JP5332846B2 - ビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒及び、それを用いたビスフェノール化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
1))該強酸性イオン交換樹脂触媒において、イオン交換樹脂が球状のゲル型である
2)該強酸性イオン交換樹脂触媒において、イオン交換樹脂全体のスルホン酸基の量が、乾燥状態で0.5meq/g以上4.0meq/g以下である
3)該強酸性イオン交換樹脂触媒の、イオン交換樹脂の中心における硫黄原子存在量Aに対する樹脂表面から半径40%の間の硫黄原子存在量の最大値Bの比B/Aが、5以上である
換樹脂は、スチレンとジビニルベンゼンを両方含む重合成モノマーに、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル(BPO)などのラジカル重合開始剤を混合して懸濁重合することにより得られる三次元構造を有する透明な球状のスチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂を、膨潤剤の不存在下または存在下にスルホン化剤を用いスルホン化することにより製造される。このように、スチレンとジビニルベンゼンとを重合開始剤の共存下に共重合させることにより得られる三次元構造を有する透明なスチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂を、スルホン化してイオン交換樹脂とすることにより、一般にゲル型と呼ばれるイオン交換樹脂を得ることが出来る。
また、本発明では使用するゲル型のスチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂は球状である。ここでいう球状とは、幾何学的な真球状のみを意味しているのではなく、楕円体でもよいが、真球状に近いものがより好ましい。楕円体である場合は、互いに直交する3つの径のうち、もっとも長い径(長軸径)ともっとも短い径(短軸径)の比が2以下のモノが好ましく、1.3以下のものが更に好ましい。このようなスチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂は、スチレンとジビニルベンゼンとにラジカル重合開始剤を用いて共重合反応を行う、公知の技術に基づいて得ることができる。 ラジカル重合開始剤としては、例えば
過酸化ジベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。ラジカル重合開始剤は、全モノマー重量に対して、通常0.05重量%以上、5重量%以下で用いられる。重合様式は、特に限定されるものではないが、均一な球状の共重合樹脂が得られる懸濁重合法が好ましく採用される。懸濁重合法は、一般にこの種の共重合樹脂の製造に使用される溶媒、分散安定剤等を用い、公知の反応条件を選択して行うことができる。なお、共重合反応における重合温度は、通常、室温(約18℃〜25℃)以上、好ましくは40℃以上、さらに好ましくは70℃以上であり、通常250℃以下、好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下である。重合温度が高すぎると解重合が併発し重合完結度がかえって低下する場合がある。重合温度が低すぎると重合完結度が不十分となる場合がある。また、重合雰囲気は、空気雰囲気下もしくは不活性ガス雰囲気下で実施可能であり、不活性ガスとしては窒素、二酸化炭素、アルゴン等が使用できる。なお、
均一粒径の架橋共重合体を得る公知の方法も好適に使用でき、例えば、特開2002−35560号公報、特開2001−294602号公報、特開昭57−102905号公報の方法が好適に使用できる。
得られる値で定義される。
膨潤剤の不存在下に濃硫酸を用いてスルホン化する方法が、スルホン化によって導入されるスルホン酸基の量のコントロールが容易であり、かつ膨潤剤を使用しないため廃棄物の削減にもつながり好ましい。
酸基の量は、乾燥状態で0.5meq/g以上であり、好ましくは1.0meq/g以上、より好ましくは1.2meq/g以上、であり、一方乾燥状態で4.0meq/g以下であり、好ましくは3.8meq/g以下、より好ましくは3.5meq/g以下である。スルホン酸基の量が乾燥状態で0.5meq/g以上であると触媒としての活性が十分であり好ましい。また、スルホン酸基の量が乾燥状態で4.0meq/g以下であると、4,4‘−ビスフェノールA(以下、4,4’−体と略記することがある)の選択率が十分に高く好ましい。ここで4,4‘−体の選択率とは、4,4’−体と2,4‘−ビスフェノールA(以下2,4’−体と略記することがある)の比(4,4‘−体/2,4’−体比)のことを表す。
硫黄原子存在量の測定方法については妥当な分析方法であれば特に制限はなく、例えば、電子線マイクロアナライザ(以下EPMAと略記することがある)、X線光電子分光(XPS)、顕微赤外等の装置を用いて測定することができる。中でもEPMAによる測定が簡便で正確に測定できる方法であり好ましい。EPMAを用いた測定方法は、前処理として測定試料の測定面にAuを蒸着させ、該測定試料に細く絞った電子線を照射し、電子が表面の原子と衝突する際に発生する特性X線を分光分析して、表面微小領域における原子の種類の同定、濃度を測定する方法であり、各原子の存在量は、ピーク強度から相対的に表現される。
フェノール膨潤度Cに対する水膨潤度Dの比D/Cが0.3未満では水によって湿潤状態のイオン交換樹脂にフェノールを接触させた時に大きく膨潤し、イオン交換樹脂が破砕してしまう場合があり好ましくない。
ビスフェノール化合物は、フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応により製造される。フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応では、フェノール性水酸基の強いオルト‐パラ配向性、特にパラ配向性を利用するものと解されるところより、使用するフェノール化合物はオルト位又はパラ位に置換基のないものが好ましい。中でも、縮合反応生成物であるビスフェノール化合物は、その用途の点から4,4′−ビスフェノール化合物が一般的に好ましく、この点からパラ位に置換基のないフェノール化合物が好ましい。このような原料を用いることにより、4,4‘−ビスフェノール化合物の選択性が高いという本発明のビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒の特徴を、十分に発揮させることが可能となる。
物とともにメルカプト化合物を反応系に供給する方法、事前にビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒のスルホン酸基にメルカプト化合物を結合させたものを用いて反応させる方法、これらの方法を同時に行う方法等がある。メルカプト化合物で変性したイオン交換樹脂をビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒として用いる方法は、メルカプト化合物が反応生成物中に混入しない為これを回収する必要がないこと、触媒調製が容易であること等の点から、メルカプト化合物を反応原料と共に連続的に酸性触媒に供給する方法よりも優れている。
ることで保護が可能である。具体的な例としては、tert−ブチル基のような安定なカルボカチオンを生じる脂肪族保護基で保護したチオエーテル体、アセチル基のようなアシル保護基で保護したチオエステル体、カーボネート保護基で保護したチオカーボネート体、ベンジル保護基で保護したベンジルチオエーテル体、ケトンやアルデヒドで保護したジチオアセタール体等が挙げられる。
し、製造量や装置の制約等に応じて、連続法、半連続法、及びバッチ法等を任意に選択することが可能であり、反応器は単独でもよく、複数の反応器を並列、或いは直列に接続して製造する方法や、これらの方法や反応器を組み合わせて製造することも可能である。これらの製造方法は単独の反応方法でもよく、別の方法としては、例えば複数の反応器を用いて連続法とバッチ法を並列で行う等の方法も選択可能である。フェノール化合物とカルボニル化合物は別々に反応器に供給してもよく、混合して供給してもよい。また、カルボニル化合物を反応開始時に一度に反応に供してもよく、複数回に分割して反応に供してもよい。例えば、複数の反応器を直列に接続して製造する場合には、カルボニル化合物を各反応器に任意の割合で分割して供することができる。反応装置も加熱装置を有する反応器や断熱反応器等、必要に応じて種々の装置を用いることが可能である。本願発明の製造方法においては、反応効率や運転の容易さから、連続法が好ましい。連続法としては、本発明のビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒を充填した反応器にフェノール化合物とカルボニル化合物とを連続的に供給して反応を行う方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、固定床流通方式、流動床方式、及び連続撹拌方式のいずれでもよいが、ビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒を固定床とし、フェノール化合物とカルボニル化合物とを連続的に供給、流通させる、固定床流通方式が好ましい。
しいが、温度が低すぎると生成したビスフェノール化合物が固化する場合がある。
40〜110℃で一般的なスルホン酸型陽イオン交換樹脂のような酸性触媒と接触させ、フェノール化合物中に含まれる不純物を重質化させた後に蒸留して重質分を除去する方法などが挙げられる。このようにして得られるフェノール化合物は、反応器へ供給することにより反応原料として使用される。
尚、実験室などの小さなスケールでは、原料として用いるフェノール化合物として精製した高純度のフェノール化合物なども用いられるが、工業レベルのスケールでは、通常、プロセス内で回収されたフェノール化合物をリサイクルさせて使用するのが経済的にも有利である。
の付加物の結晶が回収される。当該晶析工程で、ビスフェノールAの結晶を晶析によって直接得ることもできる。
低沸点成分分離工程で得られた低沸点成分は、アセトン循環工程によって未反応アセトンを分離回収し、回収されたアセトンを反応工程に循環させることができる。
なお、各種の分析及び計算は、以下の通りに行った。
<分析及び計算>
1)含水率
強酸性イオン交換樹脂の表面に付着した水分を拭き取った湿潤状態の樹脂Ww(g)を恒温減圧乾燥機(105℃、1kPa以下)で6時間乾燥させ、更にデシケーター中で30分放冷した後、得られた乾燥強酸性イオン交換樹脂の質量Wd(g)を測定し、下記の式を用いて含水率を算出した。
2)強酸性イオン交換樹脂全体のスルホン酸基の量(交換容量)
洗浄したフラスコに、湿潤状態の強酸性イオン交換樹脂0.50gと塩化ナトリウム0.25g、脱塩水20mLを秤量し、室温で約30分攪拌した後、メチルレッド−メチレ
ンブルー混合指示薬(和光純薬社製)を用いて0.1N水酸化ナトリウム水溶液(力値:f)で滴定し、滴定に要した滴下量(A ml)から以下の式を用いて湿潤状態の強酸性イオン交換樹脂全体のスルホン酸基の量(湿潤状態の交換容量:meq/g−wet)を算出した。
また、乾燥状態の強酸性イオン交換樹脂全体のスルホン酸基の量(乾燥状態の交換容量:meq/g−dry)を以下の式を用いて算出した。
乾燥状態の交換容量(meq/g−dry)=湿潤状態の交換容量(meq/g−wet)×100/(100−含水率(%))
約1gの乾燥強酸性イオン交換樹脂W1(g)と溶融したフェノール約7mLとを10
mLのメスシリンダーへ入れて50℃で5時間静置した後、メスシリンダーの底部を軽く
たたいて体積が減少しなくなったところでの体積V1(mL)を読み取り、これらの値から下記式に従ってフェノール膨潤度Cを算出した。
約1gの乾燥強酸性イオン交換樹脂W2(g)と脱塩水約7mLとを10mLのメスシリンダーへ入れて室温で5時間静置した後、メスシリンダーの底部を軽くたたいて体積が減少しなくなったところでの体積V2(mL)を読み取り、これらの値から下記式に従って水膨純度Dを算出した。
上記方法により求めたC及びDの値を用いて、フェノール膨潤度Cに対する水膨潤度Dの比D/Cを求めた。
4)硫黄原子存在量の比(B/A)
乾燥イオン交換樹脂をミクロトーム(ライカ社製、ウルトラミクロトームUCT)を用いて半球状に切断した。切断面をイオンスパッタ装置(日立製作所社製、E101)を用いてAu蒸着を3分間行い、測定用サンプルとした。
測定条件を以下に記す。
機種名:日本電子社製 JXA−8100
前処理:ミクロトーム断面切削、Au蒸着
電子銃:Wエミッター、加速電圧10kV、照射電流20nA
線分析:分析長650〜750μm(ステージ走査)、収集間隔5μm、分析面積:5μmφ、収集時間:1000msec/point
変性率は、変性に使用した湿潤状態の強酸性イオン交換樹脂の量、添加した助触媒の量及び滴定によって求めた強酸性イオン交換樹脂全体のスルホン酸基の量から、下式に従って求めた。
全体のスルホン酸基の量(meq/g−湿潤状態)×変性に使用した強酸性イオン交換樹脂の重量(g−湿潤状態))}]×100
反応によって得られたサンプルは、ガスクロマトグラフィーの分析によって、4,4’-ビスフェノールA及び2,4’-ビスフェノールAの定量を行った。ガスクロマトグラフィーの分析条件は以下の通り。
装置:島津製作所製 GC−2014
カラム:アジレントテクノロジー製「HP−Ultra2、25m×0. 32mm×0. 52μm」
検出器:FID
キャリアーガス:ヘリウム
得られた分析結果を用いて、以下の計算式より4,4’−ビスフェノールA収率、ターンオーバー数(TON)、4,4’−ビスフェノールAと2,4’−ビスフェノールAの
生成比(4,4’−体/2,4’−体比)を求めた。
4,4’−ビスフェノールA収率(%)=〔(生成した4,4’−ビスフェノールAのモル数(ミリモル))/(反応に用いたアセトンのモル数(ミリモル))〕×100
TON(ターンオーバー数)=〔生成した4,4’−ビスフェノールAのモル数(ミリモル)〕/〔(イオン交換樹脂全体のスルホン酸基の量(meq/g−湿潤状態))×(使用触媒量(g−湿潤状態))〕
4,4’−体/2,4’−体比 =〔(生成した4,4’−ビスフェノールAのモル数(ミリモル))/(生成した2,4’−ビスフェノールAのモル数(ミリモル))〕
窒素雰囲気下、モーター攪拌器、ジムロート冷却器および温度計を付した300mLの四口フラスコに、乾燥したスチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂(三菱化学社製、架橋度4%、ゲル型)30.0g、95%硫酸100mLを加え、105℃で11時間攪拌し、スルホン化を行った。
この後、残留硫酸を脱塩水で徐々に希釈し、得られた樹脂をろ過した後、洗浄液が中性になるまで脱塩水を用いて樹脂を洗浄し、目的とする強酸性イオン交換樹脂を得た。
得られた樹脂の含水率、交換容量、膨潤度比(D/C)、硫黄原子存在量の比(B/A)の値を表1に示す。
窒素ガス導入管を備えた100mLの四つ口フラスコ中に、前記で製造した強酸性イオン交換樹脂5.08g−湿潤状態(0.52meq/g−湿潤状態)、及び60℃の脱塩水約20mLを入れ、強酸性イオン交換樹脂を洗浄し、洗浄液をデカンテーションにより廃棄した。60℃の脱塩水約20mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄液を廃棄した後、脱塩水約20mLを加えて、フラスコ内を窒素で置換した。そこへ、助触媒として2−(4−ピリジル)エタンチオール0.057g(0.41ミリモル)を攪拌下に一度に加え、更に2時間、室温下で攪拌して変性処理を行った。処理終了後、得られた変性強酸性イオン交換樹脂を脱塩水で洗浄し、2−(4−ピリジル)エタンチオール変性強酸性イオン交換樹脂触媒(変性率15.5%)を得た。
窒素ガス導入管、モーター攪拌器、ジムロート冷却器を備えた200mLガラス製フラスコに、前記で得られた2−(4−ピリジル)エタンチオール変性強酸性イオン交換樹脂触媒(変性率15.5%)をフェノール膨潤状態の体積が2.0mLとなるような量を秤量し、70℃のフェノール約100mLを用いて、洗浄後のフェノールの含水率が0.1重量%以下になるまで洗浄した。次いで、上記フラスコにフェノール90.0gを加え、窒素を導入した。攪拌下、アセトン4.27gを加えて温度を70℃に保持し、反応を開始した。反応開始後240分で反応液を採取し、ガスクロマトグラフィーにより分析し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の<強酸性イオン交換樹脂の製造>において、26時間攪拌してスルホン化を行った他は実施例1と同様にして、強酸性イオン交換樹脂を得た。得られた樹脂の含水率、交換容量、膨潤度比(D/C)、硫黄原子存在量の比(B/A)の値を表1に示す。
<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>
実施例2の<強酸性イオン交換樹脂の製造>で得られた樹脂を用いた他は実施例1の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>と同様の操作により、2−(4−ピリジル)エタンチオール変性強酸性イオン交換樹脂触媒(変性率16.2%)を得た。
実施例2の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>で得られた2−(4−ピリジル)エタンチオール変性強酸性イオン交換樹脂触媒を用いた他は実施例1の<ビスフェノール化合物の製造>と同様にして反応と分析を行い、4,4’−ビスフェノールA収率(%)、TON(ターンオーバー数)及び4,4’−体/2,4’−体比を求めた。その結果を表1に示す。
実施例1の<強酸性イオン交換樹脂の製造>において、39時間攪拌してスルホン化を行った他は実施例1と同様にして、強酸性イオン交換樹脂を得た。得られた樹脂の含水率、交換容量、膨潤度比(D/C)、硫黄原子存在量の比(B/A)の値を表1に示す。
<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>
実施例3の<強酸性イオン交換樹脂の製造>で得られた樹脂を用いた他は実施例1の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>と同様にして、2−(4−ピリジル)エタンチオール変性強酸性イオン交換樹脂触媒(変性率16.4%)を得た。
実施例3の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>で得られた2−(4−ピリジル)エタンチオール変性強酸性イオン交換樹脂触媒を用いた他は実施例1の<ビスフェノール化合物の製造>と同様にして反応と分析を行い、4,4’−ビスフェノールA収率(%)、TON(ターンオーバー数)及び4,4’−体/2,4’−体比を求めた。その結果を表1に示す。
<強酸性イオン交換樹脂の製造>
実施例1の<強酸性イオン交換樹脂の製造>において、119時間攪拌してスルホン化を行った他は実施例1と同様にして、強酸性イオン交換樹脂を得た。得られた樹脂の含水率、交換容量、膨潤度比(D/C)、硫黄原子存在量の比(B/A)の値を表1に示す。
<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>
比較例1の<強酸性イオン交換樹脂の製造>で得られた樹脂を用いた他は実施例1の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>と同様にして、2−(4−ピリジル)エタンチオール変性強酸性イオン交換樹脂触媒(変性率16.0%)を得た。
比較例1の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>で得られた2−(4−ピリジル)エタンチオール変性強酸性イオン交換樹脂触媒を用いた他は実施例1の<ビスフェノール化合物の製造>と同様にして反応と分析を行い、実施例1と同様にして4,4’−ビスフェノールA収率(%)、TON(ターンオーバー数)及び4,4’−体/2,4’−体比を求めた。その結果を表1に示す。
<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>
実施例1の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>において、強酸性イオン交換樹脂として三菱化学株式会社製の架橋度4%ゲル型強酸性イオン交換樹脂(商品名:SK104H、交換容量1.67meq/g−湿潤状態)を用いた他は実施例1と同様にして、2−(4−ピリジル)エタンチオール変性強酸性イオン交換樹脂触媒(変性率15.9%)を得た。
比較例2の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>で得られた2−(4−ピリジル)エタンチオール変性強酸性イオン交換樹脂触媒を用いた他は実施例1の<ビスフェノール化合物の製造>と同様にして反応と分析を行い、実施例1と同様にして4,4’−ビスフェノールA収率(%)、TON(ターンオーバー数)及び4,4’−体/2,4’−体比を求めた。その結果を表1に示す。
実施例2の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>において、実施例2で製造した強酸性イオン交換樹脂5.05g−湿潤状態(1.07meq/g−湿潤状態)を用い、2−(4−ピリジル)エタンチオールに代えて2−メルカプトエチルアミン塩酸塩0.095g(0.84ミリモル)/脱塩水10ml溶液を攪拌下に20分かけて室温で滴下した他は、実施例2の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>と同様にして2−メルカプトエチルアミン変性強酸性イオン交換樹脂触媒(変性率15.5%)を得た。
実施例4の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>で得られた2−メルカプトエチルアミン変性強酸性イオン交換樹脂触媒を用いた他は実施例1の<ビスフェノール化合物の製造>と同様にして反応と分析を行い、実施例1と同様にして4,4’−ビスフェノールA収率(%)、TON(ターンオーバー数)及び4,4’−体/2,4’−体比を求めた。その結果を表2に示す。
<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>
実施例4の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>において、強酸性イオン交換樹脂として比較例2で使用した三菱化学株式会社製の架橋度4%ゲル型強酸性イオン交換樹脂(商品名:SK104H、交換容量1.67meq/g−湿潤状態)を用いた他は、実施例4と同様にして、2−メルカプトエチルアミン変性強酸性イオン交換樹脂触媒(変性率15.5%)を得た。
比較例3の<強酸性イオン交換樹脂触媒の調製>で得られた2−メルカプトエチルアミン変性強酸性イオン交換樹脂触媒を用いた他は実施例1の<ビスフェノール化合物の製造>と同様にして反応と分析を行い、実施例1と同様にして4,4’−ビスフェノールA収率(%)、TON(ターンオーバー数)及び4,4’−体/2,4’−体比を求めた。その結果を表2に示す。
窒素雰囲気下、モーター攪拌器、ジムロート冷却器および温度計を付した100mLの
四口フラスコに、乾燥したスチレン−ジビニルベンゼン共重合体(三菱化学社製、架橋度4%、ゲル型)5.0g、1,2−ジクロロエタン35mLを仕込み、70℃で1時間攪拌し樹脂を膨潤させた。室温まで冷却後、95%硫酸2.04mLを加え、85℃で5時間攪拌し、スルホン化を行った。
得られた樹脂の含水率、交換容量、膨潤度比(D/C)、硫黄原子存在量の比(B/A)の値を表3に示す。
窒素雰囲気下、マグネチックスターラー、ジムロート冷却器を備えた50mLガラス製
二口フラスコに、前記で得られた強酸性イオン交換樹脂触媒をフェノール膨潤状態の体積が0.6mLとなる量を秤量した。次いで、上記フラスコに70℃のフェノール22.5gを加え、1時間攪拌し樹脂を膨潤させた。攪拌下、2−(4−ピリジル)エタンチオール7.2μL(0.057ミリモル)を加え、更に、1時間攪拌した後、アセトン1.07gを加えて反応を開始した。反応開始後240分で反応液を採取し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行い、評価を行った。結果を表3に示す。
窒素雰囲気下、モーター攪拌器、ジムロート冷却器および温度計を付した200mLの
四口フラスコに、乾燥したスチレン−ジビニルベンゼン共重合体(三菱化学社製、架橋度4%、ゲル型)5.0g、脱水ジクロロメタン50mLを仕込み、室温で1時間攪拌し樹脂を膨潤させた。氷冷下(内温5℃)で攪拌しながら、クロロスルホン酸1.2mLと脱水ジクロロメタン20mLの混合溶液を20分間かけて滴下し、更に、氷冷下で7時間攪拌してスルホン化を行った。
得られた樹脂の含水率、交換容量、膨潤度比(D/C)、硫黄原子存在量の比(B/A)の値を表3に示す。
実施例6の<強酸性イオン交換樹脂触媒の製造>で得られた強酸性イオン交換樹脂触媒を用い、2−(4−ピリジル)エタンチオール11.2μL(0.088ミリモル)を用いた他は、実施例5の<ビスフェノール化合物の製造>と同様に反応と分析を行い、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例2の<強酸性イオン交換樹脂触媒の製造>で得られた強酸性イオン交換樹脂触媒を用い、2−(4−ピリジル)エタンチオール6.4μL(0.05ミリモル)を用いた他は、実施例5の<ビスフェノール化合物の製造>と同様に反応と分析を行い、評価を行った。結果を表3に示す。
<強酸性イオン交換樹脂の製造>
実施例5の<強酸性イオン交換樹脂の製造>において、1,2−ジクロロエタン35mLに代えてニトロベンゼン15mLを用い、95%硫酸1.36mLを加えて105℃で5時間攪拌しスルホン化を行った他は、実施例5の<強酸性イオン交換樹脂の製造>と同様の操作により強酸性イオン交換樹脂を得た。
得られた樹脂の含水率、交換容量、膨潤度比(D/C)、硫黄原子存在量の比(B/A)の値を表3に示す。
比較例4の<強酸性イオン交換樹脂触媒の製造>で得られた強酸性イオン交換樹脂触媒を用い、2−(4−ピリジル)エタンチオール6.6μL(0.052ミリモル)を用いた他は、実施例5の<ビスフェノール化合物の製造>と同様に反応と分析を行い、評価を行った。結果を表3に示す。
<ビスフェノール化合物の製造>
比較例2の<強酸性イオン交換樹脂触媒の製造>で得られた強酸性イオン交換樹脂触媒を用い、2−(4−ピリジル)エタンチオール23.2μL(0.184ミリモル)を用いた他は、実施例5の<ビスフェノール化合物の製造>と同様に反応と分析を行い、評価を行った。結果を表3に示す。
<強酸性イオン交換樹脂の製造>
窒素雰囲気下、モーター攪拌器、ジムロート冷却器および温度計を付した100mLの
四口フラスコに、乾燥したスチレン−ジビニルベンゼン共重合体(三菱化学社製、架橋度4%、ポーラス型)5.0g、95%硫酸20mLを加え、105℃で19時間攪拌し、スルホン化を行ったところ、樹脂が破砕し、以降の評価を行うことが出来なかった。
Claims (5)
- スルホン酸基を有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂からなるビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒であって、該強酸性イオン交換樹脂触媒が以下を満足することを特徴とするビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒。
1)該強酸性イオン交換樹脂触媒において、イオン交換樹脂が球状のゲル型である
2)該強酸性イオン交換樹脂触媒において、イオン交換樹脂全体のスルホン酸基の量が、乾燥状態で0.5meq/g以上4.0meq/g以下である
3)該強酸性イオン交換樹脂触媒の、イオン交換樹脂の中心における硫黄原子存在量Aに対する樹脂表面から半径40%の間の硫黄原子存在量の最大値Bの比B/Aが、5以上である - 該強酸性イオン交換樹脂触媒のフェノール膨潤度Cに対する水膨潤度Dの比D/Cが、0.3以上1.2以下である請求項1に記載のビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒。
- 該強酸性イオン交換樹脂触媒において、イオン交換樹脂の架橋度が、2%以上7%以下である請求項1又は2に記載のビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒。
- 該強酸性イオン交換樹脂触媒が、膨潤剤の不存在下に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂をスルホン化して製造されたものである請求項1乃至3の何れかに記載のビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹脂触媒。
- 請求項1乃至4の何れか1項に記載のビスフェノール化合物製造用強酸性イオン交換樹
脂触媒の存在下、フェノール化合物とカルボニル化合物とを反応させるビスフェノール化合物の製造方法。
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