JP2022022811A - ビスフェノール化合物の製造方法 - Google Patents

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Kouichi Hayashi
貢悦 伊藤
Koetsu Ito
翔平 谷口
Shohei Taniguchi
敏樹 門田
Toshiki Kadota
ヤン リウ
Yan Riu
ボルグナ アルマンド
Borgna Armando
サン ファ リム
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Abstract

【課題】フェノール化合物とカルボニル化合物とを反応させてビスフェノール化合物を製造する方法において、副生物の生成を抑制しつつ、目的とするビスフェノール化合物を効率的、高選択率、かつ長期に亘り安定に製造でき、工業的に有利な方法を提供する。【解決手段】フェノール化合物とカルボニル化合物とを、強酸基を有する陽イオン交換体の前記強酸基の少なくとも一部がメルカプトアミンにより保護された変性陽イオン交換体の存在下、かつアルキルメルカプタン及びジチオケタールからなる群より選ばれる少なくとも1種の硫黄化合物の存在下に反応させる工程を有し、(m2+2m3)/m1で表される比率が0.03以上であることを特徴とする、ビスフェノール化合物の製造方法。m1は前記カルボニル化合物のモル量を示し、m2は前記アルキルメルカプタンのモル量を示し、m3は前記ジチオケタールのモル量を示す。【選択図】なし

Description

本発明は、ビスフェノール化合物の製造方法に関する。
ビスフェノール化合物は一般に、酸性触媒存在下、フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応により製造される。酸性触媒としては、塩酸等の鉱酸も使用されるが、酸性触媒による装置の腐食やコストの面から、工業的にはスルホン酸基のような強酸基を有する陽イオン交換樹脂が汎用されている。また、転化率及び選択率等の向上のために、助触媒としてメルカプト基又は保護されたメルカプト基を有する化合物(以下、「チオール化合物」とも記す。)を酸性触媒と共存させて反応させることが知られている。
チオール化合物を酸性触媒と共存させる方法としては、(1)チオール化合物を反応原料中に添加して供給する方法と、(2)アミノ基等のスルホン酸基と結合し得る官能基を有するチオール化合物でスルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基を変性させた変性スルホン酸型陽イオン交換樹脂を酸性触媒として使用する方法とがある。
ビスフェノール化合物の製造方法において、スルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基をチオール化合物で変性した触媒の存在下、アルキルメルカプタンを添加することにより触媒の活性低下を防止することが開示されている(特許文献1を参照)。
ビスフェノール化合物の製造方法において、スルホン酸型陽イオン交換樹脂の存在下、ジチオケタールを添加することにより、生成するビスフェノール化合物の選択性を向上させることが開示されている(特許文献2を参照)。
しかし、これらの文献においては、添加するチオール化合物濃度に対して、生成するビスフェノール化合物及び副生成物の選択性への影響について全く検討がされていない。
特開平8-325185号公報 特表2004-532845号公報
本発明は、フェノール化合物とカルボニル化合物とを反応させてビスフェノール化合物を製造する方法において、副生物の生成を抑制しつつ、目的とするビスフェノール化合物を効率的、高選択率、かつ長期に亘り安定に製造でき、工業的に有利な方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]フェノール化合物とカルボニル化合物とを、強酸基を有する陽イオン交換体の前記強酸基の少なくとも一部がメルカプトアミンにより保護された変性陽イオン交換体の存在下、かつアルキルメルカプタン及びジチオケタールからなる群より選ばれる少なくとも1種の硫黄化合物の存在下に反応させる工程を有し、
下記式(i)で表される比率が0.03以上であることを特徴とする、ビスフェノール化合物の製造方法。
(m+2m)/m ・・・(i)
ただし、mは前記カルボニル化合物のモル量を示し、mは前記アルキルメルカプタンのモル量を示し、mは前記ジチオケタールのモル量を示す。
[2]前記メルカプトアミンがメルカプトアルキルピリジンである、前記[1]のビスフェノール化合物の製造方法。
[3]前記メルカプトアルキルピリジンが2-(2-メルカプトエチル)ピリジンである、前記[2]のビスフェノール化合物の製造方法。
[4]前記メルカプトアミンが2-アミノエタンチオールである、前記[1]のビスフェノール化合物の製造方法。
[5]前記変性陽イオン交換体が粒状であり、
前記変性陽イオン交換体の粒径の均一係数が1.1未満である、前記[1]~[4]のいずれかのビスフェノール化合物の製造方法。
[6]前記ビスフェノール化合物がビスフェノールAである、前記[1]~[5]のいずれかのビスフェノール化合物の製造方法。
本発明によれば、フェノール化合物とカルボニル化合物とを反応させてビスフェノール化合物を製造する方法において、副生物の生成を抑制しつつ、目的とするビスフェノール化合物を効率的、高選択率、かつ長期に亘り安定に製造でき、工業的に有利な方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に特定されない。
本発明の一態様に係るビスフェノール化合物の製造方法(以下、「本製造方法」とも記す。)は、フェノール化合物とカルボニル化合物とを、強酸基を有する陽イオン交換体(以下、「強酸型陽イオン交換体」とも記す。)の前記強酸基の少なくとも一部がメルカプトアミンにより保護された変性陽イオン交換体の存在下、かつアルキルメルカプタン及びジチオケタールからなる群より選ばれる少なくとも1種の硫黄化合物の存在下に反応させる工程を有し、
下記式(i)で表される比率が0.03以上であることを特徴とする。
(m+2m)/m ・・・(i)
ただし、mは前記カルボニル化合物のモル量を示し、mは前記アルキルメルカプタンのモル量を示し、mは前記ジチオケタールのモル量を示す。
(フェノール化合物)
フェノール化合物とは、部分構造として、水酸基を有するベンゼン環を有する化合物をいう。以下、ベンゼン環に結合した水酸基をフェノール性水酸基とも記す。フェノール性水酸基を有するベンゼン環は、他の置換基を有していてもよい。
フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応では、フェノール性水酸基の強いオルト-パラ配向性、特にパラ配向性を利用するものと解される。そのため、使用するフェノール化合物は、フェノール性水酸基のオルト位又はパラ位に置換基を有さないものが好ましい。中でも、縮合反応生成物であるビスフェノール化合物は、その用途の点から4,4’-ビスフェノール化合物が一般的に好ましく、この点から、フェノール性水酸基のパラ位に置換基を有さないフェノール化合物が好ましい。
フェノール化合物が他の置換基を有する場合、他の置換基は、フェノール性水酸基のオルト-パラ配向性を阻害せず、またカルボニル化合物の縮合位置に対して立体障害を及ぼさない限り、得られるビスフェノール化合物の用途や物性に応じて任意のものであり得る。典型的な他の置換基としては、例えば炭素数1~4の低級アルキル基が挙げられる。また、低級アルキル基の代わりに、弗素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子を有するフェノール化合物についても、同様の置換位置の化合物を使用することができる。他の置換基の数は1つでも複数でもよい。
フェノール化合物の具体例としては、フェノール(無置換のフェノール)、o-クレゾール、m-クレゾール、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール、2,3,6-トリメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、o-クロロフェノール、m-クロロフェノール、2,5-ジクロロフェノール及び2,6-ジクロロフェノール等が挙げられる。これらの中ではフェノールが特に好ましい。
フェノール化合物は、市販品を用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよく、後で詳述するビスフェノール化合物の製造プロセス内で回収されるフェノール化合物を用いてもよい。
上記フェノール化合物(ビスフェノール化合物の製造プロセス内で回収されるフェノール化合物を除く。)は、精製した後に使用してもよい。純度が低い場合には、精製した後に使用するのが好ましい。
フェノール化合物の精製方法としては特に制限はないが、例えば、フェノール化合物を、40~110℃で酸性触媒と反応させ、フェノール化合物中に含まれる不純物を重質化させた後、蒸留して重質分を除去する方法等が挙げられる。酸性触媒としては、例えば、一般的な強酸基を有する陽イオン交換体を使用できる。
精製したフェノール化合物は、そのままビスフェノール化合物の製造に使用することができるが、精製したフェノール化合物中に水分が含まれる場合は、水分を除去した後に使用するのが好ましい。
フェノール化合物中の水分を除去する方法としては特に制限はないが、例えば、共沸剤存在下で、水分を含むフェノール化合物の蒸留を行い、フェノール化合物と水分を分離する方法等が挙げられる。このようにして得られるフェノール化合物は、例えば、変性陽イオン交換体が充填された反応器へ供給されて、反応原料として使用される。
(カルボニル化合物)
カルボニル化合物としては特に制限はないが、具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、及びアセトフェノン等の炭素数3~10程度のケトン化合物;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びブチルアルデヒド等の炭素数1~6程度のアルデヒド化合物が挙げられる。これらの中では、アセトンが好ましい。
カルボニル化合物は、市販品を用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよく、後で詳述するビスフェノール化合物の製造プロセス内で回収されるカルボニル化合物を用いてもよい。
本製造方法により製造するビスフェノール化合物は、ポリカーボネート樹脂等の原料として有用な点で、ビスフェノールAが好ましい。
本製造方法では、ビスフェノール化合物としてビスフェノールAを得ることができる点で、フェノール化合物としてフェノールを使用し、カルボニル化合物としてアセトンを使用することが好ましい。
(強酸型陽イオン交換体)
メルカプトアミンによる変性(強酸基の保護)に供される強酸型陽イオン交換体は、典型的には、陽イオン交換体にスルホン酸基が導入されたものである。
陽イオン交換体としては、ゲル型、多孔質型(ポーラス型、ハイポーラス型、又はマクロポーラス型)等が挙げられる。これらのうち、製造コストの観点では、ゲル型が好ましい。物質拡散性や、強酸型陽イオン交換体の耐久性、強度の確保の観点では、多孔質型が好ましい。
ゲル型の陽イオン交換体としては、単純ゲル型共重合体及び拡大網目ゲル型共重合体が挙げられ、いずれも用いることができる。
多孔質型の陽イオン交換体としては、多孔性共重合体が挙げられ、表面積、気孔率、平均孔径等が任意のものを用いることができる。
ゲル型又は多孔質型の陽イオン交換体は、従来公知の方法により製造することができ、例えば「イオン交換樹脂その技術と応用」(オルガノ株式会社発行、改訂版、昭和61年5月16日発行、13~21頁)に従って製造することができる。
強酸型陽イオン交換体の交換容量(強酸基の量)は、含水状態の強酸型陽イオン交換体の単位体積当たり、通常0.5meq/mL以上、好ましくは1.0meq/mL以上であり、一方、通常3.0meq/mL以下、好ましくは2.0meq/mL以下である。
強酸型陽イオン交換体の交換容量は、乾燥状態の強酸型陽イオン交換体の単位質量当たり、通常1.0meq/g以上、好ましくは2.0meq/g以上であり、一方、通常6.0meq/g以下、好ましくは5.5meq/g以下である。
強酸型陽イオン交換体の交換容量は、含水状態の強酸型陽イオン交換体から付着水を取り除いた湿潤状態の強酸型陽イオン交換体の単位質量当たり、通常0.5meq/g以上、好ましくは1.0meq/g以上であり、一方、通常3.0meq/g以下、好ましくは2.0meq/g以下である。
交換容量が低過ぎると触媒活性が不足するおそれがあり、一方、過度に交換容量の高い陽イオン交換体は製造困難である。
強酸型陽イオン交換体の交換容量は、例えば「ダイヤイオン、イオン交換樹脂・合成吸着剤マニュアル1」(三菱化学株式会社刊、改訂4版、平成19年10月31日発行、133~135頁)に記載される方法や、これに準じた方法で求めることができる。
強酸型陽イオン交換体は、粒状であることが好ましい。この場合、得られる変性陽イオン交換体も粒状となる。
粒状の強酸型陽イオン交換体の好ましい粒子サイズ(粒径の均一係数、平均粒径等)は、後述する粒状の変性陽イオン交換体の好ましい粒子サイズ(粒径の均一係数、平均粒径等)と同様である。なお、通常、メルカプトアミンによる変性の前後で粒子サイズはほとんど変化しない。
以下に、スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーの共重合体であるゲル型の陽イオン交換体に強酸基を導入する場合を例に挙げて、強酸型陽イオン交換体の製造方法を詳細に説明する。ただし、強酸型陽イオン交換体の製造方法はこれに限定されるものではなく、所望の強酸型陽イオン交換体ができる方法であれば如何なるものであってもよい。
この方法では、まず、スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーを共重合反応させ、粒状のゲル型の陽イオン交換体(以下、「ゲル型ビーズ」とも記す。)を得る。その後、得られたゲル型ビーズに強酸基を導入する。
スチレン系モノマーは、典型的には、スチレン、又はスチレンのベンゼン環若しくはスチレンのビニル基にイオン交換樹脂としての機能を損なわない範囲の任意の置換基を有するモノマーである。また、ポリマー又はオリゴマーの末端がスチリル構造になっているようなマクロモノマーであってもよい。ポリマー又はオリゴマーとしては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル、ポリスチレン等が挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を意味する。後述の「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
スチレン系モノマーとしては、下記式(1)で表されるモノマーが好ましい。
Figure 2022022811000001
(式中、X、X、Xはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルシリルオキシ基、ニトロ基、又はニトリル基を示し、Yは、水素原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(ベンジル基等)、アルコキシアルキル基、ニトロ基、アルカノイル基、アロイル基(ベンゾイル基等)、アルコキシカルボニル基、アリルアルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アリルオキシ基、アラルキルオキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルカノイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アラルキルオキシカルボニルオキシ基、又はアルキルシリルオキシ基を示し、nは1から5までの整数を示し、X、X、Xは互いに同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合の複数のYは同一でも異なっていてもよい。)
スチレン系モノマーの具体例としては、スチレン;o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等の、ベンゼン環が炭素数1~4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されたスチレン;α-メチルスチレン、α-フルオロスチレン、β-フルオロスチレン等の、ビニル基が炭素数1~4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されたスチレン等が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、これらの中でも、スチレンが最も好ましい。これらのスチレン系モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
架橋性モノマーは、典型的には、分子内に炭素-炭素二重結合を2以上有する化合物であり、具体的には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼン、ジビニルトルエン等のアルキルジビニルベンゼン、ビス(ビニルフェニル)、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(4-ビニルフェニル)スルホン等の、2以上のベンゼン環が直接又はアルキレン基、スチリレン基等の連結基を介して結合した構造を有する芳香族ジビニル化合物が挙げられる。また、ポリマー又はオリゴマーの両末端がスチリル構造、(メタ)アクリル構造のような重合性炭素-炭素二重結合を有するマクロモノマーでもよい。ポリマー又はオリゴマーとしては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル、ポリスチレン等が挙げられる。
これらの中でも、架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼンが好ましい。なお、ジビニルベンゼンによっては、製造される際に副生物としてエチルビニルベンゼン(エチルスチレン)が生成し、これを多量に含有している場合もあるが、本発明においてはこのようなジビニルベンゼンも使用することができる。
これらの架橋性モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
架橋性モノマーの使用量は、ゲル型ビーズの架橋度に応じて選定される。
重合性モノマーは、必要に応じて、前記スチレン系モノマー及び前記架橋性モノマーに加えて、これらと重合可能な他のモノマー(以下、「第3のモノマー」とも記す。)を含んでいてもよい。このような第3のモノマーを使用することにより、耐酸化性が向上す等の効果が得られる。
第3のモノマーの具体例としては、ビニルナフタレンやビニルアントラセン等の、ナフタレンやアントラセン、フェナントレン等の多環芳香族骨格を有するビニルモノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル;ブタジエン、イソプレン等のジエン系炭化水素化合物;1-ペンテン、1-ヘキセン等のα-オレフィン;(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
第3のモノマーを使用する場合、その使用量は、スチレン系モノマー100モル%に対して、通常50モル%以下、好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。第3のモノマーの使用量が多すぎると、得られる共重合体に導入することができる単位質量当たりの強酸基の量が少なくなり、所望の触媒活性を得られないことがある。
スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーの共重合体であるゲル型ビーズの架橋度は、1%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、一方、8%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。
ここでいう架橋度とは、重合に供する重合性モノマー100%中の架橋性モノマーの質量基準での比率をいい、当該分野において使われている定義と同様である。
この架橋度が小さすぎると、得られるゲル型ビーズ、及びその強酸基を変性して得られる変性陽イオン交換体の強度を保つことが困難となり、触媒として反応に供するに際し、使用前にフェノール化合物やフェノール化合物と水との混合溶媒等に接触させてコンディショニングを行う時の膨潤、収縮により、変性陽イオン交換体の破砕等が生じるおそれがある。一方、架橋度が大きすぎると、得られるゲル型ビーズ、及びその強酸基を変性して得られる変性陽イオン交換体が膨潤しにくくなるので、変性陽イオン交換体内の拡散抵抗が生じ易くなり、触媒活性の著しい低下を生じるおそれがある。
スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーの共重合反応は、ラジカル重合開始剤を用いて公知の技術に基づいて行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t-ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ラジカル重合開始剤は、通常、重合性モノマーの質量(全モノマーの合計質量)に対して0.05質量%以上、5質量%以下で用いられる。
重合様式としては、特に限定されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の種々の様式で行うことができる。必要に応じて、重合後に、後述の均一係数や平均粒径を規定の範囲とするために、篩による分級等を行うこともできる。
重合方法としては、粒径の均一係数の小さい球状の共重合体を得ることができる方法が好ましい。このような方法としては、公知の方法を適用でき、例えば、重合に先立って、別装置で粒径の均一係数の小さいモノマー含有液滴が分散している水中油型分散液を製造し、この分散液を重合容器に仕込んで重合する方法が挙げられる。
粒径の均一係数の小さい水中油型分散液を製造する方法としては、水を充満した容器の下部に上向きに形成された噴出孔を備えたノズルプレートを設け、この噴出孔を通してモノマー含有液を水中に供給することにより、モノマー含有液滴を水中に分散させる方法(例えば、特開2003-252908号公報、特許第3899786号公報参照)を用いることができる。後述の実施例においては、この方法を採用している。
共重合反応における重合温度は、通常、室温(約18~25℃)以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは70℃以上であり、通常250℃以下、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下である。重合温度が高すぎると解重合が併発し、重合完結度がかえって低下する。重合温度が低すぎると重合完結度が不十分となる。
共重合反応は、例えば、空気雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下で実施可能である。不活性ガスとしては窒素、二酸化炭素、アルゴン等が挙げられる。
上記の共重合反応で得られた共重合体であるゲル型ビーズに強酸基を導入する方法は、特に限定されるものでなく、常法に従って行うことができる。
強酸基がスルホン酸基である場合、スルホン酸基の導入(スルホン化)方法としては、例えば、有機溶媒の非存在下、あるいは、有機溶媒の存在下、ゲル型ビーズを、スルホン化剤と反応させる方法が挙げられる。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、プロピレンジクロライド等が挙げられる。スルホン化剤としては、硫酸、クロロスルホン酸、発煙硫酸等が挙げられる。有機溶媒、スルホン化剤はいずれも、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。この際の反応温度は、通常0~150℃程度で、スルホン化剤及び使用する有機溶媒に応じて適宜選択される。
強酸基が導入されたゲル型ビーズを、常法に従って、洗浄、単離等により分離することで、強酸型陽イオン交換体が得られる。
(メルカプトアミン)
メルカプトアミンは、陽イオン交換体の強酸基と結合し得る含窒素官能基、及びメルカプト基を有する化合物である。
メルカプトアミンとしては、2-アミノエタンチオール等のアミノアルカンチオール;2,2’-ジメチルチアゾリジン等のチアゾリジン;2-(2-メルカプトエチル)ピリジン及び4-(2-メルカプトエチル)ピリジン等のメルカプトアルキルピリジン等が挙げられる。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(変性陽イオン交換体)
変性陽イオン交換体は、強酸型陽イオン交換体の強酸基の少なくとも一部がメルカプトアミンにより保護されたものである。
変性陽イオン交換体は、フェノール化合物とカルボニル化合物との反応(縮合反応)における酸性触媒として作用する。
変性陽イオン交換体において、メルカプトアミンで保護された強酸基と保護されていない強酸基との合計100モル%に対するメルカプトアミンで保護された強酸基の比率は、通常3~30モル%、好ましくは3~20モル%である。
メルカプトアミンで保護された強酸基の比率は、滴定により測定できる。
フェノール化合物とカルボニル化合物との反応においては通常、粒状の酸性触媒(以下、「触媒ビーズ」とも記す。)が用いられる。そのため、変性強酸型陽イオン交換体は、粒状であることが好ましい。
粒状の強酸型陽イオン交換体の粒径の均一係数は、通常1.6以下、好ましくは1.1未満である。粒径の均一係数が1.1未満であれば、触媒ビーズを固定床流通方式で用いた際の触媒充填層における圧力損失を低レベルに抑えることができる。一方、粒径の均一係数が1.10より大きいと、触媒充填層に対する原料の供給圧力を著しく高くする必要があり、触媒ビーズに加わる力が大きくなり、触媒ビーズの磨耗や微細化や変形などによる空隙率の低下により圧力損失が生じやすくなるため、触媒充填層の寿命が短くなる。また、原料供給圧力が高くなると、その分エネルギー消費量も多くなり、プロセスの経済性が悪くなる。
粒径の均一係数は、同様の効果が更に優れたものとなることから、1.05以下であることがより好ましい。
触媒ビーズの平均粒径は、好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上であり、一方、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1000μm以下である。平均粒径が前記下限値より低いと、圧力損失が高くなるおそれがある。平均粒径が前記上限値以下であれば、触媒ビーズを固定床流通方式で用いた際に、単位触媒体積あたりの活性がより優れる。
本発明において、粒径の均一係数及び平均粒径は、ダイヤイオンマニュアル1(三菱化学株式会社刊、平成19年第4版、140~142頁)に記載の以下の式で算出した値で定義される。
平均粒径=累積体積が50%に相当する径(μm)
均一係数=大粒子側の累積体積が40%に相当する径(μm)/大粒子側の累積体積が90%に相当する径(μm)の比
上記式における各径は、篩別法により測定される。なお、篩別法以外の遠心沈降法、コールター法、画像解析法、レーザー回析散乱法等の方法を用いて得られた測定値を換算することにより、篩別法の値として用いることもできる。
変性陽イオン交換体は、強酸型陽イオン交換体の強酸基の少なくとも一部をメルカプトアミンにより保護することにより得られる。
強酸基の保護方法としては、公知の方法、例えば特表2012-108385号公報に記載の方法が挙げられる。
例えば、メルカプトアミンが2-(2-メルカプトエチル)ピリジンである場合を例に挙げると、2-(2-メルカプトエチル)ピリジンを溶媒で希釈し溶液、又は溶媒で希釈されていない2-(2-メルカプトエチル)ピリジンを直接、粒状の強酸型陽イオン交換体を分散媒に分散させた分散液に滴下し、攪拌する方法等により、強酸型陽イオン交換体の強酸基の少なくとも一部を2-(2-メルカプトエチル)ピリジンで保護できる。当該方法では、強酸基を有する陽イオン交換体の強酸基の少なくとも一部と2-(2-メルカプトエチル)ピリジンとが反応(中和)し、イオン結合する。分散媒及び溶媒としては、特に限定されないが、例えば水、アルコール、ケトン、エーテル及びフェノール等が挙げられる。
本製造方法においては、酸性触媒として、変性陽イオン交換体と、変性陽イオン交換体以外の酸性触媒とを併用してもよい。変性陽イオン交換体以外の酸性触媒としては、例えば、強酸基が保護されていない無変性の強酸型陽イオン交換体が挙げられる。
全ての酸性触媒100質量%に対する変性陽イオン交換体の比率は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
(硫黄化合物)
硫黄化合物は、アルキルメルカプタン及びジチオケタールからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
アルキルメルカプタンは、アルキル基及びメルカプト基を有する化合物である。アルキルメルカプタンは、そのまま助触媒として作用する。
アルキルメルカプタンにおけるアルキル基の炭素数は、例えば1~12である。
アルキルメルカプタンの具体例としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n-プロピルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン等が挙げられる。
ジチオケタールは、アルキルメルカプタンとカルボニル化合物との縮合反応生成物である。ジチオケタールは、フェノール化合物とカルボニル化合物との反応により副生した水による加水分解等で、アルキルメルカプタンとカルボニル化合物に分解され、このアルキルメルカプタンが助触媒として作用する。1分子のジチオケタールから2分子のアルキルメルカプタンが生成する。
ジチオケタールの具体例としては、2,2-ビス(チオメチル)プロパン等が挙げられる。
(フェノール化合物とカルボニル化合物との反応)
フェノール化合物とカルボニル化合物とのモル比は、カルボニル化合物1モルに対してフェノール化合物が通常5モル以上であり、好ましくは7モル以上であり、一方、通常40モル以下であり、好ましくは20モル以下である。フェノール化合物の使用量が少なすぎると、副生物が増加する傾向がある。一方、フェノール化合物の使用量が多すぎてもその効果にほとんど変化はなく、むしろ回収、再使用するフェノール化合物の量が増大するため経済的でなくなる傾向がある。
硫黄化合物の使用量は、下記式(i)で表される比率(以下、「比率(i)」とも記す。)が0.03以上となるように設定される。
(m+2m)/m ・・・(i)
ただし、mはカルボニル化合物のモル量を示し、mはアルキルメルカプタンのモル量を示し、mはジチオケタールのモル量を示す。
比率(i)は、カルボニル化合物に対する、アルキルメルカプタン換算での硫黄化合物のモル比である。
比率(i)が0.03以上であれば、副生物の生成を抑制しつつ、目的とするビスフェノール化合物を効率的、高選択率、かつ長期に亘り安定に製造できる。
比率(i)は、0.05以上が好ましく、0.10以上がより好ましい。
比率(i)の上限値は、特に限定されないが、0.5以下が好ましく、0.45以下がより好ましく、0.40以下がさらに好ましい。比率(i)が上記上限値以下であれば、反応液中のアルキルメルカプタン、及び/又は、アルキルメルカプタン由来の化合物が適量に抑えられ、これらの分離のための負荷が低減されるとともに、最終製品のビスフェノール化合物に混入する量も抑えられ、最終製品の色相が良好となる。
フェノール化合物とカルボニル化合物とを、変性陽イオン交換体の存在下、かつ硫黄化合物の存在下に反応させる方法としては、例えば、変性陽イオン交換体が充填された反応器に、フェノール化合物とカルボニル化合物と硫黄化合物とを供給する方法が挙げられる。
各化合物の供給方式は、連続式でも回文式(バッチ式)でもよい。連続式としては、例えば固定床流通方式、流動床方式、連続撹拌方式が挙げられ、いずれの方式でもよい。
固定床流通方式でフェノール化合物とカルボニル化合物との反応を行う場合、必要に応じて、反応器の上部及び下部の少なくともいずれか一方にスクリーン等を設け、充填された変性陽イオン交換体が反応器外に留出せずに反応液のみが流通できるようにしてもよい。反応液は反応器の上部から下部に流しても(ダウンフロー式)、反応器の下部から上部に流しても(アップフロー式)もよい。
フェノール化合物及びカルボニル化合物は、予め混合されて反応器に供給されてもよく、別々に反応器に供給されてもよい。
硫黄化合物は、予め、フェノール化合物、カルボニル化合物、及びフェノール化合物とカルボニル化合物との混合液のいずれかに添加されて反応器に供給されてもよく、フェノール化合物及びカルボニル化合物とは別に、直接反応器に供給されてもよい。
反応器に供給される全ての原料中の水の含有量は少ない方がよく、原料100質量%に対し、0.5質量%未満が好ましく、0.3質量%未満がより好ましく、0.25質量%未満がさらに好ましい。
反応温度は、通常、反応液が固化せずに液状で存在しうる温度で行なわれ、フェノール化合物がフェノールの場合は好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上である。
反応温度が高いほど反応速度的には有利であるが、変性陽イオン交換体の耐熱温度の点から、反応器内の最高温度が好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下となるような条件で反応させるのが好ましい。反応温度が高くなると変性陽イオン交換体の耐熱温度以下でも部分的に分解等によりスルホン酸基等の強酸基の脱離等が起こるので、このような観点からは、できるだけ低い温度が好ましいが、温度が低すぎると生成したビスフェノール化合物が固化する場合がある。
反応時間は、触媒の使用量、反応温度等の条件により異なるが、連続的に反応を行う方法では、通常LHSV0.05~20hr-1で行われ、好ましくはLHSV0.2~10hr-1で行われる。LHSVは、湿潤状態の変性陽イオン交換体の単位容積当たりのフェノール化合物の供給速度に相当する。回分式で反応を行う方法では、0.1~20時間程度で行われる。
上記フェノール化合物とカルボニル化合物との反応により得られた反応液中には、大過剰のフェノールの他に、反応時に生成した不純物等が含まれているので、得られた反応液から、目的とするビスフェノール化合物を回収することが好ましい。
反応液からビスフェノール化合物を回収する方法は特に制限はなく、公知の分離精製方法に準じて行うことができる。
以下、フェノール化合物がフェノールで、カルボニル化合物がアセトンで、ビスフェノール化合物がビスフェノールAである場合を例に挙げて、ビスフェノール化合物の回収方法を説明する。
フェノールとアセトンとの反応に引き続いて、反応で得られた反応液を、ビスフェノールAとフェノールとを含む成分と、反応で副生する水及び未反応アセトン等を含む低沸点成分とに分離する(以下、「低沸点成分分離工程」とも記す。)。
低沸点成分分離工程は、減圧下に蒸留によって低沸点成分を分離する方法で行なわれるのが好ましい。このとき分離される低沸点成分にフェノール等が含まれていてもよい。
低沸点成分を分離した後には、ビスフェノールAとフェノールとを含む成分が残る。この成分は、必要に応じて、さらに蒸留等によってフェノールを除去したり、フェノールを追加したりすることによって、ビスフェノールAの濃度を所望の濃度に調整することができる。
上記蒸留等によって除去されたフェノールを回収し、ビスフェノールAの原料として用いる(リサイクルする)ことができる。
リサイクルされるフェノールを含む液としては、反応液から目的とするビスフェノールAを分離したフェノール(下述するビスフェノールAを晶析等によって固化し、固液分離工程にて固液分離する方法によって、ビスフェノールAを分離した場合には、この液は、一般的に「母液」と呼ばれているが、その他にも蒸留等によって分離する方法もあり、これらに限定されるものではない)を用いることができる。なお、上記の如く精製されたフェノールは、下述する固液分離工程で得られた結晶の洗浄液として使用し、母液と共に反応器へリサイクルする等、プロセスに応じて所望の方法で使用することもできる。
その際に、母液の全量もしくは一部を分離し、酸やアルカリの触媒で処理をした後に重質分等の不純物を除去したり、更にビスフェノールAを回収したりした後の精製されたフェノールをビスフェノールAの原料として用いることが好ましい。プロセス内で回収されたフェノールをリサイクルして固液分離工程で得られた結晶の洗浄液として使用する際は、一般的には精製した後、使用するのが好ましい。
なお、実験室等の小さなスケールでは、原料として用いるフェノールとして精製した高純度のフェノール等も用いられるが、工業レベルのスケールでは、通常、プロセス内で回収されたフェノールをリサイクルさせて使用するのが有利である。
上記フェノールのリサイクルにおいて、フェノールを含有するリサイクル液として、ビスフェノールA、2,4’-異性体、及びp-イソプロピルフェノールの少なくとも一つを含む溶液が反応器に供給される場合、フェノール100質量部に対してビスフェノールAは通常0.3~20質量部である。また、フェノール100質量部に対して2,4’-異性体は通常0.3質量部~10質量部である。また、フェノール100質量部に対してp-イソプロピルフェノールは通常0.1質量部~0.5質量部である。また、フェノール100質量部に対してビスフェノールA、2,4’-異性体、及びp-イソプロピルフェノールの合計は通常1質量部~35質量部である。
一方、フェノールを含むリサイクル液に、さらにその他に構造不明物が共存する場合、フェノール100質量部に対してその他の構造不明物は通常0.3質量部~10質量部である。また、フェノール100質量部に対してビスフェノールA、2,4’-異性体、p-イソプロピルフェノール、及びその他の構造不明物の合計は通常1質量部~45質量部である。
フェノールに対してこれらの化合物をこの下限よりも低い濃度にしようとすると、追加の精製工程等が必要となる。また、フェノールに対してこれらの化合物が上限を超えて含まれると、反応系内でビスフェノールA(4,4’-ビスフェノールA)、2,4’-異性体、及びビスフェノールAとフェノールとのアダクトが結晶として析出し、運転の継続が困難になる場合がある。また、製品としてビスフェノールAを製造する際に精製が困難となる場合もある。
フェノールに対して前記化合物が上限を超えて含まれると、反応系内でビスフェノールA、2,4’-異性体、及びビスフェノールAとフェノールとのアダクトが結晶として析出し、運転の継続が困難になる場合がある。また、製品としてビスフェノールAを製造する際に精製が困難となる場合もある。
必要に応じて、低沸点成分分離工程で得られた低沸点成分から、未反応アセトンを分離回収し、回収されたアセトン(以下、「回収アセトン」とも記す。)を反応工程に循環させる(以下、「アセトン循環工程」とも記す。)ことができる。
上記回収アセトンには不純物として、微量の低級アルコールが含まれる。低級アルコールとは、炭素数1~8のアルコールを意味し、代表的にはメタノールである。反応工程に供給される未反応のアセトンと回収アセトンを含む全アセトン中のメタノール濃度は、好ましく1,000ppm以下、より好ましくは500ppm、さらに好ましくは300ppm以下である。回収アセトン中に含まれるメタノールは反応に関与しないため、分離回収されたアセトン中に蓄積される。蓄積されたメタノールは変性陽イオン交換体を劣化させ、触媒寿命を短くするおそれがあるため、メタノール濃度を低く抑えることが好ましい。
上記低沸点成分及び回収アセトンには硫黄化合物が含まれることがある。回収アセトンに硫黄化合物が含まれる場合は、硫黄化合物を回収アセトンと共に反応工程に循環してもよく、場合により、反応工程に循環する前に硫黄化合物の濃度を高め回収すべく更に処理をしてもよい。また、硫黄化合物由来の不純物を除去処理することが好ましい。硫黄化合物の回収手段は限定されない。
上記低沸点成分分離工程を経た反応で得られた、ビスフェノールAとフェノールとを含む成分を、続いて、ビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶を含有するスラリーを得る晶析工程に供する。
晶析工程に供するビスフェノールAとフェノールとを含む成分100質量%中のビスフェノールAの濃度は、得られるスラリーの取り扱いの容易さ等から、10~30質量%が好ましい。
晶析方法としては、ビスフェノールAとフェノールとを含む成分を直接冷却させる方法、水等の他の溶媒を混合し、当該溶媒を蒸発させることによって冷却を行なう方法、フェノールを除去して濃縮を行う方法及びこれらを組み合わせる方法等が挙げられ、所望の純度の付加物を得るために1回もしくは2回以上晶析させてもよい。
続いて、上記晶析工程で得られたスラリーを、減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過等により結晶と母液とに固液分離し、ビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶を回収する(以下、「固液分離工程」とも記す。)。上記晶析工程で、ビスフェノールAの結晶を晶析によって直接得ることもできる。
続いて、上記固液分離工程で得られた付加物の結晶から、溶融後にフラッシュ蒸留、薄膜蒸留及びスチームストリッピング等の手段によってフェノールを除去する(以下、「脱フェノール工程」とも記す。)。これにより、高純度の溶融ビスフェノールAが得られる。除去されたフェノールは所望により精製され、反応や前記固液分離工程で得られた付加物の結晶の洗浄等に供することができる。
続いて、得られた高純度の溶融ビスフェノールAを固化して粒状のビルフェノールAを得る。
固化方法としては、ノズルから溶融ビスフェノールAを噴射させ、冷却ガスと接触させることにより小球状のビスフェノールAプリルを得る方法が簡便で好ましい。
なお、脱フェノール工程を経ることなく、固液分離工程で得られた付加物の結晶から、再度、晶析を行いビスフェノールAのみを晶析により得ることもできる。
また、系内の不純物の蓄積を防止する目的で、固液分離工程で分離された母液の少なくとも一部を処理(不純物処理)することもできる。例えば、アルカリ又は酸を混合して加熱処理した後に蒸留して軽質分と重質分とに分離し、軽質分を酸触媒等により再結合反応処理して反応に使用するのが経済性の点でも好ましい。ここで重質分を系外にパージすることにより不純物の蓄積を防止し、製品の純度を向上させることができる。また、母液の少なくとも一部を酸触媒によって異性化した後、晶析を行なうことによってビスフェノールAの回収率の向上を図ることもできる。
母液に含まれる2,4-異性体は、異性化等の方法により4,4-ビスフェノールAとして回収することが可能だが、ダイアニン化合物、インダン化合物等の不純物は一旦生成するとビスフェノールAとして回収することが困難なため、系外にパージすることでしか除去できない。本製造方法により、ダイアニン化合物、インダン化合物等の不純物の生成を低減することで、ビスフェノールAの回収率の向上を図ることができ、また系外にパージする重質分を減らすことができるため、工業的に非常に有利である。
以下、実施例によって本発明を詳細に示す。ただし、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下において、「部」は「質量部」を示す。
[実施例1]
<2-(2-メルカプトエチル)ピリジン変性陽イオン交換体の調製>
窒素導入管を備えたフラスコにて、強酸型陽イオン交換体(ゲル型、スルホン酸型スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、架橋度:4%、水湿潤状態での交換容量:1.59meq/g-wet、平均粒径513μm、粒径の均一係数1.02)3.1gをイオン交換水60mLで1時間洗浄し、ろ過することにより、湿潤状態で6.85gの洗浄済み陽イオン交換体を得た。
上記フラスコに、上記洗浄済み陽イオン交換体とイオン交換水20.1mLを導入し、フラスコ内を窒素で置換し、0.2503g(1.7965mmol)の2-(2-メルカプトエチル)ピリジン(以下、「2PET」とも記す。)を加え、室温で2時間撹拌した。その後、内容物を取り出して1Lのイオン交換水で洗浄し、吸引ろ過し、60℃で一昼夜乾燥することにより、2PET変性陽イオン交換体を得た。
<ビスフェノール化合物の製造:バッチ式反応>
二つ口丸底フラスコに、触媒として上記2PET陽イオン交換体0.5gを入れ、フラスコ内をアルゴンで置換し、フェノール、アセトン及びブチルメルカプタンを混合した反応液をフラスコに注入し、油浴中で撹拌しながら70℃で2時間反応を行った。反応液組成は表1に記載した。反応中、蒸発したアセトン及びフェノールは、フラスコの中央のネックに接続されたコンデンサー(4℃)でフラスコ内に回収した。反応開始から2時間後にフラスコのサイドのネックに設置されたゴム製のセプタムを通してシリンジで反応液のサンプリングを行い、以下の方法1及び方法2で、Agilent社製ガスクロマトグラフィー(GC-6890N:HP-1カラム/FID検出器/Heキャリア)を用いて分析した。
方法1:収集したサンプル0.05gをアセトニトリル400μLに溶解し、N,O-ビストリフルオロアセトアミド(BSTFA)0.3mLを添加し、バスソニケーター内にて60℃で20分間シリル化反応を行った。得られた混合液をガスクロマトグラフィーに注入し、ビスフェノールA(4,4BPA)、2,4-異性体(2,4BPA)、ダイアニン(Dianin)、イソプロペニルフェノールサイクリックダイマー(CDIPP)を分析した。
方法2:収集したサンプル0.1gをテトラヒドロフラン1.6mLに溶解し、ノナン20μLを内部標準として添加した。得られた混合液をガスクロマトグラフィーに注入し、アセトン、フェノール、ブチルメルカプタンを分析した。
Dianin及びCDIPPの構造を以下に示す。
Figure 2022022811000002
ガスクロマトグラフィーで得られた結果から、下記式によりアセトン転化率、4,4BPA/2,4BPA、4,4BPA/Dianin、4,4BPA/CDIPPを算出した。結果を表1に示す。
アセトン転化率(%)=[(仕込みアセトンのモル数-未反応アセトンのモル数)/(仕込みアセトンのモル数)]×100
4,4BPA/2,4BPA=[(4,4BPAのピークの面積)/(2,4BPAのピークの面積)]
4,4BPA/Dianin=[(4,4BPAのピークの面積)/(Dianinのピークの面積)]
4,4BPA/CDIPP=[(4,4BPAのピークの面積)/(CDIPPのピークの面積)]
[実施例2~3、比較例1~2]
反応液組成を変更した以外は実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様にアセトン転化率、4,4BPA/2,4BPA、4,4BPA/Dianin、4,4BPA/CDIPPを算出した。反応液組成と結果を表1に示す。
[実施例4]
<2-アミノエタンチオール変性陽イオン交換体の調製>
窒素導入管を備えたフラスコにて、強酸型陽イオン交換体(ゲル型、スルホン酸型スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、架橋度:4%、水湿潤状態での交換容量:1.59meq/g-wet、平均粒径513μm、粒径の均一係数1.02)3.1gをイオン交換水60mLで1時間洗浄し、ろ過することにより、湿潤状態で6.85gの洗浄済み陽イオン交換体を得た。
上記フラスコに、上記洗浄済み陽イオン交換体とイオン交換水20.1mLを導入し、フラスコ内を窒素で置換し、0.1382g(1.7908mmol)の2-アミノエタンチオール(以下、「Cysteamine」とも記す。)を加え、室温で2時間撹拌した。その後、内容物を取り出して1Lのイオン交換水で洗浄し、吸引ろ過し、60℃で一昼夜乾燥することにより、Cysteamine変性陽イオン交換体を得た。
<ビスフェノール化合物の製造:バッチ式反応>
実施例1の<ビスフェノール化合物の製造:バッチ式反応>において、触媒を上記Cysteamine変性陽イオン交換体に変更し、反応液組成を変更した以外は実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様にアセトン転化率、4,4BPA/2,4BPA、4,4BPA/Dianin、4,4BPA/CDIPPを算出した。反応液組成と結果を表1に示す。
[実施例5~6、比較例3~4]
反応液組成を変更した以外は実施例4と同様に反応を行った。実施例1と同様にアセトン転化率、4,4BPA/2,4BPA、4,4BPA/Dianin、4,4BPA/CDIPPを算出した。反応液組成と結果を表1に示す。
[比較例5]
<無変性陽イオン交換体の調製>
フラスコにて、強酸型陽イオン交換樹体(ゲル型、スルホン酸型スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、架橋度:4%、水湿潤状態での交換容量:1.59meq/g-wet、平均粒径513μm、粒径の均一係数1.02)3.1gをイオン交換水60mLで1時間洗浄し、ろ過することにより、湿潤状態で6.85gの洗浄済み陽イオン交換体を得た。引き続き吸引ろ過し、60℃で一昼夜乾燥し、無変性陽イオン交換体を得た。
<ビスフェノール化合物の製造:バッチ式反応>
実施例1の<ビスフェノール化合物の製造:バッチ式反応>において、触媒を上記無変性陽イオン交換体に変更し、反応液組成を変更した以外は実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様にアセトン転化率、4,4BPA/2,4BPA、4,4BPA/Dianin、4,4BPA/CDIPPを算出した。反応液組成と結果を表1に示す。
[比較例6~9]
反応液組成を変更した以外は比較例5と同様に反応を行った。実施例1と同様にアセトン転化率、4,4BPA/2,4BPA、4,4BPA/Dianin、4,4BPA/CDIPPを算出した。反応液組成と結果を表1に示す。
Figure 2022022811000003
触媒として2PET変性陽イオン交換体を使用し、反応液にブチルメルカプタンを含み、ブチルメルカプタン/アセトンのモル比((m+2m)/m)が0.03以上である実施例1~3は、触媒として無変性の強酸型陽イオン交換体を使用した場合と比較して、高いアセトン転化率及び高い4,4BPA選択率を示した。
触媒としてCysteamine変性陽イオン交換体を使用し、反応液にブチルメルカプタンを含み、ブチルメルカプタン/アセトンのモル比が0.03以上である実施例4~6は、無変性の強酸型陽イオン交換体を使用した場合と比較して、同等の転化率及び高い4,4BPA選択率を示した。
[実施例7]
<ビスフェノール化合物の製造:流通式反応>
1/2インチのステンレス製管型反応器に、触媒として実施例1で調製した2PET変性陽イオン交換体2mLを充填した。触媒の存在しない空間には石英ウールと3mm径のガラスビーズを充填した。触媒を充填した反応管を管型ヒーターに設置し、窒素流通下で80℃に加熱した。シリンジポンプ(Teledyne ISCO、500Dシリーズ)により、フェノール481.8g(5.12モル)、アセトン34.3g(0.59モル)及びブチルメルカプタン90.2g(0.21モル)を混合した反応液(ブチルメルカプタン/アセトンのモル比は0.36)を、1時間当たり2.67cm流通させて反応を行った。出口配管に設置されたゴム製のセプタムを通してシリンジで反応液のサンプリングを行い、実施例1で示した方法によりガスクロマトグラフィーで分析を行った。実施例1と同様の方法で、約200時間毎にアセトン転化率、4,4BPA/2,4BPA、4,4BPA/Dianin、4,4BPA/CDIPPを算出した。各反応時間におけるアセトン転化率の値から、劣化速度を最小二乗法で算出した。結果を表2に示す。
[比較例10]
反応液中にブチルメルカプタンを混合しなかったこと以外は実施例7と同様に反応を行った。実施例7と同様の方法で約200時間毎にアセトン転化率、4,4BPA/2,4BPA、4,4BPA/Dianin、4,4BPA/CDIPPを算出した。各反応時間におけるアセトン転化率の値から、劣化速度を最小二乗法で算出した。結果を表2に示す。
Figure 2022022811000004
触媒として2PET変性陽イオン交換体を使用し、反応液にブチルメルカプタンを含み、ブチルメルカプタン/アセトンのモル比が0.03以上である実施例7は、ブチルメルカプタンを含まない場合と比較して、高いアセトン転化率、高い4,4BPA選択率及び遅い劣化速度(良好な安定性)を示した。
上記結果から、触媒として変性陽イオン交換体を用い、原料のカルボニル化合物に対して特定範囲量の硫黄化合物を添加することによって、従来よりも副生物の生成を抑制できることが明らかとなった。
本発明のビスフェノール化合物の方法によれば、フェノール化合物とカルボニル化合物とを反応させてビスフェノール化合物を製造する方法において、副生物の生成を抑制しつつ、目的とするビスフェノール化合物を効率的、高選択率、かつ長期に亘り安定に製造でき、工業的に極めて有利である。

Claims (6)

  1. フェノール化合物とカルボニル化合物とを、強酸基を有する陽イオン交換体の前記強酸基の少なくとも一部がメルカプトアミンにより保護された変性陽イオン交換体の存在下、かつアルキルメルカプタン及びジチオケタールからなる群より選ばれる少なくとも1種の硫黄化合物の存在下に反応させる工程を有し、
    下記式(i)で表される比率が0.03以上であることを特徴とする、ビスフェノール化合物の製造方法。
    (m+2m)/m ・・・(i)
    ただし、mは前記カルボニル化合物のモル量を示し、mは前記アルキルメルカプタンのモル量を示し、mは前記ジチオケタールのモル量を示す。
  2. 前記メルカプトアミンがメルカプトアルキルピリジンである、請求項1に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  3. 前記メルカプトアルキルピリジンが2-(2-メルカプトエチル)ピリジンである、請求項2に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  4. 前記メルカプトアミンが2-アミノエタンチオールである、請求項1に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  5. 前記変性陽イオン交換体が粒状であり、
    前記変性陽イオン交換体の粒径の均一係数が1.1未満である、請求項1~4のいずれか一項に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
  6. 前記ビスフェノール化合物がビスフェノールAである、請求項1~5のいずれか一項に記載のビスフェノール化合物の製造方法。
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