その分エネルギー消費量も多くなり、プロセスの経済性が悪くなるため好ましくない。
なお、本明細書で樹脂について言う平均粒径及び粒径分布均一度は、ダイヤイオンマニュアル1(三菱化学株式会社刊、平成19年第4版、140〜142頁)に記載の以下の式で算出した値で定義される。
平均粒径=樹脂の累積体積の50%に相当する径
均一係数=大粒子側の累積体積が40%に相当する径/大粒子側の累積体積が90%に相当する径
また、篩別法以外の遠心沈降法、コールター法、画像解析法、レーザー回析散乱法などの方法を用いて得られた測定値を換算することにより、篩別法の値として用いることもできる。
本発明の製造方法においては、上記触媒ビーズと助触媒である2−(2−メルカプトエチル)ピリジンの存在下に反応が行われる。ここで、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンとは、ピリジン環の2位がメルカプトエチル基で置換されている化合物である。
上記2−(2−メルカプトエチル)ピリジンは、市販品、または特開2002−003475号公報、特開2002−220373号公報、及び特開2005−170820号公報等に記載されている方法に代表される公知の方法に準じて製造したもののうち、いずれを使用してもよい。
本発明の製造方法においては、上記触媒ビーズと助触媒である2−(2−メルカプトエチル)ピリジンとは、個々に反応系に存在していてもよいし、上記触媒ビーズの少なくとも一部を2−(2−メルカプトエチル)ピリジンにより保護したもの(本明細書中では、これを「変性強酸型陽イオン交換体」と称することがある)を反応系に存在させることも好ましく用いられる。
2−(2−メルカプトエチル)ピリジンで上記触媒ビーズの強酸基を保護する方法は、公知の方法、例えば、特開平11−246458号公報等に示されている方法に準じて、水、アルコール、ケトン、エーテルおよびフェノール等の溶媒に、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンを溶解させた溶液、または溶媒により希釈されていない2−(2−メルカプトエチル)ピリジンを、直接、上記溶媒中に分散させた触媒ビーズに滴下するなどの方法により混合し攪拌する方法、等により行われる。当該方法により、強酸基を有する陽イオン交換体の強酸基の一部とチオール化合物とが反応(中和)し、イオン結合することで変性されることとなる。
変性強酸型陽イオン交換体としては、その強酸基の3〜30%、好ましくは3〜20%が、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンで保護されているものが用いられる。
本発明において、上記触媒ビーズ、及び上記変性強酸型陽イオン交換体は、樹脂内に水分が残留していると反応時の阻害要因となり、また、本発明は反応原料中の水分濃度の調整を行うことが特徴であるため、反応に使用する前に原料であるフェノール化合物と接触させることによりイオン交換樹脂内の水分を除去しておくのが好ましい。また、反応前に原料であるフェノール化合物中の水分も除去しておくことが望ましい。水分を除去する方法としては、フェノール化合物の製造方法に記載したように、共沸蒸留などの方法が挙げられる。このような処理により、反応開始時の誘導期間が短くなり、速やかに反応に使用できるようになる。
本発明の製造方法では、前述触媒ビーズと2−(2−メルカプトエチル)ピリジン、あるいは前述の変性強酸型陽イオン交換体を反応器に充填し、該反応器にフェノール化合物とカルボニル化合物とを供給し、これらを反応させてビスフェノール化合物を製造する。 本発明における前記フェノール化合物と前記カルボニル化合物との反応方式は、前記変性強酸型陽イオン交換体、又は前記触媒ビーズと2−(2−メルカプトエチル)ピリジンを酸性触媒として充填した反応器にフェノール化合物とカルボニル化合物とを連続的にあるいは回分式で供給して反応を行う方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、固定床流通方式、流動床方式、連続撹拌方式及び回分方式のいずれでもよい。
また、固定床流通方式でフェノール化合物とカルボニル化合物の反応を行う場合、必要に応じて装置の上部及び下部の少なくともいずれか一方にスクリーンなどを設けて充填した強酸基を有する陽イオン交換体、あるいは変性強酸型陽イオン交換体が装置外に流出せずに反応液だけが流通できるようにしてもよい。反応液は装置の上部から下部に流しても(ダウンフロー式)、装置の下部から上部に流しても(アップフロー式)もよい。
本発明では、フェノール化合物とカルボニル化合物とを、変性強酸型陽イオン交換体又は前記触媒ビーズと2−(2−メルカプトエチル)ピリジンを酸性触媒として充填した反応器に連続的あるいは回分式に供給してビスフェノール化合物を製造する。反応方式としては、回分方式も知られているが、連続的に反応させることにより、回分方式で反応を行なう場合に比べ、効率よくビスフェノール化合物を製造することができる。
フェノール化合物とカルボニル化合物は別々に反応器に供給してもよく、混合して供給してもよい。フェノール化合物とカルボニル化合物との混合比は上記のとおりである。
本発明の製造方法では、上記全反応原料中の水の濃度が0.05〜0.5重量%に調整される。当該水の濃度は、0.1〜0.3重量%がさらに好ましく、0.15〜0.25重量%が最も好ましい。このような濃度の水を反応系中に存在させるには、水を含有しない原料を用いて、適正量の水を添加する方法が好ましい。また、反応前に原料であるフェノール化合物中の水分も除去しておくことが望ましい。水分を除去する方法としては、フェノール化合物の製造方法に記載したように、共沸蒸留などの方法が挙げられる。水を含有した原料を使用した場合でも、原料の水濃度が上記濃度になるように水を添加して使用することができる。
反応温度は、通常、反応溶液が固化せずに液状で存在しうる温度で行なわれ、フェノール化合物がフェノールの場合は好ましくは40℃以上、50℃以上、より好ましくは60℃以上である。反応温度が高いほど、反応速度的には有利であるが、上記強酸基を有する陽イオン交換体、あるいは変性強酸型陽イオン交換体の耐熱温度の点から反応器内の最高温度が好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは90℃以下となるような条件で反応させるのが望ましい。反応温度が高くなると上記強酸基を有する陽イオン交換体、あるいは変性強酸型陽イオン交換体の耐熱温度以下でも部分的に分解などによりスルホン酸基等の強酸基の脱離などが起こるので、このような観点からは、できるだけ低い温度が好ましいが、温度が低すぎると生成したビスフェノール化合物が固化する場合がある。
反応時間は、触媒の使用量、反応温度等の条件により異なるが、連続的に反応を行う方法では、水湿潤状態の触媒ビーズ、あるいは変性強酸型陽イオン交換樹脂を基準として、通常LHSV(liquid hourly space velocity)0.05〜20hr-1で行われ、好ましくはLHSV0.2〜10hr-1で行われる。また、回分式で反応を行う方法では、0.1〜20時間程度で行われる。
上記方法により製造された反応液中には、大過剰のフェノールの他に、未反応原料、反応時に生成した不純物等が含まれているので、これらの溶液の中から、目的とするビスフェノール化合物を取り出す必要がある。反応混合物から目的物質であるビスフェノール化合物を分離精製する方法は特に制限はなく、公知の方法に準じて行なわれるが、目的物質が、ビスフェノールAの場合を例として以下に説明する。
上記反応に引き続いて、反応で得られた反応混合物を、ビスフェノールAとフェノールとを含む成分と、反応で副生する水および未反応アセトン等を含む低沸点成分とに分離する(以下、これを「低沸点成分分離工程」と称することがある)。低沸点成分分離工程は、減圧下に蒸留によって低沸点成分を分離する方法で行なわれるのが好ましく、低沸点成分にはフェノール等が含まれていてもよい。ビスフェノールAとフェノールとを含む成分は、必要に応じて、さらに蒸留等によってフェノールを除去したり、フェノールを追加することによって、ビスフェノールAの濃度を所望の濃度に調整することができる。
上記蒸留等により回収されたフェノール等のフェノール化合物は、これをリサイクルして、ビスフェノール化合物製造方法の原料として用いることができる。
リサイクルされるフェノール化合物を含む液としては、反応生成液から目的とするビスフェノール化合物を分離したフェノール溶液(下述するビスフェノール化合物を晶析などによって固化し、固液分離工程にて固液分離する方法によって、ビスフェノール化合物を分離した場合には、この液は、一般的に「母液」と呼ばれているが、その他にも蒸留などによって分離する方法もあり、これらに限定されるものではない)を用いることができる。なお、上記の如く精製されたフェノール化合物は、下述する固液分離工程で得られた結晶の洗浄液として使用し、母液と共に反応器へリサイクルする等、プロセスに応じて所望の方法で使用することもできる。
その際に全量もしくは一部を分離して、酸やアルカリの触媒で処理をした後に重質分などの不純物を除去したり、更にビスフェノール化合物を回収した後にビスフェノール化合物の原料として用いることが好ましい。プロセス内で回収されたフェノール化合物をリサイクルして固液分離工程で得られた結晶の洗浄液として使用する際は、一般的には精製した後、使用するのが好ましい。
なお、実験室などの小さなスケールでは、原料として用いるフェノール化合物として精製した高純度のフェノール化合物なども用いられるが、工業レベルのスケールでは、通常、プロセス内で回収されたフェノール化合物をリサイクルさせて使用するのが有利である。
上記フェノール化合物のリサイクルにおいて、フェノール化合物がフェノールであり、フェノールを含有するリサイクル液として、ビスフェノールA、2,4’−異性体、及びp−イソプロピルフェノールの少なくとも一つを含む溶液が反応器に供給される場合、その量は、通常フェノール100重量部に対してビスフェノールAは通常0.3〜20重量部である。また、フェノール100重量部に対して2,4’−異性体は通常0.3重量部〜10重量部である。また、フェノール100重量部に対してp−イソプロピルフェノールは通常0.1重量部〜1.0重量部である。また、フェノール100重量部に対してビスフェノールA、2,4’−異性体、及びp−イソプロピルフェノールの合計は通常1重量部〜35重量部である。
一方、フェノールを含むリサイクル液に、さらにその他に構造不明物が共存する場合、その量は、通常フェノール100重量部に対してその他の構造不明物は通常0.3重量部〜10重量部である。また、フェノール100重量部に対してビスフェノールA、2,4’−異性体、p−イソプロピルフェノール、およびその他の構造不明物の合計は通常1重量部〜45重量部である。
フェノールに対してこれらの化合物をこの下限よりも低い濃度にしようとすると、追加の精製工程等が必要となり、好ましくない。また、フェノールに対してこれらの化合物が上限を超えて含まれると、反応系内でビスフェノールA、2,4’−異性体、及びビスフェノールAとフェノールとのアダクトが結晶として析出し、運転の継続が困難になる場合があり好ましくない。また、製品としてビスフェノールAを製造する際に精製が困難となる場合もある。
低沸点成分分離工程で得られた低沸点成分は、アセトン循環工程によって未反応アセトンを分離回収し、回収されたアセトン(以下、これを回収アセトンと称することがある)を反応工程に循環させることができる。
上記回収アセトンには不純物として、微量の低級アルコールが含まれる。低級アルコールとは、炭素数1〜8のアルコールを意味し、代表的にはメタノールである。反応工程に供給される未反応のアセトンと回収アセトンを含む全アセトン中のメタノール濃度は、1,000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下であることが望ましい。
回収アセトン中に含まれるメタノールは反応に関与しないため、分離回収されたアセトン中に蓄積される。蓄積されたメタノールは変性強酸型陽イオン交換体を劣化させ、触媒寿命を短くする問題があるため、蒸留等によりメタノール濃度を低く抑えることが望ましい。
上記、低沸点成分分離工程を経た反応で得られた反応混合物を、続いて、ビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶を含有するスラリーを得る晶析工程に供する。晶析工程に供するビスフェノールAとフェノールとを含む成分のビスフェノールAの濃度は、得られるスラリーの取り扱いの容易さ等から、10〜40%が好ましい。また晶析方法としては、ビスフェノールAとフェノールとを含む成分を直接冷却させる方法、水等の他の溶媒を混合し、当該溶媒を蒸発させることによって冷却を行なう方法、さらにフェノールを除去して濃縮を行う方法及びこれらを組み合わせる方法等が挙げられ、所望の純度の付加物を得るために1回もしくは2回以上晶析させてもよい。
前記晶析工程で得られたスラリーは、減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過等により付加物の結晶と母液とに固液分離され、ビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶が回収される(以下、これを「固液分離工程」と称することがある)。上記晶析工程で、ビスフェノールAの結晶を晶析によって直接得ることもできる。
前記固液分離工程で得られた付加物の結晶を、溶融後にフラッシュ蒸留、薄膜蒸留及びスチームストリッピング等の手段によってフェノールを除去することにより、高純度の溶融ビスフェノールAを得る。除去されたフェノールは所望により精製され、反応や前記固液分離工程で得られた付加物の結晶の洗浄等に供することができる。
得られた高純度の溶融ビスフェノールAは、造粒工程において固化される。ノズルから溶融ビスフェノールAを噴射させ、冷却ガスと接触させることにより小球状のビスフェノールAプリルを得る方法が簡便で好ましい。尚、脱フェノール工程を経ることなく、固液分離工程で得られた付加物の結晶から、再度、晶析を行いビスフェノールAのみを晶析により得ることもできる。
また、系内の不純物の蓄積を防止する目的で、固液分離工程で分離された母液の少なくとも一部を不純物処理工程において処理することもできる。例えば、アルカリ又は酸を混合して加熱処理した後に蒸留して軽質分と重質分とに分離し、軽質分を酸触媒等により再結合反応処理して反応に使用するのが経済性の点でも好ましい。ここで重質分を系外にパージすることにより不純物の蓄積を防止し、製品の純度を向上させることができる。また、母液の少なくとも一部を酸触媒によって異性化した後、晶析を行なうことによってビスフェノールAの回収率の向上を図ることもできる。母液に含まれる2,4−異性体は、異性化などの方法によりビスフェノールAとして回収することが可能だが、インダン化合物などの不純物は一旦生成するとビスフェノールAとして回収することが困難なため、系外にパージすることでしか除去できない。本発明の方法により、インダンなど不純物の生成を低減することで、ビスフェノールAの回収率の向上を図ることができ、また系外にパージする重質分を減らすことができるため、工業的に非常に有利である。
以下、実施例によって本発明を詳細に示す。ただし、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下において、「部」は「重量部」を示す。
[実施例1]
(1)共重合体(ゲル型ビーズ)の製造
図1に示す、加振装置として水中スピーカーが取り付けられた液滴製造装置と重合反応装置を用いて、均一粒径の球状のゲル型ビーズ(以下、「共重合体」と称することがある)を製造した。
この液滴製造装置1は、連続相を形成する水性媒質2を保持する液滴製造槽3と、水性媒質2と混和しない疎水性液体4を保持する疎水性液体貯槽5と、疎水性液体貯槽5に貯留されている疎水性液体4を液滴製造槽3に供給する疎水性液体供給管6とを備えている。また、液滴製造装置1は、水性媒質2に接触し、疎水性液体供給管6から供給された疎水性液体4を噴出する噴出孔11を備えたノズル部材7と、液滴製造槽3内の水性媒質2に機械的に振動を加える加振手段である水中スピーカー(水中音響機器)8と、水性媒質2を貯留する水性媒質貯槽9と、水性媒質貯槽9に貯留されている水性媒質2を液滴製造槽3に供給する水性媒質供給管10とを備えている。ここで、符号12は疎水性液体噴出貯槽、符号13、14はそれぞれ疎水性液体、水性媒質の供給ポンプを示す。
ノズル部材7としては、図2に示す如く、外径100mmの円板に直径が0.125mmの噴出孔11を345個、環状に配置したものを用いた。
また、図1の重合反応装置16は、液滴製造装置1の液滴製造槽3内の液滴15が水性媒質2と共に移送され液滴15を合着、破砕しないで重合反応を行わせる重合反応槽17と、重合反応槽17に液滴製造槽3内からの液滴15を合着、破砕させないで水性媒質2と共に移送する疎水性液滴移送管18とを有している。
液滴製造装置1では、液滴製造槽3内に保持されて連続相を形成する水性媒質2中に、疎水性液体貯槽5から疎水性液体供給管6を介して供給ポンプ13により移送された疎水性液体4をノズル部材7に設けられた噴出孔11から噴出させて、疎水性液体4の噴出流を形成することができる。その際、水性媒質2側を、例えば、水中スピーカー8により加振させることにより、噴出流を砕いて均一な粒径を有する疎水性液体の液滴15とすることができると共に、水性媒質貯槽9内に貯留されている水性媒質2を供給ポンプ14により液滴製造槽3内に供給することにより、液滴製造槽3内に水性媒質2の流れを形成することができ、この流れによって、発生した疎水性液体の液滴15を移動させることができる。
即ち、液滴製造槽3の内側下部には、疎水性液体噴出貯槽12が存在し、その上部には水性媒質2中に向かって開口し、疎水性液体4を噴出する噴出孔11を有するノズル部材7が取付けられている。このため、疎水性液体貯槽5から疎水性液体供給管6を介して供給ポンプ13により供給された疎水性液体4は、液体噴出貯槽12内に貯留されて、ノズル部材7に設けられた噴出孔11から真っ直ぐ上方に向けて噴出される。図2に示す如く、ノズル部材7には、疎水性液体4の噴出孔11が複数個、所定の間隔で配置されている。この噴出孔11の径は、所望の液滴サイズに応じて設定される。
液滴製造槽3は、液滴移送管18により重合反応槽17と連結されているため、水性媒質貯槽9から液滴製造槽3内に水性媒質2を供給することにより形成された液滴製造槽3内の水性媒質2の流れによって、液滴製造槽3内で製造された疎水性液体の液滴15は水性媒質2と共に連続的に重合反応槽17へ移送され、重合反応に供される。
本実施例では、まず、水性媒質2として、ポリビニルアルコールを0.05重量%含有する水溶液を、水性媒質貯槽9から液滴製造槽3及び重合反応槽17に満たした。ポリビニルアルコール水溶液は、重合反応開始まで40℃に加温して保持した。一方、重合開始剤として過酸化ベンゾイルを含む96部のスチレン、4部のジビニルベンゼンからなる重合性モノマー混合液を、疎水性液体として疎水性液体貯槽5からノズル部材7の噴出孔11より流量1.54mL/min/孔で液滴製造槽3内に噴出させた。その際、重合性モノマー混合液の噴出流を砕いて均一な粒径を有する液滴15とするために、噴出流に水中スピーカー8より1400Hzの振動を加えた。この時に得られた重合性モノマー混合液の液滴15の平均粒径は、0.32mmであり、均一係数は1.01であった。なお、この液滴15の平均粒径及び均一係数は、液滴の拡大写真を撮影し、画像解析法により粒度分布を求めて算出した。
発生した液滴15は、水性媒質2の送流に伴い重合反応槽17に移送された。次いで、重合反応槽17内でこの液滴15を合着又は破砕することのない回転数にて撹拌しながら、75℃で8時間加熱することにより重合させて共重合体(架橋度4%)とした。
得られた共重合体スラリーを、遠心分離機を用いて固液分離し、ポリビニルアルコール水溶液を含まない状態で回収した。得られた共重合体は平均粒径0.29mmで、均一係数は1.02の球状の粒子であった。
この共重合体の平均粒径及び均一係数は「ダイヤイオン、イオン交換樹脂・合成吸着剤マニュアル1」(三菱化学株式会社刊、改訂4版、平成19年10月31日発行、140〜141頁)に記載の篩別法で測定した粒度分布から、以下の式により算出した。
平均粒径=樹脂の累積体積の50%に相当する径
均一係数=大粒子側の累積体積が40%に相当する径/大粒子側の累積体積が90%に相当する径
(2)ゲル型触媒ビーズの製造
上記(1)で得られた共重合体180gを、1Lの4ッ口フラスコに入れ、ニトロベンゼン198gを加えて70℃で1.5時間加熱、撹拌し、共重合体を膨潤させた。冷却後、ニトロベンゼン324g、98重量%硫酸360gと発煙硫酸189gを加えて、70℃まで昇温し、4時間加熱後、105℃まで昇温して3時間保持した。反応後、多量の水を加えてフラスコ内の硫酸を希釈して取り除いた後、脱塩水を加えて加熱、撹拌し、ニトロベンゼンを留去した。得られた樹脂を脱塩水にて洗浄し、ゲル型触媒ビーズ(以下、「強酸性陽イオン交換樹脂」と称することがある)を得た。
得られた強酸性陽イオン交換樹脂の交換容量、平均粒径、均一係数、粒径30〜650μmの触媒ビーズ含有率を求め、その結果を表1に示した。なお、粒径30〜650μmの触媒ビーズ含有率は、前記の共重合体同様に篩別法により得られた粒度分布から算出した。
Figure 0006184696
(3)2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸型陽イオン交換樹脂の調製
窒素ガス導入管を備えた200mLの四つ口フラスコ中に、前記で製造した湿潤状態の強酸性陽イオン交換樹脂20.0g−湿潤状態、及び60℃の脱塩水約40mLを入れ、強酸性陽イオン交換樹脂を洗浄した。洗浄液はデカンテーションにより廃棄し、再度60℃の脱塩水約40mLを導入した。この洗浄操作を3回繰り返した。次いで、洗浄液を廃棄した後、脱塩水約40mLを加え、フラスコ内を窒素で置換した。そこへ、変性剤(助触媒)として2−(2−メルカプトエチル)ピリジン0.74g(5.32ミリモル)を攪拌下に一度に加え、更に、2時間、室温下で攪拌して変性処理を行った。処理終了後、得られた変性陽イオン交換樹脂を脱塩水で洗浄し、2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒(変性率17.2%)を得た。
なお、変性率は、変性に使用した強酸性陽イオン交換樹脂の量、添加した変性剤(2−(2−メルカプトエチル)ピリジン)の量及び滴定によって求めた強酸性陽イオン交換樹脂中のスルホン酸基の量から、下式に従って求めた。ここで、強酸性陽イオン交換樹脂中のスルホン酸基の量は、上記交換容量に相当する。
変性率(%)=[(添加した助触媒のモル数(ミリモル))/[(ゲル型強酸性陽イオン交換樹脂中のスルホン酸基の量(meq/g‐湿潤状態)×変性に使用したゲル型強酸性陽イオン交換樹脂の重量(g−湿潤状態))]]×100
(4)ビスフェノール化合物の製造
上記(3)で調製した2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸型陽イオン交換樹脂(以下、「触媒」ということがある)3.0g−湿潤状態をフラスコに量り入れ、70℃のフェノール約100mLを用いて、洗浄液の含水率が0.1重量%以下になるまで繰り返し洗浄した。次いで、上記フラスコにフェノールが120.0gになるように加え、反応原料中の水濃度が0.3重量%になるように調整し、窒素を導入した。その後、フラスコ内液温度70℃、攪拌回転数250rpmにしてアセトン7.4gを一度に添加し、反応開始とした。アセトンに対するフェノールの量はモル比で10倍とした。
反応開始から5時間後に反応液を採取した。また、反応液中の各組成濃度は高速液体クロマトグラフィー及びカールフィッシャー水分計により、以下に記載の条件で定量した。アセトン転化率は下記式より求めた。また、各生成物の選択率は、(各生成物量)/(水分およびフェノールを除く全生成物量)を高速液体クロマトグラフィーの結果より面積百分率法で算出して、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物(p-イソプロペニルフェノール環状二量体、及びその異性体)の選択率を求めた。結果を表2に示す。
高速液体クロマトグラフィー:島津製作所製「LC−10A」
カラム:Waters Sun FireTM C18 5μm、
4.6φ×250mm
検出器:UV 280nm
溶離液:A液 90%アセトニトリル水溶液
B液 0.59mol/Lりん酸水溶液を含む0.5%りん酸二水素ナトリウム水溶液
アセトン転化率(%)=〔[(原料1kg中のアセトンモル数)−(生成液1kg中のアセトンモル数)]/(原料液1kg中のアセトンモル数)〕×100
[実施例2]
実施例1の(4)ビスフェノール化合物の製造において、反応原料中の含水率を0.2重量%に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行い、実施例1と同様にしてアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率を求めた。結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例1の(4)ビスフェノール化合物の製造において、反応原料中の含水率を0.2重量%に変更し、アセトンに対するフェノールの量をモル比で13倍とした以外は、実施例1と同様に反応を行い、実施例1と同様にしてアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率を求めた。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1の(4)ビスフェノール化合物の製造において、反応原料中の含水率を0.02重量%に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行い、実施例1と同様にしてアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率を求めた。結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1の(4)ビスフェノール化合物の製造において、反応原料中の含水率を1.0重量%に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行い、実施例1と同様にしてアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率を求めた。結果を表2に示す。
表2から明らかなように、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンにより変性されたスルホン酸型陽イオン交換樹脂を酸性触媒として使用した結果、ビスフェノールAの生成反応において、ビスフェノールAの選択率は反応原料中の水濃度が0.2重量%以上で特に高いことがわかった。
Figure 0006184696
[参考例1]
(1)4−(2−メルカプトエチル)ピリジンの合成
300mLの四つ口フラスコに、窒素ガス導入管、温度計、ジムロート冷却管、滴下ロートを取り付け、30重量%硫酸水溶液102.9g(0.315モル)と、チオ尿素11.42g(0.15モル)とを仕込んだ。窒素雰囲気下、攪拌しながら70℃まで加熱した後、滴下ロートより、反応温度70℃を保ちながら、4−ビニルピリジン12.62g(0.12モル)を約1時間で滴下し、その後、70℃を保ちながら引き続き5時間反応を行った。この反応液を室温迄冷却した後、トルエン30mlを添加した。
さらに、攪拌下、反応液に、28重量%アンモニア水45.74g(アンモニアとして0.75mol)を液温が上がらない様に注意しながら約2時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃まで昇温し、3時間撹拌した。撹拌停止後、分液ロートに反応液を移して2相に分離した。上相(トルエン相)を取り出し、更に下相(水相)をトルエン30mlで2回抽出を繰り返した。
次に、バス温50℃、圧力12.5〜1.1kPaの条件下、ロータリーエバポレータによりトルエンを留去した。ここで得た残渣を、薄膜蒸発器を使用し、壁面温度130℃、圧力0.6kPaの条件で蒸留精製した結果、純度95.2%の4−(2−メルカプトエチル)ピリジン15.6gを得た。仕込んだ4−ビニルピリジンに対する収率は88.9%であった。
(2)4−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸型陽イオン交換樹脂の調製
実施例1の(3)の2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸型陽イオン交換樹脂の調製において、助触媒として2−(2−メルカプトエチル)ピリジンの代わりに、上記で得られた4−(2−メルカプトエチル)ピリジンを用いた他は、実施例1と同様の方法で、共重合体及びゲル型触媒ビーズの製造を行い、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸型陽イオン交換樹脂(変性率15.8%)の調製を行った。該樹脂の物性測定結果を表1に示す。
(3)ビスフェノール化合物の製造
実施例1において、2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸型陽イオン交換樹脂の代わりに、上記で得られた4−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸型陽イオン交換樹脂を用いて、実施例1と同様に反応を行い、実施例1と同様にしてアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率を求めた。結果を表3、及び図3に示す。図3から明らかなように、ビスフェノールAの生成反応において、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンにより変性された触媒は、4−(2−メルカプトエチル)ピリジンにより変性された触媒よりもインダン化合物の選択率が低く、表2より、反応原料中の水濃度が0.2重量%以上で、特にインダン化合物の生成を抑制する効果が高いことがわかった。
Figure 0006184696
[実施例4]
実施例1で製造したゲル型触媒ビーズを用いて、実施例1と同様の方法で調製した2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒(変性率17.2%)7.5mLを、内径1cm、全長44cmのステンレス製カラムに充填した。60℃のフェノールを26mL/hrで触媒を充填した反応器上部より24時間通液し、触媒中の水分を完全にフェノールで置換し、その後、フェノール/アセトン(モル比)が11の混合液(アセトン4.4重量%、フェノール76.9重量%、4,4’−ビスフェノールA9.7重量%、水0.3重量%、その他の物質8.7重量%)を、73℃にて26mL/hrで反応器上部よりダウンフローで連続的に通液して反応を行なった。反応器下部から反応液を採取し、ガスクロマトグラフィーにより下記の条件で分析し、分析値から下式によりアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率を算出した。結果を図4から6に示す。
<アセトン転化率(%)>
ガスクロマトグラフィー:SHIMADZU製「GC−14B」
カラム:アジレント・テクノロジー株式会社製「DB-WAX 15m×0.53mm× 1.0μm」
検出器:TCD
キャリアーガス:He
アセトン転化率(%)=〔[(原料1kg中のアセトンモル数)−(生成液1kg中のアセトンモル数)]/(原料液1kg中のアセトンモル数)〕×100
<ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率(%)、インダン化合物選択率(%)>
ガスクロマトグラフィー:SHIMADZU製「GC−2014」
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製「INERT CAP 1 15m×0.25mm×1.5μm」
検出器:FID
キャリアーガス:窒素
シリル化剤: N,O‐Bis(trimethylsilyl)trifluoroacetamide (ジーエルサイエンス株式会社社製)
ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率(%)=〔(生成液1kg中のビスフェノールAモル数+2,4’異性体モル数)−(原料液1kg中のビスフェノールAモル数+2,4’異性体モル数)〕/〔(原料液1kg中のアセトンモル 数)−(生成液1kg中のアセトンモル数)〕×100
インダン類選択率(%)=〔(生成液1kg中のインダン化合物モル数)−(原料液1kg中のインダン化合物モル数)〕×2/〔(原料液1kg中のアセトンモル数)−(生成液1kg中のアセトンモル数)〕×100
[実施例5]
ゲル型触媒ビーズとして、三菱化学株式会社製の架橋度4%ゲル型強酸性陽イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオン(登録商標)SK104)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で調製した2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒(変性率15.8%)7.5mLを、内径1cm、全長44cmのステンレス製カラムに充填した。60℃のフェノールを26mL/hrで触媒を充填した反応器上部より24時間通液し、触媒中の水分を完全にフェノールで置換し、その後、フェノール/アセトン(モル比)が11の混合液(アセトン4.5重量%、フェノール78.5重量%、4,4’−ビスフェノールA9.4重量%、水0.09重量%、その他の物質7.5重量%)を、73℃にて26mL/hrで反応器上部よりダウンフローで連続的に通液して反応を行なった。反応器下部から反応液を採取し、ガスクロマトグラフィーにより実施例4におけるのと同様の条件で分析し、同様にアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率(%)を算出した。結果を図4から6に示す。
[実施例6]
実施例1で製造したゲル型触媒ビーズを用いて、実施例1と同様の方法で調製した2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒(変性率16%)3g−湿潤状態を、内径1cm、全長10cmのジャケット付ガラス製カラムに充填し、ジャケット部に70℃の温水を流通させた。70℃のフェノールを1.5mL/分で触媒を充填した反応器上部より1.5時間通液し、触媒中の水分を完全にフェノールで置換し、その後、含水率0.43重量%のフェノール/アセトン混合液(フェノール/アセトンモル比13)を、70℃にて3mL/分で反応器上部よりダウンフローで連続的に通液して反応を行なった。反応器下部から反応液を採取し、ガスクロマトグラフィーにより実施例4におけるのと同様の条件で分析し、同様にアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率(%)を算出した。結果を表4に示す。
[実施例7]
実施例6において、含水率0.07重量%のフェノール/アセトン混合液(フェノール/アセトンモル比13)を用いた以外は実施例6と同様にして反応を行い、実施例6と同様にアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率(%)を算出した。結果を表4に示す。
[比較例3]
実施例6において、含水率0.03重量%のフェノール/アセトン混合液(フェノール/アセトンモル比13)を用いた以外は実施例6と同様にして反応を行い、実施例6と同様にアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率(%)を算出した。結果を表4に示す。
[参考例2]
実施例5で使用したゲル型触媒ビーズを用いて、実施例5と同様の方法で調製した4−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒(変性率15%)を用い、実施例6において、含水率0.06重量%のフェノール/アセトン混合液(フェノール/アセトンモル比13)を用いた以外は実施例6と同様にして反応を行い、実施例6と同様にアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率(%)を算出した。結果を表4に示す。
[実施例8]
実施例1で製造したゲル型触媒ビーズを用いて、実施例1と同様の方法で調製した2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒(変性率5%)を用い、実施例6において、含水率0.05重量%のフェノール/アセトン混合液(フェノール/アセトンモル比13)を用いた以外は実施例6と同様にして反応を行い、実施例6と同様にアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率(%)を算出した。結果を表4に示す。表4から明らかなように、5%変性率の2−(2−メルカプトエチル)ピリジン変性強酸性陽イオン交換樹脂触媒を用いた場合、その変性率が16%の場合(実施例6)と比べて、インダン化合物選択率は変化がないことがわかった。
Figure 0006184696
[実施例9]
実施例6において、含水率0.05重量%のフェノール/アセトン混合液(フェノール/アセトンモル比25)を用いた以外は実施例6と同様にして反応を行い、実施例6と同様にアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率(%)を算出した。結果を表5に示す。
[参考例5]
実施例6において、含水率0.07重量%のフェノール/アセトン混合液(フェノール/アセトンモル比7)を用いた以外は実施例6と同様にして反応を行い、実施例6と同様にアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率(%)を算出した。結果を表5に示す。表5から明らかなように、フェノール/アセトン比を10以下とするとアセトン転化率も低下し、インダン化合物の選択率も上昇することがわかった。
Figure 0006184696
[実施例10]
実施例6において、ジャケット部に75℃の温水を流通させ、含水率0.43重量%のフェノール/アセトン混合液(フェノール/アセトンモル比13)を、75℃にて3mL/分で反応器上部よりダウンフローで連続的に通液して反応を行なった以外は、実施例6と同様にして反応を行い、実施例6と同様にアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率(%)を算出した。結果を表6に示す。
[実施例11]
実施例6において、ジャケット部に80℃の温水を流通させ、含水率0.43重量%のフェノール/アセトン混合液(フェノール/アセトンモル比13)を、80℃にて3mL/分で反応器上部よりダウンフローで連続的に通液して反応を行なった以外は、実施例6と同様にして反応を行い、実施例6と同様にアセトン転化率、ビスフェノールAと2,4’異性体との合計の選択率及びインダン化合物の選択率(%)を算出した。結果を表6に示す。表6から明らかなように、反応温度を75℃、及び80℃としても、70℃で反応した場合と比較して、インダン化合物の選択率に影響がないことがわかった。
Figure 0006184696
1 液滴製造装置
2 水性媒質
3 液滴製造槽
4 疎水性液体
5 疎水性液体貯槽
6 疎水性液体供給管
7 ノズル部材
8 水中スピーカー
9 水性媒質貯槽
10 水性媒質供給管
11 噴出孔
12 疎水性液体噴出貯槽
13,14 供給ポンプ
15 液滴
16 重合反応装置
17 重合反応槽
18 液滴移送管

Claims (10)

  1. フェノール化合物とカルボニル化合物とを、強酸基を有する陽イオン交換体及び2−(2−メルカプトエチル)ピリジンの存在下に反応させるビスフェノール化合物の製造方法であって、
    前記強酸基を有する陽イオン交換体および前記2−(2−メルカプトエチル)ピリジンが、前記強酸基を有する陽イオン交換体の強酸基の少なくとも一部が2−(2−メルカプトエチル)ピリジンにより保護されている、変性強酸型陽イオン交換体として存在し、
    前記フェノール化合物とカルボニル化合物を含む反応原料中のカルボニル化合物に対するフェノール化合物の量がモル比で10倍以上であり、
    前記フェノール化合物とカルボニル化合物を含む反応原料中の水の濃度が0.05〜0.5重量%であることを特徴とするビスフェノール化合物の製造方法。
  2. 前記変性強酸型陽イオン交換体が、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンによりその強酸基の3〜30%が保護されているものであることを特徴とする請求項に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  3. 前記変性強酸型陽イオン交換体が、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンによりその強酸基の3〜20%が保護されているものであることを特徴とする請求項に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  4. 前記強酸基を有する陽イオン交換体及び変性強酸型陽イオン交換体が、その粒径が30〜650μmのものが全体の50%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  5. 前記カルボニル化合物中に含まれるメタノール濃度が300ppm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  6. 前記カルボニル化合物として、アセトン循環工程で得られる回収アセトンを用い、反応工程に供給される未反応のアセトンと回収アセトンを含む全アセトン中のメタノール濃度が
    300ppm以下であることを特徴とする請求項に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  7. 前記反応原料中の水の濃度が0.05〜0.5重量%になるように水を添加することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  8. 前記反応原料中のカルボニル化合物に対するフェノール化合物の量が、モル比で10〜40倍であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  9. フェノール化合物とカルボニル化合物とを、前記強酸基を有する陽イオン交換体および/又は変性強酸型陽イオン交換体の存在下、50〜90℃の温度で反応させることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  10. 前記ビスフェノール化合物が、ビスフェノールAである請求項1〜のいずれか一項に記載のビスフェノール化合物の方法。
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